説明

点火トーチ及び加圧型ガス化炉

【課題】点火トーチ及び加圧型ガス化炉において、ガス化炉内の状態に依存することなく、容易に点検することができる。
【解決手段】ガス化炉1の一端から燃料と燃焼用空気が送り込まれ、このガス化炉1の他端へ火炎が送り出されるように、ガス化炉1の外側から内側にわたって延在して構成し、ガス化炉1外に位置する一端側に着火部22を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧型ガス化炉などの火炉に用いられる点火トーチ、並びに、この点火トーチを備えた加圧型ガス化炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、石炭ガス化炉等のガス化炉の起動用バーナの近傍には、起動用バーナに点火するための点火トーチが設けられている。
【0003】
下記特許文献1には、石炭ガス化炉に用いられるものではないが、焼却炉やボイラに用いられるパイロットバーナが開示されている。このパイロットバーナは、基端部側に着火部が設けられ、炉内の先端側に保炎部が設けられた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭59−009014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
石炭ガス化炉に用いられる点火トーチは、種々の不具合が発生した場合に点検することが必要になる。しかし、特許文献1に記載されたパイロットバーナを石炭ガス化炉の点火トーチとして用いた場合、ガス化炉内と着火部とが連通しているため、ガス化炉の運転中に着火部側を点検することができない。従って、点火トーチの点検を要する場合、加圧運転中のガス化炉全設備を常圧まで減圧する必要があり時間を要する。また、点検後の再加圧時の各種動力の稼動に大幅なコストとエネルギーを要する。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、火炉内の状態に依存することなく容易に点検することができる点火トーチ及び加圧型ガス化炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の点火トーチは、火炉外の一端から燃料と燃焼用空気が送り込まれ、前記火炉内の他端へ火炎が送り出されるように、前記火炉の外側から内側にわたって延在する点火トーチであって、前記火炉外に位置する一端側に着火手段が設けられる、ことを特徴とするものである。
【0008】
従って、火炉の外側に着火手段を設けることで、火炉内の状態に依存することなく、容易に着火手段の点検を行うことができる。
【0009】
本発明の点火トーチでは、前記着火手段の燃料流れ方向の下流側に開閉弁が設けられることを特徴としている。
【0010】
従って、着火手段の燃料流れ方向の下流側に開閉弁が設けられることで、この開閉弁を閉じることにより、火炉内と着火手段側とを分離することができ、その結果、種々の不具合によって点検を要する場合であっても、開閉弁を閉じることにより着火手段側を火炉から分離でき、火炉内の状態に依存することなく、容易に点検することができる。
【0011】
本発明の点火トーチでは、前記開閉弁は、前記火炉外に位置する一端側に設けられることを特徴としている。
【0012】
従って、開閉弁が火炉外に設けられることで、外部からこの開閉弁を閉じることで、容易に着火手段側を火炉から分離することができる。
【0013】
本発明の点火トーチでは、前記火炉内に位置する他端側に保炎部が設けられると共に、該保炎部に助燃燃料を供給する助燃燃料供給装置が設けられることを特徴としている。
【0014】
従って、他端の保炎部では、保炎部内での火炎の移動速度が遅くなり、火炎が一時的に留まり、主火炎を生じることとなり、その保炎部に助燃燃料が直接投入されるので、高濃度燃料の雰囲気となり、主火炎の保炎を更に安定させることができる。
【0015】
本発明の点火トーチでは、前記保炎部は、火炎が移動する燃焼通路より大径をなすと共に、前記燃焼通路より小径の通路が形成される保炎板を有し、前記助燃燃料供給装置は、前記保炎板より火炎流れ方向の下流側に助燃燃料を供給することを特徴としている。
【0016】
従って、燃焼通路を流れる火炎は、保炎板を通過することで渦流が発生し、この渦流に助燃燃料を供給することで、保炎を確実なものとすることができる。
【0017】
本発明の点火トーチでは、前記助燃燃料供給装置は、火炎の流れ方向に直交すると共に、前記保炎部における径方向の中心に向けて助燃燃料を供給することを特徴としている。
【0018】
従って、保炎板を通過して発生した渦流を阻害しないように助燃燃料を供給することができ、保炎を確実なものとすることができる。
【0019】
本発明の点火トーチでは、前記助燃燃料供給装置は、前記保炎部の外周側に径方向に対向して複数設けられることを特徴としている。
【0020】
従って、複数の助燃燃料が保炎部で衝突することで、助燃燃料がこの保炎部全体に拡散することとなり、適正な保炎状態を維持することができる。
【0021】
また、本発明の加圧型ガス化炉は、上記点火トーチを備えたことを特徴としている。
【0022】
従って、火炉外に位置する一端側に着火手段が設けられることで、火炉内が加圧されていても、ガス化炉内を減圧して常圧に戻すことなく、容易に点検することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の点火トーチ及び加圧型ガス化炉によれば、着火手段を火炉外に設けるので、火炉内の状態に依存することなく、容易に着火手段の点検を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る石炭ガス化炉容器の縦断面図である。
【図2】図2は、実施例1に係る石炭ガス化炉容器の横断面図を表す図1のA−A断面図である。
【図3】図3は、実施例1の点火トーチを表す概略図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2に係る点火トーチを表す概略図である。
【図5】図5は、実施例2の点火トーチにおける保炎部の断面図を表す図4のB−B断面図である。
【図6】図6は、実施例2の点火トーチにおける保炎部での火炎を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、本発明における点火トーチ及び加圧型ガス化炉の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の実施例1に係る石炭ガス化炉容器の縦断面図、図2は、実施例1に係る石炭ガス化炉容器の横断面図を表す図1のA−A断面図、図3は、実施例1の点火トーチを表す概略図である。
【0027】
実施例1において、図1及び図2に示すように、ガス化炉1は、下から順に、軽燃室3、コンバスタ部5及びリダクタ部7を備えている。軽燃室3には、起動用バーナ12が設けられている。また、図1には示されていないが、起動用バーナ12の近傍には、点火トーチ10が設けられている。
【0028】
コンバスタ部5には、微粉炭バーナ14及びチャーバーナ16が設けられている。リダクタ部7には、ガス化バーナ18が設けられている。軽燃室3では、起動用バーナ12により投入噴霧された軽油が燃焼し、その発生した燃焼ガスが、上部のコンバスタ部5を加熱する。そして、石炭着火温度以上になったコンバスタ部5では、コンバスタ部5のみに投入されるガス化剤となる空気と石炭が燃焼し高温となり、石炭中の灰は溶けて流れ落ち、コンバスタ部5で燃焼し生成した高温のガスは上昇し、リダクタ部7において、新たに投入された石炭と反応し、効率良く、石炭をガスに転換する構造となっている。
【0029】
また、点火トーチ10は、各起動用バーナ12の近くに配置されていて、点火トーチ10の火炎により、起動用バーナ12が着火する。また、起動用バーナ12は、本実施形態では2つ設けられており、それぞれの起動用バーナ12が炉内に旋回流を形成するように対向して配置されている。
【0030】
この点火トーチ10は、図3に示すように、ガス化炉1外の基端部から順に、燃料と空気が混合される混合室20と、着火部22と、開閉弁24と、燃焼管26と、保炎部28とが主要部として設けられている。
【0031】
混合室20には、燃料供給口30と、燃焼用空気供給口31が設けられている。混合室20内にて燃料及び燃焼用空気が十分に混合され、燃料流れの下流側に設けられた着火部22によって着火される。着火部22としては、グロープラグやイグナイタなどによる着火が好適に用いられる。
【0032】
混合室20と着火部22は、ガス化炉1の外に配置されている。そして、混合室20と加圧ガス化炉1内にわたって延在する燃焼管26との間には、開閉弁24が設けられている。開閉弁24は、ガス化炉1の外に設けられている。この開閉弁24によって、着火部22側とガス化炉1側との間の流体の流れが遮断できるようになっている。燃焼管26の先端(他端)には、燃焼管26よりも内径が大きくされた筒内に保炎板28aが固定された保炎部28が設けられている。
【0033】
また、アシスト燃料(助燃燃料)が流通するアシスト燃料管(助燃燃料供給装置)32が、炉外から炉内へと挿入され、燃焼管26の側方を通過して保炎部28へと延在している。アシスト燃料管32によって、アシスト燃料が保炎部28へと供給される。
【0034】
以上説明した本実施形態にかかる点火トーチ10は、次のように作動する。
【0035】
着火前に、先ず、燃焼用空気のみを燃焼用空気供給口31から供給し、着火部22を赤熱させる。着火部22が着火温度まで温度上昇した後、混合室20内に、燃料供給口30から燃料がさらに供給され、燃料と燃焼用空気が混合される。このときの空気比(実際の投入空気量/理論的に必要な空気量)は、0.4〜0.7程度とする。
【0036】
混合されたガスは、着火部22で着火して火炎を形成する。火炎は、開状態とされた開閉弁24を通過し、燃焼管26の中を伝播する。そして、燃焼管26から保炎部28に至った火炎は、保炎部28内で主火炎となり燃焼する。この際に、保炎部28に対してアシスト燃料管32からアシスト燃料が供給される。これにより、保炎部28で成長した主火災が安定して燃焼する。保炎部28の主火炎が安定した後、保炎部28から外部へ流出した火炎によって起動用バーナ12が着火される。
【0037】
次に、開閉弁24の使用方法について説明する。
【0038】
ガス化炉1は、主に、チャーの燃焼ガス化反応を促進するため、炉内は高温条件の他、高圧状態として、恒常的に維持されている。従って、点火トーチ10を点検する場合、加圧運転中のガス化炉の全設備を常圧まで減圧する時間を要し、点検後の再加圧時の各種動力の稼動に大幅なコストとエネルギーを負担することになる。
【0039】
このように点火トーチ10の点検を要する場合、ガス化炉1外に設けられた着火部22の燃料流れの下流側に設けられた開閉弁24を用いる。即ち、トーチ点火時や起動バーナ運転中に、点火トーチ10にトラブルが発生し点検を要する場合には、その状態で開閉弁24を閉じる。これにより、ガス化炉1内と着火部22側とが遮断されるので、着火部22側を大気に解放し、点検作業を実施する。
【0040】
以下、本実施例の作用及び効果について説明する。ガス化炉1は、主にチャーの燃焼ガス化反応を促進するため、炉内は高温条件の他、高圧状態として、恒常的に維持されている。従って、設備、装置などを点検する場合、加圧運転中のガス化炉全設備を常圧まで減圧する時間を要し、点検後の再加圧時の各種動力の稼動に大幅なコストとエネルギーを負担することになる。しかし、この点火トーチ10においては、加圧型ガス化炉内と着火手段側とを分離することが可能な開閉弁24を設けているので、加圧型ガス化炉内を減圧して常圧に戻すことなく、容易に点検することができる。
【0041】
また、保炎部28へ接続しているアシスト燃料管32から助燃燃料が供給されるため、主火災がより安定に燃焼するので、点火トーチ10を確実に点火させることができる。従って、加圧型ガス化炉内を減圧して常圧に戻して点検する頻度が下がる。
【0042】
このように実施例1の点火トーチにあっては、ガス化炉1の一端から燃料と燃焼用空気が送り込まれ、このガス化炉1の他端へ火炎が送り出されるように、ガス化炉1の外側から内側にわたって延在して構成し、ガス化炉1外に位置する一端側に着火部22を設けている。
【0043】
従って、ガス化炉1の外側に着火部22を設けることで、ガス化炉1内の状態に依存することなく、容易に着火部22の点検を行うことができる。
【0044】
また、実施例1の点火トーチでは、着火部22の燃料流れ方向の下流側に開閉弁24を設けている。従って、着火部22の燃料流れ方向の下流側に開閉弁24が設けられることで、この開閉弁24を閉じることにより、ガス化炉1内と着火部22側とを分離することができ、その結果、種々の不具合によって点検を要する場合であっても、開閉弁24を閉じることにより着火部22側をガス化炉1から分離でき、ガス化炉1内の状態に依存することなく、容易に点検することができる。
【0045】
また、実施例1の点火トーチでは、開閉弁24をガス化炉1の外に位置する一端側に設けている。従って、開閉弁24がガス化炉1の外に設けられることで、外部からこの開閉弁24を閉じることで、容易に着火部22をガス化炉1から分離することができる。
【0046】
また、実施例1の点火トーチでは、ガス化炉1内に位置する他端側に保炎部28を設けると共に、この保炎部28に助燃燃料を供給するアシスト燃料管32を設けている。従って、他端の保炎部28では、保炎部28内での火炎の移動速度が遅くなり、火炎が一時的に留まり、主火炎を生じることとなり、その保炎部28に助燃燃料が直接投入されるので、高濃度燃料の雰囲気となり、主火炎の保炎を更に安定させることができる。
【実施例2】
【0047】
図4は、本発明の実施例2に係る点火トーチを表す概略図、図5は、実施例2の点火トーチにおける保炎部の断面図を表す図4のB−B断面図、図6は、実施例2の点火トーチにおける保炎部での火炎を表す概略図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
実施例2において、図4及び図5に示すように、点火トーチ40は、ガス化炉1外の基端部から順に混合室20と、着火部22と、開閉弁24と、燃焼管26と、保炎部28とが主要部として設けられている。そして、この点火トーチ40は、先端部側がガス化炉1の火炉壁に形成された取付穴1aから挿入され、外周フランジ40aが取付穴1aの周囲に形成された取付フランジ1bに複数のボルト41により固定されている。
【0049】
燃焼管26は、先端(他端)に保炎部28が設けられている。この保炎部28は、内径が燃焼管26の内径より大きくされた筒形状をなし、燃焼管26との連結部から所定距離だけ離れた位置に保炎板28aが固定されている。この保炎板28aはリング形状をなし、外周部が保炎部28の内壁面に固定され、中心部に燃焼管26の内径より小さい通路28bが形成されている。
【0050】
アシスト燃料管32は、炉外から外周フランジ40aを貫通し、取付穴1aを通って炉内へと挿入されている。そして、このアシスト燃料管32は、炉内で2つの分岐管32a,32bに分岐され、この分岐管32a,32bが保炎部28の外周部へ延在されている。保炎部28は、保炎板28aの装着部から所定距離離れた位置の外周部に2つの噴射ノズル34a,34bが装着されており、アシスト燃料管32の各分岐管32a,32bがこの噴射ノズル34a,34bに連結されている。
【0051】
噴射ノズル34a,34bは、保炎部28の外周部に径方向に対向して設けられており、アシスト燃料管32を通して送られるアシスト燃料を、火炎の流れ方向に直交すると共に、保炎部28における径方向の中心に向けて噴射することができる。また、噴射ノズル34a,34bは、流量を調整可能な流量調整弁(オリフィス)36a,36bが設けられている。また、炉外から炉内へと失火センサとしての熱電対37が挿入されており、先端部が保炎部28に位置している。
【0052】
従って、着火前に、燃焼用空気のみを燃焼用空気供給口31から供給し、着火部22を赤熱させる。着火部22が着火温度まで温度上昇した後、混合室20内に、燃料供給口30から燃料が供給され、燃料と燃焼用空気が混合される。すると、混合されたガスは、着火部22で着火して火炎を形成する。
【0053】
この火炎は、開状態とされた開閉弁24を通過し、燃焼管26の中を伝播する。そして、燃焼管26から保炎部28に至った火炎は、保炎部28内で主火炎となり燃焼する。この場合、混合室20内で形成された混合ガスは、着火と同時に火炎となり、断続的に燃焼管26の中を伝播して保炎部28内で送られる。そして、この火炎は、保炎部28にて、図6に示すように、保炎板28aを通過するとき、外側に旋回する渦流を生成する。
【0054】
そして、アシスト燃料管32から分岐管32a,32bを通して送られたアシスト燃料が、各噴射ノズル34a,34bにより、保炎部28の火炎に向けて供給される。このとき、各噴射ノズル34a,34bからのアシスト燃料は、上述した渦流の下流側であって、主火炎の流れ方向に直交すると共に、保炎部28における径方向の中心に向けて噴射される。また、各噴射ノズル34a,34bからのアシスト燃料同士が、保炎部28における径方向の中心で衝突する。この場合、流量調整弁36a,36bにより、アシスト燃料流量を調整することで、各噴射ノズル34a,34bが噴射するアシスト燃料量を同じに制御する。これにより、保炎部28に供給されたアシスト燃料が渦流を阻害することなく適正に拡散し、保炎部28で成長した主火災が安定して燃焼する。
【0055】
このように実施例2の点火トーチにあっては、ガス化炉1外に位置する一端側に着火部22と開閉弁24を設ける一方、ガス化炉1内に位置する他端側に保炎部28を設けると共に、この保炎部28に助燃燃料を供給するアシスト燃料管32を設けている。
【0056】
従って、他端の保炎部28では、保炎部28内での火炎の移動速度が遅くなり、火炎が一時的に留まり、主火炎を生じることとなり、その保炎部28に助燃燃料が直接投入されるので、高濃度燃料の雰囲気となり、主火炎の保炎を更に安定させることができる。
【0057】
また、実施例2の点火トーチでは、保炎部28は、火炎が移動する燃焼管26より大径をなすと共に、この燃焼管26より小径の通路28bが形成される保炎板28aを装着し、アシスト燃料管32が保炎板28aより火炎流れ方向の下流側に助燃燃料を供給している。従って、燃焼通路28bを流れる火炎は、外側への渦流を生成し、この渦流にアシスト燃料を供給することで、保炎を確実なものとすることができる。
【0058】
また、実施例2の点火トーチでは、アシスト燃料管32は、火炎の流れ方向に直交すると共に、保炎部28における径方向の中心に向けてアシスト燃料を供給している。従って、保炎板28aを通過して発生した渦流を阻害しないようにアシスト燃料を供給することができ、保炎を確実なものとすることができる。
【0059】
また、実施例2の点火トーチでは、アシスト燃料管32に連結された各噴射ノズル34a,34bは、保炎部28の外周側に径方向に対向して設けている。従って、各噴射ノズル34a,34bからのアシスト燃料が保炎部28で衝突することで、アシスト燃料がこの保炎部28全体に拡散することとなり、適正な保炎状態を維持することができる。
【0060】
なお、上述した各実施例では、本発明の点火トーチを加圧型ガス化炉に適用して説明したが、ボイラに適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る点火トーチ及び加圧型ガス化炉は、着火手段を火炉外に設けることで、ガス化炉内の状態に依存することなく、容易に点検することができるものであり、いずれの点火トーチや加圧型ガス化炉にも適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ガス化炉
10,40 点火トーチ
12 起動用バーナ
20 混合室
22 着火部
24 開閉弁
26 燃焼管
28 保炎部
32 アシスト燃料管(助燃燃料供給装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炉外の一端から燃料と燃焼用空気が送り込まれ、前記火炉内の他端へ火炎が送り出されるように、前記火炉の外側から内側にわたって延在する点火トーチであって、
前記火炉外に位置する一端側に着火手段が設けられる、
ことを特徴とする点火トーチ。
【請求項2】
前記着火手段の燃料流れ方向の下流側に開閉弁が設けられることを特徴とする請求項1に記載の点火トーチ。
【請求項3】
前記開閉弁は、前記火炉外に位置する一端側に設けられることを特徴とする請求項2に記載の点火トーチ。
【請求項4】
前記火炉内に位置する他端側に保炎部が設けられると共に、該保炎部に助燃燃料を供給する助燃燃料供給装置が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の点火トーチ。
【請求項5】
前記保炎部は、火炎が移動する燃焼通路より大径をなすと共に、前記燃焼通路より小径の通路が形成される保炎板を有し、前記助燃燃料供給装置は、前記保炎板より火炎流れ方向の下流側に助燃燃料を供給することを特徴とする請求項4に記載の点火トーチ。
【請求項6】
前記助燃燃料供給装置は、火炎の流れ方向に直交すると共に、前記保炎部における径方向の中心に向けて助燃燃料を供給することを特徴とする請求項4または5に記載の点火トーチ。
【請求項7】
前記助燃燃料供給装置は、前記保炎部の外周側に径方向に対向して複数設けられることを特徴とする請求項4から6のいずれか一つに記載の点火トーチ。
【請求項8】
前記請求項1から7のいずれか一つに記載の点火トーチを備えた加圧型ガス化炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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