説明

演奏中止機能付きカラオケシステム

【課題】 カラオケ楽曲の演奏を中止させる際に、故意や過失による操作を排除して、歌唱者の意思に反することなく演奏を中止させる。
【解決手段】 複数のマイクロホン(ワイヤレスマイク27a,27b)にそれぞれ付帯された演奏中止指示手段(演奏中止スイッチ28a,28b)からの演奏中止指示に基づいて、任意のカラオケ楽曲の演奏を中止させる演奏中止手段48aを有する。各マイクロホンからの音声入力の有無を判定するためのマイク別音声入力判定手段49と、当該カラオケ楽曲の演奏中に、音声が入力されていると判定されたマイクロホン(例えばワイヤレスマイク27a)について、その演奏中止指示手段(例えば演奏中止スイッチ28a)からの演奏中止指示を有効化させるための演奏中止機能制御手段50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意のカラオケ楽曲が演奏されている際に、当該カラオケ楽曲の演奏を中止させる演奏中止機能を有するカラオケシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラオケ演奏装置を利用して歌唱を行う際には、必ずしもカラオケ楽曲の最後まで歌いきるとは限らず、歌唱の途中でカラオケ楽曲の演奏中止を望む場合があるため、現在普及しているカラオケ演奏装置は、演奏中止機能を有している。カラオケ楽曲の演奏中に当該演奏を中止させるには、例えば、カラオケリモコン装置に設けられた演奏中止ボタンを操作すればよい。ところで、歌唱者はマイクロホンを手に持って歌唱を行うのが一般的であり、この際、カラオケリモコン装置は歌唱者ではなく聴取者の手元にある。したがって、カラオケリモコン装置を用いて演奏中止操作を行うのは聴取者ということになり、歌唱者の意思に反して演奏が中止されてしまうことがある。このような状況になると、歌唱者は興ざめし、カラオケ演奏装置を用いた歌唱の楽しさを味わうことができなくなってしまう。
【0003】
そこで、従来、カラオケ楽曲の演奏中止を指示するための手段をマイクロホンに設けることにより、歌唱者の意思に反することなく演奏中止を行うことができるような技術が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、演奏手段と、ワイヤレスマイクと、受信手段と、制御手段とを備えている。そして、演奏手段は、制御手段の制御に従ってカラオケ楽曲を演奏し、ワイヤレスマイクは、送信手段の動作をオンオフさせるスイッチを有し、受信手段は、ワイヤレスマイクの受信信号から復調した歌唱音声信号をアンプに供給するとともに、受信信号の有無をあらわす状態信号を出力し、制御手段は、演奏手段にカラオケ楽曲を演奏させている際、状態信号が有から無に変化すると、当該楽曲の演奏をフェードアウトさせて中止するようになっている。
【0004】
また、誤操作によるカラオケ楽曲演奏の強制終了を防止するための技術が開示されている(特許文献2参照)。特許文献2に記載された技術は、演奏手段と、音量測定手段と、制御手段とを備えている。そして、演奏手段は、制御手段の制御に従ってカラオケデータに基づいてカラオケ楽曲を演奏し、音量測定手段は、マイクロホンに入力される音声の音量値を出力し、制御手段は、演奏中止処理と、音声入力判断処理と、演奏継続処理とを実行する。ここで、演奏中止処理は、カラオケ演奏手段に楽曲演奏を行わせている際、所定のユーザ入力があると、当該演奏を中止する。また、音声入力判断処理は、カラオケ演奏手段に楽曲演奏を行わせている際、音量測定手段からの音量値に基づいて歌唱継続中か否かを認識する。また、演奏継続処理は、音声入力判断処理において、歌唱継続中であると認識しているときには演奏中止処理を実行しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−57838号公報
【特許文献2】特開2007−271975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般的なカラオケ演奏装置は、デュエット曲等を想定して2本以上のマイクロホンを備えており、歌唱者が一方のマイクロホンを手に持って歌唱していたとしても、他方のマイクロホンは聴取者の手元にあることになる。したがって、カラオケ楽曲の演奏中止を指示するための手段をマイクロホンに設けた場合であっても、聴取者の手元にあるマイクロホンを用いてカラオケ楽曲の演奏中止指示を行うことが可能である。また、歌唱継続中であると認識しているときは演奏中止処理を実行しない構成とした場合には、歌唱継続中か否かはマイクロホンから入力される音量値に基づいて判断される。したがって、間奏のように歌唱者が歌唱していない場合には、歌唱者の意に反して演奏中止処理が行われてしまうおそれがある。
【0007】
このように、聴取者が操作を誤って、あるいは悪戯でカラオケ楽曲の演奏を中止させてしまうと、歌唱者の意思に反して演奏が中止されることになり、上述したように、歌唱者は興ざめし、カラオケ演奏装置を用いた歌唱の楽しさを味わうことができない。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、カラオケ楽曲の演奏を中止させる際に、故意や過失による操作を排除して、歌唱者の意思に反することなく演奏を中止させることが可能な演奏中止機能付きカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の演奏中止機能付きカラオケシステムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の演奏中止機能付きカラオケシステムは、複数のマイクロホンにそれぞれ付帯された演奏中止指示手段からの演奏中止指示に基づいて、任意のカラオケ楽曲の演奏を中止させる演奏中止機能を有するカラオケシステムであって、マイク別音声入力判定手段と、演奏中止機能制御手段と、を備えている。
【0010】
マイク別音声入力判定手段は、任意のカラオケ楽曲が演奏されている際に、各マイクロホンからの音声入力の有無を判定するための手段である。演奏中止機能制御手段は、当該カラオケ楽曲の演奏中に、音声が入力されていると判定されたマイクロホンについて、その演奏中止指示手段からの演奏中止指示を有効化させるための手段である。
【0011】
このような構成からなるカラオケシステムは、複数のマイクロホンを備えており、各マイクロホンに付帯された演奏中止スイッチ等からなる演奏中止指示手段からの演奏中止指示に基づいて、カラオケ楽曲の演奏を中止する機能を有している。本発明では、マイク別音声入力判定手段の機能により、各マイクロホンからの音声入力の有無を判定する。そして、演奏中止機能制御手段の機能により、音声が入力されていると判定されたマイクロホンについて、その演奏中止指示手段からの演奏中止指示を有効化させる。すなわち、歌唱者が使用しており、音声が入力されているマイクロホンからの演奏中止指示のみが有効なものとなり、当該有効な演奏中止指示信号に基づいて演奏中止機能が働く。一方、歌唱者が使用しておらず音声が入力されていないマイクロホンからの演奏中止指示は無効なものとなる。
【0012】
また、演奏中止機能制御手段の機能として、音声が入力されていると判定されたすべてのマイクロホンからの演奏中止指示があった場合のみに、その演奏中止指示手段からの演奏中止指示を有効化させてもよい。
【0013】
このような構成からなるカラオケシステムでは、デュエット曲のように複数のマイクロホンが同時に使用されていると、複数の歌唱者がそれぞれ同時に使用しているすべてのマイクロホンの演奏中止指示手段からの演奏中止指示を受けた場合のみに、演奏中止機能が働く。
【発明の効果】
【0014】
本発明の演奏中止機能付きカラオケシステムによれば、歌唱者が使用しており、音声が入力されているマイクロホンのみについて、演奏中止指示手段からの演奏中止指示が有効化される。したがって、歌唱者が使用しておらず、聴取者の手元にあって音声が入力されていないマイクロホンを用いて、悪戯で、あるいは誤操作でカラオケ楽曲の演奏の中止を指示したとしても、当該演奏中止指示は無効なものとなる。このため、歌唱者の意思に反して演奏が中止されることがなく、カラオケ演奏装置を用いた歌唱の楽しさを十分に味わうことが可能となる。
【0015】
また、デュエット曲のように複数のマイクロホンが同時に使用されており、複数の歌唱者がそれぞれ使用しているすべてのマイクロホンからの演奏中止指示を受けた場合のみに演奏中止機能が働くような構成とした場合には、カラオケ楽曲の演奏中止に際して、歌唱を行っているすべての歌唱者が同時に演奏中止を希望した場合のみに演奏を中止させることが可能となる。すなわち、歌唱を行っている一部の歌唱者でも歌唱を希望する場合には、演奏は中止されない。また、一の歌唱者が誤って演奏中止指示手段を操作して演奏中止指示が出された場合であっても、他の歌唱者が演奏中止指示手段を操作して演奏中止指示が出されない限り演奏中止機能が働かないので、誤操作による演奏中止を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る演奏中止機能付きカラオケシステムを適用するカラオケ演奏装置のブロック図。
【図2】演奏中止制御の第1の実施形態を説明する説明図。
【図3】演奏中止制御の第2の実施形態を説明する説明図。
【図4】演奏中止制御の第2の実施形態を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の演奏中止機能付きカラオケシステムの実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る演奏中止機能付きカラオケシステムは、複数のマイクロホンにそれぞれ付帯された演奏中止指示手段からの演奏中止指示信号に基づいて、当該カラオケ楽曲の演奏を中止させる演奏中止機能を有しており、基本的な構成要素として、マイク別音声入力判定手段と、演奏中止機能制御手段と、を備えている。
【0018】
図1に、本発明の実施形態に係る演奏中止機能付きカラオケシステムを適用するカラオケ演奏装置の構成を示す。なお、本実施形態では、一般的に普及しているFM波を搬送波とするワイヤレスマイクを使用する。したがって、ワイヤレスマイクから発信される歌唱音声信号を受信するための受信器は、FM受信器となっているが、他の方式のワイヤレスマイクを用いる場合には、その方式に適応した受信器を使用することになる。
【0019】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態のカラオケ演奏装置11は、図1に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、表示装置23、ミキシングアンプ24、スピーカ25、FM受信器26、2本のワイヤレスマイク27a,27bを備えている。
【0020】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段45に対して有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース(楽曲索引DB)22b、データの送受信を行うための回路基板及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。
【0021】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ演奏装置11で演奏に供されるカラオケ楽曲についての属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0022】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、中央制御手段41、ROM42、RAM43、HDD44、送受信手段45、予約管理手段46、映像再生制御手段47、音楽再生制御手段48、演奏中止手段48a、マイク別音声入力判定手段49、演奏中止機能制御手段50、マイク用受信手段51を備えている。
【0023】
<中央制御手段>
中央制御手段41は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM42等に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0024】
<ROM/RAM>
ROM42は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのアプリケーションプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM43は、アプリケーションプログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM43を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM43を構成してもよい。本実施形態では、RAM43に、予約待ち行列43aが格納されている。
【0025】
<HDD>
HDD44は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース(楽曲DB)44a、映像データベース(映像DB)44bが格納されている。なお、HDD44に替えて、あるいはHDD44とともに、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0026】
楽曲データベース44aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞テロップデータが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ格納したデータベースである。演奏データは各楽曲の演奏データをデジタル化したものであり、歌詞テロップデータは演奏データに同期されたカラオケ楽曲の歌詞文字データである。映像データベース44bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0027】
<送受信手段>
送受信手段45は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信が行われる。
【0028】
<予約管理手段>
予約管理手段46は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲され、送受信手段45を介して送信された当該選曲者の利用者情報(例えば利用者ID)及び選曲された楽曲IDを対応付けて予約待ち行列43aとしてRAM43に格納し、管理するためのプログラムである。なお、楽曲選択の表示や予約待ち行列43aの表示は、カラオケリモコン装置22の入出力表示部(図示せず)及び表示装置23のいずれか一方、あるいは双方で行うことができる。
【0029】
<映像再生制御手段/表示装置>
映像再生制御手段47は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース44bから抽出した映像データ及び楽曲データベース44aから抽出した楽曲データのうちの歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置23に出力するための電子回路である。
【0030】
表示装置23は、カラオケ演奏時の映像、歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等により構成される。
【0031】
<ワイヤレスマイク>
本実施形態では2本のワイヤレスマイク27a,27bを備えており、各ワイヤレスマイク27a,27bを用いて、それぞれ歌唱者の音声が入力される。後に詳述するが、各ワイヤレスマイク27a,27bには、それぞれ別個のチャンネルが設定されている。また、各ワイヤレスマイク27a,27bは、演奏中止指示手段として機能する演奏中止スイッチ28a,28bをそれぞれ備えている。歌唱者は、演奏中止スイッチ28a,28bを操作することにより、マイク用受信手段51を介して、カラオケ本体21に演奏中止指示信号を送信することができる。なお、ワイヤレスのマイクロホンではなく、ワイヤードのマイクロホンを用いることもできる。
【0032】
<FM受信器>
FM受信器26は、FM波を搬送波とするワイヤレスマイク27a,27bからの歌唱音声信号を受信するための装置である。後に詳述するが、FM受信器26で受信した歌唱音声信号がミキシングアンプ24に入力され、音楽再生制御手段48から送出される演奏音声信号とミキシングされる。また、ワイヤレスマイク27a,27bから音声入力があるか否かを判定するために、音声入力がある旨の信号がカラオケ本体21に送信される。なお、ワイヤードのマイクロホンを使用する場合には、FM受信器26は不要であり、マイクロホンからの音声入力信号は直接、ミキシングアンプ24に入力される。この場合であっても、マイクロホンから音声入力があるか否かを判定するために、音声入力がある旨の信号がカラオケ本体21に送信される。
【0033】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段48は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース44aから抽出された演奏データをデジタル再生するとともにアナログ変換してミキシングアンプ24に出力するための電子回路である。ミキシングアンプ24は、ワイヤレスマイク27a,27bからFM受信器26を介して入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段48から送出される演奏音声信号とをミキシングするとともに、アンプ機能により増幅してスピーカ25より出力させるための装置である。
また、音楽再生制御手段48は、演奏中止手段48aとして機能させるためのプログラムを含んでいる。
【0034】
<演奏中止手段>
演奏中止手段48aは、演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止信号に基づいて、カラオケ楽曲の演奏を中止させるためのプログラムからなる。すなわち、マイク用受信器51を介して、各ワイヤレスマイク27a,27bの演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止信号を受信すると、演奏中止手段48aの機能によりカラオケ楽曲の演奏が中止される。なお、本実施形態では、各ワイヤレスマイク27a,27bの演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止信号を無条件に有効とするのではなく、基本的には、音声が入力されていると判定されたワイヤレスマイク(27a又は27bの少なくとも一方)からの演奏中止信号のみを有効なものとして扱う。また、音声が入力されていると判定されたすべてのワイヤレスマイク(27a及び27bの双方)からの演奏中止信号を受信した場合のみに、当該演奏中止信号を有効なものとして扱うこともできる。
【0035】
<マイク別音声入力判定手段>
マイク別音声入力判定手段49は、任意のカラオケ楽曲が演奏されている際に、各ワイヤレスマイク27a,27bからの音声入力の有無を判定するためのプログラムからなる。すなわち、マイク別音声入力判定手段49では、FM受信器26が音声信号を受信したワイヤレスマイク(27a又は27bの少なくとも一方)を、その周波数チャンネルに基づいて特定する。
【0036】
ここで、一般的なカラオケ演奏装置のワイヤレスマイク27a,27bで使用されている周波数帯はB型帯であり、806.125MHz〜809.750MHzの範囲において、125kHzピッチで30のチャンネルが設定されている。そして、各チャンネルは6グループ(6チャンネルの4グループ、5チャンネルの1グループ、1チャンネルの1グループ)に分けられており、同一グループ内の各チャンネル同士にて混信が生じないようにチャンネルプランされている。したがって、各ワイヤレスマイク27a,27bは、設定されたチャンネルに基づいて、それぞれ識別することができる。例えば、2本のワイヤレスマイク27a,27bがある場合には、各ワイヤレスマイク27a,27bに対して、それぞれ同一グループに属する第1チャンネルと第3チャンネルとを設定することができる。
【0037】
<演奏中止機能制御手段>
演奏中止機能制御手段50は、カラオケ楽曲の演奏中に、音声が入力されていると判定されたワイヤレスマイク(27a又は27bの少なくとも一方)について、その演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止指示信号を有効化させるためのプログラムからなる。例えば、それぞれ第1チャンネルと第3チャンネルとに設定された2本のワイヤレスマイク(27a及び27b)がある場合に、第1チャンネルからの音声信号のみを受信した場合には、第1チャンネルに設定されたワイヤレスマイク27aのみについて、演奏中止スイッチ28aからの演奏中止指示信号を有効なものとして扱い、第3チャンネルに設定されたワイヤレスマイク27bについては、演奏中止スイッチ28bからの演奏中止指示信号を無効なものとして扱う。
【0038】
また、デュエット曲のように、2本のワイヤレスマイク27a,27bが同時に使用されている場合には、音声が入力されていると判定されたすべてのワイヤレスマイク(27a及び27bの双方)からの演奏中止指示があった場合のみに、その演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止指示信号を有効化させてもよい。
【0039】
例えば、それぞれ第1チャンネルと第3チャンネルとに設定された2本のワイヤレスマイク(27a及び27b)があり、双方のワイヤレスマイク(27a及び27b)から音声信号が入力されていると仮定する。この場合、第1チャンネルに設定されたワイヤレスマイク27aからの演奏中止信号を受信するとともに、第3チャンネルに設定されたワイヤレスマイク27bからの演奏中止信号を受信した場合のみに、それらの演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止指示信号を有効なものとして扱う。一方、第1チャンネルに設定されたワイヤレスマイク27aからの演奏中止信号のみを受信しても、その演奏中止スイッチ28bからの演奏中止指示信号を無効なものとして扱う。同様に、第3チャンネルに設定されたワイヤレスマイク27bからの演奏中止信号のみを受信しても、その演奏中止スイッチ28bからの演奏中止指示信号を無効なものとして扱う。
【0040】
<マイク用受信手段>
マイク用受信手段51は、ワイヤレスマイク27a,27bの演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止指示信号を受信するための手段である。本実施形態のマイク用受信手段51は、赤外線通信により、演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止指示信号を受信するようになっている。
【0041】
<演奏中止制御>
次に、図2〜図4を参照して、本発明の実施形態の演奏中止機能付きカラオケシステムによる演奏中止制御を説明する。
<第1の実施形態>
まず、演奏中止制御の第1の実施形態を説明する。図2は、第1の実施形態に係る演奏中止制御の説明図である。第1の実施形態は本発明の基本形態であり、音声入力がされているワイヤレスマイク(27a又は27bの少なくとも一方)について、その演奏中止指示手段からの演奏中止指示を有効化させるものである。
【0042】
第1の実施形態では、図2に示すように、マイク別音声入力判定手段49の機能により、ワイヤレスマイクA(27a)とワイヤレスマイクB(27b)からの音声入力の有無を判定する。図2に示す例では、ワイヤレスマイクA(27a)のみについて、音声が入力されていると判定される。そして、演奏中止機能制御手段50の機能により、音声が入力されていると判定されたワイヤレスマイクA(27a)のみについて、演奏中止スイッチ28aからの演奏中止指示信号を有効化させる。
【0043】
すなわち、歌唱者が使用しているワイヤレスマイクA(27a)からの演奏中止指示信号のみが有効なものとなり、当該有効な演奏中止指示信号を受信した場合のみに演奏中止手段48aが機能し、演奏中止手段48aの制御により、カラオケ楽曲の演奏が中止される。この場合、マイク別音声入力判定手段49の機能により、音声が入力されていないと判定されたワイヤレスマイクB(27b)については、演奏中止スイッチ28bからの演奏中止指示信号が無効化され、当該ワイヤレスマイクB(27b)の演奏中止スイッチ28bからの演奏中止指示信号を受信したとしても、演奏中止手段48aは機能しない。
【0044】
<演奏中止制御/第2の実施形態>
次に、演奏中止制御の第2の実施形態を説明する。図3及び図4は、第2の実施形態に係る演奏中止制御の説明図である。第2の実施形態は、音声入力がされているワイヤレスマイク(27a及び27b)の双方からの演奏中止指示があった場合のみに、その演奏中止指示を有効化させるものである。
【0045】
第2の実施形態では、デュエット曲のように、ワイヤレスマイクA(27a)及びワイヤレスマイクB(27b)が同時に使用されている場合に、複数の歌唱者がそれぞれ使用しているワイヤレスマイクA(27a)及びワイヤレスマイクB(27b)からの演奏中止指示信号を受信した場合のみに、演奏中止機能が働くようになる。すなわち、図3及び図4に示すように、マイク別音声入力判定手段49の機能により、ワイヤレスマイクA(27a)とワイヤレスマイクB(27b)からの音声入力の有無を判定する。図3及び図4に示す例では、ワイヤレスマイクA(27a)及びワイヤレスマイクB(27b)の双方から音声が入力されていると判定される。
【0046】
そして、演奏中止機能制御手段50の機能により、音声が入力されていると判定されたワイヤレスマイクA(27a)及びワイヤレスマイクB(27b)の双方から演奏中止指示信号を受信した場合のみに、その演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止指示信号を有効化させる。すなわち、図3に示すように、ワイヤレスマイクA(27a)及びワイヤレスマイクB(27b)の双方の演奏中止スイッチ28a,28bからの演奏中止指示信号を受信した場合のみに、演奏中止指示が有効化され、演奏中止手段48aが機能してカラオケ楽曲の演奏が中止される。
【0047】
一方、図4に示すように、ワイヤレスマイクA(27a)の演奏中止スイッチ28aからの演奏中止指示信号のみを受信し、ワイヤレスマイクB(27b)の演奏中止スイッチ28bからの演奏中止指示信号を受信しない場合には、その演奏中止指示が無効化されて、演奏中止手段48aが機能せず、カラオケ楽曲の演奏は中止されない。ワイヤレスマイク(27b)の演奏中止スイッチ28bからの演奏中止指示信号のみを受信し、ワイヤレスマイクA(27a)の演奏中止スイッチ28aからの演奏中止指示信号を受信しない場合も同様である。
【0048】
<他の実施形態>
本発明の演奏中止機能付きカラオケシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的等に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【0049】
<ネットワークカラオケシステム>
また、上述した実施形態は、カラオケ演奏装置11をスタンドアロンで使用した例を示しているが、各カラオケ店舗等に設置されたカラオケ演奏装置11を端末装置とし、インターネット回線等を用いて、端末装置とホスト装置とをネットワーク接続した構成とすることもできる。この場合には、ホスト装置において、利用者ID等を集中管理することにより、ネットワーク接続された各カラオケ演奏装置11において同様のサービスを提供することができる。
【符号の説明】
【0050】
11 カラオケ演奏装置
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
23 表示装置
24 ミキシングアンプ
25 スピーカ
26 FM受信器
27a,27b ワイヤレスマイク
28a,28b 演奏中止スイッチ
41 中央制御手段
42 ROM
43 RAM
43a 予約待ち行列
44 HDD
44a 楽曲データベース
44b 映像データベース
45 送受信手段
46 予約管理手段
47 映像再生制御手段
48 音楽再生制御手段
48a 演奏中止手段
49 マイク別音声入力判定手段
50 演奏中止機能制御手段
51 マイク用受信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロホンにそれぞれ付帯された演奏中止指示手段からの演奏中止指示に基づいて、任意のカラオケ楽曲の演奏を中止させる演奏中止機能を有するカラオケシステムであって、マイク別音声入力判定手段と、演奏中止機能制御手段と、を備え、
前記マイク別音声入力判定手段は、任意のカラオケ楽曲が演奏されている際に、各マイクロホンからの音声入力の有無を判定し、
前記演奏中止機能制御手段は、当該カラオケ楽曲の演奏中に、音声が入力されていると判定されたマイクロホンについて、その演奏中止指示手段からの演奏中止指示を有効化させる、
ことを特徴とする演奏中止機能付きカラオケシステム。
【請求項2】
前記演奏中止機能制御手段は、音声が入力されていると判定されたすべてのマイクロホンからの演奏中止指示が合った場合のみに、その演奏中止指示手段からの演奏中止指示を有効化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の演奏中止機能付きカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−237387(P2010−237387A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84451(P2009−84451)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】