説明

溶融シリカ質耐火物及びその製造方法

【課題】浸食性の強い溶融金属に対する耐食性が高い溶融シリカ質耐火物を提供すること。
【解決手段】溶融シリカ及びフッ化物を含む溶融シリカ質耐火物。溶融シリカ粉末及びフッ化物粉末を含有する原料固形分を含むスラリーを調製するスラリー調製工程、該スラリーから成形体を得る成形工程、及び該成形体を1050〜1250℃で焼成する焼成工程を含む溶融シリカ質耐火物の製造方法。該製造方法においては、フッ化物粉末を、フッ素分として0.01〜10質量%の割合とすることが好ましく、更には、溶融シリカ粉末として、平均粒径1〜10μmの第1溶融シリカ粉末50〜90質量%と平均粒径50〜500μmの第2溶融シリカ粉末10〜50質量%とを混合して用いることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶融シリカ質耐火物に関するものであり、詳しくは、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、あるいはこれらの合金等のように概ね融点が800℃以下である比較的低融点の金属を鋳造する鋳造装置において、これら低融点金属の溶湯と接触する部位に使用される耐熱材料として好適な溶融シリカ質耐火物に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融シリカ質耐火物は、溶融シリカが焼結した耐火物であり、熱膨張率が低く耐熱衝撃性に優れるものである。このため、例えば、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛あるいはこれらの合金等の鋳造装置において、溶融金属の移送、給湯、保持等を行う部位に用いられている。具体的には、例えば、注湯ボックス、樋及び保持炉等に用いられるライニング材、フロート、スパウト、ホットトップリング等の付属部位を構成する材料として用いられている。
【0003】
このような溶融シリカ質耐火物の製造方法としては、例えば、粗粒溶融シリカ粉末と超微粉末溶融シリカ粉末から泥漿物又は混練物を作製し、成形乾燥後、特定温度で焼成する製造方法(特許文献1)が知られている。該方法によれば、溶融シリカのみを成分とする溶融シリカ質耐火物が得られる。また、溶融シリカ粉末と、硼素又は燐を含有する化合物とを含む成形用混合物を、成形し、特定条件下で焼成する製造方法(特許文献2)も知られている。該方法によれば、前記化合物として硼酸や燐酸を用いることにより、溶融シリカ中に硼珪酸ガラスや燐珪酸ガラスの相が形成された溶融シリカ質耐火物が得られる。
【0004】
【特許文献1】特公昭52−43849号公報(第2頁第4欄)
【特許文献2】特開平11−60330号公報(第2頁第1欄、第4頁第5欄、第4頁第6欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話、ノート型コンピュータ等のモバイル機器、あるいは自動車等の高重量物においても、軽量化のために、フレームや筐体をマグネシウム合金で形成する傾向にある。しかし、マグネシウムやマグネシウムを含む合金は活性が非常に高く、これまでの溶融シリカ質耐火物では数回使用しただけで、場合によっては1回の使用で交換しなけばならないという問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、反応性の高い溶融金属に対し、優れた耐食性を持つ溶融シリカ質耐火物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、溶融シリカにフッ化物を含有させると、耐食性が高い溶融シリカ質耐火物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記の溶融シリカ質耐火物及びその製造方法を提供する。
(1)溶融シリカ及びフッ化物を含むことを特徴とする溶融シリカ質耐火物。
(2)フッ化物を、フッ素分として0.01〜10質量%の割合で含むことを特徴とする上記(1)記載の溶融シリカ質耐火物。
(3)フッ化物はフッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシム(MgF)、クリオライト(NaAlF)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の溶融シリカ耐火物。
(4)嵩密度が1.3〜2.2g/cmであることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
(5)曲げ強度が5MPa以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
(6)熱膨張係数が2.5×10−6−1以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
(7)マグネシウムまたはマグネシウムを含む合金の溶湯と接触する部位に使用されることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
(8)溶融シリカ粉末及びフッ化物粉末を含有する原料固形分を含むスラリーを調製するスラリー調製工程、該スラリーから成形体を得る成形工程、及び該成形体を1050〜1250℃で焼成する焼成工程を含むことを特徴とする溶融シリカ質耐火物の製造方法。
(9)原料固形分がフッ化物を、フッ素分として0.01〜10質量%の割合で含むことを特徴とする上記(8)記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。
(10)溶融シリカ粉末として、平均粒径1〜10μmの第1溶融シリカ粉末50〜90質量%と、平均粒径50〜500μmの第2溶融シリカ粉末10〜50質量%とを混合して用いることを特徴とする上記(8)または(9)記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。
(11)フッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシム(MgF)、クリオライト(NaAlF)から選ばれる少なくとも1種からなり、平均粒径1〜10μmのフッ化物粉末を用いることを特徴とする上記(8)〜(10)の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。
(12)スラリーが、原料固形分100質量部及び水10〜40質量部からなることを特徴とする上記(8)〜(11)の何れか1に項記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。
尚、本発明においてマグネシウムを含む合金とは、アルミニウムや亜鉛、スズ、鉛等のマグネシウム以外の低融点金属とマグネシウムとの合金全般を意味し、マグネシウムの含有率は問わないが、現実的には合金全量の0.1質量%〜99.9質量%の範囲でマグネシウムを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る溶融シリカ質耐火物は、フッ化物を含むため、従来品と比較してマグネシウムやマグネシウムを含む合金のような浸食性が高い金属の溶湯に対して非常に優れた耐食性が付加されている。また、本発明に係る溶融シリカ質耐火物の製造方法によれば、このような耐食性に優れる溶融シリカ質耐火物を容易に、かつ、効率良く得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0010】
本発明に係る溶融シリカ質耐火物は、溶融シリカとフッ化物とを含む成形物である。このような溶融シリカ質耐火物を製造するには、先ず、溶融シリカ粉末及びフッ化物粉末を含有する原料固形分を含むスラリーを調製する。
【0011】
溶融シリカ粉末は通常、平均粒径が1〜500μmの混合物であり、そのまま用いて原料固形分に供してもよいが、比較的微粒の第1溶融シリカ粉末と比較的粗粒の第2溶融シリカ粉末との混合物を用いることが好ましい。それにより、第2溶融シリカ粉末同士で形成される隙間に第1溶融シリカ粉末が入り込み、成形体としたときに溶融シリカ粉末の充填性が高くなって焼成後の溶融シリカ質耐火物の組織が緻密化されることにより、耐熱性が高くなるため好ましい。また、このように耐熱性が向上すると、溶融シリカ質耐火物をライニング材等として用いる場合にその厚さを薄くすることができることから、質量が軽くなって作業性が向上し、また比熱(熱容量)が小さくなるため好ましい。
【0012】
第1溶融シリカ粉末と第2溶融シリカ粉末との混合物を用いる場合、第1溶融シリカ粉末の平均粒径は、1〜10μmが好ましく、より好ましくは2〜6μmである。一方、第2溶融シリカ粉末の平均粒径は、50〜500μmが好ましく、より好ましくは100〜300μmである。また、溶融シリカ粉末における第1溶融シリカ粉末と第2溶融シリカ粉末との配合比率は、第1溶融シリカ粉末50〜90質量%に対し第2溶融シリカ粉末10〜50質量%とするのが好ましく、より好ましくは第1溶融シリカ粉末60〜80質量%に対し第2溶融シリカ粉末20〜40質量%である。第1溶融シリカ粉末及び第2溶融シリカ粉末のそれぞれの平均粒径及び配合比率を上記範囲内にすると、成形体における溶融シリカ粉末の充填性が良くなり好ましい。
【0013】
フッ化物は、特に制限はなく、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、クリオライト(NaAlF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化セリウム(CeF)、フッ化イットリウム(YF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、けいフッ化ナトリウム(NaSiF)、けいフッ化アンモニウム((NHSiF)等の無機フッ化物が挙げられる。本発明においては、特に安価であることから、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシム(MgF)及びクリオライト(NaAlF)から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0014】
また、フッ化物の平均粒径は、1〜10μmが好ましく、より好ましくは2〜6μmである。平均粒径を上記範囲内にすると、フッ化物粉末が溶融シリカ粉末中に均一に分散し易いため好ましい。特に溶融シリカ粉末が第1溶融シリカ粉末と第2溶融シリカ粉末との混合物である場合には、フッ化物粉末を第1溶融シリカ粉末と同程度の粒径のものとすることにより、フッ化物粉末が第2溶融シリカ粉末同士間に形成された隙間に入り込み易くなり、より均一に分散し易くなるためさらに好ましい。
【0015】
原料固形分中における溶融シリカ粉末とフッ化物粉末との配合比率は、溶融シリカ粉末90〜99.99質量%に対し、フッ化物粉末をフッ素分として0.01〜10質量%となるように配合する。より好ましくは、溶融シリカ粉末98〜99質量%に対し、フッ化物粉末はフッ素分として1〜2質量%である。配合比率が上記範囲内にあると、溶融シリカ質耐火物の強度、耐熱衝撃性(熱膨張率)及び耐食性が良好であるため好ましい。
【0016】
スラリーは、上記原料固形分を水と混合して調製される。混合方法としては公知の方法を採用することができる。スラリー中における原料固形分と水との配合比率は、原料固形分100質量部に対し、水を10〜40質量部とするのが好ましく、より好ましくは20〜30質量部である。
【0017】
また、スラリーには、必要により、成形助剤やバインダー等を添加してもよい。本発明に用いられる成形助剤としては、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)やCMC(カルボキシメチルセルロース)等が挙げられる。また、本発明に用いられるバインダーとしては、例えば、珪酸ガラス、苛性ソーダ等が挙げられる。成形助剤を用いると成形性がよくなり、バインダーを用いると成形体の保形性がよくなるため好ましい。
【0018】
次に、成形工程を行い、上記スラリーから所望の形状の成形体を得る。成形体を得る方法としては特に限定されず、例えば、鋳込み成形、プレス成形、押し出し成形等を用いることができる。このうち、鋳込み成形は、スラリーを鋳型に緻密に充填することができ、得られる成形体が高密度になり易いため好ましい。
【0019】
尚、得られた成形体は、このまま次の焼成工程にて焼成してもよいが、成形体の水分の残存量が多い場合や焼成工程において成形体を急激に昇温させる場合等には、成形体中の水分が急激に蒸発して焼成体に亀裂等が発生するおそれがあるから、必要により焼成工程を行う前に乾燥工程を行ってもよい。乾燥工程は、成形体中の水分が徐々に蒸発する条件で行えばよく、公知の方法を採用することができる。
【0020】
次に、焼成工程を行い、上記成形体から溶融シリカ質耐火物を得る。焼成温度は、溶融シリカ粉末同士が焼結する温度であれば制限はないが、1050〜1250℃が適当であり、好ましくは1100〜1200℃である。焼成温度が1050℃未満であると、溶融シリカ粉末同士が焼結し難いため好ましくない。また、焼成温度が1250℃を超えると、クリストバライトが生成して溶融シリカ質耐火物の熱膨張係数が増加するため好ましくない。焼成時間は、上記成形体の焼成が完了すればよく制限はないが、0.5〜20時間が適当であり、好ましくは1〜5時間である。焼成時間が0.5時間未満であると、十分な焼結強度が得られないため好ましくなく、焼成時間が20時間を超えても、焼結効果にほとんど変わりがない。
【0021】
このようにして得られる本発明に係る溶融シリカ質耐火物は、溶融シリカ粉末が溶融し焼結して得られる非晶質の溶融シリカの相と、該溶融シリカ相中にほぼ均一に分散するフッ化物とからなるものである。溶融シリカ粉末として第1溶融シリカ粉末と第2溶融シリカ粉末との混合物を用いた場合は、第2溶融シリカ粉末同士で形成される隙間に、第1溶融シリカ粉末やフッ化物が入り込んだものとなる。尚、溶融シリカ質耐火物中における溶融シリカとフッ化物との含有比率は、原料固形分における配合比率がそのまま維持される。
【0022】
本発明に係る溶融シリカ質耐火物は、嵩密度が1.3〜2.2g/cmであることが好ましく、より好ましくは1.4〜1.8g/cmである。嵩密度が1.3g/cm未満であると強度が低下するため好ましくなく、2.2g/cmを超えると質量が大きくなるため好ましくない。
【0023】
また、本発明に係る溶融シリカ質耐火物は、加工性や強度を考慮すると、曲げ強度が5MPa以上であることが好ましく、より好ましくは6MPa以上である。
【0024】
更に、本発明に係る溶融シリカ質耐火物は、適用部位において、他の材料からなる基材と接合されることから、基材との剥離を抑えるために、その熱膨張係数が2.50×10−6−1以下であることが好ましく、より好ましくは2.5×10−6−1以下であり、更に好ましくは1.5×10−6−1以下であり、特に好ましくは1.0×10−6−1以下である。
【0025】
このような嵩密度、曲げ強度及び熱膨張係数とするには、原料固形分組成、成形条件及び焼成条件を調整すればよい。
【0026】
本発明に係る溶融シリカ質耐火物は、フッ化物により優れた耐食性が付与されており、特にマグネシウムやマグネシウムを含む合金の溶湯と接触する部位に最適である。そのため、マグネシウムやマグネシウムを含む合金を鋳造する装置の注湯ボックスや樋、保持炉等の内張り材、あるいはフロートやスパウト、ホット・トップリング、トランジションプレート等の付属部材として好適である。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
【0028】
(実施例1〜8、比較例1)
表1に示す如く、溶融シリカ粉末A、溶融シリカ粉末B、フッ化カルシウム粉末またはフッ化マグネシウム粉末を混合して原料固形分とし、更にこの原料固形分100質量部に対し、水20質量部を加え、混練してスラリーを得た。尚、配合物の詳細は以下のとおりである。このスラリーを石膏型に流し込んで鋳込み成形した。得られた成形体を窒素ガス雰囲気中で、1150℃で3時間焼成し、長さ150mm×幅30mm×厚さ15mmの平板状の試験体を得た。
【0029】
【表1】

【0030】
各試験体の嵩密度、3点曲げ強度及び熱膨張係数を測定し、浸食試験を行った。結果を表1に併記する。
【0031】
尚、熱膨張係数はJIS−R1618に従って測定したものであり、1000℃での測定値である。
【0032】
また、3点曲げ強度は、試験体から切り出した長さ150mm、幅20mm、厚さ7mmの試験片を、株式会社島津製作所製オートグラフ「AG−50kNG」を用いて、支点間距離100mm、荷重速度2mm/minで測定した。
【0033】
また、浸食試験は、試験体から一辺が約70mmの正方形で、厚さが25mmの試験片を切り出し、図1に模式的に示すように、セッターの上に配置した試験片のほぼ中心部にマグネシウム合金(AZ31)からなる直径8mmで高さ10mmの円柱を置き、円柱の上面に0.2MPaの荷重を加えた状態で、アルゴン雰囲気中で室温から2時間かけて800℃まで昇温してマグネシウム合金を溶融させ、その後、マグネシウム合金融液の液面上に同荷重を負荷した状態で、アルゴン雰囲気中、800℃にて1時間保持し、マグネシウム合金融液と試験片との接触状態を保った。1時間後、開圧してマグネシウム合金融液を試験片の表面から回収し、室温まで冷却した後、試験片の断面を観察してマグネシウム合金融液との接触により浸食された部分の面積を測定した。そして、実用上特に問題なしを「○」、多少問題があるが実用上問題なしを「△」、実用上問題ありを「×」とし、表中に記した。
【0034】
【表2】

【0035】
実施例1〜8の各試験体は、フッ化物を含有しない比較例1と比較して耐食性が大幅に向上している。また、曲げ強度の低下も少なく、熱膨張係数も低く抑えられている。実施例4及び8については、耐食性がやや劣るが、熱膨張係数が小さいため、高い耐スポーリング性が要求される部材に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例における浸食試験の試験方法を説明するための模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融シリカ及びフッ化物を含むことを特徴とする溶融シリカ質耐火物。
【請求項2】
フッ化物を、フッ素分として0.01〜10質量%の割合で含むことを特徴とする請求項1記載の溶融シリカ質耐火物。
【請求項3】
フッ化物はフッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシム(MgF)、クリオライト(NaAlF)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載の溶融シリカ耐火物。
【請求項4】
嵩密度が1.3〜2.2g/cmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
【請求項5】
曲げ強度が5MPa以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
【請求項6】
熱膨張係数が2.5×10−6−1以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
【請求項7】
マグネシウムまたはマグネシウムを含む合金の溶湯と接触する部位に使用されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物。
【請求項8】
溶融シリカ粉末及びフッ化物粉末を含有する原料固形分を含むスラリーを調製するスラリー調製工程、該スラリーから成形体を得る成形工程、及び該成形体を1050〜1250℃で焼成する焼成工程を含むことを特徴とする溶融シリカ質耐火物の製造方法。
【請求項9】
原料固形分がフッ化物を、フッ素分として0.01〜10質量%の割合で含むことを特徴とする請求項8記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。
【請求項10】
溶融シリカ粉末として、平均粒径1〜10μmの第1溶融シリカ粉末50〜90質量%と、平均粒径50〜500μmの第2溶融シリカ粉末10〜50質量%とを混合して用いることを特徴とする請求項8または9記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。
【請求項11】
フッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシム(MgF)、クリオライト(NaAlF)から選ばれる少なくとも1種からなり、平均粒径1〜10μmのフッ化物粉末を用いることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。
【請求項12】
スラリーが、原料固形分100質量部及び水10〜40質量部からなることを特徴とする請求項8〜11の何れか1に項記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−269605(P2007−269605A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100492(P2006−100492)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】