説明

炭化水素の製造方法

【課題】FT合成反応における一時的な反応温度の設定値からの乖離又はスラリー液面高さの変動が生じた際の、精留塔に供給する軽質炭化水素油と重質炭化水素油との比率及び流量の変動を抑制できる炭化水素の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の炭化水素の製造方法では、フィッシャー・トロプシュ合成反応により炭化水素を合成するときの設定反応温度に基づいて軽質炭化水素油及び重質炭化水素油のそれぞれの推定生成速度を求め、一時貯留した各バッファタンク91,92からの軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の抜き出し流量を、前記それぞれの推定生成速度と等しくなるように制御し、精留塔40に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の存在下、水素ガスと一酸化炭素ガスとから炭化水素を合成し、得られた炭化水素を分留する炭化水素の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナフサ(粗ガソリン)・灯油・軽油等の液体燃料製品の原料として利用される炭化水素を製造する方法として、一酸化炭素ガス(CO)及び水素ガス(H)を主成分とする合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という場合もある。)を利用する方法が知られている。
FT合成反応により炭化水素を合成する合成反応システムとしては、例えば、反応器内にて、液体炭化水素に触媒粒子を懸濁させたスラリーに合成ガスを吹き込んでFT合成反応を行なう気泡塔型スラリー床FT合成反応システムが開示されている(特許文献1)。
【0003】
通常、FT合成反応においては、反応工程内あるいは反応工程の後段に設けられる気液分離工程において、液状の反応生成物からなる液相と、未反応の合成ガス(水素ガスと一酸化炭素ガス)を含む気相とに気液分離される。この気液分離工程は、一般的に反応生成物中に含まれるワックス留分が流動性を保つ比較的高い温度において行なわれ、気相には未反応の合成ガス以外に、FT合成反応生成物のうち相対的に沸点の低い軽質炭化水素が含まれる。そして、液相は相対的に沸点の高い重質炭化水素油からなる。分離された前記気相はその後冷却されて、液相の炭化水素(軽質炭化水素油)と、常温で気体の炭化水素ガス(概ね炭素数4以下)及び未反応の合成ガスを主として含む気相とに再度気液分離される。
【0004】
得られた軽質炭化水素油及び重質炭化水素油はそれぞれ各バッファタンクに一時的に貯留された後、各バッファタンクから軽質炭化水素油と重質炭化水素油が抜き出され、混合されて、例えば多段のトレイを備えた精留塔に供給される。
精留塔においては、軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の混合油が、例えば、精留塔の中央部から抜き出される中間留分、精留塔の塔頂から抜き出されるナフサ留分、精留塔の塔底から抜き出されるワックス留分に分留される。得られた各留分は、それぞれ水素化・精製を行う工程であるアップグレーディング工程を経て、各種燃料基材となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0014703号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば前記気泡塔型スラリー床FT合成反応システムを用いたFT合成反応においては、一時的に反応温度が設定値から乖離したり、一時的にスラリー液面高さが変動したりすることがある。このFT合成反応における一時的な反応温度の設定値からの乖離又はスラリー液面高さの変動は、前記各バッファタンクへの軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の流入量に影響を与える。
従来のFT合成反応システムにおいては、各バッファタンクへの軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の流入量が変動しても各バッファタンクの液面高さが一定になるように、各バッファタンクからの軽質炭化水素油及び重質炭化水素油のそれぞれの抜き出し流量が調整されていた。ところが、このように抜き出し流量が調整されると、精留塔に供給される軽質炭化水素油と重質炭化水素油との比率、及び合計の流量が変動しやすかった。
後段のアップグレーディング工程に良質な各原料留分を供給するためには、精留塔における各留分の蒸留カットを一定に保つ、すなわち、精留塔の各留分の抜き出し段トレイ温度を一定に保つ必要がある。しかし、精留塔入口における軽質炭化水素油と重質炭化水素油との比率が変動する場合、精留塔からの各留分の抜き出し量を変更することで抜き出し段トレイ温度を一定に保つことになるが、上記変動に追随しきれないことがある。そのため、抜き出した各留分の組成を一定に保つことが困難であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、FT合成反応における一時的な反応温度の設定値からの乖離又はスラリー液面高さの変動が生じた際の、精留塔に供給する軽質炭化水素油と重質炭化水素油との比率及び流量の変動を抑制できる炭化水素の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記軽質炭化水素油及び重質炭化水素油を一時的に貯留する各バッファタンクの液面高さを一定に制御する従来の方法に代えて、各バッファタンクからの前記軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の抜き出し流量をそれぞれ所定の値とし、且つ、該抜き出しとFT合成反応における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の生成とを均衡させることにより、上記一時的な変動の影響を排除し、精留塔へ安定した混合油を供給できることに想到して、本発明を完成した。
すなわち、本発明の炭化水素の製造方法は、触媒の存在下、連続的に供給される水素ガスと一酸化炭素ガスとからフィッシャー・トロプシュ合成反応により炭化水素を合成する合成工程と、気液分離により、前記炭化水素を軽質炭化水素と重質炭化水素油とに分離する気液分離工程と、前記軽質炭化水素から得られる軽質炭化水素油及び前記重質炭化水素油をそれぞれ、各バッファタンクに連続的に供給する一時貯留工程と、前記各バッファタンクから前記軽質炭化水素油及び重質炭化水素油をそれぞれ連続的に抜き出し、軽質炭化水素油と重質炭化水素油とを混合して精留塔に供給する抜き出し工程と、前記軽質炭化水素油と重質炭化水素油との混合油を、少なくともワックス留分とワックス留分よりも軽質な留分とに分留する分留工程と、を備える炭化水素の製造方法であって、前記合成工程における設定反応温度に基づいて、軽質炭化水素油及び重質炭化水素油のそれぞれの推定生成速度を求め、前記抜き出し工程における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の抜き出し流量を、前記それぞれの推定生成速度と等しくなるように制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の炭化水素の製造方法においては、前記合成工程及び気液分離工程が、上部に気相部を有するスラリー床型反応器内で行われることが好ましい。
【0009】
また、前記軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の推定生成速度は、前記合成工程において使用する触媒に関する、フィッシャー・トロプシュ合成反応の反応温度と連鎖成長確率の関係に基づいて求められることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炭化水素の製造方法によれば、FT合成反応における一時的な反応温度の設定値からの乖離又はスラリー床型反応器におけるスラリー液面高さの変動が生じた際の、精留塔に供給される軽質炭化水素油と重質炭化水素油との比率及び合計の流量の変動を抑制でき、精留塔の運転が安定化される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】FT合成反応を利用した液体燃料製造システムの一例の全体構成を示す概略図である。
【図2】FT合成反応における反応温度に対する連鎖成長確率の関係の概略の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<液体燃料製造システム>
まず、本発明の炭化水素の製造方法が使用される液体燃料製造システムの一例について説明する。
図1に、液体燃料製造システムの一例を示す。
この液体燃料製造システム1は、合成ガス製造ユニット3と、FT合成ユニット5と、アップグレーディングユニット7とから構成される。合成ガス製造ユニット3においては、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスが製造される。FT合成ユニット5においては、合成ガス製造ユニット3において製造された合成ガスからFT合成反応により炭化水素が合成される。本例においては、FT合成反応器として気泡塔型スラリー床FT合成反応器を用いる例を示す。アップグレーディングユニット7においては、FT合成ユニット5において合成された炭化水素が水素化・精製されて液体燃料(ナフサ、灯油、軽油)の基材、及びワックス等が製造される。
【0013】
合成ガス製造ユニット3は、脱硫装置10と改質器12と排熱ボイラー14と気液分離器16、18と脱炭酸装置20と水素分離装置26とを主に備える。
脱硫装置10は、水素化脱硫反応器等により構成され、原料である天然ガスから硫黄化合物を除去する。
改質器12においては、脱硫装置10から供給された天然ガスが例えば水蒸気・炭酸ガス改質法により改質されて、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分として含む合成ガスが製造される。
排熱ボイラー14においては、改質器12にて製造された合成ガスの排熱が回収されて高圧スチームが得られる。
気液分離器16においては、排熱ボイラー14にて高温の合成ガスとの熱交換により加熱された水が気体(高圧スチーム)と液体の水とに分離される。
気液分離器18においては、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分が除去され、気体分が脱炭酸装置20に供給される。
脱炭酸装置20は、気液分離器18から供給された合成ガスから吸収液を用いて炭酸ガスを吸収・除去する吸収塔22と、当該炭酸ガスを含む吸収液から炭酸ガスを除去して再生する再生塔24とを有する。
水素分離装置26においては、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、当該合成ガスに含まれる水素ガスの一部が分離される。
【0014】
FT合成ユニット5は、気泡塔型スラリー床反応器であるFT合成反応器30と気液分離器34と触媒分離器36と気液分離器38と第1精留塔40とを主に備える。
FT合成反応器30は、FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素を合成する反応器であり、反応器本体80と、冷却管81とを主に備えている。
反応器本体80は、略円筒型の金属製の容器であって、その内部には、液体炭化水素(FT合成反応の生成物)中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリーが収容されている。
この反応器本体80の下部においては、水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする合成ガスがスラリー中に噴射されるようになっている。そして、スラリー中に吹き込まれた合成ガスは、気泡となってスラリー中を反応器本体80の高さ方向(鉛直方向)下方から上方へ向かって上昇するようになっている。その過程にて、合成ガスは液体炭化水素中に溶解し、触媒粒子と接触することにより、炭化水素の合成(FT合成反応)が進行する。
また、合成ガスが気泡として反応器本体80内を上昇することにより、反応器本体80の内部においてはスラリーの上昇流(エアリフト)が生じる。これにより、反応器本体80内部に、スラリーの循環流が生じる。なお、反応器本体80内の塔頂まで上昇した未反応の合成ガス及びFT合成反応により生成した気体炭化水素は、反応器本体80の塔頂から抜き出される。
気液分離器34においては、FT合成反応器30内に配設された冷却管81内を流通して加熱された水が、水蒸気(中圧スチーム)と液体の水とに分離される。
FT合成反応器30の頂部より抜き出された未反応合成ガス及び反応器内の条件において気体である軽質炭化水素は、気液分離器38に導入され、冷却される。更に、冷却により凝縮した液体成分と未反応の合成ガス及び主として炭素数4以下の炭化水素ガスからなる気体成分とが分離される。この液体成分は軽質炭化水素油となる。ここで、軽質炭化水素油は、ナフサ及び中間留分相当の炭化水素からなる。
触媒分離器36においては、FT合成反応器30の中央部より抜き出されたスラリーが触媒と液体炭化水素生成物とに分離される。気液分離器36にて得られた液体炭化水素生成物は重質炭化水素油である。ここで、重質炭化水素油は、軽質炭化水素より重質の液体炭化水素からなる。
第1精留塔40においては、FT合成反応器30から触媒分離器36を介して供給された重質炭化水素油と、気液分離器38を介して供給された軽質炭化水素油とが混合された混合油が分留され、沸点に応じて各留分(ナフサ留分、中間留分、ワックス留分)に分離される。ここで、ナフサ留分は沸点が約150℃より低い留分、中間留分は沸点が約150〜360℃の留分、ワックス留分は沸点が約360℃を超える留分である。
【0015】
また、FT合成ユニット5は、気液分離器38から抜き出された軽質炭化水素油が一時的に貯留される第1バッファタンク91と、触媒分離器36から抜き出された重質炭化水素油が一時的に貯留される第2バッファタンク92と、第1精留塔40に供給される混合油を加熱する加熱器93とを更に備える。
また、第2バッファタンク92と加熱器93とを接続する配管96には第2流量調節弁97が取り付けられ、第1バッファタンク91と配管96とを接続する配管94には第1流量調節弁95が取り付けられている。
さらに、FT合成ユニット5は、FT合成反応の反応温度設定値が入力され、その温度情報に基づいて第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97の弁開度を調節する制御部98を備えている。
第1バッファタンク91及び第2バッファタンク92には、液面高さを測定するレベル計91a、92aが設置されている。レベル計91a、92aとしては、例えば、マグネット式のレベル計などが用いられる。
【0016】
アップグレーディングユニット7は、ワックス留分水素化分解反応器50と中間留分水素化精製反応器52とナフサ留分水素化精製反応器54と気液分離器56、58、60と第2精留塔70とナフサ・スタビライザー72とを主として備える。
ワックス留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の塔底に接続されて、ワックス留分が供給されるようになっている。
中間留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されて、中間留分が供給されるようになっている。
ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の塔頂に接続されて、ナフサ留分が供給されるようになっている。
気液分離器56、58、及び60は、これら反応器50、52、及び54のそれぞれに対応して設けられている。
第2精留塔70においては、気液分離器56及び58から供給された液体炭化水素が沸点に応じて分留される。
ナフサ・スタビライザー72は、気液分離器60及び第2精留塔70から供給されたナフサ留分に含まれる液体炭化水素が精留されて、炭素数4以下の気体成分はフレアガスとして排出され、炭素数が5以上の成分は製品のナフサとして回収される。
【0017】
<炭化水素の製造方法>
上記液体燃料製造システム1を構成するFT合成ユニットを主として利用する、本発明の炭化水素の製造方法の一実施形態例について説明する。
本実施形態例においては、メタンを主成分とする天然ガスが合成ガス製造ユニット3に供給され、改質されて合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガスを主成分とする混合ガス)が製造される。
【0018】
具体的には、まず、上記天然ガスは、水素分離装置26によって分離された水素ガスとともに脱硫装置10に供給される。脱硫装置10は、水素化脱硫反応器とその後段の硫化水素吸着装置とから構成される。公知の水素化脱硫触媒が充填された水素化脱硫反応器において、天然ガス中の硫黄化合物が水素化されて硫化水素に転化される。この硫化水素は後段に配された硫化水素吸着装置により吸着除去される。このようにして天然ガスが脱硫されることにより、改質器12及びFT合成反応器30等において用いられる触媒の活性が硫黄化合物により低下することを防止できる。
【0019】
このようにして脱硫された天然ガス(二酸化炭素を含んでもよい。)は、二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給される二酸化炭素ガス(炭酸ガス)と、排熱ボイラー14にて発生した水蒸気とが混合された後で、改質器12に供給される。改質器12においては、例えば、水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスが改質されて、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。このとき、改質器12には、例えば、改質器12が備えるバーナー用の燃料ガスと空気とが供給され、当該バーナーにおける燃料ガスの燃焼熱及び改質器12の炉内の輻射熱により、吸熱反応である上記水蒸気・炭酸ガス改質反応に必要な反応熱がまかなわれる。
【0020】
このようにして改質器12にて製造された高温の合成ガス(例えば、900℃、2.0MPaG)は、排熱ボイラー14に供給され、排熱ボイラー14内を流通する水との熱交換により冷却(例えば400℃)されて、排熱回収される。このとき、排熱ボイラー14において合成ガスにより加熱された水は気液分離器16に供給され、この気液分離器16から気体分が高圧スチーム(例えば3.4〜10.0MPaG)として改質器12又は他の外部装置に供給され、液体分の水が排熱ボイラー14に戻される。
【0021】
一方、排熱ボイラー14において冷却された合成ガスは、凝縮液分が気液分離器18において分離・除去された後、脱炭酸装置20の吸収塔22、又はFT合成反応器30に供給される。吸収塔22においては、貯留している吸収液に合成ガスに含まれる炭酸ガスが吸収されて、当該合成ガスから炭酸ガスが除去される。この吸収塔22内の炭酸ガスを含む吸収液は再生塔24に導入され、例えばスチームにて加熱されてストリッピング処理され、吸収液より除去された炭酸ガスは、再生塔24から改質器12に送られて、上記改質反応に再利用される。
【0022】
このようにして、合成ガス製造ユニット3にて製造された合成ガスは、上記FT合成ユニット5のFT合成反応器30に連続的に供給される。このとき、FT合成反応器30に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H:CO=2:1(モル比))に調整されている。なお、FT合成反応器30に供給される合成ガスは、脱炭酸装置20とFT合成反応器30とを接続する配管に設けられた圧縮機(図示せず。)により、FT合成反応に適切な圧力(例えば3.6MPaG)まで昇圧される。ただし、上記圧縮機は、設ける必要がない場合もある。
【0023】
また、上記脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスの一部は、水素分離装置26にも供給される。水素分離装置26においては、圧力差を利用した吸着、脱着(水素PSA)により、合成ガスに含まれる水素ガスが分離される。当該分離された水素は、ガスホルダー(図示せず。)等から圧縮機(図示せず。)を介して、液体燃料製造システム1内において水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫装置10の水素化脱硫反応器、ワックス留分水素化分解反応器50、中間留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)に連続的に供給される。
【0024】
次いで、上記FT合成ユニット5は、上記合成ガス製造ユニット3によって製造された合成ガスから、FT合成反応により炭化水素を合成する。以下、炭化水素の合成方法について説明する。
【0025】
(合成工程/気液分離工程)
具体的には、上記合成ガス製造ユニット3において製造された合成ガスは、FT合成反応器30を構成する反応器本体80の底部から流入して、反応器本体80内に貯留されたスラリー内を上昇する。この際、反応器本体80内においては、上述したFT合成反応により、当該合成ガスに含まれる一酸化炭素ガスと水素ガスとが反応して、炭化水素が生成する。
さらに、この合成反応の際には、冷却管81内に水が流通されて、FT合成反応の反応熱が除去され、この熱交換により加熱された水が気化して水蒸気となる。この水蒸気は、気液分離器34にて液化した水が冷却管81に戻されて、気体分が中圧スチーム(例えば1.0〜2.5MPaG)として外部装置に供給される。
【0026】
FT合成反応器30の反応器本体80内の、炭化水素及び触媒粒子を含有するスラリーの一部は、反応器本体80の中央部から抜き出され、触媒分離器36に連続的に導入される。触媒分離器36においては、導入されたスラリーがフィルターによりろ過されて触媒粒子が捕捉される。これにより、スラリーは、固形分と重質炭化水素油(炭素数11以上の炭化水素)とに連続的に分離され、分離された重質炭化水素油は第2バッファタンク92に連続的に移送される。
触媒分離器36のフィルターは、捕捉した粒子をフィルター表面から取り除くと共に反応器本体80に戻すために適宜逆洗される。このとき、フィルターにより捕捉された触媒粒子は、一部の液体炭化水素と共に反応器本体80に戻される。
【0027】
反応器本体80は、その内部の収容されたスラリーの上部に気相部を有している。スラリー内を上昇し、スラリー液面を越えて気相部に移った未反応の合成ガスと、反応により生成する反応器内の条件にて気体の軽質炭化水素との混合物が、反応器本体80の頂部より連続的に抜き出される。
すなわち、反応器本体80においては、FT合成反応による合成工程と同時に、反応器本体80の中央部から抜き出される液相である重質炭化水素油と、反応器本体80の頂部から抜き出される未反応の合成ガス及び軽質炭化水素を含む気相とに気液分離する気液分離工程が行われることとなる。
【0028】
(一時貯留工程)
反応器本体80の頂部から抜き出された軽質炭化水素と未反応の合成ガスを含む混合物は、気液分離器38において冷却されて、凝縮した軽質炭化水素油(主として炭素数5〜20の炭化水素)が第1バッファタンク91に連続的に供給される。一方、気液分離器38にて分離されたガス分、すなわち未反応の合成ガス(COとH)と炭素数が少ない(炭素数4以下)炭化水素ガスを主成分とする混合ガスは、FT合成反応器30にリサイクルされ、混合ガスに含まれる未反応の合成ガスは再度FT合成反応に供される。なお、前記混合ガスのリサイクルにより、主として炭素数4以下の気体状炭化水素がFT合成反応系内に高濃度に蓄積することを防止する目的で、前記混合ガスの一部は、FT合成反応器30にリサイクルされずに、本体外部の燃焼設備(フレアースタック、図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
【0029】
(抜き出し工程)
次いで、第1バッファタンク91から軽質炭化水素油が抜き出されると共に、第2バッファタンク92から重質炭化水素油が抜き出される。第1バッファタンク91から抜き出された軽質炭化水素油と第2バッファタンク92から抜き出された重質炭化水素油とは配管96内にて混合され、第1精留塔40に連続的に供給される。
その際、第1バッファタンク91からの軽質炭化水素油及び第2バッファタンク92からの重質炭化水素油のそれぞれの抜き出し流量が、合成工程におけるFT合成反応の反応温度の設定値に基づいて算出される、合成工程における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油のそれぞれの推定生成速度と等しくなるように制御される。なお、合成工程における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の推定生成速度の算出については、後に詳述する。
【0030】
各バッファタンクからの抜き出し流量をそれぞれ一定に制御することにより、合成工程における反応温度の設定温度からの乖離、あるいはスラリー液面高さの変動といった一時的な変動に起因して、各バッファタンクの液面高さが一時的に変動したとしても、第1精留塔40へ供給される軽質炭化水素油及び重質炭化水素油のそれぞれの流量が一定となり、第1精留塔40へ供給される軽質炭化水素油と重質炭化水素油との混合油の組成及び流量が安定する。
また、合成工程における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の各生成速度と、第1バッファタンク91から抜き出される軽質炭化水素油及び第2バッファタンク92から抜き出される重質炭化水素油の各抜き出し流量のそれぞれが等しく制御されることにより、合成工程における反応温度の設定温度からの乖離、あるいはスラリー液面高さの変動といった一時的な変動に起因して、各バッファタンクの液面高さが一時的に変動しても、長期的には、各バッファタンクにおける流入と抜き出しが均衡し、各バッファタンクの液面高さも安定化する方向となる。
【0031】
第1バッファタンクからの軽質炭化水素油及び第2バッファタンクからの重質炭化水素油の各抜き出し流量が、それぞれ合成工程における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の各推定生成速度と等しくなるように、第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97の弁開度が調整されて、第1バッファタンク91からの軽質炭化水素油及び第2バッファタンク92からの重質炭化水素油の各抜き出し流量が制御される。
【0032】
このFT合成ユニット3においては、FT合成反応の反応温度設定値が制御部98に入力され、制御部98においては入力された反応温度設定値に基づいて、第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97において必要な弁開度を計算し、その弁開度にするための指示信号を第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97に出力する。このように制御部98が備えられることにより、FT合成反応の反応温度の設定値に応じて自動的に第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97が調整される。
【0033】
なお、上記流量調整において、第1バッファタンク91及び第2バッファタンク92の液面高さが所定範囲の上限値を超えた場合、あるいは下限値を下回った場合には、液面高さが所定範囲内となるように第1流量調節弁95又は第2流量調節弁97が調整される対応がとられる。又は、合成工程の条件を変更する対応がとられてもよい。
【0034】
ここで、FT合成反応の反応温度の設定値から、FT合成反応における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の生成速度を推定する方法について説明する。
FT合成反応においては、主として、使用する触媒及び反応温度によって、連鎖成長確率が変化する。ここで連鎖成長確率は、例えば、大西康博他、「GTL技術の開発の変遷と将来」、新日鉄エンジニアリング技報、Vol.01 (2010)に記載されるように、メチレン鎖の成長する確率を示すパラメータであり、この値が大きいほど、生成する炭化水素の炭素数が増加する。また、この値により、生成する炭化水素の炭素数分布が推定される。すなわち、生成する炭化水素の炭素数分布は、下記式で表されるAnderson-Shulz-Flory分布に従うとされている。
n=(1−α)nαn−1
ここで、nはFT合成反応により生成する炭化水素の炭素数、Wnは炭素数nの炭化水素生成物の質量分率、αは連鎖成長確率を表す。
上記式により、前記文献にも記載されるように、各連鎖成長確率に対する生成炭化水素の炭素数分布を推定する図を作成することもできる。
したがって、所定の触媒を使用し、所定の反応温度によってFT合成反応を行なう場合に、当該触媒、当該反応温度における連鎖成長確率を知ることができれば、生成する炭化水素の炭素数分布が推定される。
そして、同一の触媒についての連鎖成長確率は、反応温度が高いほど小さくなる傾向にあり、所定の触媒の各反応温度における連鎖成長確率は、当該触媒を使用し、温度を変えたFT合成反応運転における生成物の分析から予め把握することができる(図2の例を参照。)。
一方、FT合成反応器の頂部から抜き出される、各条件の反応器内において気体となる炭化水素の炭素数の範囲は、物性データよりの推定、あるいは過去の運転における分析結果等の手段により把握することができる。よって、各反応条件において得られる軽質炭化水素油に含まれる炭化水素の炭素数の範囲を把握することができる。
特定の反応温度におけるFT合成反応により生成する炭化水素の炭素数分布、及びその際に得られる軽質炭化水素油に含まれる炭化水素の炭素数の範囲が推定されれば、これらの情報及び反応工程における一酸化炭素転化率及び炭化水素選択率のデータから、軽質炭化水素油の生成速度が推定される。軽質炭化水素油の生成速度が推定されれば、その残余分である重質炭化水素油の生成速度も推定される。
上記制御部98においては、上記により、FT合成反応の設定反応温度に対してほぼ一義的に決定される軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の推定生成速度の値を基に、第1バッファタンク91及び第2バッファタンク92からの抜き出し流量が、それぞれ前記軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の各生成速度と等しくなるように、それぞれ第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97を制御する。
【0035】
なお、合成工程における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の生成速度の推定は、上記のようにFT合成反応の反応温度と連鎖成長確率の関係を基に行う他に、過去の同様の反応条件(特に反応温度)における運転実績に基づいて行ってもよい。例えば、過去に、所定の反応温度において、反応温度の設定値からの乖離、及びスラリー液面高さの変動等がなく、バッファタンク91からの軽質炭化水素油、及びバッファタンク92からの重質炭化水素油の各抜き出し流量が大きく変動することなく、安定した運転が行われた実績がある場合、この時の前記各抜き出し流量と同一となるように、各抜き出し流量の設定を行ってもよい。
【0036】
(分留工程)
第1精留塔40においては、前記混合油が分留されて、ナフサ留分(沸点が約150℃より低い留分。)と、中間留分(沸点が約150〜約360℃)と、ワックス留分(沸点が約360℃を超える留分。)とに分別される。この第1精留塔40の塔底から抜き出されるワックス留分(主として炭素数21以上)は、ワックス留分水素化分解反応器50に供給され、第1精留塔40の中央部から抜き出される中間留分(主として炭素数11〜20)は、中間留分水素化精製反応器52に供給され、第1精留塔40の塔頂から抜き出されるナフサ留分の液体炭化水素(主として炭素数5〜10)は、ナフサ留分水素化精製反応器54に供給される。
【0037】
<アップグレーディング工程>
以下、上記本実施形態により製造された炭化水素から、水素化・精製により液体燃料基材を製造するアップグレーディング工程の例について説明する。
ワックス留分水素化分解反応器50においては、第1精留塔40の塔底から供給されたワックス留分が、上記水素分離装置26から供給される水素ガスを利用して水素化分解されて、その炭素数が20以下に低減される。この水素化分解反応においては、炭素数の多い炭化水素のC−C結合を切断して、炭素数の少ない低分子量の炭化水素を生成する。ワックス留分水素化分解反応器50にて水素化分解された生成物は、気液分離器56において気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、中間留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化精製反応器54に供給されて、水素ガスが再利用される。
【0038】
中間留分水素化精製反応器52においては、第1精留塔40の中央部から供給された炭素数が中程度である中間留分の液体炭化水素が、水素分離装置26からワックス留分水素化分解反応器50を介して供給される水素ガスを用いて、水素化精製される。この水素化精製においては、主に、燃料油基材としての低温流動性を向上する目的で、分岐状飽和炭化水素を得るために、上記液体炭化水素が水素化異性化され、また、上記液体炭化水素中に含まれる不飽和炭化水素に水素が付加される。更に、上記炭化水素中に含まれるアルコール類等の含酸素化合物が水素化されて飽和炭化水素に変換される。このようにして水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器58にて気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
【0039】
ナフサ留分水素化精製反応器54においては、第1精留塔40の上部から供給されたナフサ留分の液体炭化水素が、水素分離装置26からワックス留分水素化分解反応器50を介して供給される水素ガスを用いて、水素化精製される。これにより、供給されるナフサ留分に含まれる不飽和炭化水素及びアルコール類等の含酸素化合物が飽和炭化水素に変換される。このようにして水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器60にて気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、ナフサ・スタビライザー72に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
【0040】
第2精留塔70においては、上記のようにしてワックス留分水素化分解反応器50及び中間留分水素化精製反応器52から供給された液体炭化水素が、炭素数が10以下の炭化水素(沸点が約150℃より低い。)と、灯油留分(沸点が約150〜250℃)と、軽油留分(沸点が約250〜360℃)と、ワックス留分水素化分解反応器50にて充分に分解されなかった未分解ワックス留分(沸点が約360℃を超える。)とに分留される。具体的には、第2精留塔70の塔底から未分解ワックス留分が抜き出され、下部から軽油留分が抜き出され、中央部から灯油留分が抜き出され、塔頂から、炭素数が10以下の炭化水素が抜き出されてナフサ・スタビライザー72に供給される。
【0041】
ナフサ・スタビライザー72においては、上記ナフサ留分水素化精製反応器54及び第2精留塔70から供給された炭素数が10以下の炭化水素の蒸留を行い、製品としてのナフサ(炭素数5〜10)が得られる。これにより、ナフサ・スタビライザー72の塔底からは、高純度のナフサが取り出される。一方、ナフサ・スタビライザー72の塔頂からは、製品対象外である炭素数が4以下の炭化水素を主成分とするフレアガスが排出される。このフレアガスは、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
【0042】
上記説明した炭化水素の製造方法においては、第1バッファタンク91及び第2バッファタンク92の液面高さに基づいて第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97が調整されるのではなく、FT合成反応の設定反応温度に基づいて推定した軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の各生成速度と、第1バッファタンク91からの軽質炭化水素油及び第2バッファタンクからの重質炭化水素油の各抜き出し流量とが等しくなるように、第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97が調整される。このような流量制御においては、FT合成反応における一時的な反応温度の設定温度からの乖離又はスラリー液面高さの変動が生じた際に、その変動を第1バッファタンク91及び第2バッファタンク92により緩和するため、第1精留塔40に供給される軽質炭化水素油と重質炭化水素油の比率及び流量が変動しにくい。したがって、FT合成反応における一時的な反応温度の設定値からの乖離又はスラリー液面高さの変動が生じても、第1精留塔40へ供給される混合油の組成及び流量の変動を抑制でき、第1精留塔40の運転が安定化される。
【0043】
以上、好ましい実施形態例に沿って本発明の炭化水素の製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、変更を行なうことができる。
例えば、上記実施形態においては、FT合成反応を気泡塔型スラリー床反応器において実施しているが、固定床反応器を用いてもよい。その場合、反応生成物の気液分離工程は、反応器の後段に設けられる気液分離装置において実施される。
また、上記実施形態においては、第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97を調整して、軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の抜き出し流量を制御するために、制御部98を備えたが、制御部98を備えず、作業者が合成工程の設定反応温度に基づき、軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の生成速度の推定値を求め、該推定値に基づいて、手動により第1流量調節弁95及び第2流量調節弁97の流量を調節してもよい。
また、上記実施形態においては、分留工程において、ワックス留分、中間留分、及びナフサ留分の3つの留分に分留しているが、ワックス留分とワックス留分以外の軽質の炭化水素留分の2つの留分に分留してもよい。その場合、アップグレーディング工程において、ワックス留分の水素化分解と前記軽質の炭化水素留分の水素化精製により精製を行うこととなる。
また、上記実施形態においては、第2精留塔70において、炭素数10以下の炭化水素、灯油留分、軽油留分、及び未分解ワックスの4つの留分に分留しているが、灯油留分と軽油留分を併せて中間留分として3つの留分に分留してもよい。
【符号の説明】
【0044】
30 FT合成反応器
40 第1精留塔
80 反応器本体
91 第1バッファタンク
92 第2バッファタンク
95 第1流量調節弁
97 第2流量調節弁
98 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒の存在下、連続的に供給される水素ガスと一酸化炭素ガスとからフィッシャー・トロプシュ合成反応により炭化水素を合成する合成工程と、
気液分離により、前記炭化水素を軽質炭化水素と重質炭化水素油とに分離する気液分離工程と、
前記軽質炭化水素から得られる軽質炭化水素油及び前記重質炭化水素油をそれぞれ、各バッファタンクに連続的に供給する一時貯留工程と、
前記各バッファタンクから前記軽質炭化水素油及び重質炭化水素油をそれぞれ連続的に抜き出し、軽質炭化水素油と重質炭化水素油とを混合して精留塔に供給する抜き出し工程と、
前記軽質炭化水素油と重質炭化水素油との混合油を、少なくともワックス留分とワックス留分よりも軽質な留分とに分留する分留工程と、
を備える炭化水素の製造方法であって、
前記合成工程における設定反応温度に基づいて、軽質炭化水素油及び重質炭化水素油のそれぞれの推定生成速度を求め、前記抜き出し工程における軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の抜き出し流量を、前記それぞれの推定生成速度と等しくなるように制御することを特徴とする炭化水素の製造方法。
【請求項2】
前記合成工程及び気液分離工程が、上部に気相部を有するスラリー床型反応器内で行われることを特徴とする請求項1記載の炭化水素の製造方法。
【請求項3】
前記軽質炭化水素油及び重質炭化水素油の推定生成速度が、前記合成工程において使用する触媒に関する、フィッシャー・トロプシュ合成反応の反応温度と連鎖成長確率の関係に基づいて求められることを特徴とする請求項1又は2記載の炭化水素の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−208091(P2011−208091A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79551(P2010−79551)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【出願人】(509001630)国際石油開発帝石株式会社 (57)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【出願人】(591090736)石油資源開発株式会社 (70)
【出願人】(000105567)コスモ石油株式会社 (443)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】