説明

漬物製造装置

【課題】人工添加物や塩分を控えてもうまみを持ち、誰でもおいしく感じる健康的な漬物を素早く製造できるようにする。
【解決手段】漬物製造装置1は、漬物材料Aを収容する漬物容器2と、漬物容器2を回転させる回転装置3とを備えている。回転装置3は、漬物材料Aの浸透圧が低下するように漬物容器2を回転させる。漬物製造装置1には、遠赤外線発生器20やマイナスイオン発生器21を設けることができる。漬物容器2や回転装置3は備前焼製のケース4に収容することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩分を控えても十分なうまみを持つ健康的な漬物を素早く製造できる漬物製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、漬物は、食料品店等の店頭で販売されているが、店頭で販売されている漬物は、長期保存を可能にするための合成保存料や、見た目をきれいにするための色素等が添加されている。これら人工添加物は、健康面への影響が懸念されている。
【0003】
また、店頭で販売されている漬物は、濃い味を好む人でもおいしく感じるように塩分が多めに含まれたものなので、日常的に多く食べると塩分を過剰に摂取してしまい、ひいては生活習慣病の原因となる虞れもある。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1に開示されている漬物製造用の器具を用いて家庭で漬物を製造することが行われている。この器具は、漬物材料としての野菜を入れる容器と、容器蓋とを備えており、容器蓋には、野菜を押さえるための押さえ板が設けられている。このような器具を用いることで、添加物を無くし、かつ、店頭で販売されている漬物に比べて塩分を低減した漬物を製造することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−117012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の器具を用いて漬物を製造する場合には、野菜を押さえ板で押さえた状態で半日〜2日程度は放置しておかなければならず、漬物を食べたいときにすぐに得ることができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献1の器具を用いて漬物の塩分を控えることができても、うまみがなければ、食べる前に醤油等の調味料をかけることがあり、結局、塩分の摂取量が減らないという問題もある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人工添加物や塩分を控えてもうまみを持ち、誰でもおいしく感じる健康的な漬物を素早く製造できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、漬物材料を収容する漬物容器と、上記漬物容器を回転させる回転装置とを備え、上記回転装置は、漬物材料の浸透圧が低下するように上記漬物容器を回転させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
この構成によれば、漬物容器を回転装置により回転させることで、漬物材料の浸透圧が低下するので、塩分が漬物材料に入り込み易くなり、短時間で漬物が出来上がる。また、漬物材料の浸透圧が低下することで、漬物材料が持つうまみ成分が漬物材料の外部に出てしまうのが抑制される。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、漬物容器は、備前焼の焼物に収容されることを特徴とするものである。
【0012】
すなわち、備前焼からは遠赤外線が放出されるとともに、マイナスイオンが放出されるので、遠赤外線及びマイナスイオンを漬物材料に作用させることが可能になる。漬物材料に遠赤外線を作用させることで、漬物材料の熟成が促進され、また、漬物材料にマイナスイオンを作用させることで、プラスイオンを減少させて味がまろやかになる。
【0013】
第3の発明は、第1または2の発明において、漬物材料に作用する遠赤外線を発生する遠赤外線発生器を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
この構成によれば、漬物材料に遠赤外線を作用させることで、漬物材料をより早期に熟成させることが可能になる。
【0015】
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、漬物材料に作用するマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器を備えていることを特徴とするものである。
【0016】
この構成によれば、漬物材料にマイナスイオンを作用させることで、よりまろやかな味の漬物を早く得ることが可能になる。
【0017】
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、回転装置は電磁波を発生するモーターを備えていることを特徴とするものである。
【0018】
この構成によれば、漬物容器を回転させる際に電磁波が発生し、この電磁波が漬物材料をより早期に熟成させるように作用する。
【0019】
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、漬物容器は、回転装置に着脱可能に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0020】
この構成によれば、出来上がった漬物を漬物容器に入れたまま、回転装置から取り外して保存容器として利用することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明によれば、漬物材料の浸透圧が低下するように漬物容器を回転させることができるので、塩分が漬物材料に入り込み易くなるとともに、漬物材料が持つうまみ成分を材料に閉じ込めることができる。これにより、人工添加物や塩分を控えても、うまみを持ち誰でもおいしく感じる健康的な漬物を素早く得ることができる。
【0022】
第2の発明によれば、備前焼から放出される遠赤外線及びマイナスイオンの効果によって、うまみを持つ漬物をより一層早く得ることができる。
【0023】
第3の発明によれば、漬物材料に遠赤外線を作用させることができるので、漬物材料をより一層早期に熟成させることができる。
【0024】
第4の発明によれば、漬物材料にマイナスイオンを作用させることができるので、漬物のうまみをより一層高めることができる。
【0025】
第5の発明によれば、回転装置のモーターから発生する電磁波を漬物材料に作用させることができるので、電磁波を発生する装置等を別途設けることなく、モーターを利用して漬物材料をより一層早期に熟成させることができる。
【0026】
第6の発明によれば、漬物容器を漬物の保存容器として利用できるので、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態にかかる漬物製造装置の正面図である。
【図2】漬物製造装置の縦断面図である。
【図3】漬物製造装置のブロック図である。
【図4】重しの斜視図である。
【図5】容器の断面図である。
【図6】変形例1にかかる保持部材及び容器の断面図である。
【図7】変形例2にかかる図1相当図である。
【図8】変形例2にかかる図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0029】
図1は、本発明の実施形態にかかる漬物製造装置1を示すものである。この漬物製造装置1は、一般家庭等で使用されるものであり、図2に示すように、野菜等の漬物材料Aを収容する漬物容器2と、漬物容器2を回転させる回転装置3と、漬物容器2及び回転装置3を収容するケース4とを備えている。
【0030】
ケース4は、上下方向に長い略円筒形状とされており、その全体が備前焼の焼物で構成されている。ケース4の下半部は回転装置3を収容する回転装置収容部4aとされており、また、ケース4の上半部は、漬物容器2を収容する漬物容器収容部4bとされている。回転装置収容部4aの下部には、回転装置3が有する電源コード12aが通るコード穴4cが形成されている。
【0031】
備前焼は、岡山県の備前地方の土を1000℃以上高温で焼き締めて出来上がったものである。その土には、多くの鉄分が含まれているのが特徴である。備前焼からは遠赤外線及びマイナスイオンが放出されている。また、備前焼は、無釉薬の焼物であるために、素朴さと自然美があり、その美しさは、焼物全体から受ける感じや、手ざわりからも感じ取ることができる備前焼特有のもので、ケース4はインテリアとしても用いることができる。備前焼には微細な気孔があり、この気孔を通じて僅かではあるが空気が通るようになっている。
【0032】
さらに、備前焼は一つ一つ手作りであり、また、焼く際の釜の中の位置によって表面の模様も異なるので、ケース4は製品によって全て異なるものとなる。
【0033】
ケース4の上端には、ケース4の上端開口を開閉するための蓋6が着脱可能に設けられている。蓋6は、ケース4の上端開口を覆うように形成された略円形の閉塞板部6aと、閉塞板部6aの周縁部から突出して周方向に延び、ケース4の上端の外周部に嵌る周壁部6bとを備えている。蓋6も備前焼の焼物で構成されている。尚、蓋6は、木製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
【0034】
ケース4の下端面には、滑り止め用のゴム板7が設けられている。これにより、後述するモーター10の作動時にケース4ががたつかないようになる。尚、ゴム板7の代わりに、例えば、ゴム製の脚等を設けてもよい。
【0035】
図2に示すように、回転装置3は、モーター10と、漬物容器2を保持する保持部材11と、モーター10を制御する制御装置12と、スイッチ13(図1に示す)とを備えている。モーター10は、出力軸10aが上方に突出するように配置されている。モーター10の下端部はケース4の底壁部に固定されている。出力軸10aの上端部に保持部材11が固定されている。保持部材11は、漬物容器2を置くことができるように略水平に延びる載置板部11aと、載置板部11aの周縁部から上方へ突出して漬物容器2の外周面に当接する複数の容器支持部11bとを備えている。載置板部11aは漬物容器2の底壁部と略同じ形状とされている。容器支持部11bは、載置板部11aの周方向に略等間隔に配置されている。容器支持部11bの上端部は、漬物容器2の上下方向中間部近傍に位置付けられている。この容器支持部11bによって漬物容器2を側方から支持して安定させることが可能になる。漬物容器2は、保持部材11に対し上方から着脱可能となっている。
【0036】
モーター10は、電流を流すことによって出力軸10aを回転させるように構成された、いわゆる電動機であって、回転時には電磁波を発生する。電磁波の強さは、漬物容器2の表面で100mG以上200mG以下が好ましく、この範囲となるように漬物容器2とモーター10との距離が調整されている。また、モーター10は周知の減速機内蔵型のものである。
【0037】
モーター10の出力軸10aには、ファン16が固定されている。このファン16は、出力軸10aの回転によって該出力軸10aの軸方向(本実施形態では上方)に送風するように構成されている。
【0038】
図3に示すように、制御装置12には、モーター10及びスイッチ13が接続されており、制御装置12によってモーター10が制御されるようになっている。図2に示すように、制御装置12には、家庭用電源に接続される電源コード12aが接続されている。図1に示すように、スイッチ13は、電源コード12aの中途部に設けられている。
【0039】
制御装置12は、スイッチ13がONにされたことを検出すると、保持部材11を回転させる。これによって漬物容器2が回転し、この回転数は、漬物材料Aの浸透圧が低下する程度に設定されており、例えば、150〜300回転/分の範囲である。回転数は、好ましくは200回転/分である。また、制御装置12は、スイッチ13が一旦ONにされてから1分間だけ保持部材11を回転させるようにタイマーを備えている。
【0040】
ケース4内には、モーター10を、制御装置12及びファン16と共に上方から覆うモーターカバー14が設けられている。モーターカバー14は、例えば樹脂材等を碗形状に成形してなるものであり、その開口側がケース4の底壁側に位置するような姿勢とされてケース4に固定されている。モーターカバー14の上壁部には、モーター10の出力軸10aが挿通する軸挿通孔14aが形成されている。また、モーターカバー14の上壁部には、複数の上部貫通孔14bが形成されている。モーターカバー14の周壁部には、複数の側部貫通孔14cが形成されている。さらに、モーターカバー14の周壁部の下端部近傍には、電源コード12aが通る下部貫通孔14dが形成されている。尚、モーターカバー14は、金属製であってもよい。
【0041】
モーターカバー14を設けることで、例えば、漬物材料Aの水分等が滴下した場合に、それがモーター10や制御装置12にかかり難くなり、水濡れに起因する故障を防止できる。また、モーター10の作動音が外部に漏れにくくなるので静粛性が向上する。
【0042】
モーターカバー14の下端部の外周面には、防振材15が取り付けられている。この防振材15は、モーターカバー14の全周に亘っていて、モーターカバー14がケース4の内面に直接触れないようになっている。防振材15は、モーターカバー14の振動を抑制するとともに、モーター10の振動がモーターカバー14に伝達するのを抑制するように構成されている。防振材15は、例えば、発泡ウレタンやゴム等からなるものである。
【0043】
漬物製造装置1は、図2にも示すように、遠赤外線発生器20と、マイナスイオン発生器21とを備えている。遠赤外線発生器20は、漬物材料Aに作用する遠赤外線を発生するものであり、例えば、遠赤外線を発生する発光ダイオードや、セラミックヒーター等、またはこれらを組み合わせたもので構成することが可能である。遠赤外線発生器20は、モーターカバー14内で、モーター10の上端部に取り付けられている。従って、遠赤外線発生器20から放射された遠赤外線は、漬物容器2の下方からモーターカバー14の上部貫通孔14bを通って漬物容器2に当たり、これにより、漬物材料Aに遠赤外線が作用する。
【0044】
マイナスイオン発生器21は、従来周知の発生器を用いることができ、例えば、コロナ放電方式発生器、電子放射方式発生器、プラズマを利用した発生器等がある。マイナスイオン発生器21も、モーターカバー14内で、モーター10の上端部に取り付けられている。このマイナスイオン発生器21から発生するマイナスイオンは、モーターカバー14の上部貫通孔14b及び側部貫通孔14cを通ってケース4内に放出される。
【0045】
遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21は制御装置12に接続されている。制御装置12は、遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21も制御するように構成されており、スイッチ13がONにされたことを検出すると遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21を作動させる。遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21の作動開始タイミングは、同じにしてもよいし、異ならせてもよい。また、漬物容器2が保持部材11に装着されたことを検出して、モーター10を作動させるよりも早いタイミングで遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21を作動させるようにしてもよい。
【0046】
また、遠赤外線発生器20を作動させるためのスイッチと、マイナスイオン発生器21を作動させるためのスイッチとを別に設けて、遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21を単独で作動させるようにしてもよい。
【0047】
また、漬物容器2は、備前焼の焼物で構成されている。漬物容器2には、重しBが入るようになっている。重しBは、備前焼の焼物である。重しBの形状としては、例えば、図4に示すように、厚肉板状とされて、その外周面が波打つ形状が好ましい。これにより、重しBの空気に触れる面積が増える。また、重しBには、貫通孔Baが形成され、重しBの上下方向に空気が通るようになっている。図4における符号Bbは持ち手である。重しBは大きさや重さの異なるものを複数種用意しておくのが好ましい。
【0048】
図5に示すように、漬物容器2は蓋17で覆われるようになっている。蓋17も備前焼の焼物である。
【0049】
次に、上記のように構成された漬物製造装置1を用いて漬物(浅漬け)を製造する要領について説明する。まず、漬物容器2に漬物材料Aと塩を入れる。漬物材料Aとしては、例えば、きゅうり、にんじん、なすび、白菜等の野菜である。塩は天然塩が好ましい。
【0050】
そして、図2に示すように、漬物材料Aの上に重しBを置き、この状態で漬物容器2を保持部材11の載置板部11aに置く。これにより、保持部材11の容器支持部11bが漬物容器2の外周面に当接して、漬物容器2が安定する。漬物容器2を保持部材11に保持させた後、蓋6をケース4に取り付けてケース4の上端開口を閉塞する。
【0051】
その後、スイッチ13をONにすると、遠赤外線発生器20が作動して遠赤外線が放射される。放射された遠赤外線は、漬物容器2に当たり、漬物材料Aに間接的に作用する。漬物材料Aに遠赤外線を作用させることで、漬物材料Aをより早期に熟成させることが可能になる。
【0052】
また、マイナスイオン発生器21が作動してケース4内にマイナスイオンが充満する。ケース4内に充満したマイナスイオンは、漬物容器2内に入り、漬物材料Aに直接作用する。漬物材料Aにマイナスイオンを作用させることで、プラスイオンを減少させて味がまろやかな漬物を早く得ることが可能になる。
【0053】
また、漬物材料Aがケース4内にある間は、スイッチ13をONにしていなくても、備前焼から発生する遠赤外線及びマイナスイオンが漬物材料Aに作用して上記した効果が得られる。
【0054】
モーター10の回転により保持部材11が回転し、これにより、漬物容器2が回転する。このとき、漬物容器2には遠心力が作用するが、保持部材11の容器支持部11bによって外周面が支持されているので、漬物容器2が安定して回転し続ける。
【0055】
また、作動中のモーター10からは電磁波が発生し、この電磁波が漬物材料Aをより早期に熟成させるように作用する。
【0056】
モーター10の回転によりファン16が回転してモーターカバー14内の空気がモーターカバー14の上部貫通孔14bを通ってモーターカバー14外へ出る。この空気によって大量のマイナスイオンがモーターカバー14外へ出て行き、漬物材料Aに到達する。さらに、ファン16の回転により、モーターカバー14内の熱気も放出されることになり、モーター10や制御装置12の冷却を行うこともできる。
【0057】
漬物容器2の回転により漬物材料Aには遠心力が作用し、漬物材料Aの浸透圧が低下する。浸透圧の低下した漬物材料Aには塩分が入り込み易くなる。また、漬物材料Aの浸透圧が低下することで、漬物材料Aが持つうまみ成分が漬物材料Aの外部に出てしまうのが抑制される。
【0058】
モーター10は1分間回転した後、停止する。上記したように漬物材料には塩分が入り込み易い状態となるので、1分間という短い時間で漬物が出来上がる。
【0059】
こうして得られた漬物は、漬物材料Aが持つうまみ成分が材料に閉じ込められていて、遠赤外線の効果によって十分に熟成されており、さらに、マイナスイオンの効果によってまろやかな味となっているので、人工添加物及び塩分を控えても十分においしいものとなる。
【0060】
漬物が出来上がり、漬物容器2を保持部材11から取り外すと、図5に示すように漬物容器2に蓋17をすることで、漬物容器2を漬物の保存容器としても利用できる。漬物容器2を複数用意しておくことで、例えば、漬物材料Aの種類によって漬物容器2を変更することが可能である。漬物材料Aの種類によって漬物容器2を変更する場合には、漬物容器2の種類(色や形状)を異ならせるのが好ましい。
【0061】
以上説明したように、この実施形態にかかる漬物製造装置1によれば、漬物材料Aの浸透圧が低下するように漬物容器2を回転させることができるので、塩分が漬物材料Aに入り込み易くなるとともに、漬物材料Aが持つうまみ成分を材料に閉じ込めることができる。これにより、添加物や塩分を控えても、うまみを持ち誰でもおいしく感じる健康的な漬物を素早く得ることができる。
【0062】
また、備前焼から放出される遠赤外線及びマイナスイオンの効果によって、うまみを持つ漬物をより一層早く得ることができる。
【0063】
また、漬物材料Aに遠赤外線を作用させることができるので、漬物材料Aをより一層早期に熟成させることができる。
【0064】
また、漬物材料Aにマイナスイオンを作用させることができるので、漬物のうまみをより一層高めることができる。
【0065】
また、漬物材料Aに回転装置3のモーター10から発生する電磁波を作用させることができるので、電磁波を発生する装置等を別途設けることなく、モーター10を利用して漬物材料Aをより一層早期に熟成させることができる。
【0066】
また、漬物容器2を保持部材11に対し着脱可能にしたので、漬物の保存容器として利用でき、利便性を向上させることができる。
【0067】
また、ケース4内の漬物容器2は蓋6で覆われるので、漬物容器2の回転時に手や異物が漬物容器2に誤って接触してしまうのを防止でき、高い安全性を確保できる。
【0068】
尚、上記実施形態では、モーター10を1分間だけ回転させた後、停止させるようにしているが、これに限らず、例えば、30秒以上5分以下の短い時間で漬物材料の種類や好みに応じて調整できるようにしてもよい。また、モーター10の回転を停止した後、そのままの状態で数分間放置しておいてもよい。
【0069】
また、図6に示す変形例1のように、保持部材11には、重しBを漬物材料Aに押し付けるための押し付け機構30を設けるようにしてもよい。この押し付け機構30は、保持部材11から上方へ延びるアーム31と、アーム31の上端部に設けられた押し棒32とを備えている。アーム31の下端部は、保持部材11に取り外し可能に固定されており、漬物容器2の脱着時にはアーム31を取り外すことができるようになっている。アーム31の上端部は、漬物容器2の直上方に位置している。このアーム31の上端部には、上下方向に貫通する雌ねじ孔(図示せず)が形成されている。押し棒32の外周面には、雌ねじ孔に螺合するねじ山が形成されている。押し棒32の雌ねじ孔へのねじ込み量によって押し棒32の上下位置が変わるようになっている。押し棒32をねじ込んで行くことで、押し棒32の下端部が重しBの上面に当接し、重しBを下方へ押す。これにより、重しBが固定されるので、モーター10による回転時に重しBが遠心力により移動してしまうのを防止できる。また、漬物材料Aの量や好みに応じて重しBの押し付け力を変更することも可能になるので、漬物材料Aの量が変わっても望み通りの漬物を製造することができる。
【0070】
また、重しBは、スプリング力で漬物材料Aに押し付けるようにしてもよい。この場合、変形例1と同様なアームを保持部材11に固定しておき、このアームにスプリングを上下方向に伸縮するように取り付けて、スプリングの下端部を重しBの上面に当接させる。
【0071】
また、図7及び図8に示す変形例2のように、ケース4の回転装置収容部4aを下側へ行くほど拡大するような形状としてもよい。この変形例2では、モーターカバー14及びファン16が省略されている。また、スイッチ13は、ケース4に取り付けられている。
【0072】
また、本発明は、家庭以外にも漬物工場で漬物を製造する場合にも用いることができる。
【0073】
また、本漬物製造装置1では、例えば、小分けされてパック詰めされた塩を用いるようにしてもよい。例えば、1gの塩を収容したパック、2gの塩を収容したパック等を用意しておく。こうすることで、漬物材料Aの量に応じて、適当なパックから塩を出して漬物容器2に入れるだけで済むので、漬物をより一層簡単に製造できる。また、使用した塩の量を把握できるので、塩分の採りすぎを防止することもできる。
【0074】
また、容器1は、例えば、樹脂製、金属製、ガラス製、磁器、備前焼以外の陶器であってもよい。
【0075】
また、漬物材料Aの種類に応じて、モーター10の回転時間や、遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21の作動時間を変えるようにしてもよい。この場合、例えば、きゅうり、なすび等の漬物材料選択ボタンを制御装置12に設けておく。制御装置12には、きゅうりに適したモーター10の回転時間と、遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21の作動時間とを記憶させるとともに、なすびに適した各時間も記憶させておく。そして、漬物材料Aがきゅうりであれば、操作者がきゅうりの選択ボタンを押す。これを検出した制御装置12は、きゅうりを浅漬けするのに適した時間だけモーター10を作動させるとともに、遠赤外線発生器20及びマイナスイオン発生器21を作動させる。
【0076】
また、本漬物製造装置1には、専用のレシピを添付しておくのが好ましい。上述のとおり、従来の漬物製造装置と比較して塩分を控えてもおいしい漬物を得ることができるので、一般的な漬物製造時のレシピは使用しない方がよいからである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上説明したように、本発明にかかる漬物製造装置は、例えば一般家庭で漬物を製造する場合に用いることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 漬物製造装置
2 容器
3 回転装置
4 ケース(備前焼の焼物)
10 モーター
12 制御装置
13 スイッチ
20 遠赤外線発生器
21 マイナスイオン発生器
A 漬物材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
漬物材料を収容する漬物容器と、
上記漬物容器を回転させる回転装置とを備え、
上記回転装置は、漬物材料の浸透圧が低下するように上記漬物容器を回転させるように構成されていることを特徴とする漬物製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の漬物製造装置において、
漬物容器は、備前焼の焼物に収容されることを特徴とする漬物製造装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の漬物製造装置において、
漬物材料に作用する遠赤外線を発生する遠赤外線発生器を備えていることを特徴とする漬物製造装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の漬物製造装置において、
漬物材料に作用するマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生器を備えていることを特徴とする漬物製造装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の漬物製造装置において、
回転装置は電磁波を発生するモーターを備えていることを特徴とする漬物製造装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の漬物製造装置において、
漬物容器は、回転装置に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする漬物製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−97864(P2011−97864A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254126(P2009−254126)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(508214271)合同会社ジャパン・メディカル・クリエーティブ (4)
【Fターム(参考)】