説明

溶液中に存在する酸性又は求電子性化合物の固定化方法

【課題】本発明は、溶液の中の酸性又は求電子性化合物の固定化方法に関する。
【解決手段】本方法は、媒体に不溶性であり、−NH−基であるイミノ基を持つ架橋ポリイミンを前記化合物と接触させること、及び次いで、得られた修飾ポリイミンを濾過により分離することを特徴とする。
前記架橋ポリイミンは、R、R及びRが同一又は異なるアルキレン又はアルケニレン基であり、Arが芳香族基を表す−HN−R−NH−R−Ar−R−単位から成る線状セグメントを含む。
本方法は、望ましくない化合物を固定するために、又は酸性化合物を精製するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応媒体中の副生物及び過剰の反応物を捕捉するのに使用できる高分子物質に関する。
【背景技術】
【0002】
所望の生成物を調製するために化学反応を実施する過程で、望ましくない副生物が得られることが多くあり、除去されなければならない。更に、反応媒体は、除去もされなければならない過剰の反応物を含むことがある。望ましくない化合物を表面に固定できる高分子の使用が考えられてきた。
【0003】
有機溶媒中の酸性化合物を除去するために、支持体に固定化されたポリイミンを使用することが提案されてきた。例えば、DE10143171号明細書は、非プロトン有機液体から酸を除去するための物質の調製方法を開示していて、前記物質は、支持体、例えばシリカ、に固定されたポリアルキレンイミンから成る。Yoshida Hiroyuki:(Industrial & Engineering Chemistry, Research):1994年4月、第33巻、第4号、p.854-859)は、多孔性の高いキトサンに固定されたポリエチレンイミンから成る弱塩基性交換体への強酸の吸着を記載している。特開昭62−216641号公報は、支持体(例えば、多孔性樹脂)に吸着された5000より大きい分子量のポリエチレンイミン、及び強酸、界面活性剤又は重金属に対する吸着剤として前記イミンの使用を開示している。ポリイミンは、ポリイミン溶液の中に多孔性樹脂を浸漬することによりこの樹脂に吸着される。従って、支持体に固定化されるのは有機溶媒に可溶性のポリイミンである。US5162404号明細書は、セルロース、及びそのセルロースに固定された“固定化された”ポリエチレンイミンから成るスポンジを開示している。ポリエチレンイミンは、−CHCH−基により区別された第一級、第二級又は第三級アミン基を含み、ハロゲン化若しくは非ハロゲン化カルボン酸、又は低分子量を持ち、アミン基のN原子と反応するポリハロゲン化脂肪族化合物を使って架橋により不溶性にされている水溶性分岐ポリマーである。しかしながら、これらの全ての方法とも、支持体にポリイミンを固定化するのには多くの欠点が存在する。第1に、固定化支持体の調製には2段階(ポリイミンの調製、及び次いで支持体へのポリイミンの固定)が必要であり、従って、製造コストが嵩む。第2に、所与量の支持体に対して、ポリイミンが支持体に固定されるとき作用官能基の数は大幅に減る。
【0004】
溶液中の化合物に対する固定化剤として、不溶性高分子の使用が提案されてきた。従来から使用されている高分子は、除去対象の化合物の固定を可能にする反応性官能基を持つポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)類である(国際公開第97/42230号パンフレット、及びジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー、パーキン・トランザクションズ(Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions)、2000年、第1巻,p.4133-4195を参照されたい)。しかしながら、このタイプの高分子は、水性媒体の中で、又はメタノールの中で使用できない。更に、この高分子は比較的低レベルの活性官能基しか持たず、高分子の性能が限定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、不溶性固定化剤を使用し、水中及び有機化合物の合成のために一般に使用される有機溶媒中の、望ましくない酸性又は求電子性化合物を効率よく除去する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主題は、溶媒中に存在している酸性又は求電子性化合物の固定化方法であって、−NH−基であるイミノ基を持つ架橋ポリイミンを前記化合物と接触させること、ここで前記架橋ポリイミンは前記溶媒に不溶性であり、及び得られた修飾ポリイミンを濾過により分離することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
接触操作は、周囲温度で実施できる。接触の継続時間は、化合物の性質によって変化する。一般に、1時間〜約10時間の継続時間で充分である。
【0008】
本発明の方法を実施するのに特に好適である架橋ポリイミンは、−HN−R−NH−R−Ar−R−単位(式中、R、R及びRは同一又は異なるアルキレン又はアルケニレン基であり、Arは芳香族基を表す)を含む線状セグメントを含む。
【0009】
、R及びRは、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン又はアルケニレン基であるのが好ましい。芳香族基Arは、φが随意に1個以上の置換基を持つフェニルを表すφ又はφ−φ基であるのが好ましい。フェニル基の置換基は、アルキル、アリール、アルキルオキシ、アルコキシカルボニル、ハロゲン又はNOの各基から選ぶことができる。
【0010】
反復単位の中にフェニル基が存在すると、疎水性媒体の中でも親水性媒体の中でも使用できる両親媒特性がポリイミンに付与される。
【0011】
本発明の方法に使用されるポリイミンの中で、架橋ノード(crosslinking node)は、例えば、C(RNH−R−Ar−R−)4−n(RNH又はN(RNH−R−Ar−R−)タイプであることが可能である(式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するのが好ましいアルキレン基を表し、nは0又は1である)。
【0012】
前記で定義されるポリイミンは、極めて高含有量のNH基を有する。例えば、R及びRが−CHCH−であり、R及びRが−CH−であるとき、その含有量は約11ミリモル/gである。更に、ポリイミンは水に不溶性であり、種々の化学反応に通常使用される有機溶媒に不溶性であるけれども、ポリイミンがそのような前記溶媒に入れられると膨潤する、即ちポリイミンは、分子網目(molecular mesh)の内部に溶媒分子及び反応物分子を受け入れる能力を有する。こうして、ポリイミンの活性NHサイトが接触可能となり、種々の化合物と、とりわけ無機酸又は有機酸と、及び求電子性化合物と反応できる。この特性は、この性質を持ち、反応媒体の中に存在していて、望ましくない化合物の捕捉の際に活用される。高含有量のNH基はポリイミンのIRスペクトルにより確認され、このスペクトルは、NH基に特有の約3300−3400cm−1で極めてブロードなバンドを示す。
【0013】
本発明の方法で使用できる架橋ポリイミンは、有機溶媒の中で、架橋剤の存在、及び生成するハロゲン化水素酸を捕捉できる試薬の存在で、ジアミンHN−R−NHと二ハロゲン化物X−R−Ar−R−Xとを重縮合させることにある一段法により調製できる。R、R、R及びArは前記の定義の通りである。
【0014】
ランダムな分布の架橋ノードを得るために、二ハロゲン化物に対して当量の反応性を有するジアミン及び架橋剤を使用することが好ましい。この目的に対して、テトラミンN(RNH又はC(RNHを選ぶのが有利である。架橋剤/ジアミンのモル比は4モル%以下であるのが好ましい。このような条件下、得られる高分子は溶媒(水又は有機溶媒)には完全に不溶性のままであるが、この高分子は前記溶媒(アルカンを除いて)の中でよく膨潤する。
【0015】
二ハロゲン化物のなかでは二塩化物が好ましい。
【0016】
ポリイミンを調製するのに使用される有機溶媒は、単量体を溶解でき、成長中の高分子を膨潤させることができる溶媒から選ばれるのが好ましい。例えば、トルエン及びDMFを挙げることが可能である。
【0017】
ハロゲン化水素酸を捕捉できる試薬として、第三級アミン、例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン、を挙げることが可能である。
【0018】
本発明の方法は、反応の過程で副生物として生成される、又は反応混合物の中に過剰に使用される反応物である無機酸、有機酸又は種々の求電子性化合物の捕捉及び除去に使用できる。
【0019】
無機酸HX(Xは、例えば、Cl、HSO、NO、HPO、Br又はIである)又は有機酸HX(Xは、例えば、カルボキシレート又はスルホネートである)の捕捉は、化合物4が本発明による架橋ポリアミンを表す次の反応スキームに従って実施される:
【0020】
【化1】

【0021】
ポリイミンは両親媒性なので、有機相の中と同じように水性相の中で無機酸を捕捉するのにポリイミンを使用できる。従って、所望の生成物を含む反応媒体は、中和されたのち簡単な濾過により中和塩から遊離される。これにより、異なるpH値での抜き取り段階が省かれる限り、所望の生成物の単離は容易になる。
【0022】
求電子性化合物の捕捉は次の反応スキームに従って実施される:
【0023】
【化2】

【0024】
化学反応の中で過剰の反応物を使用すると、より良い転化率、及びその結果、より良い収率で所望の生成物を得ることができる。しかしながら、反応の終点で残留求電子性反応物が存在すると、精製に支障を来たす。本発明による架橋ポリイミンが、溶液の中で第二級アミンと同様な方法で過剰の求電子性化合物と反応すると、これら2種類の構成成分の間に共有結合が形成される。従って、過剰の求電子性化合物はなくなり、ポリイミン−求電子性構成成分は簡単な濾過により反応媒体から除去され、これにより所望の生成物の単離段階及び精製段階が簡略化される。
【0025】
更に、次の反応スキームに従って、一時的な添加物により酸の精製のために本発明の方法を使用できる:
【0026】
【化3】

【0027】
第二級アミンのpKaより実質的に低い(pKa単位で2〜3)HX/Xの対のpKaを有するあらゆるプロトン性構成成分は、濾過による前記成分の精製を可能にするために、一時的にポリイミンに結合され得る。続く過剰の塩基による処理により、所望の生成物が遊離される。選ばれる塩基が揮発性(例えば、NH)ならば、簡単に蒸発されたのち、この生成物はHXの酸性度によりに純粋な状態で、即ち、HX又はNHXの形態で、回収され得る。この場合も、所望の生成物を一時的にポリイミンに固定することにより、種々のpH値でも面倒な抜き取り段階を省くことができる。
【0028】
下記に示している実施例によって本発明を更に詳細に説明するけれども、本発明は、これらの実施例に限定されない。
【実施例】
【0029】
実施例1
ポリイミンの合成
トルエン中で、エチレンジアミン(1)(2ml、0.03モル)と、トリス(2−アミノエチル)アミン(3)(90μl、0.6ミリモル)と、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン(2)(5.25g、0.03モル)とトリエチルアミン(12.5ml、0.09モル)との混合物を調製したのち、この混合物を攪拌しながら約10時間還流させた。冷却後、生成した高分子(4)を濾過により回収し、順次、1Mの水酸化ナトリウム水溶液で、メタノールで、酢酸エチルで、そしてヘキサンで洗浄したのち、真空下で乾燥した。こうして、収率90%に相当する乾燥ポリイミン4.4gを得た。
【0030】
架橋ノード間の反復単位の形成に相当する反応スキームを下記に示す:
【0031】
【化4】

【0032】
得られた高分子は、KBrとの錠剤試料を使って赤外分析にかけた。IRスペクトルのcm−1単位でのラインの位置は次の通りである:3370(N−H)、2930、2810、1610、1509、1458、1364、1087(C−N)、822。N−H結合の伸縮による3370cm−1でのブロードな吸収バンドの存在は、分析された生成物が高比率のNH基を含むことを明瞭に示している。
種々の溶媒での膨潤度(ml/g単位)を下記に示している:
【0033】
【表1】

【0034】
これらの値は、ポリイミンを両親媒性と見なすことができることを示している。従って、望ましくない化合物の捕捉の場合のように、ポリイミンは市販のポリスチレン重合体よりも多方面の用途に使用され得る。このことは、ポリスチレン重合体は完全に疎水性であり、この重合体は水の中でもメタノールの中でも膨潤しない(<2ml/g/樹脂のグラム)からである。
【0035】
NH基の反応性は、ポリイミンをジ(ターシャリブチル)ジカルボネート(BocO)と接触させることにより決めたのであり、このジカルボネートは比較的束縛され(hindered)ていて、弱反応性の求電子性反応物である。ポリイミンを過剰のBocOで処理した。この反応はCDClの中で行なった。ポリイミンによって“吸収される”ことができたBocOの量は、当初の量から溶液中に残っている量を差し引くことにより決まり、測定はプロトンNMRで行なった。この方法により、ポリイミンの中の有効含有量アミンの直接の測定値が得られる。従って、分子網目を基準として予測される理論含有量の計算から、グラム当り12.3ミリモルのアミンが存在する筈であることが判る。BocOの捕捉に有効な含有量を測定することにより、樹脂のグラム当り10.9ミリモルのNHの値が得られ、このことは、比較的反応性のない求電子性試薬に対してさえNH基のほぼ90%が接触可能であることを意味する。
【0036】
実施例2
ポリイミンの合成
DMF(5ml)の中で、1,7−ヘプタンジアミン(1.3g、10ミリモル)と、トリス(2−アミノエチル)アミン(30μモル、0.2ミリモル)と、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン(1.75g、10ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(5.2ml、30ミリモル)との混合物を調製したのち、この混合物を攪拌しながら48時間80℃にした。冷却後、生成した高分子を濾過により回収し、順次、2Mの水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水、メタノール、酢酸エチル、そしてジクロロメタンで洗浄したのち、真空下で約10時間乾燥した。こうして、収率85%に相当する乾燥ポリイミン2gを得た。
【0037】
理論含有量=8.7ミリモル/g;BocOの捕捉に有効な含有量=7.5ミリモル/g。
【0038】
IR(KBrとの錠剤試料、cm−1単位):3325(N−H伸縮)、2930、2830、1595、1458、1364。
【0039】
実施例3
ポリイミンの合成
DMF(5ml)の中で、1,3−プロパンジアミン(0.83ml、10ミリモル)と、トリス(2−アミノエチル)アミン(30μモル、0.2ミリモル)と、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン(1.75g、10ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(5.2ml、30ミリモル)との混合物を調製したのち、この混合物を攪拌しながら48時間80℃にした。冷却後、生成した高分子を濾過により回収し、順次、2Mの水酸化ナトリウム水溶液で、蒸留水で、メタノールで、酢酸エチルで、そしてジクロロメタンで洗浄したのち、真空下で約10時間乾燥した。こうして、収率91%に相当する乾燥ポリイミン1.6gを得た。
【0040】
理論含有量=12.3ミリモル/g;BocOの捕捉に有効な含有量=11.5ミリモル/g。
【0041】
IR(KBrとの錠剤試料、cm−1単位);3360(N−H伸縮)、2930、2830、1610、1458、1364。
【0042】
実施例4
水性相中の硫酸の捕捉
実施例1の手順に従って得られた架橋ポリイミン(64mg、0.64ミリモル、≒3当量)を、蒸留水の中の硫酸の溶液(12.0mg、0.122ミリモル)に加えた(0.5ml、C=0.24、M≒0.5N、pH=0.3)。樹脂はよく膨潤し、1時間後、溶液のpHは6に近かった。従って、プロトンの濃度は10−6Nであり、このことは、Hイオンの捕捉が定量的(>99.9%)であることを意味する。
【0043】
実施例5
水性相中のHClの捕捉
実施例1の手順に従って得られた架橋ポリイミン(52mg、0.52ミリモル、≒3当量)を、蒸留水の中の塩酸の溶液(18mg、35%、0.173ミリモル)に加えた(0.5ml、C=0.345M/N、pH=0.46)。樹脂はよく膨潤し、1時間後、溶液のpHは6に近かった。従って、プロトンの濃度は10−6Nであり、このことは、この場合も、Hイオンの捕捉が定量的(>99.9%)であることを意味する。
【0044】
実施例6
パラ−トルエンスルホン酸の捕捉(CHCl
ジクロロメタン(300μl)の中で溶液の、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH)(7.5mg、39.4μモル)とペンタメチルベンゼン(6.6mg、44.5μモル、内標準)との混合物を、実施例1に従って調製した3当量のポリイミンで処理した(12mg、120μモル)。濾過して蒸発したのち、NMRにより測定すると、TsOH/ペンタメチルベンゼンの比は0.02であった。従って、僅か0.89μモルのTsOHしか、即ち当初の量の僅か2%のTsOHしか媒体中に残っていない。
【0045】
実施例7
パラ−トルエンスルホン酸の捕捉(メタノール)
CDOD(300μl)の中で溶液の、TsOH一水和物(8.4mg、44.2μモル)とペンタメチルベンゼン(6.8mg、45.85μモル、内標準)との混合物を、実施例1に従って調製した3当量のポリイミンで処理した(13.5mg、14μモル)。濾過後、NMRにより測定すると、TsOH/ペンタメチルベンゼンの比は0.01であった。従って、僅か0.46μモルのTsOHしか、即ち当初の量の僅か1%のTsOHしか媒体中に残っていない。
【0046】
実施例8
求電子性化合物の捕捉
触媒として少量のジメチルアミノピリジン(DMAP)(6mg、0.05ミリモル)を含むCDCl(2ml)の中で溶液のジベンジルアミン(96μl、0.5ミリモル)を過剰のBocO(218mg、1ミリモル)で処理し、カルバメート(PhCHN−Bocを生成した。1時間後、実施例1に従って調製した架橋ポリイミン(140mg、1.5ミリモルのNH、過剰の求電子性化合物BocOに対して3当量)を加えた。反応混合物を周囲温度で約10時間攪拌したのち、脱脂綿による濾過によりポリイミンを取り除いた。H NMRスペクトルによると、過剰のBocOは、この後反応処理によって実質的に除去されたことが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒中に存在している酸性又は求電子性化合物の固定化方法であって、−NH−基であるイミノ基を持つ架橋ポリイミンを前記化合物と接触させること、ここで前記架橋ポリイミンは前記溶媒に不溶性であり、及び得られた修飾ポリイミンを濾過により分離することを特徴とする前記方法。
【請求項2】
前記接触操作が周囲温度で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接触の継続時間が1時間〜約10時間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法を実施するための架橋ポリイミンであって、前記イミンが、−HN−R−NH−R−Ar−R−単位(式中、R、R及びRは同一又は異なるアルキレン又はアルケニレン基であり、Arは芳香族基を表す)を含む線状セグメントを含むこと特徴とする架橋ポリイミン。
【請求項5】
前記アルキレン又はアルケニレン基が1〜10個の炭素原子を有することを特徴とする請求項4に記載のポリイミン。
【請求項6】
Arがφ又はφ−φ基(式中、φは随意に1個以上の置換基を持つフェニルを表す)であることを特徴とする請求項4に記載のポリイミン。
【請求項7】
フェニル基の置換基が、アルキル、アリール、アルキルオキシ、アルコキシカルボニル、ハロゲン又はNOの各基から選ばれることを特徴とする請求項4に記載のポリイミン。
【請求項8】
架橋ノードが、N(RNH−R−Ar−R−)又はC(RNH−R−Ar−R−)4−n(RNHタイプ(式中、Rはアルキレン基を表し、nは0又は1である)であることを特徴とする請求項4に記載のポリイミン。
【請求項9】
前記アルキレン基が1〜10個の炭素原子を有することを特徴とする請求項8に記載のポリイミン。
【請求項10】
約11ミリモル/gのNH基を含有することを特徴とする請求項4に記載のポリイミン。
【請求項11】
疎水性反応媒体の中に又は親水性反応媒体の中に存在している有機酸又は無機酸を除去する際の、請求項1に記載の方法の適用。
【請求項12】
疎水性反応媒体の中に又は親水性反応媒体の中に存在している求電子性化合物を除去する際の、請求項1に記載の方法の適用。
【請求項13】
疎水性反応媒体の中に又は親水性反応媒体の中に得られた有機酸又は無機酸を精製する際の、請求項1に記載の方法の適用であって、前記ポリイミンを前記反応媒体の中に導入すること、修飾されたポリイミンを濾過により抜き取ること、及び前記ポリイミンを塩基で処理することを特徴とする請求項1に記載の方法の適用。

【公表番号】特表2007−504951(P2007−504951A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530326(P2006−530326)
【出願日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001037
【国際公開番号】WO2004/103516
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(503434139)ソントル ナショナル ド ラ ルシェルシュ ションティフィーク (20)
【Fターム(参考)】