説明

炭化方法及び炭化装置

【課題】 炭化炉を予め設定した温度範囲に制御することにより、製造した炭化物の物性,性状が安定化し、しかも、補助燃料の使用量を低減化して省エネルギー炭化を可能とした炭化方法及び炭化装置を提供すること。
【解決手段】 加熱燃焼炉15から炭化炉11への燃焼ガス供給路21に、燃焼ガスに対する温度調整用の冷却媒体の供給手段19bを連結し、温度測定手段23により測定された炭化炉11の温度が設定範囲となるように、制御手段24によって、冷却媒体供給手段19bによる冷却媒体供給量を調節し、燃焼ガス温度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、農業集落排水処理汚泥などを処理対象とし、その利用のための炭化を行う炭化方法及び炭化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、農業集落で生じる排水の処理汚泥は、重金属物質があまり含まれていないので、遠心脱水機で濃縮・脱水後、遠心薄膜乾燥機等により乾燥して、農地施肥や、コンポスト堆肥として農地還元等に利用されている。しかし、農地施肥やコンポスト堆肥は使用時期が偏っている為に、貯蔵中に汚泥の変質が生じたり、臭気が発生する等の問題が発生する。
【0003】
このため、近年は汚泥を炭化して土壌改良材として利用する試みがなされている。有機性廃棄物を炭化する方法は、これまでにも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記特許文献1の方法では、燃料を燃焼させると共に、乾燥炉及び炭化炉内から排出される各種蒸発成分を導入して熱分解を行なう脱臭炉を設け、この脱臭炉(加熱燃焼炉を兼ねる)から排出される高温排気熱を炭化炉に供給し、炭化炉内の被炭化物を炭化している。
【0005】
このような炭化方法において、炭化炉における炭化温度は予め設定した一定範囲に制御する必要がある。炭化温度が所定温度より高くなると過剰炭化となり、比表面積が減少すると共に、固定炭素の割合も低くなる。反対に炭化炉の温度が低下すると、被炭化物の炭化が不十分になり、未炭化が発生したり、炭化物の物性・性状が所定のスペックにならない場合がある。
【0006】
炭化炉は、前述のように加熱燃焼炉を兼ねる脱臭炉の高温燃焼ガスを供給して加熱するが、この脱臭炉には炭化炉内から排出される各種蒸発成分を導入して熱分解している。この蒸発成分中には乾留ガスが含まれ、これが燃料となって脱臭炉内で燃焼する。
【0007】
乾留ガスの発生量は被炭化物の状態によって異なる。すなわち、被炭化物に含まれる有機性廃棄物の種類や廃棄物の含水率、供給量の相違などにより、乾留ガスの発生量は大きく異なる。そして、乾留ガス発生量が多い場合は脱臭炉での熱発生量が過大になり、排ガス温度が高くなり、炭化温度が所定温度より高くなる。また、反対に乾留ガスの発生量が少ない場合は、脱臭炉の温度が低くなり、炭化炉の温度も低下して、被炭化物の炭化が不十分になる。
【特許文献1】特開平10−330760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、炭化炉での乾留ガスの発生量が、被炭化物の状態により変化するので、この乾留ガスを加熱用の燃料に用いた場合、炭化炉の炭化温度が変化してしまい、安定した炭化処理を行うことが困難であった。
【0009】
本発明の目的は、炭化炉を予め設定した温度範囲に制御することにより、製造した炭化物の物性・性状を安定化し、しかも、補助燃料の使用量を低減化して省エネルギー炭化を可能とした炭化方法及び炭化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の炭化方法は、補助燃料を燃焼させ、その燃焼ガスを炭化炉に供給し、この炭化炉内に投入された被炭化物を加熱して炭化させると共に、この炭化に伴い生じる乾留ガスを前記燃焼ガスの燃焼用燃料として用いる炭化方法であって、前記炭化炉の温度を測定し、その温度が設定範囲内となるように、前記炭化炉に供給される燃焼ガスへの冷却媒体量を調節し、燃焼ガス温度を制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の炭化装置は、炭化炉の温度を測定する温度測定手段と、前記炭化炉への燃焼ガス供給路に設けられた、燃焼ガスに対する温度調整用冷却媒体の供給手段と、前記温度測定手段により測定された炭化炉温度を入力し、この炭化炉温度が設定範囲となるように前記冷却媒体供給手段による冷却媒体供給量を調節し、燃焼ガス温度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
これら本発明による炭化方法及び炭化装置では、冷却媒体として、燃焼ガスに空気を混合させている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、炭化炉の温度を測定し、その温度が設定範囲内となるように、前記炭化炉に供給される燃焼ガスの温度を制御するので、炭化炉における乾留ガスの発生量にかかわらず、常に一定範囲の炭化温度を維持することができ、安定した物性の炭化物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
図1はこの一実施の形態における炭化装置の基本構成を示している。図において、11は炭化炉で、乾燥汚泥などの被炭化物12を導入し、この被炭化物12を低酸素状態で加熱して炭化を行う。この炭化炉11としては、例えば、連続式の間接加熱ロ−タリキルン方式のものを用いる。この方式の炭化炉11は、外周部分に加熱ジャケット11aが設けられたロータリキルン11bを有し、このロータリキルン11b内に供給された被炭化物12を加熱ジャケット11aからの熱により低酸素状態で間接的に加熱し、炭化物13を得る。
【0016】
15は加熱燃焼炉で、プロパンガスなどによる補助燃料16や、炭化炉11から配管17により流される乾留ガスを燃料として導入する。また、この燃焼加熱炉15に対してはファン18により送風ダクト19aを通して燃焼用空気が供給される。そして、この燃焼用空気により、補助燃料16や乾留ガスを燃焼させて高温に保ち、その高温の燃焼ガスを燃焼ガスダクト(燃焼ガス供給路)21により炭化炉11の加熱ジャケット11a内に供給する。炭化炉11は、この加熱ジャケット11aに供給された燃焼熱によりロータリキルン11b内の被炭化物12を間接的に加熱し、炭化させる。
【0017】
すなわち、この加熱燃焼炉15は、プロパンガスなどの補助燃料16を導入して初期燃焼させ、高温の燃焼ガスをダクト21により炭化炉12に供給して加熱する。また、この炭化炉12での炭化処理に伴って生じる乾留ガス(主に炭化水素)を、配管17を通して導入し、燃料として燃焼させ、高温状態を維持する。
【0018】
また、前記ファン18は前記送風ダクト19aから分岐した送風ダクト19bにより、燃焼ガスダクト21に連結している。ここで、送風ダクト19bにより燃焼ガスダクト21に供給される空気は、燃焼ガスの温度を調整する冷却媒体となる。したがって、送風ダクト19bは冷却媒体供給手段として機能する。さらに、送風ダクト19bには、風量調整バルブ(流量調整手段)22を設け、冷却媒体として供給される空気の流量を調節可能に構成している。
【0019】
23は熱電対などによる温度測定手段で、炭化炉11の温度を計測する。24は制御手段で、温度測定手段23により測定された炭化炉11の温度を入力し、この炭化炉温度が設定範囲となるように流量調整手段22を制御し、送風ダクト(冷却媒体供給手段)19bによる空気(冷却媒体)の供給量を調節し、燃焼ガス温度を制御する。
【0020】
上記構成において、図示しないホッパ−に充填された被炭化物12は、図示しないスクリューフィダーによりロータリーバルブを介して炭化炉11のロータリーキルン11b内に定量供給される。炭化炉11中の被炭化物12は、補助燃料16を初期燃焼させた加熱燃焼炉15からの燃焼ガスで加熱されて、乾留ガスを発生しながら炭化される。炭化温度(炭化炉11のジヤケット11aの温度)は、常時熱電対温度測定手段23により計測している。
【0021】
炭化処理過程において被炭化物から発生した乾留ガスは、配管17により加熱燃焼炉15に導入されて燃焼し、炭化炉11の加熱熱源となる。この乾留ガスの発生量は、前述のように、被炭化物12の供給量が多い場合や、含水率が低い場合は多くなる。この場合、多量の乾留ガスが加熱燃焼炉15内で燃焼することになるので、補助燃料16の供給量を絞っても加熱燃焼炉15内の温度は上昇する。このため、燃焼ガスダクト21を流れる燃焼ガス温度が高くなり、炭化炉11のジャケット温度も上昇する。そして、このジャケット温度が設定温度以上になると、制御手段24により流量調整手段22が開動作し、ファン18からの空気が設定温度差に比例して、燃焼ガス中に流入する。この動作により、燃焼ガスは空気により冷却されて温度が低下し、炭化炉11のジャケット温度は設定温度範囲に維持される。すなわち、炭化温度をほぼ一定に制御する。
【0022】
次に、被炭化物12として農業集落排水処理乾燥汚泥と乾燥バガスの炭化を行なった2つの実施例を示し、炭化炉11のジャケット温度(炭化温度)の制御について検証を行なった結果をそれぞれ説明する。
【0023】
(実施例1)
被炭化物12として、農業集落排水処理乾燥汚泥(以下農集汚泥と記す)を適用し、これを炭化する実施例について詳細に説明する。被炭化物としては、上述のように、農集汚泥を脱水して濃縮し、これを薄膜乾燥機などにより含水率50%程度に乾燥させた乾燥処理汚泥を用いている。
【0024】
(1)炭化炉11のジャケット温度を600℃に、加熱燃焼炉15の温度を800℃に、それぞれ設定した。
【0025】
(2)ファン18を運転し、空気を加熱燃焼炉15に供給する。補助燃料16のプロパンガスを加熱燃焼炉15に供給し燃焼させる。このとき、ファン18からの空気は、炭化炉11のジャケット温度が常温であり、温度測定手段23による測定値が設定温度600℃以下であるので、制御手段24により流量調整手段22は閉状態に制御されており、空気の全量はダクト19aを通って加熱燃焼炉15に供給される。このときのプロパンガス供給量は4.0m3/hであった。
【0026】
(3)加熱燃焼炉15の燃焼ガスは、燃焼ガスダクト21により、炭化炉11のジャケット11aに通気され、炭化炉11を加熱する。
【0027】
(4)炭化炉11のジャケット温度が設定温度600℃に達した時点で、ホッパ−に貯蔵した乾燥汚泥12をスクリューフィダーにより、ロータリーバルブを介して炭化炉11のロータリキルン11bに供給する。このときの乾燥汚泥12の供給量は30kg/hとした。
【0028】
(5)乾燥汚泥供給開始後、5分経過した時点で、炭化が開始され、乾燥汚泥より乾留ガスが発生し、配管17により加熱燃焼炉15に供給され、燃焼する。この乾留ガスの燃焼により、炭化炉11のジャケット温度が設定温度600℃を超えると、補助燃料系統に設けた図示しない自動弁が動作してプロパンガス16の流量を減少させる。すなわち、補助燃料系統の自動弁は全開より一部開になり、プロパンガス使用量を自動的に減少させ、2.5m3/hとした。
【0029】
(6)上記のように、補助燃料16の供給量を減少させても、加熱燃焼炉15には炭化炉11から乾留ガスが供給されて燃焼しており、かつ、この乾留ガス量は各種条件により異なる不安定なものである。このため、乾留ガスの発生量が多い場合は炭化炉に供給される燃焼ガス温度は過剰に上昇する。したがって、このままでは燃焼ガスダクト21により炭化炉11に供給される燃焼ガス温度を所定範囲に制御することができない。
【0030】
そこで、制御手段24により、温度測定手段23の測定値と予定の設定温度(600℃)との差分により、ダクト19bに設けた流量調整手段22の開度制御を行い、燃焼ガスダクト21にファン18からの空気の一部を冷却媒体として挿入し、炭化炉11加熱用の燃焼ガス温度を低下させる。この結果、乾留ガスの発生量に関係なく、炭化温度を設定温度(600℃)にキ−プして安定した炭化処理が可能となる。
【0031】
(7)このように、ほぼ一定な炭化温度で炭化を1時間継続した結果、7kgの炭化物13を回収した。
【0032】
(8)製造した炭化物の物性、性状と炭化に使用したプロパンガス量とを表1に記す。
【表1】

【0033】
このように、乾留ガスの発生量に影響されることなく、炭化温度(炭化炉11のジャケット温度)を一定範囲に保つことができ、安定した炭化処理が可能になる。また、補助燃料の使用量を38%減少させることができた。これらの結果、所定通りの物性を有した炭化物を安定して得ることができる。
【0034】
(実施例2)
この実施例では、被炭化物12として、含水率8%程度の乾燥バガスを用い、これを炭化処理している。この場合の制御も、前述した実施例1と基本的に同じであるが、以下に説明する。
【0035】
(1)炭化炉11のジャケット温度を600℃に、加熱燃焼炉15の温度を800℃に、それぞれ設定した。
【0036】
(2)ファン18を運転し、空気を加熱燃焼炉15に供給する。補助燃料16のプロパンガスを加熱燃焼炉15に供給し燃焼させる。プロパンガス供給量は4.0m3/hであった。
【0037】
(3)加熱燃焼炉15の燃焼ガスは、燃焼ガスダクト21により、炭化炉11のジャケット11aに通気され、炭化炉11を加熱する。
【0038】
(4)炭化炉11がジャケット設定温度600℃に達した時点で、ホッパ−に貯蔵した乾燥バガス12をスクリューフィダーにより、ロータリーバルブを介して炭化炉11のロータリキルン11bに供給する。このときの乾燥バガス12の供給量は8kg/hとした。
【0039】
(5)乾燥バガス供給開始後、5分経過した時点で、炭化が開始され、乾燥バガスから乾留ガスが発生し、加熱燃焼炉15で燃焼する。この乾留ガスの燃焼により、炭化炉11のジャケット温度が設定温度600℃を超えると、補助燃料系統の自動弁は全開より一部開になり、プロパンガス使用量は自動的に減少して0.5m3/hとなった。
【0040】
(6)次に、制御手段24により、温度測定手段23の測定値と予定の設定温度(600℃)との差分により、ダクト19bに設けた流量調整手段22の開度制御を行い、燃焼ガスダクト21にファン18からの空気の一部を冷却媒体として挿入し、燃焼ガス温度を低下させる。この結果、乾留ガスの発生量に関係なく、炭化温度を設定温度(600℃)にキープした。
【0041】
(7)この一定な炭化温度で炭化を1時間継続した結果、2kgの炭化物を回収した。
【0042】
(8)製造した炭化物の物性、性状と炭化に使用したプロパンガス量とを表1に記す。
【0043】
このように、乾留ガスの発生量に影響されることなく、炭化温度(炭化炉11のジャケット温度)を一定範囲に保つことができ、安定した炭化処理が可能になる。また、補助燃料の使用量を88%減少させることができた。これらの結果、所定通りの物性を有した炭化物を安定して得ることができる。
【0044】
(比較例)
上記実施例2に対する比較例として、含水率8%程度の乾燥バガスを用い、ファン18の空気を燃焼ガスに挿入せずに、すなわち、炭化温度を一定制御することなく、炭化処理した場合を以下説明する。
【0045】
(1)加熱燃焼炉15の温度を800℃に設定した。
【0046】
(2)ファン18を運転し、空気を加熱燃焼炉15に供給する。補助燃料16のプロパンガスを加熱燃焼炉15に供給し燃焼させる。プロパンガス供給量は4.0m3/hであった。
【0047】
(3)加熱燃焼炉15の燃焼ガスは、燃焼ガスダクト21により、炭化炉11のジャケット11aに通気され、炭化炉11を加熱する。
【0048】
(4)炭化炉11がジャケット設定温度600℃に達した時点で、ホッパ−に貯蔵した乾燥バガス12をスクリューフィダーにより、ロータリーバルブを介して炭化炉11のロータリキルン11bに供給する。このときの乾燥バガス12の供給量は8kg/hとした。
【0049】
(5)乾燥バガス供給開始後、5分経過した時点で、炭化が開始され、乾燥バガスから乾留ガスが発生し、加熱燃焼炉15で燃焼する。この乾留ガスの燃焼により、炭化炉11のジャケット温度が設定温度600℃を超えた。このとき、補助燃料系統の自動弁は全開より一部開になり、プロパンガス使用量を自動的に減少させ、1.0m3/hとした。
【0050】
(6)補助燃料16の供給量が減少しても、炭化炉11から乾留ガスが供給されて燃焼しており、かつ、この乾留ガス量は各種条件により異なる不安定なものであるため、炭化炉11のジャケット温度も不安定になる。乾留ガスの発生量が多い場合は、炭化炉11のジャケット温度が700℃にも達する。
【0051】
この温度状態を、図2に示す。空気挿入による温度制御により、炭化温度が設定温度600℃で安定している実施例1及び2に対し、空気挿入を行なわない比較例では炭化炉温度が不安定であり、700℃に達することがある。このため、過剰炭化になったり、逆の場合は炭化不測が生じたりして、安定した炭化物を得ることが困難である。
【0052】
製造した炭化物の物性、性状と炭化に使用したプロパンガス量とを表1に記す。比較相手である実施例2に比べると、炭化物の比表面積が少なく固定炭素の割合も低い。さらに、プロパンガスの使用量も実施例2に比べるとほぼ倍となる。
【0053】
このように、炭化炉で生じた乾留ガスを、加熱燃焼炉で燃焼させて炭化炉の熱源として用いる場合、加熱燃焼炉から炭化炉に燃焼熱を供給するダクト内に、炭化炉の温度と設定温度との差分に応じた量の空気を冷却媒体として供給するようにしたので、乾留ガスの発生量に影響されることなく、炭化温度を常に一定範囲に維持することができ、安定した炭化処理が行えると共に、補助燃焼の消費量も低減化される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による炭化装置の一実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】同上実施の形態における炭化温度の変化状態を説明する特性図である。
【符号の説明】
【0055】
11 炭化炉
12 被炭化物
13 炭化物
15 加熱燃焼炉
16 補助燃料
19b 冷却媒体供給手段
21 燃焼ガス供給路
22 流量調整手段
23 温度測定手段
24 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助燃料を燃焼させ、その燃焼ガスを炭化炉に供給し、この炭化炉内に投入された被炭化物を加熱して炭化させると共に、この炭化に伴い生じる乾留ガスを前記燃焼ガスの燃焼用燃料として用いる炭化方法であって、
前記炭化炉の温度を測定し、その温度が設定範囲内となるように、前記炭化炉に供給される燃焼ガスへの冷却媒体量を調節し、燃焼ガス温度を制御することを特徴とする炭化方法。
【請求項2】
冷却媒体として、燃焼ガスに空気を混合させることを特徴とする請求項1に記載の炭化方法。
【請求項3】
加熱燃焼炉にて補助燃料を燃焼させ、その燃焼ガスを炭化炉に供給し、この炭化炉内に投入された被炭化物を加熱して炭化させると共に、この炭化に伴い生じる乾留ガスを前記加熱燃焼炉に流し、燃焼用燃料として燃焼させる炭化装置であって、
前記炭化炉の温度を測定する温度測定手段と、
前記炭化炉への燃焼ガス供給路に設けられた、燃焼ガスに対する温度調整用冷却媒体の供給手段と、
前記温度測定手段により測定された炭化炉温度を入力し、この炭化炉温度が設定範囲となるように前記冷却媒体供給手段による冷却媒体供給量を調節し、燃焼ガス温度を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする炭化装置。
【請求項4】
冷却媒体供給手段は、流量調整手段を有し、冷却媒体として供給される空気の流量を調節可能に構成したことを特徴とする請求項3に記載の炭化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−70083(P2006−70083A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252157(P2004−252157)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】