説明

炭酸ガス圧浴システム

【課題】炭酸ガスの量、圧力等を制御し最適な状態で炭酸ガスを生体の皮膚から吸収させることができる炭酸ガス圧浴システムを提供する。
【解決手段】所定値以上の濃度の炭酸ガスを生体の皮膚に接触させることにより、血管を拡張させ血液循環を改善させるためのシステムであって、炭酸ガス供給手段11と、液体供給手段21と、この液体供給手段21から供給された液体をミスト状にし、前記炭酸ガス供給手段11から供給された炭酸ガスに含ませた状態で加圧供給する炭酸ガス及びミスト供給手段31と、前記生体の皮膚を覆い、前記炭酸ガス及びミスト供給手段31から供給された炭酸ガス及びミストを内部に封入する空間を形成するカバー部材41と、から構成され、前記カバー部材41内の炭酸ガスを所定の圧力値以上で生体の皮膚に接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸ガスを生体の皮膚に直接接触させて血液循環を改善させるための炭酸ガス圧浴システムに係り、特に、炭酸ガスを所定の圧力値以上で生体の皮膚に接触させることにより皮膚からの炭酸ガスの吸収効率を向上させる炭酸ガス圧浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、炭酸ガス(二酸化炭素:CO)は生体の皮膚に触れるだけでその皮下に浸透し、浸透部位の血管を拡張させて血液循環を改善する作用があることが知られている。そしてこの血行促進作用により、血圧降下、代謝の改善、疼痛物質や老廃物の排除促進等、様々な生理的効果を発揮する。このため、近年、炭酸ガスは医療目的のほか、健康増進、美容促進といった点からも広く注目を集めている。
【0003】
炭酸ガスを生体に吸収させるための従来技術として、最も広く利用されているのは、(1)水中で炭酸ガスを発生する入浴剤である。この入浴剤は、浴槽内の湯中に投入すると入浴剤に含まれる炭素塩と酸が反応することにより炭酸ガスを発生させ、湯中に溶解させる。この湯中に溶解した炭酸ガスが入浴する人の皮膚に接触して皮下に浸透し、上記のような生理的効果を発揮する。
【0004】
さらに、炭酸ガスをより多く生体に接触させる従来技術として、(2)炭酸ガス入浴装置が知られている。これは、湯中に炭酸ガスを噴出、拡散させて、高濃度に溶解させる装置である。そして炭酸ガスが溶解した浴湯に入浴することにより、上記入浴剤と同様に炭酸ガスを直接皮膚に接触させる。
【0005】
また、(3)人体表面の一部に装着し人体表面とともに密閉空間を形成するカバーを人体に装着し、その密閉空間内に炭酸ガス供給手段から炭酸ガスを導入して炭酸ガス浴を行う血行促進装置(例えば、特許文献1)もこれまでに開示されている。
【0006】
さらに、(4)炭酸ガス供給手段と、加圧手段と、人体の皮膚を覆い炭酸ガスを所定の圧力値以上で人体の皮膚に接触させるための被覆部材とを少なくとも備える炭酸ガス圧浴装置が、本発明者によりこれまでに提案されている。
【特許文献1】特開平07−171189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記(1)、(2)の従来技術は何れも入浴時において浴湯の中に炭酸ガスを溶け込ませ、生体の皮膚から炭酸ガスを吸収させようとするものである。そのため、入浴時にしか使用できないという難点があった。また、炭酸ガスは水に溶けやすい一方で、水から発散しやすいため、多量の炭酸ガスを消費して浴湯に溶解させても皮膚からの吸収率が決して高くないという問題もある。
【0008】
一方、上記(3)、(4)の従来技術は、直接炭酸ガスを人体に接触させるため、(1)、(2)の従来技術と比較して効果が高く、効率も良い。しかし、被覆部材(カバー)内に導入する炭酸ガスの量やその圧力、及び炭酸ガスとともに供給されるミストの粒子径、量、圧力等を一括で管理し、最適に制御することは、上記従来の装置ではできなかった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて、炭酸ガスの量、圧力等を制御し最適な状態で炭酸ガスを生体の皮膚から吸収させることができる炭酸ガス圧浴システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、所定値以上の濃度の炭酸ガスを生体の皮膚に接触させることにより、血管を拡張させ血液循環を改善させるためのシステムであって、炭酸ガス供給手段と、液体供給手段と、この液体供給手段から供給された液体をミスト状にし、前記炭酸ガス供給手段から供給された炭酸ガスに含ませた状態で加圧供給する炭酸ガス及びミスト供給手段と、前記生体の皮膚を覆い、前記炭酸ガス及びミスト供給手段から供給された炭酸ガス及びミストを内部に封入する空間を形成するカバー部材と、から構成され、前記カバー部材内の炭酸ガスを所定の圧力値以上で生体の皮膚に接触させることを特徴とする炭酸ガス圧浴システムを提供する。
【0011】
なお、上記本発明の炭酸ガス圧浴システムは、前記炭酸ガス、液体、及びミストの供給状態を計測するセンサと、このセンサの計測値に基づき前記炭酸ガス、液体、及びミストの供給制御を行う制御手段と、をさらに備えるのが好適である。
【0012】
ここで、前記液体は水であるのが最適である。または、前記液体は、メンソール、ビタミンE、ビタミンC、シクロデキストリン、光触媒とアパタイトの複合体、ヒアルロン酸、コエンザイムQ10のうち、何れか一つまたは複数の薬剤が含有された水としても良い。
【0013】
また、前記液体は、加熱された状態で前記炭酸ガス及びミスト供給手段に供給されるのが好適である。そして、前記炭酸ガス及びミスト供給手段から前記カバー内に供給される前記ミストの粒径は、10μm以下であるのが良い。
【0014】
なお、前記制御手段は、炭酸ガス圧浴において前記カバー部材内の圧力を1.05乃至2.5気圧に保持するのが好適である。
【0015】
また、前記炭酸ガス及びミスト供給装置が供給するミストに電荷を付与する電荷供給手段をさらに備えても良い。このとき、前記電荷は、マイナス電荷であるのが好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の炭酸ガス圧浴システムによれば、制御装置により圧浴カバー内の炭酸ガスの量、圧力、及びミストの粒子径、量等を制御可能なため、常に最適な状態で炭酸ガス圧浴を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る炭酸ガス圧浴システムの全体概略図である。この図に示すように、本実施形態の炭酸ガス圧浴システムは、炭酸ガス供給手段11と、液体供給手段21と、液体をミスト状にし炭酸ガスに含ませた状態で加圧供給する炭酸ガス及びミスト供給装置31と、供給された炭酸ガス及びミストを内部に封入する空間を形成する圧浴カバー41と、炭酸ガス及びミストの供給制御を行う制御装置51と、から構成される。
【0019】
炭酸ガス供給手段11は、炭酸ガス及びミスト供給装置31を介して圧浴カバー41内に炭酸ガスを供給する。ただし、圧浴カバー41内に十分にミストが供給されている場合は、炭酸ガス供給手段11から直接炭酸ガスのみを圧浴カバー41内に供給する。この炭酸ガス供給手段11としては、炭酸ガスボンベを用いるのが最適である。なお、炭酸ガス供給手段11には、炭酸ガスの圧力調整のためのレギュレータ12が設けられている。
【0020】
液体供給手段21は、ポンプ等から構成され、炭酸ガス及びミスト供給装置31に液体を供給する。この液体としては、水を用いるのが良い。液体には、メンソール等の清涼作用を生じさせる薬剤や、血行をより促進させるビタミンE、美肌効果の高いビタミンC、炭酸ガスの臭気を除去するためのシクロデキストリン、皮膚表面に付着している細菌等を殺菌するための薬剤(例えば光触媒とアパタイトの複合体)、保水力に優れ肌の保湿効果を有するヒアルロン酸、細胞を活性化し免疫力を向上させるコエンザイムQ10等を単独あるいは複数組み合わせて混合して供給し、炭酸ガスの生理作用との相乗効果を生じさせることも可能である。また、図1に示すように、複数の液体供給手段21A、21Bを配置し、それぞれ異なる液体を供給するようにしても良い。この液体供給手段21には、供給圧調整のため圧力計22(22A、22B)をそれぞれ設ける。また、液体を加温する(例えば水を40℃程度の湯にする)ためのヒータや温度制御のための温度計を配置するようにしても良い。
【0021】
炭酸ガス及びミスト供給装置31は、液体供給手段21から供給された液体をミスト状にし、炭酸ガス供給手段11から供給された炭酸ガスに含ませた状態で圧浴カバー41内に加圧供給する装置である。炭酸ガスは、液体のミストとともに供給することで、皮膚からの吸収が促進される。本実施形態の炭酸ガス及びミスト供給装置31は、流体ノズル32(ここでは例として二流体ノズル、もしくは三流体ノズル)を備え、炭酸ガス供給手段11から供給された炭酸ガスの高速流を利用して液体を微粒化させてミストとし、これを炭酸ガスとともに圧浴カバー41内に供給する。炭酸ガス及びミスト供給装置31は、単に上記の流体ノズル32のみから構成されても良いし、複数の流体ノズルから生成されたミストの液滴同士をぶつけてさらに液滴を微細化させるタイプの装置であっても良い。また、流体ノズル32から生成されたミストをプレートに形成された微細孔に通すことにより、所望の粒径以下の液滴からなるミストにするタイプの装置であっても良い。このとき供給されるミストの粒径は微細であることが望ましく、具体的には10μm以下であるのが最適である。なお、図1に示す炭酸ガス及びミスト供給装置31は装置底部に液体排出部33を備えており、ここから装置内部に溜まった液体を排出し、必要に応じて再利用することができる。
【0022】
圧浴カバー41は、生体(ここでは例として、人体の下肢)の皮膚を覆い、炭酸ガス及びミストを内部に封入する空間を形成できるカバーである。この圧浴カバー41は、非通気性素材から構成される。例えば、天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等からなるのが好適である。そして、炭酸ガス及びミストを内部に導入するための供給口43を備えている。この供給口43の内部には炭酸ガス及びミストの逆流を防ぐための逆止弁が設けられている。
【0023】
なお、圧浴カバー41の内部には圧浴カバー41内の圧力を計測するための圧力計61が設置されている。制御装置51は、圧浴カバー41内の圧力値を1気圧以上(より好適には1.05〜2.5気圧程度)に保つため、この圧力計61の計測値に基づき、炭酸ガス及びミストの供給を制御する。また、圧浴カバー41の内部には圧浴カバー41内の温度を計測するための温度計62が設置されている。制御装置51は、圧浴カバー41内を温浴効果が得られる設定温度(例えば38℃程度)に保つため、温度計62の計測値に基づき液体供給手段21におけるヒータのオン・オフ等を行う。
【0024】
さらに、圧浴カバー41の開口部には、生体(ここでは人体の下肢)への着脱を可能にするとともに内部に封入した炭酸ガス及びミストの漏出を防ぐための止着部42が設けられている。止着部42は、例えば伸縮性のある面ファスナーにより構成されるのが好適である。あるいは紐やゴム等を単独、または組み合わせて用いても良い。さらに、圧浴カバー41内の密閉性を高めるために圧浴カバー42の内側面(止着部42の内側面等)に使用者の皮膚に粘着する素材を配置しても良い。この粘着素材は、例えばポリウレタンやシリコンゴム等からなる粘弾性ゲルであるのが好ましい。さらにこの粘着素材は取り外し可能に設けられ、使用の都度あるいは粘性が良くなれば交換できる構成とするのが良い。
【0025】
制御装置51は、CPU、メモリ、ディスプレイを備えたコンピュータから構成される。そして、炭酸ガス供給手段11から供給される炭酸ガスの圧力やオン・オフ切替の制御、炭酸ガス及びミスト供給装置31/圧浴カバー41への炭酸ガスの供給切替、液体供給手段21からの液体の供給圧や温度、供給のオン・オフ切替の制御、炭酸ガス及びミスト供給装置31の液体排出部33のオン・オフ切替の制御等を行い、最適な状態で炭酸ガス圧浴が行えるようにする。
【0026】
そこで、本実施形態の炭酸ガス圧浴システムを用いて炭酸ガス圧浴を行う際には、圧浴カバー41を生体(ここでは人体の下肢)に固定して密閉し、炭酸ガス供給手段11から炭酸ガスを、液体供給手段21から液体を、炭酸ガス及びミスト供給装置31へ供給する。その際制御装置51は、液体及び炭酸ガスの供給圧や量、温度等の調整を行う。炭酸ガス及びミスト供給装置31は液体のミストを生成し、これを炭酸ガスとともに供給口43から圧浴カバー41内へ供給する。ミストが十分に充填された場合は、炭酸ガス供給手段11から直接炭酸ガスのみを圧浴カバー41内に供給する。制御装置51は圧力計61、温度計62の計測値から、圧浴カバー41内が最適な加圧、加温状態(約1.05〜2.5気圧、約38℃)となったら炭酸ガス及びミストの供給を停止し、その状態を保持して炭酸ガス圧浴を行う。
【0027】
なお、上記では炭酸ガス圧浴を行う生体の部位として人体の下肢を例にとって説明したが、本発明は様々な部位に適用することができる。その場合、対象とする部位に合わせた形状の圧浴カバーを用いて最適な炭酸ガス圧浴を行うようにする。
【0028】
図2に他の形状の例として、人体の上半身用の圧浴カバーを示す。この圧浴カバー41Aは、上半身全体を覆い包む形状をしており、腰部の開口には着脱を可能にするとともに内部に封入した炭酸ガス及びミストの漏出を防ぐための止着部42Aが設けられている。また、首部の開口にも同様に止着部44Aが設けられている。なお、43Aは炭酸ガス及びミストを内部に導入するための供給口である。
【0029】
圧浴カバー41は、図2に示した例のほかにも様々な形状が考えられる。要は、生体の皮膚を覆い、炭酸ガス及びミスト供給手段31から供給された炭酸ガス及びミストを内部に封入する空間を形成できる形状であればどのような形状でも良い。また本発明は、人体だけでなく動物にも適用することができる。
【0030】
なお、炭酸ガス圧浴における加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うことにより効果が高まるため、制御装置51は炭酸ガスを一定のリズムで間歇的に圧浴カバー41内に供給するようにしても良い。その際の間隔は、脈の拍動にほぼ同期させると効果が高くなる。
【0031】
〔第2の実施形態〕
図3は、本発明の第2の実施形態に係る炭酸ガス圧浴システムの全体概略図である。本実施形態では、発生させたミストを帯電させるための手段をさらに備えた炭酸ガス圧浴システムについて説明する。なお、図1に示す第1の実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0032】
図3に示すように、本実施形態の炭酸ガス圧浴システムには、炭酸ガス及びミスト供給装置31の炭酸ガス及びミスト排出部34に、電極72が配置されている。電極72は電源装置71に接続されており、制御装置51により電圧値の設定、及びオン・オフの制御が行われる。
【0033】
電極72は、流体ノズル32が発生させたミストが排出部34から排出される際に電荷(マイナスの電荷が望ましい)を付与する。それによりミストを帯電状態とし、荷電した物体への付着性を高めることができる。例えば、生体の皮膚への付着性を向上させれば、ミストによる炭酸ガスの吸収率向上の効果をさらに高め、ミストに上述したような薬剤が含まれる場合はその皮膚への浸透を促進することができる。
【0034】
そこで、本実施形態の炭酸ガス圧浴システムを用いて炭酸ガス圧浴を行う際には、圧浴カバー41を生体(ここでは人体の下肢)に固定して密閉し、炭酸ガス供給手段11から炭酸ガスを、液体供給手段21から液体を、炭酸ガス及びミスト供給装置31へ供給する。その際制御装置51は、液体及び炭酸ガスの供給圧や量、温度等の調整を行う。炭酸ガス及びミスト供給装置31は液体のミストを生成し、これを炭酸ガスとともに供給口43から圧浴カバー41内へ供給する。制御装置51は電源装置71をオンにし、電極72からミストに電荷を付与する。ミストが十分に充填された場合は、炭酸ガス供給手段11から直接炭酸ガスのみを圧浴カバー41内に供給する。制御装置51は圧力計61、温度計62の計測値から、圧浴カバー41内が最適な加圧、加温状態(約1.05〜2.5気圧、約38℃)となったら炭酸ガス及びミストの供給を停止し、その状態を保持して炭酸ガス圧浴を行う。
【0035】
なお、炭酸ガス圧浴における加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うことにより効果が高まるため、制御装置51は炭酸ガスを一定のリズムで間歇的に圧浴カバー41内に供給するようにしても良い。その際の間隔は、脈の拍動にほぼ同期させると効果が高くなる。
【0036】
上記のように構成したため、本発明の炭酸ガス圧浴システムによれば、制御装置により圧浴カバー内の炭酸ガスの量、圧力、及びミストの粒子径、量等を制御可能であり、常に最適な状態で炭酸ガス圧浴を行うことができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、炭酸ガスを生体の皮膚に直接接触させて血液循環を改善させるための炭酸ガス圧浴システムに係り、特に、炭酸ガスを所定の圧力値以上で生体の皮膚に接触させることにより皮膚からの炭酸ガスの吸収効率を向上させる炭酸ガス圧浴システムに関し、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る炭酸ガス圧浴システムの全体概略図である。
【図2】本発明に係る炭酸ガス圧浴システムにおける圧浴カバーの形状例を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る炭酸ガス圧浴システムの全体概略図である。
【符号の説明】
【0040】
11 炭酸ガス供給手段
12 レギュレータ
21、21A、21B 液体供給手段
22、22A、22B 圧力計
31 炭酸ガス及びミスト供給装置
32 流体ノズル
33 液体排出部
34 炭酸ガス及びミスト排出部
41、41A 圧浴カバー
42、42A 止着部
43、43A 供給口
51 制御装置
61 圧力計
62 温度計
71 電源装置
72 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定値以上の濃度の炭酸ガスを生体の皮膚に接触させることにより、血管を拡張させ血液循環を改善させるためのシステムであって、
炭酸ガス供給手段と、
液体供給手段と、
該液体供給手段から供給された液体をミスト状にし、前記炭酸ガス供給手段から供給された炭酸ガスに含ませた状態で加圧供給する炭酸ガス及びミスト供給手段と、
前記生体の皮膚を覆い、前記炭酸ガス及びミスト供給手段から供給された炭酸ガス及びミストを内部に封入する空間を形成するカバー部材と、から構成され、
前記カバー部材内の炭酸ガスを所定の圧力値以上で生体の皮膚に接触させることを特徴とする炭酸ガス圧浴システム。
【請求項2】
前記炭酸ガス、液体、及びミストの供給状態を計測するセンサと、
該センサの計測値に基づき前記炭酸ガス、液体、及びミストの供給制御を行う制御手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガス圧浴システム。
【請求項3】
前記液体は、水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭酸ガス圧浴システム。
【請求項4】
前記液体は、メンソール、ビタミンE、ビタミンC、シクロデキストリン、光触媒とアパタイトの複合体、ヒアルロン酸、コエンザイムQ10のうち、何れか一つまたは複数の薬剤が含有された水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭酸ガス圧浴システム。
【請求項5】
前記液体は、加熱された状態で前記炭酸ガス及びミスト供給手段に供給されることを特徴とする請求項3又は4に記載の炭酸ガス圧浴システム。
【請求項6】
前記炭酸ガス及びミスト供給手段から前記カバー内に供給される前記ミストの粒径は、10μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の炭酸ガス圧浴システム。
【請求項7】
前記制御手段は、炭酸ガス圧浴時における前記カバー部材内の圧力を1.05乃至2.5気圧に保持することを特徴とする請求項2に記載の炭酸ガス圧浴システム。
【請求項8】
前記炭酸ガス及びミスト供給装置が供給するミストに電荷を付与する電荷付与手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガス圧浴システム。
【請求項9】
前記電荷は、マイナス電荷であることを特徴とする請求項8に記載の炭酸ガス圧浴システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−29265(P2010−29265A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192028(P2008−192028)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(505425878)
【出願人】(592248835)日本エー・シー・ピー株式会社 (56)
【Fターム(参考)】