説明

炭化ケイ素焼結体の製造方法および炭化ケイ素焼結体

【課題】高密度で熱伝導性に優れ、高強度の炭化ケイ素焼結体を相対的に低圧、低温の条件で製造できる方法を提供すること。
【解決手段】放電プラズマ焼結法により炭化ケイ素焼結体を製造する方法。平均粒径5μm以下の炭化ケイ素にアルミニウム粉体を焼結助剤として添加して、温度1400〜1800℃及び圧力20〜70MPaの条件下で焼結させる。そして、当該方法で製造された炭化ケイ素焼結体は、炭化ケイ素(SiC)と、Al及び/又はAl43若しくはAl4SiC4等の炭化アルミニウム系化合物を含む粒界相とからなるとともに、Al:0.5〜7%、残部が実質的にSiCの組成であり、かつ、相対密度が95%(密度:3.0g/cm3)以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化ケイ素焼結体の製造方法および炭化ケイ素焼結体に関し、さらに詳しくは、高密度(熱伝導性に優れる。)で強度に優れるとともに炭化ケイ素焼結体を相対的に低圧・低温の条件で焼結して製造する方法及び当該方法により製造される炭化ケイ素焼結体に関する。
【0002】
ここでは、ゴミ焼却発電設備等における燃焼ボイラの周壁(炉壁)に配されるボイラチューブ(加熱管)の炉内露出面側を保護するボイラチューブ保護材(加熱管保護材)を例に採り説明する。本発明の方法により製造する炭化ケイ素焼結体は、加熱管保護材の他に、放熱基板、セラミック焼成用棚板等の、高強度とともに良好な熱伝導性が要求される製品にも適用できる。
【0003】
以下、本明細書において、含有量を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
【背景技術】
【0004】
上記のようなボイラチューブ保護材12は、燃焼炉14の周壁14aに保持されたボイラチューブ16の炉内側に配されるものである。なお、ボイラチューブ16の外側は断熱レンガ等の断熱材18が配されている。(図1参照)
該ボイラチューブ保護材12は、一般の加熱管(伝熱管)に要求される高伝熱性は勿論、ゴミ焼却により高温腐食環境下に曝されるため、高度の高温耐食性が要求され、さらには、運転開始時・終了時に熱衝撃を受け、耐熱衝撃性・低熱膨張率も要求される。
【0005】
これらの要求を満たす材料として、炭化ケイ素(SiC)が知られている。例えば、日本化学会編「化学便覧応用編 改訂3版」(昭55-3-15)丸善、p433の「(i)炭化ケイ素SiC」の項には、「熱膨張係数が約5.5×10-6-1と小さく、熱伝導率が大きく、急熱急冷によく耐えるので、耐火材料として窯炉のマッフル(隔壁)、陶磁器焼成用のさや鉢、棚板、支柱、亜鉛蒸留用レトルト、熱交換用ブロックなどに広く利用されている。」と記載されている。
【0006】
しかし、炭化ケイ素は、同項に記載されている如く、炭化ケイ素の融点(分解溶融点)は2830±40℃と非常に高く、硬さもダイヤモンド、炭化ホウ素についで高い。このためセラミックスの二次加工(forming)は、金属のような曲げ加工や切削加工は困難であり、ダイヤモンド工具による研削や研磨によらざるを得ず、二次加工コストが嵩んだ(特許文献3段落0002参照)。
【0007】
したがって、セラミックスの加工コストを下げるために、部品(製品)の最終形状または最終形状に近い形に焼結成形する必要がある(同文献、段落0003参照)。
【0008】
そして、炭化ケイ素焼結体を得る方法として、特許文献1〜4に、それぞれ、下記概要の製造方法が記載されている。
【0009】
特許文献1には、平均粒子寸法を5μmより小さくミル処理したアルミニウム粉0.5〜5%を添加し、ホットプレス法(1950℃以上×2000psi(1.39Mpa)以上)で焼結する方法が記載されている(請求項2等参照)。しかし、当該焼結体におけるAlは、結晶格子中に拡散して、孤立相として酸化アルミニウム、炭化アルミニウム又は珪化アルミニウムが実質的に存在しない(同文献、第3頁上右欄参照)。
【0010】
特許文献2には、炭化ケイ素の粉末またはウィスカーを原料として、プラズマ放電焼結を、温度1600〜2300℃及び圧力50〜500kgf/cm2(4.9〜49MPa)の条件で行って製造する方法が記載されている(請求項1・2等参照)。
【0011】
特許文献3には、「平均粒径が0.3μm以下で、比表面積が20m2/g以上である炭化ケイ素微粉末86重量%以上98.5重量%以下に、1.5重量%を超え14重量%未満のAl酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、およびSiO2のうちの1種類以上を焼結助剤として添加・混合した後、中性雰囲気中で、1500〜1950℃の温度、100〜1000kg/cm2(9.8〜98MPa)の圧力下でプラズマ焼結することを特徴とする超塑性炭化ケイ素焼結体の製造方法。」が記載されている(請求項5等参照)。
【0012】
特許文献4には、「炭化ケイ素(SiC)の粉体を主材とした圧粉体を焼結雰囲気中で加熱して焼結する方法において、上記主材に対し炭化アルミニウム(Al43)と窒化ケイ素(Si34)のいずれか一方又は両方からなる添加材を添加混合してプラズマ焼結する炭化ケイ素焼結材の製造方法。」が記載されている(要約、請求項6等参照)。この技術は、上記添加材の添加量を調節することによりp型・n型電気伝導型とそのキャリア濃度を制御する技術であり、高密度体を得る技術ではない。
【0013】
上記各特許文献は、いずれも本発明の特許性に影響を与えるものではない。
【特許文献1】特開昭49−7311号公報
【特許文献2】特開平7−33529号公報
【特許文献3】特許第2671945号公報
【特許文献4】特開2003−95745公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記にかんがみて、放電プラズマ焼結法により、高密度で熱伝導性に優れ、新規な構成の高強度の炭化ケイ素焼結体を相対的に低圧・低温の条件で製造できる方法及び当該製造方法により製造される炭化ケイ素焼結体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法は、下記構成により上記目的(課題)を解決するものである。
【0016】
放電プラズマ焼結法により炭化ケイ素焼結体を製造する方法であって、
平均粒径5μm以下の炭化ケイ素にアルミニウム粉体を、又は、該アルミニウム粉体とともに炭素粉体を、焼結助剤として添加して、温度1400〜1800℃及び圧力20〜70MPaの条件下で焼結することを特徴とする。
【0017】
当該製造方法で製造した新規な炭化ケイ素焼結体は、SiCの粒界相が炭化アルミニウム系化合物を含んで形成されていることにより、高密度及び高強度である。なお、SiCの焼結に際して、Al、C等の焼結助剤は負の因子として働くとされていたため(特許文献2段落0002参照)、当業者にはその使用が躊躇されていた。このため、SiCの焼結助剤として、アルミナ(Al酸化物)、イットリア(希土類金属酸化物)等の酸化物を使用することが提案されている(特許文献3、請求項5〜7等参照)。
【0018】
しかし、本発明者らは、所定の比率で、炭化ケイ素粉体に焼結助剤としてアルミニウム粉体、又は、アルミニウム粉体とともに炭素粉体を添加して混合し、相対的な低圧・低温で放電プラズマ焼結した場合に、焼結助剤(AlやC)が負の因子として働かず、逆に高強度・高密度(高伝熱性)の炭化ケイ素焼結体が得られることを見出した。
【0019】
ここで、放電プラズマ焼結(SPS:Spark Plasma Sintering)とは、図2(a)に示すような放電プラズマ焼結装置を使用して、焼結することをいう。
【0020】
それぞれカーボン(黒鉛)製の筒状のダイ22と一対の上・下パンチ(電極)24、25とで賦形空間(キャビティ)26を形成し、該キャビティ26に粉体原料(SiC)28を充填する。この状態で、上・下パンチ24、25間にパルス電流を流すとともに、ダイ22も抵抗発熱させ、さらに、上・下パンチ24、25で加圧して、焼結加工を行う。
【0021】
この放電プラズマ焼結の初期には、ミクロ的には、図2(b)に示す如く、粒子表面をパルス電流が流れて放電し、結合ネックが形成され、上記放電加熱に加えて、ダイによる抵抗加熱と加圧の相乗により塑性流動が発生して、該結合ネックの空隙が充満していく。いわゆる固相焼結が行われる。この際、Alは低融点であるため融解して、SiCの炭素又は遊離炭素と反応して、Al3SiC4、Al34等を含む粒界相が形成されると推定される。
【0022】
上記製造方法において、アルミニウム粉体(Al粉体)の添加量は、焼結体原料中0.5〜7%(更に好ましくは0.5〜5%)、又は、Al粉体とともに炭素粉体(C粉体)を添加する場合のAl粉体及びC粉体の添加量は、焼結体原料中それぞれ0.5〜7%(更に好ましくは0.5〜5%)及び0.01〜2%であることが望ましい。Al及び/又はCの含有率が過少でも過多でも、高密度の焼結体を得難くなる。また、後者のAl粉体とともにC粉体を添加する場合は、反応に伴って遊離するケイ素(Si)の比率が小さくなり、より強度の高いかつ高密度の炭化ケイ素焼結体が得やすくなる。
【0023】
焼結の条件は、温度1550〜1700℃及び圧力30〜50MPaとすることが望ましく、また、炭化ケイ素の平均粒径は0.4〜3.0μmであることが望ましい。
【0024】
そして、上記製造方法で製造される炭化ケイ素焼結体は、下記構成となる。
【0025】
炭化ケイ素(SiC)と、アルミニウム(Al)及び/又はAl43若しくはAl4SiC4等の炭化アルミニウム系化合物を含む粒界相とからなるとともに、Al粉体を上記添加量(Al:0.5〜7%)とする場合は、残部が実質的にSiCの組成であり、かつ、相対密度が95%(密度:3.0g/cm3)以上の構成となり、また、Al粉体とともにC粉体の添加量を上記各範囲(Al:0.5〜7%、C(SiCのCを除く。)0.01〜2%)とする場合は、残部が実質的にSiCの組成であり、かつ、相対密度が95%(密度:3.0g/cm3)以上の構成となる。
【0026】
上記構成において、相対密度は98%(密度:3.1g/cm3)以上、さらには99%(密度3.15g/cm3)以上である構成とすることが望ましい。高密度ほど、高熱伝導率が期待でき、前記チューブ保護管等の材料として好適なものとなる。
【0027】
そして、上記各構成の炭化ケイ素焼結体は、通常、曲げ強度500MPa以上となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法は、高強度・高密度である焼結体を、相対的に低圧・低温度で製造できる。このため、焼結のための消費電力の低減が可能となる。例えば、1900℃の焼結に対し、1700℃の焼結は、消費電力が約3割方低減する。
【0029】
また、放電プラズマ焼結(SPS)装置の最大能力より遥かに小さな加圧・温度条件で運転できるため、SPS装置の各部品の耐用期間が長くなり、メンテナンス的にも有利となる。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の構成の根拠となる実施例・試験例について説明する。使用したプラズマ焼結(SPS)装置は、住友石炭鉱業(株)製「Dr.SINTER SPS-7.40 MK-V」(仕様:常用温度〜1700℃、電流出力400〜10,000A、耐荷重600〜100,000kgf(5.9〜980kN))である。
【0031】
1)SiC焼結体原料の評価
各種市販の工業原料A、B、C及び一級試薬で評価した。各原料の粒度分布は図3の通りである。
【0032】
各原料を径30mmφのキャビティに22.7gずつ充填し、仕様上の許容最大加圧力70MPa一定として、1800、1900、2000℃の各温度まで11min間で昇温後5min間保持して焼結した。得られた焼結体について密度を測定して、相対密度(SiC密度=3.2g/cm3)を求めた。
【0033】
その結果を示す図4から、一番望ましい工業原料Cでも、高圧(最大仕様の70MPa)、高温(常用温度を超える1850℃以上)でなければ、高密度の(緻密な)、すなわち相対密度95%以上のSiC焼結体を得ることは困難であることが分かる。ちなみに、工業原料A、Cを用いた場合の加圧力、温度を変えた場合の相対密度は表1の通りであり、加圧力が低くなると相対密度も低くなる。
【0034】
【表1】

2)アルミニウム添加の評価
工業原料CにAl粉体をそれぞれ1%、1.5%、2%、5%となるように添加し、Si34容器内にSi34ボールが入った遊星式ボールミル(フリッチュ・ジャパン(株)製「Pulverisette5」)にて、エチルアルコールを適量加え、100rpmで2h混合した。混合後ロータリーエバポレータを用いて乾燥し、さらに乾燥炉にて150℃×2hで完全に乾燥させた後、解砕し、焼結に使用した。各試料を、径:30mmφのキャビティに22〜23gずつ充填し、加圧力を一定(30MPa)として、15minで1500℃、1550℃、1600℃、1650℃及び1700℃の各温度まで昇温し、5min間保持して各焼結体を得た。
【0035】
得られた各焼結体について、密度を測定して、相対密度を求めた。その結果を示す図5から、1.5%以上のAl添加量では、1600℃、30MPaの相対的に低圧・低温で、高密度(緻密な)の、すなわち、相対密度95%以上のSiC焼結体を得ることができた。なお、Al添加量が10%の場合、1600℃を超えると、昇温中にAlが吹き出し、実用化可能なSiC焼結体が得られなかった。
【0036】
3)炭素添加の評価
上記試料2において、炭素(C:SiCの炭素除く。)1%となるように添加して、上記と同様の混合調製した試料を用い、径:30mmφのキャビティに22.5g充填し、加圧力を一定(30MPa)として15minで1600℃まで昇温し、5min間保持して焼結体を得た。得られた焼結体の相対密度は99.0%であった。
【0037】
4)各種助剤の添加評価
工業原料CにそれぞれAl:2%、5%、Al23:2%、Ni:5%、Y23:5%を添加し、混合調製した試料を用い、径:100mmφのキャビティに250〜257gを充填し、加圧力を一定(40MPa)として14minで1600℃まで昇温し、5min間保持して各焼結体を得た。各焼結体について、相対密度を求めた結果を図6に示す。Al添加の場合では、2%及び5%共に相対密度99%以上の焼結体が得られるのに対し、他の酸化物系添加物(Al23、Y23;特許文献3に例示されている。)や金属系添加物(Ni)では、上記の低温・低圧(1600℃、40MPa)において、相対密度80%未満しか得られないことが分かる。
【0038】
5)焼結試料の形状の評価
工業原料CにそれぞれAl:2%、5%を添加し、混合調製した試料を用い、径:60mmφ、100mmφ又は70mm□の各平面形状(厚み10mm)の各焼結体を得た。焼結温度及び加圧力は表2に示すものとした。表2に示すごとく、相対密度98.8〜99.2%の高密度(緻密な)の、すなわち、相対密度98%以上のSiC焼結体を得られた。特に、70mm□の焼結体は、正方タイル形状であることからボイラチューブ保護材等に用いた場合、他の切削工程が不要となる。
【0039】
【表2】

6)焼結試料の特性評価
工業原料CにAl:2%、5%を添加し、混合調製した試料を用い、径:100mmφ、焼結温度:1700℃、加圧力:30MPaの条件で得た焼結体をそれぞれ実施例1、2とし、既製のボイラチューブ保護材または棚板をそれぞれ比較例1〜5として、下記各種特性評価を行った。各実施例、比較例の主要組成、開気孔率を表3に示す。
【0040】
【表3】

6−1)曲げ強度評価
本試験は、JIS R 16011995 及び JIS R 16041995に準拠し、試験片を一定距離(30mm)に配置した2支点上に置き、支点間の中央の1点に加重を加えて折れたときの最大荷重より曲げ強度を求めた。1000℃の高温曲げ強度試験では、10℃/minで昇温後、30min保持して行った。その結果を示す図7から、各実施例は緻密質であることから、特に実施例1において、室温下で700Mpa以上、(ボイラチューブ保護材使用雰囲気下である)1000℃で500MPaの強度が得られ、各比較例を大幅に上回った。
【0041】
6−2)熱衝撃強度試験評価
本試験は、JIS R 16482002 に準拠し、試験片をアルミナ繊維で電気炉内へ吊し、昇温速度10℃/minで炉内を加熱した後、設定温度(200℃、400℃)に30min保持し、電気炉下部に設置した水槽へ自然落下させ急冷した。その後、室温・大気中にて3点曲げ試験を行った。一定距離(30mm)に配置した2支点上に置き、支点間の中央の1点に加重を加えて折れたときの最大荷重より曲げ強度を求めた。その結果を示す図8から、実施例は緻密質であることから、特に実施例1において、温度差200℃、400℃ともに600Mpaを上回り、比較例5(比較例中、強度最大)の倍以上の高強度となった。
【0042】
6−3)熱伝導度試験評価
本試験は、DSC法およびレーザーフラッシュ法によりそれぞれ比熱容量と熱拡散率を求め、比熱容量と熱拡散率と密度の積により熱伝導度(熱伝導率)を算出した。図9に示す結果から、実施例1、2は比較例3、5と同程度であり、他と比べて遜色ない特性が得られた。
【0043】
6−4)熱膨張試験評価
本試験は、長さ20mmの試料を用い、常温から1400℃まで5℃/minで昇温した際の熱膨張結果から線膨張係数を求めた。図10に示す結果から、各実施例は各比較例に比べ、若干膨張係数が小さくなり、変形による劣化や応力歪みが生じにくい焼結体であることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】炭化ケイ素焼結体の適用分野の一例である加熱管保護材の使用態様を示す断面図である。
【図2】本発明における放電プラズマ焼結(SPS)の原理説明図である。
【図3】炭化ケイ素焼結体をSPSにより製造する場合における、市販の各炭化ケイ素粉末原料(工業原料)及び試薬の粒度分布図である。
【図4】図3の各工業原料および試薬を加圧力(70MPa)を一定にして焼結温度を変化させてSPS加工により得られた各焼結体の相対密度計測結果を示すグラフ図である。
【図5】Al添加量を変化させた各混合原料を、加圧力(30MPa)を一定にして、焼結温度を変化させてSPS加工により得られた各焼結体の相対密度計測結果(Al添加効果)を示すグラフ図である。
【図6】各種助剤を所定量添加混合した各混合原料を、加圧力(40MPa)及び焼結温度(1600℃)を一定にしてSPS加工したときの相対密度結果(各種助剤の添加効果)を示すグラフ図である。
【図7】各実施例及び比較例の試験片について、曲げ強度試験(室温及び1000℃)の結果を示すヒストグラムである。
【図8】同じく、熱衝撃強度試験(△200℃と△400℃)の結果を示すヒストグラムである。
【図9】同じく、熱伝導度(熱伝導率)試験の結果を示すヒストグラムである。
【図10】同じく、熱膨張(線膨張係数)試験の結果を示すヒストグラムである。
【符号の説明】
【0045】
22・・・ダイ
24・・・上パンチ(電極)
25・・・下パンチ(電極)
26・・・キャビティ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電プラズマ焼結法により炭化ケイ素焼結体を製造する方法であって、
平均粒径5μm以下の炭化ケイ素にアルミニウム粉体を焼結助剤として添加して、温度1400〜1800℃及び圧力20〜70MPaの条件下で焼結することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項2】
前記アルミニウム粉体の添加量が、焼結体原料中0.5〜7質量%であることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項3】
放電プラズマ焼結法により炭化ケイ素焼結体を製造する方法であって、
平均粒径5μm以下の炭化ケイ素にアルミニウム粉体及び炭素粉体を焼結助剤として添加して、温度1400〜1800℃及び圧力20〜70MPaの条件下で焼結することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項4】
前記アルミニウム粉体及び炭素粉体の添加量が、焼結体原料中それぞれ0.5〜7質量%及び0.01〜2質量%であることを特徴とする請求項3記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項5】
前記焼結の条件が1550〜1700℃及び圧力30〜50MPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項6】
前記炭化ケイ素の平均粒径が0.4〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の製造方法により製造された炭化ケイ素焼結体であって、
炭化ケイ素(SiC)と、アルミニウム(Al)及び/又はAl43若しくはAl4SiC4等の炭化アルミニウム系化合物を含む粒界相とからなるとともに、
Al:0.5〜7質量%、残部が実質的にSiCの組成であり、かつ、相対密度が95%以上であることを特徴とする炭化ケイ素焼結体。
【請求項8】
相対密度が98%以上であることを特徴とする請求項7記載の炭化ケイ素焼結体。
【請求項9】
請求項3記載の製造方法により製造された炭化ケイ素焼結体であって、
炭化ケイ素(SiC)と、アルミニウム(Al)及び/又はAl43若しくはAl4SiC4等の炭化アルミニウム系化合物を含む粒界相とからなるものであるとともに、
Al:0.5〜7質量%、C(SiCのCを除く。)0.01〜2質量%、残部が実質的にSiCの組成であり、かつ、相対密度が95%以上であることを特徴とする炭化ケイ素焼結体。
【請求項10】
Al:0.5〜7質量%、C(SiCを除く。)0.02〜1質量%、残部が実質的にSiCの組成であり、かつ、相対密度が99%以上であることを特徴とする請求項9記載の炭化ケイ素焼結体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−238382(P2007−238382A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64305(P2006−64305)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】