説明

炭温熱パック

【課題】従来の温熱パックは体の芯から温めることができず、コリや痛みを癒す作用が弱かったが、暖めた炭を患部に置くとコリや痛みが取れて癒される。しかし、炭は汚れるため、使用することが困難であった。
【解決手段】耐水性があり難燃性で粉塵の発生がなく汚れない炭ペレットを得て、これを布袋に封入して温熱パックにした。常温でも効果はあるが、電子レンジで暖めて使用すると患部の芯から温まって痛みやコリが取れて癒される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
身体の具合が悪い部分を暖めてコリや痛みを癒す炭温熱パック。
【背景技術】
【0002】
特開2004−121731に温灸パックを、もぐさ成分に、塩ビ/又は砕石と共に、米糠を混合した混合物を布製袋に封入した温熱パックはある。また、電子レンジで暖める粘液を封入した温熱パックは周知である。
【0003】
しかし、粘液状温熱パックを使用すると暖かさはあるが、芯から暖める作用はなく使用感がよくなかった。
【0004】
本発明の温熱パックは、常温でも電子レンジで暖めても使用できる温熱パックであり、炭の遠赤外線効果を利用して体の深部から暖めてコリや痛みを癒すものである。
【0005】
【参考文献】
特開2004−121731
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の温熱パックには、患部を芯から温める作用や、冷めて常温になった後でも継続して患部を温めて癒す作用はなく、コリや痛みを癒す効果は弱かった。
【0007】
炭化物に共通するが、特に木炭には常温で使用しても患部を温めて癒す一定の作用があり、加熱して使用すれば更に癒し効果が増大することを発見した。木炭の中では高温炭化した備長炭が最も効果的であるが、炭化物でも一定の効果はある。しかし、炭は汚れるため使用できなかった。
【0008】
近年、強度が強く粉塵が出ない難燃性の炭ペレットが開発されたのを機会に、袋内部にこの炭ペレットを封入することによって、炭の遠赤外線効果を利用して患部の芯から温めて癒すことが可能になった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来の炭では、温熱パックや座布団として使用するためには、粉が出ない微細織目の不織布などに包む必要があり、2重袋になるために使用感が悪い。また、使用していると、どうしても粉塵が生じて汚れる。
【0010】
更に炭や不織布は燃えやすいため電子レンジでの加熱時間が長くなると燃える恐れがある。
【0011】
このように今までは炭の使用は困難であったが、最近、強固で、粉塵が生じない難燃性の炭ペレットの生産が可能となり、汚れない炭ペレットを得ることができるようになった。
【0012】
本発明に使用する炭ペレットは粉炭をペレットに成形したものであるため、木炭、活性炭、木を除く有機物の炭化物のいずれも使用できるが、備長炭粉原料の木炭ペレットが最も望ましい。
【0013】
炭にはいわゆる遠赤効果があって、加熱しなくても体を芯から暖める作用があることが発明者の発見によっても判明している。また炭ペレットは電子レンジで簡単に加熱することができ、保温特性もよい。
【0014】
本発明はこのような炭の作用や特性をコリや痛みや疲れを癒す目的に利用するために、難燃性で粉塵の発生がなく汚れない炭ペレットを袋に封入して、温熱パックにしたのが特徴である。
【発明の効果】
【0015】
炭ペレットを封入した袋は常温での使用で効果があり、しかも袋の生地や柄によっては、見た目に美しく、職場や飛行機の中で疲れを癒すことができる。更に暖めると肩こりや膝の痛みを一層癒すことができるため、特に高齢者の健康維持に寄与して活動的な行動の促進に貢献できる。
【0016】
美容室やエステサロンでの使用は心地よい時間を創造し、心身を癒すことができる。
【0017】
座布団に使用する場合、炭ペレットだけだと固くて痛いため、上にクッションを設けるのが望ましいが、炭の摩擦係数が大きいためお尻が固定されて体がずれない他、痔に対して効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
袋には熱に強いコットン生地が望ましく、保温性のよい柔らかな厚手の生地がよい。図1のような構造で首、肩用はセーラー形にして、膝用など局所を暖めるには平形にすればよい、座布団にする場合は図2のように炭ペレットの上にクッションを設ける構造がよい。
【0019】
ペレット状炭は備長炭粉末を成形したものを封入するのが望ましい。
【実施例】
【0020】
セーラー形に縫製した布袋に木炭ペレットを300〜700g入れた試作品の常温試用を実施した結果、首周りに置くと、首や肩が温まって心地よく、数十分すると首や肩が暖かくなって気持ちよいとの回答を試用者の過半数から得た。
さらに600ワットの電子レンジで1分30秒間加熱して使用すると、首と肩を芯から温めてコリや疲れを癒すことができる回答が使用者全員からあった。
【0021】
また、平型袋に木炭ペレットを400g入れた試作品の常温試用を実施した結果、患部に置いていると暖かくなって痛みが和らぐ回答が半数であった。更に電子レンジで40秒間加熱して試用すると、腹、膝など患部の芯から温めて痛みを癒すことができる回答を使用者の過半数から得た。
【0022】
これらの結果から、炭入り温熱パックには痛みや疲れを和らげ癒す作用があり、図1、図2の構造が使い勝手が良い。そして体に載せて使用するものでは木炭ペレットの使用重量は1kg未満が適当であることが確認された。
【0023】
袋の形は使用場所によって使い勝手がいいように様々にできる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
体の痛みや疲れた部分を芯から暖めて癒す機能を有するために、薬では効かない痛みや疲れを取る治療に関して使用できる。更に血流をよくする炭の働きを利用して、医療分野、介護分野に使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 炭温熱パックの断面図。
【図2】 炭ペレット入り座布団の断面図。
【符号の説明】
【0026】
1. 袋
2. 炭ペレット
3. スポンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性で粉塵の発生がなく汚れない炭ペレットを布袋に入れたものであり、電子レンジで加熱して使用できる炭温熱パック。

【図1】
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【図2】
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