説明

火災対応システムおよび消火機器

【課題】 火災センサから発信された電波を受信することにより消火機器の位置を示すだけではなく、火災現場までの距離を視覚的および音響的に示すことのできる火災対応システムおよび消火機器を提供する。
【解決手段】 火災センサ100は火災の発生有無を監視し、火災現場300の火災を検知すると火災発生信号400を周囲に発信する。消火機器200は火災発生信号400を受信すると電波強度を測定し、測定した電波の強度に応じて、所定の発光および音声パターンにより周囲に火災の発生と火災現場300までの距離を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信機能を有する火災センサと無線通信機能を有する消火機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、無線通信機能を有する火災センサと無線通信機能を有する消火機器から構成され、火災を検知した火災センサが発信する電波を消火機器が受信することにより、消火機器に取り付けられたランプの点灯および警報音を発生させて周囲に消火機器の存在する位置を示すことが可能なシステムが特許文献1に開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は消火機器が存在する位置を示すことは可能であるが、実際にどこで火事が発生しているかまでは知ることが出来ない。そのため、火災の発生が報知され消火機器の位置が分かっていても、消火機器を持ってどこに向かうべきか、またどこに避難するべきかが分からず、迅速な初期消火または避難を行うには不便があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−193683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の不便を解消するため、火災センサから発信された電波を受信することにより消火機器の位置を示すだけではなく、火災現場までの距離を視覚的および音響的に示すことのできる火災対応システムおよび消火機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第一の発明は電波信号を発信する機能を備える火災センサと電波信号を受信する機能を備える消火機器からなる火災対応システムであって、前記火災センサは、火災の発生を検知する火災検知部と、火災を検知すると火災の発生を通知する所定の電波信号を発信する電波発信手段と、を有し、前記消火機器は、前記火災センサが発信する前記電波信号を受信する電波受信手段と、前記電波受信手段が受信した電波の強度が予め定められた値以上であった場合に自消火機器の存在または火災の発生を光または音により近傍に報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
さらに第二の発明は、第一の発明に記載の火災対応システムであって、前記消火機器は、前記受信した電波信号の強度を測定する電波強度測定手段と、前記電波受信手段が受信した電波の強度に応じた動作内容を登録する動作内容登録手段をさらに有し、前記受信部が前記火災センサからの電波信号を受信した場合に、前記報知手段は、前記動作内容登録手段を参照し、前記電波強度測定手段が測定した電波の強度に応じて、光または音のパターンもしくは強度を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、火災現場までの距離を利用者が視覚的および音響的に把握することが出来るため、迅速な初期消火または避難を行うことが可能となる。また、建物内の構成を知らない利用者でも、火災現場までの距離を把握すること出来るため、一般の利用者と同様に初期消火または避難に参加することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施形態を説明するための全体構成図である。
【図3】本発明の実施形態による火災センサの機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による消火機器の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態による消火機器の報知パターンの例である。
【図6】本発明の実施形態による火災センサの動作フローチャートである。
【図7】本発明の実施形態による消火機器の動作フローチャート(受信時)である。
【図8】本発明の実施形態による消火機器の動作フローチャート(発信時)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施例を用いて説明する。尚、本実施例で説明する各部位について、同じ場合には説明を繰り返さない。
【0011】
図1は本発明の実施形態を説明するための概略図である。本発明による火災対応システムおよび消火機器は、火災センサ100と消火機器200から構成される。
【0012】
火災センサ100は火災の発生有無を監視し、火災現場300の火災を検知すると火災発生信号400を周囲に発信する。
【0013】
消火機器200は火災センサ100が発信する火災発生信号400を待受け、火災発生信号400を受信すると電波強度を測定し、測定した電波の強度に応じて、所定の発光および音声パターンにより周囲に火災の発生と火災現場300までの距離を報知する。
【0014】
消火機器200が受信した火災発生信号400の電波強度が強い順に従い、発光による報知は、赤→黄→緑→青と変化させ、音声による報知は、火災現場300に近い表現から遠い表現へと音声メッセージを変化させる。ここで光または音声による報知を4段階に設定しているが、4段階に限定されないものとする。
【0015】
尚、本実施例においては簡単化のため、火災センサ100を1台、消火機器200は4台のみ図示しているが、それぞれが複数台の構成であっても良い。また、火災センサ100は例えば無線LANのアクセスポイントまたはコードレス電話の親機、蛍光灯等の照明器具、エアコン等の空調器具といった他の装置に火災センサ100が組み込まれている構成でも良く、消火機器200は消火器として図示しているが消火栓等でも良い。さらに、火災発生信号400は電磁波を使用した無線信号として説明しているが、火災センサ100が特定の周波数の音声または光を火災発生信号400として発信し、消火機器200がこれを受信するような構成であっても良い。
【0016】
図2は本発明の実施形態を説明するための全体構成図である。図2は、図1の構成を含めて平面的に示したものであり、さらに消火作業中の消火機器200Aと、消火機器200Aが発信する消火機器が使用中であることを示す使用中信号401と、火災発生信号400または使用中信号401を受信する消火機器200Bと、消火機器200Bが発信する火災発生信号400または使用中信号401の内容を中継する中継信号402と、火災センサ100や消火機器200Aが発信する電波が届かない場所に存在し中継信号402を受信する消火機器200Cから構成される。
【0017】
消火機器200Aは、当該消火機器の使用が検知されると使用中信号401を周囲に発信する。このとき、所定の特定操作もしくは図示しないスイッチの押下がなされた場合、使用中信号401に情報を付与して発信する。使用中信号401に付与する情報は、他の消火機器が必要なときに増援を呼ぶための「増援要求」情報と、周囲に避難を促すための「退避指示」情報の2種類とする。
【0018】
消火機器200Bは受信した信号の電波強度および付与された情報により、所定の報知パターンに従い報知し、周囲に中継信号402を発信する。
【0019】
消火機器使用中信号401、中継信号402、火災発生信号400の出力レベルは同一、または設置環境により調整し、電波強度の強弱を比較できるように設定しておくことで、電波強度による位置関係の判別精度を向上させることができる。
【0020】
図3は本発明の実施形態による火災センサ100の機能ブロック図である。火災センサ100は、火災検知部101、無線通信部102、有線通信部103、制御部104から構成される。
【0021】
火災検知部101は、火災発生の有無を監視し、火災を検知した場合火災発生情報を制御部104に渡す。
【0022】
無線通信部102は、制御部104の指示を受け火災発生信号400を発信する。また、火災発生信号停止の指示を受け火災発生信号400の発信を停止する。
【0023】
有線通信部103は、制御部104の指示を受け火災発生情報を防災管理システム(図示せず)に渡す。また、防災管理システム(図示せず)から報知を解除する解除信号を受信すると制御部104に渡し、火災発生信号を停止する旨の指示を受けて火災発生情報の送信を停止する。
【0024】
制御部104は、火災検知部101からの火災発生情報を受信すると、無線通信部102および有線通信部103の制御を行う。また自身が内蔵するタイマを起動し、解除信号を受信した場合または一定期間(例えば5分間)が経過した場合、無線通信部102および有線通信部103に火災発生信号および火災発生情報の停止を指示する。
【0025】
図4は本発明の実施形態による消火機器200の機能ブロック図である。消火機器200は、無線通信部201、端末制御部202、発光部203、音声出力部204、電波強度設定記憶部205、動作検出部206から構成される。
【0026】
無線通信部201は、火災センサ100から火災発生信号400を受信すると、受信した信号の電波強度を測定した値を端末制御部202に渡す。消火機器200Aから使用中信号401、または消火機器200Bから中継信号402を受信すると、受信した信号の電波強度を測定した値と信号に付与された情報を端末制御部202に渡す。また、端末制御部202の指示を受けて使用中信号401もしくは中継信号402を送信する。
【0027】
端末制御部202は、無線通信部201、発光部203、音声出力部204の制御を行う。無線通信部201から電波強度を測定した値と信号に付与された情報を受取ると、電波強度設定記憶部205に記憶されている図5に後述する報知パターンテーブルを呼出して、報知パターンテーブルから自消火機器の報知パターンを決定する。また、動作検出部206から動作検出信号を受け取り、動作検出信号の内容に応じて自消火機器の状態(使用中、増援要求、退避指示)を判定する。さらに報知パターンの指示または使用中信号401、中継信号402の発信を指示した後に自身が内蔵するタイマ機能を起動し、信号の停止操作の検出または一定期間(例えば5分間)の経過により報知または信号の停止を指示する。
【0028】
発光部203は端末制御部202が指示する報知パターンに従い発光し、音声出力部204は端末制御部202が指示する報知パターンに従い音声を発する。
【0029】
電波強度設定記憶部205は図5に後述する報知パターンテーブルを記憶し、端末制御部202の呼出に応じて渡す。
【0030】
動作検出部206は自消火機器の動作および予め定められた特定操作を検出し、動作検出信号として端末制御部202に渡す。ここでは、安全ピンを引き抜く、レバーを握る等の消火機器の利用が開始されたことが分かる動作を検出する。また利用者がレバーを2回素早く握る、図示しないスイッチを押下する等の所定の操作を特定操作として検出するものとする。
【0031】
図5は本発明の実施形態による消火機器200の報知パターンの例である。
【0032】
図5(a)は、消火機器200が火災発生信号400および使用中信号401を受信した場合に使用する報知パターンテーブルである。フィールドR01は距離A(至近距離、電波強度が−40dBm以上)、フィールドR02は距離B(近距離、電波強度が−40dBm未満−50dBm以上)、フィールドR03は距離C(中距離、電波強度が−50dBm未満−65dBm以上)、フィールドR04は距離D(遠距離、電波強度が−65dBm未満−80dBm以上)を示す。レコードC01〜C03は報知レベルに応じた発光色、発光パターンおよび音声を示す。
【0033】
尚、報知レベルとは受信した信号に付与された情報に応じて変化するものとする。火災発生信号400または情報が付与されていない使用中信号401を受信した場合は報知レベル「通常」、退避指示の情報を付与された使用中信号401を受信した場合は報知レベル「退避」、増援要求の情報を付与された使用中信号401を受信した場合は報知レベル「増援」と呼称する。
【0034】
図5(b)は、消火機器200が中継信号402を受信した場合に使用する報知パターンテーブルである。フィールドR05は距離A’(至近距離の中継)、フィールドR06は距離B’(近距離の中継)、フィールドR07は距離C’(中距離の中継)、フィールドR08は距離D’(遠距離の中継)を示す。レコードC04〜C05は報知レベルに応じた発光色、発光パターンおよび音声を示す。中継信号402によって報知レベル「通常」または「増援」の内容が中継された場合は報知レベル「中継:通常」、「中継:増援」、報知レベル「退避」の内容が中継された場合は報知レベル「中継:退避」と呼称する。
【0035】
図6は本発明の実施形態による火災センサ100の動作フローチャートである。
【0036】
火災センサ100は、電源の投入によって動作を開始する。火災検知部101が火災の検知を待ち(S10 NO)、火災を検知した場合に(S10 YES)、無線通信部102は火災発生信号400を発信する(S11)。
【0037】
次に、制御部104に内蔵したタイマを起動して一定期間(例えば5分)の経過、または防災管理システム(図示しない)から解除信号の受信を待ち受ける間(S12 NO)、火災発生信号400の発信を継続する。一定期間の経過または解除信号を受信した場合に(S12 YES)、火災発生信号400の発信を停止し(S13)、S10に戻る。
図7は本発明の実施形態による消火機器200の動作フローチャート(受信時)である。
【0038】
消火機器200は使用中信号401を受信すると(S40 YES)、電波強度を測定した値と信号に付与された情報を端末制御部202に渡し、以降は使用中信号401の電波強度だけを測定するように端末制御部202に設定する(S41)。
前記受信した使用中信号401に退避指示の情報が付与されていた場合(S42 YES)、端末制御部202は、自消火機器の報知レベルを「退避」に設定する(S43)。増援要求が付与されていた場合は(S42 NO、S62 YES)、報知レベルを「増援」に設定する(S63)。情報が付与されていない場合は(S42 NO、S62 NO)、報知レベルを「通常」に設定する(S64)。
【0039】
次に、端末制御部202は、前記電波強度を測定した値と電波強度設定記憶部205に記憶された報知パターンテーブルにより、火災センサ100と自消火機器との距離をA(至近距離)〜D(遠距離)の間で判定し(S44〜S47)、さらに自消火機器にセットされた報知レベルにより報知パターンを決定し、発光部203と音声出力部204が報知を行う(S48〜S51)。
【0040】
ここで、図5(a)を用いて報知パターン決定の一例を示す。報知レベル「通常」、距離Aと判定された場合、報知パターンはフィールドR01、レコードC01に格納されている報知パターンを使用する。報知レベル「退避」、距離Bと判定された場合、報知パターンはフィールドR02、レコードC02に格納されている報知パターンを使用する。報知レベルが「増援」、距離Cと判定された場合、報知パターンはフィールドR03、レコードC03に格納されている報知パターンを使用する。報知レベル「増援」、距離Dと判定された場合、報知パターンはフィールドR04、レコードC03に格納されている報知パターンを使用する。
【0041】
自消火機器が報知を行った後、端末制御部202は無線通信部201に中継電波402の発信を指示する。中継電波402は、前記設定された報知レベルと判定された距離の情報に中継である旨の情報を追加して発信される(S52〜S55)。報知レベル「通常」を報知レベル「中継:通常」、距離の情報が「A」を「A’」と変更するものである。
【0042】
端末制御部202は自消火機器が内蔵するタイマを起動し、一定期間(例えば5分)の経過または動作検出部206による消火機器の動作の検知を待受け(S56 NO)、何れかを検知した場合(S56 YES)、発光部203および音声出力部204に報知を停止するよう指示し、さらに無線通信部201に中継電波402の発信を停止するよう指示し(S57)、S40に戻る。
【0043】
また、無線通信部201が使用中信号401を受信せず(S40 NO)、火災センサ100から火災発生信号400を受信した場合(S60 YES)、端末制御部202は自消火機器の報知レベルを「通常」と設定し(S64)、電波強度の判定に進む(S44)。
【0044】
また、無線通信部201が火災発生信号400を受信せず(S60、NO)、消火機器200Bからの中継信号402を受信した場合(S65、YES)、端末制御部202は中継信号402に含まれた情報を報知パターンテーブルと照合し、発光部203と音声出力部204は報知パターンに従い報知を行う。同時に端末制御部202は無線通信部201に中継電波の発信を指示して、中継電波を発信する(S66)。
【0045】
ここで、図5(b)を用いて報知パターン決定の一例を示す。報知レベル「中継:通常」または「中継:増援」、距離A’と判定された場合、報知パターンはフィールドR05、レコードC04に格納されている報知パターンを使用する。報知レベル「中継:通常」または「中継:増援」、距離B’
と判定された場合、報知パターンはフィールドR06、レコードC04に格納されている報知パターンを使用する。報知レベル「中継:退避」、距離C’ と判定された場合、報知パターンはフィールドR07、レコードC05に格納されている報知パターンを使用する。報知レベル「中継:退避」、距離D’
と判定された場合、報知パターンはフィールドR08、レコードC05に格納されている報知パターンを使用する。
【0046】
尚、中継信号402を複数受信した場合は報知レベル「中継:退避」を優先し、次に付与された情報から距離が近い物を優先する。
【0047】
端末制御部202は自消火機器が内蔵するタイマにより一定期間(例えば5分)経過後または、動作検出部206が自消火機器の動作を検知した場合(S67、YES)、発光部203および音声出力部204に報知の停止を指示する。また無線通信部201に中継電波の停止を指示して、報知および中継電波の発信を停止し(S68)、S40に戻る。また、中継信号402を受信しない場合、一定時間が経過していない場合、消火機器の動作を検知しない場合にも(S65 NO、S67、NO)S40に戻る。
【0048】
図8は本発明の実施形態による消火機器の動作フローチャート(発信時)である。
消火機器200は動作検知部206が自消火機器の動作の検知を待受け(S80 NO)、動作を検知すると(S80 YES)、端末制御部202は自消火機器が中継電波402を送信しているか否かを判定し、送信している場合(S81 YES)は無線通信部201に中継電波402の送信を停止するよう指示する(S82)。送信していない場合(S81 NO)、S83に進む。
【0049】
動作検知部206が検知した動作が特定操作であり、特定操作を検知していない場合は(S83 NO)、端末制御部202は無線通信部201に使用中信号401の送信を指示する(S84)。
【0050】
端末制御部202は、自消火機器が内蔵するタイマにより一定期間(例えば5分)を経過した後、または動作検出部206が動作を検知した場合(S85 YES)、無線通信部201に使用中信号401の停止を指示し、使用中信号401の発信を停止して、動作検出部206で検知した特定操作の回数をクリアし(S86)、S80に戻る。停止の動作を検知しない場合、一定時間が経過していない場合(S85 NO)、S83に戻る。
【0051】
動作検出部206が特定操作を一度でも検知していた場合は(S83 YES)、端末制御部202は動作検知部206が検知した動作が退避指示か否か判定し、退避指示の特定操作を一度でも検知していた場合(S87 YES)、端末制御部202は無線通信部201に退避指示情報を付与した使用中信号401の送信を指示して(S88)S85に進む。退避指示の特定操作を検知していない場合(S87 NO)、端末制御部202は無線通信部201に増援要求情報を付与した使用中信号401の送信を指示して(S90)、S85に進む。
【0052】
本発明によれば、利用者が火災現場まで消火機器を持って行き消火活動を開始すると、火災現場のごく近くで該消火機器からの位置情報を発信することにより、他の消火機器の報知する情報を更新するため、より精度の高い火災現場の位置情報を得ることが可能である。
【0053】
また、消火活動を行っている利用者が特定操作を行うことにより、火災の状況に応じて消火の応援を要請したり、または初期消火が不可能な大きい火災の場合は退避を指示する情報を発信することが可能である。そのため、火災センサのみで行う火災現場の状況把握に比べてより有効な情報を発信できる。
【0054】
さらに、消火機器同士の中継機能により火災の情報が伝達されるため、火災現場から離れた場所に存在する他の消火機器にも火災発生の有無、火災規模の大小等の状況を知らせることができる。そのため防災管理システムが使用不可となった場合でも、本システムのみで避難誘導を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0055】
100:火災センサ
101:火災検知部
102:無線通信部
103:有線通信部
104:制御部
200:消火機器
200A:消火機器(消火作業中)
200B:消火機器(信号中継中)
200C:消火機器(中継信号受信)
201:無線通信部
202:端末制御部
203:発光部
204:音声出力部
205:電波強度設定記憶部
206:動作検出部
300:火災現場
400:火災センサからの火災発生信号
401:使用中信号
402:中継信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波信号を発信する機能を備える火災センサと電波信号を受信する機能を備える消火機器からなる火災対応システムであって、
前記火災センサは、火災の発生を検知する火災検知部と、火災を検知すると火災の発生を通知する所定の電波信号を発信する電波発信手段と、を有し、
前記消火機器は、前記火災センサが発信する前記電波信号を受信する電波受信手段と、前記電波受信手段が受信した電波の強度が予め定められた値以上であった場合に自消火機器の存在または火災の発生を光または音により近傍に報知する報知手段と、を有することを特徴とする火災対応システム。
【請求項2】
請求項1に記載の火災対応システムであって、
前記消火機器は、前記受信した電波信号の強度を測定する電波強度測定手段と、前記電波受信手段が受信した電波の強度に応じた動作内容を登録する動作内容登録手段をさらに有し、
前記受信部が前記火災センサからの電波信号を受信した場合に、前記報知手段は、前記動作内容登録手段を参照し、前記電波強度測定手段が測定した電波の強度に応じて、光または音のパターンもしくは強度を制御することを特徴とする火災対応システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の火災対応システムであって、
前記消火機器は、電波信号を発信する消火機器側電波発信手段をさらに有し、前記電波受信手段が所定の電波信号を受信した場合に、前記消火機器側電波発信手段を制御して前記受信した電波信号を他の機器へ中継することを特徴とする火災対応システム。
【請求項4】
請求項3に記載の火災対応システムであって、
前記火災センサからの受信した電波信号を他の機器へ中継する場合に、前記消火機器側電波発信手段を制御して、自消火機器の存在場所に係る情報を付加することを特徴とする火災対応システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の火災対応システムを構成する消火機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate