説明

炭塗工ソックス

【課題】 ソックスに炭の層を設けて臭いを吸収するためには、汚れないで吸着性を有し、洗濯に耐える炭層を得ることが必要である。
【解決手段】 布の片面に炭塗工液を塗工して、炭層を有する炭塗工布を得、図1のようにソックスの内側や外側に関わらず、ソックスの底部前面又は底部全面に、炭塗工布を貼り付けて一体化した消臭ソックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
炭層を有するソックスに関する。
【背景技術】
【0002】
特願平09−214487に、竹炭を所定形状の大きさに砕いて、この砕いた竹炭を、ソックスの足底を内部中空の二重構造とした中に入れた構造のものはある。
【0003】
また,特願2001−232839に竹粉炭を特殊接着液にて溶き、予め用意した靴の中敷、靴下内の中敷等の足の底部に当らない部分に設けた溝に塗布し木綿、不織布等で覆い竹粉炭脱落防止加工した水虫、皮膚疾等を防ぐと共に除湿、保温等を計り日常生活の環境改善を行うものはある。
【0004】
このように、炭は静菌作用や吸着効果が優れているため、靴下や靴敷きには炭を封入して利用したものはある。
【参考文献1】
特願平09−214487
【参考文献2】
特願2001−232839
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、炭は汚れる性質があるため、汚れを防ぐ構造に大きなコストを要し、アイデアがあっても実用化は困難であった。
【0006】
このように、従来は炭の汚れる性質をなくして、炭粉を直接ソックスに加工して吸着性や耐水性を保持し、洗濯しても炭粉が剥離しないように処理する技術がなかったために、低コストでソックスと炭を一体化して臭いを取ることは困難であった。
【課題を解決する手段】
【0007】
近年、汚れない、吸着性、耐水性、柔軟性、堅牢性がある炭塗工材料である炭塗工液が開発された。
【0008】
この炭塗工液は粉炭とエチレン酢酸ビニル系接着剤と水を混合したものであり、布に塗工すると図7のような、柔軟性があり洗濯にも耐えることができる炭層を有する炭塗工布ができる。
【0009】
本発明は吸着作用を保持した汚れない炭塗工液を使用したものであり、これをソックスに加工して従来からの課題を解決したものであり、洗濯に耐える耐水堅牢度も有する特性がある。
【0010】
ソックスはニット網で伸縮性に富んでいるが、炭塗工液は柔軟性があるため、ニットの伸縮にも一定範囲内で対応できる。
【0011】
炭は細菌の増殖を抑制して臭いの軽減をすると伴に、臭いを吸着するため消臭作用に優れていることは公知であるが、本発明の炭塗工液も原料炭同様に吸着性、静菌性の特性を有する。
【0012】
更に、炭層はザラザラして摩擦が大きく、ソックスやカバーに炭塗工部があると、足が動く度に角質が磨耗されて古い角質が取れ、つるつるした綺麗な肌になる。
【0013】
請求項1は、炭塗工液を用いて図7のような炭塗工布を得、適当な大きさに切り抜いて、ソックスに貼って一体化したことが特徴であり、足の臭いの発生源である指間部分を中心にしたソックス底部前面に貼ったものと、ソックス底部全面に貼ったものができる。
【0014】
足の大きさには個人差があるため、ソックス底部前面に貼ると、寸法の種類を少なくできコストが安くなる。
【0015】
加えて、かかと部分にも炭塗工布を貼り付けると、足が動く度に角質が磨耗されて古い角質が取れ、つるつるした綺麗な肌になる。
【0016】
請求項2はソックスやカバーに直接炭塗工液を塗工してソックスと一体化したことが特徴であり、コストが安くできる。ソックス内側に塗工すれば炭のザラザラした感触を得ることができ、角質が研磨されてつるつると綺麗になる。
【0017】
外側に塗工すれば従来とほぼ同じ履き心地である。
【0018】
請求項1、請求項2伴に臭いの発生源の指間に近接して炭層を有するため、静菌作用や消臭作用には極めて優れていて、炭層が洗濯にも耐えることができる耐水堅牢度を有することが特徴である。
【0019】
ソックスに炭塗工布を貼るとき、炭層が表でも裏でもよいが、足に炭層が接していると、特に指間部分は圧迫磨耗と湿気によって破砕粉が生じて多少黒くなることがあるため、指間部分は直接炭層に接しないのが望ましい。
【0020】
炭層を形成するための炭粉には木炭、竹炭、活性炭のいずれか又は混合したものを使用し、炭粉径は0.02〜0.5ミリメートルの範囲である。
【発明の効果】
【0021】
ソックスに臭いがしないため靴も臭わずに足の異臭から開放され、美しい素足を得ることができる。
【実施例1】
【0022】
炭塗工液を布に施した図7のような炭塗工布を得て、図6のように炭塗工布を所定の大きさに切断したものを、ソックス外側の底部前面に貼り付けてソックスと一体化したものであり、履いた時の状態は図1のようになる。
【0023】
炭塗工布を貼るとソックスとの間に段ができて、歩くと違和感があるため、感じにくい土踏まずを境にして貼る。
【実施例2】
【0024】
図4のように、ソックス外側の底部前面に炭塗工液を塗工したものである。
【実施例3】
【0025】
ソックス外側の底部前面と内側かかと部分に炭塗工液を塗工したものであり履いたときの状態は図5のようになる。
【0026】
このとき、炭塗工液を塗工するとソックスとの間に段ができて、歩くと違和感があるため、感じにくい土踏まずを境にして塗工する。
【実施例4】
【0027】
図3のように、ソックス底部前面の他かかと部分にも炭塗工布を所定の大きさに切断して貼り付けて一体化したものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】は底部前面に炭塗工布を貼ったものであり、ソックス使用時の概略断面図である。
【図2】は底部全面に炭塗工布を貼ったものであり、ソックス使用時の概略断面図である。
【図3】は底部前面とかかと部分に炭塗工布を貼ったものであり、ソックス使用時の概略断面図である。
【図4】は底部前面に炭塗工液を塗工したものであり、ソックス使用時の概略断面図である。
【図5】は底部前面とかかと部分に炭塗工液を塗工したものであり、ソックス使用時の概略断面図である。
【図6】はソックス底部から見た姿図である。
【図7】は布に炭塗工液を塗工して得た、炭塗工布の斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1.ソックス
2.炭層
3.布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布の片面に炭塗工液を塗工して、炭層を有する炭塗工布を得、図1、図2、図3のようにソックスの内側や外側に関わらず、底部前面又は底部全面とかかと部分、又は底部全面又は底部全面とかかと部分に、炭塗工布を貼り付けて一体化したソックス。
【請求項2】
図2のようにソックスやカバーの内側や外側に関わらず、底部前面又は底部全面とかかと部分、又は底部全面又は底部全面とかかと部分に炭塗工液を塗工して得たソックスとカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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