説明

漏れ防護を備えた薄い可撓性の低吸収力の吸収性物品

【課題】トイレトレーニングを促すのに有用な流体取扱い特性を有する使い捨て吸収性パンツを提供する。
【解決手段】パンツは、漏れの恐れの低い状態で1回ないしは2回の放出に適応することができる薄い可撓性の吸収体パッドを含む。パンツは、約5ミリメートルの厚さより小さいものとすることができ、吸収体パッドは、約3ミリメートルの厚さより小さいものとすることができる。パンツは、約30グラムから約400グラムまでの間の限られた吸収能力を有し、これは、ゆっくりとした流体取り込み、流体の貯留、及び吸収体パッドへの遅延された流体閉じ込めに寄与する。パンツはまた、かなりの流体分布を有し、その結果として、大きな湿潤面積をもたらす。これらの流体取扱い特性の各々は、着用者にパンツの充満状態を自覚させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者がトイレトレーニング過程を進め及び完了するのを促す流体取扱い特徴を備えた使い捨て吸収性パンツに向けられたものである。
【背景技術】
【0002】
幼児がトイレトレーニングを始めるとき、トレーニングパンツがおむつと同じくらいの厚さ及び扱いにくさである場合には、トイレトレーニング過程は、幼児がおむつとトレーニングパンツとの違いを識別できないことによって阻害されることになる。トレーニングパンツがおむつに似すぎて見える場合には、幼児はトイレトレーニング過程に参加する意欲をかき立てられない。さらに、トレーニングパンツが液体を迅速に吸収する場合には、幼児が衣類内の湿気を感じられないことにより、トイレトレーニング過程がさらに阻まれる。薄い吸収体は、より優れた衣類状の外観と改善された区別性を与えるだけでなく、制限された吸収能力も与え、その結果として、現在入手可能な使い捨ておむつ及びトレーニングパンツを着用する幼児より早くトイレトレーニング過程を完了するように促す流体取扱い特性をもたらす。
トイレトレーニング過程の間に、幼児は、彼又は彼女のトレーニングパンツがほんの限られた量の排出物しか保持しない場合、満足にトイレで排泄できるようになる意欲をかき立てられる。より具体的には、トレーニングパンツが多数回の放出を吸収するように設計される場合には、幼児は排尿したことに気付かされず、最初の放出後直ちに彼又は彼女のトレーニングパンツを取り替える気にさせられない。しかしながら、トレーニングパンツが1回又は2回のみの放出を保持するように設計され、さらに該トレーニングパンツに流体が存在していることに幼児が気付く状態で流体を取り扱うように設計される場合には、幼児は、多数回の放出後に起こるであろうきまりの悪い漏れを回避するために、最初の放出直後にきれいなトレーニングパンツをあてがうべきであることを、より認識しやすくなる。
【0003】
漏れの防護は、1回又は2回のみの放出を保持するように設計されたトレーニングパンツにおいては非常に重要である。トレーニングパンツが1回より少ない放出で、又は非常に低体積の尿でもれる場合には、幼児はトイレトレーニングに挫折することになる。幼児は、衣類が放出の回数又は量に関係なしに漏れることになっているので、トレーニングパンツを取り替える動作をつまらないと感じる。さらに、限られた吸収能力をもつトレーニングパンツにおける漏れの防護は、最初の放出後のみっともない漏れに対する保護手段を与えることによって着用者のためになり、着用者が最初の放出後にトレーニングパンツを交換する必要性を知らせた場合には、余分な仕事と着用者の衣類の汚れを防ぐことにより介護人のためにもなる。限られた吸収能力及び漏れ防護を有するトレーニングパンツの着用者が、多数回の放出をすることによってパンツの吸収力を超えた場合には、着用者は過剰な尿量に起因する回避できない漏れを経験するだけでなく、介護人からの失望も招き、それによりトレーニングパンツの着用者にトイレでの排泄ができるようになるための動機を与える。限られた吸収能力のトレーニングパンツの着用者はさらに、放出毎にパンツを交換しなければならない煩わしさを認識することを通して、トイレでの排泄をする気になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加速されたトイレトレーニングを促す使い捨て吸収性パンツについての必要性又は要望が存在する。
さらに、1回ないしは2回のみの放出を吸収し、1回ないしは2回の放出の漏れを防止する一方、1回ないしは2回の放出による湿気を着用者に気付かせることができる、低吸収力の使い捨て吸収性パンツについての必要性又は要望も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術において直面する上述の難点及び問題に対処して、加速されたトイレトレーニングを促す流体取扱い特性をもつ低吸収力の使い捨て吸収性パンツが見出された。
使い捨て吸収性パンツは、該パンツ内に定められたウエスト開口部と一対の脚開口部を有するシャーシを含む。シャーシは、外側カバーと、外側カバーに少なくとも部分的に結合された身体側ライナと、外側カバーと身体側ライナとの間に位置された吸収体パッドとを含む。吸収性物品は、使用者の広範囲の活動及び位置にわたって機能する一方、薄い衣類状の外観を与えるように設計される。
薄い吸収体パッドを含むトレーニングパンツは、嵩高いおむつより「大きい子供」の下着のように見え、嵩高いおむつより目立たない下にある衣服である。吸収体パッド自体は、約2ミリメートルより小さい厚さであることが好適であり、吸収性物品全体は、約3ミリメートルより小さい厚さであることが好適である。
本発明の吸収性物品の低い吸収能力及び流体処理特性は、幼児に、トレーニングパンツの中に排泄した直後にきれいなトレーニングパンツに交換する意欲を起こさせることができる。より具体的には、パンツは、約30から約400グラムまで、又は約40から約300グラムまで、或いは約50から約150グラムまでの間の吸収能力を有する。
ゆっくりとした流体取り込み時間によって流体が貯留し、これに着用者が気付くことができる。好適には、パンツは、40ミリリットル(ml)放出に対しては、少なくとも7秒、又は少なくとも12秒、或いは少なくとも16秒の流体取り込み速度を有し、80ml放出に対しては、少なくとも45秒、又は少なくとも65秒、或いは少なくとも80秒の流体取り込み速度を有する。
また、最初の高い流体逆戻りの後のかなり減少した流体逆戻りによって例証される遅滞された流体閉じ込め時間は、びしょびしょの不快な感触をもたらし、これも着用者にパンツ内の湿気を気付かせる。好適には、パンツは、40ml放出の初期逆戻りの35%より少ない40ml放出の最終逆戻り、又は初期逆戻りの30%より少ない40ml放出の最終逆戻り、或いは初期逆戻りの25%より少ない40ml放出の最終逆戻り、及び80ml放出の初期逆戻りの60%より少ない80ml放出の最終逆戻り、又は初期逆戻りの50%より少ない80ml放出の最終逆戻り、或いは初期逆戻りの45%より少ない80ml放出の最終逆戻りを有する。さらに、吸収体パッドのかなりの部分をカバーする流体分布は、湿気が着用者の皮膚のより多くの表面積に接触して、彼又は彼女が濡れたことを認識する着用者の能力を高めることができる。好適には、パンツは、80ml放出の少なくとも60%、又は少なくとも65%、或いは少なくとも70%の流体分布を有する。
【0006】
ここで説明されるクレードル試験は、本発明の吸収性パンツの流体取扱い特性と、比較のために他の吸収性パンツの流体取扱い特性とを計測するのに用いることができる。ここで与えられたデータから、ここで説明される流体取扱い特性を有する吸収性パンツは、幼児を効果的にトイレのしつけをするのに使用可能であることが分かる。トレーニングパンツは、従来のトレーニングパンツと比較して計測可能な差異をもつことが試験され見られる場合が多いが、こうした差異は、必ずしも衣類の着用者によって気付かれる必要性はない。しかしながら、本発明の衣類において見られる差異は、着用者によって経験される定量的データ並びに定量的差異の観点において計測可能である。排尿の認識及び反応は、トイレトレーニングの進行に関連する主要な達成事項であり、このパンツによって教えられる。
【発明の効果】
【0007】
上記のことを考慮に入れると、本発明の特定の実施形態は、1回の排泄が予想された使用状態の間に、快適さ、判断性、及び漏れ防護を与える吸収性物品を提供するものである。本発明の特定の実施形態はまた、衣類の湿気の認識を与える吸収性物品を提供することである。
さらに、本発明の特定の実施形態は、幼児に、従来の吸収性衣類を用いるより迅速にトイレトレーニング過程を完了する気にさせる方法及びトイレトレーニング衣類を与える。
【0008】
(定義)
本明細書の文脈においては、以下の各用語又は句は、以下の1つ又はそれ以上の意味を含むことになる。
「吸収能力」とは、飽和容量試験によって計測されたときの、製品によって吸収され得る液体の最大量のことをいう。
「一回の予想放出体積」とは、典型的には取得されたデータの平均に基づき、1回の排泄又は放出の間に排出されることが予期される尿又は他の排出物の量のことをいう。
「結合される」とは、2つの要素を接合する、接着する、接続する、取り付けること等を指す。互いに直接に、又は各々が介在する要素に直接結合される場合のように互いに間接的に結合される場合に、2つの要素が互いに結合されると考えられる。
「使い捨て」とは、一度使用した後に廃棄され、洗われて再利用される意図のないことを意味する。
「弾性の」、「弾性を付与された」及び「弾性」とは、変形を生じさせる力を除いた後に、元の寸法及び形状に戻る傾向があるという材料又は複合材の特性を意味する。
「エラストマーの」とは、弛緩状態のときの長さの少なくとも25パーセントまで伸びることができ、加えられた力が解除されると、その伸びの少なくとも10パーセントまで回復する材料又は複合材のことをいう。一般に、エラストマー材料又は複合材は、弛緩状態のときの長さの少なくとも100パーセント、より好ましくは少なくとも300パーセントまで伸びることができ、加えられた力が解除されると、その伸びの少なくとも50パーセントまで回復することが好ましい。
「布」という用語は、織成、編成、及び不織の繊維ウェブの全てを指すのに用いられる。
「フィルム」とは、キャストフィルム又はブローフィルム押出工程のようなフィルム押出及び/又は発泡工程を用いて作成された熱可塑性フィルムのことをいう。この用語は、穿孔されたフィルム、スリットフィルム、及び液体移送フィルム並びに液体を移送しないフィルムを構成する他の多孔性フィルムを含む。
【0009】
「逆戻り」とは、真空下で製品によって解放される液体の量のことをいう。ここで用いられる「初期逆戻り」という用語は、真空下で1分後の逆戻りのことをいい、「最終逆戻り」という用語は、真空下で15分後の逆戻りのことをいう。
「流体分布」とは、パッドの全長から見た流体が存在するパッドの最大長さに基づく、パッド上で分布される排出物の百分率のことをいう。
「親水性」とは、繊維に接触する水性液体によって湿潤される繊維又は繊維の表面を表す。材料の湿潤度は、関係する液体と材料の接触角及び表面張力によって説明することができる。特定の繊維材料の湿潤性を測定するのに適した装置及び技術は、Cahn SFA−222表面力分析器システム又はこれと実質的に同等なシステムによって与えられる。このシステムで測定する場合は、90度より小さい接触角を有する繊維は「湿潤性」すなわち親水性を示し、90度に等しいか又はそれより大きい接触角を有する繊維は「非湿潤性」すなわち疎水性を示す。
【0010】
「放出液体の流出体積」とは、目標区域における物質の吸収能力又は飽和容量を超える液体の量のことをいう。
「取り込み速度」とは、どんな立った状態の液体をも含む一定量の液体を製品が吸収するのにかかる時間の長さのことをいう。
「一体」又は「一体に」とは、1つの要素が別の要素に結合された、又は1つの要素が別の要素と共に位置された、或いは1つの要素が別の要素の付近に位置された別々の構造体ではなく、1つの単体の要素の種々の部分のことをいうのに用いられる。
「層」は、単独で用いられる場合には、単一の要素又は複数の要素(すなわち、要素が多数の層から構成される)の2つの意味を持つことができる。
層又はラミネートに用いられる場合の「液体不透過性」とは、通常の使用条件では尿などの液体が液体接触点において層又はラミネートの平面にほぼ垂直な方向に層又はラミネートを通過しないことを意味する。
「液体透過性」とは、液体不透過性ではない層又はラミネートのことをいう。
「縦方向」及び「横方向」とは、図2及び図3に示される縦方向軸線及び横方向軸線によって表されるような慣習的な意味を有する。縦方向軸線は、物品の平面内に延び、かつ物品の着用時に起立している着用者を右半身及び左半身に二分する垂直面にほぼ平行である。横方向軸線は、縦方向軸線にほぼ垂直な物品の平面内に延びる。図示される物品は、横方向よりも縦方向に長い。
【0011】
「メルトブロー繊維」とは、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速高温ガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、熱可塑性材料のフィラメントがガス流によって細められ、直径が、マイクロファイバーの直径にまで縮小されることにより形成される小直径の繊維を意味する。その後、メルトブロー繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブロー繊維のウェブを形成する。このような工程は、例えば、ビューティン他に付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブロー繊維は、連続的又は非連続的なマイクロファイバーであり、一般的には約0.6デニール以下であり、集積面に堆積されるときには、通常は自己結合する。本発明で用いるメルトブロー繊維は、好ましくは、長さにおいてほぼ連続的である。
「部材」は、単独で用いられる場合には、単一の要素又は複数の要素の2つの意味を持つことができる。
「不織」又は「不織ウェブ」という用語は、織物の製織又は編成工程の助けを借りずに形成された材料、及び材料のウェブを指す。
【0012】
「作動的に取り付けられる」とは、弾性部材の別の要素への取り付けに関しては、弾性部材が伸ばされて要素に取り付けられ又は接続された時、或いは熱又は化学物質で処理された時などに、該要素に弾性特性が与えられることを意味し、非弾性部材の別の要素への取り付けに関しては、該部材と該要素が、意図されたすなわち記載された複合体の機能を果たすことを許す又は許容する好適な手法のいずれかで取り付けられることを意味する。接合すること、取り付けること、接続することなどは、どちらかの部材を要素に直接接合することのように直接にすることもできるし、第1部材と第1要素との間に配置された別の部材によって間接的にすることもできるし、第1部材により複合体が第1部材の特性を呈するように、第1要素の隣接する結合点によって第1部材が機械的に取り付けられるようにすることもできる。
「ポリマー」とは、単独重合体と、例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、及び交互共重合体、三元共重合体等のような共重合体と、それらの配合物及び変成物を含むが、これらに限られるものではない。さらに、特に限定されていない限り、「ポリマー」という用語は、材料の可能性のある全ての幾何学的形状を含む。これらの形状は、これらに限られるものではないが、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称を含む。
【0013】
「製品の厚さ」は、開かれ平らに置かれた製品の最も厚い部分のキャリパのことをいう。
「再締結可能」とは、解放可能に取り付け、分離し、その後に、実質的に永久変形又は破断なしに解放可能に再び取り付けることができる2つの要素の特性のことをいう。
「一回放出用トレーニングパンツ」とは、2回より少ない放出を保持するように設計されたトレーニングパンツのことをいう。
「スパンボンド繊維」とは、溶融した熱可塑性材料を、円形又はその他の形状を有する紡糸口金の複数の微細な毛細管からフィラメントとして押し出し、次いで、押し出されたフィラメントの直径を、例えば、それぞれの全部を引用によりここに組み入れる、アッペル他に付与された米国特許第4,340,563号、ドーシュナー他に付与された米国特許第3,692,618号、マツキ他に付与された米国特許第3,802,817号、キニーに付与された米国特許第3,338,992号及び3,341,394号、ハートマンに付与された米国特許第3,502,763号、ピーターセンに付与された米国特許第3,502,538号、及びドーボー他に付与された米国特許第3,542,615号におけるように、急速に縮小することにより形成される小直径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、集積面に堆積される際に急冷され、通常は粘着性がない。スパンボンド繊維は、ほぼ連続しており、しばしば約0.3デニール以上、より具体的には、約0.6から10デニールまでの間の平均デニールを有する。
【0014】
「ストレッチ可能」とは、破断することなく、少なくとも一方向に最初の(引き伸ばされていない)長さの少なくとも1.2倍まで引き伸ばすことができる材料を意味する。
「超吸収体」又は「超吸収性材料」は、最適条件下において、0.9重量%の塩化ナトリウムを含む水溶液中で、少なくともそれ自体の重量の約15倍を、より望ましくは、少なくともそれ自体の重量の約30倍を吸収することが可能な、水膨潤性、水不溶性の有機又は無機材料を指す。超吸収性材料は、天然、合成又は変成天然ポリマー又は材料とすることができる。さらに、超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料、又は架橋結合されたポリマーのような有機材料とすることができる。
「表面」とは、空気、気体及び/又は液体を透過するか又は透過しないかに関わらず、あらゆる層、フィルム、織布、不織布、ラミネート、複合材などを含む。
「熱可塑性」とは、高温に曝された時に軟化し、室温まで冷却された時には実質的に元の状態に戻る材料のことを指す。
これらの用語は、本明細書の残りの部分において付加的な言葉で定義されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る、低吸収力の吸収体パッドを有する吸収性衣類の側部斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、部分的に分解され平らに伸ばされた状態の図1の吸収性衣類の平面図であり、衣類が着用されたときに着用者から遠い方に面する衣類の表面を示す。
【図3】本発明の一実施形態に係る、部分的に分解され平らに伸ばされた状態の図1及び図2の吸収性衣類の平面図であり、物品の着用時に着用者側に面する衣類の表面を示し、下にある特徴を示すために一部が切り取られている。
【図4a】クレードル試験に用いるのに適したスロットなしのクレードルを代表して示す。
【図4b】クレードル試験に用いるのに適したスロットありのクレードルを代表して示す。
【図4c】図4bの線4−4に沿って見たスロットありのクレードルの断面図を代表して示す。
【図5】飽和容量試験機の部分的に切り取られた上面図を代表して示す。
【図6】飽和容量試験機の側面図を代表して示す。
【図7】飽和容量試験機の後部図を代表して示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、使い捨て吸収性衣類と、幼児といった着用者にトイレトレーニング過程を進めるように促す衣類を用いる方法に向けられている。衣類は、漏れの恐れの低い状態で1回ないしは2回の放出に適応する能力をもつ限られた吸収能力を有する。衣類の中に排出されたときには、流体は、該衣類の中に一時的に水溜りを形成し、それにより着用者に、液体が着用者の皮膚と接触する感覚を与える。流体は、衣類の中にゆっくりと吸収され、着用者の皮膚との十分な接触時間を与えて、着用者に液体を十分に気付かせる。流体は、衣類の縦方向長さのかなりの部分にわたって吸収され分布され、大きな分布面積は、着用者の濡れ感覚の発覚を増大させる。
親その他の介護人は、幼児のトイレトレーニング過程の進行を促す傾向がある2つの因子として、幼児による顕著な濡れ感触と漏れの恐れを挙げる場合が多い。本発明の衣類の貯留した液体、ゆっくりとした取り込み時間、及び大きな流体分布面積の各々は、着用者によって経験される顕著な濡れ感蝕を与える。本発明の衣類の限られた吸収能力は、漏らすことなく1回の放出物を維持することができるが、着用者が最初の放出後に反応せずに多数回の放出を続けた場合には、漏らす傾向がある。したがって、こうした流体取扱い特性を有する本発明の衣類は、トイレトレーニングを促進させ、並びにトイレトレーニングの完了を達成するためのトイレトレーニングの有効な補助として用いることができる。
【0017】
より具体的には、本発明の一実施形態においては、衣類は、40ミリリットル放出に対しては、少なくとも7秒、又は少なくとも12秒、或いは少なくとも16秒の取り込み速度を有する。80ミリリットル放出に対しては、衣類は、適切には少なくとも45秒、又は少なくとも65秒、或いは少なくとも80秒の取り込み速度を有する。流体取り込み速度は、後で詳細に説明するクレードル試験を用いて計測することができる。実施例1は、本発明の幾つかの実施形態と、幾つかの市販の製品の取り込み速度を比較する。ゆっくりとした取り込み速度を有する衣類は、衣類における貯留作用を生じ、液体は、吸収される前にはね回り、着用者の皮膚に接触する。流体の取り込みが完了した後に、流体はサージ材料とフラフ材料との両方の中に一時的に保たれる。流体取り込み時間の間に、フラフは流体を放出領域から吸上げ始め、超吸収体がフラフ材料を脱着させ始める。超吸収体がフラフ材料を脱着させるので、超吸収体は流体を閉じ込める。
【0018】
取り込み速度は比較的遅いが、液体は最終的には閉じ込められる。液体の閉じ込めは、クレードル試験を用いて逆戻りの観点において計測することができる。したがって、逆戻りは、最初は比較的高いが約15分間後にはかなり遅くなり、それにより液体を着用者の皮膚に対して限られた時間だけ接触させて着用者に湿気を感じさせ、次いで該液体を閉じ込めて、パンツが引き下ろされたり除去されたときに該液体がパンツから溢れ出すのを防止する。超吸収体への流体の閉じ込めはまた、流体を皮膚から離すことによって皮膚の刺激の恐れを減少させる。より具体的には、衣類は、適切には、40ミリリットル放出の初期逆戻りの35%より少ない、又は初期逆戻りの30%より少ない、或いは25%より少ない40ミリリットルの最終逆戻りを有する。80ミリリットル放出に対しては、衣類は、適切には放出物の初期逆戻りの60%より少ない、又は初期逆戻りの50%より少ない、或いは45%より少ない最終逆戻りを有する。
【0019】
幼児が座ること、脚を互いに押し合わせること、又は股領域をつかむこと等からの圧力が、流体を閉じ込める前に吸収性衣類にかけられた場合には、吸収体パッドにおける自由な流体が解放されることになる。解放された流体は、幼児の皮膚に再び接触させられることになる。
湿気に加えて、吸収体パッドは、流体が閉じ込められるまで非常にびちゃびちゃした感じがして安定しない。このびちゃびちゃした感じは吸収体パッドをより移動性にし、不快なものにする。このゼリー様の感触(非常に飽和した吸収体)は、流体の取り込みが完了する前に生じることがあるが、これは恐らくは流体の貯留が消えた後に(取り込みによって)及び流体が閉じ込められる前に最も著しい。流体が閉じ込められた後には、吸収体パッドはより厚くより硬く感じる。
【0020】
濡れた感覚を増進させ、それにより着用者にトイレトレーニング過程を速く進める気にさせる、本発明の上述の吸収性パンツの一実施形態の別の特性は、かなり広い流体分布である。本発明の衣類の少なくとも1つの実施形態は、40mlといった少量の放出であっても、放出物を吸収するのに吸収体パッドの長さの半分以上を使用する。より具体的には、80ml放出については、放出物を分布させるのにパッドの長さの少なくとも60%、又は少なくとも65%、或いは少なくとも70%が用いられる。流体の分布は、後述するクレードル試験を用いて求められる。放出物が吸収体パッドの多くの部分にわたって分散され、湿気が幼児の皮膚の表面積の大部分に接触して、幼児が湿気の存在に相当に気付かされる。
本発明の原理は、どんな好適な使い捨て吸収性物品に組み入れることもできる。こうした好適な物品の例は、おむつ、トレーニングパンツ、女性用衛生製品、失禁用製品、他のパーソナルケア又はヘルスケア衣類等を含む。吸収性物品は、幼児にトイレのトレーニングをするときのトレーニングの補助として特に有効である。説明を簡単にするために、以下の詳細な説明は、幼児のトレーニングパンツについてなされる。
【0021】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るトレーニングパンツ20のような使い捨て吸収性パンツが、部分的に締結された状態で示されている。トレーニングパンツ20は、シャーシ32と締結システム80とを含む。シャーシ32は、前領域22、後領域24、前領域と後領域とを相互に接続する股領域26、着用者に接触するように構成された内面28、及び着用者の衣服に接触するように構成された、内面とは反対側の外面30を定める。図2及び図3にさらに詳細に示すように、シャーシ32はまた、一対の横方向両側の側縁36と、前ウエスト縁38及び後ウエスト縁39と表記される一対の縦方向両側のウエスト縁とを定める。前領域22は、前ウエスト縁38と隣接しており、後領域24は後ウエスト縁39と隣接している。
【0022】
図示されたシャーシ32は、やや長方形の複合構造体33と、一対の横方向両側の前側部パネル34と、一対の横方向両側の後側部パネル234とを含む。或いは、吸収複合体は、例えば、より広い前部及び/又は後部をもつ砂時計のような形状とすることができる。複合構造体33と側部パネル34及び234は、一体に形成されてもよいし、或いは図2及び図3に示されるように、2つ又はそれ以上の別の要素を含んでもよい。図示された複合構造体33は、外側カバー40、外側カバーに重ね合わされた関係で接続された身体側ライナ42、及び外側カバー40と身体側ライナ42との間に位置され又は配設された吸収体パッド44(図3)を含む。複合構造体33はまた、図3に示すように、一対の閉じ込めフラップ46を含む。吸収体パッドと身体側ライナ42との間にサージ材料を位置させることができる。吸収性複合構造体33は、前及び後ウエスト縁38及び39の一部を形成する両側の直線状の端縁45と、シャーシ32の側縁36の一部を形成する両側の直線状の側縁47とを有する(図2及び図3)。参考のために、トレーニングパンツ20の縦方向軸線及び横方向軸線の向きを示す矢印48及び49が、図2及び図3に示されている。
【0023】
図1に部分的に示される締結された状態のトレーニングパンツ20においては、前及び後領域22及び24が互いに接合されて、ウエスト開口部50と一対の脚開口部52とを有する3次元のパンツ形状を定める。前領域22は、着用時に着用者の前に位置されたトレーニングパンツ20の部分を含み、一方、後領域24は、着用時に着用者の後ろに位置されたトレーニングパンツの部分を含む。トレーニングパンツ20の股領域26は、着用時に着用者の脚の間に位置され、着用者の胴の下部を覆うトレーニングパンツの部分を含む。前及び後側部パネル34及び234は、着用時に着用者の腰に位置されるトレーニングパンツ20の部分を含む。
【0024】
シャーシ32の前領域22は、横方向両側の前側部パネル34と、側部パネルの間に位置され、それらを相互に接続する前中央パネル35(図2及び図3)と共に、前ウエスト弾性部材54と、その他の接続された構成材とを含む。シャーシ32の後領域24は、横方向両側の後側部パネル234と、側部パネルの間に位置され、それらを相互に接続する後中央パネル135(図2及び図3)と、後ウエスト弾性部材56と、その他の接続された構成材とを含む。シャーシ32のウエスト縁38及び39は、着用時に着用者のウエストを包囲するように構成され、ウエスト周辺寸法を定めるウエスト開口部50を与える。股領域26の横方向両側の側縁36の部分が、全体として脚開口部52を定める。
シャーシ32は、着用者から排出されたどんな身体排出物をも収容し及び/又は吸収するように構成される。脚開口部の周りの漏れを阻止するのに用いられるどんな数の装置も、本発明の衣類の或る実施形態に含めることができる。例えば、シャーシ32は、望ましくは、必ずしもそうである必要はないが、身体排出物の横方向の流出に対する障壁を与えるように構成された一対の閉じ込めフラップ46を含んでもよい。フラップ弾性部材53(図3)は、当該技術分野では公知の適切な方法のいずれかによって各閉じ込めフラップ46に作動的に接合される。弾性を付与された閉じ込めフラップ46は、トレーニングパンツ20の少なくとも股部26において直立したほぼ垂直な形状となる、取り付けられていない縁部を定め、着用者の身体に対するシールを形成する。閉じ込めフラップ46は、シャーシ32の横方向両側の側縁に沿って配置可能であり、シャーシの全長に沿って縦方向に延びても良いし、シャーシの長さの一部にのみ沿って延びても良い。閉じ込めフラップ46に適した構成及び配置は、一般に当業者には公知であり、Enloeに付与された1987年11月3日付けの米国特許第4,704,116号に記載されており、引用によりここに組み込まれる。
【0025】
漏れを防止するのに用いられる別のタイプの装置は、弾性脚部カフス(図示せず)である。脚部カフスは、弾性のストレッチ−ボンデッド・ラミネート材料か又はその他の適切なエラストマー性材料から形成することができる。脚部カフスは、前側部パネル34と後側部パネル234との間の脚開口部の周りに取り付けることができる。脚部カフスは、外側カバー40か又は身体側ライナ42に全体的に取り付けることができる。一実施形態においては、脚部カフスは、外側カバー40から身体側ライナ42までを取り巻いて、ヘム状の脚部バンドを形成することができる。別の実施形態においては、脚部カフスは、該脚部カフスがオーバーハングされるように、外側カバー40か又は身体側ライナ42に部分的に取り付けることができる。脚部カフスは、張力が解かれたときにシャーシ32にギャザーが寄せられるように、引っ張られた状態で取り付けることができる。さらに別の実施形態においては、脚部カフスは、熱で活性化されたときに該脚部カフスがシャーシ32の脚部縁にギャザーを寄せるように、熱収縮可能とすることができる。
【0026】
トレーニングパンツ20は、身体排出物の閉じ込め及び/又は吸収を更に増強するために、当業者には公知のように前ウエスト弾性部材54と、後ウエスト弾性部材56と、脚弾性部材58とを含むことが望ましい(図3)。ウエスト弾性部材54及び56は、両側のウエスト縁38及び39に沿って外側カバー40及び/又は身体側ライナ42に作動的に取り付けることができ、ウエスト縁の一部又は全体にわたって延びていても良い。脚弾性部材58は、両側の側縁36に沿って外側カバー40及び/又は身体側ライナ42に作動的に取り付けられ、トレーニングパンツ20の股領域26に位置されることが望ましい。脚弾性部材58は、複合構造体33の各側縁47に沿って縦方向に位置合わせされることが望ましい。
【0027】
フラップ弾性部材53、ウエスト弾性部材54及び56、並びに脚弾性部材58は、好適な弾性材料のいずれからも形成することができる。当業者には周知のように、好適な弾性材料は、天然ゴム、合成ゴム、又は熱可塑性エラストマー・ポリマーのシート、ストランド又はリボンを含む。弾性材料は、伸ばして基体に接着するか、又はギャザー寄せされた基体に接着するか、或いは基体に接着してから例えば熱を加えることによって弾性を付与するか又は収縮させることができ、それにより基体に弾性収縮力が付与される。特定の実施形態の1つにおいて、脚弾性部材58は、例えば米国デラウェア州ウィルミントン所在のE.I.デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能な、LYCRA(登録商標)の商標名で販売されている複数のマルチフィラメント・スパンデックス・エラストマー糸が乾式紡糸集合されたものを含む。
【0028】
外側カバー40は、ほぼ液体不透過性とすることができ、かつ弾性、伸縮性、又は非伸縮性とすることができる材料を含むことが望ましい。外側カバー40は液体不透過性の材料の単一層とすることができるが、少なくとも層の1つが液体不透過性である多層のラミネート構造からなることが望ましい。例えば、外側カバー40は、ラミネート接着剤(図示せず)により互いに適切に接合される、液体透過性の外側層と液体不透過性の内側層とを含むことができる。ビード、スプレー、平行スワールなどの形で連続的に又は断続的に付着させることができる好適なラミネート接着剤は、米国ウィスコンシン州ウォーワトサ所在のFindley Adhesives, Inc.又は米国ニュージャージー州ブリッジウォーター所在のナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニーから入手できる。液体透過性の外側層は、適切な材料であればいずれであってもよいが、一般的に布のような感触を与えるものが望ましい。そうした材料の一例は、20gsm(グラム毎平方メートル)のスパンボンド・ポリプロピレンの不織ウェブである。外側層は、液体透過性の身体側ライナ42を形成する材料から製造することもできる。外側層は、液体透過性である必要性はないが、着用者に比較的布に似た感触を与えることが望ましい。
【0029】
外側カバー40の内側層は、液体不透過性かつ蒸気不透過性であってもよいし、液体不透過性かつ蒸気透過性であってもよい。内側層は、薄いプラスチック・フィルムから製造されることが望ましいが、他の可撓性のある液体不透過性材料を用いてもよい。内側層、又は単層である場合の液体不透過性外側カバー40は、敷布及び衣服といった物品や、着用者及び介護者が汚物で濡れるのを防ぐ。液体不透過性の内側層、又は単層の液体不透過性外側カバー40としての使用に適した液体不透過性フィルムは、米国ヴァージニア州ニューポート・ニューズ所在のハンツマン・パッケージング社から市販されている0.2ミリメートルのポリエチレン・フィルムである。外側カバー40が単一材料層である場合には、より布に近い外観を与えるためにエンボス加工及び/又はマット仕上げすることができる。上記したように、液体不透過性の材料は、使い捨て吸収性物品の内部から蒸気が逃げられるようにする一方で、なおかつ液体が外側カバー40を透過するのを防ぐことができる。好適な「通気性」材料は、微孔性の高分子フィルムで構成されるか、或いは所望の液体不透過性レベルを与えるようにコーティングされるか又はその他の手法で処理された不織布から構成される。好適な微孔性フィルムは、日本国東京所在の三井東圧化学株式会社から市販されているPMP−1フィルム材料か、又は米国ミネソタ州ミネアポリス所在の3Mカンパニーから市販されているXKO−8044ポリオレフィン・フィルムである。
【0030】
液体透過性身体側ライナ42は、外側カバー40と吸収体パッド44の上に重なるように図示されており、必ずしもそうである必要はないが外側カバー40と同じ寸法をもつことができる。身体側ライナ42は、応従性があり、柔軟な感触で、着用者の皮膚に刺激を与えないことが望ましい。更に、身体側ライナ42は、着用者に比較的乾いた表面を提供し、かつ液体が該身体側ライナの厚みを通して容易に浸透できるように、吸収体パッド44より親水性の低いものにしても良い。
身体側ライナ42は、合成繊維(例えばポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)、天然繊維(例えば木材繊維又は綿繊維)、天然繊維と合成繊維の組み合わせ、多孔性発泡体、網状発泡体、穿孔されたプラスチック・フィルム等といったウェブ材料の幅広い選択肢の中から製造することができる。身体側ライナ42には種々の織布及び不織布を用いることができる。例えば、身体側ライナは、ポリオレフィン繊維をメルトブローしたウェブ又はスパンボンドしたウェブで構成することができる。身体側ライナはまた、天然繊維及び/又は合成繊維で構成されたボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。身体側ライナは、ほぼ疎水性の材料で構成することができ、疎水性材料は、所望のレベルの湿潤性と親水性を付与するために、随意的に界面活性剤で処理するか又は他の手法で処理することができる。例えば、この材料は、米国ノースカロライナ州マウント・ホリー所在のホジソン・テキスタイル・ケミカルズ社のAHCOVEL(登録商標)N−62と、ペンシルヴァニア州アンブラー所在のヘンケル・コーポレーションのGLUCOPON(登録商標)220UPを有効比3:1で含む約0.45重量パーセントの界面活性剤混合物で表面処理することができる。界面活性剤は、スプレーすること、プリントすること、ブラシ・コーティングすること等といった従来の手法のいずれかを用いて塗布することができる。界面活性剤は、身体側ライナ42の全体に塗布してもよいし、身体側ライナ42の縦中心線沿いの中間部のような特定の部分に選択的に塗布してもよい。
【0031】
好適な液体透過性の身体側ライナ42は、約27gsmの秤量を有する二成分の不織ウェブとすることができる。不織二成分ウェブは、二成分のスパンボンド・ウェブか、又は二成分のボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。好適な二成分ステープル繊維は、日本国大阪所在のチッソ株式会社から入手可能なポリエチレン/ポリプロピレン二成分繊維を含む。この特定の二成分繊維においては、ポリプロピレンが繊維の芯を形成し、ポリエチレンが繊維の鞘を形成する。マルチローブ、並列構成、エンドツーエンド等といった他の繊維配向も可能である。外側カバー40及び身体側ライナ42はエラストマー材料を含むことができるが、幾つかの実施形態においては、複合構造体は一般的に非弾性とすることが望ましい場合もあり、このとき外側カバー、身体側ライナ、及び吸収体パッドは、一般的にエラストマー性でない材料を含む。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、図3に示すように、吸収体パッド44は、外側カバー40と身体側ライナ42との間に位置され又は配置され、これらの構成材は、当該技術分野では公知の接着剤のようなどんな好適な手段によっても互いに接合することができる。吸収体パッド44は、薄く、可撓性があり、質量が小さく、それにより乾燥時のフィット性及び快適性を最大にし、その結果として湿潤時には或る程度の不快さをもたらす。「質量が小さい」という用語は、20から50ポンドまでの幼児に用いることが意図されたパンツにおいては、30グラムより小さい、又は25グラムより小さい、或いは20グラムより小さい製品の総重量のことをいう。
吸収体パッド44は、適切には、約2ミリメートル(mm)より小さい、又は約1.5mmより小さい、或いは代替的に、約1mmより小さい厚さを有する。トレーニングパンツ20は、適切には、外側カバー40、吸収体パッド44、及び身体側ライナ42を含む、約3mmより小さい、又は約2.5mmより小さい、或いは代替的に約2mmより小さい、層の全てが組み合わされたときの厚さを有する。吸収体パッド44の厚さ、並びに全ての層が組み合わされたときの厚さは、後述するバルク及び密度試験に従って算出することができる。
【0033】
吸収性物品20の吸収能力は、一回の排泄の予想放出体積に基づくものである。衣類20の吸収能力は、立つ、座る、及びうつ伏せを含む広範囲のユーザ位置にわたる放出に適応するように調整することができる。例えば、吸収力は、より多くの量の超吸収体をパッド44の或る領域に配分し、より少ない量の超吸収体をパッド44の他の領域に配分すること、及び又は超吸収体を積層すること、及び/又は吸収構造体の異なる位置に異なる種類の超吸収体を用いることによって調節することができる。
0.5psi飽和容量(後述する試験方法)によって求められた吸収能力は、好適には、一回の予想放出量の3倍より少ないか、又は一回の予想放出量の2倍より少ないか、或いは一回の予想放出量のおよそ90−150%である。例えば、吸収性物品20は、月齢が約18ヶ月から約60ヶ月までで、放出体積が30mlから180mlまで、又は50ml未満から150mlまで、及び必要であればそれより多い放出量の幼児に適応するように設計し、製造することができる。一回の予想放出量は、典型的には60mlより少ないが、100mlより多い場合もある。本発明の目的においては、一回の予想放出量は、約30mlから約180mlまでの間である。
【0034】
吸収体パッド44の全体的な吸収能力は、吸収された(及び保持された)流体をグラム(g)で表わしたものである。吸収体パッド44の全体的な吸収能力は、好適には予想放出体積の約3倍より大きくないか、又は予想放出体積の約2倍より大きくなく、したがって、望ましくは、約30グラム(g)から約400gまで、又は望ましくは約40gから約300gまで、或いは約50gから約150gまでの体積の放出に適応することができる。吸収体パッド44の飽和容量(すなわち吸収体効率)は、吸収構造体1グラム(g)当りに保持された流体のグラム(g)で表わされ、高い値は、効率が高いことを表わす。吸収体パッド44の飽和容量は、適切には約7g/gより大きいか、又は約9g/gから約11g/gまでか、或いは代替的に、約12.0g/gより大きい。吸収体パッド44の全体的な吸収能力と飽和容量との両方は、後述する飽和容量試験によって求められる。
この吸収性物品の吸収力と製品設計は、布のトレーニングパンツ又は下着よりも良好な漏れ性能を与え、一回の予想放出体積を下回る放出物が漏れる恐れを低くする。漏れが生じることになるときには、その漏れの深刻さは扱いやすいレベルに保たれる。例えば、吸収性物品は、製品が目標排出体積、すなわち予想放出体積までの体積をもつ放出を受けたときに、該放出液体の体積の15%より少ない、又は10%より少ない流出を経験する場合がある。製品の漏れ性能は、閉じ込めフラップ46と脚部弾性体58によって改善される。
【0035】
フラフパルプと超吸収体材料を含む吸収体パッド44は、例えば、場合によっては他の構成材と組み合わされた、個々の構成材の流体容量及びそれらの吸収構造体44内の相対的な割合によって求められる特定の量の流体を保持することができる。超吸収体材料、又は超吸収体ポリマー(SAP)は非常に効果的であり、一方フラフパルプ材料は適度に効果的である。ポリエステル繊維のような合成繊維は、通常はほとんど効果的でない。「効果的な」吸収構造体は、比較的大量の流体を保持することになり、一方、「効果的でない」吸収構造体は、比較的少量の流体を保持することになる。
吸収体パッド44は、全体として圧縮可能で、応従性があり、着用者の皮膚に刺激を与えないどんな構造体とすることもでき、液体及びある種の身体排出物をここで議論されたレベルで吸収し保持することができる。吸収体パッド44は、当該技術分野では一般的に用いられる多様な液体吸収性材料から多様な寸法及び形状に製造することができる。例えば、吸収体パッド44は、超吸収体材料として一般に知られる高吸収性材料の粒子と混合されたセルロースフラフのウェブのような親水性繊維マトリックスを適切に含むことができる。特定の実施形態では、吸収体パッド44は、木材パルプフラフのようなセルロースフラフのマトリックスと、超吸収性ヒドロゲル形成粒子とを含む。木材パルプフラフは、合成ポリマーのメルトブローン繊維か、又はメルトブローン繊維と天然繊維との混合物に置き換えることができる。超吸収性粒子は、親水性繊維と実質的に均一に混合することもできるし、又は不均一に混合することもできる。フラフと超吸収性粒子はまた、体外浸出物をより良好に収容し及び吸収するために、吸収体パッド44の所望の区域に選択的に配置することができる。また、超吸収性粒子の濃度は、吸収体パッド44の厚みにわたって変えることができる。或いは、吸収体パッド44は、繊維ウェブと超吸収性材料のラミネート、又は超吸収性材料を局所的な領域に保持する他の適切な手段を含むこともできる。
【0036】
適切な超吸収性材料は、天然、合成、及び修飾天然ポリマー及び材料から選択することができる。超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料であってもよいし、架橋ポリマーのような有機化合物であってもよい。適切な超吸収性材料は、米国ミシガン州ミッドランドにあるDow Chemical社や、ドイツ連邦共和国クレーフェルトD−47805のStockhausen社のような種々の販売供給業者から入手可能である。超吸収性材料は、典型的には自重の少なくとも約15倍の水を吸収することができ、自重の約25倍より多い水を吸収できることが望ましい。
より具体的には、吸収体パッド44は、米国ジョージア州ジェサップ所在のEAM社から入手可能なNOVATHIN(登録商標)という商標名で市販されている極めて薄い吸収複合体料、及び/又はSAPとパルプ繊維の混合物を含む極薄吸収体(UTA)材料を含むことができる。適切なUTAの例は、ドイツ連邦共和国のクレーフェルト所在のStockhausen GmbH&Co.KGから入手可能な3.7グラム(g)のFAVOR(登録商標)SXM9543SAPと、ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhauserから入手可能な3.7gのNB416パルプ繊維を含むことができる。
【0037】
一実施形態においては、吸収体パッド44は、全体として長方形の形状にすることができ、木材パルプフラフと超吸収体材料のブレンドを含むことができる。1つの好ましいタイプのフラフは、米国アラバマ州チルダーズバーグ所在のU.S.アライアンス社から入手可能な、CR1654という商品名で特定される、主として軟材繊維を含む高吸収性の硫酸塩木材パルプが漂白されたものである。通例、超吸収性材料は、吸収体パッド44中に、吸収体パッドの総重量を基準として約5から約90重量パーセントまでの量で存在する。吸収体パッド44は、好適には、約0.10から約0.50グラム毎立方センチメートルの範囲内の密度を有する。吸収体パッド44は、該吸収体パッド44の一体性及び/又は形状の維持を助ける適切なティシュー・ラップにより包まれる又は包み込まれていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0038】
シャーシ32はまた、必要に応じ、吸収体パッド44と互いに相対する面に沿って液体を受容し、一時的に保管し、及び/又は移送することを第一に設計された他の材料を組み込むことができ、それにより吸収体パッドの吸収能力を最大化することができる。好適な材料の1つは、約50から約120グラム毎平方メートル(gsm)までの秤量を有する材料を含むサージ層(図示せず)と呼ばれるものであり、該材料は、60パーセントがポリエステル芯/ポリエチレン鞘を含む3デニールのT−256型二成分繊維で、40パーセントが6デニールのT−295型ポリエステル繊維である均一配合物のスルーエア・ボンデッド・カーデッド・ウェブを含み、どちらの繊維も米国ノースカロライナ州ソールズベリー所在のコーサ・コーポレーションから市販されている。好適なサージ層の別の例は、6デニールのポリエチレンテレフタテート(PET)と6デニールの二成分バインダ繊維とからなる材料を含み、該材料は、約50から約120gsmまでの坪量を有する。
【0039】
上記したように、図示されたトレーニングパンツ20は、シャーシ32の各側部に配置された前側部パネル34及び後側部パネル234を有する。これらの横方向両側の前側部パネル34と横方向両側の後側部パネル234は、それぞれ前領域22及び後領域24においてシャーシ32の複合構造体33に恒久的に結合することができ、締結システム80によって互いに取外し可能に取り付けることができる。或いは、取り外し可能に取り付ける代わりに、前側部パネル34と後側部パネル234は、それぞれ互いに恒久的に結合して、穿くパンツを形成することができる。
図2及び図3に最も良く示されるように、前側部パネル34は、前領域22において取付け線66に沿って、複合構造体33の直線状の側縁47に恒久的に結合され、そこから横方向に延びることができ、後側部パネル234は、後領域24において取付け線66に沿って、複合構造体の直線状の側縁に恒久的に結合され、そこから横方向に延びることができる。側部パネル34及び234は、接着剤、熱結合又は超音波結合、或いはその組み合わせといった当業者に公知の取付け手段を用いて取り付けることができる。側部パネル34及び234はまた、外側カバー40又は身体側ライナ42のような複合構造体33の構成材の一部として形成することができる。
【0040】
改善されたフィット性及び外観の特定の実施形態においては、側部パネル34及び234は、望ましくは縦方向軸線48に平行に計測された吸収性物品の全体的な長さ寸法の約20パーセント又はそれ以上、特に約25パーセント又はそれ以上の、縦方向軸線48に平行に計測された平均長さ寸法を有する。例えば、約54センチメートルの全長寸法を有するトレーニングパンツにおいては、側部パネル34及び234は、望ましくは約15センチメートルといった約10センチメートル又はそれ以上の平均長さ寸法を有する。側部パネル34及び234の各々は、ウエスト開口部50から脚開口部52の一方まで延びるが、後側部パネル234は、図2及び図3に最も良く示されるように、取付線66から後パネル234の遠位縁68bまで移行する継続的に減少する長さ寸法を有する。
側部パネル34及び234は、トレーニングパンツ20の横方向軸線49にほぼ平行な方向に伸ばすことができる弾性材料を含むことが望ましい。好適な弾性材料と、トレーニングパンツに弾性側部パネルを組み込む方法の1つは、当業者には公知であり、例えば、引用によりここに組み入れられるVan Gompel他に付与された1990年7月10日付の米国特許第4,940,464号に説明されている。具体的な実施形態においては、弾性材料は、ストレッチ−サーマル・ラミネート(STL)材料、ネック−ボンデッド・ラミネート(NBL)材料、可逆的にネック生成されたラミネート材料、又はストレッチ−ボンデッド・ラミネート(SBL)材料を含む。こうした材料の製造方法は、当業者には周知である。或いは、側部パネル材料は、外側カバー40又は身体側ライナ42に適しているとして上記されたような他の織成材料又は不織材料か、もしくは引伸ばせるが非弾性である材料を含むことができる。
【0041】
上述のように、本発明の一実施形態に係るトレーニングパンツ20はまた、該トレーニングパンツを着用者のウエスト周りに固定するための締結システム80を含む(図1)。図示する締結システム80は締結部材82を含み、これは嵌合相手である締結部材84に再締結可能に結合されるようになっている。締結システム80は、再締結可能なものであってもよいし、再締結可能なものでなくてもよい。1つの実施形態においては、締結部材82及び84の各々の表面の1つは、その表面から突出した複数の係合要素を備える。これらの締結部材82の係合要素は、嵌合相手である締結部材84の係合要素に繰り返し係合され及び外されるようになっている。
1つの具体的な実施形態においては、締結部材82の各々はフック型のファスナを含み、嵌合相手である締結部材84の各々は相補的なループ型のファスナを含む。別の具体的な実施形態においては、締結部材82の各々はループ型のファスナを含み、嵌合相手である締結部材84の各々は相補的なフック型のファスナを含む。或いは、テープ、接着剤、凝集剤、自己係合ファスナ、又は他のタイプの機械的ファスナを用いることもできる。
【0042】
ループ型ファスナは通常、構造体と、構造体の少なくとも1つの表面上の複数のループ部材とを有する布又は材料を含む。ループ材料は、アクリル、ナイロン、又はポリエステルなどの適切な材料のいずれからも形成することができ、また縦編み、ステッチ結合、又はニードル・パンチングなどの方法で形成することができる。好適なループ材料は、米国ノースカロライナ州グリーンズボロー所在のギルフォード・ミルズ・インクから入手可能である。一実施形態においては、外側カバー材料及び/又は身体側ライナ材料及び/又は側部パネル材料は、ループ型ファスナとして働き、それにより別々に取り付けられたループ型ファスナを必要としない。ループ材料はまた、カーデッド、スパンボンデッド、もしくは他の不織ウェブか、又はエラストマー性及び非エラストマー性複合材を含む複合材といったフック材料を交絡させる又はひっかけることが可能などんな繊維性構造体からも形成することができる。
フック型のファスナは通常、下地構造体の少なくとも1つの表面から上方に延びる複数のフック部材を有する布又は材料を含む。締結部材82又は嵌合する締結部材84に適した片面フック材料は、オランダのアムステルダムのベルクロ・インダストリーズB.V.社又はその関係会社から入手可能である。一実施形態においては、外側カバー材料及び/又は身体側ライナ材料及び/又は側部パネル材料は、フック型ファスナとして働くことができる。
【0043】
ここで説明されるように、吸収性衣類20の種々の構成材は、接着剤、超音波、及び熱結合又はこれらの組み合わせといった種々のタイプの好適な取り付け手段を用いて互いに一体に組み立てることができる。結果として得られる製品は、布状の薄さと、低い吸収能力をもち、漏れの防護も与える吸収性物品である。
本発明はまた、幼児にトイレのしつけをするために、ここで説明された吸収性衣類を用いる方法を含む。この方法は、幼児に吸収性衣類を着用させ、衣類の流体取扱い特性が、幼児に放出が行われたときの湿気を認識するように学習を促し、多数回の放出によってきまりの悪い漏れが生じることを認識させ、それにより幼児にトイレトレーニング過程を進め、完了させることを含む。
【実施例】
【0044】
以下の実施例は、市販の衣類と比較した本発明の衣類間の取り込み速度、流体逆戻り、流体分布、及び吸収能力の差異を示すものである。
実施例1
試作製品の一例は、着用者が立っている状態で1回の排出体積100ccを15cc/秒の流速で取り扱うように設計され、23g/gの0.5psi飽和容量をもつ5.2gのタイプ#3000255EAM NOVATHIN(登録商標)複合材を含む。EAM複合材は、吸収体が除去され異なる吸収体がその位置におかれたPULL−UPS(登録商標)トレーニングパンツか又はそれに類似のものに基づくトレーニングパンツ試作品の目標域、すなわち股領域におかれる。米国ノースカロライナ州Salsbury所在のKoSa Fibersからの50gsmの6デニールポリエチレン鞘/3デニールポリエチレン芯の二成分バインダ繊維である取り込みの高いサージが、複合材の目標域上におかれる。0.2psiの荷重下での最終製品のキャリパ(前部の)は約2mmである。パンツは、低質量の薄い吸収体の利点が得られるように構成され、そのような寸法にされる。
【0045】
実施例2
一回放出用パンツ試作品は、複合材の目標域上におかれる50gsmの6デニールポリエチレンテレフタレート(PET)/3デニール二成分バインダ繊維のサージと、同じく複合材上におかれる0.5osyのスパンボンドライナを有する、タイプ#2000155EAM NOVATHIN(登録商標)吸収複合体の102mm×385mm片を含む吸収体システムを備えるように製造された。製品全体の厚さは2.5mmであった。この製品は、150mlの0.5psi飽和能力を有するものであった。この製品における流出の発生は、後述するクレードル試験によって、60、80及び100mlの0.9%NaCl食塩水を5ml/秒で用いて評価された。フラップと脚部弾性体は、この静的クレードル試験においては除去された。結果を表1に示す。60mlの生理食塩水が放出されたときに、流出はなかった。流出は、図示のように放出体積と共に増加した。
【0046】

【0047】
EAM NOVATHIN(登録商標)吸収複合体を備えたパンツの試作製品は、優れた漏れ防護性能を示し、クレードル試験における60mlの放出を受けたときに流出が無かった。一回の予想放出量は、典型的には60mlより少ないが、100mlより多くてもよい。パンツ試作品は、より高い放出体積においても良好な防護を示し、80mlの放出に対しては8mlより少なく、100mlの放出に対しては15mlより少ない流出値をもつものであった。製品の漏れ性能は、脚部フラップと脚部弾性体から利点が得られ、これらはクレードル試験のために除去された。
【0048】
実施例3
一回放出用のパンツ試作品は、150mlの0.5psi飽和容量を目標としているUTAの102mm×385mm片を備えるように製造された。UTAには、3.7gのFAVOR(登録商標)SXM9543SAPと、3.7gのNB416パルプ繊維が含まれていた。UTAパッドは、100mm×385mmであり、ほぼ0.8mmの厚さであった。この吸収体パッドは、既存の吸収体パッドの代わりにPULL−UPS(登録商標)トレーニングパンツに組み入れられた。製品全体の厚さは2.8mmであった。この製品における流出の発生は、後述するクレードル試験によって、60、80及び100mlの0.9%NaCl食塩水を5ml/秒で用いて評価された。フラップと脚部弾性体は、この静的クレードル試験においては除去された。結果を表2に示す。前の例のように、60mlの生理食塩水が放出されたときに流出はなかった。流出は、図示のように放出体積と共に増加した。

【0049】
UTA吸収複合体を備えたパンツの試作製品は、優れた漏れ防護性能を示し、クレードル試験における60mlの放出を受けたときに流出が無かった。一回の予想放出量は、典型的には60mlより少ないが、100mlより多くてもよい。パンツ試作品は、より高い放出体積においても良好な防護を示し、80mlの放出に対しては8mlより少なく、100mlの放出に対しては15mlより少ない流出値をもつ。製品の漏れ性能は、脚部フラップと脚部弾性体から利点が得られ、これらはクレードル試験のために除去された。
【0050】
実施例4
この例においては、UTA吸収複合体を備えたパンツ試作品は、60%の超吸収体ポリマー(SAP)レベルで製造された。加湿空気が吸収複合体を通して引かれ、吸収複合体は、剛性を低下させるために熱で嵩が減らされた。
400ミクロンより小さい均等な直径の穿孔を有する微小穿孔された平らなスクリーンが、吸収複合体の形成中に用いられた。輪郭セグメントは直線であった(長方形のパッド対形付けされたパッド)。微小穿孔されたスクリーンは、60%に到達するSAPレベルであっても、一定した吸収体重量をもたらすために、SAPがドラム内部に入るのを防止することができた。マクロスケールにおいては、空気流の一様性と体積は、良好なパッド形成のために適切なレベルに維持された。
【0051】
UTA吸収体の目標密度(>0.3g/cc)を達成するのに要求される嵩減らし圧力を低下させる手段として、吸収体に少量の水分を加えることが望まれた。加湿空気はパッドを通して引かれて、吸収体の厚さにわたるより一様な水分の分布を与えた。加熱要素及びブロワモータは、形成ドラムとプレ−デバルカーとの間の真空コンベヤ上に設置されたフードに高温空気を送るのに用いた。濾過された水道水が、圧縮空気(20psi)と合流され、0.028インチの開口部をもつ霧化スプレーノズルを介して微細なミストとして温かい空気流中に導入された。配管内に水分がたまる前の空気流中で、摂氏120度の温度においておよそ40%の相対湿度(RH)の最大湿度が達成された。最も良好な水分条件が達成されると、吸収体パッドが製造された。この技術によりパッドにおよそ1%の水分が加えられた。加湿によって、乾燥パッドにおいて得られるのと同じ吸収体パッドキャリパが達成される状態で、圧縮ロールを5ミル開くことができる。
【0052】
フラットスクリーンUTA吸収体の長さを横切る一様なキャリパを与えるために、丸い一様な厚さのシェルがデバルカーに設置された。UTAパッドのパッド寸法は、およそ390mm×95mmであった。表3は、集められた吸収体のサンプルを説明するものである。飽和容量は、後で詳細に説明する手順を用いて算出した。全てのUTAサンプルは、FAVOR(登録商標)SXM9543SAPを用いて製造されたものであった。サンプル1は、PULL−UPS(登録商標)トレーニングパンツを製造するためにキンバリー・クラーク社によって用いられる形成スクリーンを用いて、シュトックハウゼン社のFAVOR(登録商標)SXM880超吸収体を備えるように製造された。

【0053】
実施例5−8

【0054】


【0055】
実施例5−取り込み速度
この実施例においては、クレードル試験を用い、40mlの放出と80mlの放出との両方に対する、表4に示された製品の取り込み速度が試験された。結果を表6に示す。
【0056】

【0057】
サンプル1−5及びハギーズ・リトル・スイマーズ使い捨て水着の各々は、最初に吸収されなかった液体の貯留又は水溜りを呈し、これは、トイレトレーニングを補助するための所望の「びちゃびちゃ要因」をもたらす。着用者は、該着用者が動くのに伴い流体の貯留が動くのを最も感じる。
【0058】
実施例6−流体逆戻り
この実施例においては、表4に示される製品の流体逆戻りが、1分(初期逆戻り)と、さらに15分(最終逆戻り)のときに、クレードル試験を用いて試験された。初期逆戻りと最終逆戻りとの間の百分率の差を含む結果を、表7(40ml放出)と表8(80ml放出)に示す。
【0059】

【0060】

【0061】
サンプル1−5のみが、貯留を呈することに加えて、時間が経過した後に流体を閉じ込める能力を呈する製品であった。したがって、着用者は最初にびちゃつきを経験するが、時間が経てば幼児の皮膚に対する湿気が減少し、着用者から衣類が除去されるときに、閉じ込められた流体は該衣類からこぼれない。
【0062】
実施例7−流体分布
この実施例においては、表4の各製品の目標域上に堆積された80ml放出の流体分布が、クレードル試験を用いて求められた。結果を表9に示す。
【0063】

【0064】
サンプル1−5は、パッド長さの少なくとも75%を使用するものであり、これは、パッド長さの少なくとも75%にわたる湿気が着用者の皮膚と接触し、それにより着用者に湿気を感じさせる。
【0065】
実施例8−吸収能力
この実施例においては、表4の製品の各々の吸収能力が、修正された飽和容量試験を用いて求められた。結果を表10に示す。
【0066】

【0067】
嵩及び密度試験
吸収体パッドの試験される領域を0.2psiの荷重下におき、吸収体のこの領域における嵩を記録する。圧縮される領域は、2インチ×2インチ(5.08cm×5.08cm)平方より広いものとすべきである。吸収体の嵩に適した試験機は、0.2psiの荷重をかける直径3インチの真鍮フットを装備したスターレット型バルク試験機である。圧縮される領域は、おもりが置かれた状態で該おもりの周辺に沿ってマークされる。おもりを除去し、輪郭が描かれた領域内からダイカット等により2インチ×2インチ平方を切り取る。吸収体パッド上に存在するどんな組織をも取り除き、該平方におもりをのせる。密度は、以下の計算によって求める。密度=(吸収体の質量グラム)/[(5.08cm)2×(嵩cm)]。
【0068】
修正された飽和容量試験方法
飽和容量は、Magnahelic真空ゲージとラテックスダムとを備えた飽和容量(SAT CAP)試験機を用いて求める。図5−図7を参照すると、飽和容量試験機真空装置110は、4つの脚部材114上に支持された真空チャンバ112を備える。真空チャンバ112は、前壁部材116と、後壁部材118と、2つの側壁120及び121を含む。壁部材は、厚さ約0.5インチであり、長さ23.5インチ、幅14インチ、及び深さ8インチに計測される外寸を有するチャンバを与えるように構成され配置される。
真空ポンプ(図示せず)は、適切な真空ライン導管と真空弁124を通して真空チャンバ112に作動的に接続される。さらに、適切な抽気ラインが、抽気弁126を介して真空チャンバ112に接続される。ハンガー組立体128は、後壁118に適切に取り付けられ、真空装置110の上部から遠い方の従来の位置にラテックスダムシート130を支持する従来の静止位置を与えるためにS字形に湾曲された端部をもつように構成される。適切なハンガー組立体は、直径0.25インチのステンレス鋼ロッドから構成することができる。ラテックスシート130は、つかむのを容易にし、ラテックスシート130の通常の動き及び位置決めを可能にするために、ダウエル部材132の周りにループ状にされる。図示された位置においては、ダウエル部材132は、ラテックスシート130を真空チャンバ112の上部から遠い方の開位置に位置させるためにハンガー組立体128に支持された状態で示されている。
【0069】
ラテックスシート130の底部縁は、トグルクランプ140のような適切な固定手段によって後縁支持部材134に対してクランプされる。トグルクランプは、所望の作動に適したトグルクランプ140の向き及び位置合わせを与える適切なスペーサ141によって後壁部材118上に取り付けられる。3つの支持シャフト142は、直径0.75インチであり、支持ブランケット144によって真空チャンバ112内に取り外し可能に取り付けられる。支持ブランケット144は、前壁部材116と後壁部材118に沿ってほぼ等間隔に位置され、協働する対として配置される。さらに、支持ブランケット144は、支持シャフト142の最上部が真空チャンバ112の前壁、後壁及び側壁部材の上部と同一平面上に適切に位置されるように構成され配置される。したがって、支持シャフト142は、互いにほぼ平行に位置され、側壁部材120及び121とほぼ位置合わせされる。後縁支持部材134に加えて、装置110は、前部支持部材136と2つの側部支持部材138及び139を含む。各側部支持部材の寸法は、幅約1インチ、高さ約1.25インチである。支持部材の長さは、真空チャンバ112の上部開放縁の周辺部を適切に取り囲むように構成され、チャンバ壁部材の上縁を約0.5インチの距離だけ越えて突出するように位置される。
【0070】
卵箱型材料の層146が、支持シャフト142の上部と、真空チャンバ112の壁部材の上縁に位置される。卵箱材料は、23.5インチ×14インチの寸法のほぼ長方形の領域にわたって延び、約0.38インチの深さ寸法を有する。卵箱構造体の個々のセルの寸法は約0.5インチ平方であり、卵箱を構成する薄いシート材料は、ポリスチレンといった適切な材料からなる。例えば、卵箱材料は、半透明のディフューザパネル材料であるMcMasterサプライカタログNo.162 4K 14とすることができる。23.5インチ×14インチの寸法の0.19メッシュのナイロンスクリーンの層148が、卵箱材料146の上部に位置される。
適切なドレンラインとドレン弁150が、真空チャンバ112の底部プレート部材119に接続されて、真空チャンバ112から液体を排出する便利な機構を与える。試験装置110の種々の壁部材と支持部材は、ポリカーボネート・プラスチックのような適切な非腐食性の耐水性材料から構成することができる。溶剤溶接によって種々の組立体ジョイントを取り付けることができ、試験機の完成した組立体は、防水性となるように構成される。真空ゲージ152は、導管を通して真空チャンバ112に作動的に接続される。適切な圧力ゲージは、Dwyer Instrument Incorporatedから入手可能なNo.2100ゲージのような、0−100インチの水の真空を計測することができるMagnahelic差動ゲージである。
【0071】
乾燥製品又は他の吸収構造体を計量し、次いで過剰量の0.9%食塩水溶液中に入れ、20分間浸す。20分間浸した後に、吸収構造体を卵箱材料と飽和容量試験機のメッシュナイロンスクリーンにおく。ラテックスシートを吸収構造体と卵箱グリッド全体の上におき、それにより試験機に真空が引かれたときにラテックスシートがシールを形成する。0.5ポンド毎平方インチ(psi)の真空が飽和容量試験機において5分間保たれる。真空は、吸収構造体に対して圧力を生じ、或る量の液体の排液をもたらす。0.5psiの真空下で5分後に、ラテックスシートが巻き戻され、吸収構造体が計量されて、湿潤重量が与えられる。
各吸収構造体の全体的な容量は、手順のこの時点で求められた吸収体の湿潤重量から各吸収体の乾燥重量を引くことによって求められる。0.5psiのSAT CAP又は吸収構造体のSAT CAPは、次式によって求められる。
SAT CAP=(湿潤重量−乾燥重量)/乾燥重量
ここで、SAT CAP値は、グラム流体/グラム吸収体の単位を有する。全体的な容量とSAT CAPとの両方においては、各サンプルの最小4つの試験片を検査し、その結果を平均すべきである。吸収構造体が浸漬又は移送手順の間に低い一体性又は崩壊性を有する場合には、吸収構造体は、米国ウィスコンシン州ニーナ所在のキンバリー・クラーク社によって製造されたペーパータオル、例えばHi−Dri(登録商標)ペーパータオルのような閉じ込め材料にラップすることができる。吸収構造体は、オーバーラップが定位置にある状態で試験することができ、該オーバーラップの容量は、別個に求め、吸収体の湿潤重量を得るために、ラップされた吸収構造体の総湿潤重量から引くことができる。
【0072】
クレードル試験方法
クレードル試験は、着用者に対する衣類の実際の位置決めを再現するものであり、衣類の取り込み速度、逆戻り、及び流体分布を求めるのに用いることができる。この方法は、図4aに示されるようなスロットなしのクレードル300、図4b及び4cに示されるようなスロットありのクレードル302を用いるものであり、これらは共にアクリルプラスチックのような耐水性材料から形成され、着用者の身体湾曲を模擬するものである。
スロットなしのクレードルは、全長487mm、内幅315mm、及び高さ205mmである。装置全体は、厚さ6mmのプラスチックから構成される。クレードルの長さに対して垂直に延びる一連の3つのアクリルパーティションが、身体を4つのベイに分ける。各ベイは、およそ115mmの幅である。クレードルの湾曲は、60度の角度によって形成される。
スロットありのクレードルは、全長350mm、側部から側部までの幅355mm、及び高さ365mm(スロットの下の約50mmの高さを含む)である。この構成に用いられる材料は、厚さが6mmから12mmまでである。クレードルは、クレードルの長さにわたる最下点において6mmのスロット幅を有する。クレードルの湾曲は、60度の角度によって形成され、クレードル組立体全体は、2つのロックダウン・ノブを介して回転させることができる。
【0073】
1.製品の用意
A.三次元パンツ型製品を側部又は側部シームで切り開いて、製品を二次元形状にする。
B.脚部及び閉じ込めフラップ弾性体は切断しない。
C.製品を0.01グラムに最も近い値まで計量し、該値を記録する。
D.パッド長さを1mmに最も近い値まで計測(ライトボードを用いて)し、該値を記録する。
E.放出領域を製品の前ウエスト縁から162mmのところで1mmに最も近い値まで「+」でマーク(ライトボードを用いて)する。計測は横方向の中央でする。パッドの前縁から計測しない。
F.製品の長さを計測し、中心を「_」でマークして、クレードルの底部と位置合わせする。これは、製品をクレードルに正しく位置決めする一助となる。
【0074】
2.製品試験(試験流体=0.9w/v%食塩水溶液)
A.放出+/−0.5mlの要求された量の試験流体をポンプが運ぶことを検証する。流速は、およそ11−14ml/秒に設定されるべきである。
i.試験流体の量は、40ml又は80mlとして特定される。
B.スロットありのクレードルにおいては、公知の重さの捕捉容器をクレードルスロットの下において、流体のオーバーフローを受け取る。捕捉容器の重さを0.01グラムの最も近くまで計測する。
i.注意:フラップなしの低容量製品(すなわち、布製の下着、布製のトレーニングパンツ、ビニル/布製のトレーニングパンツ)は、オーバーフローする傾向がある。
C.逆戻りのために吸い取り紙の別の組を0.01グラムの最も近くまで計量する。
D.製品の「予めマークされた」中心がクレードルの最下点と並び、該最下点に触れるように、試験片、ライナ/内側を上に位置させる。外側カバー/製品の外方の長さ全体がクレードルと接触させられるべきである。クリップ又は他のものが、製品を前及び後ウエスト縁においてクレードルに取り付けて、該製品を定位置に保つ。試験片の前/後ウエストを優しく引っ張って、製品におけるどんな皺又はひだをも平坦化させる。
i.クレードル試験においては、全ての製品コードは、製品の前ウエスト縁から162mmの位置において放出を受ける。
E.ノズルを目標域の上に及び試験片に垂直に保持する。ノズルの底部は、試験片から5から10mm以内にすべきである。
F.放出を開始し、試験流体がノズルを出たときにストップウォッチをスタートさせる。放出が完了するとすぐに、ノズルをわきに動かして、試験流体を観測する。
G.試験流体が試験片表面上に見えなくなったときにストップウォッチを直ちに止める。
i.取り込み時間を0.01秒の最も近くまで記録する。
a.流体が捕捉容器の中にオーバーフローする場合には、表面上にそれ以上の流体が見られないときに、取り込み時間が記録される。したがって、取り込み時間は、放出物の全てが製品上に「注がれる」のにかかる時間に等しい。
b.放出中に又は放出後にオーバーフローが起こるかどうかを観測する。
c.或る製品は、全ての放出物を吸収するのが困難であるが、オーバーフローはしない。
1.放出物が30分より前に完全に吸収される場合には、そうした時間が記録される。
2.放出物が30分後に吸収されなかった場合には、その時間が30分+と記録される。
H.放出物が吸収されるか又は30分+の時間が経過すると、指定された待ち時間について直ちにタイマーをセットする。全ての待ち時間において試験片をクレードルに残す。
i.30分後にオーバーフローしない及び吸収しないこれらの製品においては、試験の残り(逆戻り計測を含む)において過剰の又は自由な流体がパンツに残る。
a.上記で特定された取り込み時間の終了時に待ち時間(1分及び15分)を開始し、流体分布(それぞれ30秒及び10分)及び逆戻り(それぞれ1分及び15分)を計測する。
【0075】
I.待ち時間の間に、オーバーフローを0.01グラムの最も近くまで計測し記録する。
J.特定の待ち時間の指定された部分が経過した後に、製品の前部及び後部において流体が吸上げられる最も遠い距離をマークする。この距離は、試験が完了した後に計測し記録することができる。
i.1分の待ちについては、30秒における距離をマークする。
ii.15分の待ちについては、10分における距離をマークする。
K.待ち時間の終了直前に(試験片が依然としてクレードルにある状態で)、製品の両側の閉じ込めフラップ弾性体をおよそ1インチの間隔で切断する。
L.待ち時間の終了時に、試験片をクレードルから飽和容量試験機に直ちに移動させる。移動の間に試験片をクレードルに維持し、次いでライナ/内側が上にされた状態で飽和容量試験機ボックス上に平らに(水平に)おく。試験片は飽和容量試験機の中央に置く。
M.逆戻り用に指定された予め計量された吸い取り紙を試験片の吸収体側におく。吸い取り紙を湿潤領域上の中央におく。
N.試験片と吸い取り紙をラテックスゴムシートで覆い、真空制御ボックスのスタートボタンを押す。
O.飽和容量試験機上に0.5+/−0.04psiを2分間維持する。経過時間の後に、ラテックスゴムシートを持ち上げて飽和容量試験機から圧力を開放する。
P.吸い取り紙を直ちに除去し、0.01グラムの最も近くまで計量し、逆戻り値を記録する。
Q.飽和容量試験機ボックスから試験片を除去し、細長い状態でプラスチックボードに付着させる。最も大きい流体吸上げ距離を1mmの最も近くまで計測し(逆戻り前の待ち時間の間にマークされ)、該値を流体分布のために記録する。
【0076】
本発明の上記の詳細な説明は、本発明の或る好ましい実施形態に関連して説明されたものであり、多くの詳細は説明のために記載されたものであり、当業者であれば、本発明は付加的な実施形態が可能であり、ここで説明されたある種の詳細は、本発明の基本原理から逸脱することなく大いに変えられることが分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て吸収性パンツであって、
外側カバーと、
前記外側カバーに少なくとも部分的に結合された身体側ライナと、
前記外側カバーと前記身体側ライナとの間に位置され、約2ミリメートルより小さい厚さを有する吸収体パッドと、
を備え、
前記外側カバー、前記身体側ライナ、前記吸収体パッド、及び前記外側カバーと前記身体側ライナとの間の付加的な層は、組み合わされたとき約3ミリメートルより小さい厚さを有し、
前記使い捨て吸収体パンツは、一回の予想放出体積の3倍より小さい吸収能力をもち、該パンツが一回の予想放出体積に曝されたときに15%より少ない放出液体の流出体積をもたらすことを特徴とする吸収性パンツ。
【請求項2】
ウエスト開口部と、第1及び第2脚開口部とを定め、少なくとも液体透過性身体側ライナと、吸収体パッドと、実質的に液体不透過性の外側カバー層とを含むシャーシを備え、
前記シャーシは、約3ミリメートルより小さい厚さを有し、前記吸収体パッドは、単独では約2ミリメートルより小さい厚さを有し、前記パンツは、該パンツが一回の予想放出体積に曝されたときに15%より少ない放出液体の流出体積をもたらすことを特徴とする使い捨て吸収性パンツ。
【請求項3】
前記吸収体パッドと前記身体側ライナとの間にサージ層をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の吸収性パンツ。
【請求項4】
一回の予想放出体積の3倍より小さい吸収能力を有することを特徴とする請求項2に記載の吸収性パンツ。
【請求項5】
ウエスト開口部と第1及び第2脚開口部を定め、少なくとも、液体透過性身体側ライナと、吸収体パッドと、実質的に液体不透過性の外側カバー層とを含むシャーシを備え、
前記シャーシは、約3ミリメートルより小さい厚さを有し、前記吸収体パッドは、単独では約2ミリメートルより小さい厚さを有し、前記パンツは、0.5psi(7.1kg/cm2)飽和容量によって求められた一回の予想放出体積の約90%から約150%までの飽和容量を有することを特徴とする使い捨て吸収性パンツ。
【請求項6】
前記パンツは、該パンツが一回の予想放出体積に曝されたときに、15%より少ない放出液体の流出体積をもたらすことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の使い捨て吸収性パンツ。
【請求項7】
一回の予想放出体積の2倍より小さい吸収能力を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の使い捨て吸収性パンツ。
【請求項8】
使い捨て吸収性パンツであって、
外側カバーと、
前記外側カバーに少なくとも部分的に結合された身体側ライナと、
前記外側カバーと前記身体側ライナとの間に位置され、約2ミリメートルより小さい厚さを有する吸収体パッドと、
を備え、前記外側カバー、前記身体側ライナ、前記吸収体パッド、及び前記外側カバーと前記身体側ライナとの間の付加的な層は、組み合わされたとき約3ミリメートルより小さい厚さを有し、
前記使い捨て吸収体パッドは、約30グラムから約400グラムまでの間の吸収能力をもつことを特徴とする使い捨て吸収性パンツ。
【請求項9】
前記吸収体パッドは、超吸収体とフラフパルプからなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の吸収性パンツ。
【請求項10】
前記吸収体パッドは、超吸収体の多数の層からなることを特徴とする請求項9に記載の吸収性パンツ。
【請求項11】
前記吸収体パッドは、少なくとも2つの異なる超吸収体材料からなり、前記超吸収体材料の各々は、前記吸収体パッド内の異なる位置におかれることを特徴とする請求項9に記載の吸収性パンツ。
【請求項12】
前記吸収体パッドは、該吸収体パッドの第1領域においてより多くの量の超吸収体を備え、該吸収体パッドの第2領域においてより少ない量の超吸収体を備えることを特徴とする請求項9に記載の吸収性パンツ。
【請求項13】
前記吸収性パンツは、少なくとも7グラム/グラムで、約9グラム/グラムから約11グラム/グラムまでの間、さらに少なくとも12グラム/グラムの飽和容量を有することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の吸収性パンツ。
【請求項14】
前記吸収性パンツは、30グラムより少ない総重量で、25グラムより少ない総重量、さらには20グラムより少ない総重量を有することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の吸収性パンツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−254912(P2009−254912A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186995(P2009−186995)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【分割の表示】特願2003−554082(P2003−554082)の分割
【原出願日】平成14年12月19日(2002.12.19)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】