説明

潤滑油組成物

【課題】低温流動性が良好であり、かつ高温域においても剛性を維持できる粘度を有し、低温粘度が低いなどの優れた粘度特性を有すると共に、高温での低蒸発性、省エネルギー性及び耐熱安定性などを有し、高速回転で使用されるコンパクトな流体軸受又は多孔質含油軸受に好適な潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】一般式(I)で示すテトラアルキルシランを基油として含み、かつ温度100℃における粘度が2.0mPa・s以上であることを特徴とする潤滑油組成物である。


(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ炭素数2〜16の直鎖飽和炭化水素を示し、それぞれ同じでも異なってもよく、R1〜R4の合計炭素数が28〜40である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、低粘度であって、高い粘度指数と優れた低温流動性、低蒸発性及び省エネルギー性などを有し、高速回転で使用されるコンパクトな流体軸受、多孔質含油軸受に好適な潤滑油組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクドライブなどに搭載されるモータでは、軸受として球軸受やころ軸受が用いられていたが、モータの小型化、低振動・低騒音化などの要請から、近年流体軸受や多孔質含油軸受が開発され、実用化されている。
流体軸受は、軸外周面とスリーブ内周面の隙間に介在する潤滑油の油膜圧力によって、回転軸を支持するものであって、軸外周面あるいはスリーブ内周面の少なくともいずれか一方に動圧溝を設け、その動圧効果によって形成された潤滑油膜によって回転軸の摺動面を浮上支持するものである。
また、焼結金属などから構成される多孔質体に、潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて自己潤滑機能を持たせ、回転軸を支持する多孔質含油軸受、さらに、多孔質含油軸受の軸受面に動圧溝を設けた動圧型多孔質含油軸受も回転装置に使用されている。
これらは、ボールベアリングをもたないため、小型・軽量化に好適である上、静寂性、経済性などに優れており、パーソナルコンピュ−タ、音響機器、ビジュアル機器、カ−ナビゲーション向けなどに需要が増大している。
このような流体軸受や多孔質含油軸受に用いられる潤滑油に対しては、低温域でも低い粘度を有し、低温流動性が良好であると共に、高温域においても粘度低下が少ないなどの粘度特性、及び低蒸発性が要求される。
【0003】
さらに、今後、大容量の情報の高速処理や、機器のさらなるコンパクト化などに対する要求が増えてくるものと予想される。このように、情報の高速処理、あるいは機器の小型化への要求に伴い、流体軸受や、多孔質含油軸受はより高速回転が要求されており、そして軸受におけるエネルギーロスは高速になればなるほど大きくなる。
さらに、各種の情報処理機が使用される場所についても、苛酷な環境での使用が拡大している。特に車に搭載されて使用されるカーナビゲーションなどの機器は、自動車の使用環境を考慮すると、寒冷地から炎天下までの使用に耐えるものでなければならない。そのため、車戴機器に用いられる軸受用の潤滑油も−40〜80℃といった広い温度範囲で問題なく使用できるものであることが要求される。
すなわち、軸受用潤滑油としては潤滑性、劣化安定性(寿命)、スラッジ生成防止性、摩耗防止性、腐食防止性といった基本的な性能に加えて、低温流動性が良好であり、かつ高温域においても粘度低下が少ないなどの優れた粘度特性を有すると共に、低蒸発性、省エネルギー性(低消費電力)及び耐熱安定性などを有するものが望まれる。
従来、軸受用潤滑油としては、基油としてポリα−オレフィン油(PAO)や、セバシン酸ジオクチル(DOS)などを用いたものが使用されてきたが、情報の高速処理や機器のコンパクト化などによる要求特性に対応することができなくなり、近年、ポリオールエステルが使用されるようになってきた。
【0004】
基油に、ポリオールエステルを使用した流体軸受用潤滑油としては、例えば(1)ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールと、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸などの炭素数5〜20の脂肪酸とを反応させて得られたポリオールエステル系油とアジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチルなどのジエステル系油との混合物を基油として用いてなる流体軸受用潤滑剤(例えば、特許文献1参照)、トリメチロールプロパンと炭素数4〜8の一価脂肪酸の少なくとも二種の混合酸とのエステルを基油として用いてなる流体軸受用潤滑油(例えば、特許文献2参照)などが開示されている。
しかしながら、前記のポリオールエステルを基油に用いた流体軸受用潤滑油は、前述の要求特性を必ずしも十分に満足し得るとはいえず、しかもエステル結合を有することから、加水分解しやすく、金属性材料を腐食するおそれがあるなどの問題を有している。
一方、テトラアルキルシランを潤滑剤組成物とするものとしてフェニルトリアルキルシラン(特許文献3参照)よりなるものが知られている。しかしながら、粘度指数が低く、低温粘度が高すぎるという問題があって、流体軸受用潤滑油には適さない。
【0005】
【特許文献1】特開2001−279284号公報
【特許文献2】特開2004−91524号公報
【特許文献3】特開平05−112788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低温流動性が良好であり、かつ高温域においても剛性を維持できる粘度を有し、低温粘度が低いなどの優れた粘度特性を有すると共に、高温での低蒸発性、省エネルギー性及び耐熱安定性などを有し、高速回転で使用されるコンパクトな流体軸受又は多孔質含油軸受に好適な潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記の優れた性能を有する潤滑油組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、基油として、特定のテトラアルキルシランを基油として含み、かつ温度100℃における粘度がある値以上にある潤滑油組成物が、その目的に適合し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(I)で示すテトラアルキルシランを基油として含み、かつ温度100℃における粘度が2.0mPa・s以上であることを特徴とする潤滑油組成物、
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ炭素数2〜16の直鎖飽和炭化水素基を示し、それぞれ同じでも異なってもよく、R1〜R4の合計炭素数が28〜40である。)
(2)フェノール系及び/又はアミン系酸化防止剤を含む前記(1)記載の潤滑油組成物、
(3)潤滑性向上剤及び/又は導電性添加剤を含む前記(1)又は(2)に記載の潤滑油組成物、
(4)温度150℃で168時間加熱処理後の蒸発減量が、1.5質量%以下である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の潤滑油組成物、
(5)温度−20℃における粘度が150mPa・s以下であり、かつ流動点が−50℃以下である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の潤滑油組成物、
(6)実質上金属粒子又は金属酸化物粒子の不在下において、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の潤滑油組成物、
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の潤滑油組成物からなる軸受油、
(8)前記(7)に記載の軸受油を用いてなる軸受、
(9)動圧流体軸受、含油軸受、動圧溝を設けてなる含油軸受又は多孔質含油軸受である前記(8)に記載の軸受、及び
(10)前記(8)又は(9)に記載の軸受を有する軸受ユニットを備えてなる情報処理機器、
を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低温流動性が良好であり、かつ高温域においても粘度低下が少ないなどの優れた粘度特性を有すると共に、低蒸発性、省エネルギー性及び耐熱安定性などを有し、高速回転で使用されるコンパクトな流体軸受や多孔質含油軸受、特に流体軸受に好適な潤滑油組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の潤滑油組成物は、特定のテトラアルキルシランを基油として含み、かつ温度100℃における粘度がある値以上にある潤滑油組成物であることを要する。前記テトラアルキルシランとしては、一般式(I)で表されるテトラアルキルシランである。
【0012】
【化2】

【0013】
式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ炭素数2〜16の直鎖飽和炭化水素を示し、それぞれ同じでも異なってもよく、R1〜R4の合計炭素数が28〜40、より好ましくは、28〜32になる組合せから選択される。
合計炭素数が、28〜40の範囲であれば、流体軸受用潤滑油組成物及び多孔質含油軸受用潤滑油組成物として、低揮発性、高温度〜低温度での粘度適性、低い流動点など、これらの軸受に要請される適性を備え、軸受用潤滑油として好適に実用できる。
炭素数2〜16の直鎖で飽和の炭化水素としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基を挙げることができる。
1〜R4の組合せとしては、より具体的には、R1がデシル基又はドデシル基、R2、R3、R4が共にヘキシル基、あるいはR1、R2が共にエチル基、R3、R4が共にドデシル基などの組合せなどを挙げることができる。
【0014】
本発明の潤滑油組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望によりその他の基油を、50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下の割合で含有させることができる。
その他の基油としては、例えば鉱油、ポリα−オレフィン油、ジエステルやポリオールエステルなどのエステル系油などを挙げることができる。
【0015】
本発明の潤滑油組成物は、温度100℃における粘度が、2.0mPa・s以上で軸ぶれを起こさないものである。該粘度が2.0mPa・s以上であれば、高温使用時においても良好な軸受剛性を有し、回転スリーブ体を十分に支持することができ、耐久性が良好となる。この100℃における粘度の上限は、通常3.5mPa・s程度である。
また、温度−20℃における粘度は、150mPa・s以下で、低温での駆動トルクが小さいことが好ましい。該粘度が150mPa・s以下であれば低温環境下においても、潤滑性能を十分に発揮することができる。−20℃における粘度は、通常、低いほどよい。
なお、上記粘度は、JIS K2283に準拠して測定した値である。
さらに、JIS K2269に準拠して測定した流動点が−50℃以下であることが好ましく、−55℃以下であることがさらに好ましい。該流動点が−50℃以下であれば、低温域での使用においても、良好に作動する。
本発明の潤滑油組成物は、温度150℃で168時間加熱処理後の蒸発減量が、1.5質量%以下であることが好ましい。該蒸発減量が1.5質量%以下であれば、長期間安定して潤滑性能を発揮することができる。該蒸発減量は1.0質量%以下であることがより好ましい。なお、上記蒸発減量は、JIS C2101に準拠して測定した値である。
【0016】
本発明の潤滑油組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば酸化防止剤、潤滑性向上剤、導電性添加剤、防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤、粘度指数向上剤などを、所望に応じて含有させることができる。
酸化防止剤の例としては、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4−’ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミン,4,4'−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系を挙げることができ、中でもジアルキルジフェニルアミン系ものが好ましい。
【0017】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェノール系、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などのビスフェノール系を挙げることができる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、フェノチアジン、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、チオジエチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル))プロピオネート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−メチルアミノ)フェノールなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネートなどが挙げられる。
前記酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でフェノール系及び/又はアミン系酸化防止剤が好適である。
これらの酸化防止剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%の範囲であり、0.03〜5質量%の範囲が特に好ましい。
【0018】
潤滑性向上剤としては、油性剤や摩擦調整剤を用いることができる。
前記油性剤の例としては、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミド等が挙げられる。
これら油性剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%の範囲であり、0.1〜5質量%の範囲が特に好ましい。
【0019】
また、摩擦調整剤の例としては、一般に極圧剤として用いられているものを使用することができ、特にリン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩及び硫黄系極圧剤が挙げられる。
リン酸エステルとしては、下記の一般式(II)〜(VI)で表されるリン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルを包含する。
【0020】
【化3】

【0021】
上記一般式(II)〜(VI)において、R6〜R8は炭素数4〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基およびアリールアルキル基を示し、R6〜R8は同一でも異なっていてもよい。
リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルアリールホスフェート、トリアリールアルキルホスフェート、トリアルケニルホスフェートなどがあり、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。
【0022】
酸性リン酸エステルとしては、例えば、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。
亜リン酸エステルとしては、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイトなどを挙げることができる。
【0023】
酸性亜リン酸エステルとしては、例えば、ジブチルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、ジステアリルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。以上のリン酸エステル類の中で、トリクレジルホスファイト、トリフェニルホスフェートが好適である。
さらに、これらとアミン塩を形成するアミン類としては、例えば、一般式(VII)
9p−NH2-p ・・・・(VII)
(式中、R9は、炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基もしくはアリールアルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基を示し、pは1、2又は3を示す。また、R9が複数ある場合、複数のR9は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるモノ置換アミン、ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。上記一般式(VII)におけるR9のうちの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
【0024】
モノ置換アミンの例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミンなどを挙げることができ、ジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ステアリル・モノエタノールアミン、デシル・モノエタノールアミン、ヘキシル・モノプロパノールアミン、ベンジル・モノエタノールアミン、フェニル・モノエタノールアミン、トリル・モノプロパノールなどを挙げることができ、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミン、トリベンジルアミン、ジオレイル・モノエタノールアミン、ジラウリル・モノプロパノールアミン、ジオクチル・モノエタノールアミン、ジヘキシル・モノプロパノールアミン、ジブチル・モノプロパノールアミン、オレイル・ジエタノールアミン、ステアリル・ジプロパノールアミン、ラウリル・ジエタノールアミン、オクチル・ジプロパノールアミン、ブチル・ジエタノールアミン、ベンジル・ジエタノールアミン、フェニル・ジエタノールアミン、トリル・ジプロパノールアミン、キシリル・ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどを挙げることができる。
【0025】
硫黄系極圧剤としては、分子内に硫黄原子を有し、潤滑油基油に溶解又は均一に分散して、極圧性や優れた摩擦特性を発揮しうるものであればよい。このようなものとしては、例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド、チアジアゾール化合物、チオリン酸エステル(チオフォスファイト、チオフォスフェート)、アルキルチオカルバモイル化合物、チオカーバメート化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロピオネート化合物などを挙げることができる。ここで、硫化油脂は硫黄や硫黄含有化合物と油脂(ラード油、鯨油、植物油、魚油等)を反応させて得られるものであり、その硫黄含有量は特に制限はないが、一般に5〜30質量%のものが好適である。その具体例としては、硫化ラード、硫化なたね油、硫化ひまし油、硫化大豆油、硫化米ぬか油などを挙げることができる。硫化脂肪酸の例としては、硫化オレイン酸などを、硫化エステルの例としては、硫化オレイン酸メチルや硫化米ぬか脂肪酸オクチルなどを挙げることができる。
【0026】
硫化オレフィンとしては、例えば、下記の一般式(VIII)
10−Sq−R11・・・(VIII)
(式中、R10は炭素数2〜15のアルケニル基、R11は炭素数2〜15のアルキル基又はアルケニル基を示し、qは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物などを挙げることができる。この化合物は、炭素数2〜15のオレフィン又はその二〜四量体を、硫黄、塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンとしては、プロピレン、イソブテン、ジイソブテンなどが好ましい。
ジヒドロカルビルポリサルファイドとしては、下記の一般式(IX)
12−Sr−R13・・・(IX)
(式中、R12及びR13は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は環状アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、rは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物である。ここで、R12及びR13がアルキル基の場合、硫化アルキルと称される。
【0027】
上記一般式(IX)におけるR12及びR13は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。
このジヒドロカルビルポリサルファイドとしては、例えば、ジベンジルポリサルファイド、各種ジノニルポリサルファイド、各種ジドデシルポリサルファイド、各種ジブチルポリサルファイド、各種ジオクチルポリサルファイド、ジフェニルポリサルファイド、ジシクロヘキシルポリサルファイドなどを好ましく挙げることができる。
チアジアゾール化合物としては、例えば、下記一般式(X)
【0028】
【化4】

【0029】
(式中、R14及びR15は、それぞれ水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、f及びgは、それぞれ0〜8の整数を示す。)
で表される1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール化合物、1,4,5−チアジアゾールなどが好ましく用いられる。
このチアジアゾール化合物としては、例えば、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾールなどを好ましく挙げることができる。
チオリン酸エステルとしては、アルキルトリチオフォスファイト、アリール又はアルキルアリールチオフォスフェート、ジラウリルジチオリン酸亜鉛などが挙げられ、特にラウリルトリチオフォスファイト、トリフェニルチオフォスフェートが好ましい。
アルキルチオカルバモイル化合物としては、例えば、下記一般式(XI)
【0030】
【化5】

【0031】
(式中、R16〜R19は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基を示し、hは1〜8の整数を示す。)
このアルキルチオカルバモイル化合物としては、例えば、ビス(ジメチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジアミルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジオクチルチオカルバモイル)ジスルフィドなどを好ましく挙げることができる。
【0032】
さらに、チオカーバメート化合物としては、例えば、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛を、チオテルペン化合物としては、例えば、五硫化リンとピネンの反応物を、ジアルキルチオジプロピオネート化合物としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。これらの中で、極圧性、摩擦特性、熱的酸化安定性などの点から、チアジアゾール化合物、ベンジルサルファイドが好適である。
これら摩擦調整剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%の範囲であり、0.05〜5質量%の範囲が特に好ましい。
【0033】
本発明の潤滑油組成物は、実質上金属粒子又は金属酸化物粒子の不在下において、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であることが好ましい。該体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であれば、潤滑油組成物は、良好な帯電防止性能を有する。この体積抵抗率の下限に特に制限はないが、通常1×107Ω・cm程度である。なお、上記体積抵抗率は、JIS C2101に準拠して測定した値である。
本発明の潤滑油組成物には、体積抵抗率を1×1010Ω・cm以下にするために、導電性添加剤を含有させることができる。この導電性添加剤としては、非金属系帯電防止剤であるアミン誘導体、コハク酸誘導体、ポリ(オキシアルキレン)グリコール又は多価アルコールの部分エステルが好ましく、この場合の添加量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%が好ましい。具体的には、アミン誘導体としては、下式(XII)のポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(ただし、R20は炭素数1〜18のアルキル基である。)、
【0034】
【化6】

【0035】
下式(XIII)のポリ(オキシエチレン)アルキルアミド(ただし、R21は炭素数1〜18のアルキル基である。)、
【0036】
【化7】

【0037】
テトラエチレンペンタミン(TEPE)などのポリエチレンイミンと脂肪酸を用いた反応縮合物などが挙げられるが、好ましくはTEPEとステアリン酸との反応縮合物である。また、コハク酸誘導体としては、ポリブテニルコハク酸イミドなどが好ましく挙げられる。
また、ポリ(オキシアルキレン)グリコールとしては、下記一般式(XIV)で表される化合物又はその混合物が好ましい。
22−O−(R23−O)d−(R24−O)e−(R25−O)f−R26 (XIV)
(XIV)式中、R22及びR26は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜24のアルキル基、フェニル基、又は炭素数7〜24のアルキルアリール基を示し、R23、R24及びR25は、それぞれ独立に、炭素数2〜18のアルキレン基を示し、d、e及びfは、それぞれ独立に、0〜50の数を示し、d〜fの合計は9〜50である。(R23−O)、(R24−O)及び(R25−O)は、構成単位ごとに同一でも異なっていてもよい。
これらの化合物のうち、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル
27O(CH2CH2O)nH (XV)
(ただし、R27は炭素数1〜18のアルキル基である。nは1〜10の数である。)、
ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエーテル
28−Q−O(CH2CH2O)nH (XVI)
(ただし、R28は炭素数1〜18のアルキル基であり、Qは芳香族残基である。nは1〜10の数である。)、及びポリ(オキシエチレン)グリコール脂肪酸エステル
29COO(CH2CH2O)nH (XVII)
(ただし、R29は炭素数1〜18のアルキル基である。nは1〜10の数である。)
などがより好ましい。
また、多価アルコールの部分エステルとしては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレートなどの下式(XVIII)で示されるソルビタン脂肪酸エステル
【0038】
【化8】

【0039】
(ただし、R30は炭素数1〜18のアルキル基である。n、mは、それぞれ1〜10の数である。)、
グリセリンモノオレート、グリセリンジオレートなどの下式(XIX)で示されるグリセリン脂肪酸エステル
【0040】
【化9】

【0041】
(ただし、R31は炭素数1〜18のアルキル基である。n、mは、それぞれ1〜10の数である。)、
及びネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと炭素数1〜24の脂肪酸の部分エステル化合物などが挙げられる。
【0042】
防錆剤の例としては、例えば、ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミドなどのアルキル又はアルケニルコハク酸誘導体、ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノエレエート、ペンタエリスリトールモノオレエートなどの多価アルコール部分エステル、ロジンアミン、N−オレイルザルコシンなどのアミン類、ジアルキルホスファイトアミン塩等が使用可能である。
これら防錆剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜5質量%の範囲であり、0.05〜2質量%の範囲が特に好ましい。
【0043】
金属不活性化剤の例としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、没食子酸エステル系の化合物等が使用可能である。
これら金属不活性化剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜0.4質量%であり、0.01〜0.2質量%の範囲が特に好ましい。
消泡剤の例としては、液状シリコーンが適しており、例えば、メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレートが使用可能である。
これら消泡剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.0005〜0.01質量%である。
粘度指数向上剤の例としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体などのオレフィン共重合体が使用可能である。
これら粘度指数向上剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.1〜15質量%であり、0.5〜7質量%の範囲が特に好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、例えばFD、MO、ミニディスク、コンパクトディスク、DVD、ハードディスクなどの磁気ディスクや光ディスクを駆動する回転装置に使用される動圧流体軸受、含油軸受、動圧溝を設けてなる含油軸受、多孔質含油軸受などの流体軸受用又は含油軸受用として、さらには、これらの軸受ユニットを備えてなる情報処理機器用として好適に用いられる。
【実施例】
【0044】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、潤滑油の諸特性は下記の方法に従って測定した。
(1)粘度
JIS K2283に準拠し、−100℃及び−20℃で測定した。
(2)流動点
JIS K2269に準拠して測定した。
(3)蒸発減量
JIS C2101の熱安定性試験に準拠し、150℃、168時間加熱処理による蒸発減量を測定した。
(4)体積抵抗率
JIS C2101に準拠して測定した。
【0045】
製造例1
トリヘキシルシラン(市販品)にα−オレフィン(1−ドデセン)を反応させた後、蒸留して、潤滑油基油としての、総炭素数30のトリヘキシルドデシルシラン(C30Si)を得た。
【0046】
製造例2
トリヘキシルシラン(市販品)にα−オレフィン(1−デセン)を反応させた後、蒸留して、潤滑油基油としての、総炭素数28のトリヘキシルデシルシラン(C28Si)を得た。
【0047】
製造例3
トリヘキシルシラン(市販品)にα−オレフィン(1−オクテン)を反応させた後、蒸留して、潤滑油基油としての、総炭素数26のトリヘキシルオクチルシラン(C26Si)を得た。
【0048】
実施例1、2及び比較例1〜6
製造例1〜3で得られたテトラアルキルシラン、市販の鉱油、ポリα−オレフィン(PAO)等、(注)として下記する基油を用い、フェノール系酸化防止剤〔オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、アミン系酸化防止剤〔4,4'−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン〕、リン系酸化防止剤〔ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート〕を各0.5質量%添加して潤滑基油とした。
各種潤滑油基油の粘度、流動点、蒸発減量などの諸特性を第1表に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
(注)
C30Si:トリヘキシルドデシルシラン
C28Si:トリヘキシルデシルシラン
C26Si:トリへキシルオクチルシラン
鉱油:(水素化改質基油、API分類グループII相当)
PAO:ポリα−オレフィン(「DURASYN 164」、Amoco社製)
DOS:ジオクチルセバケート(セバシン酸ジオクチル)
DOA:ジオクチルアジペート(アジピン酸ジオクチル)
NPGジペラルゴネート:ネオペンチルグリコールジペラルゴネート
【0051】
第1表から分かるように、本発明の潤滑油の中で、特に実施例1,2は、−20℃の粘度150mPa・s以下、流動点−50℃以下、蒸発減量1.5質量%以下の要求性能を全て満たしており、軸受用潤滑油に好ましい基油である。
比較例1は蒸発減量が大きく、比較例2は、−20℃の粘度が極端に高い。
また、比較例3,4は蒸発減量は比較的小さいが、−20℃の粘度が高い。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の潤滑油組成物は、基油として特定のテトラアルキルシランを含むものであって、低粘度で、優れた低温流動性、低蒸発性及び省エネルギー性などを有し、高速回転で使用されるコンパクトな流体軸受、多孔質含油軸受の潤滑油として好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示すテトラアルキルシランを基油として含み、かつ温度100℃における粘度が2.0mPa・s以上であることを特徴とする潤滑油組成物。
【化1】

(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ炭素数2〜16の直鎖飽和炭化水素基を示し、それぞれ同じでも異なってもよく、R1〜R4の合計炭素数が28〜40である。)
【請求項2】
フェノール系及び/又はアミン系酸化防止剤を含む請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
潤滑性向上剤及び/又は導電性添加剤を含む請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
温度150℃で168時間加熱処理後の蒸発減量が、1.5質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
温度−20℃における粘度が150mPa・s以下であり、かつ流動点が−50℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
実質上金属粒子又は金属酸化物粒子の不在下において、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の潤滑油組成物からなる軸受油。
【請求項8】
請求項7に記載の軸受油を用いてなる軸受。
【請求項9】
動圧流体軸受、含油軸受、動圧溝を設けてなる含油軸受又は多孔質含油軸受である請求項8に記載の軸受。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の軸受を有する軸受ユニットを備えてなる情報処理機器。

【公開番号】特開2007−211234(P2007−211234A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326121(P2006−326121)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】