無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法およびデバイス
本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法に関する。移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、また、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶している。移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶していない。或る第２の基地局は、或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように当該第２の基地局に要求するメッセージを受信し、第１の基地局が転送するべき信号を転送し、当該第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を移動端末が識別できるようにする情報をブロードキャストする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、包括的には、複数の基地局を備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【０００２】
無線セルラ通信ネットワークは広く配備されているが、無線セルラ通信ネットワークの基地局が依然としてカバーしていない幾つかの領域がある。
【０００３】
例えば、基地局によって放射される信号が大きく減衰する場合には、建物内の移動端末は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスできないことがある。
【０００４】
今日、幾つかの解決策が提案されている。例えばホーム基地局またはフェムト基地局のような特別な基地局が建物内にカバレッジ領域を形成する。
【０００５】
これらのホーム基地局は、それぞれの資源を経由して限られた数の移動端末が無線セルラ通信ネットワークにアクセスできるようにすることによって、ホーム基地局からそれらの移動端末に提供されるサービス品質を維持し、または、それらの移動端末に所望のサービスを提供し、或いはその両方を行う。ホーム基地局によってネットワークの資源にアクセスすることを許可される移動端末は、ホーム基地局の所有者、ネットワークの所有者、或いは両方の組合せによって決定することができる。
【０００６】
所有者とは、ここでは一般に以下のように理解しなければならない。すなわち、所有者とは、ホーム基地局のメインユーザにすぎなくてもよく、ホーム基地局をレンタルしている者でもよく、或いは自分の家または職場内にホーム基地局を置いている者でもよい。
【０００７】
例えば、ホーム基地局の所有者およびその家族の移動端末のみが、そのホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができる。これらの移動端末は、そのホーム基地局と関連付けられている。他の移動端末は、そのホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができない。それらの他の移動端末は、そのホーム基地局と関連付けられていない。
【０００８】
ホーム基地局が使用可能（operational）でないとき、例えば、ホーム基地局の電源が切られているか、ホーム基地局が故障しているか、或いは通信ネットワークから切断されているとき、そのホーム基地局に関連付けられている移動端末は、その移動端末が別のホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されていない場合には、別のホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。この状況により、無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできなくなることがある。例えば、移動端末が自身と関連付けられていないホーム基地局によってのみ取り囲まれており、すべての移動端末にオープンアクセスを提供するマクロ基地局のカバレッジ内にいない場合に、そのようなことが起こる。ここで言うマクロ基地局とは、例えば規則的なマクロセルラ配置の基地局である。
【０００９】
移動端末が他のホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを試行する場合、その移動端末と他のホーム基地局との間に関連付けがないので、無線セルラ通信ネットワークは、その移動端末を拒否する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、ホーム基地局等の基地局に関連付けられている移動端末が、当該移動端末が関連付けられていない少なくとも１つの他の基地局を認識できるようにすることを目的とする。さらに、本発明は、移動端末が関連付けられている基地局が使用可能でない場合においても、無線セルラ通信ネットワークにアクセスできるように、移動端末が他の基地局を認識できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
この目的のために、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法に関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
当該方法は、或る第２の基地局によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように第２の基地局に要求するメッセージをコアネットワークデバイスから受信するステップと、
− 第１の基地局が転送するべき信号を転送するステップと、
− 第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される、第１の基地局が転送するべき信号とは異なる他の信号を移動端末が識別できるようにする情報を、ブロードキャストチャネルでブロードキャストするステップと
を含むことを特徴とする。
【００１２】
また、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスにも関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
当該デバイスは、第２の基地局内に含まれ、
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように第２の基地局に要求するメッセージをコアネットワークデバイスから受信するための手段と、
− 第１の基地局が転送するべき信号を転送するための手段と、
− 第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される、第１の基地局が転送するべき信号とは異なる他の信号を移動端末が識別できるようにする情報を、ブロードキャストチャネルでブロードキャストするための手段と
を備えることを特徴とする。
【００１３】
したがって、自身が関連付けられていない少なくとも１つの他の基地局を認識する移動端末は、当該移動端末が関連付けられていない第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができる。さらに、移動端末は、自身が接続するべき適正な第２の基地局を直接識別することができる。
【００１４】
特定の特徴によれば、コアネットワークデバイスは、
− 移動端末に信号を転送するべき或る第１の基地局が使用可能でないか否かを判定し、
− 移動端末に信号を転送するべき第１の基地局が使用可能でない場合に、第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報がリスト内に含まれている第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号を転送するように第２の基地局に要求するメッセージを転送し、
− 第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報がリスト内に含まれている第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号を転送する第２の基地局を経由して、無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにする。
【００１５】
したがって、本発明は、第１の基地局が使用可能でない場合でも、第２の基地局を認識する移動端末は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスできる。
【００１６】
特定の特徴によれば、少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、コアネットワークデバイスから受信されるか、または第２の基地局によって記憶されている。
【００１７】
したがって、第２の基地局は、これら他の信号をブロードキャストすることができ、それにより、移動端末は、自身が関連付けられてはいないが現在接続することを許可されている、幾つかの異なる第２の基地局の中から基地局を選択できる。端末が接続を試行する第２の基地局におけるこの選択は、移動端末において受信される各第２の基地局からの受信電力に従って、または、移動端末における各第２の基地局による信号対雑音比に従って、または、移動端末と各第２の基地局との間の経路損失に従って、行うことができる。適切な選択により、システム内の干渉の量が低減され、移動端末のバッテリ消費が低減され、移動端末と第２の基地局との間のデータスループットが改善される。
【００１８】
特定の特徴によれば、第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号は、使用可能でない第１の基地局が転送するべき信号である。
【００１９】
したがって、信号の選択は簡明であり、上記移動端末、または使用可能でない第１の基地局に複数の移動端末が関連付けられているときには各移動端末は、信号を識別することができる。
【００２０】
そうではなく、信号が、使用可能でない基地局とは異なる或る第１の基地局によって転送される信号である場合、コアネットワークデバイスは、使用可能でない第１の基地局に関連付けられる上記移動端末または各移動端末が、使用可能でない基地局とは異なる第１の基地局とも関連付けられることを保証しなければならない。
【００２１】
特定の特徴によれば、第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号は、使用可能でない基地局とは異なる或る第１の基地局が転送するべき信号である。
【００２２】
したがって、第１の基地局が使用可能になる場合、第２の基地局によって転送される信号と、第１の基地局が再び使用可能になるときに当該第１の基地局によって転送される信号との干渉の問題がない。
【００２３】
また、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法にも関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
当該方法は、移動端末によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するステップと、
− 或る第２の基地局によって転送される信号であって、或る第１の基地局を識別する信号とは異なる他の信号を、移動端末が識別できるようにする情報が、ブロードキャストチャネルで受信されるか否かチェックするステップと、
− 他の信号を移動端末が識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信される場合に、或る第２の基地局に向けて、当該第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送するステップと
を含む。
【００２４】
また、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスにも関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
当該デバイスは、移動端末内に含まれ、
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するための手段と、
− 或る第２の基地局によって転送される信号であって、或る第１の基地局を識別する信号とは異なる他の信号を、移動端末が識別できるようにする情報が、ブロードキャストチャネルで受信されるか否かをチェックするための手段と、
− 他の信号を移動端末が識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信される場合に、或る第２の基地局に向けて、当該第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送する手段と
を備える。
【００２５】
したがって、移動端末は、自身が関連付けられている基地局が使用可能でない場合でも、無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができる。
【００２６】
特定の特徴によれば、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、メッセージの転送先である第２の基地局によって転送される。
【００２７】
したがって、移動端末は、メッセージの転送先である第２の基地局によって実際に転送された、或る第１の基地局を識別する信号を既に受信しているので、移動端末とメッセージの転送先である第２の基地局との時間・周波数同期は既に実現されている。実際には、第２の基地局は、或る第１の基地局を識別する信号と他の信号とを同期して転送していると仮定することができる。
【００２８】
さらに、或る第１の基地局を識別する信号を転送する第２の基地局としての良好な選択肢は、第１の基地局のカバレッジ区域に近いカバレッジ区域を有する第２の基地局であるため、メッセージの転送先である第２の基地局と接続したときに移動端末によって得られるデータスループットは良好である。
【００２９】
特定の特徴によれば、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、メッセージの転送先である第２の基地局とは異なる他の第２の基地局によって転送される。
【００３０】
したがって、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報により、複数の第２の基地局によって転送される他の信号を識別できるようになる。基地局におけるこの最大数の選択肢により、種々の第２の基地局に対する移動端末の位置に応じて、移動端末側で適切に選択を行うことができるようになる。これにより、より良いデータスループットが得られる。さらに、移動端末が移動するときに、移動端末は情報において識別される他の第２の基地局へのハンドオーバを行うことができる。
【００３１】
特定の特徴によれば、移動端末は、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報を記憶する。
【００３２】
したがって、無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスしなければならなくなるたびに、或る第１の基地局を識別する信号を受信することによってこの情報を再取得する必要はない。移動端末は、他の信号を直接受信して第２の基地局にメッセージを転送することができる。
【００３３】
特定の特徴によれば、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、限られた期間だけ記憶される。
【００３４】
したがって、この情報は、或る時間間隔の後に自動的に解放される。移動端末は、永久的に第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。永久的にアクセスできるようにすると、第２の基地局と通信する移動端末が非常に多くなってしまう可能性がある。
【００３５】
特定の特徴によれば、移動端末は、或る第２の基地局にメッセージを転送するのに先だって、或る第２の基地局を識別する他の信号を受信する。
【００３６】
したがって、移動端末は、メッセージを第２の基地局に転送するのに先だって、第２の基地局と通信するのに必要なすべての情報を取得する。こうすることによって、移動端末は、第２の基地局によって受信されるようにメッセージが適切に整形されること、およびこの第２の基地局からのメッセージを適切に受信できることを保証する。
【００３７】
さらなる他の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブルデバイス上で実行されるときに本発明による方法のステップを実施するための命令またはコードの一部を含むコンピュータプログラムに関する。
【００３８】
コンピュータプログラムに関係する特徴および利点は、本発明による方法および装置に関係付けて上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さない。
【００３９】
本発明の特徴は、以下の例示的実施形態の説明を読めばより明瞭に理解され、説明は添付図面を参照しながら行われる。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明が実施される無線セルラ通信ネットワークを示す図である。
【図２】本発明が実施される移動端末のアーキテクチャを示す図である。
【図３】本発明が実施されるコアネットワークデバイスのアーキテクチャを示す図である。
【図４】本発明が実施される基地局のアーキテクチャを示す図である。
【図５ａ】コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある各移動端末ごとに、本発明によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図５ｂ】コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある基地局ＢＳの少なくとも一部に関して、本発明の一変形実施形態によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図５ｃ】コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある移動端末からの無線セルラ通信ネットワークへの接続要求をコアネットワークデバイスが受信するときに、本発明によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図６】本発明の第１の実施形態による、無線セルラ通信ネットワークへのアクセスを試行するために移動端末によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図７】本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【００４１】
図１は、本発明が実施される無線セルラ通信ネットワークを示す。
【００４２】
図１には、無線セルラ通信ネットワークの４つの基地局ＢＳ１、ＢＳ２、ＢＳ３、およびＢＳ４と、２つの移動端末ＭＴ１およびＭＴ２が示されている。
【００４３】
基地局ＢＳは、例えばフェムト基地局やピコ基地局などのホーム基地局ＢＳである。基地局ＢＳは、例えば住居内にあり、移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスできるようにすることができる。
【００４４】
図１には、２つの移動端末ＭＴ１およびＭＴ２が示されている。各移動端末ＭＴは、ホワイトリストと呼ばれるリストを記憶している。ホワイトリストは、移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために経由することを許可されている各基地局ＢＳを識別する。
【００４５】
例えば、移動端末ＭＴ１のホワイトリストは基地局ＢＳ１およびＢＳ４を識別し、移動端末ＭＴ２のホワイトリストは基地局ＢＳ１を識別する。
【００４６】
例えば、基地局ＢＳは、当該基地局が移動端末ＭＴの所有者に属するとき、または当該基地局が移動端末ＭＴの所有者の家族または友人に属するときに、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される。
【００４７】
或る基地局ＢＳが或る移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されるとき、その移動端末ＭＴは、その基地局ＢＳによって転送される信号を認識することができる。
【００４８】
或る基地局ＢＳが或る移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されないとき、その移動端末ＭＴは、その基地局ＢＳによって転送される信号を認識することができないか、またはそれらを考慮しない。
【００４９】
基地局ＢＳ１は、領域ＡＲ１内にある。基地局ＢＳ２は、領域ＡＲ２内にあって移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されない。基地局ＢＳ３は、領域ＡＲ３内にあって移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されない。
【００５０】
基地局ＢＳ１が使用可能であるとき、基地局ＢＳ１によって転送される信号は、領域ＡＲ１またはＡＲ２内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信される。基地局ＢＳ２が使用可能であるとき、基地局ＢＳ２によって転送される信号は、領域ＡＲ１またはＡＲ２内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信される。基地局ＢＳ３が使用可能であるとき、基地局ＢＳ３によって転送される信号は、領域ＡＲ１またはＡＲ３内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信される。基地局ＢＳ４が使用可能であるとき、基地局ＢＳ４によって転送される信号は、領域ＡＲ１、ＡＲ２、またはＡＲ３内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信されない。
【００５１】
このとき、領域ＡＲ１内に位置する移動端末ＭＴ１およびＭＴ２は、基地局ＢＳ１、ＢＳ２、およびＢＳ３が使用可能であるときに、それらの基地局ＢＳによって転送される信号を受信することができる。
【００５２】
領域ＡＲ１、ＡＲ２、およびＡＲ３は、例えば建造物内の一室である。
【００５３】
各基地局ＢＳ１、ＢＳ２、ＢＳ３、およびＢＳ４は、図１には示されていない通信ネットワークを通して、無線セルラ通信ネットワークのコアネットワークデバイスＣＮに接続される。
【００５４】
基地局ＢＳ１は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１1を通して、コアネットワークデバイスＣＮにリンクされる。
【００５５】
基地局ＢＳ２は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１2を通して、コアネットワークデバイスＣＮにリンクされる。
【００５６】
基地局ＢＳ３は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１3を通して、コアネットワークデバイスＣＮにリンクされる。
【００５７】
基地局ＢＳ４は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１4を通して、コアネットワークデバイスＣＮ４にリンクされる。
【００５８】
基地局ＢＳ１は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＸ２12を通して、基地局ＢＳ２にリンクされてもよい。
【００５９】
基地局ＢＳ１は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＸ２13を通して、基地局ＢＳ３にリンクされてもよい。
【００６０】
基地局ＢＳ２は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＸ２23を通して、基地局ＢＳ３にリンクされてもよい。
【００６１】
基地局ＢＳ１、ＢＳ２、ＢＳ３は、通信ネットワーク上に確立される図１には示されていない各リンクを通して基地局ＢＳ４にリンクされてもよい。
【００６２】
基地局ＢＳ１が使用可能でないとき、例えば、基地局ＢＳ１の電源が切られているとき、故障しているとき、基地局ＢＳ１を識別する信号を転送しない動作モードにあるとき、或いは通信ネットワークから切断されているとき、領域ＡＲ１内に位置する移動端末ＭＴ１は、他の基地局ＢＳ２、ＢＳ３、またはＢＳ４を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。基地局ＢＳ２およびＢＳ３は移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されず、また移動端末ＭＴ１は基地局ＢＳ４からは遠すぎる。領域ＡＲ１内に位置する移動端末ＭＴ２は、他の基地局ＢＳ２、ＢＳ３、またはＢＳ４を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。基地局ＢＳ２、ＢＳ３、およびＢＳ４は、移動端末ＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されない。
【００６３】
移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスしているとき、その移動端末ＭＴは、遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【００６４】
基地局ＢＳを識別する情報は、無線セルラ通信ネットワークのすべての基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳを一意に識別することができるか、または、無線セルラ通信ネットワークの限られた数の基地局ＢＳ、例えば所与の領域内にある基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳを一意に識別することができる。
【００６５】
基地局ＢＳを識別する情報により、その基地局ＢＳによって転送される信号を移動端末ＭＴが認識できるようになる。また、基地局ＢＳを識別する情報は、例えばその基地局ＢＳと移動端末ＭＴとの間のチャネル推定のために使用される基準信号でもよい。
【００６６】
基地局ＢＳが移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない場合、移動端末ＭＴはその基地局ＢＳによって転送される信号を検出することができないか、または検出しない。
【００６７】
本発明によれば、コアネットワークデバイスＣＮは、移動端末ＭＴの近くにあり且つその移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳが、使用可能でない時を検出する。
【００６８】
その場合、コアネットワークデバイスＣＮは、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳに対して、その移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局ＢＳが転送するべき信号を転送するように要求する。
【００６９】
本発明によれば、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳは、
− 移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない当該基地局ＢＳに対して、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局が転送するべき信号を転送するように要求するメッセージを、コアネットワークデバイスから受信し、
− 移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳが転送するべき信号を転送し、
− 移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない当該基地局ＢＳ、および／または、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの他の基地局ＢＳによって転送される、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳが転送するべき信号とは異なる他の信号を移動端末ＭＴが識別できるようにする情報を、ブロードキャストチャネルでブロードキャストする。
【００７０】
ブロードキャストチャネルは、或る基地局ＢＳからの信号を受信するための、すべての移動端末ＭＴまたは少なくとも２つの移動端末ＭＴに共通のチャネルである。
【００７１】
ブロードキャストとは、基地局ＢＳによって把握されている、または把握されていない、少なくとも２つの移動端末ＭＴへの送信であると理解される。
【００７２】
本発明によれば、移動端末ＭＴは、
− 当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局ＢＳを識別する信号を受信し、
− 当該移動端末ＭＴが他の信号を識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信されるか否かをチェックし、上記他の信号は、当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない或る基地局ＢＳによって転送され、当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局ＢＳを識別する信号とは異なるものであり、
− 当該移動端末ＭＴが他の信号を識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信される場合には、当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳに対して、その基地局ＢＳを経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送する。
【００７３】
図２は、本発明が実施される移動端末のアーキテクチャを示す図である。
【００７４】
移動端末ＭＴは、例えば、バス２０１によって互いに接続される構成要素と、図６に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ２００とに基づくアーキテクチャを有している。
【００７５】
バス２０１は、プロセッサ２００を、読み出し専用メモリＲＯＭ２０２、ランダムアクセスメモリＲＡＭ２０３、および無線インターフェース２０５にリンクする。
【００７６】
メモリ２０３は、図６に開示されるようなプログラムの変数および命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【００７７】
メモリ２０３は、本発明による移動端末ＭＴのホワイトリストを記憶する。
【００７８】
プロセッサ２００は、無線インターフェース２０５の動作を制御する。
【００７９】
読み出し専用メモリ２０２は、図６に開示されるようなプログラムの命令を含み、これらの命令は、移動端末ＭＴの電源が入れられるとランダムアクセスメモリ２０３に転送される。
【００８０】
無線インターフェース２０５は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳに信号またはメッセージを転送できるようにし、かつ／または、移動端末ＭＴが基地局ＢＳから信号またはメッセージを受信できるようにする。
【００８１】
無線インターフェース２０５は、基地局に信号を転送すると共に移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳによって転送される信号を測定または検出するための手段を備えている。
【００８２】
移動端末ＭＴは、図２には示されていない全地球測位システムモジュールのような全地球航法衛星システムを備えていてもよい。
【００８３】
図３は、本発明が実施されるコアネットワークデバイスのアーキテクチャを示す図である。
【００８４】
コアネットワークデバイスＣＮは、例えば、バス３０１によって互いに接続される構成要素と、図５に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ３００とに基づくアーキテクチャを有している。
【００８５】
バス３０１は、プロセッサ３００を、読み出し専用メモリＲＯＭ３０２、ランダムアクセスメモリＲＡＭ３０３、およびネットワークインターフェース３０６にリンクする。
【００８６】
メモリ３０３は、図５に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの変数および命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【００８７】
メモリ３０３は、各移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストを含んでもよい。
【００８８】
メモリ３０３は、基地局ＢＳの隣接状態の表現を含んでもよい。
【００８９】
プロセッサ３００は、ネットワークインターフェース３０６の動作を制御する。
【００９０】
読み出し専用メモリ３０２は、図５に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの命令を含み、これらの命令は、コアネットワークデバイスＣＮの電源が入れられるとランダムアクセスメモリ３０３に転送される。
【００９１】
コアネットワークデバイスＣＮは、ネットワークインターフェース３０６を通して、図１には示されていない通信ネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース３０６は、ＤＳＬ（デジタル加入者回線）モデム、或いはＩＳＤＮ（統合サービスデジタルネットワーク）インターフェースなどである。コアネットワークデバイスＣＮは、ネットワークインターフェース３０６を通して、少なくとも１つの基地局ＢＳにメッセージを転送することができ、また少なくとも１つの基地局ＢＳからメッセージを受信することができる。
【００９２】
メッセージは、コアネットワークデバイスＣＮと基地局ＢＳとの間の通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１を通して転送または受信される。
【００９３】
図４は、本発明が実施される基地局のアーキテクチャを示す図である。
【００９４】
基地局ＢＳは、例えば、バス４０１によって互いに接続される構成要素と、図７に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ４００とに基づくアーキテクチャを有している。
【００９５】
バス４０１は、プロセッサ４００を、読み出し専用メモリＲＯＭ４０２、ランダムアクセスメモリＲＡＭ４０３、無線インターフェース４０５、およびネットワークインターフェース４０６にリンクする。
【００９６】
メモリ４０３は、図７に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの変数および命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【００９７】
メモリ４０３は、各移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される各基地局ＢＳを識別する情報を含んでもよい。
【００９８】
メモリ４０３は、基地局ＢＳの隣接状態の表現を含んでもよい。
【００９９】
プロセッサ４００は、ネットワークインターフェース４０６および無線インターフェース４０５の動作を制御する。
【０１００】
読み出し専用メモリ４０２は、図７に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの命令を含み、これらの命令は、基地局ＢＳの電源が入れられるとランダムアクセスメモリ４０３に転送される。
【０１０１】
基地局ＢＳは、ネットワークインターフェース４０６を通して、通信ネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース４０６は、ＤＳＬ（デジタル加入者回線）モデム、或いはＩＳＤＮ（統合サービスデジタルネットワーク）インターフェースなどである。基地局ＢＳは、ネットワークインターフェース４０６を通して、コアネットワークデバイスＣＮ若しくは他の基地局ＢＳにメッセージを転送することができ、または、他の基地局ＢＳ若しくはコアネットワークデバイスＣＮからメッセージを受信することができる。
【０１０２】
メッセージは、基地局ＢＳとコアネットワークデバイスＣＮとの間、または基地局ＢＳと他の基地局ＢＳとの間の通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１またはＸ２を通して転送される。
【０１０３】
無線インターフェース４０５およびネットワークインターフェース４０６は、移動端末ＭＴが遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信する際に、当該移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために使用する基地局ＢＳの資源である。
【０１０４】
無線インターフェース４０５は、自身の基地局ＢＳを識別する信号および／または他の基地局ＢＳを識別する信号を転送するための本発明による手段、および、基地局ＢＳに転送される信号を受信するための手段を備える。
【０１０５】
図５ａは、コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある各移動端末ごとに、コアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１０６】
より正確には、このアルゴリズムは、コアネットワークデバイスＣＮのプロセッサ３００によって実行される。
【０１０７】
ステップＳ５００において、プロセッサ３００は、或る移動端末ＭＴのホワイトリスト、例えば移動端末ＭＴ１のホワイトリストを取得する。
【０１０８】
プロセッサ３００は、例えば、各移動端末ＭＴ１のホワイトリストを含むデータベースにおけるキーとして移動端末ＭＴ１の識別子を使用し、移動端末ＭＴ１のホワイトリストを取得する。
【０１０９】
次のステップＳ５０１において、プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリストのサブセットである基地局ＢＳのリストを選択する。
【０１１０】
プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳの中から、１つまたは複数の基地局ＢＳを選択する。ここで選択される１つまたは複数の基地局ＢＳは、移動端末ＭＴ１の近くにある１つまたは複数の基地局ＢＳである。この場合、プロセッサ３００は基地局ＢＳ１を選択する。
【０１１１】
次のステップＳ５０２において、プロセッサ３００は、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリストが空であるか否かをチェックする。
【０１１２】
ステップＳ５０１で構築されたリストが空である場合、プロセッサ３００はこのアルゴリズムを中断し、別の移動端末ＭＴ、例えば移動端末ＭＴ２を選択し、選択された新たな移動端末ＭＴ２についてこのアルゴリズムを実行する。
【０１１３】
そうでない場合には、プロセッサ３００は、ステップＳ５０３に進む。
【０１１４】
ステップＳ５０３において、プロセッサ３００は、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の少なくとも１つの基地局ＢＳが使用可能であるか否かをチェックする。例えば、プロセッサ３００は、基地局ＢＳ１が使用可能であるか否かをチェックする。
【０１１５】
プロセッサ３００は、コアネットワークデバイスＣＮによって転送されるメッセージまたは信号に対して１つまたは複数の基地局ＢＳが応答するか否かをチェックすることによって、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の１つまたは複数の基地局ＢＳが使用可能であるか否かをチェックすることができる。
【０１１６】
プロセッサ３００は、１つまたは複数の基地局ＢＳとコアネットワークデバイスＣＮとの間のリンクＳ１が使用可能であるか否かをチェックすることによって、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の１つまたは複数の基地局ＢＳが使用可能であるか否かをチェックしてもよい。
【０１１７】
ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の少なくとも１つの基地局ＢＳが使用可能である場合、プロセッサ３００はこのアルゴリズムを中断し、別の移動端末ＭＴ２を選択し、選択された新たな移動端末ＭＴ２についてこのアルゴリズムを実行する。
【０１１８】
ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の基地局ＢＳがすべて使用可能でない場合、プロセッサ３００はステップＳ５０５に進む。
【０１１９】
例えば、基地局ＢＳ１は使用可能でない。
【０１２０】
ステップＳ５０５で、プロセッサ３００は、ホワイトリストにおいて識別されて移動端末ＭＴ１の近くにあるが使用可能でない基地局ＢＳの代用と成り得る、少なくとも１つの適切な基地局ＢＳを選択する。
【０１２１】
プロセッサ３００は、ステップＳ５０１で生成されたリスト内の基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳの中から、移動端末ＭＴ１によって最も高い電力強度で受信される信号を転送する１つまたは複数の基地局ＢＳを選択し、かつ／または、ステップＳ５０１で生成されたリスト内の基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳの中から、最も低い動作負荷を有する１つまたは複数の基地局ＢＳを選択し、かつ／または、ステップＳ５０１で生成されたリスト内の基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳの中から、移動端末ＭＴ１によって最も高い品質で受信される信号を転送する１つまたは複数の基地局を選択する。
【０１２２】
次のステップＳ５０６において、プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリスト内の基地局ＢＳの中から、ステップＳ５０５で選択された基地局ＢＳが転送する基地局識別信号に出来るだけ直交する基地局識別信号を転送する基地局ＢＳを選択する。
【０１２３】
次のステップＳ５０７において、プロセッサ３００は、ステップＳ５０５で選択された１つまたは複数の基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。このメッセージは、当該基地局ＢＳが他の基地局を識別する信号、すなわちステップＳ５０６で選択された基地局ＢＳを識別する信号を転送しなければならない旨を当該基地局ＢＳに通知するものである。また、このメッセージは、各代用基地局ＢＳ、すなわちステップＳ５０５で選択された各基地局ＢＳを識別できるものであってもよいし、或いは、幾つかの代用基地局ＢＳ、すなわちステップＳ５０５で選択された複数の基地局ＢＳのサブセットを識別できるものであってもよい。
【０１２４】
また、基地局ＢＳを識別する情報、およびステップＳ５０６で選択された基地局ＢＳによって送信されるメッセージを復号するために移動端末ＭＴ１が必要とする他の情報を、コアネットワークデバイスＣＮからステップＳ５０５で選択された基地局に向けて転送してもよい。
【０１２５】
例えば、ステップＳ５０５において基地局ＢＳ２が選択されてもよく、ステップＳ５０６において選択される基地局ＢＳは、使用可能でない基地局ＢＳ１である。
【０１２６】
例えば、ステップＳ５０５において基地局ＢＳ２が選択されてもよく、ステップＳ５０６において選択される基地局ＢＳは、基地局ＢＳ２が転送する識別信号に最も直交する識別信号を転送する基地局ＢＳ４である。
【０１２７】
例えば、ステップＳ５０５において基地局ＢＳ２およびＢＳ３が選択されてもよく、ステップＳ５０６において選択される基地局ＢＳは、基地局ＢＳ１およびＢＳ４である。その場合、基地局ＢＳ２は、基地局ＢＳ１を識別する信号を転送することができ、基地局ＢＳ２は、基地局ＢＳ４を識別する信号を転送することができる。
【０１２８】
複数の第１の基地局を識別する複数の信号を使用すると、種々の第２の基地局によって送信される各第１の基地局を識別する信号から、より良い相互相関特性を有する信号を使用できるようになる。したがって、信号同士の干渉の量が減少される。
【０１２９】
その後、プロセッサ３００はこのアルゴリズムを中断し、他の移動端末ＭＴを選択し、選択された新たな移動端末ＭＴについてこのアルゴリズムを実行する。
【０１３０】
図５ｂは、コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある基地局ＢＳの少なくとも一部に対して、本発明の一変形実施形態によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１３１】
より正確には、このアルゴリズムは、コアネットワークデバイスＣＮのプロセッサ３００によって実行される。
【０１３２】
ステップＳ５２０において、プロセッサ３００は、コアネットワークデバイスＣＮが管理する領域内に使用可能でない基地局ＢＳがあるか否かをチェックする。
【０１３３】
使用可能でない基地局ＢＳがない場合、プロセッサはステップＳ５２０に戻る。
【０１３４】
或る基地局ＢＳが使用可能でない場合、プロセッサ３００はステップＳ５２１に進む。
【０１３５】
例えば、基地局ＢＳ１は使用可能でない。
【０１３６】
ステップＳ５２１において、プロセッサ３００は、使用可能でない基地局ＢＳ１の代用と成り得る少なくとも１つの適切な基地局ＢＳを選択する。
【０１３７】
例えば、プロセッサ３００は、１つまたは複数の移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されるが使用可能でない基地局ＢＳ１の代用と成り得る、或る適切な基地局ＢＳを選択する。
【０１３８】
例えば、プロセッサ３００は、ホワイトリストにおいて基地局ＢＳ１を識別する各移動端末ＭＴごとに、基地局ＢＳ１の代用と成り得る或る適切な基地局ＢＳを選択する。選択される基地局ＢＳは、各移動端末ＭＴごとに異なっていてもよい。
【０１３９】
次のステップＳ５２２において、プロセッサ３００は、ステップＳ５２１で選択された１つまたは複数の基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。このメッセージは、当該基地局ＢＳが他の基地局を識別する信号、すなわち基地局ＢＳ１を識別する信号を転送しなければならない旨を当該基地局ＢＳに通知する。
【０１４０】
その後、プロセッサ３００はステップＳ５２０に戻る。
【０１４１】
ここで、一変形形態では、このアルゴリズムは、基地局ＢＳが使用可能であるか否かを考慮せずに、各基地局ＢＳごとに実行されることに留意しなければならない。
【０１４２】
図５ｃは、コアネットワークデバイスが、コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある移動端末から無線セルラ通信ネットワークへの接続要求を受信したときに、本発明によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１４３】
このアルゴリズムは、接続要求を表すメッセージが移動端末ＭＴから基地局ＢＳを経由して受信されるたびに、図５ａまたは図５ｂのアルゴリズムと並列に実行される。
【０１４４】
より正確には、このアルゴリズムは、コアネットワークデバイスＣＮのプロセッサ３００によって実行される。
【０１４５】
ステップＳ５５０において、接続要求を表すメッセージが移動端末ＭＴから基地局ＢＳを経由して受信される。
【０１４６】
例えば、接続要求を表すメッセージは、移動端末ＭＴ１から受信される。
【０１４７】
次のステップＳ５５１において、プロセッサ３００は、メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されるか否かをチェックする。
【０１４８】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される場合、プロセッサ３００はステップＳ５５８に進む。そうでない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５２に進む。
【０１４９】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１である場合、プロセッサ００はステップＳ５５８に進む。
【０１５０】
ここで、一変形実施形態によれば、移動ＭＴ１は、代用基地局ＢＳを識別する情報を自身のホワイトリストに入れることができることに留意しなければならない。その場合において、メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ２である場合、プロセッサ３００はステップＳ５５８に進む。
【０１５１】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳ２である場合、プロセッサ３００はステップＳ５５２に進む。
【０１５２】
ステップＳ５５８において、プロセッサ３００は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳの資源を使用するためのアクセス権を移動端末ＭＴに与える。
【０１５３】
次のステップＳ５５９において、プロセッサ３００は、アクセス許可メッセージを、基地局ＢＳを経由して移動端末ＭＴに転送するように指示する。
【０１５４】
移動端末ＭＴは、基地局ＢＳを経由して、遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０１５５】
その後、プロセッサ３００は、このアルゴリズムを中断する。
【０１５６】
ステップＳ５５２において、プロセッサ３００は、メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴ１のために図５ａのアルゴリズムのステップＳ５０５で選択された基地局ＢＳ、または図５ｂのステップＳ５２１で選択された代用基地局ＢＳであるか否かをチェックする。
【０１５７】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴのために図５ａのアルゴリズムのステップＳ５０５で選択された基地局ＢＳ、または図５ｂのステップＳ５２１で選択された代用基地局ＢＳである場合、プロセッサ３００はステップＳ５５５に進む。そうでない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５３に進む。
【０１５８】
ステップＳ５５５において、プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されて移動端末ＭＴ１に信号を転送するべき基地局ＢＳ１が使用可能でないか否かをチェックするか、または、基地局ＢＳ２によって代用される基地局ＢＳ１が使用可能でないか否かをチェックする。
【０１５９】
移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されて基地局ＢＳ２によって代用される基地局ＢＳ１が使用可能でない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５６に進む。そうでない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５３に進む。
【０１６０】
ステップＳ５５６において、プロセッサ３００は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳ２の資源を使用するアクセス権を移動端末ＭＴに与える。
【０１６１】
次のステップＳ５５７において、プロセッサ３００は、アクセス許可メッセージを、基地局ＢＳを経由して移動端末ＭＴに転送するように指示する。
【０１６２】
移動端末ＭＴ１は、基地局ＢＳ２を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０１６３】
その後、プロセッサ３００は、このアルゴリズムを中断する。
【０１６４】
ステップＳ５５３において、プロセッサ３００は、ステップＳ５５０でメッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳを経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスする権利を移動端末ＭＴに与えない。
【０１６５】
次のステップＳ５５４において、プロセッサ３００は、ステップＳ５５０で受信されたメッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１６６】
このメッセージは、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳの資源を使用する権利を移動端末ＭＴに与えることを拒否する旨を表す。
【０１６７】
その後、プロセッサ３００は、このアルゴリズムを中断する。
【０１６８】
図６は、本発明の第１の実施形態による、無線セルラ通信ネットワークへのアクセスを試行するために移動端末によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１６９】
より正確には、このアルゴリズムは、移動端末ＭＴのプロセッサ２００によって実行される。
【０１７０】
ステップＳ６００において、プロセッサ２００は、移動端末ＭＴのホワイトリストを取得する。ホワイトリストは、例えばＲＡＭメモリ２０３に記憶されている。
【０１７１】
ホワイトリストは、少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する情報を含み、かつ／または、その少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送される信号に移動端末ＭＴが同期できるようにする情報を含む。
【０１７２】
次のステップＳ６０１において、プロセッサ２００は、ホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する信号に関する何らかの測定を行うように、無線インターフェース２０５に指示する。
【０１７３】
次のステップＳ６０２において、プロセッサ２００は、ホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する信号が所定の閾値よりも高いか否かをチェックする。
【０１７４】
ホワイトリストがただ１つの基地局ＢＳを含む場合、無線インターフェース２０５は、その基地局ＢＳを識別する信号が所与の値よりも高い電力レベルで受信されるか否かをチェックする。
【０１７５】
ホワイトリストにおいて複数の基地局ＢＳが識別される場合、無線インターフェース２０５は、ホワイトリストにおいて識別される各基地局ＢＳを識別する各信号を測定すると共に、ホワイトリスト内に含まれる基地局ＢＳに隣接する他の基地局ＢＳによって転送される信号も測定する。移動端末ＭＴは、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳによって転送される信号を測定することによって、自身の位置と、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳのどれが自身に近いかを決定することができる。また、これを行うことによって、移動端末ＭＴは、ホワイトリスト内に含まれる基地局ＢＳに隣接する他の基地局ＢＳのどれが自身に近いかを決定することもできる。
【０１７６】
一変形形態では、ホワイトリストにおいて複数の基地局ＢＳが識別される場合、無線インターフェース２０５は、各基地局ＢＳを識別する信号のうちのどれが最大の電力レベルで受信され、その電力レベルが所与の値よりも高いか否かをチェックしてもよい。
【０１７７】
一変形形態では、無線インターフェース２０５は、移動端末ＭＴの位置に最も近いホワイトリスト内に含まれる基地局ＢＳを識別する信号を測定し、移動端末ＭＴの位置は、例えばＧＮＳＳのような地理測位（geo-location）技法、または無線指紋によって決定され、基地局ＢＳの位置は、コアネットワークによってブロードキャストされる。
【０１７８】
無線指紋は、所与の位置で受信される無線信号を特徴付ける。無線指紋は、基地局識別子のリスト、または或る位置において受信された信号に関する測定結果とすることができる。指紋をデータベースに記憶されている指紋と比較することによって、移動端末ＭＴの位置を決定することができる。
【０１７９】
ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号が所定の閾値よりも高い場合、プロセッサ２００はステップＳ６０３に進む。そうでない場合には、プロセッサ２００はこのアルゴリズムを中断するか、またはステップＳ６０１に戻る。
【０１８０】
ステップＳ６０３において、プロセッサ２００は、移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれているか否かをチェックする。
【０１８１】
移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれている場合、これは、ホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳが使用可能でなく、現在、その使用可能でない基地局ＢＳを識別する信号を、ホワイトリストにおいて識別されない他の基地局ＢＳが転送していることを意味している。
【０１８２】
移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送された信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれている場合、プロセッサ２００はステップＳ６０４に進む。そうでない場合には、基地局ＢＳ１を識別する信号が、基地局ＢＳ１によって効果的に転送されていることを意味する。プロセッサ２００はステップＳ６１０に進む。
【０１８３】
ステップＳ６１０において、プロセッサ２００は、基地局ＢＳ１に向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１８４】
移動端末ＭＴ１は、識別される基地局ＢＳ１を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０１８５】
ステップＳ６０４において、プロセッサは、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する情報を取得する。その少なくとも１つの基地局ＢＳは、代用基地局ＢＳである。
【０１８６】
基地局ＢＳを識別する情報は、無線セルラ通信ネットワークのすべての基地局ＢＳの中から当該基地局ＢＳを一意に識別することができるか、または、無線セルラ通信ネットワークの限られた数の基地局ＢＳ、例えば所与の領域内に位置する基地局ＢＳの中から当該基地局ＢＳを一意に識別することができる。
【０１８７】
或る基地局ＢＳを識別する情報により、その基地局ＢＳによって転送される信号を移動端末ＭＴが認識できるようになり、かつ／または、その基地局ＢＳによって転送される信号に移動端末ＭＴが同期できるようになる。また、或る基地局ＢＳを識別する情報は、例えばその基地局ＢＳと移動端末ＭＴとの間のチャネル推定のために使用される基準信号でもよい。
【０１８８】
例えば、基地局ＢＳ１は使用可能でない。
【０１８９】
基地局ＢＳ２は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２および／または基地局ＢＳ３によって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報を含む、基地局ＢＳ１を識別する信号をブロードキャストしてもよい。そのような場合、基地局ＢＳ１は移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されるので、どちらの移動端末も、ステップＳ６０１の測定を行うことができ、またステップＳ６０３のチェックを行うことができる。
【０１９０】
基地局ＢＳ２は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２および／または基地局ＢＳ３によって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報を含む、基地局ＢＳ４を識別する信号をブロードキャストしてもよい。そのような場合、基地局ＢＳ４は移動端末ＭＴ１のホワイトリスト内においてのみ識別されるので、移動端末ＭＴ１のみが、ステップＳ６０１の測定を行うことができ、またステップＳ６０３のチェックを行うことができる。
【０１９１】
次のステップＳ６０５において、プロセッサ２００は、ステップＳ６０４で識別された基地局を識別する信号の何らかの測定を行うように指示する。
【０１９２】
次のステップＳ６０６において、プロセッサ２００は、識別された基地局ＢＳのうちの１つを選択する。例えば、プロセッサ２００は、識別された基地局ＢＳの中から、識別された基地局ＢＳによって転送される信号の中で移動端末ＭＴ１によって最も高い電力強度で受信される信号を転送する基地局ＢＳを選択し、かつ／または、識別された基地局ＢＳの中から最も低い動作負荷を有する基地局ＢＳを選択し、かつ／または、識別された基地局ＢＳの中から移動端末ＭＴによって最も高い品質で受信される信号を転送する基地局ＢＳを選択する。
【０１９３】
ここで、代用基地局ＢＳとして識別されて選択される基地局ＢＳ２は、好ましくは、例えば限られた期間だけ移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されることに留意しなければならない。
【０１９４】
ここで、移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されないただ１つの基地局ＢＳによって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれている場合、プロセッサ２００はステップＳ６０４からステップＳ６０７に進むことに留意しなければならない。
【０１９５】
次のステップＳ６０７において、プロセッサ２００は、代用基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１９６】
例えば、プロセッサ２００は、識別された基地局ＢＳ２に向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１９７】
このメッセージは、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために、ホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳの資源を使用する権利を取得する要求を表す。
【０１９８】
次のステップＳ６０８において、プロセッサ２００は、ステップＳ６０７で転送されたメッセージに応答して、移動端末ＭＴ１が無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳ２の資源を使用することを許可するメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０１９９】
移動端末ＭＴ１が無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳ２の資源を使用することを許可するメッセージが受信された場合、プロセッサ２００はステップＳ６０９に進む。そうでない場合には、プロセッサ２００はこのアルゴリズムを中断するか、またはステップＳ６０１に戻る。
【０２００】
ステップ６０９において、基地局ＢＳ２が選択される。選択された基地局ＢＳ２は、移動端末ＭＴ１が無線セルラ通信ネットワークにアクセスする際に経由することができる基地局ＢＳ２である。
【０２０１】
移動端末ＭＴ１は、基地局ＢＳ２を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０２０２】
その後、プロセッサ２００は、このアルゴリズムを中断する。
【０２０３】
図７は、本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０２０４】
より正確には、このアルゴリズムは、各基地局ＢＳのプロセッサ４００によって実行される。
【０２０５】
例えば、このアルゴリズムは、基地局ＢＳ２のプロセッサ４００によって実行される。
【０２０６】
ステップＳ７００において、プロセッサ４００は、他の基地局を識別する信号を基地局ＢＳ２が転送しなければならない旨を通知するメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０２０７】
このメッセージは、図５ａのアルゴリズムのステップＳ５０７、または図５ｂのステップＳ５２２において、コアネットワークデバイスＣＮによって転送されたものである。
【０２０８】
他の基地局を識別する信号を基地局ＢＳ２が転送しなければならない旨を通知するメッセージが受信された場合、プロセッサ４００はステップＳ７０１に進む。そうでない場合には、プロセッサ４００はステップＳ７１０に進む。
【０２０９】
ステップＳ７０１において、プロセッサ４００は、他の基地局ＢＳを識別する情報を取得する。
【０２１０】
他の基地局ＢＳは、その基地局ＢＳが使用可能でないときに基地局ＢＳ２がその代用と成らねばならない基地局ＢＳであってもよいし、または、基地局ＢＳ２が代用と成らねばならない基地局ＢＳに接続するべき移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳでもよい。
【０２１１】
基地局ＢＳを識別する情報、例えば、基地局ＢＳ２が代用と成らねばならない基地局ＢＳ１を識別する情報は、ステップＳ７００で受信されたメッセージに含まれていてもよいし、或いはＲＡＭメモリ４０３に記憶されていてもよい。
【０２１２】
基地局ＢＳ１を識別する情報は、無線セルラ通信ネットワークのすべての基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳ１を一意に識別することができるか、または、無線セルラ通信ネットワークの限られた数の基地局ＢＳ、例えば所与の領域内に位置する基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳ１を一意に識別することができる。
【０２１３】
移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する情報により、移動端末ＭＴ１は、基地局ＢＳ１によって転送される信号を識別できるようになり、かつ／または、基地局ＢＳ１によって転送される信号に同期できるようになる。また、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する情報は、例えば、基地局ＢＳ１と移動端末ＭＴとの間のチャネル推定のために使用される基準信号でもよい。
【０２１４】
次のステップＳ７０２において、プロセッサ４００は、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号を転送するように無線インターフェース４０５に指示する。
【０２１５】
移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号は、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１のセル識別子に対応する同期信号およびシステム情報でもよい。
【０２１６】
移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号は、基地局ＢＳ２を識別する信号と同じ無線資源から転送することができる。
【０２１７】
次のステップＳ７０３において、プロセッサ４００は、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号と共に、移動端末ＭＴ１が基地局ＢＳ２および／または少なくとも１つの他の基地局ＢＳを識別する信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報を、転送するように無線インターフェース４０５に指示する。
【０２１８】
ここで、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号と、基地局ＢＳ２を識別する信号とは、同期して転送されることに留意しなければならない。
【０２１９】
その後、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２０】
ステップＳ７１０において、プロセッサ４００は、移動端末ＭＴからメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０２２１】
移動端末ＭＴからメッセージが受信された場合、プロセッサ４００はステップＳ７１５に進む。そうでない場合には、プロセッサ４００はステップＳ７１１に進む。
【０２２２】
ステップＳ７１５において、プロセッサ４００は、受信されたメッセージをコアネットワークデバイスＣＮに向けて転送するように指示する。
【０２２３】
その後、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２４】
ステップＳ７１１において、プロセッサ４００は、コアネットワークデバイスＣＮからメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０２２５】
コアネットワークデバイスＣＮからメッセージが受信された場合、プロセッサ４００はステップＳ７１２に進む。そうでない場合には、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２６】
ステップＳ７１２において、プロセッサ４００は、受信されたメッセージが、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可しているか否かをチェックする。
【０２２７】
このメッセージは、図５ｃのステップＳ５５７においてコアネットワークデバイスＣＮによって転送されたものと同種のものである。
【０２２８】
メッセージが、移動端末ＭＴが基地局ＢＳを経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可している場合、プロセッサ４００はステップＳ７１３に進む。そうではなく、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスするのを拒否するメッセージがコアネットワークデバイスＣＮから受信された場合には、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２９】
ステップＳ７１３において、プロセッサ４００は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることが許可された旨を通知するメッセージを、当該移動端末ＭＴに転送する。
【０２３０】
次のステップＳ７１４において、移動端末ＭＴは、基地局ＢＳ２を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信または継続することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０２３１】
その後、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２３２】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく上述した本発明の実施形態に多くの変更を施すことができる。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、包括的には、複数の基地局を備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【０００２】
無線セルラ通信ネットワークは広く配備されているが、無線セルラ通信ネットワークの基地局が依然としてカバーしていない幾つかの領域がある。
【０００３】
例えば、基地局によって放射される信号が大きく減衰する場合には、建物内の移動端末は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスできないことがある。
【０００４】
今日、幾つかの解決策が提案されている。例えばホーム基地局またはフェムト基地局のような特別な基地局が建物内にカバレッジ領域を形成する。
【０００５】
これらのホーム基地局は、それぞれの資源を経由して限られた数の移動端末が無線セルラ通信ネットワークにアクセスできるようにすることによって、ホーム基地局からそれらの移動端末に提供されるサービス品質を維持し、または、それらの移動端末に所望のサービスを提供し、或いはその両方を行う。ホーム基地局によってネットワークの資源にアクセスすることを許可される移動端末は、ホーム基地局の所有者、ネットワークの所有者、或いは両方の組合せによって決定することができる。
【０００６】
所有者とは、ここでは一般に以下のように理解しなければならない。すなわち、所有者とは、ホーム基地局のメインユーザにすぎなくてもよく、ホーム基地局をレンタルしている者でもよく、或いは自分の家または職場内にホーム基地局を置いている者でもよい。
【０００７】
例えば、ホーム基地局の所有者およびその家族の移動端末のみが、そのホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができる。これらの移動端末は、そのホーム基地局と関連付けられている。他の移動端末は、そのホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができない。それらの他の移動端末は、そのホーム基地局と関連付けられていない。
【０００８】
ホーム基地局が使用可能（operational）でないとき、例えば、ホーム基地局の電源が切られているか、ホーム基地局が故障しているか、或いは通信ネットワークから切断されているとき、そのホーム基地局に関連付けられている移動端末は、その移動端末が別のホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されていない場合には、別のホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。この状況により、無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできなくなることがある。例えば、移動端末が自身と関連付けられていないホーム基地局によってのみ取り囲まれており、すべての移動端末にオープンアクセスを提供するマクロ基地局のカバレッジ内にいない場合に、そのようなことが起こる。ここで言うマクロ基地局とは、例えば規則的なマクロセルラ配置の基地局である。
【０００９】
移動端末が他のホーム基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを試行する場合、その移動端末と他のホーム基地局との間に関連付けがないので、無線セルラ通信ネットワークは、その移動端末を拒否する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、ホーム基地局等の基地局に関連付けられている移動端末が、当該移動端末が関連付けられていない少なくとも１つの他の基地局を認識できるようにすることを目的とする。さらに、本発明は、移動端末が関連付けられている基地局が使用可能でない場合においても、無線セルラ通信ネットワークにアクセスできるように、移動端末が他の基地局を認識できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
この目的のために、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法に関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
当該方法は、或る第２の基地局によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように第２の基地局に要求するメッセージをコアネットワークデバイスから受信するステップと、
− 第１の基地局が転送するべき信号を転送するステップと、
− 第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される、第１の基地局が転送するべき信号とは異なる他の信号を移動端末が識別できるようにする情報を、ブロードキャストチャネルでブロードキャストするステップと
を含むことを特徴とする。
【００１２】
また、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスにも関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
当該デバイスは、第２の基地局内に含まれ、
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように第２の基地局に要求するメッセージをコアネットワークデバイスから受信するための手段と、
− 第１の基地局が転送するべき信号を転送するための手段と、
− 第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される、第１の基地局が転送するべき信号とは異なる他の信号を移動端末が識別できるようにする情報を、ブロードキャストチャネルでブロードキャストするための手段と
を備えることを特徴とする。
【００１３】
したがって、自身が関連付けられていない少なくとも１つの他の基地局を認識する移動端末は、当該移動端末が関連付けられていない第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができる。さらに、移動端末は、自身が接続するべき適正な第２の基地局を直接識別することができる。
【００１４】
特定の特徴によれば、コアネットワークデバイスは、
− 移動端末に信号を転送するべき或る第１の基地局が使用可能でないか否かを判定し、
− 移動端末に信号を転送するべき第１の基地局が使用可能でない場合に、第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報がリスト内に含まれている第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号を転送するように第２の基地局に要求するメッセージを転送し、
− 第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報がリスト内に含まれている第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号を転送する第２の基地局を経由して、無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにする。
【００１５】
したがって、本発明は、第１の基地局が使用可能でない場合でも、第２の基地局を認識する移動端末は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスできる。
【００１６】
特定の特徴によれば、少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、コアネットワークデバイスから受信されるか、または第２の基地局によって記憶されている。
【００１７】
したがって、第２の基地局は、これら他の信号をブロードキャストすることができ、それにより、移動端末は、自身が関連付けられてはいないが現在接続することを許可されている、幾つかの異なる第２の基地局の中から基地局を選択できる。端末が接続を試行する第２の基地局におけるこの選択は、移動端末において受信される各第２の基地局からの受信電力に従って、または、移動端末における各第２の基地局による信号対雑音比に従って、または、移動端末と各第２の基地局との間の経路損失に従って、行うことができる。適切な選択により、システム内の干渉の量が低減され、移動端末のバッテリ消費が低減され、移動端末と第２の基地局との間のデータスループットが改善される。
【００１８】
特定の特徴によれば、第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号は、使用可能でない第１の基地局が転送するべき信号である。
【００１９】
したがって、信号の選択は簡明であり、上記移動端末、または使用可能でない第１の基地局に複数の移動端末が関連付けられているときには各移動端末は、信号を識別することができる。
【００２０】
そうではなく、信号が、使用可能でない基地局とは異なる或る第１の基地局によって転送される信号である場合、コアネットワークデバイスは、使用可能でない第１の基地局に関連付けられる上記移動端末または各移動端末が、使用可能でない基地局とは異なる第１の基地局とも関連付けられることを保証しなければならない。
【００２１】
特定の特徴によれば、第１の基地局のうちの１つが転送するべき信号は、使用可能でない基地局とは異なる或る第１の基地局が転送するべき信号である。
【００２２】
したがって、第１の基地局が使用可能になる場合、第２の基地局によって転送される信号と、第１の基地局が再び使用可能になるときに当該第１の基地局によって転送される信号との干渉の問題がない。
【００２３】
また、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法にも関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
当該方法は、移動端末によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するステップと、
− 或る第２の基地局によって転送される信号であって、或る第１の基地局を識別する信号とは異なる他の信号を、移動端末が識別できるようにする情報が、ブロードキャストチャネルで受信されるか否かチェックするステップと、
− 他の信号を移動端末が識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信される場合に、或る第２の基地局に向けて、当該第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送するステップと
を含む。
【００２４】
また、本発明は、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスにも関する。
移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
当該デバイスは、移動端末内に含まれ、
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するための手段と、
− 或る第２の基地局によって転送される信号であって、或る第１の基地局を識別する信号とは異なる他の信号を、移動端末が識別できるようにする情報が、ブロードキャストチャネルで受信されるか否かをチェックするための手段と、
− 他の信号を移動端末が識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信される場合に、或る第２の基地局に向けて、当該第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送する手段と
を備える。
【００２５】
したがって、移動端末は、自身が関連付けられている基地局が使用可能でない場合でも、無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることができる。
【００２６】
特定の特徴によれば、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、メッセージの転送先である第２の基地局によって転送される。
【００２７】
したがって、移動端末は、メッセージの転送先である第２の基地局によって実際に転送された、或る第１の基地局を識別する信号を既に受信しているので、移動端末とメッセージの転送先である第２の基地局との時間・周波数同期は既に実現されている。実際には、第２の基地局は、或る第１の基地局を識別する信号と他の信号とを同期して転送していると仮定することができる。
【００２８】
さらに、或る第１の基地局を識別する信号を転送する第２の基地局としての良好な選択肢は、第１の基地局のカバレッジ区域に近いカバレッジ区域を有する第２の基地局であるため、メッセージの転送先である第２の基地局と接続したときに移動端末によって得られるデータスループットは良好である。
【００２９】
特定の特徴によれば、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、メッセージの転送先である第２の基地局とは異なる他の第２の基地局によって転送される。
【００３０】
したがって、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報により、複数の第２の基地局によって転送される他の信号を識別できるようになる。基地局におけるこの最大数の選択肢により、種々の第２の基地局に対する移動端末の位置に応じて、移動端末側で適切に選択を行うことができるようになる。これにより、より良いデータスループットが得られる。さらに、移動端末が移動するときに、移動端末は情報において識別される他の第２の基地局へのハンドオーバを行うことができる。
【００３１】
特定の特徴によれば、移動端末は、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報を記憶する。
【００３２】
したがって、無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスしなければならなくなるたびに、或る第１の基地局を識別する信号を受信することによってこの情報を再取得する必要はない。移動端末は、他の信号を直接受信して第２の基地局にメッセージを転送することができる。
【００３３】
特定の特徴によれば、他の信号を移動端末が識別できるようにする情報は、限られた期間だけ記憶される。
【００３４】
したがって、この情報は、或る時間間隔の後に自動的に解放される。移動端末は、永久的に第２の基地局を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。永久的にアクセスできるようにすると、第２の基地局と通信する移動端末が非常に多くなってしまう可能性がある。
【００３５】
特定の特徴によれば、移動端末は、或る第２の基地局にメッセージを転送するのに先だって、或る第２の基地局を識別する他の信号を受信する。
【００３６】
したがって、移動端末は、メッセージを第２の基地局に転送するのに先だって、第２の基地局と通信するのに必要なすべての情報を取得する。こうすることによって、移動端末は、第２の基地局によって受信されるようにメッセージが適切に整形されること、およびこの第２の基地局からのメッセージを適切に受信できることを保証する。
【００３７】
さらなる他の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブルデバイス上で実行されるときに本発明による方法のステップを実施するための命令またはコードの一部を含むコンピュータプログラムに関する。
【００３８】
コンピュータプログラムに関係する特徴および利点は、本発明による方法および装置に関係付けて上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さない。
【００３９】
本発明の特徴は、以下の例示的実施形態の説明を読めばより明瞭に理解され、説明は添付図面を参照しながら行われる。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明が実施される無線セルラ通信ネットワークを示す図である。
【図２】本発明が実施される移動端末のアーキテクチャを示す図である。
【図３】本発明が実施されるコアネットワークデバイスのアーキテクチャを示す図である。
【図４】本発明が実施される基地局のアーキテクチャを示す図である。
【図５ａ】コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある各移動端末ごとに、本発明によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図５ｂ】コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある基地局ＢＳの少なくとも一部に関して、本発明の一変形実施形態によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図５ｃ】コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある移動端末からの無線セルラ通信ネットワークへの接続要求をコアネットワークデバイスが受信するときに、本発明によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図６】本発明の第１の実施形態による、無線セルラ通信ネットワークへのアクセスを試行するために移動端末によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図７】本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【００４１】
図１は、本発明が実施される無線セルラ通信ネットワークを示す。
【００４２】
図１には、無線セルラ通信ネットワークの４つの基地局ＢＳ１、ＢＳ２、ＢＳ３、およびＢＳ４と、２つの移動端末ＭＴ１およびＭＴ２が示されている。
【００４３】
基地局ＢＳは、例えばフェムト基地局やピコ基地局などのホーム基地局ＢＳである。基地局ＢＳは、例えば住居内にあり、移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスできるようにすることができる。
【００４４】
図１には、２つの移動端末ＭＴ１およびＭＴ２が示されている。各移動端末ＭＴは、ホワイトリストと呼ばれるリストを記憶している。ホワイトリストは、移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために経由することを許可されている各基地局ＢＳを識別する。
【００４５】
例えば、移動端末ＭＴ１のホワイトリストは基地局ＢＳ１およびＢＳ４を識別し、移動端末ＭＴ２のホワイトリストは基地局ＢＳ１を識別する。
【００４６】
例えば、基地局ＢＳは、当該基地局が移動端末ＭＴの所有者に属するとき、または当該基地局が移動端末ＭＴの所有者の家族または友人に属するときに、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される。
【００４７】
或る基地局ＢＳが或る移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されるとき、その移動端末ＭＴは、その基地局ＢＳによって転送される信号を認識することができる。
【００４８】
或る基地局ＢＳが或る移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されないとき、その移動端末ＭＴは、その基地局ＢＳによって転送される信号を認識することができないか、またはそれらを考慮しない。
【００４９】
基地局ＢＳ１は、領域ＡＲ１内にある。基地局ＢＳ２は、領域ＡＲ２内にあって移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されない。基地局ＢＳ３は、領域ＡＲ３内にあって移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されない。
【００５０】
基地局ＢＳ１が使用可能であるとき、基地局ＢＳ１によって転送される信号は、領域ＡＲ１またはＡＲ２内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信される。基地局ＢＳ２が使用可能であるとき、基地局ＢＳ２によって転送される信号は、領域ＡＲ１またはＡＲ２内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信される。基地局ＢＳ３が使用可能であるとき、基地局ＢＳ３によって転送される信号は、領域ＡＲ１またはＡＲ３内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信される。基地局ＢＳ４が使用可能であるとき、基地局ＢＳ４によって転送される信号は、領域ＡＲ１、ＡＲ２、またはＡＲ３内に位置するどの移動端末ＭＴによっても受信されない。
【００５１】
このとき、領域ＡＲ１内に位置する移動端末ＭＴ１およびＭＴ２は、基地局ＢＳ１、ＢＳ２、およびＢＳ３が使用可能であるときに、それらの基地局ＢＳによって転送される信号を受信することができる。
【００５２】
領域ＡＲ１、ＡＲ２、およびＡＲ３は、例えば建造物内の一室である。
【００５３】
各基地局ＢＳ１、ＢＳ２、ＢＳ３、およびＢＳ４は、図１には示されていない通信ネットワークを通して、無線セルラ通信ネットワークのコアネットワークデバイスＣＮに接続される。
【００５４】
基地局ＢＳ１は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１1を通して、コアネットワークデバイスＣＮにリンクされる。
【００５５】
基地局ＢＳ２は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１2を通して、コアネットワークデバイスＣＮにリンクされる。
【００５６】
基地局ＢＳ３は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１3を通して、コアネットワークデバイスＣＮにリンクされる。
【００５７】
基地局ＢＳ４は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１4を通して、コアネットワークデバイスＣＮ４にリンクされる。
【００５８】
基地局ＢＳ１は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＸ２12を通して、基地局ＢＳ２にリンクされてもよい。
【００５９】
基地局ＢＳ１は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＸ２13を通して、基地局ＢＳ３にリンクされてもよい。
【００６０】
基地局ＢＳ２は、通信ネットワーク上に確立されるリンクＸ２23を通して、基地局ＢＳ３にリンクされてもよい。
【００６１】
基地局ＢＳ１、ＢＳ２、ＢＳ３は、通信ネットワーク上に確立される図１には示されていない各リンクを通して基地局ＢＳ４にリンクされてもよい。
【００６２】
基地局ＢＳ１が使用可能でないとき、例えば、基地局ＢＳ１の電源が切られているとき、故障しているとき、基地局ＢＳ１を識別する信号を転送しない動作モードにあるとき、或いは通信ネットワークから切断されているとき、領域ＡＲ１内に位置する移動端末ＭＴ１は、他の基地局ＢＳ２、ＢＳ３、またはＢＳ４を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。基地局ＢＳ２およびＢＳ３は移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されず、また移動端末ＭＴ１は基地局ＢＳ４からは遠すぎる。領域ＡＲ１内に位置する移動端末ＭＴ２は、他の基地局ＢＳ２、ＢＳ３、またはＢＳ４を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることはできない。基地局ＢＳ２、ＢＳ３、およびＢＳ４は、移動端末ＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されない。
【００６３】
移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスしているとき、その移動端末ＭＴは、遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【００６４】
基地局ＢＳを識別する情報は、無線セルラ通信ネットワークのすべての基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳを一意に識別することができるか、または、無線セルラ通信ネットワークの限られた数の基地局ＢＳ、例えば所与の領域内にある基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳを一意に識別することができる。
【００６５】
基地局ＢＳを識別する情報により、その基地局ＢＳによって転送される信号を移動端末ＭＴが認識できるようになる。また、基地局ＢＳを識別する情報は、例えばその基地局ＢＳと移動端末ＭＴとの間のチャネル推定のために使用される基準信号でもよい。
【００６６】
基地局ＢＳが移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない場合、移動端末ＭＴはその基地局ＢＳによって転送される信号を検出することができないか、または検出しない。
【００６７】
本発明によれば、コアネットワークデバイスＣＮは、移動端末ＭＴの近くにあり且つその移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳが、使用可能でない時を検出する。
【００６８】
その場合、コアネットワークデバイスＣＮは、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳに対して、その移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局ＢＳが転送するべき信号を転送するように要求する。
【００６９】
本発明によれば、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳは、
− 移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない当該基地局ＢＳに対して、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局が転送するべき信号を転送するように要求するメッセージを、コアネットワークデバイスから受信し、
− 移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳが転送するべき信号を転送し、
− 移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない当該基地局ＢＳ、および／または、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの他の基地局ＢＳによって転送される、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳが転送するべき信号とは異なる他の信号を移動端末ＭＴが識別できるようにする情報を、ブロードキャストチャネルでブロードキャストする。
【００７０】
ブロードキャストチャネルは、或る基地局ＢＳからの信号を受信するための、すべての移動端末ＭＴまたは少なくとも２つの移動端末ＭＴに共通のチャネルである。
【００７１】
ブロードキャストとは、基地局ＢＳによって把握されている、または把握されていない、少なくとも２つの移動端末ＭＴへの送信であると理解される。
【００７２】
本発明によれば、移動端末ＭＴは、
− 当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局ＢＳを識別する信号を受信し、
− 当該移動端末ＭＴが他の信号を識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信されるか否かをチェックし、上記他の信号は、当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない或る基地局ＢＳによって転送され、当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される或る基地局ＢＳを識別する信号とは異なるものであり、
− 当該移動端末ＭＴが他の信号を識別できるようにする情報がブロードキャストチャネルで受信される場合には、当該移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳに対して、その基地局ＢＳを経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送する。
【００７３】
図２は、本発明が実施される移動端末のアーキテクチャを示す図である。
【００７４】
移動端末ＭＴは、例えば、バス２０１によって互いに接続される構成要素と、図６に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ２００とに基づくアーキテクチャを有している。
【００７５】
バス２０１は、プロセッサ２００を、読み出し専用メモリＲＯＭ２０２、ランダムアクセスメモリＲＡＭ２０３、および無線インターフェース２０５にリンクする。
【００７６】
メモリ２０３は、図６に開示されるようなプログラムの変数および命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【００７７】
メモリ２０３は、本発明による移動端末ＭＴのホワイトリストを記憶する。
【００７８】
プロセッサ２００は、無線インターフェース２０５の動作を制御する。
【００７９】
読み出し専用メモリ２０２は、図６に開示されるようなプログラムの命令を含み、これらの命令は、移動端末ＭＴの電源が入れられるとランダムアクセスメモリ２０３に転送される。
【００８０】
無線インターフェース２０５は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳに信号またはメッセージを転送できるようにし、かつ／または、移動端末ＭＴが基地局ＢＳから信号またはメッセージを受信できるようにする。
【００８１】
無線インターフェース２０５は、基地局に信号を転送すると共に移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳによって転送される信号を測定または検出するための手段を備えている。
【００８２】
移動端末ＭＴは、図２には示されていない全地球測位システムモジュールのような全地球航法衛星システムを備えていてもよい。
【００８３】
図３は、本発明が実施されるコアネットワークデバイスのアーキテクチャを示す図である。
【００８４】
コアネットワークデバイスＣＮは、例えば、バス３０１によって互いに接続される構成要素と、図５に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ３００とに基づくアーキテクチャを有している。
【００８５】
バス３０１は、プロセッサ３００を、読み出し専用メモリＲＯＭ３０２、ランダムアクセスメモリＲＡＭ３０３、およびネットワークインターフェース３０６にリンクする。
【００８６】
メモリ３０３は、図５に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの変数および命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【００８７】
メモリ３０３は、各移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストを含んでもよい。
【００８８】
メモリ３０３は、基地局ＢＳの隣接状態の表現を含んでもよい。
【００８９】
プロセッサ３００は、ネットワークインターフェース３０６の動作を制御する。
【００９０】
読み出し専用メモリ３０２は、図５に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの命令を含み、これらの命令は、コアネットワークデバイスＣＮの電源が入れられるとランダムアクセスメモリ３０３に転送される。
【００９１】
コアネットワークデバイスＣＮは、ネットワークインターフェース３０６を通して、図１には示されていない通信ネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース３０６は、ＤＳＬ（デジタル加入者回線）モデム、或いはＩＳＤＮ（統合サービスデジタルネットワーク）インターフェースなどである。コアネットワークデバイスＣＮは、ネットワークインターフェース３０６を通して、少なくとも１つの基地局ＢＳにメッセージを転送することができ、また少なくとも１つの基地局ＢＳからメッセージを受信することができる。
【００９２】
メッセージは、コアネットワークデバイスＣＮと基地局ＢＳとの間の通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１を通して転送または受信される。
【００９３】
図４は、本発明が実施される基地局のアーキテクチャを示す図である。
【００９４】
基地局ＢＳは、例えば、バス４０１によって互いに接続される構成要素と、図７に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ４００とに基づくアーキテクチャを有している。
【００９５】
バス４０１は、プロセッサ４００を、読み出し専用メモリＲＯＭ４０２、ランダムアクセスメモリＲＡＭ４０３、無線インターフェース４０５、およびネットワークインターフェース４０６にリンクする。
【００９６】
メモリ４０３は、図７に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの変数および命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【００９７】
メモリ４０３は、各移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される各基地局ＢＳを識別する情報を含んでもよい。
【００９８】
メモリ４０３は、基地局ＢＳの隣接状態の表現を含んでもよい。
【００９９】
プロセッサ４００は、ネットワークインターフェース４０６および無線インターフェース４０５の動作を制御する。
【０１００】
読み出し専用メモリ４０２は、図７に開示されるようなアルゴリズムに関係するプログラムの命令を含み、これらの命令は、基地局ＢＳの電源が入れられるとランダムアクセスメモリ４０３に転送される。
【０１０１】
基地局ＢＳは、ネットワークインターフェース４０６を通して、通信ネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース４０６は、ＤＳＬ（デジタル加入者回線）モデム、或いはＩＳＤＮ（統合サービスデジタルネットワーク）インターフェースなどである。基地局ＢＳは、ネットワークインターフェース４０６を通して、コアネットワークデバイスＣＮ若しくは他の基地局ＢＳにメッセージを転送することができ、または、他の基地局ＢＳ若しくはコアネットワークデバイスＣＮからメッセージを受信することができる。
【０１０２】
メッセージは、基地局ＢＳとコアネットワークデバイスＣＮとの間、または基地局ＢＳと他の基地局ＢＳとの間の通信ネットワーク上に確立されるリンクＳ１またはＸ２を通して転送される。
【０１０３】
無線インターフェース４０５およびネットワークインターフェース４０６は、移動端末ＭＴが遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信する際に、当該移動端末ＭＴが無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために使用する基地局ＢＳの資源である。
【０１０４】
無線インターフェース４０５は、自身の基地局ＢＳを識別する信号および／または他の基地局ＢＳを識別する信号を転送するための本発明による手段、および、基地局ＢＳに転送される信号を受信するための手段を備える。
【０１０５】
図５ａは、コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある各移動端末ごとに、コアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１０６】
より正確には、このアルゴリズムは、コアネットワークデバイスＣＮのプロセッサ３００によって実行される。
【０１０７】
ステップＳ５００において、プロセッサ３００は、或る移動端末ＭＴのホワイトリスト、例えば移動端末ＭＴ１のホワイトリストを取得する。
【０１０８】
プロセッサ３００は、例えば、各移動端末ＭＴ１のホワイトリストを含むデータベースにおけるキーとして移動端末ＭＴ１の識別子を使用し、移動端末ＭＴ１のホワイトリストを取得する。
【０１０９】
次のステップＳ５０１において、プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリストのサブセットである基地局ＢＳのリストを選択する。
【０１１０】
プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳの中から、１つまたは複数の基地局ＢＳを選択する。ここで選択される１つまたは複数の基地局ＢＳは、移動端末ＭＴ１の近くにある１つまたは複数の基地局ＢＳである。この場合、プロセッサ３００は基地局ＢＳ１を選択する。
【０１１１】
次のステップＳ５０２において、プロセッサ３００は、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリストが空であるか否かをチェックする。
【０１１２】
ステップＳ５０１で構築されたリストが空である場合、プロセッサ３００はこのアルゴリズムを中断し、別の移動端末ＭＴ、例えば移動端末ＭＴ２を選択し、選択された新たな移動端末ＭＴ２についてこのアルゴリズムを実行する。
【０１１３】
そうでない場合には、プロセッサ３００は、ステップＳ５０３に進む。
【０１１４】
ステップＳ５０３において、プロセッサ３００は、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の少なくとも１つの基地局ＢＳが使用可能であるか否かをチェックする。例えば、プロセッサ３００は、基地局ＢＳ１が使用可能であるか否かをチェックする。
【０１１５】
プロセッサ３００は、コアネットワークデバイスＣＮによって転送されるメッセージまたは信号に対して１つまたは複数の基地局ＢＳが応答するか否かをチェックすることによって、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の１つまたは複数の基地局ＢＳが使用可能であるか否かをチェックすることができる。
【０１１６】
プロセッサ３００は、１つまたは複数の基地局ＢＳとコアネットワークデバイスＣＮとの間のリンクＳ１が使用可能であるか否かをチェックすることによって、ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の１つまたは複数の基地局ＢＳが使用可能であるか否かをチェックしてもよい。
【０１１７】
ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の少なくとも１つの基地局ＢＳが使用可能である場合、プロセッサ３００はこのアルゴリズムを中断し、別の移動端末ＭＴ２を選択し、選択された新たな移動端末ＭＴ２についてこのアルゴリズムを実行する。
【０１１８】
ステップＳ５０１で構築された基地局ＢＳのリスト内の基地局ＢＳがすべて使用可能でない場合、プロセッサ３００はステップＳ５０５に進む。
【０１１９】
例えば、基地局ＢＳ１は使用可能でない。
【０１２０】
ステップＳ５０５で、プロセッサ３００は、ホワイトリストにおいて識別されて移動端末ＭＴ１の近くにあるが使用可能でない基地局ＢＳの代用と成り得る、少なくとも１つの適切な基地局ＢＳを選択する。
【０１２１】
プロセッサ３００は、ステップＳ５０１で生成されたリスト内の基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳの中から、移動端末ＭＴ１によって最も高い電力強度で受信される信号を転送する１つまたは複数の基地局ＢＳを選択し、かつ／または、ステップＳ５０１で生成されたリスト内の基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳの中から、最も低い動作負荷を有する１つまたは複数の基地局ＢＳを選択し、かつ／または、ステップＳ５０１で生成されたリスト内の基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳの中から、移動端末ＭＴ１によって最も高い品質で受信される信号を転送する１つまたは複数の基地局を選択する。
【０１２２】
次のステップＳ５０６において、プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリスト内の基地局ＢＳの中から、ステップＳ５０５で選択された基地局ＢＳが転送する基地局識別信号に出来るだけ直交する基地局識別信号を転送する基地局ＢＳを選択する。
【０１２３】
次のステップＳ５０７において、プロセッサ３００は、ステップＳ５０５で選択された１つまたは複数の基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。このメッセージは、当該基地局ＢＳが他の基地局を識別する信号、すなわちステップＳ５０６で選択された基地局ＢＳを識別する信号を転送しなければならない旨を当該基地局ＢＳに通知するものである。また、このメッセージは、各代用基地局ＢＳ、すなわちステップＳ５０５で選択された各基地局ＢＳを識別できるものであってもよいし、或いは、幾つかの代用基地局ＢＳ、すなわちステップＳ５０５で選択された複数の基地局ＢＳのサブセットを識別できるものであってもよい。
【０１２４】
また、基地局ＢＳを識別する情報、およびステップＳ５０６で選択された基地局ＢＳによって送信されるメッセージを復号するために移動端末ＭＴ１が必要とする他の情報を、コアネットワークデバイスＣＮからステップＳ５０５で選択された基地局に向けて転送してもよい。
【０１２５】
例えば、ステップＳ５０５において基地局ＢＳ２が選択されてもよく、ステップＳ５０６において選択される基地局ＢＳは、使用可能でない基地局ＢＳ１である。
【０１２６】
例えば、ステップＳ５０５において基地局ＢＳ２が選択されてもよく、ステップＳ５０６において選択される基地局ＢＳは、基地局ＢＳ２が転送する識別信号に最も直交する識別信号を転送する基地局ＢＳ４である。
【０１２７】
例えば、ステップＳ５０５において基地局ＢＳ２およびＢＳ３が選択されてもよく、ステップＳ５０６において選択される基地局ＢＳは、基地局ＢＳ１およびＢＳ４である。その場合、基地局ＢＳ２は、基地局ＢＳ１を識別する信号を転送することができ、基地局ＢＳ２は、基地局ＢＳ４を識別する信号を転送することができる。
【０１２８】
複数の第１の基地局を識別する複数の信号を使用すると、種々の第２の基地局によって送信される各第１の基地局を識別する信号から、より良い相互相関特性を有する信号を使用できるようになる。したがって、信号同士の干渉の量が減少される。
【０１２９】
その後、プロセッサ３００はこのアルゴリズムを中断し、他の移動端末ＭＴを選択し、選択された新たな移動端末ＭＴについてこのアルゴリズムを実行する。
【０１３０】
図５ｂは、コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある基地局ＢＳの少なくとも一部に対して、本発明の一変形実施形態によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１３１】
より正確には、このアルゴリズムは、コアネットワークデバイスＣＮのプロセッサ３００によって実行される。
【０１３２】
ステップＳ５２０において、プロセッサ３００は、コアネットワークデバイスＣＮが管理する領域内に使用可能でない基地局ＢＳがあるか否かをチェックする。
【０１３３】
使用可能でない基地局ＢＳがない場合、プロセッサはステップＳ５２０に戻る。
【０１３４】
或る基地局ＢＳが使用可能でない場合、プロセッサ３００はステップＳ５２１に進む。
【０１３５】
例えば、基地局ＢＳ１は使用可能でない。
【０１３６】
ステップＳ５２１において、プロセッサ３００は、使用可能でない基地局ＢＳ１の代用と成り得る少なくとも１つの適切な基地局ＢＳを選択する。
【０１３７】
例えば、プロセッサ３００は、１つまたは複数の移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されるが使用可能でない基地局ＢＳ１の代用と成り得る、或る適切な基地局ＢＳを選択する。
【０１３８】
例えば、プロセッサ３００は、ホワイトリストにおいて基地局ＢＳ１を識別する各移動端末ＭＴごとに、基地局ＢＳ１の代用と成り得る或る適切な基地局ＢＳを選択する。選択される基地局ＢＳは、各移動端末ＭＴごとに異なっていてもよい。
【０１３９】
次のステップＳ５２２において、プロセッサ３００は、ステップＳ５２１で選択された１つまたは複数の基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。このメッセージは、当該基地局ＢＳが他の基地局を識別する信号、すなわち基地局ＢＳ１を識別する信号を転送しなければならない旨を当該基地局ＢＳに通知する。
【０１４０】
その後、プロセッサ３００はステップＳ５２０に戻る。
【０１４１】
ここで、一変形形態では、このアルゴリズムは、基地局ＢＳが使用可能であるか否かを考慮せずに、各基地局ＢＳごとに実行されることに留意しなければならない。
【０１４２】
図５ｃは、コアネットワークデバイスが、コアネットワークデバイスによって管理される領域内にある移動端末から無線セルラ通信ネットワークへの接続要求を受信したときに、本発明によるコアネットワークデバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１４３】
このアルゴリズムは、接続要求を表すメッセージが移動端末ＭＴから基地局ＢＳを経由して受信されるたびに、図５ａまたは図５ｂのアルゴリズムと並列に実行される。
【０１４４】
より正確には、このアルゴリズムは、コアネットワークデバイスＣＮのプロセッサ３００によって実行される。
【０１４５】
ステップＳ５５０において、接続要求を表すメッセージが移動端末ＭＴから基地局ＢＳを経由して受信される。
【０１４６】
例えば、接続要求を表すメッセージは、移動端末ＭＴ１から受信される。
【０１４７】
次のステップＳ５５１において、プロセッサ３００は、メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されるか否かをチェックする。
【０１４８】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される場合、プロセッサ３００はステップＳ５５８に進む。そうでない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５２に進む。
【０１４９】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１である場合、プロセッサ００はステップＳ５５８に進む。
【０１５０】
ここで、一変形実施形態によれば、移動ＭＴ１は、代用基地局ＢＳを識別する情報を自身のホワイトリストに入れることができることに留意しなければならない。その場合において、メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ２である場合、プロセッサ３００はステップＳ５５８に進む。
【０１５１】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳ２である場合、プロセッサ３００はステップＳ５５２に進む。
【０１５２】
ステップＳ５５８において、プロセッサ３００は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳの資源を使用するためのアクセス権を移動端末ＭＴに与える。
【０１５３】
次のステップＳ５５９において、プロセッサ３００は、アクセス許可メッセージを、基地局ＢＳを経由して移動端末ＭＴに転送するように指示する。
【０１５４】
移動端末ＭＴは、基地局ＢＳを経由して、遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０１５５】
その後、プロセッサ３００は、このアルゴリズムを中断する。
【０１５６】
ステップＳ５５２において、プロセッサ３００は、メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴ１のために図５ａのアルゴリズムのステップＳ５０５で選択された基地局ＢＳ、または図５ｂのステップＳ５２１で選択された代用基地局ＢＳであるか否かをチェックする。
【０１５７】
メッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳが、ステップＳ５５０で受信されたメッセージを転送した移動端末ＭＴのために図５ａのアルゴリズムのステップＳ５０５で選択された基地局ＢＳ、または図５ｂのステップＳ５２１で選択された代用基地局ＢＳである場合、プロセッサ３００はステップＳ５５５に進む。そうでない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５３に進む。
【０１５８】
ステップＳ５５５において、プロセッサ３００は、移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されて移動端末ＭＴ１に信号を転送するべき基地局ＢＳ１が使用可能でないか否かをチェックするか、または、基地局ＢＳ２によって代用される基地局ＢＳ１が使用可能でないか否かをチェックする。
【０１５９】
移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されて基地局ＢＳ２によって代用される基地局ＢＳ１が使用可能でない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５６に進む。そうでない場合、プロセッサ３００はステップＳ５５３に進む。
【０１６０】
ステップＳ５５６において、プロセッサ３００は、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳ２の資源を使用するアクセス権を移動端末ＭＴに与える。
【０１６１】
次のステップＳ５５７において、プロセッサ３００は、アクセス許可メッセージを、基地局ＢＳを経由して移動端末ＭＴに転送するように指示する。
【０１６２】
移動端末ＭＴ１は、基地局ＢＳ２を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０１６３】
その後、プロセッサ３００は、このアルゴリズムを中断する。
【０１６４】
ステップＳ５５３において、プロセッサ３００は、ステップＳ５５０でメッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳを経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスする権利を移動端末ＭＴに与えない。
【０１６５】
次のステップＳ５５４において、プロセッサ３００は、ステップＳ５５０で受信されたメッセージが受信された際に経由した基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１６６】
このメッセージは、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳの資源を使用する権利を移動端末ＭＴに与えることを拒否する旨を表す。
【０１６７】
その後、プロセッサ３００は、このアルゴリズムを中断する。
【０１６８】
図６は、本発明の第１の実施形態による、無線セルラ通信ネットワークへのアクセスを試行するために移動端末によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０１６９】
より正確には、このアルゴリズムは、移動端末ＭＴのプロセッサ２００によって実行される。
【０１７０】
ステップＳ６００において、プロセッサ２００は、移動端末ＭＴのホワイトリストを取得する。ホワイトリストは、例えばＲＡＭメモリ２０３に記憶されている。
【０１７１】
ホワイトリストは、少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する情報を含み、かつ／または、その少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送される信号に移動端末ＭＴが同期できるようにする情報を含む。
【０１７２】
次のステップＳ６０１において、プロセッサ２００は、ホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する信号に関する何らかの測定を行うように、無線インターフェース２０５に指示する。
【０１７３】
次のステップＳ６０２において、プロセッサ２００は、ホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する信号が所定の閾値よりも高いか否かをチェックする。
【０１７４】
ホワイトリストがただ１つの基地局ＢＳを含む場合、無線インターフェース２０５は、その基地局ＢＳを識別する信号が所与の値よりも高い電力レベルで受信されるか否かをチェックする。
【０１７５】
ホワイトリストにおいて複数の基地局ＢＳが識別される場合、無線インターフェース２０５は、ホワイトリストにおいて識別される各基地局ＢＳを識別する各信号を測定すると共に、ホワイトリスト内に含まれる基地局ＢＳに隣接する他の基地局ＢＳによって転送される信号も測定する。移動端末ＭＴは、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳに隣接する基地局ＢＳによって転送される信号を測定することによって、自身の位置と、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳのどれが自身に近いかを決定することができる。また、これを行うことによって、移動端末ＭＴは、ホワイトリスト内に含まれる基地局ＢＳに隣接する他の基地局ＢＳのどれが自身に近いかを決定することもできる。
【０１７６】
一変形形態では、ホワイトリストにおいて複数の基地局ＢＳが識別される場合、無線インターフェース２０５は、各基地局ＢＳを識別する信号のうちのどれが最大の電力レベルで受信され、その電力レベルが所与の値よりも高いか否かをチェックしてもよい。
【０１７７】
一変形形態では、無線インターフェース２０５は、移動端末ＭＴの位置に最も近いホワイトリスト内に含まれる基地局ＢＳを識別する信号を測定し、移動端末ＭＴの位置は、例えばＧＮＳＳのような地理測位（geo-location）技法、または無線指紋によって決定され、基地局ＢＳの位置は、コアネットワークによってブロードキャストされる。
【０１７８】
無線指紋は、所与の位置で受信される無線信号を特徴付ける。無線指紋は、基地局識別子のリスト、または或る位置において受信された信号に関する測定結果とすることができる。指紋をデータベースに記憶されている指紋と比較することによって、移動端末ＭＴの位置を決定することができる。
【０１７９】
ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号が所定の閾値よりも高い場合、プロセッサ２００はステップＳ６０３に進む。そうでない場合には、プロセッサ２００はこのアルゴリズムを中断するか、またはステップＳ６０１に戻る。
【０１８０】
ステップＳ６０３において、プロセッサ２００は、移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれているか否かをチェックする。
【０１８１】
移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれている場合、これは、ホワイトリストにおいて識別される少なくとも１つの基地局ＢＳが使用可能でなく、現在、その使用可能でない基地局ＢＳを識別する信号を、ホワイトリストにおいて識別されない他の基地局ＢＳが転送していることを意味している。
【０１８２】
移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳによって転送された信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれている場合、プロセッサ２００はステップＳ６０４に進む。そうでない場合には、基地局ＢＳ１を識別する信号が、基地局ＢＳ１によって効果的に転送されていることを意味する。プロセッサ２００はステップＳ６１０に進む。
【０１８３】
ステップＳ６１０において、プロセッサ２００は、基地局ＢＳ１に向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１８４】
移動端末ＭＴ１は、識別される基地局ＢＳ１を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０１８５】
ステップＳ６０４において、プロセッサは、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別されない少なくとも１つの基地局ＢＳを識別する情報を取得する。その少なくとも１つの基地局ＢＳは、代用基地局ＢＳである。
【０１８６】
基地局ＢＳを識別する情報は、無線セルラ通信ネットワークのすべての基地局ＢＳの中から当該基地局ＢＳを一意に識別することができるか、または、無線セルラ通信ネットワークの限られた数の基地局ＢＳ、例えば所与の領域内に位置する基地局ＢＳの中から当該基地局ＢＳを一意に識別することができる。
【０１８７】
或る基地局ＢＳを識別する情報により、その基地局ＢＳによって転送される信号を移動端末ＭＴが認識できるようになり、かつ／または、その基地局ＢＳによって転送される信号に移動端末ＭＴが同期できるようになる。また、或る基地局ＢＳを識別する情報は、例えばその基地局ＢＳと移動端末ＭＴとの間のチャネル推定のために使用される基準信号でもよい。
【０１８８】
例えば、基地局ＢＳ１は使用可能でない。
【０１８９】
基地局ＢＳ２は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２および／または基地局ＢＳ３によって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報を含む、基地局ＢＳ１を識別する信号をブロードキャストしてもよい。そのような場合、基地局ＢＳ１は移動端末ＭＴ１およびＭＴ２のホワイトリストにおいて識別されるので、どちらの移動端末も、ステップＳ６０１の測定を行うことができ、またステップＳ６０３のチェックを行うことができる。
【０１９０】
基地局ＢＳ２は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２および／または基地局ＢＳ３によって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報を含む、基地局ＢＳ４を識別する信号をブロードキャストしてもよい。そのような場合、基地局ＢＳ４は移動端末ＭＴ１のホワイトリスト内においてのみ識別されるので、移動端末ＭＴ１のみが、ステップＳ６０１の測定を行うことができ、またステップＳ６０３のチェックを行うことができる。
【０１９１】
次のステップＳ６０５において、プロセッサ２００は、ステップＳ６０４で識別された基地局を識別する信号の何らかの測定を行うように指示する。
【０１９２】
次のステップＳ６０６において、プロセッサ２００は、識別された基地局ＢＳのうちの１つを選択する。例えば、プロセッサ２００は、識別された基地局ＢＳの中から、識別された基地局ＢＳによって転送される信号の中で移動端末ＭＴ１によって最も高い電力強度で受信される信号を転送する基地局ＢＳを選択し、かつ／または、識別された基地局ＢＳの中から最も低い動作負荷を有する基地局ＢＳを選択し、かつ／または、識別された基地局ＢＳの中から移動端末ＭＴによって最も高い品質で受信される信号を転送する基地局ＢＳを選択する。
【０１９３】
ここで、代用基地局ＢＳとして識別されて選択される基地局ＢＳ２は、好ましくは、例えば限られた期間だけ移動端末ＭＴ１のホワイトリストにおいて識別されることに留意しなければならない。
【０１９４】
ここで、移動端末ＭＴが自身のホワイトリストにおいて識別されないただ１つの基地局ＢＳによって転送される信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報が、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号に含まれている場合、プロセッサ２００はステップＳ６０４からステップＳ６０７に進むことに留意しなければならない。
【０１９５】
次のステップＳ６０７において、プロセッサ２００は、代用基地局ＢＳに向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１９６】
例えば、プロセッサ２００は、識別された基地局ＢＳ２に向けてメッセージを転送するように指示する。
【０１９７】
このメッセージは、無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために、ホワイトリストにおいて識別されない基地局ＢＳの資源を使用する権利を取得する要求を表す。
【０１９８】
次のステップＳ６０８において、プロセッサ２００は、ステップＳ６０７で転送されたメッセージに応答して、移動端末ＭＴ１が無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳ２の資源を使用することを許可するメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０１９９】
移動端末ＭＴ１が無線セルラ通信ネットワークにアクセスするために基地局ＢＳ２の資源を使用することを許可するメッセージが受信された場合、プロセッサ２００はステップＳ６０９に進む。そうでない場合には、プロセッサ２００はこのアルゴリズムを中断するか、またはステップＳ６０１に戻る。
【０２００】
ステップ６０９において、基地局ＢＳ２が選択される。選択された基地局ＢＳ２は、移動端末ＭＴ１が無線セルラ通信ネットワークにアクセスする際に経由することができる基地局ＢＳ２である。
【０２０１】
移動端末ＭＴ１は、基地局ＢＳ２を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０２０２】
その後、プロセッサ２００は、このアルゴリズムを中断する。
【０２０３】
図７は、本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【０２０４】
より正確には、このアルゴリズムは、各基地局ＢＳのプロセッサ４００によって実行される。
【０２０５】
例えば、このアルゴリズムは、基地局ＢＳ２のプロセッサ４００によって実行される。
【０２０６】
ステップＳ７００において、プロセッサ４００は、他の基地局を識別する信号を基地局ＢＳ２が転送しなければならない旨を通知するメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０２０７】
このメッセージは、図５ａのアルゴリズムのステップＳ５０７、または図５ｂのステップＳ５２２において、コアネットワークデバイスＣＮによって転送されたものである。
【０２０８】
他の基地局を識別する信号を基地局ＢＳ２が転送しなければならない旨を通知するメッセージが受信された場合、プロセッサ４００はステップＳ７０１に進む。そうでない場合には、プロセッサ４００はステップＳ７１０に進む。
【０２０９】
ステップＳ７０１において、プロセッサ４００は、他の基地局ＢＳを識別する情報を取得する。
【０２１０】
他の基地局ＢＳは、その基地局ＢＳが使用可能でないときに基地局ＢＳ２がその代用と成らねばならない基地局ＢＳであってもよいし、または、基地局ＢＳ２が代用と成らねばならない基地局ＢＳに接続するべき移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳでもよい。
【０２１１】
基地局ＢＳを識別する情報、例えば、基地局ＢＳ２が代用と成らねばならない基地局ＢＳ１を識別する情報は、ステップＳ７００で受信されたメッセージに含まれていてもよいし、或いはＲＡＭメモリ４０３に記憶されていてもよい。
【０２１２】
基地局ＢＳ１を識別する情報は、無線セルラ通信ネットワークのすべての基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳ１を一意に識別することができるか、または、無線セルラ通信ネットワークの限られた数の基地局ＢＳ、例えば所与の領域内に位置する基地局ＢＳの中からその基地局ＢＳ１を一意に識別することができる。
【０２１３】
移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する情報により、移動端末ＭＴ１は、基地局ＢＳ１によって転送される信号を識別できるようになり、かつ／または、基地局ＢＳ１によって転送される信号に同期できるようになる。また、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する情報は、例えば、基地局ＢＳ１と移動端末ＭＴとの間のチャネル推定のために使用される基準信号でもよい。
【０２１４】
次のステップＳ７０２において、プロセッサ４００は、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号を転送するように無線インターフェース４０５に指示する。
【０２１５】
移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号は、移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１のセル識別子に対応する同期信号およびシステム情報でもよい。
【０２１６】
移動端末ＭＴのホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳを識別する信号は、基地局ＢＳ２を識別する信号と同じ無線資源から転送することができる。
【０２１７】
次のステップＳ７０３において、プロセッサ４００は、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号と共に、移動端末ＭＴ１が基地局ＢＳ２および／または少なくとも１つの他の基地局ＢＳを識別する信号の監視または同期を行わなければならない旨を示す情報を、転送するように無線インターフェース４０５に指示する。
【０２１８】
ここで、ホワイトリストにおいて識別される基地局ＢＳ１を識別する信号と、基地局ＢＳ２を識別する信号とは、同期して転送されることに留意しなければならない。
【０２１９】
その後、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２０】
ステップＳ７１０において、プロセッサ４００は、移動端末ＭＴからメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０２２１】
移動端末ＭＴからメッセージが受信された場合、プロセッサ４００はステップＳ７１５に進む。そうでない場合には、プロセッサ４００はステップＳ７１１に進む。
【０２２２】
ステップＳ７１５において、プロセッサ４００は、受信されたメッセージをコアネットワークデバイスＣＮに向けて転送するように指示する。
【０２２３】
その後、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２４】
ステップＳ７１１において、プロセッサ４００は、コアネットワークデバイスＣＮからメッセージが受信されたか否かをチェックする。
【０２２５】
コアネットワークデバイスＣＮからメッセージが受信された場合、プロセッサ４００はステップＳ７１２に進む。そうでない場合には、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２６】
ステップＳ７１２において、プロセッサ４００は、受信されたメッセージが、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可しているか否かをチェックする。
【０２２７】
このメッセージは、図５ｃのステップＳ５５７においてコアネットワークデバイスＣＮによって転送されたものと同種のものである。
【０２２８】
メッセージが、移動端末ＭＴが基地局ＢＳを経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可している場合、プロセッサ４００はステップＳ７１３に進む。そうではなく、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスするのを拒否するメッセージがコアネットワークデバイスＣＮから受信された場合には、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２２９】
ステップＳ７１３において、プロセッサ４００は、移動端末ＭＴが基地局ＢＳ２を経由して無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることが許可された旨を通知するメッセージを、当該移動端末ＭＴに転送する。
【０２３０】
次のステップＳ７１４において、移動端末ＭＴは、基地局ＢＳ２を経由して遠隔の通信デバイスとの通信を確立または受信または継続することができ、かつ／または、データをダウンロードすることができる。
【０２３１】
その後、プロセッサ４００はステップＳ７００に戻る。
【０２３２】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく上述した本発明の実施形態に多くの変更を施すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法であって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
前記移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
該方法は、或る第２の基地局によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように該第２の基地局に要求するメッセージを前記コアネットワークデバイスから受信するステップと、
− 前記第１の基地局を識別する信号を転送するステップと、
− 前記第１の基地局を識別する信号において、該第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報を転送するステップと
を含むことを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法。
【請求項２】
前記コアネットワークデバイスによって実行される、以下のさらなるステップ：
− 前記移動端末に信号を転送するべき或る第１の基地局が使用可能でないか否かを判定するステップと、
− 前記移動端末に信号を転送するべき前記第１の基地局が使用可能でない場合に、前記第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報が前記リスト内に含まれている前記第１の基地局のうちの１つを識別する信号を転送するように前記第２の基地局に要求するメッセージを転送するステップと、
− 前記第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報が前記リスト内に含まれている前記第１の基地局を識別する前記第２の基地局の信号によって、前記無線セルラ通信ネットワークに前記移動端末がアクセスできるようにするステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項１に記載の方法。
【請求項３】
少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、前記コアネットワークデバイスから受信されるか、または前記第２の基地局によって記憶されていることを特徴とする、請求項２に記載の方法。
【請求項４】
前記第１の基地局を識別する信号は、使用可能でない第１の基地局を識別する信号であることを特徴とする、請求項２または３に記載の方法。
【請求項５】
前記第１の基地局を識別する信号は、使用可能でない基地局とは異なる或る第１の基地局を識別する信号であることを特徴とする、請求項２または３に記載の方法。
【請求項６】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法であって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号の識別を可能にする情報を含むリストを記憶しており、
前記移動端末によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するステップと、
− 前記第１の基地局を識別する信号が、他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報を含むか否かをチェックするステップと、
− 前記他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報が受信された場合に、或る第２の基地局に向けて、該第２の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送するステップと
を含むことを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法。
【請求項７】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、前記メッセージの転送先である前記第２の基地局によって転送されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
【請求項８】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、前記メッセージの転送先である前記第２の基地局とは異なる他の第２の基地局によって転送されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
【請求項９】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報を記憶するさらなるステップを含むことを特徴とする、請求項６〜８のいずれか一項に記載の方法。
【請求項１０】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、限られた期間だけ記憶されることを特徴とする、請求項９に記載の方法。
【請求項１１】
或る第２の基地局にメッセージを転送するのに先だって、或る第２の基地局を識別する他の信号を受信するさらなるステップを含むことを特徴とする、請求項６〜１０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項１２】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスであって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
前記移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
該デバイスは、前記第２の基地局内に含まれ、
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように該第２の基地局に要求するメッセージを前記コアネットワークデバイスから受信するための手段と、
− 前記第１の基地局を識別する信号を転送するための手段と、
− 前記第１の基地局を識別する信号において、該第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報を転送するための手段と
を備えることを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイス。
【請求項１３】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスであって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
該デバイスは、前記移動端末内に含まれ、
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するための手段と、
− 前記第１の基地局を識別する信号が、他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報を含むか否かをチェックする手段と、
− 前記他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報が受信された場合に、或る第２の基地局に向けて、該第２の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送するための手段と
を備えることを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイス。
【請求項１４】
プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブルデバイス上で実行されるときに請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令またはコードの一部を含む、コンピュータプログラム。
【請求項１５】
プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブルデバイス上で実行されるときに請求項６〜１１のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令またはコードの一部を含む、コンピュータプログラム。
【請求項１】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法であって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
前記移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
該方法は、或る第２の基地局によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように該第２の基地局に要求するメッセージを前記コアネットワークデバイスから受信するステップと、
− 前記第１の基地局を識別する信号を転送するステップと、
− 前記第１の基地局を識別する信号において、該第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報を転送するステップと
を含むことを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法。
【請求項２】
前記コアネットワークデバイスによって実行される、以下のさらなるステップ：
− 前記移動端末に信号を転送するべき或る第１の基地局が使用可能でないか否かを判定するステップと、
− 前記移動端末に信号を転送するべき前記第１の基地局が使用可能でない場合に、前記第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報が前記リスト内に含まれている前記第１の基地局のうちの１つを識別する信号を転送するように前記第２の基地局に要求するメッセージを転送するステップと、
− 前記第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報が前記リスト内に含まれている前記第１の基地局を識別する前記第２の基地局の信号によって、前記無線セルラ通信ネットワークに前記移動端末がアクセスできるようにするステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項１に記載の方法。
【請求項３】
少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、前記コアネットワークデバイスから受信されるか、または前記第２の基地局によって記憶されていることを特徴とする、請求項２に記載の方法。
【請求項４】
前記第１の基地局を識別する信号は、使用可能でない第１の基地局を識別する信号であることを特徴とする、請求項２または３に記載の方法。
【請求項５】
前記第１の基地局を識別する信号は、使用可能でない基地局とは異なる或る第１の基地局を識別する信号であることを特徴とする、請求項２または３に記載の方法。
【請求項６】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法であって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号の識別を可能にする情報を含むリストを記憶しており、
前記移動端末によって実行される以下のステップ：
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するステップと、
− 前記第１の基地局を識別する信号が、他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報を含むか否かをチェックするステップと、
− 前記他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報が受信された場合に、或る第２の基地局に向けて、該第２の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送するステップと
を含むことを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするための方法。
【請求項７】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、前記メッセージの転送先である前記第２の基地局によって転送されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
【請求項８】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、前記メッセージの転送先である前記第２の基地局とは異なる他の第２の基地局によって転送されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
【請求項９】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報を記憶するさらなるステップを含むことを特徴とする、請求項６〜８のいずれか一項に記載の方法。
【請求項１０】
前記他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報は、限られた期間だけ記憶されることを特徴とする、請求項９に記載の方法。
【請求項１１】
或る第２の基地局にメッセージを転送するのに先だって、或る第２の基地局を識別する他の信号を受信するさらなるステップを含むことを特徴とする、請求項６〜１０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項１２】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスであって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
前記移動端末は、第２の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を記憶しておらず、
該デバイスは、前記第２の基地局内に含まれ、
− 或る第１の基地局が転送するべき信号を転送するように該第２の基地局に要求するメッセージを前記コアネットワークデバイスから受信するための手段と、
− 前記第１の基地局を識別する信号を転送するための手段と、
− 前記第１の基地局を識別する信号において、該第２の基地局および／または少なくとも１つの他の第２の基地局によって転送される他の信号を前記移動端末が識別できるようにする情報を転送するための手段と
を備えることを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイス。
【請求項１３】
複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイスであって、
前記移動端末は、少なくとも１つの第１の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを許可されており、
前記移動端末は、各第１の基地局によって転送される信号を識別できるようにする情報を含むリストを記憶しており、
該デバイスは、前記移動端末内に含まれ、
− 或る第１の基地局を識別する信号を受信するための手段と、
− 前記第１の基地局を識別する信号が、他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報を含むか否かをチェックする手段と、
− 前記他の信号を該移動端末が識別できるようにする情報が受信された場合に、或る第２の基地局に向けて、該第２の基地局を経由して前記無線セルラ通信ネットワークにアクセスすることを要求するメッセージを転送するための手段と
を備えることを特徴とする、複数の基地局および１つのコアネットワークデバイスを備える無線セルラ通信ネットワークに移動端末がアクセスできるようにするためのデバイス。
【請求項１４】
プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブルデバイス上で実行されるときに請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令またはコードの一部を含む、コンピュータプログラム。
【請求項１５】
プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブルデバイス上で実行されるときに請求項６〜１１のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令またはコードの一部を含む、コンピュータプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【図５ｃ】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【図５ｃ】
【図６】
【図７】
【公表番号】特表２０１２−５０６６５９（Ｐ２０１２−５０６６５９Ａ）
【公表日】平成２４年３月１５日（２０１２．３．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−５３２６３６（Ｐ２０１１−５３２６３６）
【出願日】平成２１年１０月２２日（２００９．１０．２２）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００９／０６３９１２
【国際公開番号】ＷＯ２０１０／０４６４４４
【国際公開日】平成２２年４月２９日（２０１０．４．２９）
【出願人】（５０３１６３５２７）ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】ＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩ ＥＬＥＣＴＲＩＣ Ｒ＆Ｄ ＣＥＮＴＲＥ ＥＵＲＯＰＥ Ｂ．Ｖ．
【住所又は居所原語表記】Ｃａｐｒｏｎｉｌａａｎ ４６， １１１９ ＮＳ Ｓｃｈｉｐｈｏｌ Ｒｉｊｋ， Ｔｈｅ Ｎｅｔｈｅｒｌａｎｄｓ
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２４年３月１５日（２０１２．３．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１０月２２日（２００９．１０．２２）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００９／０６３９１２
【国際公開番号】ＷＯ２０１０／０４６４４４
【国際公開日】平成２２年４月２９日（２０１０．４．２９）
【出願人】（５０３１６３５２７）ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】ＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩ ＥＬＥＣＴＲＩＣ Ｒ＆Ｄ ＣＥＮＴＲＥ ＥＵＲＯＰＥ Ｂ．Ｖ．
【住所又は居所原語表記】Ｃａｐｒｏｎｉｌａａｎ ４６， １１１９ ＮＳ Ｓｃｈｉｐｈｏｌ Ｒｉｊｋ， Ｔｈｅ Ｎｅｔｈｅｒｌａｎｄｓ
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]