説明

無機質多機能基材

【課題】 耐火不燃性、軽量性、高断熱性、耐水性、及び土壌還元できる廃棄性等に優れる無機質多機能基材の提供。
【解決手段】 黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で見掛け比重が0.05乃至0.2及び平均粒径が0.5乃至20mmのパーライトに、珪酸ソーダに珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントが3乃至30容量%割合で配合された接着固化形成材を10乃至20容量%割合でパーライト外表面に混練包着せしめて成形原料としたうえ、所要の成形型に充填成形のうえ、160℃以上の温度で加熱しパーライト相互を強固な接着固化形成層で接着固化させた構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐火不燃性、軽量性、高断熱性、耐水性及び土壌への還元可能な廃棄性等多機能を保持する無機質多機能基材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築用内断熱板材や外断熱板材には、軽量で安価なうえ断熱性にも優れることから、発泡スチロール板材や発泡ウレタン板材或いは発泡フェノール板材等が使用されているが、近年では戸建住宅における鉄骨不燃板材によるプレハブ住宅等の増大や鉄骨鉄筋コンクリートによる中高層住宅等の普及とともに建物の密閉性が格段に高まり、一旦火災が発生するとこれら合成樹脂発泡板材から猛烈な火炎や煤煙及び有害ガスが発生し、各地で悲惨な事故が頻発していることから、これら建築用内断熱板材や外断熱板材の耐火不燃化が叫ばれている。
【0003】
これがため、耐火不燃性を保持する建築用内断熱材や外断熱板材として、コンクリート素材を発泡成形させた発泡コンクリート板材や断熱材としてガラスウールマット等が使用されるに至っているものの、発泡コンクリート板材は耐火不燃性は保持するものの、見掛比重も略0.7乃至0.8と多重であるから施工時には施工機械も要求され、而も断熱性能も特段に優れるものでないから、実態上前記合成樹脂発泡板の併用等が強いられる。
更にガラスウールマットは細径のガラス繊維を絡合積層させたものであるから、絡合積層に係わる空気層による断熱性能は発揮されるものの、火炎との直接接触ではガラス繊維の溶融変形ばかりか施工に際してのガラス繊維の折損による施工作業者への突刺も惹起され、更には垂直面への施工ではガラスウールマットが下垂変形し断熱性能が著しく損なわれる問題も抱えている。
【0004】
他方近年では食生活の中食化や外食化が進み、都市部はもとよりその近郊繁華街には、多数の惣菜店を初めファーストフード店、ファミリーレストラン或いは焼き肉、焼き鳥、中華料理店等フランチャイズ化された飲食店が林立している。
ところでこれら惣菜店や飲食店では、調理に伴い多量のオイルミストに加え臭気や焦焼が発生し、且これらはダクトを介して店舗外への排出がなされている。
而して都市化の進展は、これら惣菜店や飲食店に近接して他業種店舗や事務所或いはマンション等の住居建物も建設されることから、排出されるオイルミストや臭気或いは焦煙が新たな都市公害を惹起し既に法的規制が論議されるまでに至っている。
【0005】
ところでオイルミストや臭気或いは焦煙等はロースターやレンジ等の調理機器から発生するもので、とりわけオイルミストは調理機器類はもとよりダクト内や店舗内壁面等に容易に付着し汚損を増大させることから発生する調理機器直近での付着除去がのぞまれるものの、調理機器は高温度で使用されるため、オイルミスト付着除去のためのフィルターも当然に耐火不燃性素材が要請され、現状においてはセラミックス素材による成形体や金属線条素材を織成した金属網地の積層体等のフィルターが使用されてなるものの、コスト的に高価なうえ、略4乃至5日程度の使用で通気孔が付着油類で閉塞されるため、この付着油類の除去並びに洗浄には更なるコストが強いられ、これによる維持経費は膨大なものが強いられている。
【0006】
発明者等はかかる状況に鑑み研究を重ねた結果、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が、加熱による水分蒸散に伴う強力なシロキサン結合の促進と、加熱融着性の創出とにより無機質素材への強力な接着性を発揮すること、及び水分蒸散に伴う連続気泡構造で軽量な酸化珪素態の成形体が形成されることを解明している。更に他方において黒曜石を加熱焼成発泡させることにより独立気泡構造で、その見掛比重が略0.02乃至0.2で且酸化珪素並びに酸化アルミを主成分とし、而もその平均粒径が0.5乃至20mm程度のパーライトが生産可能なることを確認している。
【0007】
そこで発明者等は所要粒径のパーライトの外表面にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を混練包着せしめたる後、所要の寸法形状に成形のうえ加熱によりシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の水分蒸散による酸化珪素態で連続気泡構造の接着層によりパーライト相互を強固に接着固化させ、以って耐火不燃性と軽量で高断熱性及び廃棄性を保持する建築内装断熱板材や外断熱板材或いはフィルター材を開発することに成功している。
【0008】
然るに、パーライト相互の接着固化にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を使用した場合に、加熱に伴い水分が確実に蒸散した場合には酸化珪素態の強固な接着固化がなされるものであるが、建築内装断熱板材の如くその厚さが40乃至100mmと厚くなると、加熱成形時の加熱エネルギーが成形体の外表面から伝播されて内部の水分の蒸散がなされるものであって、加熱エネルギーの直接付加される成形体の外表面が水分蒸散とともに酸化珪素態で連続気泡構造の接着層が形成される結果、内部への熱エネルギーの伝播侵入が著しく阻害され、内部の水分蒸散には高温度と長時間の加熱が必要となるばかりか、内部への熱エネルギーの伝播侵入の阻害により、内部水分の蒸散不足による珪酸態と且連続気泡構造とにより吸湿や吸水が促進されて短時に自己崩壊が招来される危険を内在している。
【0009】
かかる実情に鑑み更なる研究を重ねた結果、加熱による水分蒸散とともに無機質の強固な結合とされるシロキサン結合を促進する素材として、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の他に珪酸ソーダが考えられ且該珪酸ソーダは極めて安価なことから、形成される基材も安価に提供されるものであるが、反面珪酸ソーダも水分を確実に蒸散放出させぬと珪酸態となり吸湿吸水が促進され、成形された基材の自己崩壊の危険を内包するものの、該珪酸ソーダに珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントからなる水和材を配合のうえパーライトの外表面に混練包着させたうえ成形し、而して加熱し水分蒸散を図ることにより、パーライト相互の接着固化と、且未蒸散水分と水和作用とによる水和物の補強付加がなされて酸化珪素態の接着固化形成層の形成により耐水性が著しく向上することを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は耐火不燃性と軽量性、高断熱性、並びに耐水性と、土壌還元が可能な廃棄性等多機能性を保持する無機質多機能基材を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために本発明が用いた技術的手段は、黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で、その見掛比重が0.05乃至0.2で且その平均粒径が0.5乃至20mmのパーライトに、該パーライトを適宜寸法形状に成形のうえ相互を強固に接着固化させるため、パーライトの容量に対して10乃至20容量%割合で且珪酸ソーダに珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントが3乃至30容量%割合で配合された接着固化層形成材を混練包着せしめて成形原料となしたうえ所要の寸法形状に成形し、而して少なくとも160℃以上の高温度により接着固化層形成材の水分蒸散並びに水和作用を促進せしめ、以って酸化珪素態の接着固化形成層によりパーライト相互を強固に接着固化せしめてなる構成からなる、無機質多機能基材に存する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述の如き構成からなるもので、主要な素材割合を占めるパーライトが黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で、且その見掛比重が0.05乃至0.2であるから、形成される基材の構造強度が強く且極めて軽量であって、更には使用パーライトの粒径を最密充填密度に組合せて使用することにより構造強度が各段に強化され、而も粒径の選択により通気孔や透水孔を適宜に決定することも可能となる。
そして該パーライトの外表面には、珪酸ソーダに対して3乃至30容量%割合で珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントが配合された接着固化層形成材がパーライト容量に対し10乃至20容量%割合で混練包着されるため、該接着固化形成材の粘性溶液が略均等に包着されるとともにパーライト相互が粘性により可塑状となり、所望の寸法形状の基材形成のための成形も容易になしえることとなる。
【0013】
加えてパーライトが独立気泡構造であるから、混練包着される接着固化形成材の粘性水分等がパーライト内部に浸透しえず外表面に混練包着された状態に保持されるため、加熱により該接着固化形成材の水分が積極的に蒸散され、更には未蒸散水分も珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントとの水和作用で奪取され水和物を形成することとも相俟って酸化珪素態の強力強固な接着固化形成層により、強靭且耐水性も保持する基材が形成される。
そして本発明ではパーライトと酸化珪素態による接着固化形成層による耐火不燃性はもとより、パーライトの独立発泡構造とパーライト相互間が接着固化形成層により接着固化されるため、軽量性とともに優れた断熱性能を保持し、而もパーライトが酸化珪素や酸化アルミを主成分とし、且接着固化形成層も酸化珪素態であることから、耐久使用後は適宜に破砕させることにより土壌還元も可能な廃棄性も保持し、とりわけ主要素材がパーライトと珪酸ソーダからなるため極めて安価に提供できることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で、その見掛比重が0.2及びその粒径が0.5乃至5.0mmのパーライトを最密充填密度となる粒度分布で選択混合のうえ、珪酸ソーダに対し8容量%割合で珪酸カルシウムを配合させてなる接着固化形成材を、パーライトに対して15容量%割合で混練させてパーライト外表面に混練包着させて成形原料となしたうえ、所要の寸法形状に成形し且240℃の温度で加熱し水分蒸散と水和作用による水和物の形成により酸化珪素態の強靭な接着固化形成層により、パーライト相互を強固に接着固化させた無機多機能基材。
【実施例1】
【0015】
以下に本発明実施例を図とともに説明すれば、図1はパーライト1の拡大説明図であって、該パーライト1は現在真珠岩や発泡頁岩或いは黒曜石等その内部に結晶水を含有する岩石等により多種のものが生産上市されているが、本発明において使用するパーライト1は多用途に亘って成形使用される基材4に、耐火不燃性や軽量性はもとより実用使用に際しての十分な構造強度を保持させるうえからは、黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で、且その見掛比重が0.05乃至0.2で、而も建築用内装断熱板材や外装断熱板材を初め、各種フィルター材や水濾過材、遮音材或いは屋上緑化基材等多様な使用特性を保持させるうえから、その平均粒径としては0.5乃至20mm程度の物が選択使用される。
【0016】
かかる場合において、パーライト1の平均粒径が0.5乃至20mmに亘る広範囲の粒径が選択使用される所以は、本発明により形成される基材4は前記の如く多用途に亘って使用されるもので、とりわけ建築用内断熱板材や外断熱板材、遮音材等では緻密で且高い構造強度が要請されるものでは、該パーライト1を所要の寸法形状に成形する際にパーライト1相互の空隙率を小さくする必要上から、成可く最密充填密度1Aを得る粒度構成が望まれるもので、これがためには最大粒径に対して1/10乃至1/15の粒径のパーライト1が略30乃至50%の構成で実現されることとなる。反面フィルターに使用し若しくは濾過材として使用する場合には、パーライト1相互の接合間隙4A内を多量に発生するオイルミストや臭気を含む焦煙の主としてオイルミストを付着除去させつつ排気させるうえから、接合間隙4Aは大きく形成させることが望まれるため、その粒径としては略10乃至20mm程度のものが使用され、且水の濾過材の如く微少の懸濁物を濾除させるうえからは、該接合間隙4Aは微細なものが望まれるため、パーライト1の粒径としては略1.0乃至5mm程度のものが使用される。更にパーライトの見掛比重を0.05乃至0.2に制限する理由は、見掛比重が0.05以下では軽量なものの構造強度が脆弱となる理由からであり、他方見掛比重が0.2以上では、形成される基材4の軽量性が損なわれることによる。
【0017】
かくして選択されたパーライト1の外表面全体には、該パーライト1相互を粘結せしめて成形に際しての可塑性を保持した成形原料3となし、且加熱による水分蒸散並びに水和作用による水和物とにより、所要の寸法形状に成形されたパーライト1相互を、酸化珪素態からなる接着固化形成層2Bにより接着固化させるための、接着固化形成材2が混練包着2Aされる。
この接着固化形成材2は、加熱による水分蒸散に伴うシロキサン結合の促進と加熱融着性の創出による接着固化形成層2Bの形成に珪酸ソーダを用いるもので、この珪酸ナトリウムは一般式Na・nSiO・nHOで表され、通常はn=2乃至4程度の水溶液状のものである。更に本発明による基材4は広範囲に亘る使用途に使用されるものであるから、成可くアルカリ性に偏在させぬうえから、及び形成する接着固化形成層2Bは酸化珪素態となすことが望まれるものであるから、SiO/NaOの組成比は3.0乃至3.5程度のものが好適である。
【0018】
そして接着固化形成材2に、上述の如き珪酸ソーダを用いることは、加熱によりシロキサン結合や加熱融着性により、酸化珪素態の接着固化形成層2Bを形成し易いこと並びに該接着固化形成層2Bは、パーライト1相互を強固に接着固化させれば良く、敢えてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液による連続気泡構造となす必要も無く、特には価格的に極めて安価であることによる。
而しながら接着固化形成材2を珪酸ソーダのみで構成した場合には、形成される基材4が厚物となると高温度による加熱をなしても、内部の水分蒸散を確実になし珪酸態の接着固化形成層2Bの形成が至難で、珪酸態による吸湿吸水による自己崩壊の危険が残る。
【0019】
そこで珪酸ソーダの加熱による水分蒸散に加えて、珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントによる水和作用による残留水分の奪取による水和物を生成せしめて、接着固化形成層2Bの酸化珪素態化と接着固化の補強をなし以って耐水性を実現させるもので、珪酸ソーダに対する珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントの配合割合は、少なくとも3%容量から最大30容量%が望まれる。即ち3%容量より配合量が少ないと酸化珪素態化や水和物の生成による補強効果や耐水性の実現が不十分となる恐れがあり、反面30容量%を超えた配合量では接着固化形成材2の粘度が高まり、パーライト1外表面への略均等な混練包着2Aが難しくなる理由による。
かくしてパーライト1の外表面に接着固化形成材2が混練包着されることにより、パーライト1相互は粘結して、図3に示す如く可塑性を有する成形原料3を形成する。
【0020】
かかる如くして形成された成形原料3は、図4に示す如く所望する基材4の寸法形状に形成されてなる適宜の成形型3A内に充填したうえ、素材4に求められる物性等を勘案して無加圧で若しくは所望の加圧を付加させたうえ、珪酸ソーダの水分蒸散並びに水和作用をなすために少なくとも、160℃以上望ましくは240乃至350℃の温度を以って加熱3Bがなされる。
かかる場合の加熱手段には特段の制約は無いが、一般的には高温炉や窯炉等による高温空気による場合が簡便であるが、電磁誘導加熱や高周波加熱等成形型3Aを直接加熱する手段、或いはマグネトロンにより珪酸ソーダの水分を直接加熱蒸散させる手段も採用できる。
【0021】
そして同図4においては、素材4が建築用内断熱板材や外断熱板材或いは防音板、遮音板、耐熱板等緻密な構造と高強度等が要請される場合には、成形原料3を加圧充填形成させたうえ成形し加熱させる場合が示されている。
反面フィルター材においては、調理において発生するオイルミスト及び臭気を含む多量の焦煙を、接合間隙4A内を通気せしめて主にオイルミストを付着除去させるものである。更に水濾過材への利用においては、水中に懸濁する微少な懸濁物を微細に形成させた接合間隙4Aを通水せしめて濾除するものである。
従ってこれら用途へ使用する機材4には、図5に示すように略同一粒径のパーライト1を用いた成形原料3を用いて、パーライト1を連接充填せしめたうえ、そのパーライト1相互を接着固化させて、所要の接合間隙4Aのものを形成し使用するものである。
【0022】
以下に従来の無機質多機能基材と、本発明無機質多機能基材との性能について対比した試験結果を述べれば、使用素材としては黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で見掛比重が0.2及び平均粒径が2mmのパーライトを用いた。
そしてこのパーライトに対して、接合固化形成材としてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を12容量%割合で混練包着させた成形原料を用い、縦20cm、横20cm、深さ2.5cmの成形型内に押圧充填のうえ、350℃45分間加熱により形成した板状基材を対照とした。
【0023】
更に前記パーライトに対して、接着固化形成材として珪酸ソーダに対し10%容量割合で珪酸カルシウムを配合させたものを、12容量%割合で混練包着させた成形原料を用い、対照と同様の成形型で且同一温度及び時間加熱し形成した板状基材を試料としたもので、性能試験結果は表1の通りであった。
【0024】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0025】
使用途に合せた寸法形状に形成することで即時に使用でき、耐久使用後は適宜に破砕し土壌に還元できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】 パーライトの拡大説明図である。
【図2】 最密充填密度の説明図である。
【図3】 接着固化形成材の混練包着状態の説明図である。
【図4】 板状基材と成形方法の説明図である。
【図5】 フィルター基材の平面説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1 パーライト
1A 最密充填密度
2 接着固化形成材
2A 混練包着
2B 接着固化形成層
3 成形原料
3A 成形型
3B 加熱
4 基材
4A 接合間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で、見掛比重が0.05乃至0.2で且その平均粒径が0.5乃至20mmのパーライトと、珪酸ソーダに対して珪酸カルシウム若しくは水硬性セメントが3乃至30容量%割合で配合された接着固化形成材をパーライト容量に対し10乃至20容量%割合で混練し、パーライト外表面に接着固化形成材を混練包着せしめて成形原料となしたるうえ、所要寸法形状の成形型に充填し少なくとも160℃以上の温度で加熱し、水分蒸散と水和作用による水和物とにより酸化珪素態からなる接着固化形成層により、パーライト相互が強固に接着固化された構成からなる無機質多機能基材。
【請求項2】
成形原料を形成するパーライトが、最密充填密度を形成する粒径分布で構成される、請求項1記載の無機質多機能基材。
【請求項3】
成形型に充填される成形原料が、所要の充填圧力を以って加圧され加熱が施される、請求項1若しくは請求項2記載の無機質多機能基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−47458(P2010−47458A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237077(P2008−237077)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(506154801)有限会社ダイアテック (13)
【Fターム(参考)】