説明

潜在的に生命を脅かす病気の発症を予想するための装置、方法並びにコンピュータ可読コード

対象体、例えば、新生児の生命を脅かすおそれのある病気(例えば、敗血症)の予測を作り出す方法、システム及びコンピュータ可読コードが開示される。いくつかの実施形態において、予測が複数の異なる生体信号パラメータに対する測定値にしたがって作り出される。例示的な実施形態において、複数の生理学的システムから生体信号パラメータが生命を脅かす病気の予測を作り出すのに用いられる。例示的な実施形態において、少なくとも1つの生体信号パラメータが心臓パラメータ以外のものである。非限定的な実施形態において、生体信号パラメータは、心拍数のパラメータ、呼吸数のパラメータ、徐脈のパラメータ、不活性化のパラメータ、温度のパラメータ(例えば、体温)及び体重のパラメータのうち1若しくはそれ以上のものを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜在的に深刻化する可能性のある病気を予測する装置、方法並びにコンピュータ可読コードに関する。本発明の対象の病気として、限定するものではないが、患者内で生ずる敗血症を挙げることができる。この患者として、特に限定するものではないが、早産児を例示することができる。
【背景技術】
【0002】
(序論)
多くの乳幼児にとって、遅発型敗血症は非常に重要な問題である。特に、早産児や極低出生体重児(Very Low Birth Weight: VLBW)にとって、非常に重大な問題である。敗血症(1回の発症或いはそれ以上の発症)が、世界中で入院している全ての極低出生体重児のうち25%から40%の割合で見つかっている。敗血症は、劇的に死亡率並びに入院期間を増大させる。
この問題は、米国国立機関「Child Health and Human Development」により、以下のようにまとめられている。「早産児の敗血症を低減させる政策は、死亡件数を低減させるとともに、入院期間を短くし、費用の削減をもたらす」。したがって、新生児(例えば、早産児及び/又は極低出生体重児の潜在的に深刻化しうる病気(例えば、敗血症)を早期発見する装置並びに方法は、今も尚、必要とされている。更に、敗血症は新生児及び老人の両方に感染する。
【0003】
(敗血症の予測)
敗血症は、バクテリアなどの微生物が体内に侵入し、深刻な感染症を引き起こす病状である。多数且つ増大する微生物は、体内の防御システムに打ち勝ち、血流に乗って、活発に増殖する。敗血症は、外傷などの身体への高い負荷に関連する。したがって、敗血症を早期発見する方法及び装置に対する必要性は、今も尚、存在する。
【0004】
国際公開公報WO03/082073号は、患者を連続的にモニタし、敗血症の潜在的発症を検知する方法並びに装置を開示する。この装置は、複数の生体信号に対する測定値を処理し、敗血症の発症を指し示す警告信号を作り出すものである。各生体信号に対して、1若しくはそれ以上の閾値が設けられる。例えば、「体温」の生体信号には、2つの閾値(高熱側の警告限界値を38.3℃とし、低温側の警告限界値を35.5℃とする)が設けられる。体温が、前者の閾値(例えば、38.3℃)を超えた場合や、体温が後者の閾値(例えば、35.5℃)を下回った場合、状態警告信号がアクティブな状態となる。心拍数の閾値が、単一の閾値に関連付けられる(毎分90回の心拍数)。もし、心拍数がこの閾値を超えたならば、条件的な警告信号がアクティブな状態となる。
ある所定数の状態警告信号が同時にアクティブな状態(例えば、4つのうち2つ)となった場合には、病気の発症を指し示す警告信号が作り出される。
【0005】
警告信号は、複数の生体信号パラメータに応じて判定されるが、各生体信号は、「別個に」処理され、任意の生体信号に割り当てられる閾値(例えば、任意の生体信号に対して病気の警告が割り当てられる)は、他の生体信号に対して測定された値から独立したものである。例えば、体温の閾値が、35.5℃と38.3℃である場合に、測定された心拍数や呼吸数は別個のものとして扱われる。心拍数に対する閾値は、1分間当たり90回であり、この値は、呼吸数や体温の測定値とは関係しない。
【0006】
このことを、図1に図的に表現する。図1には、2つの生体信号パラメータに対するパラメータ空間が示される。図1において、心拍数をY軸とし、体温をX軸としている。
図1に示す如く、パラメータ空間のR1やR3が占められた状態となると(体温と心拍数の測定値が、R1やR3の部分に位置づけられるパラメータ空間に測定点を作り出すと)、警告が発せられることとなる。「警告」境界空間と「非警告」境界空間の間の境界が、区画線S1,S2,S3及びS4により線引されている。これら区画線は、パラメータ空間の座標軸それぞれに対して、平行或いは直角である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最後に、新生児の敗血症の潜在的発症を監視することに関して、国際公開公報WO03/082073号で用いられる方法は、記載も示唆もしていない。また、早産児及び/又は極低出生体重児に対する敗血症の潜在的発症を監視することについては、なおさらである。
【0008】
(新生児の潜在的に深刻化しうる病気の予測)
米国特許第6,330,469号公報は、早産児の潜在的に深刻化しうる感染症の早期発見を目的とする方法並びに装置を開示する。この方法は、早産児の心拍数変化を監視する段階と、病気に関連付けられた心拍数変化の少なくとも1つの深刻化しうる異常を見極める段階からなる。
【0009】
新生児(例えば、早産児或いは極低出生体重児)の潜在的に深刻化しうる病気(例えば、敗血症といった全身病)の早期発見を目的とする装置並びに方法に対する医学的必要性は、今も尚、存在しているものである。このような装置及び方法により、不必要な抗生物質の投与の必要性(或いは、必要以上に長い期間、抗生物質を投与することの必要性)を取り除くことが可能となる。また、医者が非常に早期に、新生児を新生児集中治療室(NICU: neonatal intensive care unit)から出すことが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の必要性並びに他の必要性のいくつか或いは全てが、本発明のいくつかの特徴により満たされることとなる。
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)温度のパラメータ、不活性化のパラメータ、心拍数のパラメータ、徐脈のパラメータ及び呼吸数のパラメータを含む新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、(b)前記測定値から、新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階からなり、前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値により少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法が初めて開示される。
ある実施形態において、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが体重のパラメータ(即ち、患者/新生児の体重を指し示すパラメータ)であることを特徴とする。
【0011】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、(b)前記測定値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階からなり、前記予測が、前記生体信号パラメータに対する前記測定値により、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法が初めて開示される。
ある実施形態によれば、前記作り出された予測が、生命を脅かす病気の発症の尤度を指し示すことを特徴とする。ある実施形態によれば、前記作り出された予測が、生命を脅かす病気の発症の重篤性を指し示すことを特徴とする。
例示的な実施形態において、複数の生理学的システムから得られた生体信号パラメータが生命を脅かす病気の予測を作り出す。
したがって、いくつかの実施形態によれば、第1の前記生理学的パラメータと第2の前記生理学的パラメータが、それぞれ異なる生理学的システムに関連付けられることを特徴とする。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、前記予測を作り出す段階が、数学的関数を演算する段階(加算、減算、積算或いは除算を指し示す数を算出する段階)を備え、該数学的関数は、第1の前記生体信号パラメータの測定値から導き出される(即ち、測定値を指し示す)第1の数と、第2の前記生体信号パラメータの測定値から導き出される第2の数の関数であり、該第2の前記生体信号パラメータが前記第1の生体信号パラメータとは異なることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、(c)前記予測に応じて、警告信号を作り出す段階を更に備えることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記予測を作り出す段階が、遅発型新生児敗血症の発症に対する予測を作り出す段階を備えることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記新生児が早産児であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記新生児が、極低出生時体重児であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記作り出された予測が、第1の前記生体信号パラメータと該第1の生体信号パラメータに関連付けられた少なくとも1つの閾値との間の関係により少なくとも部分的に決定され、前記第1の生体信号に対する少なくとも1つの前記閾値が、前記第1の生体信号とは異なる第2の生体信号の前記測定値に少なくとも部分的に依存することを特徴とする。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、前記第1の生体信号パラメータと前記第2の生体信号パラメータのうち少なくとも1つが、心臓の生体信号パラメータ以外のものであることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記第1の生体信号パラメータと前記第2の生体信号パラメータのうち一方が心臓の生体信号パラメータであり、前記第1の生体信号パラメータと前記第2の生体信号パラメータのうち他方が、心臓の生体信号パラメータ以外のものであることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記予測が、パラメータ空間内の位置により少なくとも部分的に決定され、前記パラメータ空間は、境界を備え、該境界は、接線を備え、少なくとも1つの位置において、前記接線が、前記パラメータ空間の座標軸に対して傾斜していることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記作り出された予測が、パラメータ空間内の位置により少なくとも部分的に決定され、前記パラメータ空間は、境界を備え、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上の少なくとも3つの閾値を備えることを特徴とする。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する値が、複数の時間において集められ、前記予測が、前記複数の時間における前記値によって、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、心臓のパラメータ以外のものであることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、皮膚の状態(例えば、不活性パラメータ)を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、一の前記生理学的パラメータが、齢のパラメータ(例えば、新生児の生誕齢或いは在胎齢)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが呼吸のパラメータ(例えば、呼吸数或いは無呼吸状態を指し示すパラメータ)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが温度のパラメータ(即ち、新生児の体内或いは体表の任意の位置の部位/新生児の温度を指し示すパラメータ)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが不活性化のパラメータであることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが代謝のパラメータ(身体の代謝、例えば、温度を指し示すパラメータ)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータがガス交換率(例えば、不活性度)を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、皮膚状態(例えば、不活性度)を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、生体流体中の物質の濃度(例えば、血液中のヘモグロビン複合体の濃度を指し示す不活性度)を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、組織質量(例えば、体重)の増大或いは減少を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、細胞複製(例えば、体重)を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、無呼吸状態(不存在及び/又は存在及び/又は深刻度)を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、呼吸のパラメータ(例えば、呼吸数、呼吸数の統計学的モーメント−例えば、呼吸数の変化、無呼吸状態の発生の頻度など)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、血圧のパラメータであることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、消化のパラメータ(消化管内の内容物を指し示す)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、患者と外的環境(例えば、温度、不活性度及び/又は呼吸)の間の恒常的関係を指し示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータが、心臓パラメータ(例えば、心拍数、徐脈状態の発生頻度)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも一の前記生体信号パラメータの値が、少なくとも齢のパラメータと体重のパラメータによって正規化されることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、一の前記正規化された生体信号パラメータが、温度のパラメータであることを特徴とする。
いくつかの実施形態によれば、前記予測を作り出す段階が、前記複数の前記生体信号パラメータから選択された少なくとも複数の生体信号パラメータそれぞれに対して正規化を行なう段階を備え、該正規化を行なう段階が、前記選択された生体信号パラメータそれぞれに対して異なる個別の正規化関数にしたがって実行されることを特徴とする。
【0015】
例示的な実施形態において、本発明に係る技術は、各生理学的パラメータを別個に正規化する段階と、その後、正規化された生理学的パラメータを組み合わせることにより算出されたパラメータにしたがって予測を作り出す段階を備える。
いくつかの実施形態において、前記予測を作り出す段階が、生体信号パラメータの値を正規化する段階を備え、温度のパラメータと心臓のパラメータが異なる関数を用いて正規化されることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、前記予測を作り出す段階が、第1の前記生体信号パラメータを正規化する段階を備え、該正規化をする段階が、一組の生体信号パラメータの過去の変動態様に応じて実行されることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、前記生体信号パラメータの組が、前記第1の生体信号パラメータ以外の生体信号パラメータを含むことを特徴とする。
【0016】
一般的には、いくつかのパラメータは、電子モニタから得られる。電子モニタは、連続的に物体/新生児をモニタする。他のパラメータは、一般的には、これよりも低い頻度で得られる。作り出された予測は、したがって、より短い時間間隔で採られた値を備えるいくつかのパラメータと、より低頻度で採られた値を備える他のパラメータを用いて算出される。
ある実施形態において、前記生体信号パラメータそれぞれについて、(i)前記測定値が、複数の時間点それぞれにおいて集められ、(ii)前記予測が、前記複数の時間それぞれにおける測定値に応じて作り出され、(iii)第1の前記生理学的パラメータに対する平均時間周波数と前記第2の生理学的パラメータに対する平均時間周波数との間の比が少なくとも2であることを特徴とする(例えば、少なくとも1つのパラメータは、他のもう1つのパラメータの2倍の頻度で採取される)。
ある実施形態において、前記比が少なくとも5又は10であることを特徴とする。
ある実施形態において、前記作り出された予測に応じて、治療手順(例えば、抗生物質の投与、投与量の変更或いは抗生物質の投与の停止)と診断手順のうち少なくとも一方が実行されることを特徴とする。
【0017】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)心臓のパラメータとは異なる少なくとも1つの生体信号パラメータを含む新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を用意する段階と、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階からなり、前記予測が、心臓のパラメータとは異なる前記少なくとも1つの生体信号パラメータを含む少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて、少なくとも部分的に実行されることを特徴とする方法が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を指し示す電気的出力を作り出す分類要素を用意する段階と、(b)第1の時間帯の間、前記新生児に対して収集された少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を用いて前記分類要素を訓練する段階と、(c)前記訓練された分類要素を用いて、前記新生児の前記生命を脅かす病気の前記発症の予測を作り出す段階からなり、該予測が、後の時間帯における前記新生児の少なくとも1つの前記生体信号パラメータの測定値に応じて実行されることを特徴とする方法である。
ある実施形態において、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが心臓のパラメータとは異なるパラメータであることを特徴とする。
ある実施形態において、前記分類要素が、前記生命を脅かす病気の前記発症を予測し、該予測が、前記第1の時間帯の間の前記測定値に関連する前記後の時間帯の間における前記測定値中の検知された異常に応じてなされることを特徴とする。
【0018】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)第1の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第1の時間帯の間の前記新生児の正常な生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第1の関数の組を演算する段階と、(b)後の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第2の時間帯における前記新生児の生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第2の関数の組を演算する段階と、(c)前記第1の関数の組と前記第2の関数の組にしたがって、検知された前記後の時間帯における生理学的異常に応じて、前記生命を脅かす病気の発症を予測する段階からなることを特徴とする方法が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)第1の時間帯(訓練の時間)の間の新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値を集める段階と、(b)後の時間帯の前記新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値を集める段階と、(c)前記第1の時間帯と前記第2の時間帯に集められた前記時間的に連続な値の比較関数を演算する段階と、(d)前記値から、前記新生児の生命を脅かす病気の発症を予測する段階からなり、前記予測が、前記比較関数の値によって、前記予測が少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法が初めて開示される。
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、心臓のパラメータ以外のパラメータであることを特徴とする。
【0019】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号の測定値を用意する段階と、(b)前記新生児の履歴データに対する前記測定値を正規化する段階と、(c)前記正規化の結果に応じて、新生児の生命を脅かす病気の発症を予測を作り出す段階からなることを特徴とする方法が初めて開示される。
ある実施形態において、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが心臓のパラメータ以外のパラメータであることを特徴とする。
【0020】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)少なくとも不活性化のパラメータを有する新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を提供する段階と、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症に対する予測を作り出す段階からなり、前記予測が、前記少なくとも1つの不活性化のパラメータに対する前記測定値によって、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を用意する段階と、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発生の予測を作り出す段階からなり、前記予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変動に応じて少なくとも部分的になされ、前記予測を作り出す段階が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する時間的に連続な値に対して、少なくとも1回の回帰を実行する段階を備え、該少なくとも1回の前記回帰が、不定関数であることを特徴とする方法が開示されている。
ある実施形態において、前記予測が、予め定められた値と前記不定関数に対する回帰の質的測定との間の関係にしたがって、少なくとも部分的に作り出されることを特徴とする。
【0021】
「質的測定」の非限定的な例の1つとして、線形回帰の相関を挙げることができる。
ある実施形態において、前記不定関数に対する前記回帰の結果に前記予測が依存する程度が、前記回帰の前記質的測定に依存することを特徴とする。
ある実施形態において、(i)任意の前記生体信号に対して、複数回の回帰が実行され、(ii)前記作り出された予測が、少なくとも1つの前記回帰の結果に少なくとも部分的に依存し、(iii)前記作り出された予測と第1の前記回帰の結果との間の関係が、前記第1の回帰とは異なる第2の前記回帰に関連付けられた前記質的パラメータに少なくとも部分的に依存することを特徴とする。
ある実施形態において、前記回帰が、心臓のパラメータとは異なる少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対して実行されることを特徴とする。
【0022】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号に対する測定値を用意する段階と、(b)前記測定値から候補となる複数の予測関数を演算する段階と、(c)前記候補となる予測関数それぞれに対して質的関数(例えば、候補の予測関数が作り出した予測がどの程度良好か又は正確かを指し示すパラメータ)を演算する段階と、(d)少なくとも1つの前記候補の予測関数の値に応じて、前記新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階からなり、任意の前記候補の測定関数が前記予測の結果を支配する程度が、個々の前記質的関数の前記値に少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法が初めて開示される。
患者の生命を脅かす病気を予測する方法であって、(a)患者の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階からなり、前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値により少なくとも部分的に決定され、第1の条件と第2の条件のうち少なくも一方が真であり、(I)前記第1の条件に応じて、(i)境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって少なくとも部分的に前記作り出された予測が決定されるとともに、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上に少なくとも3つの閾値を備え、(ii)前記第2の条件に応じて、境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって前記予測が少なくとも部分的に決定され、前記境界は、少なくとも一の位置において、前記パラメータ空間の座標軸に対して傾斜する接線を備えることを特徴とする方法が初めて開示される。
【0023】
本発明は、潜在的に生命を脅かす病気を予測する本明細書に開示される方法を実施するための装置及びコンピュータ可読コードを提供する。
早産児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)新生児の複数の生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)前記測定値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、前記生体信号パラメータそれぞれに対する測定値により、前記予測が少なくとも部分的に決定されることに対して、前記データ処理ユニットが作用することを特徴とする装置が初めて開示される。
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)温度のパラメータ、不活性化のパラメータ、心拍数のパラメータ、徐脈のパラメータ及び呼吸数のパラメータを含む新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)前記測定値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値によって、前記予測が少なくとも部分的に決定されることに対して、前記データ処理ユニットが作用することを特徴とする装置が初めて開示される。
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)心臓パラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを含む新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)前記値から、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、前記予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に少なくとも部分的にしたがい、前記少なくとも1つの生体信号パラメータが、心臓パラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを含むことを特徴とする装置が初めて開示される。
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)訓練の後に、新生児の生命を脅かす病気の発症に対する予測を指し示す電気信号を作り出す訓練可能型分類要素からなり、前記訓練が、第1の時間帯の間において、前記新生児に対して集められた少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を用いてなされ、後の時間において、前記新生児に対する少なくとも1つの前記生体信号パラメータの測定値にしたがって、前記分類要素が前記予測を作り出すことを特徴とする装置が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)データ処理ユニットからなり、(i)該データ処理ユニットが、第1の時間帯において、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第1の時間帯の間の前記新生児の正常な生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第1の関数の組を算出する段階と、(ii)後の時間帯において、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第2の時間帯の間の前記新生児の状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第2の関数の組を算出する段階と、(c)前記第1の関数の組と前記第2の関数の組にしたがって検知された後の時間帯における生理学的な異常に応じて、前記生命を脅かす病気の発症を予測を作り出す段階を実行することを特徴とする装置が初めて開示される。
生命を脅かす病気の発症を予測する装置であって、(a)データ格納ユニットを備え、該データ格納ユニットは、(i)第1の時間帯の間、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値と、(ii)後の時間帯の間における前記新生児の前記少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値を格納し、(b)データ処理ユニットを備え、該データ処理ユニットは、(i)前記第1の時間帯と前記第2の時間帯から得られた前記時間的に連続な値の比較関数を算出し、(ii)前記値から生命を脅かす病気の発症の予測を作り出し、前記予測が、前記比較関数の値によって、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする装置が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)少なくとも1つの新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)データ処理ユニットからなり、該データ処理ユニットが、(i)前記新生児に対する履歴値に対する前記測定値を正規化し、(b)前記正規化の結果にしたがって、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すことを特徴とする装置が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)少なくとも1つの不活性化パラメータを備える新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、前記データ処理ユニットが、前記少なくとも1つの不活性化パラメータに対する前記測定値によって、少なくとも部分的に前記予測を決定することを特徴とする装置が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、該予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて、少なくとも部分的になされ、前記データ処理が、前記予測を作り出し、該予測を作り出す段階が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する時間的に連続な値に対して少なくとも1回の回帰を実行し、少なくとも1つの前記回帰が、不定関数に対して行なわれることを特徴とする装置が初めて開示される。
生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)データ処理ユニットからなり、(i)該データ処理ユニットが、前記測定値から複数の候補の予測関数を演算する段階と、(ii)前記候補の予測関数それぞれに対する質的関数を演算する段階と、(iii)少なくとも1つの前記候補の予測関数の値に応じて、前記新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、任意の前記候補の測定関数が前記予測の結果を支配する程度が、個々の前記質的関数の前記値に少なくとも部分的に決定されることを特徴とする装置が開示される。
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、(a)新生児の複数の生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予想を作り出すデータ処理ユニットからなり、前記データ処理ユニットが動作し、前記生体信号パラメータに対する前記測定値により、少なくとも部分的に前記予測が決定され、第1の条件と第2の条件のうち少なくとも1つが真であり、(I)前記第1の条件に応じて、(i)境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって少なくとも部分的に前記作り出された予測が決定されるとともに、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上に少なくとも3つの閾値を備え、(ii)前記第2の条件に応じて、境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって前記予測が少なくとも部分的に決定され、前記境界は、少なくとも一の位置において、前記パラメータ空間の座標軸に傾斜する接線を備えることを特徴とする装置が開示される。
【0024】
「データ格納ユニット」は、揮発メモリ及び不揮発メモリの任意の組合せを以って実施可能である。
「データにアクセスする」或いは「値にアクセスする」との用語は、一般的に、揮発性及び/又は不揮発性メモリからデータ(例えば、測定値)を読み取る段階を含む。
【0025】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値にアクセスする段階と、前記測定値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階からなり、前記データ処理ユニットが作動し、前記予測が前記生体信号それぞれに対する前記測定値により少なくとも部分的に決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値にアクセスし、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階を実行し、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値によって、前記予測が少なくとも部分的に実行されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値にアクセスする段階と、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階を実行し、前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)温度のパラメータ、不活性化パラメータ、心拍数パラメータ、徐脈パラメータ及び呼吸数パラメータを含む新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値にアクセスし、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階を実行し、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値によって、前記予測が少なくとも部分的に実行されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)心臓のパラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを備える新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値にアクセスし、(b)少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて、少なくとも部分的に、前記値から、前記新生児の生命を脅かす病気の発症を予測し、前記少なくとも1つの生体信号パラメータが、心臓のパラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)新生児の生命を脅かす病気の発生に対する予測を指し示す電気的出力を作り出す分類要素を用意する段階と、(b)第1の時間帯の間、前記新生児に対して集められた少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を用いて、前記分類要素を訓練する段階と、(c)前記訓練された分類要素を用いて、前記新生児の前記生命を脅かす病気の前記発症の予測を作り出し、該予測が、後の時間帯における前記新生児の少なくとも1つの前記生体信号パラメータの測定値にしたがってなされることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)第1の時間帯において、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第1の時間帯の間の前記新生児の正常な生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数を備える第1の関数の組を算出し、(b)後の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第2の時間帯の間の新生児の生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第2の関数の組を算出し、(c)前記生命を脅かす病気の発生の予測を作り出し、該予測が、前記第1の関数の組と前記第2の関数の組にしたがって検知された後の時間帯における生理学的異常にしたがってなされることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)第1の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値にアクセスする段階と、(b)後の時間帯における前記新生児の前記少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値にアクセスする段階と、(c)前記第1の時間帯と前記第2の時間帯から得られた前記時間的に連続な値の比較関数を算出する段階と、(d)前記値から、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、前記予測が、前記比較関数の値により、少なくとも部分的に決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値にアクセスする段階と、(b)前記新生児の履歴値に対する測定値を正規化する段階と、(b)前記正規化の結果にしたがって、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行することを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)少なくとも不活性化パラメータを備える少なくとも1つの新生児の生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、(b)前記値から、新生児の生命を脅かす病気の発生の予測を作り出す段階を実行し、前記少なくとも1つの不活性化パラメータに対する前記測定値によって、少なくとも部分的に前記予測が決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値にアクセスする段階と、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、該予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて少なくとも部分的になされ、前記予測を作り出す段階が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する時間的に連続な値への回帰を少なくとも1回実行する段階を備え、前記少なくとも1回の回帰が、不定関数に対して実行されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値にアクセスする段階と、(b)前記測定値から複数の候補の予測関数を算出する段階と、(c)前記候補の予測関数それぞれに対して、質的関数を算出する段階と、(d)少なくとも1つの前記候補の予測関数の値に応じて、前記新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、任意の前記候補の予測関数が、前記予測の結果を支配する程度が、個々の前記質的関数の前記値によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、(a)患者の複数の異なる生体信号パラメータの測定値にアクセスする段階と、(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階を実行し、前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値により少なくとも部分的に決定され、第1の条件と第2の条件のうち少なくも一方が真であり、(I)前記第1の条件に応じて、(i)境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって少なくとも部分的に前記作り出された予測が決定されるとともに、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上に少なくとも3つの閾値を備え、(ii)前記第2の条件に応じて、境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって前記予測が少なくとも部分的に決定され、前記境界は、少なくとも一の位置において、前記パラメータ空間の座標軸に傾斜する接線を備えることを特徴とするコンピュータ可読媒体が初めて開示される。
これらの実施形態並びに更なる実施形態が、以下に示される詳細な説明及び実施例から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に関して、特定の例示的な実施形態を以って説明する。尚、本発明は、開示される例示的な実施形態に何ら限定されるべきものではない。添付の請求の範囲に記載の発明特定事項を実施するために、潜在的に生命を脅かす病気の発症を予測するシステム、方法及びコンピュータ可読コードの全ての特徴が必要となるわけではない。装置の様々な構成要素並びに技術的特徴が本発明の実現を可能とする。本明細書による開示を通じて、処理工程や方法が図示され或いは説明されるが、最初に実行された他の工程に一の工程が依存するという明示的な記載がない限り、方法の工程は、任意の順で或いは同時に実行されるものである。
【0027】
(序論)
本発明者は、潜在的に生命を脅かす病気(例えば、敗血症)の発症を予測する方法、装置及びコンピュータ可読コードを開示する。特に、ここで開示される方法、装置並びにコンピュータ可読コードは、極低出生体重児及び早産児などの新生児の潜在的に深刻化する病気の発症を予測するのに役立つものである。
【0028】
潜在的に深刻化する病気の一例として、敗血症を挙げる。今日においても尚、敗血症は、臨床試験により、世界中で一般的に見つけられるとともに発症の予見がなされている。
ある実施形態において、生命を脅かす病気を「予測する」ことは、生命を脅かす病気の発症を予測することの意味を含むものである。生命を脅かす病気の発症を予測することには、生命を脅かす病気が、患者に将来的に起きるという事象を指し示す電気信号或いは電気出力を生成することを意味する(多種の表示或いはブーリアン型Yes/No表示のいずれか)。本発明の例示的な実施形態にしたがって作られた装置を用いて実行された実験において、18時間から40時間の間で前もって、遅発型敗血症の発症を予測することができた。したがって、例示的な実施形態において、生命を脅かす病気の発症を「予測すること」との用語は、病気の発症の少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間及び/又は少なくとも36時間前に予測することを意味する。病気の「発症」を予測することとの用語は、病気の「発症がない」ことを予測することの意味も含むものである。
【0029】
ある実施形態において、生命を脅かす病気を「予測すること」には、生命を脅かす病気の「深刻度」を予測することが含まれる。したがって、ある実施形態においては、生命を脅かす深刻度を指し示す電気信号が生成される。
【0030】
予測は、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータに対する1若しくはそれ以上の測定値から作り出される。本明細書で用いられる任意の生体信号パラメータの「測定値」は、単一時間及び/又は複数の時間における任意の生体信号パラメータに対する実測値を指し示す値である。
【0031】
例示的な実施形態において、潜在的に深刻化する或いは潜在的に生命を脅かす病気や症状に対する予測がなされる。例示的な実施形態において、生命を脅かす病気や症状は、敗血症などの感染症を意味する。しかしながら、他の実施形態も本発明には含まれる。例えば、本明細書に開示される技術は、未熟な肺或いは肺の発育不全に起因する生命を脅かす病気の発症を予測することにも利用可能である。
【0032】
本発明の実施形態は、以下に示す特徴のうち1若しくはそれ以上により特徴付けられる。
(a)複数の生体信号に対する測定値から潜在的に深刻化しうる病気に対する予測を作り出すこと。例示的な生体信号として、以下のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(i)呼吸パラメータ:例えば、呼吸数、呼吸数の統計学的モーメント。例えば、無呼吸症状を指し示すような変化
(ii)体温などの代謝関連パラメータ
(iii)心拍数及び徐脈症状の頻度などといった心臓パラメータ
(iv)不活性パラメータ及び他の血液関連パラメータ
(v)血圧
(vi)食物消化を指し示すパラメータ:例えば、新生児の消化管から得られた食物が分析される。
(b)1若しくはそれ以上の生体信号の傾向を指し示す関数を計算し(例えば、回帰関数)、1若しくはそれ以上の算出された傾向に応じて、予測を作り出すこと。
(c)特定の患者に対して通常の生理学的作用を指し示す関数を算出し、続いて、算出された通常の生理学的作用に対する検知された異常に応じて予測を作り出すこと。ある実施形態において、通常の生理学的作用を指し示す関数は、時間経過とともに更新される。
(d)参照パラメータ(例えば、予め定められた既知のパラメータ)に関連する1若しくはそれ以上の値を正規化すること。ある実施形態において、1若しくはそれ以上の生体信号に対する測定値が、患者或いは新生児の状態パラメータ或いは「参照パラメータ」(例えば、患者の齢或いは体重)に対して正規化される。
(e)履歴値関連して、1若しくはそれ以上の生体信号の値を正規化すること。同一の正規化関数を用いて、パラメータが正規化される。この正規化は、全てのパラメータに対して行なわれる必要はなく、或いは、全てのパラメータのいずれに対しても行なわれなくともよい。ある実施例において、不活性化頻度が、履歴値に関連して正規化される(特定の患者に対して)。その一方で、徐脈因子は、履歴値に対して正規化されない。
(f)1若しくはそれ以上の生体信号の任意の組に対して生体信号の態様の複数の「候補」表示を算出する(例えば、「傾向」表示及び/又は平均値などの中央傾向表示,標準偏差或いは高次の統計学的モーメント)。その後、予め定められた基準に基づき、最良の表示(生体信号パラメータの測定値の関数のうち、より意味をなすもの)を選択する。
【0033】
本明細書で用いられる新生児の「齢」との用語は、乳幼児の在胎期間(例えば、受胎からの期間)或いは生誕齢(生誕からの期間)或いは在胎期間と生誕齢に関連付けられる任意の関数値を意味するものである。限定するものではないが、一般的に「齢」との用語は在胎期間を意味する。
【0034】
本明細書に開示される方法、装置並びにコンピュータ可読コードは、患者の生命を脅かす病気の発症の予測に用いられるのに有益である。本発明が対象とする患者には、新生児並びに老人が含まれる。尚、本明細書に開示される方法、装置及びコンピュータ可読コードは、極低出生体重児の病気の発生を予測するのに特に有効である。
【0035】
特定の理論に限定するものではないが、極低出生体重児は比較的未熟な調整システムを有する傾向がある。生理学的機能並びに測定される生体信号パラメータの態様は新生児間で異なり、他の新生児の観察に基づき、一の新生児に対して結論を導くことは困難である。例えば、ある特定の新生児において、1若しくはそれ以上の生理学的パラメータに対して測定された値の組が、特定の生命を脅かす病気の発生を指し示すことができたとする。その一方で、他の新生児においては、同一の或いは同様の測定値が、病気の非発症を指し示すものとなり、結論を得ることができないものとなる。
【0036】
本発明を限定するものではないが、特定の新生児に対して、何が「正常な状態」かにつて判定することは、有用である(例えば、予測対象となる特定の新生児と訓練のため用意された他の新生児を分類することの訓練により)。その後、「異常な」値及び/又は傾向が検知された場合には、病気の発症を予測することは、有益である。
【0037】
観察対象となっている1若しくはそれ以上の生体信号パラメータの値の組或いは観察対象となっている1若しくはそれ以上の生体信号パラメータの傾向が有用であるか否かを「その場で」判定することは有益である。したがって、予想がなされるとき、特定の「候補傾向」或いは「候補中央傾向」が傾向或いは中央傾向の質の高い測定に応じて強調され、或いは、強調されず及び/又は無視されることとなる。ある非限定的な実施例において、任意の生体信号パラメータに対して、生体信号パラメータの時間的な連続値の相関係数が、所定の値と比較される。この特定の例にしたがって、相関係数が所定の値を超えている場合には、予測が、少なくとも部分的に、関連する直線回帰に応じてなされることとなる。
【0038】
本明細書で用いられる、「時間的に連続な値」との用語は、特定の時間帯における単一点或いは時間帯中の複数の点における生体信号のパラメータの値(関数の値)を意味するものである。
【0039】
更に、本発明を限定するものではないが、複数の別個の生体信号パラメータに応じて、予測を作り出すことは有用である。特定の理論に限定されるものではないが、複数の生体信号パラメータを使用することにより、任意の単一の生体信号パラメータに関連付けられる「ノイズ」を低減可能となる(例えば、新生児の未熟な調整システムに起因するノイズなど)。本発明を限定するものではないが、比較的未熟な調整システムを有する極低出生体重児を取扱う場合に、このことは、特に有用である。
【0040】
更に、本発明を特定の理論により限定するものではないが、複数の生体信号パラメータの値を用いること(複数の生理学的システムから生じた値を用いること)は、1若しくはそれ以上の個別の生体信号に関連付けられる信号から結論を導き出すことができず、生体信号パラメータの値の特定の組合せが、潜在的に生命を脅かす病気或いは深刻化する病気の将来的な存在(或いは不存在)及び/又は発症(或いは非発症)を実際には指し示している場合に、特に有用である。
【0041】
更に、特定の理論に限定されるものではないが、ある実施形態において、潜在的に深刻な病気の発症を予測するときに異なる生体信号間の特定の相乗作用を利用し、複数の異なる生体信号の測定値に応じて、予測を作り出すことは有用である。
【0042】
したがって、複数の異なる生理学的システムからの生体信号パラメータの測定値に基づく予測が作り出されることが望ましい場合が多いことがわかる。なぜなら、例えば、生命を脅かす病気の発症(或いは非発症)は、複数の生理学的システムに関連付けられるものであり、単一の生理学的システムに関連付けられるものではないからである。例示する生理学的システムとして、心臓システム(これは、例えば、心拍数及び徐脈頻度などの心臓パラメータに関連する)、呼吸器システム(呼吸数に関連付けられる)、筋肉システム(例えば、体温パラメータ)及び皮膚(例えば、体温パラメータ及び不活性化パラメータ)などを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0043】
特定の理論に限定されるものではないが、いくつかのパラメータ、特に皮膚に関連するパラメータは、患者と外的環境との間の恒常的関係を指し示す。これらパラメータの値及びこれらパラメータの傾向は、生命を脅かす病気の将来的な存在を予示するものである。
【0044】
(生命を脅かす病気の予測のための例示的な手順)
図2は、生命を脅かす病気を予測する例示的な手順を示すフローチャートである。本発明のいくつかの実施形態にしたがって、分類要素は、訓練され、分類を実行するのに用いられる。
「分類要素」との用語は、入力データ(例えば、任意の時間や時間帯における1若しくはそれ以上の生体信号パラメータに対する測定値)を分類する能力を有するソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せを意味する。これにより、生命を脅かす病気の発生(或いは非発生)の予測が作り出される。予測の生成は、入力データの「分類付け」を意味する。「分類付け」或いは「予測の生成」は、任意の電気信号としてもたらされることができる。「分類付け」との用語は、離散的な値が複数の値から抽出されるという特定の場合に限定するものではない。
【0045】
分類要素は、「発見的分類要素」(例えば、人体専用に「ハードコーディング」された値として実行する)、「統計学的分類要素」(例えば、訓練用のセットデータに応じて作り出される)或いはこれらの組合せとすることができる。
【0046】
したがって、ある実施形態において、分類要素は、訓練用に用意された患者(例えば、予測が作り出される患者とは異なる患者)からのデータを用いて訓練される。これに代えて或いはこれに追加して、分類要素は、特定の患者の履歴データを用いて訓練される。訓練可能な分類要素は、従来技術において周知であるが、例えば、ニューラルネットワーク、決定木、決定表、マルコフモデル、回帰モデル、メタ学習アルゴリズム或いは精通する技術者に慣れ親しまれる他の技術に基づき構築されることができる。
【0047】
再度、図2を参照する。図2には、一の実施例が示されている。
図2に示す例において、まず、任意の患者に対する生理学的基準を認識するように分類要素を訓練し(110)、その後の時間帯の間、生理学的基準から外れた偏差を検知し及び/又は任意の患者に対する異常を検知することにより、生命を脅かす病気の発症を予測する(112)(例えば、測定値データを分類すること)。この後の時間帯の間、分類要素は必要に応じて、再訓練を施される(「正常」の生理学的状態の概念が、時間の関数に応じて変化してもよいし、更新されてもよい)。
【0048】
図3は、生命を脅かす病気を予想する例示的な手順を示すフローチャートである。この手順において、本発明のいくつかの実施形態にしたがうスライドウィンドウが用いられる。
任意の時間のウィンドウが選択され(150)、この時間ウィンドウに対して、予測が作り出される(152)。この手順は、1回若しくはそれ以上の回数繰り返される。このようにして、図3は、「スライドウィンドウ」式予測手順を説明するものである。
【0049】
図4は、生命を脅かす病気を予測する例示的な手順を説明するフローチャートである。この手順は、少なくとも1つの予測時間に対して、本発明のいくつかの実施形態にしたがって予測を作り出すものである。選択された予測時間(208)に対して、0、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータの値が正規化される。
【0050】
一の実施例において、体温(患者の体表上或いは患者の体内で測定される)が、患者の体重及び/又は齢に応じて、構築された医学的基準にしたがって正規化される(210)。
複数の生体信号からの予測に関連するいくつかの実施例においては、異なる生体信号が別個に正規化される。例えば、心拍数は、体温とは異なる手順で正規化される。
【0051】
正規化された或いは正規化されていない生体信号パラメータそれぞれに対して、1若しくはそれ以上の変換値それぞれが必要に応じて算出される(212)。この最も単純な変換、即ち、恒等変換は、全く計算を要しないものである。
【0052】
いくつかの実施形態において、これら変換値は、統計学的に導き出され、個別の生の生体信号パラメータの有意な表示を反映することができる。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。
いくつかの生体信号パラメータに対して、変換値を算出することは必要ではない(即ち、変換値は、生の値と同一であり、「変換」は、恒等変換である)。ある実施形態において、各生体信号パラメータは、他の生体信号パラメータとは無関係に、別個に変換されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0053】
ひとたび変換値が得られると(或いは、ひとたび1若しくはそれ以上の生体信号に対する1若しくはそれ以上の「生の」無変換値を使用することが決定されると)、生命を脅かす病気の発生(或いは非発生)の予測を指し示す出力を作り出すことが可能となる(214)。この出力の生成には、予測に対して貢献する因子を組み合わせることに対する従来技術において既知の技術を用いることができる(例えば、他の患者の訓練用データセットからの経験則による組合せ、統計学的組合せ、本技術分野に精通する技術者に知られた他の方法或いはこれらの組み合わせ)。
複数の異なる生体信号に対する測定値から予測を生成することの特徴を以下に説明する。
【0054】
ある実施形態において、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータに対する履歴的な予測及び/又は履歴値に応じて、将来的な予測がなされることとなる。したがって、いくつかの実施形態においては、履歴的データの格納に対して、必要に応じて、更新がなされ(216)、この更新された履歴的データを用いて、将来的な予測がなされることとなる。
【0055】
図5は、任意の生体信号パラメータに対する変換値を生成或いは算出する例示的手順(212)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
任意の生体信号パラメータ(即ち、単一時間、連続的な時間間隔或いは複数の離散時間における生体信号パラメータ)に対して、1若しくはそれ以上の「候補の」変換値が得られる。例えば、生体信号パラメータの生の値の傾向や中央傾向(例えば、時間的に連続なデータの統計学的モーメント)や任意の有意な代表値を反映した値を得るための変換がなされる。
複数の「候補の」変換が実行された後、生体信号パラメータのうちより有意な代表値に関連する変換が選択される(314)。例えば、任意の生体信号パラメータの測定値(或いは、複数の時間における値)に対する算出された「質的パラメータ」(312)に応じて、この選択がなされる。
「質的」パラメータの非限定的な一例として、直線回帰の「適合度」を挙げることができる(時間的に連続なデータに適合される関数と時間的に連続なデータそのものとの間の差異量の関数)。
例示的な実施形態において、1若しくはそれ以上の外れ値は、無視されてもよい。
【0056】
図6A及び図6Bは、例示的な候補の変換に関連するものであり、この変換により、任意の生体信号パラメータに対する時間的に連続した測定値から有意な代表値が抽出されることとなる。測定値の一の「候補の」変換は、測定値の変換値としての意味を有することとなる。尚、この変換値は、後の生成される予測に用いられてもよいし、用いられなくともよい(即ち、用いることもできるし、無視されてもよい)。
【0057】
図6Aにおいて、変換されたパラメータは、傾斜しており、他のパラメータは、回帰(例えば、直線回帰)に関連付けられている。「質的」パラメータは、直線回帰の適合度を指し示す。
【0058】
図6Aは、線形関数の面から説明されてきたが、他の関数形態を用いた回帰(本発明を限定するものではないが、非線形関数形態が含まれる)(例えば、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータの測定値に関連する関数)を好適に利用することが可能である。ある実施例において、この関数は不定関数(即ち、直線が一定でない関数)である。
【0059】
図6Aに示すものの代わりとして、或いは、図6Aに示すものに追加して、図6Bに示すような、時間的に連続なデータの中央傾向が算出されてもよい(例えば、平均値や標準偏差などの統計学的モーメント)。
一の特定の実施例において、以下に示すルールが用いられる。
直線回帰(例えば、図6A参照)の相関が、予め定められた値を超えると、回帰に関連する変換値が、候補の変換値から選択される。これと同時に、時間的に連続な値の平均値及び/又は標準偏差は、強調されず或いは無視されることとなる。この場合は、生理学的パラメータは特定の傾向を辿る場合に相当し、生理学的パラメータの測定された値の絶対値或いは測定値以上に、傾向の方が、潜在的に生命を脅かす病気の発生を予測するのに有意であると判断される。
【0060】
再度、図5を参照する。
いくつかの実施形態において、個々の生体信号パラメータに対する値が、個別に正規化される(212)。その後、個々の生体信号パラメータに対する値は、互いに組み合わされて用いられ、予測が作り出されることとなる(例えば、予測を指し示す電気的出力)(214)。
【0061】
(閾値)
いくつかの実施形態において、任意の生体信号パラメータの測定値(単一の時間或いは複数の時間の測定値)と少なくとも1つの「閾値」との間の関係におって、生成された予測の判定が少なくとも部分的に行われる。
特に、任意の生体信号パラメータのいくつかの値に対して、「第1の予測」(この第1の予測は、潜在的に生命を脅かす病気の発生の尤度が、第1の尤度(及び/又は予測される深刻度)の値(例えば、確率を指し示す値)であることを指し示す)或いは第1の尤度を超える尤度値が作り出される。これと同時に、任意の生体信号パラメータの他の値に対して、「第2の予測」(潜在的に生命を脅かす病気の発生の尤度が第1の値よりも低い第2の値或いは第2の値よりも低い値であることを意味する)が作り出される。第1及び第2の尤度値(ここでは、第1の尤度値は、第2の尤度値よりも大きい)に対する任意の生体信号の閾値は、以下の如く定められる。
(a)任意の生体信号の少なくとも1つの第1の測定値が存在する。任意の生体信号の第1の測定値と閾値との間の差異が、任意の信号となる(例えば、ゼロ以下、或いは、ゼロ以上)(例えば、閾値により与えられる境界の一方の側の差異としてみなされてもよい)。
(b)任意の生体信号の少なくとも1つの第2の測定値が存在する。任意の生体信号の第2の測定値と閾値との間の差異は、上記の任意の信号の反対の信号となる(例えば、閾値により与えられる境界の反対側の差異としてみなされてもよい)。
(c)任意の生体信号の第1の測定値に対して生成された信号は、生命を潜在的に脅かす病気の発生の尤度を指し示すこととなる。これが、少なくとも第1の尤度値となる。
(d)任意の生体信号の第2の測定値に対して生成された信号は、生命を潜在的に脅かす病気の発生の尤度を指し示す。これが用いられる場合には、第2の尤度値として扱われる。
【0062】
この閾値は、予測を作り出す装置内で「明確に」定義される必要はなく、「閾値」に関する上記の説明においても、装置の動作及び生体信号パラメータの測定値の感度を説明するものにすぎない。
【0063】
第1及び第2の尤度値に対する任意の生体信号(ここでは、第1の尤度値が第2の尤度値よりも大きい)に関して、1つの閾値或いは2つの閾値よりも大きい場合がいくつか存在する。
【0064】
後述する説明部分において、一層詳細に説明されるが、パラメータ空間(例えば、入力:生体信号パラメータの値を意味する測定値)と予測値(例えば、尤度値及び/又は予測された深刻度の値)との間でマップを作成することが可能である。2つの異なる領域(例えば、R6及びR7)の間の境界が存在し、このパラメータ空間が、2つの生成された尤度値(例えば、確率)を定義し、或いは、2つの生成された予測深刻度値を定義しているときには、境界は、任意の場所における任意の生体信号パラメータに関連付けられた軸に対して平行ではなく、「任意の場所」における生体信号の値が閾値となる。
【0065】
図1及び図7を参照して、更に、このことに関しての説明がなされる。
図1において、任意の場所GL1は曲線S3上に位置している。曲線S3は、領域R2に関連付けられた予想と領域R3に関連付けられた予想の間に存するパラメータ空間の境界である。GL1における生体信号パラメータ「体温」の値は、38.3℃である。したがって、38.3℃が従来技術の装置並びに方法での「閾値」として考えられることとなる。同様に、GL2では、GL1における生体信号パラメータ「体温」の温度は、38.3℃である。
図1の任意の場所GL3は、曲線S2上に位置する。曲線S2は、領域R1に関連付けられた予想と領域R2に関連付けられた予想の間のパラメータ空間中の境界である。GL3における生体信号パラメータの値は、35.6℃である。したがって、35.6℃が、図1の従来の装置並びに方法の「閾値」として考えられることとなる。
図1で説明される従来技術において、生体信号パラメータ「体温」に対する閾値はたったの2つである(35.6℃)。
【0066】
図7Aを参照する。
任意の場所GL4は、曲線C1上に位置する。曲線C1は、領域R6に関連付けられた予想(例えば、尤度或いは病気及び/又は予測された深刻度の予測値)と領域R7に関連付けられた予想の間のパラメータ領域中の境界である。GL4における生体信号パラメータの値は、x2である。
【0067】
図7の実施例では、x3とx4の間の全ての値が、閾値となる。
つまり、生体信号パラメータの値は、パラメータ空間の2つの領域の間に存する場合には、境界信号パラメータに対する閾値となる(N次元のパラメータ空間に対して、N−1次元多様体となる)。各領域は、潜在的に生命を脅かす病気に対する異なる予測(尤度及び/又は予測された深刻度)に関連付けられ、境界上の点は、生体信号パラメータの閾値を備えることとなる。
【0068】
(複数の生体信号に応じて生成される閾値と予測値)
複数の生体信号に応じて生成される予測に係る実施形態に関して、任意の第1尤度値と任意の第2の尤度値に対応する任意の生体信号の有効な「閾値」は、当該任意の生体信号以外の生体信号の測定値に依存するものとなる。
【0069】
この一例を図7Aにおいて、図的に示す。図7Aは、たった2つの生体信号パラメータが存在するという特定の事例である。この2つの生体パラメータは、説明の容易化を図るために選択されたものである。一般的には、2つ以上の生体信号パラメータが用いられるが、2つのみの生体信号パラメータを用いる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。更に、図7Aは、ある時間帯における任意の瞬間の様々な領域の「スナップショット」である。例示的な実施形態において、様々な領域の間の境界(例えば、領域Rと領域Rの間の曲線C)は、時間の関数にしたがって変化する。少なくとも一の時間間隔において、様々な領域の間の境界(例えば、領域Rと領域Rの間の曲線C)が一定である他の実施形態においても、本発明を適用可能である。
【0070】
領域R6において、最小の尤度値L6に関連する尤度に関連付けられた予測が作り出される。これと同時に、領域R7において、最大の尤度値L7に関連する尤度に関連付けられた予測が生成される。
【0071】
R6とR7の境界は、曲線C1により定められる。曲線C1は、曲線C1に沿った異なる位置でのパラメータ空間の座標軸に対して傾斜した接線を備えることができる。
【0072】
生体信号パラメータxと生体信号パラメータyの測定値(1回又は複数回の測定値)が決定されると、座標軸により定められた「パラメータ空間」内の任意の場所に測定値が関連付けられる。
【0073】
尤度L6と尤度L7に関する生体信号パラメータyの閾値が、水平軸と曲線C1間の距離により定められる。前述の如く、任意の第1の尤度値と第2の尤度値(例えば、L6とL7)に関する任意の生体信号パラメータに対する1以上の閾値が存在してもよく、曲線C1と任意の軸(例えば、水平軸)との間の距離が、特定の数字である必要はない。
【0074】
曲線と軸の間のこの距離(即ち、L6とL7に対する閾値パラメータ)は、生体信号パラメータy以外の生体信号パラメータ(例えば、生体信号パラメータx)により決定されてもよい。したがって、任意の生体信号パラメータの有効な「閾値」(例えば、C1上の位置が、生体信号パラメータyに対する測定値に関連する予測装置の動作を特徴づけるのに有効である)が、生体信号パラメータxの測定値に応じて変化する。
【0075】
図7Aは、2つの生体信号パラメータを用いる特別な事例に関連付けられており、パラメータ空間は2次元空間である。異なる領域間の境界は、1次元曲線により定められる。3若しくはそれ以上の生体信号パラメータが存在する場合においては、パラメータ空間は、高次元の空間により定義され、境界は、表面、平面、超平面などにより定められる。
【0076】
更に、図7Aに示す実施例において、特定の生体信号パラメータ(即ち、生体信号パラメータx)に関連付けられた閾値は、全く別の他のもう1つの生体信号(即ち、生体信号y)の測定値に依存する。このことに本発明は限定されるべきものではなく、様々な実施形態において、特定の生体信号パラメータに関連付けられた閾値が、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータの測定値に依存するものであってもよい。
図7Aは、各領域が連続性を示す特別な場合を示すものである。本発明は、これに限定されるものではなく、図7Bの領域R7が不連続性を示す場合のようなことも本発明の適用範囲である。
【0077】
(予測を作り出す装置)
図8Aは、潜在的に生命を脅かす病気に対する予測を作り出すための例示的な装置(即ち、予測生成装置(360))のブロック図である。例示的な予測生成装置(350)は、入力データ収集器(352)(入力収集器は、生体信号パラメータを測定すること及び/又は図8Bに示すように測定装置(402)から測定値を受信することを行う)。
必要に応じて、予測生成装置(350)は、パラメータ正規化器(360)を備える。例えば、パラメータ正規化器(360)は、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータの正規化を行なう(例えば、上述の段階(210)を参照)。更に、予測生成装置(350)は、生体信号パラメータ変換機(356)を備える。例えば、パラメータ変換機(356)は、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータに対して演算を実行し、パラメータの変換値を算出する(例えば、上記の段階(212)を参照)。
図8Aに示す如く、システムは更に、分類要素(分類器)(358)を備える。分類要素は、例えば、1若しくはそれ以上の生体信号パラメータ(及び/又は変換値)の1若しくはそれ以上の測定値の現在値及び/又は履歴値を分類することにより、予測を生成する。予測値及び/又は測定値の履歴値(354)は、履歴データ格納器(354)に格納される。これにより、システムは、「学習システム」となり、特定の患者に対する現在の傾向及び/又は値と履歴的な傾向及び/又は値との比較を実行可能となる。
【0078】
図8Bは、測定/予測装置(410)のブロック図である。この測定/予測装置(410)は、特定の患者(400)の生理学的パラメータ及び/又は生体信号を測定し、測定装置(402)により測定された値に応じて予測を作り出す。
測定装置(402)は、例えば、EKG、温度測定装置(有線式或いは無線式)或いは、所望の生体信号パラメータを測定するのに有効な他の装置を備えることができる。
本明細書に開示される装置及び方法の実施に際して、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せを利用可能である。
【0079】
以下の実施例は、単に説明を目的に考えられたものであり、本質的に何ら本発明を限定するものではない。本発明に関連する多くの改良形態、均等形態、置換形態及び変更形態を本発明の技術的範囲から逸脱することなしに、実施可能であることは当業者には明らかである。
【0080】
(実験方法及び実験結果)
本明細書に開示される敗血症を予測する技術を実現する装置(即ち、ソフトウェアを備えるコンピュータハードウェア)が構築された。「敗血症インデックス」(即ち、敗血症を患うであろう尤度或いは確率の予測を指し示すとともに当該装置により出力される数字出力)がイスラエル国ナタンヤ州のラニアド・メディカルセンタの早産新生児部門の集中治療室の24人の早産児に付された。これら早産児のほとんどが極低出生体重児であった。3人の新生児に対して、敗血症の症状の発症があったことが認められ、これら3人の新生児のうち1人は、2回の発症があったことが認められた。「敗血症インデックス」は、これら4回の発症全てを18時間から36時間前に検知した。臨床学的に敗血症の疑いがあることに起因して、5人の新生児が、抗生物質による治療を施された。これら5人の新生児に対して、「敗血症インデックス」は、正常範囲であった。血液の培養液は正常であり、断続的に抗生物質治療を施した。18人の新生児に対して、臨床学的な見地及び「敗血症インデックス」のいずれからも敗血症であるとの兆候は見られなかった。2人の新生児においては、「敗血症インデックス」は敗血症の疑わしい兆候が認められるとし、臨床学的或いは実験室的な見地からはその兆候は見られなかった。結論として、「敗血症インデックス」は、22人の事例に対して、信頼できるものであり、2つの事例に対しては疑わしいものである。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
本出願の明細書及び請求の範囲の「備える」、「含む」並びに「有する」なる動詞それぞれは、同義語であり、動詞の目的語が必ずしも部材、要素、素子、動詞の主語の一部或いは動詞の主語の完全なリストを示すものではないことを表すために用いられる。
本明細書で引用される引用文献は、完全な形で、本明細書に参照として組み込まれるものである。参照文献の引用が、参照文献が従来技術であることを自認することを意味するものではない。
本明細書中で用いられる不定冠詞「a」及び「an」は、当該不定冠詞の文法的目的語が1若しくはそれ以上存すること(即ち、少なくとも1つのもの)を意味するものである。
本明細書中で用いられる「含む」なる文言は、「含むが、これに限定されるものではない」との文言に交換可能である。
本明細書で用いられる「又は」なる文言は、内容的に明瞭に他の意味で用いられるものでない限り、「及び/又は」なる文言に変更可能である。
本明細書で用いられる「など」との用語は、「などを挙げることができるが、これに限定されるものではない」との文言に変更可能である。
【0084】
本明細書は、詳細な実施形態の説明を用いて開示されてきた。この実施形態は、例示的に用意されたものであり、本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。開示される実施形態が異なる特徴を備えるが、本発明の全ての実施形態が、これら異なる特徴全てを要するものではない。本発明のいくつかの実施形態は、いくつかの特徴のみを利用するものであるか、可能である程度の特徴の組合せのみを備える。説明されてきた本発明の様々な実施形態及び説明された実施形態で述べられた異なる特徴の組合せを備える本発明の実施形態は、本技術分野における当業者に明瞭である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】敗血症に対する警告を作り出す領域と敗血症に対する警告を作り出さない領域にパラメータ空間を分割する図(従来技術)である。
【図2】生命を脅かす病気を予測する例示的な手順を説明するフローチャートである。分類要素は、訓練され、その後、本発明のいくつかの実施形態にしたがい、分類付けを実行するために用いられる。
【図3】本発明のいくつかの実施形態にしたがい「スライドウィンドウ」形式の手順を用いて、生命を脅かす病気を予測する手順を説明するフローチャートである。
【図4】本発明のいくつかの実施形態にしたがい少なくとも1つの予測時間に対して、生命を脅かす病気を予測する例示的な手順を説明するフローチャートである。
【図5】本発明のいくつかの実施形態にしたがい生体信号パラメータの値の変換値を算出する例示的な手順を示すフローチャートである。
【図6A】任意の生体信号パラメータに対する時間的に連続な測定値から有意な代表値を抽出する例示的な候補となる変換に関連する図である。
【図6B】任意の生体信号パラメータに対する時間的に連続な測定値から有意な代表値を抽出する例示的な候補となる変換に関連する図である。
【図7A】パラメータ空間の分割を説明する図である。この分割は、潜在的に生命を脅かす病気の発症に対する予測される深刻度を指し示す値及び/又は予測される尤度に応じて、本発明のいくつかの実施形態にしたがってなされるものである。
【図7B】パラメータ空間の分割を説明する図である。この分割は、潜在的に生命を脅かす病気の発症に対する深刻度を指し示す値及び/又は尤度に応じて、本発明のいくつかの実施形態にしたがってなされるものである。
【図8A】例示的な予測生成装置のブロック図である。
【図8B】生体信号パラメータを測定し、予測を作り出す例示的な装置のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、
(b)前記測定値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階からなり、
前記予測が、前記生体信号パラメータに対する前記測定値により、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記作り出された予測が、生命を脅かす病気の発症の尤度を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記作り出された予測が、生命を脅かす病気の発症の重篤性を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
第1の前記生理学的パラメータと第2の前記生理学的パラメータが、それぞれ異なる生理学的システムに関連付けられることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記予測を作り出す段階が、数学的関数を演算する段階を備え、
該数学的関数は、第1の前記生体信号パラメータの測定値から導き出される第1の数と、第2の前記生体信号パラメータの測定値から導き出される第2の数の関数であり、
該第2の前記生体信号パラメータが前記第1の生体信号パラメータとは異なることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1の生体信号パラメータと前記第2の生体信号パラメータがそれぞれ異なる生理学的システムに関連付けられることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
(c)前記予測に応じて、警告信号を作り出す段階を更に備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記予測を作り出す段階が、遅発型新生児敗血症の発症に対する予測を作り出す段階を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記新生児が早産児であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記新生児が、極低出生時体重児であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記作り出された予測が、第1の前記生体信号パラメータと該第1の生体信号パラメータに関連付けられた少なくとも1つの閾値との間の関係により少なくとも部分的に決定され、
前記第1の生体信号に対する少なくとも1つの前記閾値が、前記第1の生体信号とは異なる第2の生体信号の前記測定値に少なくとも部分的に依存することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記第1の生体信号パラメータと前記第2の生体信号パラメータのうち少なくとも1つが、心臓の生体信号パラメータ以外のものであることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第1の生体信号パラメータと前記第2の生体信号パラメータのうち一方が心臓の生体信号パラメータであり、前記第1の生体信号パラメータと前記第2の生体信号パラメータのうち他方が、心臓の生体信号パラメータ以外のものであることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記予測が、パラメータ空間内の位置により少なくとも部分的に決定され、
前記パラメータ空間は、境界を備え、
該境界は、接線を備え、
少なくとも1つの位置において、前記接線が、前記パラメータ空間の座標軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記作り出された予測が、パラメータ空間内の位置により少なくとも部分的に決定され、
前記パラメータ空間は、境界を備え、
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上の少なくとも3つの閾値を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記予測が、パラメータ空間内の位置により少なくとも部分的に決定され、
前記パラメータ空間は、境界を備え、
該境界は、接線を備え、
少なくとも1つの位置において、前記接線が、前記パラメータ空間の座標軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する値が、複数の時間において集められ、
前記予測が、前記複数の時間における前記値によって、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、心臓のパラメータ以外のものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、皮膚の状態を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
一の前記生理学的パラメータが、齢のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが呼吸のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが温度のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項23】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが不活性化のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項24】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが代謝のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項25】
少なくとも一の前記生体信号パラメータがガス交換率を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項26】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、皮膚状態を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、生体流体中の物質の濃度を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、組織質量の増大或いは減少を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項29】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、細胞複製を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項30】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、無呼吸状態を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項31】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、呼吸のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項32】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、血圧のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、消化のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項34】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、患者と外的環境の間の恒常的関係を指し示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項35】
少なくとも一の前記生体信号パラメータが、心臓パラメータであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項36】
前記生体信号パラメータが、心拍数のパラメータと徐脈のパラメータからなる群から選択されることを特徴とする請求項35記載の方法。
【請求項37】
少なくとも一の前記生体信号パラメータの値が、少なくとも齢のパラメータと体重のパラメータによって正規化されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項38】
一の前記正規化された生体信号パラメータが、温度のパラメータであることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記予測を作り出す段階が、前記複数の前記生体信号パラメータから選択された少なくとも複数の生体信号パラメータそれぞれに対して正規化を行なう段階を備え、
該正規化を行なう段階が、前記選択された生体信号パラメータそれぞれに対して異なる個別の正規化関数にしたがって実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項40】
前記予測を作り出す段階が、生体信号パラメータの値を正規化する段階を備え、
温度のパラメータと心臓のパラメータが異なる関数を用いて正規化されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項41】
前記予測を作り出す段階が、第1の前記生体信号パラメータを正規化する段階を備え、
該正規化をする段階が、一組の生体信号パラメータの過去の変動態様に応じて実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項42】
前記生体信号パラメータの組が、前記第1の生体信号パラメータ以外の生体信号パラメータを含むことを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記生体信号パラメータそれぞれについて、
(i)前記測定値が、複数の時間点それぞれにおいて集められ、
(ii)前記予測が、前記複数の時間それぞれにおける測定値に応じて作り出され、
(iii)第1の前記生理学的パラメータに対する平均時間周波数と前記第2の生理学的パラメータに対する平均時間周波数との間の比が少なくとも2であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項44】
前記比が少なくとも5であることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記比が少なくとも10であることを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項46】
(c)前記作り出された予測に応じて、治療手順と診断手順のうち少なくとも一方が実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項47】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)温度のパラメータ、不活性化のパラメータ、心拍数のパラメータ、徐脈のパラメータ及び呼吸数のパラメータを含む新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、
(b)前記測定値から、新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階からなり、
前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値により少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法。
【請求項48】
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが体重のパラメータであることを特徴とする請求項47記載の方法。
【請求項49】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)心臓のパラメータとは異なる少なくとも1つの生体信号パラメータを含む新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を用意する段階と、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階からなり、
前記予測が、心臓のパラメータとは異なる前記少なくとも1つの生体信号パラメータを含む少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて、少なくとも部分的に実行されることを特徴とする方法。
【請求項50】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を指し示す電気的出力を作り出す分類要素を用意する段階と、
(b)第1の時間帯の間、前記新生児に対して収集された少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を用いて前記分類要素を訓練する段階と、
(c)前記訓練された分類要素を用いて、前記新生児の前記生命を脅かす病気の前記発症の予測を作り出す段階からなり、
該予測が、後の時間帯における前記新生児の少なくとも1つの前記生体信号パラメータの測定値に応じて実行されることを特徴とする方法。
【請求項51】
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが心臓のパラメータとは異なるパラメータであることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記分類要素が、前記生命を脅かす病気の前記発症を予測し、
該予測が、前記第1の時間帯の間の前記測定値に関連する前記後の時間帯の間における前記測定値中の検知された異常に応じてなされることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項53】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)第1の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第1の時間帯の間の前記新生児の正常な生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第1の関数の組を演算する段階と、
(b)後の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第2の時間帯における前記新生児の生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第2の関数の組を演算する段階と、
(c)前記第1の関数の組と前記第2の関数の組にしたがって、検知された前記後の時間帯における生理学的異常に応じて、前記生命を脅かす病気の発症を予測する段階からなることを特徴とする方法。
【請求項54】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)第1の時間帯の間の新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値を集める段階と、
(b)後の時間帯の前記新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値を集める段階と、
(c)前記第1の時間帯と前記第2の時間帯に集められた前記時間的に連続な値の比較関数を演算する段階と、
(d)前記値から、前記新生児の生命を脅かす病気の発症を予測する段階からなり、
前記予測が、前記比較関数の値によって、前記予測が少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法。
【請求項55】
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、心臓のパラメータ以外のパラメータであることを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項56】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号の測定値を用意する段階と、
(b)前記新生児の履歴データに対する前記測定値を正規化する段階と、
(c)前記正規化の結果に応じて、新生児の生命を脅かす病気の発症を予測を作り出す段階からなることを特徴とする方法。
【請求項57】
少なくとも1つの前記生体信号パラメータが心臓のパラメータ以外のパラメータであることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)少なくとも不活性化のパラメータを有する新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を提供する段階と、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症に対する予測を作り出す段階からなり、
前記予測が、前記少なくとも1つの不活性化のパラメータに対する前記測定値によって、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法。
【請求項59】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を用意する段階と、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発生の予測を作り出す段階からなり、
前記予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変動に応じて少なくとも部分的になされ、
前記予測を作り出す段階が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する時間的に連続な値に対して、少なくとも1回の回帰を実行する段階を備え、
該少なくとも1回の前記回帰が、不定関数に対して実行されることを特徴とする方法。
【請求項60】
前記予測が、予め定められた値と前記不定関数に対する回帰の質的測定との間の関係にしたがって、少なくとも部分的に作り出されることを特徴とする請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記不定関数に対する前記回帰の結果に前記予測が依存する程度が、前記回帰の前記質的測定に依存することを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項62】
(i)任意の前記生体信号に対して、複数回の回帰が実行され、
(ii)前記作り出された予測が、少なくとも1つの前記回帰の結果に少なくとも部分的に依存し、
(iii)前記作り出された予測と第1の前記回帰の結果との間の関係が、前記第1の回帰とは異なる第2の前記回帰に関連付けられた前記質的パラメータに少なくとも部分的に依存することを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項63】
前記回帰が、心臓のパラメータとは異なる少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対して実行されることを特徴とする請求項59記載の方法。
【請求項64】
生命を脅かす病気を予測する方法であって、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号に対する測定値を用意する段階と、
(b)前記測定値から候補となる複数の予測関数を演算する段階と、
(c)前記候補となる予測関数それぞれに対して質的関数を演算する段階と、
(d)少なくとも1つの前記候補の予測関数の値に応じて、前記新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階からなり、
任意の前記候補の測定関数が前記予測の結果を支配する程度が、個々の前記質的関数の前記値に少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法。
【請求項65】
敗血症を予測する方法であって、
(a)患者の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階からなり、
前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値により少なくとも部分的に決定され、
第1の条件と第2の条件のうち少なくも一方が真であり、
(I)前記第1の条件に応じて、
(i)境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって少なくとも部分的に前記作り出された予測が決定されるとともに、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上に少なくとも3つの閾値を備え、
(ii)前記第2の条件に応じて、境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって前記予測が少なくとも部分的に決定され、前記境界は、少なくとも一の位置において、前記パラメータ空間の座標軸に対して傾斜する接線を備えることを特徴とする方法。
【請求項66】
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)新生児の複数の生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)前記測定値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、
前記生体信号パラメータそれぞれに対する測定値により、前記予測が少なくとも部分的に決定されることに対して、前記データ処理ユニットが作用することを特徴とする装置。
【請求項67】
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)温度のパラメータ、不活性化のパラメータ、心拍数のパラメータ、徐脈のパラメータ及び呼吸数のパラメータを含む新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)前記測定値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、
前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値によって、前記予測が少なくとも部分的に決定されることに対して、前記データ処理ユニットが作用することを特徴とする装置。
【請求項68】
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)心臓パラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを含む新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)前記値から、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、
前記予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に少なくとも部分的にしたがい、
前記少なくとも1つの生体信号パラメータが、心臓パラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを含むことを特徴とする装置。
【請求項69】
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)訓練の後に、新生児の生命を脅かす病気の発症に対する予測を指し示す電気信号を作り出す訓練可能型分類要素からなり、
前記訓練が、第1の時間帯の間において、前記新生児に対して集められた少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を用いてなされ、
後の時間において、前記新生児に対する少なくとも1つの前記生体信号パラメータの測定値にしたがって、前記分類要素が前記予測を作り出すことを特徴とする装置。
【請求項70】
生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)データ処理ユニットからなり、
(i)該データ処理ユニットが、第1の時間帯において、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第1の時間帯の間の前記新生児の正常な生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第1の関数の組を算出する段階と、
(ii)後の時間帯において、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第2の時間帯の間の前記新生児の状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第2の関数の組を算出する段階と、
(c)前記第1の関数の組と前記第2の関数の組にしたがって検知された後の時間帯における生理学的な異常に応じて、前記生体を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行することを特徴とする装置。
【請求項71】
生命を脅かす病気の発症を予測する方法であって、
(a)データ格納ユニットを備え、該データ格納ユニットは、
(i)第1の時間帯の間、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値と、
(ii)後の時間帯の間における前記新生児の前記少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値を格納し、
(b)データ処理ユニットを備え、該データ処理ユニットは、
(i)前記第1の時間帯と前記第2の時間帯から得られた前記時間的に連続な値の比較関数を算出し、
(ii)前記値から生命を脅かす病気の発症の予測を作り出し、
前記予測が、前記比較関数の値によって、少なくとも部分的に決定されることを特徴とする方法。
【請求項72】
生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)少なくとも1つの新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)データ処理ユニットからなり、該データ処理ユニットが、
(i)前記新生児に対する履歴値に対する前記測定値を正規化し、
(b)前記正規化の結果にしたがって、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すことを特徴とする装置。
【請求項73】
生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)少なくとも1つの不活性化パラメータを備える新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、
前記データ処理ユニットが、前記少なくとも1つの不活性化パラメータに対する前記測定値によって、少なくとも部分的に前記予測を決定することを特徴とする装置。
【請求項74】
生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出すデータ処理ユニットからなり、
該予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて、少なくとも部分的になされ、
前記データ処理が、前記予測を作り出し、
該予測を作り出す段階が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する時間的に連続な値に対して少なくとも1回の回帰を実行し、少なくとも1つの前記回帰が、不定関数に対して行なわれることを特徴とする装置。
【請求項75】
生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)データ処理ユニットからなり、
(i)該データ処理ユニットが、前記測定値から複数の候補の予測関数を演算する段階と、
(ii)前記候補の予測関数それぞれに対する質的関数を演算する段階と、
(iii)少なくとも1つの前記候補の予測関数の値に応じて、前記新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、
任意の前記候補の測定関数が前記予測の結果を支配する程度が、個々の前記質的関数の前記値に少なくとも部分的に決定されることを特徴とする装置。
【請求項76】
新生児の生命を脅かす病気を予測する装置であって、
(a)新生児の複数の生体信号パラメータに対する測定値を格納するデータ格納ユニットと、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予想を作り出すデータ処理ユニットからなり、
前記データ処理ユニットが動作し、前記生体信号パラメータに対する前記測定値により、少なくとも部分的に前記予測が決定され、
第1の条件と第2の条件のうち少なくとも1つが真であり、
(I)前記第1の条件に応じて、
(i)境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって少なくとも部分的に前記作り出された予測が決定されるとともに、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上に少なくとも3つの閾値を備え、
(ii)前記第2の条件に応じて、境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって前記予測が少なくとも部分的に決定され、前記境界は、少なくとも一の位置において、前記パラメータ空間の座標軸に傾斜する接線を備えることを特徴とする装置。
【請求項77】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値にアクセスする段階と、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階を実行し、
前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項78】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)温度のパラメータ、不活性化パラメータ、心拍数パラメータ、徐脈パラメータ及び呼吸数パラメータを含む新生児の複数の異なる生体信号パラメータの測定値にアクセスし、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階を実行し、
前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値によって、前記予測が少なくとも部分的に実行されることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項79】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)心臓のパラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを備える新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値にアクセスし、
(b)少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて、少なくとも部分的に、前記値から、前記新生児の生命を脅かす病気の発症を予測し、
前記少なくとも1つの生体信号パラメータが、心臓のパラメータ以外の少なくとも1つの生体信号パラメータを含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項80】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)新生児の生命を脅かす病気の発生に対する予測を指し示す電気的出力を作り出す分類要素を用意する段階と、
(b)第1の時間帯の間、前記新生児に対して集められた少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値を用いて、前記分類要素を訓練する段階と、
(c)前記訓練された分類要素を用いて、前記新生児の前記生命を脅かす病気の前記発症の予測を作り出し、該予測が、後の時間帯における前記新生児の少なくとも1つの前記生体信号パラメータの測定値にしたがってなされることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項81】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)第1の時間帯において、新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第1の時間帯の間の前記新生児の正常な生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数を備える第1の関数の組を算出し、
(b)後の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値から、前記第2の時間帯の間の新生児の生理学的状態を指し示す少なくとも1つの関数からなる第2の関数の組を算出し、
(c)前記生命を脅かす病気の発生の予測を作り出し、
該予測が、前記第1の関数の組と前記第2の関数の組にしたがって検知された後の時間帯における生理学的異常にしたがってなされることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項82】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)第1の時間帯における新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値にアクセスする段階と、
(b)後の時間帯における前記新生児の前記少なくとも1つの生体信号パラメータの時間的に連続な測定値にアクセスする段階と、
(c)前記第1の時間帯と前記第2の時間帯から得られた前記時間的に連続な値の比較関数を算出する段階と、
(d)前記値から、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、
前記予測が、前記比較関数の値により、少なくとも部分的に決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項83】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータの測定値にアクセスする段階と、
(b)前記新生児の履歴値に対する測定値を正規化する段階と、
(b)前記正規化の結果にしたがって、新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行することを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項84】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)少なくとも不活性化パラメータを備える少なくとも1つの新生児の生体信号パラメータの測定値を用意する段階と、
(b)前記値から、新生児の生命を脅かす病気の発生の予測を作り出す段階を実行し、
前記少なくとも1つの不活性化パラメータに対する前記測定値によって、少なくとも部分的に前記予測が決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項85】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値にアクセスする段階と、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、
該予測が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータの一時的な変化に応じて少なくとも部分的になされ、
前記予測を作り出す段階が、少なくとも1つの前記生体信号パラメータに対する時間的に連続な値への回帰を少なくとも1回実行する段階を備え、
前記少なくとも1回の回帰が、不定関数に対して実行されることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項86】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)新生児の少なくとも1つの生体信号パラメータに対する測定値にアクセスする段階と、
(b)前記測定値から複数の候補の予測関数を算出する段階と、
(c)前記候補の予測関数それぞれに対して、質的関数を算出する段階と、
(d)少なくとも1つの前記候補の予測関数の値に応じて、前記新生児の生命を脅かす病気の発症の予測を作り出す段階を実行し、
任意の前記候補の予測関数が、前記予測の結果を支配する程度が、個々の前記質的関数の前記値によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項87】
プログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読媒体が実行されると、前記プログラム命令は、
(a)患者の複数の異なる生体信号パラメータの測定値にアクセスする段階と、
(b)前記値から新生児の生命を脅かす病気の予測を作り出す段階を実行し、
前記予測が、前記生体信号パラメータそれぞれに対する前記測定値により少なくとも部分的に決定され、
第1の条件と第2の条件のうち少なくも一方が真であり、
(I)前記第1の条件に応じて、
(i)境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって少なくとも部分的に前記作り出された予測が決定されるとともに、少なくとも1つの前記生体信号パラメータが、前記境界上に少なくとも3つの閾値を備え、
(ii)前記第2の条件に応じて、境界を有するパラメータ空間内の一の位置によって前記予測が少なくとも部分的に決定され、前記境界は、少なくとも一の位置において、前記パラメータ空間の座標軸に傾斜する接線を備えることを特徴とするコンピュータ可読媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate


【公表番号】特表2009−539416(P2009−539416A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522172(P2008−522172)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000681
【国際公開番号】WO2007/010521
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508015704)インテグラリス エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】