説明

無指向共振アンテナ

【課題】半平面又は平面全体における無指向共振アンテナを提供する。
【解決手段】少なくとも3つの当接するワイヤ28, 30, 32から成る単一の放射導体26を含み、各ワイヤの長さ及びワイヤの互いに対する方位が導体の球状の指向性を決定する。ワイヤが少なくとも3つの異なる空間的方向を向き、ワイヤの長さは半平面又は平面全体における無指向導体の球状放射を得るように設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無指向共振アンテナに関し、詳しくは半空間又は空間全体で動作する無指向共振アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
共振アンテナ、すなわち、予め定められた周波数の倍数で共振現象を示すように寸法が決定されたアンテナの製造については従来から知られている。これらのアンテナは、共振現象を利用してその予め定められた周波数で放出される及び/又は受信される放射のエネルギーを増大させ、したがって局限された通過帯を有する。これらのアンテナは、また、非共振アンテナ、すなわち、予め定められた周波数の倍数で共振現象を示さないアンテナに比べてコンパクトであるという利点がある。
【0003】
これらのアンテナは、ダイポール又はモノポールを形成する単一の導体、通常は線状の導体、を用いて製造することができる。それらは例えば、絶縁体基板にプリントされた金属カバーを用いて製造することができ、このタイプのアンテナは“パッチ・アンテナ”と呼ばれている。別の製造形態は、板状体から溝を切り取るものであり、このタイプのアンテナは“スロット・アンテナ”と呼ばれている。しかし、今日知られているものは、最良でも、ある広がりをもった平面で動作する無指向共振アンテナ、すなわち、放出又は受信される電磁放射がこの平面内で方向に関わりなく実質的に一様であるアンテナ、の製造である。
【0004】
従来技術では、また、それぞれが異なる広がり方向に向いた3つの共振アンテナを含むシステムが知られている。これらのアンテナは信号処理コンピュータの入力に結合されている。コンピュータは、入力で受信する信号を処理して、すべての広がり方向で動作する無指向共振アンテナのそれと同様な単一信号を出力で復元するようになっている。
【0005】
しかし、これらのシステムは、特にコンピュータが介在しているので、産業的な応用に統合することが難しい。
【0006】
したがって、現在のところ、単一導体で形成されるアンテナの単純さと、半空間又は空間全体での無指向性の両方を有するアンテナは存在しない。
【発明の開示】
【0007】
したがって、本発明の目的は、半空間又は空間全体で動作する無指向共振アンテナを作り出すことによってこのギャップを埋めることである。
【0008】
本発明は、したがって、半空間又は空間全体で動作する無指向共振アンテナであって、少なくとも3つの断片が端から端までに位置して形成する放射単一導体を有し、各断片の長さと互いに対する断片の方位が導体の球状の放射を決定することに寄与しており、断片が少なくとも3つの異なる空間的方向に向き、断片の長さが半空間又は空間全体で動作する無指向導体の球状放射が得られるように決定されていることを特徴とする無指向共振アンテナに関する。
【0009】
本発明の別の特徴によると、本発明はまた、次のような特徴の1つ以上を含む:
− 放射導体は、導体からの放射が空間全体で無指向性になるように対称面に関して対称な2つの部分を有する;
− 放射導体は、第1、第2、第3、第4及び第5の断片で構成され、第4及び第5の断片は,第3の断片の中央対称面に関して、それぞれ、第2及び第1の断片の対称による像である;
− 放射導体の端部の断片はある接地平面に対して直角に位置している;
− この接地平面の寸法は、空間全体で無指向的な導体の放射を得るために波長λよりも小さい;
− この接地平面の寸法は、半空間で動作する無指向的な導体の放射を得るために波長λより数倍大きい;
− それは接地エレメントを有し、放射導体の断片はそれぞれ、それらと共平面的(コプレナ)である;
− 放射導体は第1の端部が送信体/受信体に結合され,第2の端部が接地平面に結合されている;
− 放射導体は第1の端部が送信体/受信体に結合され,第2の端部が接地エレメントに結合されている;
− 放射導体は、電磁結合ゾーンによって送信体/受信体に結合されている;
− 電磁結合ゾーンの寸法がアンテナの実インピーダンスを部分的に決定する;
− 放射導体は第1、第2及び第3の断片で構成される;
− 放射導体の隣接する断片は互いに直角な2つの方向に向いている;
− 断片は、それぞれ、帯で構成され、その幅は、アンテナの実インピーダンスを、少なくとも部分的に、アンテナに結合しようとしている送信体/受信体のインピーダンスに適合させるように決定される;
− 放射導体は、ワイヤの断片で構成される;
− 放射導体は、送信体/受信体に結合された第1の端部と第2の自由端を有する;
− 放射導体は、絶縁物質と組み合わされてアンテナの寸法を小さくしている;
− 放射導体は、絶縁物質に埋め込まれてアンテナの寸法を小さくしている;
− 放射導体は、絶縁物質の表面に位置してアンテナの寸法を小さくしている。
【0010】
本発明は、また、半空間又は空間全体において電磁放射を受信又は放出する装置であって、前記のクレームのいずれかで特許が請求されているような複数の無指向性共振アンテナを有することを特徴とする装置に関する。
【0011】
本発明は、専ら例示するためのものである以下の説明を添付の図面を参照して読むことによってさらに良く理解されるであろう。
【0012】
図1は、グラフの座標軸に沿って伸びるモノポールを形成する導体4を示す。従来の仕方で、これは“四分の一波長”導体、すなわち、全長が予め定められたある周波数の、λで表される波長の1/4に等しい導体である。この予め定められた周波数は、以下で“動作周波数”と呼ばれる。波長がλである電磁放射が放出及び/又は受信されるとき、導体4に強め合う共振現象が生ずる。ここでは導体4は、一定の幅の電流を導く帯から成る。導体4は、ある接地に結合されている第一の端6と、従来のマイクロ波放出体/受信体などの波放出体/受信体10に結合されている第二の端8を有する。以下の記述で“波放出体/受信体”という用語は、導体に結合され、ある与えられた周波数で電磁放射を放出したり及び/又は受信したりできる放出体/受信体を意味するものとして用いられる。カーブ12は、動作周波数における導体に沿った表面電流密度の分布を表している。このカーブは、例えば導体の電磁放射のシミュレーションのための従来のソフトウエアを用いて決定される。カーブ12と導体4の間の区域は、等しい面積の3つの区域14,16,及び18に分けられ、それらの興味深い特徴は、以下の記述で明らかになる。導体4上の点20は区域14を区域16から分けている境界を示し、同様に導体4上の点22は区域16を区域18から分けている境界を示す。すなわち、これらの点は、導体4で端から端までに位置する断片のうちの2つの断片の境界を成している。
【0013】
区域14, 16, 及び18の面積は、それぞれ、端部8と点20の間、点20と点22の間、及び点22と端部6の間、の導体4の断片の放射のレベルに比例している。したがって、図1を用いて、導体の長さを予め定められたレベルの放射が得られるように決定することが可能であることが理解されるであろう。
【0014】
図2は、図1のグラフに基づいた無指向共振アンテナの第一の実施の形態を示している。これは図1の導体と同様なモノポールを形成する導体を含む。すなわち、導体26は、図1のそれと同様な単位長さあたりの表面電流密度の分布を有する。これは、端から端までに位置し、互いに直角な3つの断片28, 30, 及び32から構成される。断片28は、図1の端部8と点20の間の断片と等しい長さを有する。断片30は、図1の点20と点22の間の断片と等しい長さを有する。断片32は、図1の点22と端部6の間の断片と等しい長さを有する。断片28の自由端は電磁的結合ゾーン34によって波放出体/受信体37の端子36と結合されている。結合ゾーンの長さ、すなわち、断片28と端子36の間のスペースは、シミュレーション又は実験によって、アンテナの実インピーダンスを波放出体/受信体37のインピーダンスと適合させるように決定される。2つのデバイス26と37の境界での反射現象を制限するようにアンテナの実インピーダンスを波放出体/受信体37のインピーダンスと適合させるためには、導体の各断片の幅を調節することもできるということが注意されるであろう。断片32の自由端は接地平面38に直角に結合され、その寸法は動作周波数の波長λよりも小さい。この条件では、接地平面38は導体26の放射に対するスクリーンを形成しない。他方、断片のいろいろなパラメータ(長さ、幅、向き、..)を調整して接地平面のエッジの影響を補償するようにしなければならない。
【0015】
1つの変形例では、接地平面38は、幅と長さが導体26の動作周波数の波長よりも何倍も大きい平面である。その場合、接地平面は無限であるといわれる。無限な接地平面は、導体26のような導体の電磁放射に対してスクリーンを形成し、したがって、この共振アンテナは半空間で無指向性であるということが注意される。この場合、断片28, 30及び32などの断片の長さは、それぞれ、λ/5, λ/10, 及びλ/80よりも小さい、ここでλは動作周波数の波長である。
【0016】
したがって、例えば、波長λ=314 mmで、導体が幅5 mmの帯で形成されている場合、断片28, 30 及び32に対応する断片の長さは、それぞれ、53 mm, 30 mm 及び3 mmである。さらに、この例では、ゾーン34などの結合ゾーンの幅は1 mmであり、端子36は長さが4 mmであり、放出体/受信体に結合するワイヤの直径は0.2 mmである。
【0017】
図3は、本発明による空間で動作する無指向共振アンテナの第二の実施形態を示しており、この実施の形態では 共振アンテナはモノポールを形成する導体50によって構成されている。この導体は、端から端までに5つの断片52, 54, 56, 58 及び60を有し、それらは対称面62に関して互いに鏡像になっている第一及び第二の部分を成すように配置されている。断片52, 54及び56は矩形の直線であり、対で互いに直角になっている。第一の部分は、断片52, 54と半断片64で構成される。半断片64は断片56の上半分である。断片52, 54及び64は、図2に関して説明した導体26と同様な導体を形成している。断片52, 54及び半断片64で構成される導体の全長は動作周波数の波長を4で割った値に等しい。詳しくいうと、断片52の長さは、図1の端部8と点20の間の断片の長さに等しい。断片54の長さは、図1の点20と点22の間の断片の長さに等しい。半断片64の長さは、図1の点22と端部6の間の断片の長さに等しい。導体50の第二の部分は、断片58, 60と半断片66で構成される。半断片66は断片56の下半分である。断片58, 60及び半断片66の寸法は、それぞれ、断片54, 52及び半断片64の寸法と同じである。導体50の第二の部分は、接地平面の存在をシミュレートするような仕方で第一の部分の電気的な像を生ずることを意図している。すなわち、この第二の部分は、第一の部分に対して図2の接地平面38のような接地平面の機能を満たし、その逆も成り立っている。そのような訳で、第一の部分の断片の寸法は、図2による実施の形態と同じ仕方で決定される。断片52の自由端は波放出体/受信体68の第一の端子に結合され、断片60の自由端は波放出体/受信体68の第二の端子に結合されている。この第一及び第二の端子もやはり、波放出体/受信体68によって送信/受信される間に位相のずれが導入されないような仕方で、対称面62に関して互いの鏡像になっている。
【0018】
図4は、グラフの座標軸に沿って伸びるモノポールを形成する導体68を示している。この導体は、ここでは一定の幅の電流を導く帯によって形成されているが、他の形態も別の実施形態では使用できる。この導体の第一の端は波放出体/受信体69に結合されている。第二の端は自由である。カーブ70は、動作周波数で導体68に沿った表面電流密度を表している。このカーブは、例えば、従来のシミュレーション・ソフトウエアを用いて得られる。この例では、図1に関して説明したと同様に、カーブ12と導体68の間の区域が3つの等しい面積の区域72, 74及び76に分割されている。いったんこれらの区域が定められると、導体68上に区域72と区域74の境界をマークする点78が位置づけられる。同様に、導体68上の点80は区域74と区域76の境界をマークする。点78と80は導体68を、長さがそれぞれ、L1, L2及びL3である3つの断片に切る点である。区域72, 74及び76の面積は、それぞれ、長さがL1, L2及びL3の断片の放射のレベルに比例する。
【0019】
図5は、図4のグラフによって寸法が決められた共振アンテナを示している。このアンテナは、図4の導体68と同様なモノポールを形成する導体86を有する。導体86は第一の端部で波放出体/受信体88の端子87に結合されている。導体86の第二の端は自由である。この導体86は端から端までに位置する3つの断片90, 92及び94から構成される。これらの断片は矩形の直線であり、対で互いに直角になっている。これらの断片の長さは、図4にしたがって決定される、すなわち、断片94は長さがL1であり、断片92は長さがL2であり、断片90は長さがL3である。断片94の自由端は波放出体/受信体88に結合され、かつ接地平面96に対して垂直であり、接地平面96の寸法は動作周波数の波長λよりも小さい。導体86と接地平面96で構成されるアンテナの全体は、アンテナの寸法を小さくするために誘電体物質98に埋め込まれている。実際、アンテナの導体を誘電体物質に埋め込むこと、又は誘電体物質の表面に配置することは、導体に要求される寸法を縮めること、したがって、アンテナの寸法を縮めることを可能にする。
【0020】
図6の共振アンテナは、一定の幅の導電物質の帯で形成される導体110を有する。この導体は、端から端までに位置し、対で互いに直角な3つの断片112, 114, 及び116から構成される。アンテナは、また、2つの接地エレメント120と122を有する。接地エレメント120と122は、それぞれ、一定の幅の導電物質の帯で形成される。第一のエレメント120は、端から端までに位置する3つの断片124, 126, 及び128を有する。第二の接地エレメント122は、端から端までに位置する3つの断片130, 132, 及び134を有する。これら2つの接地エレメント120と122は、それぞれ、導体110の右及び左に配置されている。接地エレメントの断片124と130は、導体110の断片112と平行で同一平面にある。同様に、断片126と132、及び断片128と134、はそれぞれ、導体110の断片114及び116と平行で同一平面にある。断片126, 114, 及び132と反対側の断片128, 116, 及び134の端は、導電エレメント136によって互いに結合されている。断片112の自由端は、波放出体/受信体138に結合されている。断片112, 114, 及び116の長さは、図1及び2に関して説明されたと同様に、導体110に沿った表面電流密度の分布の関数として決定される。接地エレメントの断片を導体110の断片から隔てているギャップ140, 142の幅、すなわち、接地エレメントを形成している帯の幅、はシミュレーション又は実験によって、アンテナの実インピーダンスを波放出体/受信体のインピーダンスに適合させるように決定される。このようなアンテナは、普通、金属シートで一定の幅の溝(スロット)を切り抜いて、さらに直角に曲げることによって製造される。
【0021】
次に、空間で無指向性である共振アンテナの動作を図1及び2を用いて説明する。
【0022】
図2のアンテナを用いて動作周波数で電磁放射を放出しているとき、波放出体/受信体37は、電磁結合ゾーン34における電磁結合によって、導体26に表面電流密度を発生する。こうして生ずる表面電流密度は導体26に沿って図1のグラフに示されているように分布する。
【0023】
断片28, 30及び32の長さは、区域14, 16及び18が等しい表面積を有するように決定される。したがって、導体26の各断片の放射のレベルは同じである。
【0024】
さらに、空間の任意の点で、放出される放射のレベルは実際上断片28, 30及び32の各々が放出する放射のベクトル和である。これらの断片は、互いに対して直角であり、ある断片が放出する放射はその方向に平行なので、ある断片から放出される放射は別の断片の放射とは干渉しないということは理解されるであろう。したがって、直交する断片はアンテナの利得を最適化しながら、打ち消しあうような干渉現象を回避するということが認められる。すなわち、断片は直交していると同時に、各断片の放射のレベルは同じであるから、このアンテナは空間のどの特定の方向にも有利にならないということが理解されよう。その結果、こうして製造されたアンテナは実際上無指向性になる。ここで、空間のある予め定められた領域でどの2つの方向においてもアンテナによって放出/受信される放射のレベルの差が50%以下である場合に、放射はこの空間領域で実際上無指向性であると見なされる。
【0025】
接地平面38は、電磁放射に対するスクリーンを構成せず、したがって、前記のアンテナは空間全体で無指向性になるということに注意しておこう。
【0026】
図2のアンテナを用いて動作周波数で電磁放射を受信しているとき、断片28, 30及び32の方向で受信される放射のレベルは、それぞれ、面積14, 16 及び18に比例し、したがって、各断片のそれぞれの長さによって決定される。特に第一の実施形態の場合、各断片の長さは面積14, 16及び18が等しくなるように選ばれている。したがって、ある断片に平行な与えられた放射について受信される放射のレベルは、この放射が断片28, 30又は32のいずれに平行であるかに関わりなく同じである。どの方向からの放射も常に、それぞれ、3つの断片28, 30及び32に平行な3つの成分に分解することができ、したがって、アンテナが受信する全体的な放射のレベルは、この放射の方向に関わりなく不変である。放出と同様、接地平面38の幅と長さの寸法がλより小さければ、受信も接地平面38によって半空間に制限されることはない。
【0027】
図3に示されたアンテナの動作は、すでに説明したことからでてくる。
【0028】
実際、アンテナの導体50の断片58, 60及び半断片62によって形成される第二の部分は、断片52, 54及び半断片64によって形成される第一の部分に対して対称面62に沿って伸びる接地平面の機能を果たす。したがって、このアンテナの第一の部分の動作の研究は、対称面62に融合する接地平面に垂直に結合された導体の研究につながる。このような構造の動作については、すでに図2に関して説明されている。
【0029】
逆に、このアンテナの第一の部分は、アンテナの第二の部分に対して対称面に融合する接地平面の機能を果たす。したがって、すぐ上で述べたと同様に、このアンテナの第二の部分の動作は、図2に関して説明されたと同様な構造のアンテナの研究につながる。
【0030】
図5と6にそれぞれ示されている共振アンテナの動作は、図2に関して説明されたアンテナの動作から容易に導かれる。
【0031】
ある変形例では、前記の実施形態の導体は帯の形の断片ではなくワイヤ・エレメントで形成される断片から構成される。各断片を形成するワイヤの直径は、そのようなアンテナの実インピーダンスを波放出体/受信体のインピーダンスに適合させるように決定される。
【0032】
ある変形例では、前記の実施形態の導体は、動作周波数で表面電流密度を計算する事が可能な形の断片で構成される。電磁放射を受信し放出する装置が、それぞれある予め定められた波長を受信するのに適した、複数の上述のような半空間又は空間全体で動作する無指向性の共振アンテナを有することが有利である。このようにして受信及び送信のための装置が、半空間又は空間全体で無指向性であると同時に、様々な波長で受信し放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の端部が波放出体/受信体に結合され、第2の端部がある接地に結合された導体を示す概略図、ならびにこの導体の表面電流密度の分布を示すグラフである。
【図2】図1のグラフに基づいて寸法が決められた、本発明による空間で動作する無指向共振アンテナの第1の実施の形態を示す概略透視図である。
【図3】本発明による空間で動作する無指向共振アンテナの第2の実施の形態を示す透視図である。
【図4】第1の端部が波放出体/受信体に結合され、第2の端部が自由である導体を示す図、ならびにこの導体の表面電流密度の分布を示すグラフである。
【図5】図4のグラフに基づいて寸法が決められた、本発明による空間で動作する無指向共振アンテナの第3の実施の形態を示す透視図である。
【図6】本発明による空間で動作する無指向共振アンテナの第4の実施の形態を示す透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半空間又は空間全体で動作する無指向性共振アンテナであって、予め定められた周波数における全長共振を呈し端から端までに位置する少なくとも3つの断片(28, 30, 32; 52, 54, 56, 58, 60; 90; 92; 94; 112; 114; 116)で形成される導体の表面電流密度が予め定められた分布を呈するモノポールを形成する単一の放射導体(26; 50; 86; 110)を有し、各断片の長さと断片(複数)の互いに対する方位が該導体の球状放射の決定に寄与する共振アンテナにおいて、断片(複数)が互いに直角な少なくとも3つの異なる空間方向に向いており、各断片の表面電流密度の積分が同じ値であることを特徴とする共振アンテナ。
【請求項2】
該放射導体(50)が、空間全体で無指向性である導体の放射を得るために、対称面(62)に関して対称な2つの部分を有することを特徴とする請求項1に記載の共振アンテナ。
【請求項3】
該放射導体(50)が、第1、第2、第3、第4及び第5の断片(52, 54, 56, 58, 60)で構成され、該第4及び第5の断片(58, 62)がそれぞれ、該第3の断片(56)の中央対称面(62)に関して該第2及び第1の断片(52, 54)の対称による像であることを特徴とする請求項2に記載の共振アンテナ。
【請求項4】
第1、第2の断片と第3の断片の半分によって形成される導体の全長は受信または送信されるべき放射の波長の4分の1に等しい請求項3記載の共振アンテナ。
【請求項5】
該放射導体の端部にある断片(26; 86)が、ある接地平面(38; 96)に対して直角に位置していることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項6】
空間全体での導体の無指向性放射を得るために、該接地平面(38; 96)の寸法が波長λよりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の波長λでの共振アンテナ。
【請求項7】
半空間での導体の無指向性放射を得るために、該接地平面の寸法が波長λよりも数倍大きいことを特徴とする請求項5に記載の波長λでの共振アンテナ。
【請求項8】
接地エレメント(124, 126, 128, 130, 132, 134)を有し、該放射する導体(110)の 断片(112, 114, 116)がそれぞれ、それらと共平面(コプレナ)であることを特徴とする請求項1に記載の共振アンテナ。
【請求項9】
該放射導体(26)が、送信体/受信体(37)に結合された第1の端部と、該接地平面(38)に結合された第2の端部を有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項10】
該放射導体(110)が、送信体/受信体(138)に結合された第1の端部と、該接地エレメント(120, 122)に結合された第2の端部を有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項11】
該放射導体(26)が、電磁結合ゾーン(34)によって該送信体/受信体(37)に結合されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の共振アンテナ。
【請求項12】
該電磁結合ゾーン(34)の寸法が部分的に該アンテナの実インピーダンスを決定することを特徴とする請求項11に記載の共振アンテナ。
【請求項13】
該放射導体(26; 86; 110)が第1、第2及び第3の断片(28, 30, 32; 90, 92, 94; 112, 114, 116)で構成されることを特徴とする請求項5乃至12のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項14】
λを受信または送信されるべき放射の波長として、第1、第2および第3の断片によって形成される導体の全長はλ/4に等しい請求項13記載の共振アンテナ。
【請求項15】
該放射導体の隣接する断片(28, 30, 32; 52, 54, 56, 58, 60; 90, 92, 94; 112, 114, 116)が互いに直角な2つの方向に向いていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項16】
該断片(28, 30, 32; 52, 54, 56, 58, 60; 90, 92, 94; 112, 114, 116)がそれぞれ帯から成り、その幅が該アンテナの実インピーダンスを少なくとも部分的に、該アンテナに結合しようと意図する送信体/受信体のインピーダンスに適合させるように決定されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項17】
該放射導体(26; 50; 86; 110)がワイヤの断片で構成されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項18】
該放射導体(86)が、送信体/受信体に結合された第1の端部と第2の自由な端部を有することを特徴とする請求項1乃至8及び13乃至17のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項19】
該放射導体(86)が、誘電体物質(98)と連関することにより該アンテナの寸法を縮小させることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の共振アンテナ。
【請求項20】
半空間又は空間全体において電磁放射を受信し送信する装置であって、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の無指向性共振アンテナを複数有することを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−29037(P2008−29037A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265771(P2007−265771)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【分割の表示】特願2003−504506(P2003−504506)の分割
【原出願日】平成14年6月6日(2002.6.6)
【出願人】(501089863)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) (173)