説明

無機発泡成型材の製造方法

【課題】 耐火不燃性、軽量性、高断熱性及び強靭性に優れる無機発泡成形材を、簡便且安価に製造する方法の提供。
【解決手段】 黒曜石を焼成発泡した独立気孔構造で、且見掛比重が0.05乃至0.15と平均粒径が0.1乃至3.0mmのパーライトに、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を10乃至20容量%割合で混合混練して成形原料となしたうえ、該成形原料を注入工程で成形雌型内に注入し、更に成形工程で充填加圧蓋で加圧し予備成形したうえ、加熱工程で150乃至300℃に加熱し無機発泡成形材となし型抜きする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐火不燃性と軽量性並びに高断熱性を保持する無機発泡成型材の物理的性能の向上と、且高い生産性を以って安価に製造可能な、無機発泡成型材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物用断熱材や包装用保冷材等は、軽量性と高断熱性が要請されることから、従来よりポリスチレンやポリウレタン或いはフェノール樹脂等の合成樹脂素材を発泡成形させてなる合成樹脂発泡成形材が専ら使用されている。
【0003】
而して、今日の如く建物構造の耐火不燃性や密閉性が高まっている状況下においても、建物内断熱材には合成樹脂発泡成形材が使用されてなるため、一旦火災発生に見舞われると該合成樹脂発泡成形材より猛烈な有害ガス及び煤煙が発生し、これにより再々に亘って人命が失われる悲惨な事故が招来されている。
更に環境保全の高まりの中では、該合成樹脂発泡成形材は耐久使用後の廃棄に際しては、分別はもとより焼却処分に際しても発生ガスや臭気或いは煤煙の除去のための特段の配慮も必要となる。
【0004】
加えて大きな問題は、食品包装用としての保冷材等は極めて短期の使用後に廃棄されるためその廃棄量は嵩高で膨大量に昇り、その一部が随所に散乱し景観を著しく損なうばかりか、廃棄品の回収には莫大な経費と労力が強いられ、而もこれら包装用の保冷材は使用前、使用中若しくは回収後においても火災の危険が付きまとう。
【0005】
これがため発明者等のグループは、耐火不燃性と軽量性及び高断熱性を保持する安価な無機発泡成型材の開発に取組んだ結果、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が略45重量%に水分が55重量%割合の組成からなり、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を原料素材に用い、所要寸法形状の成形型で略200乃至300℃の高温度で加熱し、シロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び水分蒸散に伴う連続気孔若しくは連続気泡を生成せしめて、見掛比重が0.1乃至0.2圧縮強力20乃至40kgf/cm及び断熱性(熱伝導率)が0.034kcal/m・h・C°の無機発泡成型材の開発に成功している。
【特許文献1】 特願2007−202331号
【0006】
然るに、かかる無機発泡成型材は、原料素材たるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液に略55重量%の水分が含有されてなり、該水分を完全に蒸散せしめて酸化珪素態の無機発泡成形材となすには高温度と且長時間の加熱発泡が要請され、多大な加熱費用と生産性に劣りコスト的に割高となるばかりか、不十分な加熱発泡の場合には珪酸態即ちSiO・nHOの状態となり、使用経過とともに吸水し脆弱化から自己崩壊に至る危険がある。
加えて短時間の水分蒸散による加熱発泡のために高温度の加熱、即ち300℃を超える温度による加熱では、高温度に伴う強度の加熱融着性の創出により、成形型内面への融着が発生し成形型からの型抜きに問題が発生するため、強靭且剥離性に優れる剥離層の形成が不可欠となるものの、現状の剥離層素材の耐熱性は略300℃とされており、且高温度となる程剥離性も悪くなることから、結局かかる加熱温度以下に制約されて生産性にも難点がある。
【0007】
発明者等はかかる問題に鑑み更なる研究を重ねた結果、黒曜石を焼成したパーライトは酸化珪素を主成分とし、耐火不燃性のうえ独立気孔構造で強靭な構造強度と吸水性も無く、且その見掛比重も0.05乃至0.15と極めて嵩高軽量なうえ、その平均粒径で0.1乃至3mm程度の微粒なものを用いることにより、多様な寸法形状の成形材が成形しえることに着目するとともに、該パーライト相互を可能な限り小容量割合のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を混合加熱することにより、短時間に且強固に接着固化された成形材を作成しえることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は耐火不燃性、軽量性、高断熱性及び強靭性に優れる無機発泡成形材を、簡便且安価に製造しえる無機発泡成形材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために本発明が用いた手段は、原料素材として黒曜石を焼成発泡させた独立気孔構造で、平均粒径が0.1乃至3.0mm並びにその見掛比重が0.05乃至0.15のパーライトと、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至55重量%及び水分が45乃至55重量%割合からなり、その分子量換算で略4,000に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が用いられる。
【0010】
かくしてなるパーライトの容量に対し10乃至20容量%割合でシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を混合混練工程において混合混練のうえ、パーライトの外表面全体に均等に塗着させて成形原料となす。そしてこの成形原料を所要の寸法形状で、その上面が開口した成形雌型及び充填加圧蓋とからなり、且該成形雌型及び充填加圧蓋の全面には所要の孔径若しくは網目合からなる蒸散孔が均等に形成された成形型を用いて、その開口部より所要容量の成形原料と注入させる注入工程と、該成形型内に注入された成形原料を充填加圧蓋で加圧して成形型内に均質に充填させる成形工程により予備成形がなされる。
【0011】
而してかかる予備成形のされた成形型を載置させ且所要の速度で移送させるコンベアと、この移送される成形型を150乃至300℃の温度で加熱し、パーライトに塗着されたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を無気孔塗着層若しくは連続気孔塗着層を形成させて、パーライト相互を一体的強固に接着固化させて成形材となす加熱工程と、この成形材を成形型より型抜きをなす無機発泡成形材の製造方法に存する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述の如き構成からなるもので、原料素材に用いるパーライトが黒曜石を焼成発泡させた独立気孔構造で、且その見掛比重が0.05乃至0.15並びに平均粒径が0.1乃至3.0mm微粒状のものであるから、多様な寸法形状の成形材への成形も可能なばかりか、その表面積率が大きなため混合混練されるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液がパーライト容量に対して10乃至20容量%割合でも、パーライトの外表面全体に均等に塗着され、且シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が保持する粘着性が僅かな混合割合により抑制され柔軟で流動性を保持する成形原料が形成され、従って所要の寸法形状に形成された成形型内に所要量の成形原料が注入されたる後成形工程における充填加圧蓋の僅かな加圧により成形型内に均質に充填された予備成形がなしえる。
【0013】
この予備成形のなされる成形型は、所要の寸法及び形状でその上面が開口した成形雌型と充填加圧蓋とから形成され、而もこれら全面には所要孔径若しくは網目合からなる蒸散孔が均等に形成されてなるから、所要容量の成形原料が容易に成形雌型開口部より注入しえ、且充填加圧蓋の閉塞加圧で成形型内全体に均質に充填され予備成形が簡便になされ、而も成形原料はシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の粘着性で粘着流動状であるから、蒸散孔からの漏出も防止される。
【0014】
そして予備成形された成形型は、所要の速度で移送しえるコンベアと移送される成形型を150乃至300℃の温度で加熱しえる加熱工程において、低温度の加熱即ち150乃至200℃程度の加熱においては、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液がシロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び水分の緩やかな蒸散放出により、無気孔構造の塗着層を形成してパーライト相互を一体的に強固に接着固化させ、更に200乃至300℃の温度で加熱することにより、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液がシロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び水分の急激な蒸散放出により連続気孔構造の塗着層を形成してパーライト相互を一体的に強固且嵩高軽量に接着固化させて成形材を形成し、而も成形型の全面には蒸散孔が均等に形成されてなるため、厚物の成形材においても水分蒸散も短時に且容易になされる。
【0015】
かくして加熱工程により所要の寸法形状に形成された成形材は、成形型より適宜手段により型抜きすることで、本発明無機発泡成形材が作成される。そしてかかる型抜きに際してもシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が成形原料に対し10乃至20容量%割合と少ないため成形型内面への融着が殆んどなくなり、且一般的剥離処理を施すのみで型抜きも一段と簡便になされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
原料素材が黒曜石を焼成発泡させた独立気孔構造で、見掛比重が0.05乃至0.15で平均粒径が0.1乃至3.0mmのパーライトと、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至55重量%に水分が45乃至55重量%割合の組成で、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液とを用い、混合混練工程においてパーライト容量に対し15容量%割合のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を混合混練して成形原料となしたるうえ、成形工程において所要の寸法形状で開口部を有する成形雌型と充填加圧蓋からなる成形型内に注入し且加圧充填して予備成形をなしたるうえ、加熱工程で180℃の加熱によりシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を無気孔構造塗着層を形成させて、パーライト相互を強固一体的に接着固定させたうえ型抜きをする。
【実施例1】
【0017】
以下に本発明実施例を図とともに詳細な説明をすれば、図1は本発明製造方法の工程図であって、原料素材1には黒曜石を破砕のうえ焼成発泡した独立気孔構造で、その見掛比重が0.05乃至0.15で且その平均粒径が0.1乃至3.0mmのパーライト1Aと、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至55重量%に水分が45乃至55重量%割合の組成で、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bが用いられる。
【0018】
即ち本発明は無機発泡成形材の製造方法に係わるもので、更に詳しくは耐火不燃性はもとより軽量性と高い断熱性を保持し、而も多様な寸法形状に簡便且安価に形成しえる製造方法の提供にある。
これがためには黒曜石を焼成発泡させたパーライト1Aの素材的特性である耐火不燃性と独立気孔構造による構造強度と見掛比重0.05乃至0.15の軽量嵩高性、及び断熱性(熱伝導率0.036Kcal/m・h・C°)を活用するとともに本発明の無機発泡成形材は広範な用途への利用のうえから、多様な寸法形状に成形させる必要上から、その平均粒径として0.1乃至3.0mmのものが選択される。
【0019】
そして選択されたパーライト1Aは粒形状であるから、該パーライト1Aを所望の寸法形状に強固且一体的に接着固化させる必要がある。
これがためには当然に耐火不燃性と軽量性を保持し、且パーライト1A相互と強固に接着固化しえ、而も取扱いが安全で簡便なうえ短時に接着固化可能な接着素材が要請される。そこで接着素材としてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bが用いられるもので、その組成がシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至55重量%に水分45乃至55重量%の水溶液状のため、低粘度でパーライト1Aとの混合混練性が良好で、且僅かな粘着性によりパーライト1A相互との塗着も良好になしえる。加えて特徴的なことは、シロキサンとシラノール塩が分子量換算で略4,000程度に多分子量化された錯化合物状のため、加熱により強力なシロキサン結合の促進と加熱融着性が創出され、且水分蒸散如何により無気孔構造若しくは連続気孔構造の接着固化に係わる塗着層を形成することにある。
【0020】
かくしてなるパーライト1A及びシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bは混合混練工程2において、作成される無機発泡成形材13に要請される物理的性能を実現しえる成形原料11を形成することにある。
即ち原料素材1のパーライト1A及びシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bの保持する素材特性を有効に活用するもので、これがためにはパーライト1Aの容量に対してシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bが10乃至20容量%割合で混合され混練される。かかる場合のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bの混合割合は、パーライト1Aの粒径が大きくなる程、及び作成される無機発泡成形材13の物理的性能の高いものが要請される程混合割合が増大される。
【0021】
そして混合混練工程2の具体的混合混練手段は多種多様なものが挙げられるが、図2にはスクリュー装置20による場合が例示されてなり、該スクリュー装置20による場合は、ホッパー20Aに投入された原料素材1を、シリンダー20B内を回転し混練移送しえるスクリュー20Cにより混練し、吐出口20Dより成形原料11として吐出させるもので、混合混練されて形成された成形原料11は図3に示す如く、パーライト1Aの外表面全体に均等にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bが塗着11Aされ、且その僅かな粘着性により相互が絡着した状態を呈している。
【0022】
成形原料11は引続いて注入工程3において、所要の寸法形状に形成されてなる成形雌型30及び充填加圧蓋31とからなる成形型30内に所要容量割合で注入される。
この注入工程3は、通常は成形原料11を連続的に成形雌型30A内に注入させることが望ましく、図4に示す如くその上部に開口部30Bを有する成形雌型30Aを配し、該成形雌型30Aの内容量に等しい成形原料11を注入すれば良い。
【0023】
ところで成形雌型30A内に注入される成形原料11は、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bの塗着11Aによりパーライト1A相互が絡着した状態で成形雌型30A内に注入されるものであるから、所望の寸法形状に形成された成形型30内に均質には充填されない。
そこで図5に示す如く成形工程4において、注入された成形原料11を加圧充填させて成型雌型30A内に均質に充填させて、作成する無機発泡成形材13となすための予備成形12がなされる。
【0024】
従ってかかる予備成形12をなすうえからは、成形型30は成形雌型30Aと充填加圧蓋31とからなるもので、成形雌型30A内に成形原料11が注入されたうえは、充填加圧蓋31を適宜に加圧閉塞させることにより、注入された成形原料11は成形雌型30A内全体に亘って押圧流動して均質に充填され予備成形12がなされる。
【0025】
これがため成形型30は図6に示す如く、所要の寸法形状に形成され且上部に開口部30Bを有する成形雌型30Aと該成形雌型30A内に適宜の深さまで加圧嵌入しえる嵌入縁31Aが設けられた充填加圧蓋31とにより、所要の寸法形状に予備成形12されるよう構成されている。
そしてかかる成形雌型30Aや充填加圧蓋31は、引続いてなされる加熱工程5における加熱手段によって使用素材も異なり、加熱手段が熱風や誘電加熱、高周波加熱では金属素材が用いられ、且マグネトロン加熱では非導電性の耐熱プラスチックや陶器、或いはガラス等の素材が用いられる。加えて該成形雌型30A及び充填加圧蓋31の全面には、加熱に際してシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bの水分蒸散を短時に放出せしめるうえから、所要の孔径若しくは網目合からなる蒸散孔32が均等に形成されてなるもので、且該蒸散孔32の孔径若しくは網目合は、予備成形された成形原料11が充填加圧され絡着されてなるから略1乃至2mm程度で十分である。
【0026】
成形工程4において予備成形12されたうえは、加熱工程5において加熱がなされる。この加熱も特段の制約は無いが、連続的に加熱を行なうことが効率的であって、図7には連続加熱手段50が例示されてなるもので、該連続加熱手段50においては予備成形にされた成形型30を載置し且適宜速度で移送しえるコンベアー51の適宜位置には、該移送される成形型30を150乃至300℃の加熱温度で所要時間加熱しえる加熱発生部52が設けられている。この加熱発生部52には電熱熱風送風やマグネトロンの放射或いは高周波放射具が配備され、更に成形型30を誘電加熱で加熱する場合には、コンベアー51に誘電極が配備されている。そして加熱発生部52は熱風や放射されるマグネトロンや高周波に外部放散を防止するうえから遮断区画体43により区画されている。
更に成形型30内で予備成形12された成形原料11には、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bが10乃至20容量%割合で混合され、且無気孔塗着層13A若しくは連続気孔塗着層13Bは、その半分の固形分が関与するものであるから、加熱によっても予備成形12された寸法形状を変形させるまでには至らず、従って充填加圧蓋31を嵌着させたままでも、若しくは充填加圧蓋31を嵌着させぬままでも加熱をなすことも可能である。
【0027】
そして加熱工程5において肝要なことは、作成される無機発泡成形材13の作成には予備成形12されてなる成形原料11を形成してなるパーライト1Aの外表面全体に塗着11Aされたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Bを、加熱により強力なシロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び水分蒸散に伴う無気孔塗着層13Aの形成によりパーライト1A相互を強固に一体的に接着固化させ、若しくは連続気孔塗着層13Bの形成によりパーライト1A相互を強固一体的に接着固化させるもので、無気孔塗着層13Aの形成には加熱による水分蒸散を緩やかになさしめるうえから、加熱温度を150乃至200℃の範囲で加熱をなし、連続気孔塗着層13Bの形成には加熱による水分蒸散を短時に且激しくなさしめるうえから200乃至300℃の範囲で加熱をなすことにある。
かかる場合に水分蒸散には加熱温度と且加熱時間が関与するもので、加熱時間は作成する無機発泡成形材13の厚さに左右されるものであるが、厚さが略20乃至40mmでは略20乃至30分が目処となる。
【0028】
かくして加熱工程5において所要の加熱がなされ、成形型30内で所要の寸法形状に無機発泡成形材13が形成されたうえは、成形型30より無機発泡成形材13を取出すための型抜き6がなされ、無機発泡成形材13が作成される。かかる型抜き6は成形型30の内面が平滑に形成され、若しくはテトラフロロエチレン等の剥離剤を塗布し或いは剥離層を形成させておくことにより、成形型30を反転させることにより簡単に取出しがなされる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
黒曜石を焼成発泡した独立気孔構造で、且見掛比重が0.05乃至0.15で平均粒径が0.1乃至3.0mmのパーライトに、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を10乃至20容量%割合で混合混練した成形原料と、所要の寸法形状の成形雌型と充填加圧蓋とからなる成形型と、150乃至300℃の温度で加熱しえる加熱手段とにより実施しえる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】 本発明の工程説明図である。
【図2】 混合混練工程におけるスクリュー装置の説明図である。
【図3】 成形原料の断面拡大説明図である。
【図4】 成形雌型への注入状態を示す説明図である。
【図5】 成形工程の説明図である。
【図6】 成形型の例示図である。
【図7】 加熱工程の説明図である。
【図8】 型抜きの説明図である。
【符号の説明】
1 原料素材
1A パーライト
1B シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液
11 成形原料
11A 塗着
12 予備成形
13 無機発泡成形材
13A 無気孔塗着層
13B 連続気孔塗着層
2 混合混練工程
20 スクリュー装置
20A ホッパー
20B シリンダー
20C スクリュー
20D 吐出口
3 注入工程
30 成形型
30A 成形雌型
30B 開口部
31 充填加圧蓋
31A 嵌入縁
32 蒸散孔
4 成形工程
43 遮断区画体
5 加熱工程
50 連続加熱手段
51 コンベアー
52 加熱発生部
6 型抜き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料素材が黒曜石を焼成発泡させた独立気孔構造で、見掛比重が0.05乃至0.15で且平均粒径が0.1乃至3.0mmのパーライトと、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至55重量%と水分が45乃至55重量%割合の組成からなり、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液とからなり、パーライトに対しシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を10乃至20容量%割合で混合し、且パーライト外表面全体にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を均等に塗着せしめて成形原料となす混合混練工程と、所要の寸法形状に形成され上部に開口部を有する成形雌型と充填加圧蓋とからなる成形型の成形雌型内に、所要容量の成形原料を注入する注入工程と、成形雌型内に注入された成形原料を充填加圧蓋で加圧し成形原料を成形雌型内に均質に充填させて予備成形をなす成形工程と、予備成形された成形型を移送させつつ150乃至300℃の温度で加熱し、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を無気孔塗着層若しくは連続気孔塗着層に形成させて、パーライト相互を強固一体的に接着固化させ無機発泡成形材となす加熱工程と、作成された無機発泡成形材を成形型より型抜きすることから構成される、無機発泡成形材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−256160(P2009−256160A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132503(P2008−132503)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(501021678)株式会社セラフト (17)
【Fターム(参考)】