説明

炭素シャフトのリーミング装置

本発明は、炭素シャフトのリーミング装置に係る。当該リーミング装置は、ロッド要素(10)、インターフェイス要素(20,30)、及び接続剤(40)を有する。ロッド要素(10)は、炭素繊維強化構造を備える第1の接続部(11)を有する。インターフェイス要素(20,30)は、第2の接続部(21,31)を有する。第1の接続部(11)及び第2の接続部(21,31)は、互いに対して同軸上に配置される。接続剤(40)は、第1の接続部(11)と第2の接続部(21,31)との間において介在される。ロッド要素及びインターフェイス要素のいずれかは、リーミング工具又はドライブに対して結合され得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーミング装置に係り、より特には、炭素繊維強化構造を有するシャフトを備えるリーミング装置に係る。
【背景技術】
【0002】
髄内釘固定は、特には長い四肢(long extremities)である長骨における骨折固定に対して選択される方法である。髄内管(intramedullary channel)に対して完全にアクセスするには、リーマーのシャフトは、軟組織及び骨の湾曲をバイパスするよう屈曲方向において十分に可撓性でなければならず、また、リーマーのヘッドに対してねじれを伝達するよう十分に剛性でなければならない。先行技術によるリーミング装置は、リーミング処置中に残留物が捕捉され得る螺旋を構成するシャフト設計を備えるため、次に使用する前の病院でのリーミング装置の洗浄は、特には滅菌処置において複雑である。病院での器具の適切な洗浄は、大きな労力を要し、多くの時間がかかる。更には、病院によっては、大きな労力が伴うために、かかる重要な装置を洗浄する準備がされていないところもある。
【0003】
複数の先行技術のリーミング装置において、螺旋シャフトは、十分な可撓性を提供するよう高度の弾性(超弾性)を備える材料であるニチノールと称されるもので作られたシャフトに置き換えられる。ニチノール(Nitinol)は、ニッケル・チタン・ネイバル・オードナンス・ラボラトリー(NIckel TItanium Naval Ordnance Laboratory、海軍兵站研究所ニッケルチタン)の頭字語である。ニチノールは、チタン又はニッケルの構造とは異なる通常の立方晶構造を備える合金相NiTiである。ニチノールは、約55%ニッケル及び約45%チタンを有する。ニチノールのシャフトが単一チューブを有して作られるという事実により、病院での洗浄労力はより少ない。しかしながら、最近の調査は、ニチノール材料が突発故障モードを有することを示している。特には、複数の調査報告は、ニチノールシャフトの複数断片破断が病院での手術処置の間のリーミング処置中に発生した、ということを指摘している。更には、ニチノール材料は、大変高価な材料である。
【0004】
US 2007/0015107(特許文献1)から、研磨コーティングを備える根管器具及びその製造方法が既知である。該根管器具は、形状記憶を備える可撓性の弾性材料を有するコアを備える。該コアは更に、研磨粒子を有するコーティングを備える。コアは、炭素繊維強化プラスチック材料等であるプラスチック材料、又はニッケル−チタン合金から作られる。
【0005】
CH 668690(特許文献2)は、試験機器に対して結合されたリード線を有するカバーとして炭素繊維添着プラスチックを使用する、心電図試験等である医学的目的に対するプローブ電極ケーブルを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 2007/0015107
【特許文献2】CH 668690
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、より信頼性の高いリーミング装置を与えることを目的とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、独立請求項の対象によって解決される。その有利な実施例は、従属請求項に盛り込まれる。
【0009】
本発明の典型的な実施例によれば、リーミング装置は、ロッド要素、インターフェイス要素、及び接続剤を有する。ロッド要素は、炭素繊維強化構造を備える第1の接続部を有する。インターフェイス要素は、第2の接続部を有する。第1の接続部及び第2の接続部は、互いに対して同軸に配置される。接続剤は、第1の接続部と第2の接続部との間に介在される。
【0010】
故に、先行技術の螺旋リーマーの洗浄問題を有さず、同時にロッド要素の炭素繊維強化構造により更に堅固な材料を与えるリーミング装置が与えられる。更には、炭素繊維強化構造部を備えるロッド要素は、先行技術のニチノール材料より安価であり、更にはより一層堅固である。接続剤は、ロッド要素とインターフェイス要素との間において信頼性の高い接続を与える。インターフェイス要素は、結合要素であり得、リーミング装置のリーミング工具を担持することができるが、リーミング装置のリーミングドライブに対する結合要素でもあり得る。言い換えれば、インターフェイス要素は、リーミング装置の両側上、ドライブインプット側及びドライブアウトプット側上における結合であり得る。接続部、即ち第1の接続部及び第2の接続部は特に、ロッド要素とインターフェイス要素との間において信頼性の高い接続を提供するために接続剤を受容するよう備えられ得る。
【0011】
本発明の典型的な一実施例によれば、第1の接続部はロッド要素の外側表面上に与えられ、第2の接続部はインターフェイス要素の内側表面上に与えられる。
【0012】
故に、ロッドの接続部は少なくとも部分的にインターフェイス要素によって取り囲まれるため、インターフェイス要素は、ロッド要素の接続部分を覆う。しかしながら、第1の接続部はロッド要素の内側表面上に与えられてもよく、第2の接続部はインターフェイス要素の外側表面上に与えられてもよい。この場合、ロッド要素は穴を備えられるべきであり、該穴へとインターフェイス要素が挿入され得、特にはインターフェイス要素の第2の接続部が挿入され得る。前述された場合はいずれも、ロッド要素からインターフェイス要素まで移行(transit)又はその逆の移行は、潤滑な移行として設計され得、リーミング装置の洗浄工程に関して問題があり得る剥離組織を捕捉する危険性を部分が有することを防ぐようにする。
【0013】
本発明の典型的な一実施例によれば、第1の接続部は、第1の凹部を有する。接続剤は、該第1の凹部へと係合する(engages into)。
【0014】
ロッド要素の第1の接続部に凹部を与えることは、リーミング装置の稼働中に向上された応力伝達を与える。これは、応力伝達が第1の接続部上におけるロッド要素の表面と応力伝達が接続剤との間において影響を及ぼす共有応力(share forces)に限定されないため、である。更には、応力はまた、凹部へと係合する接続剤の突出と凹部自体との間における相互作用によって伝達され得る。
【0015】
本発明の典型的な一実施例によれば、第1の部分は第2の凹部を有する。第1の凹部及び第2の凹部は、ロッド要素の軸方向において互いに対して移動される(displaced to each other)。
【0016】
軸方向における第1の凹部に対して移動される第2の凹部を与えることにより、接続剤の更なる突出が形成され得るため、応力分布は向上され得る。軸方向への移動を与えることは、異なる軸方向位置に対して応力衝撃箇所(force impact locations)を更に分布させるため、第1の接続部の範囲におけるロッド要素の弱化は制限され得、ロッド要素の破断を防ぐようにする。
【0017】
本発明の典型的な一実施例によれば、第1の部分は、第3の凹部を有する。第1の凹部及び第3の凹部は、ロッド要素の周方向において互いに移動される。
【0018】
周方向において移動される複数の凹部を与えることは、ロッド要素とインターフェイス要素との間において向上された接触を形成するよう、伝達応力の分布を更に高め得る。
【0019】
本発明の典型的な一実施例によれば、インターフェイス要素、特に第2の接続部は、第4の凹部を有する。接続剤は、該第4の凹部へと係合する。
【0020】
インターフェイス要素において凹部を与えることは、接続剤と夫々のインターフェイス要素との間における向上された応力伝達も与える。
【0021】
本発明の典型的な一実施例によれば、インターフェイス要素、特に第2の接続部は、第5の凹部を有する。第4の凹部及び第5の凹部は、インターフェイス要素の軸方向において移動される。
【0022】
第4及び第5の凹部の移動は、接続剤とインターフェイス要素との間の応力伝達を高めるよう、向上された応力分布を与える。凹部の軸方向の移動を与えることは、インターフェイス要素の弱化された構造を防ぎ、複数の軸方向に分布された箇所に対して応力伝達を分布させる。
【0023】
本発明の典型的な一実施例によれば、インターフェイス要素は、第6の凹部を有する。第4の凹部及び第6の凹部は、インターフェイス要素の周方向において移動される。
【0024】
周方向において移動される複数の凹部を与えることは、接続剤とインターフェイス要素との間における応力伝達に対して向上された形状を与え得る。
【0025】
複数の凹部は、軸方向及び周方向の両方向において同時に移動されるよう与えられ得る、ことが留意されるべきである。更に、凹部の数は、限定されず、適用の夫々の必要性に応じて与えられ得る。更に、接続剤は、接続剤を介するロッド要素とインターフェイス要素との間の応力伝達を高めるよう、特には第2、第3、第5、及び第6の凹部である複数の凹部へと係合され得る、ことが留意されるべきである。更に留意されるべきは、ロッド要素における凹部及びインターフェイスにおける凹部は、凹部箇所に対して互いに少なくとも部分的に対応し得るため凹部が互いに対面し得る、ことである。故に、接続剤の夫々に係合する部分は、ロッド要素と夫々のインターフェイス要素との間において一種のボルト締め接続を形成し得る。更に、例えば、第3の凹部はたとえ第2の凹部がなくても与えられ得ること、及び、第4の凹部はたとえ第1、第2、又は第3の凹部がなくても与えられ得ること、が留意されるべきである。言い換えれば、凹部は、夫々の適用の必要性に対して任意に与えられ得る。
【0026】
本発明の典型的な一実施例によれば、凹部のうち少なくとも1つは、球面穴(spherical hole)の形状で形成される。
【0027】
球面穴を与えることは、円筒穴よりも利点を与える。即ち、球面穴は、ロッド要素の破断の危険性を有する鋭角なチャンファ又はノッチを与えない。故に、球面穴の形状である凹部を用いることによって、鋭角なノッチ又は鋭角なチャンファは避けられ得る。
【0028】
本発明の典型的な一実施例によれば、凹部のうち少なくとも1つは、溝の形状で形成される。該溝は、ロッド要素の長手方向へと延在する。
【0029】
軸方向に延在する溝は、穴より長い断面を備え、夫々の要素間における向上された力の伝達を与え得る。溝は、夫々の要素の意図されない破断を避けるために鋭角なノッチ又は鋭角なチャンファを避けるよう半周の断面を備え得る、ことが留意されるべきである。
【0030】
本発明の典型的な一実施例によれば、少なくとも1つの凹部は、インターフェイス要素において貫通穴を形成する。
【0031】
貫通穴を与えることは、特に軸方向に方向付けられたボア穴の内側壁へとかかる穴を与えるときに、止まり穴よりも製造が大変容易である。
【0032】
本発明の典型的な一実施例によれば、インターフェイス要素は、リーミング工具をロッド要素に対して結合するよう適合される。
【0033】
インターフェイス要素はまた、ドライブをロッド要素に対して結合させるよう適合され得る、ことが留意されるべきである。2つのインターフェイス要素を与えること、即ちリーミングツールを結合させるための第1のインターフェイス要素、及びドライブに対する結合(a coupling)としての第2のインターフェイス要素を与えることによって、特にはリーミング工具側におけるロッド要素及びインターフェイス要素と、ドライブ側におけるインターフェイス要素との間における両方の接続の接続剤の形状であるような設計がなされ得、接続剤がドライブ側において所定の破断点を与えるようにする。故に、ドライブ力(driving forces)がロッド要素と夫々のインターフェイス要素との間における接続の意図される制限された応力伝達の性能を越えて広がる場合、所定の破断点は、ドライブインターフェイス要素の側において与えられ、人体における手術処置中に破断が人体外で起きるため、リーミング装置の残留物が人体内に残らない。所定の破断点は、例えば、リーミング工具側に対するドライブ側における低減された数の凹部によって与えられ得る。
【0034】
本発明の典型的な一実施例によれば、ロッド要素は、ロッド要素の実質的に長手方向に延在する第1の導管を有する。
【0035】
ロッド要素内において導管を与えることは、外側からロッド要素及び夫々の結合されたインターフェイス要素のリーミング工具側まで医学的に効果的な剤を与える可能性を提供する。他方では、ロッド要素における導管は、リーミング工具側から外側まで剥離組織を除去する可能性を与える。
【0036】
本発明の典型的な一実施例によれば、インターフェイス要素は、第2の導管を有し、該第2の導管は、ロッド要素の第1の導管に対して接続される。
【0037】
故に、インターフェイス要素における第2の導管は、ロッド要素における第1の導管に対応するため、導管を通って運ばれる材料は、インターフェイス要素からロッド要素まで、並びにロッド要素からインターフェイス要素まで、移送され得る。導管は、リーミング工具に対する結合としてのインターフェイス要素及びドライブに対する結合としてのインターフェイス要素のいずれの種類のインターフェイス要素に対しても与えられ得る。インターフェイス要素の導管の出口はまた、特には剤を与えることが所望されるとき、あるいは組織の除去が所望されるときに、外側壁の側、即ちインターフェイス要素の側面部において与えられ得る、ことが留意されるべきである。
【0038】
本発明の典型的な一実施例によれば、ロッド要素は、炭素繊維複合材(CFC)から作られる。
【0039】
本発明の典型的な一実施例によれば、炭素繊維は、少なくとも第1の層及び第2の層において巻かれる。第1の層及び第2の層の方向は、夫々ロッド要素の長手方向軸に対して実質的にプラス/マイナス45°の角度において傾斜される。
【0040】
故に、炭素繊維は、最大のねじれ抵抗及び低い曲げ抵抗を備えるよう最適化される。また、方向の異なる傾斜角度は、ねじれ抵抗及び曲げ抵抗、並びにねじれ抵抗及び曲げ抵抗の比率を適合させる必要がある場合に与えられ得る、ことが留意されるべきである。
【0041】
本発明の典型的な一実施例によれば、接続剤は接着剤である。
【0042】
接着剤は、ロッド要素とインターフェイス要素との間において信頼性の高い接続を与える。リーミング装置に対して、人体に適合する接着剤が使用されるべきである、ことが留意されるべきである。適切な接着剤は、信頼性の高い接続及び生体適合性を同時に与える接着剤であるべきである。
【0043】
本発明の典型的な一実施例によれば、接続剤は熱硬化接着剤である。
【0044】
熱硬化接着剤は、より長い製造期間の可能性を与えるため、ロッド要素及びインターフェイス要素の互いに対する正確な位置付けを得るとき、硬化工程は、熱衝撃に始動されて始められ得る。
【0045】
本発明の典型的な一実施例によれば、接続剤は複数構成要素エポキシ樹脂である。
【0046】
複数構成エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂の複数構成要素を混合するとき、あるいは熱衝撃を加えるときに開始する化学工程により、信頼性が高く強い接続を与える。故に、接着剤のエイジング工程又は初期結合は、避けられ得る。
【0047】
本発明の典型的な一実施例によれば、接続剤は炭素繊維の第3の層である。該第3の層は、第1の層及び第2の層の周囲に巻かれ、第3の層は、ロッド要素の周方向へと巻かれる。炭素繊維の第1の層及び第2の層は、分離される必要はなく、織り合わせ構造を構成してもよい。しかしながら、炭素繊維が単に周方向に対して傾斜される場合、構造の安定性は弱化され得るため、周方向における第3の炭素繊維層の巻付けは、特に第3の層が接続剤としての役割を有するとき、十分に安定した構造を与える。第3の炭素繊維層は、ロッド要素及びインターフェイス要素が圧入(プレスフィッティング)によって接続される場合に接続剤としての役割を有し得る。該圧入は、ロッド要素とインターフェイス要素との間における信頼性の高い接続に対する接着剤を必要としない。
【0048】
上述された特性は組み合わされてもよい、ことが留意されるべきである。上述された特性の組合せはまた、特に詳述されなくても、共同作用効果をもたらし得る。
【0049】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照して明らかに説明される。
【0050】
本発明の典型的な実施例は、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ロッド要素、接続剤、及びリーミング工具に対する結合としての役割を有し得るインターフェイス要素の典型的な一実施例を図示する。
【図2】ロッド要素、接続剤、及びドライブに対する結合としての役割を有し得るインターフェイス要素の典型的な一実施例を図示する。
【図3】図3a及び3bは、典型的な一実施例に従ったリーミング装置の別個の構成要素を図示する。
【図4】図4a及び4bは、典型的な一実施例に従った図3a及び3bの取り付けられた構成要素を図示する。
【図5】図5a,5b,5c及び5dは、典型的な一実施例に従った接続部を備えるロッド要素を図示する。
【図6】図6a,6b,6c及び6dは、典型的な一実施例に従った接続部を備えるロッド要素を図示する。
【図7】図7a,7b,7c,7d,7e及び7fは、典型的な一実施例に従ったリーミング工具に対する結合としての役割を有するインターフェイス要素を図示する。
【図8】図8a,8b,8c及び8dは、典型的な一実施例に従ったドライブに対する結合としての役割を有するインターフェイス要素を図示する。
【図9】図9a,9b,9c及び9dは、典型的な一実施例に従ったドライブに対する結合としての役割を有するインターフェイス要素を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、接続剤40を用いるロッド要素10及びインターフェイス要素20の結合の典型的な一実施例を示す。ロッド要素10は、導管16を備えられ得る。図示された実施例に従ったロッド要素は、球面穴(spherical holes)として形成される第1の凹部13及び第3の凹部15を有する。この実施例においては、穴は止まり穴であり、導管16の密封は、穴又は凹部の領域において支持される(upheld)。凹部は貫通穴であってもよい、ことが留意されるべきである。ロッド要素10は、接続部11を備えられる。この実施例におけるインターフェイス要素20は、第4、第5、及び第6の凹部23、24、25を与えられる。凹部は、この実施例ではインターフェイス要素の長手方向軸28に対応するロッド要素の長手方向軸18に対して移動された箇所(ロケーション)において与えられ得る。図示される通り、凹部23は、凹部25に対して長手方向28において移動される。同一のことが凹部13及び15に適用され、ロッド要素10の長手方向軸18に対して互いに移動される。インターフェイス要素20の凹部は、ボア穴(bore holes)として与えられる。凹部はまた、凹部23及び24から分かる通り、インターフェイス要素39の周方向に対して移動され得る、ことが留意されるべきである。かかる凹部は、約180°移動されるが、他の移動の角度も必要に応じて適用され得る。図1は、周方向19へのロッド要素10の凹部の周方向の移動を図示しないが、ロッド要素10の周方向に対して移動される凹部も与えられ得る、ことが留意されるべきである。インターフェイス要素20は、ロッド要素10の第1の接続部11に対応する第2の接続部21を備えられる。接続剤40は、同軸上に配置されたロッド要素10の第1の接続部11とインターフェイス要素20の第2の接続部21との間において与えられる。図示された実施例において、接続剤40は、凹部13,14,23,24及び25へと係合し、ロッド要素10とインターフェイス要素20との間における向上された応力伝達が与えられ得る。しかしながら、ロッド要素10とインターフェイス要素20との間における応力伝達が十分である場合、接着剤40は、たとえ凹部が与えられている場合でも、凹部へと係合する必要はない、ことが留意されるべきである。この場合、凹部は省略されてもよいことが留意されるべきである。
【0053】
図2は、ロッド要素10及びインターフェイス要素30を備えるリーミング装置1を示す。ロッド要素10及びインターフェイス要素30は、少なくとも第1の接続部11及び第2の接続部31において同軸上に配置される。図2は、ロッド要素10の長手方向18へと延在する溝として形成される、ロッド要素10の外側表面12上における凹部を示す。ロッド要素10の長手方向18及びインターフェイス要素30の長手方向38は、本発明の一実施例においては互いに対して対応する。ロッド要素10の表面12上に与えられる凹部13、14及び15は、ロッド要素10の長手方向18に対して移動され、また、ロッド要素10の周方向19に対して移動される。ロッド要素10及びインターフェイス要素30は、ロッド要素10の第1の接続部11及びインターフェイス要素30の第2の接続部31において同軸上に配置される。図示されたロッド要素10は、インターフェイス要素30の導管36に対応する導管16を有するため、薬剤又は組織の移動が行なわれ得る。接続剤40は、ロッド要素10とインターフェイス要素30との間において与えられる。接続剤40は、凹部13,14及び15へと係合し得る。故に、高められた応力伝達は、インターフェイス要素30とロッド要素10との間において行なわれ得る。
【0054】
例えば、図3中のインターフェイス要素30のドライブ側上の第4、第5、及び第6の凹部を省略する場合、インターフェイス要素30とロッド要素10との間における応力伝達が制限され得るため、所定の破断点は与えられ得る。そのため、適用される応力を延在させる場合、ロッド要素10とインターフェイス要素30との間における接続剤40における接続は、意図的に破断されるため、ロッド要素10自体の破断、及び図1中のリーミング工具側のインターフェイス要素20とロッド要素10と間の破断は避けられ得、所定の破断点は、全ての手術状況に対して人体外において与えられ得る。
【0055】
図3a及び図3bは、ロッド要素10及び2つのインターフェイス要素20,30を備えるリーミング装置1の複数の構成要素の側面図(図3a)及び断面図(図3b)である。接続剤40は、図3a及び図3bには図示されない。図3bに図示される通り、全ての構成要素10,20,30において導管を与えることは、薬剤を運搬するため、あるいはリーミング工具(図示せず)から組織を除去するための接続を与える。
【0056】
図4a及び4bは、ロッド要素10及び2つのインターフェイス要素20,30を備える組み立てられたリーミング装置1を示す。図4bの断面図に示される通り、ロッド要素10及びインターフェイス要素20,30は同軸上に配置されるため、インターフェイス要素20,30の接続部は、ロッド要素10の夫々の接続部を覆う。
【0057】
図5a,5b,5c及び5dは、ロッド要素10、特にはロッド要素10の接続部11を示す。ロッド要素10の接続部11において、凹部13,14,及び15は与えられ得る。凹部は、図5aに示される通り長手方向に対して移動され得るか、あるいは、図5aの図に対して90°回転された図5bに示される通り周方向において移動され得る。
【0058】
更に、図5aは、炭素繊維層の典型的な一実施例を示す。第1及び第2の炭素繊維層17a,17bは、図5bに示される通り、織り合わせ構造として与えられ得る。織り合わせ構造は、ロッド要素10の周方向において巻かれる第3の層17cによって取り囲まれ得る。周方向の巻付けは特に、インターフェイス要素20,30とロッド要素10との間において圧入を適用する場合に適切である。図5cは、切取り線A−Aに沿った断面図であり、図5dは、より詳細を示す図5cの拡大断面図である。図5dは、球面穴として形成される凹部13,14,15の典型的な一実施例を示す。球面穴はまた、図5dに示される通り、球形の一部によって形成される穴として理解されるべきである、ことが留意されるべきである。更に、凹部13,14,15,23,24,25,33,34,35は、例えば円筒形状、又は鋭角なノッチを有さない形状等である他の形状を備え得る。しかしながらこのことは球面穴に限定されない。
【0059】
図6a,6b,6c及び6dは、ロッド要素10の表面側上の凹部13,14,15を図示する更なる典型的な一実施例を示す。該凹部は、ロッド要素10の長手方向へと溝として形成される。溝は、図6bに示される通りロッド要素10の長手方向軸に対して移動され得、また、90°回転された図6bのロッド要素を図示する図6aに示される通り、周方向へと移動される。図6cは、図6aの断面図であり、図6dは、図6c中のロッド要素の拡大断面図である。図6dに示される通り、凹部13,14及び15は、応力を伝達するとき、ロッド要素10の損傷を避けるために鋭角なノッチ又は鋭角なチャンファを避けるよう、円扇型(circle sector)の形状における断面を備え得る。
【0060】
図6aは、炭素繊維の第1の層17a及び第2の層17bを更に示す。図6aの実施例中の炭素繊維は、別個の層において巻かれる。第1及び第2の層17a及び17bの他の配置が与えられてもよく、特には他の織り込み(woven)パターンが使用され得、必要に応じて夫々の適用に対して適切且つ必要なようにされる、ことが留意されるべきである。しかしながら層の数は、第1及び第2の層に限定されず、複数層構造であってもよい。
【0061】
図7a,7b,7c,7d,7e及び7fは、リーミング工具を結合するよう適合されるインターフェイス要素20を示す。リーミング工具の結合は、インターフェイス要素20のヘッド部において行なわれ、詳細は図7eにおいて示される。インターフェイス要素20の第2の接続部21は、図7a及び図7b中の対応する断面図に示される通り、軸方向及び周方向へと移動され得る複数の凹部13,14及び15を備えられ得る。インターフェイス要素20はまた、導管26を備えられ得、該導管26は、リーミング工具の導管(図示せず)に対するロッド要素16の導管(図7a,7b,7c,7d,7e及び7fは図示せず)の間における接続を与え得る。
【0062】
図7cは、図7aの上面図である。図7dは、図7bに対して90°回転された、インターフェイス要素20の断面図である。図7fは、インターフェイス要素20の三次元図である。
【0063】
図8a,8b,8c及び8dは、インターフェイス要素の更なる典型的な実施例を示すが、このインターフェイス要素は、リーミング装置を駆動するためのドライブを結合するよう適合される。図8aは、典型的なインターフェイス要素30の側面図である。図8cは、図8a中のインターフェイス要素30の上面図である。図8bは、図8a中のインターフェイス要素30の断面図であり、インターフェイス要素30はまた、長手方向への導管36を備えられる。接続部31は、複数の凹部33,34,35を有し、該凹部は、止まり穴及び貫通穴(図示せず)として与えられ得る。凹部は、円筒穴及び球面穴(図示せず)として形成され得る。凹部33,34,35は、ボア穴の内側表面32上に与えられ得、該ボア穴は、ロッド要素10の接続部11を受容するよう適合される。図8dは、典型的な一実施例に従ったインターフェイス要素30の三次元図である。
【0064】
図9a,9b,9c及び9dは、ドライブに対して結合されるよう適合されるインターフェイス要素30の更なる典型的な一実施例を示す。図9aは側面図であり、図9cは拡大上面図であり、図9bは、インターフェイス要素30の断面図である。図9dは、インターフェイス要素30の三次元図である。
【0065】
図8a,8b,8c及び8d中のインターフェイス要素は、ドライブユニットの供給者に対して指示され得るドライブに対する異なった結合形状を与える点において図9a,9b,9c及び9dとは異なる。故に、結合形状の設計は、インターフェイス要素30に対して結合されるべきドライブユニットに対して修正され得る、ことが留意されるべきである。
【0066】
「有する」という語は他の要素を除外するものではなく、単数形で示されるものはその複数の存在を除外しない、ことが留意されるべきである。また、異なる実施例に関連付けられて説明される要素は、組み合わせられ得る。
【0067】
請求項中の参照符号は、請求項の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーミング装置であって、
ロッド要素と、
インターフェイス要素と、
接続剤と、
を有し、
前記ロッド要素は、炭素繊維強化構造を備える第1の接続部を有し、
前記インターフェイス要素は、第2の接続部を有し、
前記第1の接続部及び前記第2の接続部は、互いに対して同軸に配置され、
前記接続剤は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に介在される、
リーミング装置。
【請求項2】
前記第1の接続部は、前記ロッド要素の外側表面上に与えられ、前記第2の接続部は、前記インターフェイス要素の内側表面上に与えられる、
請求項1記載のリーミング装置。
【請求項3】
前記第1の接続部は、第1の凹部を有し、
前記接続剤は、該第1の凹部へと係合される、
請求項1又は2記載のリーミング装置。
【請求項4】
前記第1の部分は、第2の凹部を有し、
前記第1の凹部及び前記第2の凹部は、前記ロッド要素の軸方向において互いに対して移動され、
前記接続剤は、前記第2の凹部へと係合する、
請求項3記載のリーミング装置。
【請求項5】
前記第1の部分は、第3の凹部を有し、
前記第1の凹部及び前記第3の凹部は、前記ロッド要素の周方向において互いに対して移動され、
前記接続剤は、前記第3の凹部へと係合する、
請求項3又は4記載のリーミング装置。
【請求項6】
前記インターフェイス要素は、第4の凹部を有し、
前記接続剤は、該第4の凹部へと係合する、
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項7】
前記インターフェイス要素は、第5の凹部を有し、
前記第4の凹部及び前記第5の凹部は、前記インターフェイス要素の軸方向において移動され、
前記接続剤は、前記第5の凹部へと係合する、
請求項6記載のリーミング装置。
【請求項8】
前記インターフェイス要素は、第6の凹部を有し、
前記第4の凹部及び前記第6の凹部は、前記インターフェイス要素の周方向において移動され、
前記接続剤は、前記第6の凹部へと係合する、
請求項6又は7記載のリーミング装置。
【請求項9】
前記凹部のうち少なくとも1つは、球面穴の形状において形成される、
請求項3乃至8のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項10】
前記凹部のうち少なくとも1つは、溝の形状において形成され、該溝は、前記ロッド要素の長手方向へと延在する、
請求項3乃至9のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項11】
少なくとも1つの凹部は、前記インターフェイス要素において貫通穴を形成する、
請求項6乃至10のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項12】
前記インターフェイス要素は、リーミング工具を前記ロッド要素に対して結合するよう適合される、
請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項13】
前記ロッド要素は、該ロッド要素の実質的に長手方向において延在する第1の導管を有する、
請求項1乃至12のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項14】
前記インターフェイス要素は、第2の導管を有し、該第2の導管は、前記ロッド要素の前記第1の導管に対して接続される、
請求項13記載のリーミング装置。
【請求項15】
前記ロッド要素は、炭素繊維複合材から作られる、
請求項1乃至14のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項16】
前記炭素繊維は、少なくとも第1の層及び第2の層において巻かれ、該第1の層及び第2の層は夫々、前記ロッド要素の長手方向軸に対して実質的にプラス/マイナス45°の角度において傾斜される、
請求項1乃至15のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項17】
前記接続剤は、接着剤である、
請求項1乃至16のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項18】
前記接続剤は、熱硬化接着剤である、
請求項17記載のリーミング装置。
【請求項19】
前記接続剤は、複数構成要素エポキシ樹脂である、
請求項1乃至18のうちいずれか一項記載のリーミング装置。
【請求項20】
前記接続剤は、炭素繊維の第3の層であり、該第3の層は、前記第1の層及び前記第2の層の周囲に巻かれ、
前記第3の層は、前記ロッド要素の周方向へと巻かれる、
請求項16乃至19のうちいずれか一項記載のリーミング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図7f】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【公表番号】特表2010−533518(P2010−533518A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516372(P2010−516372)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006771
【国際公開番号】WO2009/015672
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(507015952)ストライカー トラウマ ゲーエムベーハー (13)
【Fターム(参考)】