説明

災害対策用複合設備

【課題】災害発生時に使用するトイレの機能と、災害時の貯水のための手段等の複数の機能部を併せ持つ災害対策用複合設備を提供する。
【解決手段】災害対策のために複数の機能部を合わせ持つように構成された設備として、区画された箇所19を有し、上記箇所にカセット型便槽20を配置し、上記便槽に通じる便口26を持ち、かつ、上記個所の上部に配置して便槽を覆う着脱可能な覆い板27を有するトイレ部11と、上記トイレ部に隣接して設置され、基盤上に複数個のプレキャスト中空体33を分散配置し、上記中空体を配置した所定の領域を覆うとともに、災害時に貯水空間32を維持するために、通常時は流入した雨水の排水を可能にした構成を有する雨水貯留部12と、上記雨水貯留部に通常時に流入した雨水をポンプを用いて汲み上げるとともに、雨水貯留部に流入した雨水を中水道として使用するために濾過して貯留する中水貯留部14とを具備して構成された複合設備。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害対策のために複数の機能部を合わせ持つように構成された災害対策用複合設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
災害によって、電気、水道、ガス等のライフラインが破壊され、通常の生活が立ち行かなくなると、様々な生活上の問題が一挙に生ずる。まず、食料などの不足という問題が起こるが、この点は当然に予測されることであり、従って、緊急に援助すべき事項として、比較的速やかに援助の手が届き易い。これに対し、人間の生理的活動の処理については、避難生活の質の問題として後手に回り易く、二の次とされがちである。しかし、トイレは排泄のために不可欠であるのみならず、衛生面、健康面、プライバシー等の問題が絡んでおり、非常に重要な事項である。近年、災害用トイレの普及により改善の方向にあるが、未だ充分とはいえず改善が求められている。
【0003】
避難生活に不可欠の要素として水の問題があり、これは飲料水の供給と、それを消費した結果必要となる廃水の処理に伴う事項等を含む。給水は多くの場合、給水車などに頼ることになるが、飲用以外の生活用水には上水道と同質でなくても良い場合も多く、それには上水道と同質の水を使用するという無駄が伴う。飲用以外の用途に中水を利用すれば、飲用分の制限も緩和されるし、中水は浄水化するのも容易である。また、豪雨による災害下における水量の制御のために、貯水設備を地下に構築することが行なわれている。従来のこの種の貯水設備は、災害時に備えるため常時空の状態になっており、河川の洪水が予想されるときに貯水を開始し、事後再び河川に放流する方式であるが、それ以外に用途は無い。
【0004】
これらに関する先行技術を見ると、例えば、特開平10−140628の発明があり、それは工程や多目的広場等の地下に貯水槽を設け、その一部に沈殿槽を設けて上澄み液を貯留し防災用水等に使用し、下流側の一部を災害発生時のトイレに使用する構成である。しかし、上記貯水槽は常時空ではないので災害時の貯水には使用できず、トイレに使用した後の汚物を下水道にポンプで放出するのでポンプを使えるまでの時間が掛かり、下水道への負担も大きく、貯水槽の機能維持のために洗浄が必要であり問題が多い。特開平11−107362の発明も下水道に汚物を流す方式を取っており、貯水タンクは仮設トイレに供給する手段に過ぎない。また、特開2009−77773はし尿を流す流路を有するコンクリートブロックを溜桝コンクリートブロックと連結し、暫時貯留する方式としたものであるが、後日の汲み取りが必要であり、トイレ以外には使用することができない。
【0005】
【特許文献1】特開平10−140628
【特許文献2】特開平11−107362
【特許文献3】特開2009−77773
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、災害発生時に使用するトイレの機能と、災害時の貯水のための手段等の複数の機能部を併せ持つ災害対策用複合設備を提供することである。また、本発明の他の課題は、雨水貯留部に中水貯留部を併設することにより、雨水の再利用を可能にした災害対策用複合設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、災害対策のために複数の機能部を合わせ持つように構成された設備として、区画された箇所を有し、上記箇所にカセット型便槽を配置し、上記便槽に通じる便口を持ち、かつ、上記個所の上部に配置して便槽を覆う着脱可能な覆い板を有するトイレ部と、上記トイレ部に隣接して設置され、基盤上に複数個のプレキャスト中空体を分散配置し、上記中空体を配置した所定の領域を覆うとともに、災害時に貯水空間を維持するために、通常時は流入した雨水の排水を可能にした構成を有する雨水貯留部と、上記雨水貯留部に通常時に流入した雨水を汲み上げるためにポンプを装備し、かつ、上記トイレ部に使用する便器を収容した倉庫部と、上記トイレ部又は雨水貯留部に隣接して配置され、雨水貯留部に流入した雨水を中水道として使用するために濾過して貯留する中水貯留部とを具備して構成するという手段を講じたものである。
【0008】
本発明の災害対策用複合設備は、トイレ部、雨水貯留部、倉庫部及び中水貯留部を具備して構成されており、これによって災害対策のために複数の機能部を合わせ持つように構成されている。トイレ部は災害時において排泄機能を受け持つ部分であり、雨水貯留部は水害を伴う災害において水流の一時貯留機能を有する部分であり、また、災害時以外には中水貯留部に中水を貯留する際の水源としても利用される。倉庫部は、中水を得るとともに、トイレを使用可能とするために必要な機材等の収容機能を有する部分であり、中水貯留部は中水を適宜貯留しておく機能を有する部分である。
【0009】
上記トイレ部は、区画された箇所を有し、上記箇所にカセット型便槽を配置するとともに、上記便槽の開口と位置を一致させた開閉蓋を有する。トイレ部は、例えば、コンクリートを用いて、桝形に区画された恒久的構造を備えることが望ましく、この桝形の箇所が1基のトイレとして使用できるようにその大きさと形状が決められる。区画された箇所には、カセット型の便槽の開口と一致させた、上記便槽に通じる便口を持ち、かつ、上記個所の上部に配置して便槽を覆う着脱可能な覆い板が設けられる。
【0010】
カセット型便槽は、区画された箇所に配置されるだけのものであり、従って、上記箇所から取り出し、かつ、再配置可能である。このため、トイレ部自体がし尿で汚れることはなく、清潔さが維持される。カセット型便槽はプラスチック製のものとし、トイレ部の区画から容易に取り出し得る形状及び大きさを有するものとする。
【0011】
上記雨水貯留部は、トイレ部に隣接して設置され、基盤上に複数個のプレキャスト中空体を分散配置し、上記中空体を配置した所定の領域を覆い構造で覆うことで、大きな貯留規模を確保する。特に、プレキャスト中空体を分散配置することで、構築空間のほぼ80〜90%という高い貯留効率を確保することができる。
【0012】
雨水貯留部は、災害時に貯水空間を維持するために、通常時は流入した雨水の排水を可能にした構成を有する必要がある。そのための排水には、本発明の設備を設置した地域において想定されている降水量に基づき、例えば、雨水貯留部の底部にオリフィスを設け、雨水貯留部から排水される量を許容された範囲内に管理し、下流の負担にならないようにすべきである。
【0013】
上記倉庫部には、雨水貯留部に一時的に流入した雨水を汲み上げるためのポンプを装備し、かつ、上記トイレ部に使用する便器を収容する。倉庫部に装備すべき機材、資材等は上記に限るものではないが、上記2点は不可欠であり、これら以外については自由に決めることができる。他の機材、資材等としては濾過器、換気装置、発電機、散水ポンプなどを挙げることができる。これらの機材の内、換気装置、発電機、散水ポンプについては、個々のトイレ部等との連絡のために配管、配線を配設することができる。
【0014】
上記中水貯留部は、トイレ部又は雨水貯留部に隣接して配置され、雨水貯留部に流入した雨水を中水道として使用するために濾過して貯留する。上記トイレ部、雨水貯留部、中水貯留部は、上下に重ならないように平面配置されていることが望まれ、それによって、隣接各部の壁面が夫々共有された構造となり、全体がコンパクトにまとめられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、トイレ部による災害発生時に使用するトイレの機能と、雨水貯留部による災害時の貯水のための手段等の複数の機能部を併せ持つ災害対策用複合設備を提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、雨水貯留部と併設した中水貯留部により、雨水の再利用を可能にした災害対策用複合設備を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係る災害対策用複合設備10の一例を向かって左側から見た状態、図2は右側から見た状態を示しており、図から明らかなように本発明の設備10はトイレ部11、雨水貯留部12、倉庫部13及び中水貯留部14を具備して構成されている。
【0017】
図示の各例にも見られるとおり、本発明の設備10は、平面的にはトイレ部11、雨水貯留部12、中水貯留部14が、上下に重ならないように配置されており、かつ、隣接各部の壁面が夫々共有された構造を有している。しかしながら、本発明の設備10は雨水貯留部12のみ地表面下に設置し、トイレ部11と中水貯留部14はその一部を地下に、上部は地上に設置し、倉庫部13を地上に設置している。配置については、衛生上の問題から各部を相互に離して設けるなど特別の要請がある場合もあるので、上記のような共有構造とせずに各部が独立した選択も取り得る。雨水貯留部12については表土で覆うことでグラウンド等として使用可能であり(逆に、グラウンド等の下に雨水貯留部12を設置可能ということでもある。)、必要十分な面積を確保し易い。
【0018】
トイレ部11は底面15、左右の側壁16、17、中間の仕切り壁18から成る2列構造のコンクリート枠によって構築されており、長手方向に延長可能である(図2参照)。左右の側壁16、17の間は、仕切り壁18によって桝形に区画された箇所19になっており、各箇所19は用便のために所要の広さを有し、夫々の箇所19にカセット型の便槽20が配置されている。
【0019】
図3は、トイレ部11としてより望ましい構造の一例を示しており、その区画された箇所19は、ピット型に掘り下げられた構造に設けられている。各区画を仕切る位置の側壁16、17には縦溝から成る仕切り手段21が上から中程まで形成してあり、そこにプラスチック製のカセット型便槽20が1個ずつ配置される。カセット型便槽20はトイレ部11の床面積とほぼ同等の平面積を有するものとし、受け入れ予定避難者1日当たりのし尿発生量及び貯留期間に基づいて対応可能な人員を設定し、それに基づいて便器の設置個数を決定する(後述の事例分析を参照のこと。)。
【0020】
上記仕切り手段21には、便槽ずれ止め部材22がその両端部にて係合させて取り付けられる。他方、カセット型便槽20には中間深さ位置の外周面に、係合相手部23として凹溝が形成されており、上記仕切り手段21と係合してカセット型便槽20の位置決めがなされるようになっている。係合相手部23は、カセット型便槽20をトイレ部の区画から取り出す際の係合部としても利用し得る。なお、カセット型便槽20は、上面に便槽開口部24が下部便口として形成されている。
【0021】
トイレ部11は、さらに、上記便槽20に通じる上部の便口26を持ち、かつ、上記個所19の上部に配置してカセット型便槽20を覆う着脱可能な覆い板27を有している。この覆い板27はコンクリート製のいわばスラブで、前記左右の側壁16、17、中間の仕切り壁18に載置され、トイレ部11の上部を閉塞する蓋として機能する。上記の便口26は、平素閉じ蓋28によって閉塞される。そして、災害時には、覆い板27の上に組立便器を据え付け、囲みで周囲を囲んだ臨時トイレが設置される。
【0022】
雨水貯留部12は、底面29、周囲を囲む側壁30及び上面を覆う天板31から成る貯水空間32をコンクリート枠によって構築したもので、左右前後方向に拡大可能である。空間効率の高い貯水空間32を構成するため、基盤となる底面29上に複数個のプレキャスト中空体33が分散配置される。プレキャスト中空体33は、6面全面に大きな開口を形成して空隙率を高め、角部を柱とした立方体の軽量コンクリート製品から成り、空間形成のための柱として機能するもので、構築空間の80〜90%に及ぶ空隙率を得ることができる。
【0023】
上記雨水貯留部12は、対象領域の地面を掘削して設置し、かつ、その上面を再度土砂で覆って半地下式に形成するもので、地上面を多目的に使用することができる。この貯水空間32は、雨水排水設備として設置されている側溝、ヒューム管等から成る雨水集水系統と接続され、流入した雨水を必要に応じて受け入れるとともに、通常時は必要量以上の雨水の排水を可能にした構成を有する。その際、雨水貯留部の底部にオリフィスを設け、前述の如く、本発明の設備10を設置した地域において想定されている降水量に基づく量の排水が行われるように管理される(図示せず)。
【0024】
雨水貯留部12の上記構造によって、通常の降水量の時には随時の排水機能により内部が空虚な状態にあり、貯水空間として維持される。他方、水害等の自体が出来したときには貯水空間32に雨水集水系統から流入した水を溜めて、一種のダムとして機能を発揮するので、洪水に至る危険を緩和することができる。この場合にも、排水量は管理されているから、限界に至るまでは下流の負担になることがない。なお、31aは点検口であり、地表に開口することが望ましい。
【0025】
倉庫部13は、本発明設備における構成要素中で唯一他の要素と隣接させなくても良い部分である(隣接させても良い。)。倉庫部13は上記雨水貯留部12に通常時に流入した雨水を汲み上げるために揚水ポンプ34、換気装置35を装備し、かつ、上記トイレ部11に使用する組立便器をはじめとして発電機36、濾過器、散水ポンプ(いずれも図示せず)などを収容する。
【0026】
なお、上記倉庫部13内に設置する揚水ポンプ34、配管25又は配線等によって、後述するように他の構成要素と接続される。また、上記倉庫部13は、地上に建設されてグラウンドラインGLから立ち上がっているので、この部分が、本発明の設備10にとってはその存在を示す目印になるであろう(図7、図8参照)。
【0027】
中水貯留部14は、雨水貯留部12に隣接しトイレ部11と共にやや上位に配置されたコンクリート製中空構造体であり、雨水貯留部12に流入した雨水を中水道用に使用するために濾過して貯留する。そのための濾過器は倉庫部13に設置されており、水栓37の開閉によって配管38を通じて中水が中水貯留槽14に貯留され、余水は排水管39を通じて排出される。14aはマンホール蓋で、中水貯留部14の上面に設けられた点検用開口を閉塞する。
【0028】
さらに、倉庫部13の換気装置35から換気用配管40が、トイレ部11の内部と中水貯留部14の内部に向けて伸びている(図6及び図2等参照)。換気装置35により、中水貯留部14に貯留されている水の変質を、高温化においても緩和ないし遅延することができる。また、災害時にトイレ部11が使用される状態において、臭気を緩和し衛生状態を良好に維持することができる。なお、中水貯留部14の中水は、配管を通じてトイレ部11に引き込み、手洗いないしは水洗用に使用することができ、また、散水ポンプを使用して水撒き、或いは手足の洗浄等に使用可能である。
【0029】
ここで、図9により臨時トイレの一例を説明する。まず、トイレ部11の覆い板27に開けられている便口26に用便口を有する敷板41を敷き、その上に腰掛式の便器42を固定する。便器42は便座カバー43を有していることが望ましい。そして、その周囲をテント44によって囲い、テント44は任意の固定具類45を用いて上記覆い板27などに固定する。出入りは正面のフラップ44aを開閉して行う。敷板41は、便口26の径等が異なるケースを考慮して、アダプターとして使用され、ボルト46を用いて便器42を固定することが望ましい。
【0030】
本発明の災害対策用設備10は上記のように構成されており、組立便器には様々な様式のものを使用可能であり、特に、腰掛式の便器を使用することで、足腰の弱い高齢者に掛かるであろう、負担を減少することができる。特に本発明の設備10においては、便容器にカセット型便槽20を使用しているので、満杯になったときにトイレ部11から簡単なクレーン等を用いて、吊上げ廃棄場所へ運搬の上、し尿を廃棄し、内部を洗浄して再使用することができる。このため、カセット型便槽20を配置するトイレ部内が汚れたり、或いは汚物が付着して臭気が残ったりするというような事態が起こり得ない。
【0031】
事例分析
ある避難場所に500人が避難していると仮定した場合、し尿発生原単位量は約1.5l/一人/一日として、一日に溜まるし尿の量は500人×1.5リットル=750リットル=0.75mとなる。1カ月では0.75m×30日=23mと膨大な量である。他方、少なくとも20人に一つの割合でトイレが必要であるとすると、500人規模の避難場所には最低でも25個のトイレが必要となる。1個のトイレに必要な面積をA=1.2m×1.2m=1.44m≒1.5mとすると、貯留施設全体での最低必要面積はA=1.5m×25個≒38mとなり、この最低面積で貯留施設に必要な深さは、6か月では23m×6=138mであるから、138m÷(A)38m=(H)3.6m余となる。図1の例のトイレ数は12個と、上記の6割であるから、好適避難人員は300人の計算となる。或いは3カ月ごとにカセット型便槽20を取り出して開けることができるならばその2倍程度までは受け入れが可能になろう。
【0032】
多くの避難場所となっている学校では、本発明の設備面積を確保するには校庭の地表面や地下を利用できるが、公民館やその他の避難場所になっている公共施設ではこれだけの面積を確保できるスペースがない場合もあり得る。学校の場合でも仮設トイレは、平常時は使用しない施設であり、多少コストは掛かっても、耐震性の優れた地下施設にした方が良いであろう。その場合でも、総合治水の観点から、校庭の地下に設置されることが多くなった雨水地下貯留施設に併設して設置することにより、コストは相当削減可能である。
【0033】
以上のように、本発明の災害対策用設備10は、これをコンクリート構造によって形成することを前提としているので、大地震を想定した対応を取り易く、設備を複合させているため、工事の分離発注がなくなり、経費を削減することができる。さらに、単なるトイレ設備や貯水設備に止まらず、中水貯留部14を具備しているので、雨水の本格的な再利用が可能になり、延いては水使用制限緩和も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る災害対策用複合設備の一例を示す一側の斜視図である。
【図2】同じく他側の斜視図である。
【図3】同上におけるトイレ部の詳細を示す斜視図である。
【図4】同じく長手方向端部を示す全体側面図である。
【図5】図4の部分Vを示す図である。
【図6】同じく本発明に係る災害対策用複合設備の全体を示す平面図である。
【図7】同じく全体を示す正面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】臨時トイレの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
10 本発明に係る災害対策用複合設備
11 トイレ部
12 雨水貯留部
13 倉庫部
14 中水貯留部
15 底面
16、17 側壁
18 仕切り壁
19 区画された箇所
20 カセット型便槽
21 仕切り手段
22 ずれ止め部材
23 係合相手部
24 便槽開口部
25 配管
26 便口
27 覆い板
28 閉じ蓋
29 底面
30 側壁
31 天板
32 貯水空間
33 プレキャスト中空体
34 揚水ポンプ
35 換気装置
40 配管
42 便器
44 テント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害対策のために複数の機能部を合わせ持つように構成された設備であって、
区画された箇所を有し、上記箇所にカセット型便槽を配置し、上記便槽に通じる便口を持ち、かつ、上記個所の上部に配置して便槽を覆う着脱可能な覆い板を有するトイレ部と、
上記トイレ部に隣接して設置され、基盤上に複数個のプレキャスト中空体を分散配置し、上記中空体を配置した所定の領域を覆うとともに、災害時に貯水空間を維持するために、通常時は流入した雨水の排水を可能にした構成を有する雨水貯留部と、
上記雨水貯留部に通常時に流入した雨水を、ポンプを用いて汲み上げるとともに、雨水貯留部に流入した雨水を中水道として使用するために濾過して貯留する中水貯留部と、
を具備して構成された災害対策用複合設備。
【請求項2】
トイレ部、雨水貯留部、中水貯留部は、上下に重ならないように平面配置されており、かつ、隣接各部の壁面が夫々共有された構造を有している
請求項1記載の災害対策用複合設備。
【請求項3】
上記トイレ部又は雨水貯留部に隣接して配置され、上記雨水貯留部に通常時に流入した雨水を汲み上げるためにポンプを装備し、かつ、上記トイレ部に使用する便器を収容した倉庫部を具備しており、カセット型便槽はプラスチック製のもので、トイレ部の区画から取り出し得る形状及び大きさのものから成る
請求項1記載の災害対策用複合設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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