説明

無線タグ処理装置

【課題】無線タグに対する処理の処理効率の向上、および、無線タグに対し発信される電波の干渉の抑制を両立可能な無線タグ処理装置を提供する。
【解決手段】(a)に示すように、第1の抑制ユニット71に向けてシートSが搬送される。その後、(b)に示すように、シートSに設けられたタグT1〜T8の各々と、第1の抑制ユニット71に設けられたリーダ/ライタ部61〜68の各々とが対向するように、シートSの搬送が停止される。その後、(b)の太い破線で示すように、8つ設けられたリーダ/ライタ部61〜68のうちの千鳥状に配置された4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67を動作させる。次いで、(c)の太い破線で示すように、上記4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67とは異なる4つのリーダ/ライタ部61,63,66,68を動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の非接触式リーダライタが、2列に並べて搬送される非接触式ICカードの各列に対して千鳥状に配設されている通信媒体処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、記録紙に内蔵されたICタグに情報を書き込む際、第1リーダライタと第3リーダライタとにより互いに隣接しない2つのICタグに同時に書き込み、その後、第2リーダライタと第4リーダライタとにより互いに隣接しない2つのICタグに同時に書き込む情報書き込み装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−316987号公報
【特許文献2】特開2008−21070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、無線タグに対する処理の処理効率の向上、および、無線タグに対し発信される電波の干渉の抑制を両立可能な無線タグ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、電波の発信を行う発信部が一方向に沿って複数並べられた発信部群が当該一方向と交差する方向に複数列設けられ、媒体に設けられた無線タグに対して電波を発信する電波発信手段と、前記一方向と交差する方向において互いに隣接する前記発信部群に含まれる二列の前記発信部のうちの、千鳥状となる関係で配列されている複数の当該発信部から電波を発信させた後、当該二列の当該発信部に含まれる他の発信部から電波を発信させる制御部と、を備える無線タグ処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、前記他の発信部から電波を発信させる際、千鳥状となる関係で配置されている複数の当該発信部から電波を発信させることを特徴とする請求項1記載の無線タグ処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記媒体を搬送する搬送手段を更に備え、前記搬送手段は、前記発信部による電波の発信が行われる際、当該発信部と対峙する箇所に前記媒体を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線タグ処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記電波発信手段に設けられた複数の前記発信部の各々は、前記媒体に設けられた複数の前記無線タグの各々に対峙可能なように設けられ、前記発信部により発信される電波による、前記無線タグへの情報の書き込み及び/又は当該無線タグからの情報の読み出しが正常になされたか否かを当該無線タグ毎に判断する判断手段と、前記書き込み及び/又は読み出しが正常になされなかったと前記判断手段により判断された前記無線タグが、当該無線タグへ電波を発信した発信部とは異なる発信部と対峙するように、前記媒体を移動させる移動手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の無線タグ処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記判断手段は、前記異なる発信部から発信された電波による前記無線タグへの情報の書き込み及び/又は当該無線タグからの情報の読み出しが正常になされたか否かを再度判断することを特徴とする請求項4記載の無線タグ処理装置である。
請求項6に記載の発明は、再度の前記判断にて、前記書き込み及び/又は読み出しが正常になされたと判断された場合に、前記無線タグ処理装置の故障に関する情報を表示し、当該再度の判断にて、当該書き込み及び/又は読み出しが正常になされなかったと判断された場合に、前記無線タグの故障に関する情報を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載の無線タグ処理装置である。
【0006】
請求項7に記載の発明は、電波の発信を行う発信部が一方向に沿って複数並べられた発信部群が当該一方向と交差する方向に複数列設けられ、媒体に設けられた無線タグに対して電波を発信する電波発信手段と、複数の前記発信部のうちの一部の発信部から電波を発信させるとともに、当該発信に際し、当該発信部が前記一方向において互いに隣り合わないようにし且つ当該発信部が前記一方向と交差する方向において互いに隣り合わないようにし、当該一部の発信部から電波を発信させた後、他の発信部から電波を発信させるとともに、当該発信に際し、当該発信部が当該一方向において互いに隣り合わないようにし且つ当該発信部が当該一方向と交差する方向において互いに隣り合わないようにする制御部と、を備える無線タグ処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記制御部は、前記一部の発信部から電波を発信させる際、互いに隣接する二つの前記発信部群のうちの一方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部と他方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部とが互い違いになるようにし、前記他の発信部から電波を発信させる際、当該一方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部と当該他方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部とが互い違いになるようにすることを特徴とする請求項7記載の無線タグ処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、無線タグに対する処理の処理効率の向上、および、無線タグに対し発信される電波の干渉の抑制を両立可能な無線タグ処理装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、他の発信部から電波の発信を行う際にも、処理効率を向上させることができ、また、電波の干渉を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、媒体を停止させない場合に比べ、無線タグへの情報の書き込みなどがより確実に行われるようになる。
請求項4の発明によれば、一部の発信部の故障に起因して装置全体が使用できなくなることを防止できる。
請求項5の発明によれば、判断手段による再度の判断の判断結果を利用することで、無線タグ処理装置および無線タグの何れが故障しているかを判別することができるようになる。
請求項6の発明によれば、無線タグ処理装置の故障に関する情報や無線タグの故障に関する情報をユーザに知らせることができるようになる。
請求項7の発明によれば、無線タグに対する処理の処理効率の向上、および、無線タグに対し発信される電波の干渉の抑制を両立可能な無線タグ処理装置を提供することができる。
請求項8の発明によれば、無線タグに対する処理の処理効率をさらに向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態における処理システムを示した概略構成図である。
【図2】画像形成装置によって画像形成がなされた後のシートを示した図である。
【図3】データサーバに格納される情報例を示した図である。
【図4】リーダ/ライタ装置を説明するための図である。
【図5】リーダ/ライタ装置を説明するための図である。
【図6】第1の抑制ユニットをシートとともに示した斜視図である。
【図7】第1の抑制ユニットをシートとともに示した平面図である。
【図8】第1の抑制ユニットおよび第2の抑制ユニットをベルト部材とともに示した斜視図である。
【図9】第1の抑制ユニット等を拡大して示した図である。
【図10】リーダ/ライタ装置の動作を示したフローチャートである。
【図11】識別情報の読み出し処理および詳細情報の書き込み処理を説明するための図である。
【図12】読み出し処理および書き込み処理の比較例を説明するための図である。
【図13】読み出し処理および書き込み処理の比較例を説明するための図である。
【図14】読み出し処理および書き込み処理の比較例を説明するための図である。
【図15】リーダ/ライタ部が故障した際の処理を示した図である。
【図16】リーダ/ライタ部が故障した際の処理を示した図である。
【図17】リーダ/ライタ部が故障した際に実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における処理システムを示した概略構成図である。
同図に示すように本システムでは、複数の無線タグT(以下、「タグT」と称する。)が埋め込まれたシートSに対して画像を形成する画像形成装置1、シートSに埋め込まれたタグTに対して情報を書き込み(ライト)又はタグTから情報を読み出す(リード)リーダ/ライタ装置2、タグTに書き込まれる情報やタグTから読み出された情報を格納するデータサーバ3が設けられている。また、情報の表示を行う表示パネル4aを備え、画像形成装置1における画像形成条件や、リーダ/ライタ装置2における各種条件、タグTに書き込まれる情報などを受け付けるコントローラ4が設けられている。なお、本実施形態におけるコントローラ4は、パーソナルコンピュータ(PC)により構成されている。
【0010】
本システムでは、まず、工場等から配送されてきたシートSの表面に対して、画像形成装置1によって画像が形成される。次いで、無線タグ処理装置の一例としてのリーダ/ライタ装置2にて、シートSに埋め込まれている複数のタグTの各々から、各タグTが有する固有の識別情報(識別番号:ユニーク番号(UID)とも称される)(以下、本明細書では「識別情報」と称する)が読み取られるとともに、各タグTに対して情報の書き込みが行われる。その後、シートSは、ユーザ等に納品等される。なお、本システム構成は、画像形成装置1とリーダ/ライタ装置2が別装置となっているが、一体型となっていてもよい。
【0011】
図2は、画像形成装置1によって画像形成がなされた後のシートSを示している。
同図(a)に示すように、媒体の一例としてのシートSは、矩形状に形成されたベース体B、および、このベース体Bから取り外し可能に設けられ複数のラベルL1〜L8(以下、「ラベルL」とも称する)により構成されている。複数のラベルL1〜L8の各々の裏面には接着剤が塗布されており、各ラベルLは、ベース体Bから取り外された後、例えば本(書籍)、DVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disc)に添付される。また、本実施形態における各ラベルLは、シートSの長手方向に4列、シートSの短手方向に2列で配置されている。付言すると、各ラベルLは、4行×2列で格子状に配置されている。
【0012】
なお、本実施形態では、画像形成装置1、リーダ/ライタ装置2において、シートSは、その短手方向に沿って搬送される。付言すると、矩形状に形成され長辺および短辺を有したシートSは、長辺が先端となった状態で搬送される。この場合、短辺を先端としてシートSが搬送される形態に比べ、単位時間に搬送可能なシートSの枚数を増やすことができる。ここで、シートSの搬送方向との関係でラベルLを説明すると、本実施形態におけるシートSには、シート搬送方向下流側に4つのラベルL5〜L8が、シート搬送方向上流側に4つのラベルL1〜L4が設けられている。
【0013】
また、本実施形態では、各ラベルLの内部にタグT1〜T8が埋め込まれている。ラベルL1を一例に説明すると、同図(b)に示すように、ラベルL1の内部にタグT1が埋め込まれている。なお、本実施形態におけるタグT1は、基本的な回路要素として、アンテナコイルTa、共振回路を構成するためのコンデンサ、および情報を記憶するためのICチップTcとを備えている。なお、コンデンサは、アンテナコイルTaに組み込まれる場合があり、また、ICチップTcに内蔵される場合がある。
【0014】
なお、タグTについては、従来から用いられているものを使用することができ、特に限定されるものではない。なお、タグTは、他に、RFIDタグ、ICタグ、非接触データキャリア、無線ICタグ、非接触IC、非接触ICラベル、非接触ICタグ等と称される場合がある。また、本実施形態におけるタグTは、電池を備えておらず、後述するリーダ/ライタ部からの電波で起電する所謂パッシブ型のものを用いている。但し、パッシブ型に限定されるものではなく、電池を搭載した所謂アクティブ型のタグを用いることもできる。
【0015】
ここで、画像形成装置1における画像の形成が終了すると、図2(a)に示す状態となる。なお、本実施形態では、ラベルLが図書館で貸し出される本に添付される場合を一例に説明する。画像形成装置1における画像の形成が終了すると、各ラベルLの表面に、例えば本の収蔵先となる図書館名、バーコード、バーコード情報を数字で示したものが印字される。また、シートSの短手方向における一側部に、このシートSを他のシートと識別するためのシート識別用バーコードBKが印字される。なお、タグTの用途は図書館の場合だけに限られない。例えば、レンタル店におけるレンタルDVDやレンタルビデオなどに添付することができる。また、各種工場、各種店舗等において、生産管理、在庫管理などに用いることができる。
【0016】
ここで、画像形成装置1は、データサーバ3に格納されている情報に基づき、シートSの表面に画像形成を行う。ここで、図3は、データサーバ3に格納される情報例を示している。データサーバ3には、同図に示すように、例えば、本の収蔵先となる図書館名34、バーコード情報35、本のタイトル36、出版社37、著者38等が、互いに関連付けられた状態で格納されている。さらに、本データサーバ3には、画像形成装置1にて画像が形成される際に、各画像の形成位置を示す位置情報(X,Y)33が格納されている。なお、各位置情報33も、図書館名34、バーコード情報35、本のタイトル36、出版社37、著者38等に関連付けられている。また、データサーバ3には、リーダ/ライタ装置2にて各タグTから読み出された識別情報が格納される(符号32参照)。なお、この識別情報も、図書館名34、バーコード情報35等に関連付けられて格納される。
【0017】
ここで、位置情報33により特定される各位置の位置関係は、シートSに配置された各ラベルL(各タグT)の位置関係に対応(一致)している。具体的には、位置情報(X1,Y1)はラベルL1に、位置情報(X1,Y2)はラベルL2に、位置情報(X1,Y3)はラベルL3に、位置情報(X1,Y4)はラベルL4に対応している。さらに、位置情報(X2,Y1)はラベルL5に、位置情報(X2,Y2)はラベルL6に、位置情報(X2,Y3)はラベルL7に、位置情報(X2,Y4)はラベルL8に対応している。
【0018】
例えば、位置情報33が(X1,Y1)である場合、画像形成装置1はラベルL1に対して画像形成を行い、例えば、位置情報33が(X2,Y3)である場合、画像形成装置1はラベルL7に対して画像形成を行う。なお、この位置情報33は、例えば、データサーバ3に図書館名34等の情報が格納される際に、データサーバ3によって自動的に割り振ることができる。また、コントローラ4によって割り振ることもできる。
【0019】
また、データサーバ3には、シートSを他のシートSと識別するためのシート識別番号が格納される(符号31参照)。本実施形態では、1枚のシートSに設けられたラベルLの数8に対応して、8件の情報毎に1つのシート識別番号が生成される。なお、このシート識別番号は、例えば、データサーバ3に図書館名34等が格納される際に、データサーバ3によって自動的に割り振ることができる。また、コントローラ4によって割り振ることもできる。
【0020】
ここで画像形成装置1の動作について説明する。
画像形成装置1は、シートSに画像形成を施す際、データサーバ3から、1シート分の情報を取得する。次いで、これらの情報をもとにシートSに対して形成する画像を生成する。より詳細には、画像形成装置1は、まず、バーコード情報35に基づきバーコードを生成するとともに、このバーコードと、バーコード情報35を数字として可視化したものと、文字列としての図書館名とを、予め設定してある関係で配置した画像を生成し、この画像を位置情報33に対応した位置に配置する。そして、画像形成装置1は、この処理を8件分行い、全体の画像を生成する。また、画像形成装置1は、シート識別番号31をもとにシート識別用バーコードBKを生成し、シート識別用バーコードBKと上記全体の画像とを併せた画像を生成する。
【0021】
そして、画像形成装置1は、この併せた画像を、予め定められた箇所に位置決めされているシートSに形成する。この結果、例えば、シートSのラベルL1には、「AA図書館」という文字列が印字される。また、ラベルL1には、図2(a)に示すように、「バーコード」、数字として可視化されたバーコード情報「123456789−1」が印字される。また、シートSの右端(シート搬送方向の一端部)には、シート識別番号「200707010001」(図3参照)がバーコード化されたシート識別用バーコードBKが印字される(図2(a)参照)。
【0022】
なお、本実施形態における画像形成装置1は、所謂電子写真方式を採用しており、図示しない露光装置を用い、各色の画像データに基づく静電潜像を例えば各色に対応して設けられた感光体ドラム上に形成する。その後、各色のトナーを用いて静電潜像を現像し、この現像により形成されたトナー像を、シートS上に転写する。その後、このトナー像をシートSに定着させる。これにより、情報が印字されたシートSが生成される。なお、画像形成装置1には、所謂インクジェット方式や、感熱紙を用いた方式なども採用することができる。
【0023】
次に、本実施形態では、リーダ/ライタ装置2にて、各タグTから識別情報が読み出される。また、各タグTに対して、図書館名34、バーコード情報35、本のタイトル36、出版社37、著者38に関する情報が書き込まれる。なお、本明細書においては、各タグTに書き込まれるこれらの情報を、以下「詳細情報」と称する。
【0024】
図4、図5は、リーダ/ライタ装置2を説明するための図である。
図4に示すように、本実施形態におけるリーダ/ライタ装置2は、装置本体部40、装置本体部40の上部に設けられ装置本体部40に対して開閉可能に取り付けられた開閉板41を備えている。また、リーダ/ライタ装置2は、複数枚のシートSが積載される積載部50、積載部50に積載された複数のシートSから装置本体部40の内部に向けてシートSを一枚ずつ送り出す一対の送り出しロール51が設けられている。
【0025】
また、送り出しロール51によって送り出されたシートSを搬送方向下流側に向けて更に搬送する一対の搬送ロール52、搬送ロール52から搬送されてきたシートSを更に搬送下流方向に向けて搬送する第1のベルトユニット53および第2のベルトユニット54、第1のベルトユニット53および第2のベルトユニット54によって搬送されてきたシートSを積載し収容する収容部57を備えている。さらに、本実施形態におけるリーダ/ライタ装置2は、シートSに埋め込まれたタグTから情報を読み出し、および、タグTに対して情報を書き込む複数のリーダ/ライタ部61〜68(図中61、68のみ表示)を有している。
【0026】
また、リーダ/ライタ装置2は、リーダ/ライタ部61〜68から発信された電波の干渉を抑制する第1の抑制ユニット71および第2の抑制ユニット72を備えている。さらに、リーダ/ライタ装置2には、シートSの搬送経路に沿って設けられ、シートSが通過した際に予め定められた出力を行う第1のセンサS1、第2のセンサS2、第3〜第6のセンサS3〜S6、第7のセンサS7が設けられている。
【0027】
ここで、第1のセンサS1は、搬送ロール52よりもシート搬送方向下流側に配置され、且つ後述するバーコードリーダBrによる読み取り位置よりもシート搬送方向上流側に配置されている。また、第2のセンサS2は、バーコードリーダBrによる読み取り位置よりもシート搬送方向下流側に、且つ第2のベルトユニット54よりもシート搬送方向上流側に配置されている。第3〜第6のセンサS3〜S6は、第2のセンサS2よりもシート搬送方向下流側に且つ第7のセンサS7よりもシート搬送方向上流側に配置されている。第7のセンサS7は、後述するニップ部Nよりもシート搬送方向下流側に配置されている。
【0028】
さらに、リーダ/ライタ装置2には、第1のセンサS1による検知領域よりもシート搬送方向下流側にて、シートSに形成されたシート識別用バーコードBKを読み取るバーコードリーダBrが設けられている。また、各部(各装置)の制御を行う制御部91と、データサーバ3やコントローラ4等との間で情報のやりとりを行う送受信部92とを備えている。
【0029】
ここで、搬送手段の一部として機能する第1のベルトユニット53は、無端状に形成されたベルト部材53aと、ベルト部材53aを内側から張架する第1〜第4の張架ロール53b,53c,53d,53eと、ベルト部材53aを外側から押圧しベルト部材53aに対して張力を付与するテンションロール53fとを備えている。本実施形態では、第1〜第4の張架ロール53b,53c,53d,53eが互いに離れた状態で配置され、且つ、これら4本の張架ロールが矩形形状(長方形)における各頂点に配置されるように設けられている。
【0030】
さらに説明すると、第1の張架ロール53bは、シート搬送方向上流側に且つシート搬送経路側に配置され、第2の張架ロール53cは、シート搬送方向上流側に且つシート搬送経路から離れた側に配置されている。また、第3の張架ロール53dは、シート搬送方向下流側に且つシート搬送経路から離れた側に配置され、第4の張架ロール53eは、シート搬送方向下流側に且つシート搬送経路側に配置されている。本実施形態では、各張架ロール53b,53c,53d,53eがこのように配置される結果、ベルト部材53aの内側に、第1の抑制ユニット71が収容される空間が形成される。
【0031】
第2のベルトユニット54は、第1のベルトユニット53の上方(対向位置)に配置されている。また、第2のベルトユニット54は、第1のベルトユニット53に対して押圧配置され、第1のベルトユニット53との間に、シートSが上下から挟まれながら搬送されるニップ部N(図5参照)を形成する。ここで、第2のベルトユニット54は、無端状に形成されたベルト部材54aと、ベルト部材54aを内側から張架する第1〜第4の張架ロール54b,54c,54d,54eとを備えている。なお、本実施形態におけるベルト部材54aおよび上記ベルト部材53aは、後述するアンテナ61a〜68aから発信される電波を遮蔽しない材質(例えば、ゴム部材)で形成されている。
【0032】
第2のベルトユニット54においても、第1〜第4の張架ロール54b,54c,54d,54eは互いに離れた状態で配置され、且つ、これら4本の張架ロールは、矩形形状(長方形)における各頂点に配置されるように設けられている。このため、第2のベルトユニット54においても、ベルト部材54aの内側に、第2の抑制ユニット72が収容される空間が形成される。また、上記ニップ部Nは、ベルト部材53aにおける平坦部とベルト部材54aにおける平坦部とが接触することにより形成される。このため、ニップ部Nにおける搬送路は、平坦状となる。
【0033】
さらに、第2のベルトユニット54および第2の抑制ユニット72は、図5に示すように、開閉板41の開閉に連動して(随伴して)、第1のベルトユニット53および第1の抑制ユニット71から離れるように移動可能に設けられている。このため、シート搬送経路の開放が可能となり、シート搬送経路にてシートSの詰まり(ジャム)などが発生した際に、詰まったシートSを簡易に取り除くことができる。
【0034】
ここで、図6、図7を用いて第1の抑制ユニット71について説明する。なお、図6は、第1の抑制ユニット71をシートSとともに示した斜視図であり、図7は、第1の抑制ユニット71をシートSとともに示した平面図である。
【0035】
図6に示すように、本実施形態における第1の抑制ユニット71は、シートSが搬送される側に開口を備えるとともに、箱状(直方体状)に形成されている。また、第1の抑制ユニット71は、シートSの搬送経路の一方側に配置されている。さらに、第1の抑制ユニット71は、シートSの搬送方向に沿って形成された第1の側壁71aと、この第1の側壁71aの対向位置に配置された第2の側壁71bと、シートSの搬送方向に直交する方向に沿って形成された第3の側壁71cと、同じくシートSの搬送方向に直交する方向に沿って形成された第4の側壁71dと、底部71eとを備えている。
【0036】
さらに、第1の抑制ユニット71は、内部空間をシート搬送方向において2つに仕切る第1の仕切部材71kと、シート搬送方向に直交する方向において内部空間を4つに仕切る第2の仕切部材71f、第3の仕切部材71g、第4の仕切部材71hを備えている。
この結果、本実施形態における第1の抑制ユニット71は、シートSの搬送経路側に設けられた開口を除き閉塞された閉塞空間H1〜H8が格子状に設けられた状態となっている。
【0037】
なお、本実施形態における閉塞空間H1〜H8の各々は、搬送されてきたシートSが第1の抑制ユニット71の対向位置に配置(停止)された際に、シートSに設けられた各タグTに対向するように配置されている。また、本実施形態では、閉塞空間H1〜H8のそれぞれに、タグTに対して情報を書き込み又はタグTから情報を読み出すリーダ/ライタ部61〜68が設けられている。
【0038】
ここで、電波発信手段の一例としてのリーダ/ライタ部61〜68の各々には、従来から用いられているものを使用することができ、特に限定されるものではない。本実施形態におけるリーダ/ライタ部61〜68の各々は、発信部の一例としてのアンテナ61a〜68aと、アンテナにて受信した信号を復調する不図示の復調回路、送信する情報を変調しアンテナに対して出力する変調回路、復調回路および変調回路を制御する制御部とを備えている。
【0039】
なお、本実施形態におけるアンテナ61a〜68aは、シートSに埋め込まれた各タグTの配置関係に対応して(一致させて)設けられており、その配置態様が格子状になっている。また、本実施形態におけるアンテナ61a〜68aの各々は、上記位置情報33により特定される各位置の位置(配置)関係に対応(一致)した関係で配置されている。さらに説明すると、本実施形態は、シートSの搬送方向と直交する一方向に沿って4個のアンテナが並べられることでアンテナ群(発信部群の一例)が形成されるとともに、このアンテナ群が上記一方向と交差する方向(上記一方向と直交する方向、シートSの搬送方向)に複数列(本実施形態では2列)設けられた構成となっている。
【0040】
さらに、本実施形態におけるアンテナ61a〜68aの各々は、タグT1〜T8の各々に対して並行して(同時に)情報が書き込めるように、また、タグT1〜T8の各々から並行して(同時に)情報が読み出されるように配置されている。なお、この「並行(同時)」という文言は、アンテナ61a〜68aの配置態様を説明するために用いているものであり、実際の書き込みや読み出しは、アンテナ61a〜68aを非同時に動作させて各タグTに対する情報の書き込みを行うなど、並行以外の態様で行うことができる。
【0041】
また、本実施形態では、リーダ/ライタ部61にて読み取られた情報は、上記位置情報(X1,Y1)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納されるように設定されている。また、リーダ/ライタ部62にて読み取られた情報は、上記位置情報(X1,Y2)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。同様に、リーダ/ライタ部63にて読み取られた情報は、位置情報(X1,Y3)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納され、リーダ/ライタ部64にて読み取られた情報は、位置情報(X1,Y4)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。
【0042】
また、リーダ/ライタ部65にて読み取られた情報は、位置情報(X2,Y1)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納され、リーダ/ライタ部66にて読み取られた情報は、位置情報(X2,Y2)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。さらに、リーダ/ライタ部67にて読み取られた情報は、位置情報(X2,Y3)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納され、リーダ/ライタ部68にて読み取られた情報は、位置情報(X2,Y4)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。
【0043】
さらに説明すると、例えば、リーダ/ライタ部61にてタグTから識別情報が読み出された場合、この読み出された識別情報は、位置情報(X1,Y1)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。また、例えば、リーダ/ライタ部67にてタグTから識別情報が読み出された場合、この読み出された識別情報は、位置情報(X2,Y3)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。
【0044】
さらに、本実施形態では、位置情報(X1,Y1)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部61に出力され、位置情報(X1,Y2)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部62に出力されるように設定されている。また、位置情報(X1,Y3)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部63に出力され、位置情報(X1,Y4)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部64に出力される。また、位置情報(X2,Y1)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部65に出力され、位置情報(X2,Y2)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部66に出力される。さらに、位置情報(X2,Y3)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部67に出力され、位置情報(X2,Y4)に関連付けられた詳細情報はリーダ/ライタ部68に出力される。
【0045】
このため、例えば、位置情報(X1,Y1)に関連付けられている図書館名34、バーコード情報35、本のタイトル36等の詳細情報(図3参照)は、リーダ/ライタ部61に出力され、例えば、位置情報(X2,Y3)に関連付けられている図書館名34、バーコード情報35、本のタイトル36等の詳細情報は、リーダ/ライタ部67に出力される。
【0046】
ここで、第1の抑制ユニット71、第2の抑制ユニット72に用いられる材料としては、ステンレス、真鍮、アルミニウム、銅、金などが挙げられる。また、第1の抑制ユニット71、第2の抑制ユニット72は、主要部を樹脂材料で形成しておき、この主要部の表面等に、板状や泊状に形成したこれらの材料を添付等することができる。このような構成の場合、第1の抑制ユニット71および第2の抑制ユニット72はより軽量となる。
【0047】
また本実施形態では、上記閉塞空間H1〜H8の各々は、平面視における形状が矩形状となっている。換言すれば、閉塞空間H1〜H8の各々は、開口部における形状が矩形状となっている。さらに説明すると、閉塞空間H1〜H8の各々は、開口部における形状がシート搬送方向に延びるような形状で形成されている。さらに説明すると、閉塞空間H1〜H8の各々は、シート搬送方向に直交する方向における長さB(図6参照)よりも、シート搬送方向に沿う方向の長さAの方が大きく形成されている。
【0048】
詳細は後述するが、本実施形態では、シートSは、第1の抑制ユニット71の対向位置にて停止される。この際、シート搬送方向においてシートSがずれて停止される場合がある。本実施形態のような形状とすることで、シートSがずれて停止されたとしても、リーダ/ライタ部61〜68による書き込みや読み出しがなされるようになる。
【0049】
なお、本実施形態では、開口部が、矩形状に形成された例を説明したが、円筒状や楕円状に形成することもできる。なお、楕円状とする場合は、長軸をシートSの搬送方向に沿うように配置することが望ましい。さらに、本実施形態における閉塞空間H1〜H8の各々は、直方体状となっているが。カップ状、ドーム状、四角錐、三角錐などの形状とすることができる。これらの形状とした場合、開口部から離れるに従い、その外径が小さくなるため装置の小型化を図ることができる。
【0050】
なお、図6においては、上記第2のセンサS2による検知領域S2k、および、第3〜第6のセンサS3〜S6による検知領域S3k〜S6kを併せて図示している。第3〜第6のセンサS3〜S6は、シート搬送方向に直交する方向において予め定められた間隔で配置されており、検知結果は、シートSがスキュー等しているか否かの判断に用いられる。また、第2のセンサS2は、第1の抑制ユニット71よりも上流側に配置されており、この第2のセンサS2の検知結果に基づき、シートSは第1の抑制ユニット71の対向位置に配置される。
【0051】
ここで例えば、図7に示すように、A4サイズのシートSが、第2のセンサS2(検知領域はS2k)によって検知された場合、予め定められた時間経過後、第1のベルトユニット53(不図示の駆動モータ)の駆動が停止され、このA4サイズのシートSは、第1の抑制ユニット71の対向位置に配置される。より詳細には、シートSは、シートSにおける各タグTが閉塞空間H1〜H8の各々に対向するように配置される。
【0052】
図8は、第1の抑制ユニット71および第2の抑制ユニット72をベルト部材53aとともに示した斜視図である。なお、本図においては、ベルト部材54aの図示を省略している。第2の抑制ユニット72は、内部にリーダ/ライタ部61〜68が設けられていない点、および高さ寸法T(シート搬送方向に直交する方向における長さ)が第1の抑制ユニット71における高さ寸法Sよりも小さい点を除き、第1の抑制ユニット71と同様に構成されている。そして、このように構成された第2の抑制ユニット72は、開口部が第1の抑制ユニット71の開口部に対向するように配置される。また第2の抑制ユニット72は、自身が有する閉塞空間H1〜H8(不図示)と第1の抑制ユニット71が有する閉塞空間H1〜H8とが対向するように配置される。
【0053】
この結果、本実施形態では、第1の抑制ユニット71における第1の仕切部材71k、第2の仕切部材71f、第3の仕切部材71g、および第4の仕切部材71h(図6参照)と、第2の抑制ユニット72における第1の仕切部材72k(図9(a)参照)、不図示の第2の仕切部材、第3の仕切部材、第4の仕切部材とが互いに対向する関係となる。
【0054】
また、本実施形態におけるベルト部材53a(ベルト部材54aも同様)は、図8に示すように、その幅寸法W2が、シートSの長手方向における長さLよりも小さく形成され、シートSの一部に対して重なるように形成されている。このようにベルト部材53aの幅を狭めることで装置全体の軽量化、小型化が図られている。さらに、ベルト部材53aの幅寸法W2は、検知領域S4k(図7参照)と検知領域S5kとの間をベルト部材53aが通過可能な値に設定されている。これにより、第3〜第6のセンサS3〜S6によるシートSの検知がベルト部材53aによって妨げられることが抑制される。
【0055】
ここで、図9は、第1の抑制ユニット71等を拡大して示したものである。
同図(a)に示すように、本実施形態における各アンテナ61a〜68a(本図では、アンテナ64a、アンテナ68aを例示)は、第1の抑制ユニット71の開口部側における端部(上端部)よりも底部71e側に配置された状態となっている。換言すれば、各アンテナ61a〜68aは、各閉塞空間H1〜H8(本図では、閉塞空間H4,H8を例示)の内部に配置された状態となっている。さらに説明すると、各アンテナ61a〜68aは、開口部よりもシート搬送経路から離れた側に設けられている。さらに説明すると、アンテナ64aとアンテナ68aとの間に、アンテナ64a等から発信される電波を遮蔽する第1の仕切部材71kが設けられた状態となっている。
【0056】
なお、同図(b)に示すように、各アンテナ61a〜68aを第1の抑制ユニット71における端部に揃えて配置することもできる。ただしこの場合、各アンテナ61a〜68aから発信された電波が干渉しやすくなり、タグT1〜T8から情報を読み出せなくなるおそれがある。ここで、同図(a)に示したように、各アンテナ61a〜68aを、第1の抑制ユニット71の開口側における端部よりも底部71e側に配置した場合、上記電波の干渉が生じにくくなる。
【0057】
なお、電波の干渉は、ベルト部材53a、54aよりも第1の抑制ユニット71側においてのみ生じるわけではなく、第1の抑制ユニット71の対向位置においても生じるおそれがある。このため、本実施形態では、第1の抑制ユニット71の対向位置に第2の抑制ユニット72を設ける構成としている。これにより、第1の抑制ユニット71の対向位置においても電波の干渉が抑制され、第2の抑制ユニット72が設けられない構成に比べ、タグTからの情報の読み出し、書き込みがより確実に行われるようになる。
【0058】
ここで、リーダ/ライタ装置2の動作について説明する。
ここで、図10は、リーダ/ライタ装置2の動作を示したフローチャートである。
不図示のスタートボタンが押圧されたことを検知した制御部91は、まず、不図示の駆動モータを回転駆動させることで、送り出しロール51、搬送ロール52、第4の張架ロール53eを回転駆動させ、積載部50に積載されたシートSの搬送を開始する。(ステップ101)。なお、制御部91は、CPU(Central Processing Unit)、制御用のプログラム等が格納される不図示のROM(Read Only Memory)、およびCPUの作業用のメモリである不図示のRAM(Random Access Memory)によって実現されている。
【0059】
次いで、制御部91は、第1のセンサS1にてシートSが検知されると、シートSに印刷されたシート識別用バーコードBKをバーコードリーダBrに読み取らせ、シート識別番号を取得する(ステップ102)。次いで、制御部91は、シートSの搬送状態を把握し、シートSの搬送に異常があるか否かを判断する(ステップ103)。具体的には、制御部91は、第3〜第6のセンサS3〜S6による検知結果に基づき、スキュー(搬送方向に対するシートSの傾き)などのシートSの搬送異常があるか否かを判断する。
【0060】
制御部91は、ステップ103にて搬送異常があると判断した場合、駆動モータの回転駆動を停止し、シートSの搬送を停止する(ステップ111)。なお、このシートSの搬送停止に関する情報はコントローラ4に出力され、コントローラ4が表示パネル4a上にエラー表示を行い(ステップ112)、処理を終了する。なお、エラー表示については、リーダ/ライタ装置2に表示パネルを設け、この表示パネルに表示することもできる。
【0061】
一方、制御部91は、ステップ103にて搬送異常があると判断しなかった場合、駆動モータの回転駆動を停止し、シートSの搬送を停止する(ステップ104)。なお、この停止処理は、第2のセンサS2にてシートSが検知されてから予め定められた時間経過後に実行される。この結果、シートSは、第1の抑制ユニット71と第2の抑制ユニット72との間の予め定められた箇所にて停止される。詳細には、シートSは、各タグT1〜T8が各閉塞空間H1〜H8の対向位置に配置されるように停止される。
【0062】
次いで、制御部91は、リーダ/ライタ部61〜68を介し、各ラベルL1〜L8に埋め込まれたタグT1〜T8から識別情報を読み出す(ステップ105)。その後、制御部91は、送受信部92(図4参照)を介し、ステップ105にて読み出した各識別情報をデータサーバ3に出力する(ステップ106)。これにより識別情報がデータサーバ3に格納される。
【0063】
なお、上述のとおり、例えば、リーダ/ライタ部61にてタグTから識別情報が読み出された場合、この読み出された識別情報は、位置情報(X1,Y1)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。また、例えば、リーダ/ライタ部67にてタグTから識別情報が読み出された場合、この読み出された識別情報は、位置情報(X2,Y3)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。
【0064】
また、制御部91は、ステップ103にて搬送異常があると判断しなかった場合、上記ステップ104〜106の動作と並行して、下記の動作を行う。まず、制御部91は、送受信部92を介し、ステップ102にて取得したシート識別番号をデータサーバ3に送信する(ステップ109)。これにより、データサーバ3から、シート識別番号に応じた8件分の詳細情報が送信され、送信されてきたこの詳細情報が送受信部92にて受信される(ステップ110)。
【0065】
その後、送受信部92にて受信された8件分の詳細情報が、各リーダ/ライタ部61〜68に対し出力される。具体的に説明すると、例えば位置情報(X1,Y1)に関連付けられている図書館名34、バーコード情報35、本のタイトル36等の詳細情報は、リーダ/ライタ部61に出力され、例えば、位置情報(X2,Y3)に関連付けられている図書館名34、バーコード情報35、本のタイトル36等の詳細情報は、リーダ/ライタ部67に出力される。
【0066】
次いで、各リーダ/ライタ部61〜68が、各ラベルL1〜L8に埋め込まれた各タグT1〜T8に対して、受信した詳細情報の書き込みを実行する(ステップ107)。その後、制御部91が、駆動モータの回転駆動を再開することでシートSの搬送を再開し、シートSを機外に排出し(ステップ108)、処理を終了する。
【0067】
本実施形態では、ステップ108の処理が終了した後、各タグTに対し詳細情報が書き込まれた状態となる。また、データサーバ3には、詳細情報と、この詳細情報が書き込まれたタグTの識別情報とが互いに関連付けられて格納された状態となる。このため、各ラベルLを貸し出される本に添付するとともに、データサーバ3内の情報を図書館等における管理端末に移せば、RFIDを用いた管理システムを構築することができる。この結果、従来のバーコード等による処理に比べ、貸し出し処理、返却処理などの処理をスムーズに行うことができるようになる。なお、本実施形態では、データサーバ3の情報を管理端末に移す例を説明したが、図書館における端末からデータサーバ3にアクセスする構成を採用することもできる。また、データサーバ3自体を図書館に移すことも可能である。
【0068】
ここで上記ステップ105にて実行される識別情報の読み出し処理、および、ステップ107にて実行される詳細情報の書き込み処理についてさらに詳細に説明する。
図11は、識別情報の読み出し処理および詳細情報の書き込み処理を説明するための図である。本実施形態においては、上記にて説明したように、また、図11(a)に示すように、第1の抑制ユニット71に向けてシートSが搬送される。その後、同図(b)に示すように、また、上記にて説明したように、シートSに設けられたタグT1〜T8の各々と、第1の抑制ユニット71に設けられたリーダ/ライタ部61〜68の各々とが対向するように、シートSの搬送が停止される。なお、同図(b)では、図を見やすくするため、シートSに設けられたタグT1〜T8の図示を省略している。
【0069】
その後、本実施形態では、同図(b)の太い破線で示すように、8つ設けられたリーダ/ライタ部61〜68のうちの4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67を動作させ、タグT2,T4,T5,T7からまず識別情報を読み出す。次いで、再び、4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67を動作させ、タグT2,T4,T5,T7に対して詳細情報を書き込む。
【0070】
付言すると、本実施形態では、4行×2列で格子状に配置された8つのリーダ/ライタ部61〜68のうちの、千鳥状に配置された(互い違いに配置された)4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67をまず動作させて、千鳥状に配置されている4つのタグT2,T4,T5,T7から識別情報を読み出し、次いで、この4つのタグT2,T4,T5,T7に対して、詳細情報を書き込む。付言すると、本実施形態では、リーダ/ライタ部62,64,65,67を動作させることで、電波が発信されるアンテナがシートSの搬送方向と直交する方向おいて互いに隣り合わないようにし、また、電波が発信されるアンテナがシートSの搬送方向において互いに隣り合わないようにしている。
【0071】
その後、本実施形態では、同図(c)の太い破線で示すように、上記4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67とは異なる4つのリーダ/ライタ部61,63,66,68を動作させ、タグT1,T3,T6,T8から識別情報を読み出す。次いで、再び、リーダ/ライタ部61,63,66,68を動作させ、タグT1,T3,T6,T8に対して詳細情報を書き込む。付言すると、この場合も、8つのリーダ/ライタ部61〜68のうちの、千鳥状に配置されている4つのリーダ/ライタ部61,63,66,68を動作させ、4つのタグT1,T3,T6,T8の各々から識別情報を読み出す。次いで、この4つのタグT1,T3,T6,T8へ詳細情報を書き込む。さらに説明すると、この場合も、電波が発信されるアンテナがシートSの搬送方向と直交する方向おいて互いに隣り合わないようにし、また、電波が発信されるアンテナがシートSの搬送方向において互いに隣り合わないようにしている。
【0072】
ここで本実施形態における構成では、第1の抑制ユニット71等が設けられているが、電波の強度や第1の抑制ユニット71と第2の抑制ユニット72の隙間量などによっては、各アンテナ61a〜68aから発信された電波が干渉し、タグT1〜T8から識別情報を読み出せなくなったり、タグT1〜T8への詳細情報の書き込みができなくなったりするおそれがある。このため、本実施形態では、8つのリーダ/ライタ部61〜68を同時に動作させるのではなく、千鳥状に配置されている(互い違いに配置されている)4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67をまず動作させ、次いで、同じく千鳥状に配置されている4つのリーダ/ライタ部61,63,66,68を動作させるようにしている。
【0073】
ここで例えば8つのリーダ/ライタ部61〜68を同時に動作させて読み出しおよび書き込みを行う場合、格子状に配置された8つのリーダ/ライタ部61〜68のうちの、列方向又は行方向において互いに隣接する2つのリーダ/ライタ部からの電波が干渉しやすくなる。本実施形態のように千鳥状に配置されたリーダ/ライタ部を動作させる場合は、電波を発信するリーダ/ライタ部同士の間隔が拡がり、電波の干渉が生じにくくなる。また本実施形態における構成では、後述するように、電波の発信回数が抑えられ生産性の低下も抑制される。
【0074】
なお、8つのリーダ/ライタ部61〜68を同時に動作させて読み出しおよび書き込みができない場合に限り、上記のように、千鳥状に配置されている4つのリーダ/ライタ部を動作させる処理とすることもできる。電波の出力強度などによっては電波の干渉が生じず、8つのリーダ/ライタ部61〜68を同時に動作させることができる場合があり、このような場合に一律に4つのリーダ/ライタ部を用いる処理を行うと生産性が低下してしまう。このため、上記のとおり、8つのリーダ/ライタ部61〜68を同時に動作させて読み出しおよび書き込みができない場合に、千鳥状に配置されている4つのリーダ/ライタ部を動作させる処理とすることもできる。なお読み出しが正常に出来たか否かの判断の手法、および、書き込みが正常に出来たか否かの判断の手法については後述する。
【0075】
また、タグT1〜T8の各々に書き込まれる8つの詳細情報を、情報量の大小を基準に2つの群(グループ)に分け、情報量が少ない方の群に含まれる4つの詳細情報を、上記4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67をまず動作させて、タグT2,T4,T5,T7に対して書き込み、次いで、情報量が大きい方の群に含まれる4つの詳細情報を、上記4つのリーダ/ライタ部61,63,66,68を動作させて、タグT1,T3,T6,T8に対して書き込む処理を行うこともできる。ここでこの場合、1回目に書き込みを行う上記4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67の動作時間を短いものとすることができ、全体の生産性が向上する。
【0076】
付言すると、この場合、情報量が少ない方の群に含まれる4つの詳細情報を書き込む際の上記4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67の動作時間は、情報量が4番目に少ない詳細情報を書き込むのに要する時間となる。ここで、上記のように2つの群に分けない場合は、1回目に書き込みを行う4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67にて、例えば情報量が2番目に多い詳細情報が書き込まれる場合が生じうる。そしてこの場合、リーダ/ライタ部62,64,65,67の動作時間が、この情報量が多い詳細情報を書き込むのに要する時間となり、上記4番目に少ない詳細情報を書き込む場合に比べ、リーダ/ライタ部62,64,65,67の動作時間が長くなる。そしてこの場合、全体の生産性が低下する。
【0077】
なお、8つの詳細情報を2つの群に分ける処理は、例えば、データサーバ3により行われる。また上記では、情報量が少ない方の群に含まれる4つの詳細情報が、情報量が多い方の群に含まれる4つの詳細情報よりも先に書き込まれる場合を例示したが、情報量が少ない方の群に含まれる4つの詳細情報を、情報量が多い方の群に含まれる4つの詳細情報よりも後に書き込むこともできる。
【0078】
また、上記では、リーダ/ライタ部61〜68が4行2列で配置された場合を説明したが、リーダ/ライタ部は、例えば2行4列や、2行2列、4行4列などで配置することもできる。そしてこのような場合であっても、上記のように千鳥状に配置されたリーダ/ライタ部を2回に分けて動作させることで、全てのタグTへの処理が可能となる。
【0079】
図12〜図14は、読み出し処理および書き込み処理の比較例を説明するための図である。
例えば、図12(a)に示すように、4つのリーダ/ライタ部61〜64をシートSの搬送方向と直交する方向に並べて設けた構成とすることもできる。そして、例えば、4つのリーダ/ライタ部61〜64を一つずつ動作させることで、読み出し処理および書き込み処理を行うことができる。
【0080】
具体的に説明すると、まず、リーダ/ライタ部61〜64と、シートSのタグT5〜T8とが対向するように、搬送したシートSを一旦停止させる。その後、図14(b)にも示すように、リーダ/ライタ部61〜64を順次動作させ、タグT5〜T8の各々に対し、順番に、読み出し処理および書き込み処理を行っていく。次いで、シートSの搬送を再度行うとともに(図14(b)の符号14A参照)、リーダ/ライタ部61〜64と、シートSのタグT1〜T4とが対向するように、搬送したシートSを停止させる。その後、図14(b)にも示すように、リーダ/ライタ部61〜64を順次動作させ、タグT1〜T4の各々に対し、順番に、読み出し処理および書き込み処理を行っていく。
【0081】
図12(a)および14(b)にて示す比較例では、リーダ/ライタ部61〜64を一つずつ動作させていくため、電波の干渉が確実に防止される。その一方で、リーダ/ライタ部61〜64の動作を合計で8回(読み出し処理が8回、書き込み処理が8回)行う必要が生じてしまう。またこの比較例では、符号14Aを用いて示したとおり、シートSの搬送が一回必要となる。
【0082】
その一方で、本実施形態における処理では、図14(a)に示すように、また、上記にて説明したように、リーダ/ライタ部61〜68の動作が2回で済む(読み出し処理が2回、書き込み処理が2回)。また本実施形態における処理では、リーダ/ライタ部62,64,65,67による処理が終了した後、シートSを搬送せずに、リーダ/ライタ部61,63,66,68による処理が行われる。このため、本実施形態における構成では、図12(a)にて示した比較例に比べ、読み出し処理および書き込み処理が短い時間で行われるようになる。また本実施形態における処理では、シートSの搬送を途中で行わずに、タグT1〜T8の8つのタグTに対する書き込み処理等が行われる。このため本実施形態の構成の場合、上記の比較例に比べ、搬送系の駆動回数が減り装置の寿命が延びるようになる。
【0083】
なお図12(a)にて示した比較例では、上記のとおり、4つのリーダ/ライタ部61〜64を一つずつ動作させていったが、このような態様以外に、例えば図14(c)に示すように、リーダ/ライタ部を一つおきに且つ2つのリーダ/ライタ部を同時に動作させることもできる。具体的には、図14(c)に示すように、リーダ/ライタ部61およびリーダ/ライタ部63をまず動作させ、次いで、リーダ/ライタ部62およびリーダ/ライタ部64を動作させる。これによりタグT5〜T8からの識別情報の読み出し、および、タグT5〜T8への詳細情報の書き込みが行われる。次いで、符号14Bに示すようにシートSの搬送が行われる。
【0084】
その後、上記と同様、リーダ/ライタ部61およびリーダ/ライタ部63を動作させ、次いで、リーダ/ライタ部62およびリーダ/ライタ部64を動作させる。これによりタグT1〜T4からの識別情報の読み出しおよびタグT1〜T4への詳細情報の書き込みが行われる。本比較例における処理では、リーダ/ライタ部61〜64を一つずつ動作させる上記の比較例に比べ、リーダ/ライタ部61〜64の動作回数は減る。しかしながら、本実施形態の構成に比べると、リーダ/ライタ部61〜64の動作回数は多くなる。
【0085】
他の比較例を説明する。
図12(b)に示すように、8つのリーダ/ライタ部61〜68を設ける構成とすることもできる。即ち本実施形態と同様に、8つのリーダ/ライタ部61〜68を設ける構成とすることができる。そして、タグT1〜T8からの読み出し処理および書き込み処理については、上記にて説明した比較例と同様、リーダ/ライタ部61〜68を一つずつ動作させることで行うことができる。ここで、この比較例では、8つのタグT1〜T8に対応して8つのリーダ/ライタ部61〜68が設けられているため、シートSの搬送を行わずに8つのタグT1〜T8に対する処理を行うことができるが、上記と同様、リーダ/ライタ部61〜64の動作を合計で8回(読み出しが8回、書き込みが8回)行う必要がある。
【0086】
また、図12(b)に示す比較例では、上記と同様、リーダ/ライタ部を一つおきに且つ2つのリーダ/ライタ部を同時に動作させることもできる。具体的には、リーダ/ライタ部61およびリーダ/ライタ部63をまず動作させ、次いで、リーダ/ライタ部62およびリーダ/ライタ部64を動作させる。これによりタグT1〜T4に対する処理が行われる。その後、リーダ/ライタ部65およびリーダ/ライタ部67を動作させ、次いで、リーダ/ライタ部66およびリーダ/ライタ部68を動作させる。これによりタグT5〜T8に対する処理が行われる。ここでこの比較例では、リーダ/ライタ部61〜68の動作を合計で4回(読み出しが4回、書き込みが4回)行う必要がある。
【0087】
他の比較例をさらに説明する。
図13に示す比較例では、上記8つのリーダ/ライタ部61〜68のうちの4つのリーダ/ライタ部が省略され、千鳥状に配置された4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67が設けられた構成となっている。この構成では、まず、タグT6とリーダ/ライタ部62とが対向するように、また、タグT8とリーダ/ライタ部64とが対向するように、搬送したシートSを停止させる。その後、図14(d)に示すように、リーダ/ライタ部62およびリーダ/ライタ部64を動作させる。これによりタグT6,T8に対する処理が行われる。
【0088】
次いで、図14(d)の符号14Cに示すように、シートSの搬送を行うとともに、リーダ/ライタ部62,64,65,67と、タグT2,T4,T5,T7とが対向するように、シートSを停止させる。次いで、リーダ/ライタ部62,64,65,67を動作させる。これにより、タグT2,T4,T5,T7に対する処理が行われる。その後、符号14Dに示すように、シートSの搬送を再度行うとともに、リーダ/ライタ部65,67と、タグT1,T3とが対向するようにシートSを停止させる。
【0089】
次いで、リーダ/ライタ部65,67を動作させる。これにより、タグT1,T3に対する処理が行われる。ここでこの比較例では、4つのリーダ/ライタ部62,64,65,67が千鳥状に配置されているため、電波の干渉が生じにくくなっているが、図14(d)に示すように、読み出し処理および書き込み処理を3回行う必要が生じ、またシートSの搬送を2回行う必要が生じる。
【0090】
ところで、8つ設けられたリーダ/ライタ部61〜68の何れかが故障する場合がある。このような場合、本実施形態では以下のような処理を行う。
図15および図16は、リーダ/ライタ部が故障した際の処理を示した図である。なお図15では、リーダ/ライタ部61が故障した際の処理例を示し、図16では、リーダ/ライタ部67が故障した際の処理例を示している。
【0091】
本実施形態では、上記にて説明したように、また、図15(a)に示すように、リーダ/ライタ部61〜68に向けて上流側からシートSが搬送されてくる。その後、同図(b)に示すように、リーダ/ライタ部61〜68とタグT1〜T8とが対向するようにシートSの搬送が停止される。その後、リーダ/ライタ部61を除いた、リーダ/ライタ部62〜68が動作する(図中、太い破線参照)。詳細には、リーダ/ライタ部62,64,65,67の4つのリーダ/ライタ部が動作し、次いで、リーダ/ライタ部63,66,68の3つのリーダ/ライタ部が動作する。
【0092】
ここで本例では、リーダ/ライタ部61が動作しないため、タグT1に対する処理ができなくなっている。このような場合、本実施形態では、図15(c)に示すように、シートSを下流側へ搬送し、タグT1と、リーダ/ライタ部65とを対向させる。次いで、リーダ/ライタ部65が動作し、タグT1に対する読み出し処理および書き込み処理が行われる。この結果、本実施形態では、リーダ/ライタ部61が故障していても、タグT1に対する処理が行われるようになる。なお、このように、リーダ/ライタ部65によってタグT1に対する処理が行われる場合、リーダ/ライタ部65により読み出された識別情報は、位置情報(X1,Y1)(図3参照)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。また、位置情報(X1,Y1)に関連付けられた詳細情報がリーダ/ライタ部65に対して出力される。
【0093】
また、図16(a)に示すように、リーダ/ライタ部67が故障し、タグT7に対する読み出し処理および書き込み処理ができない場合には、図16(b)、(c)に示すように、シートSを上流側へ搬送し、タグT7と、リーダ/ライタ部63とを対向させる。次いで、リーダ/ライタ部63が動作し、タグT7に対する読み出し処理および書き込み処理が行われる。この結果、リーダ/ライタ部67が故障していても、タグT7に対する処理が行われるようになる。なおこの場合、リーダ/ライタ部63により読み出された識別情報は、位置情報(X2,Y3)(図3参照)に関連付けられた詳細情報に関連付けられてデータサーバ3に格納される。また、位置情報(X2,Y3)に関連付けられた詳細情報がリーダ/ライタ部63に対して出力される。
【0094】
図17は、リーダ/ライタ部が故障した際に実行される処理を説明するためのフローチャートである。
まず、本実施形態では、上記にて説明したように、リーダ/ライタ部61〜68と、シートSのタグT1〜T8とが対向するように、上流側から搬送されてきたシートSが予め定められた箇所にて停止される。次いで、タグT1〜T8からの識別情報の読み出し、および、タグT1〜T8に対する詳細情報の書き込みが行われる(ステップ201)。なおこの読み出し処理および書き込み処理に際しては、上記にて説明したように、まず、リーダ/ライタ部62,64,65,67が動作し、次いで、リーダ/ライタ部61,63,66,68が動作する。
【0095】
次いで、判断手段の一例としての制御部91が、タグT1〜T8からの識別情報の読み出しおよびタグT1〜T8への詳細情報の書き込みが正常にできたか否かを判断する(ステップ202)。ここで、識別情報の読み出しができたか否かは、例えば、得られた情報の情報量が予め定められた情報量よりも多いか否かで判断することができる。ここで識別情報は、一定の情報量を有しており、得られた情報の情報量が予め定められた量よりも小さい場合、識別情報が取得できていないと考えることできる。また、詳細情報の書き込みができたか否かは、タグT1〜T8から情報を読み出し、読み出したこの情報と、タグT1〜T8への書き込み処理を行った情報とが一致するか否かで判断することができる。
【0096】
ここで、ステップ202にて、識別情報の読み出しおよび詳細情報の書き込みが正常にできたと判断された場合、そのまま処理を終了する(ステップ203)。一方、ステップ202にて、識別情報の読み出しおよび詳細情報の書き込みができたと判断されなかった場合は、異常箇所が一つであるか否かを判断する(ステップ204)。そして、異常箇所が一つであると判断されなかった場合、即ち、異常箇所が複数ある場合は、表示パネル4a(図1参照)にてエラー表示を行い、そのまま処理を終了する(ステップ205)。なお本実施形態では、表示パネル4aにて表示を行う場合を例示したが、リーダ/ライタ装置2に表示パネルを設け、リーダ/ライタ装置2にてエラー表示を行うこともできる。
【0097】
一方、異常箇所が一つである場合、異常がタグT5〜T8にて起きたか否かが判断される(ステップ206)。付言すると、異常が、シートSのうちの搬送方向下流側に設けられた4つのタグT5〜T8にて起きているか否かが判断される。そして、4つのタグT5〜T8の何れかで異常が起きていると判断された場合、移動手段の一部として機能する制御部91がシートSを搬送方向上流側へ搬送(移動)し(ステップ207)、タグT5〜T8と、リーダ/ライタ部61〜64とを対向(対峙)させる。なお本実施形態では、上流側へ搬送されるこのシートSと、このシートSよりも上流側にて待機している他のシートSとの間に間隙が形成されており、上流側へ搬送されるシートSとこの他のシートSとが干渉しないようになっている。
【0098】
一方で、4つのタグT5〜T8の何れかで異常が起きていると判断されなかった場合、即ち、シートSのうちの搬送方向上流側に設けられた4つのタグT1〜T4にて異常が起きている場合、シートSを搬送方向下流側へ搬送し(ステップ208)、タグT1〜T4と、リーダ/ライタ部65〜68とを対向させる。その後、異常が起きているタグTからの識別情報の読み出しおよびこのタグTへの詳細情報の書き込みを行う(ステップ209)。次いで、読み出し処理および書き込み処理が正常にできたか否かを再度判断する(ステップ210)。
【0099】
なお識別情報の読み出しが正常にできたか否かは、上記と同様、例えば、得られた情報の情報量が予め定められた情報量よりも多いか否かで判断することができる。また、詳細情報の書き込みが正常にできたか否かの判断は、上記と同様、タグTから読み出した情報と、タグTへの書き込みを行った情報とが一致するか否かで判断することができる。そして、ステップ210にて、読み出し処理および書き込み処理ができたと判断された場合、表示手段の一部としても機能する制御部91が、装置の処理能力が低下している旨のメッセージを表示パネル4aに表示し(ステップ211)、処理を終了する。
【0100】
一回目の処理を行ったリーダ/ライタ部とは異なるリーダ/ライタ部にて読み出し処理等ができた場合、一回目の処理を行ったリーダ/ライタ部が故障している可能性が高くなる。このため本実施形態では、ステップ210にて、読み出し処理および書き込み処理ができたと判断された場合、装置の処理能力が低下している旨のメッセージを表示するようにしている。なお、装置の一部が故障している旨のメッセージを表示することもできる。付言すると、このステップ211では、装置の故障に関する情報を表示する。
【0101】
一方、ステップ210にて、読み出し処理および書き込み処理ができたと判断されなかった場合、タグTの故障に関する情報を表示する(ステップ212)。より具体的には、例えば、シートSに不良が発生している旨を表示パネル4aに表示するとともに、新たなシートSを用いての、再度の読み出し処理および書き込み処理が必要である旨の表示を行う。ステップ210でも、読み出し処理および書き込み処理ができないと判断された場合、リーダ/ライタ部61〜68側ではなくタグT側にて故障が生じていると考えられるためである。なお、表示パネル4aには、例えば、8つのタグT1〜T8のうちの7つのタグTは正常であり、7つのタグTは使用可能である旨のメッセージを表示することもできる。
【符号の説明】
【0102】
2…リーダ/ライタ装置、53…第1のベルトユニット、61〜68…リーダ/ライタ部、61a〜68a…アンテナ、91…制御部、S…シート、T1〜T8…タグ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波の発信を行う発信部が一方向に沿って複数並べられた発信部群が当該一方向と交差する方向に複数列設けられ、媒体に設けられた無線タグに対して電波を発信する電波発信手段と、
前記一方向と交差する方向において互いに隣接する前記発信部群に含まれる二列の前記発信部のうちの、千鳥状となる関係で配列されている複数の当該発信部から電波を発信させた後、当該二列の当該発信部に含まれる他の発信部から電波を発信させる制御部と、
を備える無線タグ処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記他の発信部から電波を発信させる際、千鳥状となる関係で配置されている複数の当該発信部から電波を発信させることを特徴とする請求項1記載の無線タグ処理装置。
【請求項3】
前記媒体を搬送する搬送手段を更に備え、
前記搬送手段は、前記発信部による電波の発信が行われる際、当該発信部と対峙する箇所に前記媒体を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線タグ処理装置。
【請求項4】
前記電波発信手段に設けられた複数の前記発信部の各々は、前記媒体に設けられた複数の前記無線タグの各々に対峙可能なように設けられ、
前記発信部により発信される電波による、前記無線タグへの情報の書き込み及び/又は当該無線タグからの情報の読み出しが正常になされたか否かを当該無線タグ毎に判断する判断手段と、
前記書き込み及び/又は読み出しが正常になされなかったと前記判断手段により判断された前記無線タグが、当該無線タグへ電波を発信した発信部とは異なる発信部と対峙するように、前記媒体を移動させる移動手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の無線タグ処理装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記異なる発信部から発信された電波による前記無線タグへの情報の書き込み及び/又は当該無線タグからの情報の読み出しが正常になされたか否かを再度判断することを特徴とする請求項4記載の無線タグ処理装置。
【請求項6】
再度の前記判断にて、前記書き込み及び/又は読み出しが正常になされたと判断された場合に、前記無線タグ処理装置の故障に関する情報を表示し、当該再度の判断にて、当該書き込み及び/又は読み出しが正常になされなかったと判断された場合に、前記無線タグの故障に関する情報を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載の無線タグ処理装置。
【請求項7】
電波の発信を行う発信部が一方向に沿って複数並べられた発信部群が当該一方向と交差する方向に複数列設けられ、媒体に設けられた無線タグに対して電波を発信する電波発信手段と、
複数の前記発信部のうちの一部の発信部から電波を発信させるとともに、当該発信に際し、当該発信部が前記一方向において互いに隣り合わないようにし且つ当該発信部が前記一方向と交差する方向において互いに隣り合わないようにし、当該一部の発信部から電波を発信させた後、他の発信部から電波を発信させるとともに、当該発信に際し、当該発信部が当該一方向において互いに隣り合わないようにし且つ当該発信部が当該一方向と交差する方向において互いに隣り合わないようにする制御部と、
を備える無線タグ処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記一部の発信部から電波を発信させる際、互いに隣接する二つの前記発信部群のうちの一方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部と他方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部とが互い違いになるようにし、前記他の発信部から電波を発信させる際、当該一方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部と当該他方の発信部群にて電波の発信を行う当該発信部とが互い違いになるようにすることを特徴とする請求項7記載の無線タグ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−208674(P2012−208674A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73050(P2011−73050)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】