説明

無線周波数識別タグを利用した放射性医薬品のシステムおよび方法

本発明は、放射線遮蔽デバイスおよびその中に配置された放射能物質(例えば放射性医薬品)のうちの少なくとも1つに関する管理および/または追跡情報に関する。一特徴において、本発明は、放射線医薬品システムに向けられていると言い得る。一部の実施形態において、システムは、放射性同位元素溶出構成要素、および放射性同位元素溶出構成要素に結合された無線周波数識別(RFID)タグを含み得る。他の実施形態は、内部、外部、および該内部と該外部との間に延びる無線周波数識別(RFID)通信伝達路を有する放射線遮蔽筐体を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は概して、核医学の分野に関する。さらに詳細には、本発明は、放射線遮蔽デバイス(例えば放射性医薬品容器またはジェネレータ)およびその中に配置された放射能物質(例えば放射性医薬品)のうちの少なくとも1つに関する管理および/または追跡情報に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
このセクションは、以下に記述されかつ主張される本発明の様々な局面に関し得る技術の様々な局面に読者を導入することを意図する。この論議は、本発明の様々な局面のより良き理解を容易にするための背景情報を読者に提供することに役立つと考えられる。したがって、これらの事柄はこの観点で読まれるべきであり、従来技術の容認として読まれるべきではないことは理解されるべきである。
【0003】
核医学の分野は、放射性物質の適正な投与量を患者に注入することによって、診断および治療の目的のために放射性物質を利用し、放射性物質は、患者の特定の器官または生物学的な領域に集中しやすい。核医学の分野において使用される放射性物質は通常、とりわけテクネチウム−99m、インジウム−111、そしてタリウム−201を含む。一部の放射性物質は通常、特定の組織に向かって集中する。例えば、ヨウ素は、甲状腺に向かって集中する。他の放射性物質は、タギング(tagging)または臓器探索(organ−seeking)剤と組み合わせられ得、タギングまたは臓器探索剤は、患者の所望の器官または生物学的な領域を放射能物質の的とする。核医学の分野において、放射能物質は単独で、またはタギング剤との組み合わせで通常、放射性医薬品と称される。放射性医薬品の比較的低い投与量で、放射線イメージングシステム(例えばガンマカメラ)は、放射性医薬品を集める器官または生物学的領域の画像を提供する。画像における不規則性はしばしば、病的状態、例えば癌を示す。放射性医薬品のより高い投与量は、病的組織、例えば癌細胞に直接的に放射線の治療線量を送達するために使用され得る。
【0004】
様々なシステムおよび装置が、放射性医薬品を生成し、輸送し、分配し、かつ投与するために使用される。通常の放射性医薬品プロセス連鎖は、親核種の放射性物質(例えばモリブデン−99)を含む放射性同位元素ジェネレータアセンブリ(すなわちカウ(cow))を製造/組立てること、放射性医薬品調剤部に放射性ジェネレータアセンブリを輸送すること、放射性同位元素ジェネレータアセンブリから遮蔽溶出液出力容器(例えばバイアル)の中に娘核種の放射性物質(例えばテクネチウム−99m)を溶出すること、遮蔽された溶出液出力容器から1つ以上の患者投与ツール(例えば単一の投与注射器)の中に1つ以上の投与量を抽出すること、患者投与ツールを放射能遮蔽アセンブリ(すなわちピッグ(pig))に入れて医療施設に輸送すること、単一の投与量を患者投与ツールから患者の中に投与することを含み得る。プロセス連鎖は、1つ以上の投与量をキット、例えばタギングまたは臓器探索剤と混合することを含み得る。さらに、プロセス連鎖は、放射性医薬品によって標的とされた器官をイメージングし、その特定の期間における放射性医薬品の濃縮/分布に基づいて患者を診断することを含み得る。放射性同位元素ジェネレータアセンブリの製造/アセンブリに関して、プロセスは、核分裂(例えばウラニウム分裂副産物)として、または粒子加速器(例えばサイクロトロン)の使用によって親核種の放射性物質(例えばモリブデン−99)を生み出すこと、放射性の親核種の物質をアルミナ(Al)ビードまたは樹脂交換カラムに結び付けること、アルミナビードまたは樹脂交換カラムを放射能遮蔽ジェネレータの中に収納すること、放射能遮蔽ジェネレータを補助的シールドの内側に置くことを特に含み得る。溶出に関して、プロセスは、溶離剤(例えば食塩水溶液)を放射性同位元素ジュネレータアセンブリの中に供給すること、アルミナまたは樹脂交換カラムから溶離剤の中に娘核種の放射性物質を洗い出すかまたは溶解して溶出液を生み出すこと、遮蔽された出力容器の中に溶離剤を出力すること。
【0005】
放射性医薬品の放射能、有効寿命、説明責任などに照らして、追跡およびドキュメンテーションは、前記のシステム、デバイス、およびプロセスにおけるステップに対して特に重要である。生憎と、放射性医薬品は通常、生成、輸送、分配、管理の間、1つ以上の不透明な放射線遮蔽容器の内側に配置され、従って、プロセスにおけるこれらのステップの間、容器の内側の放射性医薬品(および情報)への直接的なアクセスを少なくとも一次的に排除する。さらに、放射性医薬品は、プロセスにおける様々なステップの間、1つの容器から別の容器に動かされる傾向があり、従って所望の情報の追跡およびドキュメンテーションに複雑さを追加する。通常、放射性医薬品および/またはそれらのための放射線遮蔽容器に関する情報の追跡およびドキュメンテーションは、手書きの記録および/またはコンピュータシステムの中へのデータの手動の入力によって達成されている。従って、情報は、特定の放射性医薬品システム、デバイス、またはプロセスに関連して、容易には入手可能ではない。結果として、特定の放射性医薬品をその放射性医薬品に関連する元の製造業者、輸送機関、放射線医薬品調剤部、システム、またはデバイスにまで追跡することは難しく、かつ/または時間がかかる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
特定の実施形態において、本発明は、1つ以上の放射性医薬品デバイス、例えば容器、放射線シールド、放射性同位元素ジェネレータ、および放射性同位元素溶出システムに配置された無線周波数識別(RFID)タグに向けられている。詳細には、一部の実施形態において、RFIDタグは、放射性同位元素ジェネレータ、溶離剤供給容器、溶出液出力容器、またはこれらの構成要素のうちの1つ以上のものの周囲に配置された1つ以上の放射線シールドに結合され得る。一部の実施形態において、RFID通信伝達路は、放射線遮蔽材料、例えば放射線シールドまたは筐体の壁、カバー、または他の部分を貫通し得る。さらに、RFID通信伝達路の一部の実施形態は、複数方向に次々と湾曲されるか、または角度が付けられる経路を有し得る。さらに、一部の実施形態のRFID通信伝達路は、磁気材料で形成され得る。
【0007】
元々主張される発明と範囲が同等である特定の局面が、いかに述べられる。これらの局面は、本発明が取り得る特定の形式の簡単な概要を読者に、単に提供するために提示され、これらの局面は、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。実際、本発明は、以下に述べられていないことがあり得る様々な特徴および局面を含み得る。
【0008】
本発明の第1の局面に従って、放射性同位元素溶出構成要素および放射性同位元素溶出構成要素に結合された無線周波数識別(RFID)タグを含み得る放射性医薬品システムが提供される。本明細書において、「放射性同位元素溶出構成要素」は、一般的に放射性同位元素溶出処置(例えば放射性同位元素溶出処置の少なくとも一部分の間、放射線遮蔽構造の中に配置されるかまたはそれと相互に接続される放射線遮蔽構成要素または任意の構成要素)において使用されるように設計された任意の構成要素を指す。例えば、以下に詳細に論議される特定の実施形態において、構成要素は、放射性同位元素ジェネレータ、溶離剤供給容器、溶離剤出力容器、放射線遮蔽構造、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0009】
本発明の第2の局面に従って、放射性同位元素ジェネレータアセンブリおよび放射性同位元素ジェネレータアセンブリの一部分に配置された無線周波数識別(RFID)タグを含み得る放射線医薬品システムが提供される。
【0010】
本発明の第3の局面に従って、内部、外部、および該内部と該外部との間に延びる無線周波数識別(RFID)通信伝達路を有する放射線遮蔽筐体を含み得る放射線医薬品システムが提供される。
【0011】
本発明の第4の局面に従って、溶出液出力アセンブリ、および溶出液出力アセンブリの一部分に配置された無線周波数識別(RFID)タグを含み得る放射線医薬品システムが提供される。溶出液出力アセンブリは、放射線遮蔽筐体、真空の溶出液出力容器、および放射性同位元素ジェネレータ流体カップリングを含み得る。特定の実写形態において、流体カップリングという語句は、第1の構成要素を第2の構成要素に接合するための、または第2の構成要素と接続され得る1つ以上の構成要素を第2の構成要素と接合ための、または物質(例えば液体または気体)の分子がシステム内に実質的に封じ込められ得るが、第1および第2の構成要素を含むシステムを通って流れることができるように、第1の構成要素を第2の構成要素を含むシステムに接合するためのメカニズムを指し得る。例えば、放射性同位元素ジェネレータ流体カップリングは、真空の溶出液出力容器および/または放射性同位元素ジェネレータの1つ以上のメカニズムを含み得、メカニズムは、真空の溶出液出力容器と放射性同位元素ジェネレータとの間で物質(例えば気体または液体)の交換または流れを可能にするように構成される。
【0012】
本発明の第5の局面に従って、溶離剤を放射性同位元素溶出システムの放射性同位元素ジェネレータの中に供給すること、放射性同位元素ジェネレータにおいて、放射性同位元素を溶出すること、該放射性同位元素ジェネレータから溶出液を出力すること、および放射性同位元素溶出システムの1つ以上の構成要素に配置された1つ以上の無線周波数識別(RFID)タグとデータを通信することを含み得る方法が提供される。
【0013】
本発明の様々な局面に関して上に述べられた特徴には様々な改良が存在する。さらなる特徴も、これらの様々な局面に取り入れられ得る。これらの改良およびさらなる特徴は、個別にまたは任意の組み合わせで存在し得る。例えば、例示された実施形態のうちの1つ以上に関して以下に論議された様々な特徴は、単独に、または任意の組み合わせで、本発明の上述の局面のうちの任意のものに取り入れられ得る。ここでもやはり、上に提示された簡単な概要は、主張された主題を限定することなく、本発明の特定の局面および背景に対して読者をなじませることだけが意図されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のこれらの、および他の特徴、局面および利点は、添付の図面を参照して、次の詳細な説明が読まれるとき、より良く理解され、図面を通して同様の文字は同様の部分を表現する。
【0015】
本発明の1つ以上の特定の実施形態が以下に記述される。これらの実施形態の簡潔な記述を提供する努力として、実際の実装のすべての特徴は、明細書において記述され得ない。任意のそのような実際の実装の開発においては、いかなる技術または設計プロジェクトにおけると同様に、多くの実装特有の決定が、開発者の特定の目標、例えば実装ごとに変化し得るシステム関係およびビジネス関係の制約に対応するために、なされなくてはならないことは理解されるべきである。さらに、そのような開発努力は複雑かつ時間がかかり得るが、この開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作、および製造の日常的な仕事であることは理解されるべきである。
【0016】
図1は、放射線遮蔽筐体14を貫通する無線周波数識別(RFID)通信伝達路すなわち経路12を有する例示的な放射線遮蔽通信システム10を示す。RFIDタグ16は、放射線遮蔽筐体14の閉じた中空20内で放射性医薬品容器18に配置され得、一方、RFID読取/書き込みデバイス22は、放射線遮蔽筐体14の外側に配置され得る。放射性医薬品容器18は、核医学に関連する放射性医薬品を供給し、生成し、処理し、分配し、輸送し、または医療的に投薬するための様々な容器またはデバイスを含み得る(例えば収納し得る)。例えば、放射性医薬品容器18は、放射性医薬品のためのバイアル、注射器、放射性同位元素ジェネレータ、または別の容器を含み得る。以下にさらに詳細に論議されるように、RFID読取/書き込みデバイス22は、RFID通信伝達路すなわち経路12を介してRFIDタグ16と通信可能であり、RFID通信伝達路すなわち経路12は、放射線遮蔽筐体14内の放射能を実質的に遮蔽または封じ得る構成の中で、RFIDタグ16とRFID読取/書き込みデバイス22との間での通信および情報交換を容易にし得る。例えば、RFID通信伝達路12は、放射能線の通過を実質的に不能にしながら、RFID信号の通過を可能にする材料で形成され、または幾何学的形状を有し得る
RFIDタグ16、読取/書き込みデバイス22、およびRFID通信伝達路12は、放射性医薬品および様々な放射性医薬品システムおよびデバイスに関連する情報管理および追跡を向上させ得る。例えば、以下に詳細に記述されるRFID技術は、様々な放射性の製品の追跡またはトレース性を向上させ、放射性医薬品プロセス(例えば放射性同位元素溶出、核医学イメージングその他)の効率または精度を向上させるなどをなし得る。特定の実施形態において、開示されたRFID技術は、出処または製造データ、製品仕様書データ、材料特性データ、手順プロトコルまたは命令、これまでのまたは現在のプロセスデータ、これまでのまたは現在の出荷/追跡データ、顧客注文データ、患者データなどを含むデータを格納し、アクセスし、変更し、または交換することを含み得る。例えば、出処または製造データは、特定の品目の製造元、アセンブリ、または生成に関する部品番号、シリーズ番号、ロット番号、バッチ番号、工場識別子、国識別子、マシン識別子、ワーカー識別子、日付、および他のデータを含み得る。材料特性データは、材料組成、放射能レベル、半減期、および/または残りの有効寿命を含み得る。手順またはプロセスデータは、較正データ、溶出プロセスデータ、核医学プロセスデータ、イメージングデータ、および/または他の同様なデータを含み得る。
【0017】
以下に詳細に論議される実施形態に照らして、データは、放射性同位元素溶出システムの構成要素または手順に関連する放射性同位元素ジェネレータデータ、放射線遮蔽データ、溶離剤データ、溶出液データ、溶出プロセスデータ、タギング剤データ、および/または他のデータを含み得る。例えば、放射性同位元素溶出データは、放射能レベル、溶出プロセスの時間、溶出プロセスの継続時間、溶出プロセスに使用される放射性同位元素ジェネレータの識別、溶出プロセスに使用される溶離剤出力容器の特定、溶出プロセスに使用される溶離剤出力容器のサイズ、および/または溶離剤出力容器の真空レベルを含み得る。様々なRFIDタグに格納されたデータは、特定の場所または設備において局地的に使用され得、かつ/またはデータは、さまざまな事業体間で共有され得る。例えば、データは、ネットワークを介して事業体間で交換され得、かつ/またはデータは、RFIDタグを有する品目が様々な事業体間で出荷されるとき、交換され得る。
【0018】
特定の実施形態において、RFIDタグ16は、無線周波数(RF)回路およびメモリを有する集積回路を有する様々な能動または受動トランスポンダおよびデータ格納のためのメモリを含み得る。能動RFIDタグ16は、回路に自ら電力を供給するための内部バッテリを含み得、一方、受動RFIDタグ16は、読取/書き込みデバイス22から電力を獲得し得る。能動RFIDタグ16とは対照的に、受動RFIDタグ16は、比較的小型で軽量の形状、より長い寿命、およびより短い通信距離を有し得る。一部の実施形態において、RFIDタグ16は、シリコンマイクロプロセッサ、アンテナとして機能するように構成された金属コイル、マイクロプロセッサおよびコイルを包むカプセル化材料(例えばガラスまたはポリマ)を有する誘導結合されたRFIDタグ16であり得る。誘導結合されたRFIDタグ16は、RFID読取/書き込みデバイス22によって生成された磁場によって電力が供給され得る。例えば、誘導結合されたRFIDタグ16の金属コイルは、磁気エネルギーを受取り、RFID読取/書き込みデバイス22とデータを通信し得る。他の実施形態において、RFIDタグ16は、シリコンマイクロプロセッサ、アンテナとして機能するように構成された導電性のカーボンインク、および接着剤を有する紙(例えばペーパーラベル)を有する容量結合されたRFIDタグ16であり得る。例えば、マイクロプロセッサは、接着性のラベルにプリントされたカーボンインク電極に取り付けられ得る。容量結合されたRFIDタグ16は、誘導結合されたRFIDタグ16よりも比較的柔軟でコストが低い。
【0019】
RFID読取/書き込みデバイス22は、電磁気スペクトルの無線周波数(RF)部分内で電磁気または静電気信号を送受信するように構成された様々なトランシーバを含み得る。RFIDタグ16とRFID読取/書き込みデバイス22との間の距離は、周波数、媒体などを含む多くの要因によって変化し得る。一部の代替実施形態において、RFID読取/書き込みデバイス22は、1つ以上のデバイスによって置き換えられ得、デバイスの各々は、RFIDタグ16から読み取ることだけができるか、またはRFIDタグ16に書き込むことだけができる。他の代替実施形態において、タグ16および読取/書き込みデバイス22は、専用狭域通信(DSRC)またはスマートタグテクノロジーの別の形式を含み得る。
【0020】
RFID通信伝達路12は、放射線遮蔽筐体14を貫通する1つ以上の場所で画定され得る。特定の実施形態において、RFID通信伝達路12は、放射性医薬品容器18に位置決めされたRFIDタグ16の高さ近くに、またはそれのおおよその位置に位置決めされ得る。この接近した位置において、RFID読取/書き込みデバイス22は、RFID読取/書き込みデバイス22は、RFID通信伝達路12を介してRFIDタグ16と効率的に通信し得る。RFID通信伝達路12は、放射線の一次的源からさらに離れた筐体14の領域に電磁エネルギーを導く経路を有し得る。例えば、ガンマ放射線の一次的源が、筐体14の底の近くにある場合、RFID通信伝達路は、筐体14の上部の方に延び得る。
【0021】
なおも図1を参照して、RFID通信伝達路12は、放射線遮蔽筐体14のカップ状部分24として特徴付けられ得るものに配置され得る。カップ状部分24は、蓋またはカバー部分28によって覆われた開口部を有する、円筒状のレセプタクルのような、レセプタクル26を含み得る。あるいは、RFID通信伝達路12は、蓋またはカバー部分28に配置され得る。カバー部分28は一般的に、レセプタクル26上にとどまり(例えばレセプタクル内への開口部を覆う)、放射線がレセプタクル26の開口部を通って筐体14から逃れることを防ぐ。従って、カップ状部分24およびカバー部分28は組み合わせて利用され、放射性医薬品の使用を伴う状況において放射能にさらされることを実質的に制限する。例えば、放射性医薬品容器18は、格納または輸送に対して放射線遮蔽筐体14内に包まれたままであり、放射能にさらされる可能性を減らす。
【0022】
特定の実施形態において、ユーザは、RFIDタグ16およびRFID読取/書き込みデバイス22により、放射性医薬品容器18と関連するデータにアクセスし、格納し、変更し、または一般的に交換することを望み得る。例えば、放射性医薬品容器18に関し、直接的にデータを格納かつアクセスすることが望ましくあり得る(例えばとりわけ、製造、出荷/追跡、放射性同位元素溶出、または核医学を含むプロセスの効率または精度を増加させるために)。カバー部分28または放射性医薬品容器18が、放射線遮蔽筐体14から取り外される場合、RFID読取/書き込みデバイス22は、容器18に配置されたRFIDタグ16と通信してデータを交換し得る。しかしながら、放射性医薬品容器18が、放射線遮蔽筐体14の閉じた中空の内側に取り囲まれる場合、RFID通信伝達路12は、放射能が放射線遮蔽筐体14から逃れる可能性を減らす態様で、RFIDタグ16とRFID読取/書き込みデバイス22との間での通信および情報交換を容易にし得る。例えば、RFID通信伝達路12の幾何学的形状、材料組成、および他の特性が、効果的なRFID通信を可能にし得、一方、放射能線が伝達路12を通って逃れる可能性を減らす。
【0023】
図2は、RFIDタグ16とRFID読取/書き込みデバイス22との間でRFID通信伝達路12の中を通り得る(例えば電磁気のまたは静電気の)通信信号またはデータ交換30を示す。RFID通信伝達路12は、様々な無線周波数伝達材料、例えば鉄または他の磁気材料32を含み得る。磁気材料32は、より低い抵抗(例えば低い磁気抵抗経路)の経路を提供することによって、放射線遮蔽筐体14を通る(例えば電磁気のまたは静電気の)通信信号30のチャネリングを容易にし得る。この態様で、RFID通信伝達路12は、パイプの中を通る水の流れと同様に、電磁気エネルギーを導きまたは流す。
【0024】
RFID通信伝達路12の向きは、経路12に沿って次々とある複数の角度、湾曲、または方向を通して変化し得、それによって放射能線は、放射線遮蔽筐体14の外部に到達する前に実質的に遮蔽されるか、または無くなり得る。例えば、RFID通信伝達路12は、内側の水平な経路34、中間の垂直な経路36、および外部の水平な経路38を含み得る。換言すれば、内側および外側の水平な経路34および38は、放射線遮蔽筐体14のカップ状部分24の内側および外側の面40および42に対して実質的に垂直であり得、一方、中間の垂直な経路36は、カップ状部分24の内側および外側の面40および42に対して実質的に平行であり、かつその間にあり得る。しかしながら、様々な他の幾何学的形状および構成が、RFID通信伝達路12の他の実施形態において使用され得る。例えば、RFID通信伝達路12の幾何学的形状はカップ状部分24の中を通って、湾曲し、曲がり、ジグザグとなりかつ/または一般的に方向が変化し得、その結果変化する方向は、放射能線を遮蔽し得る。より一般的には、一部の実施形態におけるRFID通信伝達路12の幾何学的形状は、非直線状、かつ/または非平面状であると言い得る。一部の実施形態において、RFID通信伝達路12の内部の面は、表面テクスチャ、例えばピークおよび谷のパターンを有し得、これが内部表面を打つ放射能線を遮蔽し得る。しかしながら、RFID通信伝達路12の他の実施形態は、滑らかな内部表面を有し、放射線遮蔽筐体14を真っ直ぐに貫通し得る。例えば、RFID通信伝達路12は、一種の棒状または円筒としての形状が与えられ得る。
【0025】
なおも図2を参照して、RFID通信伝達路12の磁気材料32は、内側と外側の面40と42との間で通信信号32が自由に流れるかまたは通ることを可能にし、一方、放射線遮蔽筐体14の放射線遮蔽材料44は、矢印46、48、50、および52によって例示されているように、RFID読取/書き込みデバイス22およびRFIDタグ16からの信号または通信を遮蔽する。同様に、放射線遮蔽筐体14の放射線遮蔽材料44は、破線の矢印56、58、60、および62によって示されるように、放射能源54からの放射能を概ね遮蔽し得る。特定の実施形態において、放射線遮蔽材料44は、鉛、タングステン、劣化ウラン、または他の適切な遮蔽材料を含み得る。RFID通信伝達路12の磁気材料32は、RFID通信信号30の複数方向の通過を可能にするが、放射能源54からの放射能線60および62は、磁気材料32に関わらず直線状の方向に伝播する。磁気材料32は、放射能線60および62に対していくらかの放射線遮蔽を提供し得、一方、中間の垂直経路36は、放射能線60および62が内側の水平経路34よりも遠くまで通り得る可能性を減らし得る。他の実施形態において、RFID通信伝達路12は、他の幾何学的な、または複数の方向の経路、例えばL形状、M形状、N形状、S形状、U形状、W形状、またはZ形状を有し得る。さらに、特定の実施形態は、放射線遮蔽筐体14の様々な部分において複数の経路を含み得る。ここでもやはり、RFID通信伝達路12は、放射線の一次源から離れて位置決めされるか、または導かれ、筐体12から放射線が逃れる可能性を減らし得る。従って、中間の垂直な経路36の長さが延ばされ(例えば筐体14の高さのかなりの部分)、放射線源と外側の水平な経路38との間の距離を増加させ得る。
【0026】
図3は、本技術の特定の実施形態による、様々な構成要素に配置されたRFIDタグを有し得る例示的な放射性同位元素溶出システム70を示す。放射性同位元素溶出システム70は、溶出液出力アセンブリ72および放射性同位元素ジェネレータアセンブリ74を含み得る。例示された放射性同位元素ジェネレータ74は、放射性同位元素ジェネレータ76、溶離剤供給容器78、ならびに内部の中空すなわちリセス82およびシールド80における開口部86の上に適合するカバー84を有する補助的放射線シールド80を含み得る。例示された実施形態において、放射性同位元素溶出システム70は、溶出液出力アセンブリ72に配置されたRFIDタグ88、放射性同位元素ジェネレータ76に配置されたRFIDタグ90、溶離剤供給容器78に配置されたRFIDタグ92を含み得る。しかしながら、追加的なRFIDタグは、放射性同位元素溶出システム70の他の構成要素に取り入れられ得る。さらに、様々なRFID読取/書き込みデバイス、および様々な通信技術が、放射性同位元素溶出システム70に取り入れられ、様々な構成要素に関するデータ交換を容易にし得る。
【0027】
図3を再度参照して、放射性同位元素ジェネレータ76は、矢印94によって例示されるように、補助的放射線シールド80のリセス82の中に降ろされ得る。同様に、溶離剤供給容器78のヘッド98は、矢印96によって例示されるように、放射性同位元素ジェネレータ76の入力リセス102内の中空の出力針100の上に下げられ得る。特定の実施形態において、入力リセス102は、溶離剤供給容器78の外面104と密接に調和する寸法を有する幾何学的形状を有し得、その結果溶離剤供給容器78は、中空の入力針100に向かって下方へ概ね中心の位置で案内され得る。一部の実施形態において、補助的放射線シールド80の内部の中空または円筒状のリセス82内に放射性同位元素ジェネレータ76および溶離剤供給容器78を設置した後、カバー84は、開口部86の上に下げられ得る。上に述べられたように、溶出液出力アセンブリ72を除いたアセンブリは、放射性同位元素ジェネレータアセンブリ74と称され得る。さらに、放射性同位元素ジェネレータアセンブリ74は、放射性同位元素ジェネレータアセンブリ74の格納または輸送中に、カバー84における通路106に配置された放射線遮蔽プラグを含み得る。
【0028】
図3の例示された実施形態において、溶出液出力アセンブリ72は、(例えば、放射線遮蔽プラグの取外しに際して(図示されず))カバー84における通路106を通って放射性同位元素ジェネレータ76と結合され得る。例えば、カバー84における通路106は、放射性同位元素ジェネレータ76における出力リセス108と実質的に並べられ得る。入力リセス102と同様に、出力リセス108は、出力リセス108内の概ね中心位置において中空の出力針110を含み得る。溶出液が、放射性同位元素ジェネレータ76から必要な場合、放射線遮蔽プラグは取り外され、例示された溶出液出力アセンブリ72と取り替えられ得る。従って、矢印112によって示されるように、溶出液出力アセンブリ72は、少なくとも部分的に通路106を通って補助的放射線シールド80の中に下げられ、放射性同位元素ジェネレータ76における中空の出力針110と係合し得る。入力リセス102と同様に、出力リセス108は、溶出液出力アセンブリ72の外側114と密接に適合する寸法を有する幾何学的形状を有し得、その結果溶出液出力アセンブリは、概ね中心の方向に案内され、中空の出力針110と係合し得る。
【0029】
図4は、放射性同位元素溶出システム70を含む例示的な放射性医薬品調剤部すなわち放射性医薬品の情報システム118を示す。図示のように、RFID通信伝達路120は、内部の中空82と外部122との間で補助的放射線シールド80の一部分を貫通し得る。この例示的な実施形態において、補助的放射線シールド80は、ベース125の上に重ねて配置された複数のステップ付き円環状の構造すなわちリング124を含む。RFID通信伝達路120は、様々な幾何学的形状および構成を有し得るが、例示された通路120は、内側の水平経路126、中間の垂直経路128、および外側の水平経路130を有する。例示された経路126、128および130が、1つ以上のリング124を通って延び得る。例示されたように、内側の水平経路126は1つのリング124に配置され、一方、外側の水平経路130は、隣のリング124に配置され、中間の垂直経路は、両方の隣り合うリング124の中を延び、水平経路126および130を接続する。代替の実施形態において、図4のRFID通信伝達路120は、様々な他の真っ直ぐな、角度の付いた、または(例えば非直線状の)一般に複数の方向の幾何学的な形状を有し得、これらは放射能線が、通路120の中を通ることを可能にする可能性を減らし得る。さらに、RFID通信伝達路120は、様々な鉄の、磁気の、または他の材料からも形成され得、これらは、電磁気エネルギーまたは信号が補助的放射線シールド80の中を効果的に通ることを可能にするより低い抵抗の経路(例えば低磁気抵抗の経路)を提供する。
【0030】
図4の放射性医薬品情報システム118は、RFID通信デバイス、例えばRFID読取/書き込みデバイス134(または電磁気的にかつ/または静電気的にデータタグからデータを読み取りかつ/またはデータタグにデータを書き込むことができる他の適切なデバイス)に通信結合された放射性医薬品調剤部管理システム132を含み得る。換言すれば、RFID通信デバイス、例えば読取/書き込みデバイス134は、RFIDタグ上のデータを単に読むか、または単に書き込むか、または読取かつ書き込み両方をなし得る。従って、RFID通信デバイスおよびRFID読取/書き込み(R/W)デバイスという用語は、次の論議および請求項にわたって互換的に使用され得る。さらに、開示された実施形態において、通信結合されたという語句は、それぞれのシステムまたはデバイス間での無線および/または有線の接続および/または通信を含み得る。例えば、通信結合されたシステムまたはデバイスは、光ケーブル、絶縁された導電体などを介して直接的に接続され得る。さらなる例によって、通信結合されたシステムまたはデバイスは、赤外線信号、無線周波数(RF)信号、または別の適切な無線技術を介してデータを交換し得る。
【0031】
RFID読取/書き込みデバイス134は、RFID通信伝達路120の近くに配置され得る。図1および図2を参照して上に論議されたように、図4のRFID読取/書き込みデバイス134は、溶出液出力アセンブリ72、放射性同位元素ジェネレータ76、および溶離剤供給容器78それぞれに配置されたRFIDタグ88、90、および92と、RFID通信伝達路120を通して信号を通信し、かつデータ136を交換し得る。さらに、以下により詳細に論議されるように、RFID読取/書き込みデバイス134は、溶出液出力アセンブリ72の内側に配置された溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ138と通路120を通して信号を通信し、かつデータ136を交換し得る。この態様において、放射性医薬品調剤部管理システム132は、輸送、出力、および起こり得る核医療処置の様々な段階を通して様々な構成要素(例えば溶出液出力アセンブリ72、溶出液出力容器140、放射性同位元素ジェネレータ76、および溶離剤供給容器78)とデータ136を交換し得る。
【0032】
図4をさらに参照して、放射性同位元素ジェネレータ76は、溶離剤供給容器78および溶出液出力アセンブリ72と流体結合され、放射性同位元素溶出プロセスの流体循環を可能にする。例えば、溶離剤供給容器78は、放射性同位元素ジェネレータ76の中空の入力針100と流体結合され得、溶出液出力アセンブリ72は、放射性同位元素ジェネレータ76の中空の出力針110と流体結合され得る。特定の実施形態において、溶離剤供給容器78および溶出液出力容器140は、流体交換を可能にするように放射性同位元素ジェネレータ76と嵌合するように構成された放射性同位元素ジェネレータ流体カップリング、例えば雄または雌コネクタを含み得る。流体結合される、または流体カップリングなどの語句は、様々な導管、チューブ、雄コネクタ、雌コネクタ、中間の導管またはデバイスを含み得、その結果流体は、それぞれのシステムまたはデバイス間(例えば容器78および140と放射性同位元素ジェネレータ76との間)を通り得る。詳細には、例示された中空の入力針100は、溶離剤供給容器78のヘッド98において、柔軟な挿入部品142、例えばゴム隔壁または別の適切な放射性同位元素ジェネレータ流体カップリングの中を刺し通され得る。同様に、中空の出力針110は、溶出液出力アセンブリ72の内側の溶出液出力容器140のヘッド146において、柔軟な挿入部品144、例えばゴム隔壁または別の適切な放射性同位元素ジェネレータ流体カップリングの中を刺し通され得る。溶離剤供給容器78は、ある量の溶離剤148、例えば食塩水溶液で予め満たされ得る。最初に、溶出液出力容器140は吸い出され、容器140の内側に真空状態を提供し、それによって溶離剤供給容器78と溶出液出力容器140との間に圧力差を生成する。
【0033】
溶離剤が、図4の放射性同位元素溶出システム70から望まれる場合、1つ以上のバルブまたは他のトリガメカニズムが係合されて、放射性同位元素ジェネレータ76を通って、溶離剤供給容器78から溶出液出力容器140へ溶離剤148を循環させる。溶出プロセスの間、溶離剤148は、1つ以上の中空の入力針100を通って放射性同位元素ジェネレータ76に入り、放射性同位元素ジェネレータ76を通って循環し、所望の放射性同位元素(例えばテクネチウム−99m)を洗い出すかまたは抽出し、次に溶出液を中空の出力針110を通して溶出液出力容器140の中に出力する。
【0034】
例えば、放射性同位元素ジェネレータ76の一部の実施形態は、アルミナのビードの表面または樹脂の交換カラムに吸収された放射性親核種、例えばモリブデン−99を取り囲む放射線遮蔽外側ケーシング(例えば鉛のシェル)を含む。放射性同位元素ジェネレータ76の内側において、親核種のモリブデン−99は、約67時間の半減期で、準安定性のテクネチウム−99mに変形する。娘核種の放射性同位元素、例えばテクネチウム−99mは一般的に、放射性同位元素ジェネレータ76内で、放射性同位元素、例えばモリブデン−99ほどには密に保持されない。従って、娘核種の放射性同位元素、例えばテクネチウム−99mは、適切な溶離剤148、例えばオキシダントの含まれない生理食塩水溶液で抽出されるか、または洗い出され得る。放射性同位元素ジェネレータ76から溶出液出力容器140の中への溶出液出力は一般的に、溶離剤148および放射性同位元素ジェネレータ76内から洗い出されたまたは溶出された放射性同位元素を含む。溶出液出力容器140内に所望の量の溶出液を受取ると、バルブまたはトリガメカニズムは、閉じられるか、または係合が解かれて循環を終える。以下にさらに詳細に論議されるように、抽出された娘核種の放射性同位元素は次に、必要ならば、タギング剤と組み合わされ、患者の診断または治療を容易にする(例えば核医学設備内で)。
【0035】
溶出液出力容器140において集められた溶出液は、抽出された放射性同位元素および溶離剤を含む。従って、溶出液出力アセンブリ72は、溶出液出力容器140の周りに配置される中空の放射線遮蔽本体150を有し得、それによってその中の溶出液から放出される放射能を封じ込める。さらに、溶出液出力アセンブリ72の上側ヘッド152は、カバー84における通路106を横切って延びる円筒状のフランジ154を含み得る。カバー84は、補助的放射線シールド80においてくさび状の周囲または開口部86との複数の角度の付いた境界面を有し得る。例えば、図4に例示されるように、カバー84は、補助的放射線シールド80において、部分的に円錐形の、または角度の付いた境界面156を有し得る。円筒状のフランジ154および境界面156は、補助的放射線シールド80の内側の放射能のさらなる封じ込めを提供し得る。
【0036】
RFIDタグ88、90、92および138は、上に述べられたように様々なデータを含み得る。特定の実施形態において、データは、特定の構成要素またはデバイスに対して特有である。特定の実施形態において、データは、溶出プロセス、核医療処置、タギング剤、患者、医学的診断、または他の関連する情報に関する情報を含む。例えば、RFIDがグ88は、溶出液出力アセンブリ72に関する様々なデータ、例えば遮蔽材料、遮蔽サイズ、容器容積、真空レベル、使用の経歴、仕様、独特な識別子、出荷情報、製造情報、および他の所望のデータを含み得る。例えば、データは、溶出液出力アセンブリ72において集められた溶出液の体積および放射能レベル/濃度を含み得る。RFIDタグ90は、放射性同位元素ジェネレータ76に関する様々なデータ、例えば遮蔽材料、遮蔽サイズ、使用の経歴、仕様、独特な識別子、出荷情報、製造情報、放射能レベル、最後の溶出プロセスの日時、最後の溶出プロセスの継続時間、残りの寿命、および他の所望のデータを含み得る。RFIDタグ92は、溶離剤供給容器78に関する様々なデータ、例えば容器容積、最初の溶離剤の量、残りの溶離剤の量、使用の経歴、仕様、独特な識別子、出荷情報、製造情報、および他の所望のデータを含み得る。RFIDタグ138は、RFIDタグ72に関して記述されたものと同様な様々な情報を含み得る。
【0037】
他の情報の中でもとりわけ前記のデータは、1つ以上の製品追跡、プロセス効率、および様々なシステム、プロセス、およびデバイスに関するドキュメンテーション/記録を向上させるために何らかの方法によって使用され得る。特定の実施形態において、RFID格納データは、情報管理システム、例えば放射性薬学管理システム132で使用され、プロセスおよびシステムの様々な局面を自動化し得る。例えば、RFID格納データは、放射性同位元素ジェネレータ76について溶出するための最も効率的な時間、容積、および濃度の計画またはスケジュールを容易にし得る。この計画およびスケジュールは、放射性同位元素ジェネレータ76のサイズおよび残存放射能量、放射性同位元素ジェネレータ76の最後の溶出量、放射性同位元素ジェネレータ76の溶出から経過時間、および先の溶出プロセスからの性能データに関するデータに基づき得る。情報管理システム、例えば、所望の放射性同位元素ジェネレータ76および特定の溶出プロセスの手続き上のステップに関するデータを含むシステム132は、RFID格納データを使用してリマインダまたは通知を生成し、スタッフを促して溶出プロセスを実行する。情報管理システム、例えばシステム132は、例えば溶出プロセスに対する正しい継続時間または開始/停止時間を示すことによって、部分的な溶出プロセスを向上させるためにRFID格納データを使用し得る。RFID格納データは、特定の放射性同位元素ジェネレータ76および関係する溶出構成要素と関連する性能分析および信頼性トレース性を可能にし得る。
【0038】
図5は、図3の放射性同位元素溶出システム70の代替の実施形態を示し、この代替の実施形態は、補助的放射線シールド80においてカバー84を貫通するRFID通信伝達路160を例示する。この例示的な実施形態において、RFID通信伝達路160は、内側の垂直経路すなわち通路162、中間の水平経路すなわち通路164、および外側の垂直経路すなわち通路166を含み得る。通路160のこの非直線状または複数方向の幾何学的形状において、カバー84の放射能遮蔽材料は、ジェネレータ76および溶出液出力アセンブリ72からの放射能を遮蔽し得、一方、RFID読取/書き込みデバイス134とRFIDタグ88、90、92および138との間で通信信号またはデータ交換を可能にする。ここでもやはり、上に論議されたように、放射能線は、直線状の方向に伝播する傾向がある。RFID通信伝達路160の磁気材料は、内側の垂直経路すなわち通路162における放射能のうちの少なくとも一部を遮蔽し得、一方、通路160の複数方向の構成は、概ね直線状の放射線がカバー84より遠くへ通過する可能性をさらに減らす。換言すれば、概ね直線状の放射線は、中間の水平経路すなわち通路164および外側の垂直経路すなわち通路166を通ることができないであろう。これとは対照的に、RFID通信伝達路160の磁気材料は、通信信号またはデータ交換136がカバー84の中を通って複数方向に通ることを可能にする。他の実施形態において、RFID通信伝達路160は、他の構成および幾何学的な形状、例えばL形状、M形状、N形状、S形状、U形状、V形状、W形状、またはZ形状の形における複数方向の形状を含み得る。さらに、一部の実施形態は、複数のRFID通信伝達路120および/または160を含み得る。
【0039】
図6は、図3の放射性同位元素溶出システム70の変形例を示し、この変形例は、カバー84の下で補助的放射線シールド80の内側に配置されたRFID読取/書き込みデバイス170を例示し、RFID読取/書き込みデバイス170は、有線172を介して、放射性薬学管理システム132に配線される。この例示的な実施形態において、RFID読取/書き込みデバイス170は、放射性同位元素ジェネレータ76、溶離剤供給容器78、および溶出液出力アセンブリ72を取り囲む空間を通って、RFIDタグ88、90および92と直接的に信号を通信し、またはデータを交換し得る。他の実施形態において、以下にさらに詳細に論議されるように、RFID読取/書き込みデバイス170は、溶出液出力アセンブリ72の中空の放射線遮蔽本体150の内側に配置された溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ138と信号を通信し、またはデータを交換し得る。図6の例示的な実施形態において、有線172は、補助的放射線シールド80のカバー84と開口部86との間に延びるチャネル174に沿って導かれる。しかし、他の実施形態においては、チャネル174は、補助的放射線シールド80の、隣接するリング124間か、またはカバー84および/またはシールド80の他の部分を通って導かれ得る。
【0040】
図7は、図3の放射性同位元素溶出システム70の別の変形例を示し、この変形例は、補助的放射線シールド80の外側に配置された補足的なRFID読取/書き込みデバイスすなわちリピータ180を例にする。例示されるように、リピータ180は、有線172を介して補助的放射線シールド80の内側に配置されたRFID読取/書き込みデバイス170に通信結合され得る。あるいは、外部のリピータ180は、上に詳細に論議されたように、RFID通信伝達路を介して内部のRFID読取/書き込みデバイス170と無線で通信し得る。例示された実施形態において、RFIDリピータ180は、カバー84の上部に配置される。例えば、RFIDリピータ180は、接着剤、ねじ、ブラケット、および/または他の取り付けメカニズムを介してカバー84に接着または固定され得る。一部の実施形態において、1つ以上のRFIDリピータ180は、補助的放射線シールド80の上の一側面または複数の位置に配置され得る。例示されるように、有線172に対するチャネル174は、補助的放射線シールド80のカバー84と開口部86との間の境界面に沿って、または横断して延び得る。あるいは、チャネル174は、隣接するリング124間の境界面に沿ってもしくは横断して、または補助的放射線シールド80および/またはカバー84の他の部分の中を通って延び得る。例示された実施形態は、放射性薬学管理システム132に通信結合された無線通信デバイス182を有し得る。この無線構成において、例示された実施形態は、放射性薬学管理システム132と補助的放射線シールド80の内側に配置されたRFIDタグ88、90、および92との間で、無線信号伝送またはデータ交換184を容易にする。
【0041】
図8は、図3の放射性同位元素溶出システム70の別の変形例を示し、この変形例は、補助的放射線シールド80の内側に配置されたRFID読取/書き込みデバイス170と、溶出液出力アセンブリ72の内側に配置された溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ138との間での電磁気通信およびデータ交換を容易にし得るメカニズム190を例示する。詳細には、例示された実施形態において、メカニズム190は、溶出液出力アセンブリ72の中空の放射線遮蔽本体150に沿って可動にまたはその周囲に配置された放射線遮蔽部材、例えばスリーブ192を含み得る。特定の実施形態において、放射線遮蔽部材またはスリーブ192は、ヒンジドア、旋回する部材、スライドする部材、入れ子式の部材、または別の適切な開閉メカニズムを含み得る。例示されたメカニズム190は、中空の放射線遮蔽本体150の外面に沿って上下する放射線遮蔽スリーブ192の動きを容易にするための様々なガイド、締め具、およびスライディングメカニズムを含み得る。
【0042】
さらに、メカニズム190は、溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ138の近くの中空の放射線遮蔽本体150の側面を貫通する1つ以上のRFID通信伝達路194を含み得る。例えば、RFID通信伝達路194は、空の開口部または電磁気伝達材料、例えば磁気材料であり得る。例示されたRFID通信伝達路194は、本体150を真っ直ぐに貫通し得る。他の実施形態において、RFID通信伝達路194は、湾曲した、角度の付いた、または一般に非直線状の、複数方向の幾何学的形状、例えば図1、図2、図4および図5を参照して例示された幾何学的形状を有し得る。
【0043】
図8に例示されるように、メカニズム190は、放射線遮蔽スリーブ192を、RFID通信伝達路194を越えた、覆われまたは遮蔽された位置に向かって下向きに付勢し得るばねで負荷されたメカニズムを含み得る。スリーブ192の、覆われたまたは遮蔽された位置において、溶出液出力容器140は、放射線遮蔽スリーブ192を含む溶出液出力アセンブリ72の放射線遮蔽材料内に概ね取り囲まれている。従って、溶出液出力アセンブリ72は、作動していない放射性同位元素ジェネレータアセンブリ74の格納のために、および/またはタギング剤を処理し、これと混合し、または放射性医薬品を適切な容器または注射器の中に分配するために、放射性同位元素溶出システム70から分離または取り外され得る。
【0044】
スリーブ192は、溶出液出力アセンブリ72のジェネレータアセンブリ74との接続の間は、RFID通信伝達路194を覆わない、すなわち遮蔽しないことがあり得る。矢印196によって示されるように、溶出液出力アセンブリ72の接続または取り付けの間は、放射線遮蔽スリーブ192の上側円環状リップ198は、溶出液出力アセンブリ72がカバー84の中の通路106を通るので、カバー84の上面200と係合し得る。上側円環状リップ198は、放射線遮蔽スリーブ192を静止した位置に保持し得、一方、溶出液出力アセンブリ72の残りは下向きに動き、放射性同位元素ジェネレータ76と係合し、かつ流体結合し得る。この態様で、RFID通信伝達路194は、RFIDタグ138とRFID読取/書き込みデバイス170との間で自由に電磁気エネルギーまたは信号を伝達するようになり得る。
【0045】
図9は、下向きに挿入されて放射性同位元素ジェネレータ76の中空の出力針110と係合した、図8の溶出液出力アセンブリ72を示す。図9に例示されるように、放射線遮蔽スリーブ192は、溶出液出力アセンブリ72の中空の放射線遮蔽本体150に沿って上向きに移され、スリーブ192は、RFID通信伝達路194を覆わない、すなわち遮蔽しないことがあり得る位置に配置される。この遮蔽されない位置において、RFID通信伝達路194は露出され、RFID読取/書き込みデバイス170と、中空の放射線遮蔽本体150の内側の溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ138との間で、電磁気信号およびデータの通信が容易となる。図9の例示された実施形態において、放射性医薬品調剤部管理システム132は、溶出液出力アセンブリ72、放射性同位元素ジェネレータ76、溶離剤供給容器78、および溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ88、90、92および138の各々とデータを交換し得る。
【0046】
図10は、図3および図4の溶出液出力アセンブリ72の例示的な実施形態を示し、この実施形態は、溶出液出力アセンブリ72の中を通って、溶出液出力アセンブリ72の上側ヘッド154に配置されたRFID読取/書き込みデバイス212に延びるRFID通信伝達路210を例示する。例示された実施形態において、RFID通信伝達路210は、溶出液出力容器140を有する内部中空214から始まり得る。例えば、RFID通信伝達路210は、溶出液出力容器140の上の中空の放射線遮蔽本体150内の放射線遮蔽部分すなわち挿入部品216の中に配置され得る。特定の実施形態において、RFID通信伝達路210は、湾曲し、角度が付いた、ジグザグとなり、または一般的に複数方向の幾何学的形状を有して放射線を遮蔽し得、一方、RFIDタグ138とRFID読取/書き込みデバイス212との間でRFID信号の伝達または電磁気データ交換を可能にする。例示されたRFID読取/書き込みデバイス210は、水平方向にずらされ、中間の水平方向通路すなわち経路222によって結合された一対の垂直な通路すなわち経路218および220を含み得る。しかし、通路210は、上に詳細に論議されたように、様々な他の複数方向の幾何学的な形状を有し得る。あるいは、通路210は、RFIDタグ138とRFID読取/書き込みデバイス212との間で、真っ直ぐにまたは垂直に延び得る。
【0047】
図11は、溶出液出力アセンブリ72の別の実施形態を示し、この実施形態は、溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ138の近くの溶出液出力アセンブリ72の中空の放射線遮蔽本体150の内側に配置されたRFID読取/書き込みデバイス230を例示する。さらに、例示された溶出液出力アセンブリ72は、RFID読取/書き込みデバイス230から、中空の放射線遮蔽本体150の内側の放射線遮蔽部分すなわち挿入部品234の中を通って、上側ヘッド152の上に配置されたRFID読取/書き込みデバイスすなわちリピータ236に延びるワイヤ232を含み得る。従って、信号またはデータは、RFIDタグ138と交換され得、一方、溶出液出力容器140は、溶出液出力アセンブリ172の放射線遮蔽材料内に含まれる。
【0048】
図12は、放射性医薬品と関連する様々な位置に、および様々な容器または構成要素に配置される複数のRFID読取/書き込みデバイスおよびRFIDタグを有し得る例示的な放射性医薬品情報追跡システム240を示す。例示されたように、放射性医薬品情報追跡システム240は、図7に例示されるように出荷を受取り248に関連するRFID読取/書き込みデバイス246、投与量キャリブレータ252と関連するRFID読取/書き込みデバイス250、ドローアップステーション256と関連するRFID読取/書き込みデバイス254、および放射性同位元素溶出システム70に配置されたRFID読取/書き込みデバイスまたはリピータ180と通信可能な放射性医薬品調剤部管理システム244を有する放射性医薬品調剤部242を含む。放射性医薬品情報追跡システム240は、製造業者260と関連するRFID読取/書き込みデバイス258、および輸送機関264と関連するRFID読取/書き込みデバイス262も含み得る。
【0049】
特定の実施形態において、放射性医薬品情報追跡システム240は、特定の放射性医薬品容器、構成要素、ツール、または処置に関係する情報を得るために、情報を格納するために、または情報を変更するために、これらのRFID読取/書き込みデバイス180、256、250、254、258、および262のうちの1つ以上を使用し得る。例えば、放射性医薬品調剤部管理システム244は、上に詳細に論議されたように、RFID読取/書き込みデバイス170を介して、溶出液出力アセンブリ72、放射性同位元素ジェネレータ76、溶離剤供給容器78、および溶出液出力容器140に配置されたRFIDタグ88、90、92および138と情報を交換し得る。放射性医薬品調剤部管理システム244は、製造業者260、輸送機関264、医療施設、または別の人または事業体と、ネットワークを介して情報を共有し得る。特定の実施形態において、放射性医薬品調剤部管理システム244は、放射性同位元素ジェネレータ使用データ、性能情報、または他のデータをバッチで、またはリアルタイムで製造業者260に通信し戻し得る。
【0050】
図13は、核医学の適用における使用のためにその中に配置された放射性医薬品を有する注射器を提供するための例示的なシステム280を例示する。例示されるように、システム280は、図1〜図12に関して既に記述された放射性同位元素溶出システム70を含む。例示されるように、溶離剤供給容器78はRFIDタグ92を含み、放射性同位元素ジェネレータ76はRFIDタグ90を含み、溶出液出力容器140はRFIDタグ138を含む。ここでもやはり、RFIDタグ90、92、および138は、物質、出処日付、出処場所、有効性、注意書き、副作用、容器の容量、前の溶出日付(例えば、時刻、継続時間、量、放射能レベルその他)、出荷情報(例えば追跡番号)などに関する情報を含み得る。図13の例示されたシステム280は、放射性医薬品製造システム282も含み得、放射性医薬品製造システム282は、放射性同位元素284(例えば放射性同位元素溶出システム70の使用によって獲得されたテクネチウム−99m溶液)をタギング剤286と組み合わせるように機能する。一部の実施形態において、この放射性医薬品製造システム282は、「キット(kit)」(例えば、診断用の放射性医薬品の調製のためのTechnescan(登録商標)キット)として当技術分野において公知であるものを指すかまたは含み得る。例示された実施形態において、タギング剤186は、RFIDタグ288を有する容器にも配置され得る。ここでもやはり、タギング剤は、患者の特定の部分(器官、組織、腫瘍、癌、その他)に引き付けられるかまたは標的とされる様々な物質を含み得る。従って、RFIDタグ288は、物質、出処データ、出処日付、有効性、注意書き、副作用、などに関する情報を含み得る。
【0051】
動作において、放射性医薬品製造システム282は、放射性同位元素284およびタギング剤286を含む放射性医薬品290を製造するか、または製造するために利用され得、放射性医薬品290は、RFIDタグ292を含み得る。例示されたシステム280は、放射性医薬品分配システム294も含み得、放射性医薬品分配システム294は、RFIDタグ298を有するバイアルまたは注射器296の中への、放射性医薬品の抽出を容易にする。特定の実施形態において、システム280の様々な構成要素および機能が、放射性医薬品調剤部内に配置され、放射性医薬品調剤部は、核医療の適用における使用のために放射性医薬品290の注射器を準備する。例えば、注射器296は、患者の診断または治療における使用のために調製され、かつ医療施設に配達され得る。上に詳細に論議されたように、1つ以上のRFID読取/書き込みデバイスは、RFIDタグ90、92、138、288、292、および298と通信して、情報にアクセスし、格納し、変更し、または一般的に通信し、とりわけ放射性医薬品製造、ドキュメンテーション、および追跡を容易にする。
【0052】
図14は、図13に例示されたようにシステム280を使用して提供される放射性医薬品290の注射器296を利用する例示的な核医療イメージングシステム300を示す。ここでもやはり、注射器296は、RFIDタグ298を含み、放射性医薬品290に関する効率的な情報交換を容易にし得、その結果医療イメージング処置は、より効率的にかつ正確に実行し得る。例示されたように、核医療イメージングシステム300は、シンチレータ304および光検出器306を有する放射線検出器302を含む。患者310内のタグを付けられた器官から発される放射線308に応答して、シンチレータ304は、光検出器306によって検知され電子信号に変換される光を発する。イメージングシステム300は、放射線検出器302の方に向けられた放射線308を視準するためのコリメータも含み得る。特定の実施形態において、患者310は、RFIDタグ312を身に付け(例えばリストバンド、ネックバンド、または文書)、携帯し、または一般的に医療施設を動き回り得、患者および放射線/イメージング処置に関する情報交換を容易にする。例えば、RFIDタグ312は、患者の年齢、家族、医療保険、緊急連絡人、緊急連絡番号、既往症、以前の医療処置、診断、紹介医、などに関する情報を含み得る。
【0053】
例示されたイメージングシステム300は、検出器獲得回路網314および画像処理回路網316も含み得る。検出器獲得回路網314は、放射線検出器302からの電子信号の獲得を一般的に制御する。画像処理回路網316は、電子信号を処理するために使用され得、検査プロトコルを実行するなどをなし得る。例示されたイメージングシステム300は、ユーザインターフェース318も含み、画像処理回路網316およびイメージングシステム300の他の構成要素のユーザとのやりとりを容易にする。結果として、イメージングシステム300は、患者310内でタグを付けられた器官の画像320を生み出す。例示されたように、画像320は、RFIDタグ322を含み得る。例えば、RFIDタグ322は、画像320の表または裏に接着され、画像320、患者、日付、処置状態およびプロトコル、および他の関連する情報に関する情報の速やかな格納およびアクセスを容易にし得る。ここでもやはり、前述の処置および結果として生じる画像320は、図1〜図14を参照して例示かつ記述されたように、RFIDタグ、読取/書き込みデバイス、および通信伝達路を取り入れたシステムおよびデバイスから直接的に利益を受ける。
【0054】
本発明の要素またはその様々な実施形態を紹介する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、および「該(said)」は、1つ以上の要素があることを意味するように意図されている。用語「備えている」、「含んでいる」、および「有する」は包含的なものとして意図され、列挙された要素以外にさらなる要素があり得ることを意味する。さらに、「上部」、「底」、「の上」、「の下」およびこれらの用語の変形例は、便宜上使用されるが、構成要素の特定のいかなる向きも必要としない。
【0055】
本発明には、様々な変更および代替の形式があり得るが、特定の実施形態が、例として図面で示され、かつ本明細書に詳細に記述された。しかし、本発明は、開示された特定の形に限定されるとは意図されていない。むしろ、本発明は、添付された請求項によって定義されたとおりの本発明の精神および範囲に該当するすべての変更、均等物、および代替に及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、放射線遮蔽筐体を貫通する無線周波数識別(RFID)通信伝達路を有する放射線遮蔽通信システムの例示的な実施形態の図である。
【図2】図2は、図1の放射線遮蔽通信システムの部分的な図式であり、放射線遮蔽筐体の外側に配置されたRFID読取/書き込みデバイスと、放射線遮蔽筐体の内側に配置されたRFIDタグとの間のRFID通信伝達路を通る通信信号を例示する。
【図3】図3は、放射性同位元素ジェネレータ、溶離剤供給容器、および溶出液出力アセンブリに配置されたRFIDタグを有する放射性同位元素溶出システムの例示的な実施形態の分解斜視図である。
【図4】図4は、図3の放射性同位元素溶出システムの実施形態の断面側面図であり、放射性同位元素ジェネレータ、溶出液供給容器、および溶出液出力アセンブリのかなりの部分の周りに配置された補助的放射線シールドを貫通するRFID通信伝達通路を例示する。
【図5】図5は、図3の放射性同位元素溶出システムの別の実施形態の断面側面図であり、放射性同位元素ジェネレータ、溶出液供給容器、および溶出液出力アセンブリのかなりの部分の周りに配置された補助的放射線シールドのカバーを貫通するRFID通信伝達通路を例示する。
【図6】図6は、図3の放射性同位元素溶出システムの別の実施形態の断面側面図であり、補助的放射線遮蔽の内側に配置されたRFID読取/書き込みデバイスを例示し、RFID読取/書き込みデバイスは、補助的放射線シールドの外側に配置された放射性医薬品調剤部管理システムに配線される。
【図7】図7は、図3の放射性同位元素溶出システムの別の実施形態の断面側面図であり、補助的放射線シールドの内側に配置されたRFID読取/書き込みデバイスを例示し、RFID読取/書き込みデバイスは、放射性医薬品調剤部管理システムとの無線通信のために補助的放射線シールドの外側に配置されたRFIDリピータに配線される。
【図8】図8は、図7の放射性同位元素溶出システムの別の実施形態の部分的断面側面図であり、放射性同位元素ジェネレータに対して部分的に分解された溶出液出力アセンブリを例示し、放射線遮蔽スリーブは、溶離剤出力アセンブリにおけるRFID通信伝達通路を越えて取外し可能に配置される。
【図9】図9は、図8の放射性同位元素溶出システムの部分的断面側面図であり、放射性同位元素ジェネレータに結合された溶出液出力アセンブリを例示し、RFID通信伝達通路は、放射線遮蔽スリーブによって覆われていない。
【図10】図10は、図3の溶出液出力アセンブリの代替実施形態の断面側面図であり、RFID読取/書き込みデバイスを有するヘッドと、RFIDタグを有する溶離剤出力容器を含む内部中空との間で溶出液出力アセンブリの中を延びるRFID通信伝達路を例示する。
【図11】図11は、図3の溶出液出力アセンブリの代替実施形態の断面側面図であり、ヘッドに配置されたRFID読取/書き込みデバイスと、RFIDタグを有する溶離剤出力容器を含む内部中空に配置されたRFID読取/書き込みデバイスとの間で溶出液出力アセンブリの中を通って延びるRFID配線を例示する。
【図12】図12は、様々な放射性医薬品供給物、ジェネレータ構成要素、および放射性医薬製品に配置されたRFIDタグを有する放射性医薬品情報追跡システムの例示的な実施形態の図であり、RFID読取/書き込みデバイスは、製造業者、輸送機関、放射性医薬品調剤部、および他の場所においてこれらのRFIDタグと通信するために使用される。
【図13】図13は、本発明の例示的な放射性同位元素溶出システムを利用する放射性医薬品調剤部またはシステムの例示的な実施形態を例示するブロック図である。
【図14】図14は、本発明の例示的な放射性同位元素溶出システムを使用して獲得された放射性医薬品を利用する核イメージングシステムの例示的な実施形態を例示するブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性医薬品システムであって、
放射性同位元素溶出構成要素と、
放射性同位元素溶出構成要素に結合された無線周波数識別(RFID)タグと
を備えている、システム。
【請求項2】
前記放射性同位元素溶出構成要素は、放射性同位元素ジェネレータを備えている、請求項1に記載の放射性医薬品システム。
【請求項3】
前記放射性同位元素溶出構成要素は、溶離剤供給容器を備えている、請求項1に記載の放射性医薬品システム。
【請求項4】
前記放射性同位元素溶出構成要素は、溶出液出力容器を備えている、請求項1に記載の放射性医薬品システム。
【請求項5】
前記放射性同位元素溶出構成要素および前記RFIDタグの周囲に配置された放射線遮蔽筐体を備えている、請求項1に記載の放射性医薬品システム。
【請求項6】
前記放射線遮蔽筐体の内側に配置されたRFID通信デバイスを備えている、請求項5に記載の放射性医薬品システム。
【請求項7】
前記放射線遮蔽筐体の外側部分に結合されたRFIDリピータを備え、該RFIDリピータは、前記RFID通信デバイスに通信結合されている、請求項6に記載の放射性医薬品システム。
【請求項8】
前記RFID通信デバイスに通信結合された放射性医薬品調剤部管理システムを備えている、請求項6に記載の放射性医薬品システム。
【請求項9】
前記放射線遮蔽筐体を通り次々と複数の方向に延びるRFID通信伝達路を備えている、請求項5に記載の放射性医薬品システム。
【請求項10】
前記RFID通信伝達路は、磁気材料を備えている、請求項9に記載の放射性医薬品システム。
【請求項11】
前記放射線遮蔽筐体の外側に配置されたRFID通信デバイスを備え、前記RFID通信伝達路は、該RFID通信デバイスと前記RFIDタグとの間でデータ交換を可能にする、請求項9に記載の放射性医薬品システム。
【請求項12】
放射線遮蔽筐体を貫通する該RFID通信伝達路と、RFID通信伝達路に対して、遮蔽された位置と遮蔽されていない位置との間に可動に配置された放射線遮蔽部材と備えている、請求項5に記載の放射性医薬品システム。
【請求項13】
前記放射線遮蔽部材は、スリーブを備えている、請求項12に記載の放射性医薬品システム。
【請求項14】
前記RFIDタグは、較正データ、または溶出プロセスデータ、または放射性同意元素ジェネレータデータ、または放射線遮蔽データ、または製造データ、または顧客注文データ、または追跡データ、またはそれらの組み合わせを含む放射性医薬品データを備えている、請求項1に記載の放射性医薬品システム。
【請求項15】
前記RFIDタグは、放射能レベル、または溶出プロセスの日時、または溶出プロセスの継続時間、溶出プロセスに使用された放射性同意元素ジェネレータの識別、または溶出プロセスに使用された溶出液出力容器の識別、または溶出プロセスに使用された溶出液出力容器のサイズ、または溶出液出力容器の真空レベル、またはそれらの組み合わせを含む放射性医薬品データを備えている、請求項1に記載の放射性医薬品システム。
【請求項16】
放射性医薬品システムであって、
放射性同位元素ジェネレータアセンブリと、
該放射性同位元素ジェネレータアセンブリの一部分に配置された無線周波数識別(RFID)タグと
を備えている、放射性医薬品システム。
【請求項17】
前記放射性同位元素ジェネレータアセンブリは、レセプタクルおよび該レセプタクルの上に配置されたカバーを有する放射線シールドと、該カバーの下の該レセプタクル内に配置された放射性同位元素ジェネレータとを備えている、請求項16に記載の放射性医薬品システム。
【請求項18】
放射線遮蔽材料および該放射線遮蔽材料を貫通するRFID通信伝達路を備えている、請求項16に記載の放射性医薬品システム。
【請求項19】
前記RFID通信伝達路は、前記放射線遮蔽材料の両側の面の間で角度が付けられるか、または湾曲させられている、請求項18に記載の放射性医薬品システム。
【請求項20】
前記RFIDタグと通信可能なRFID通信デバイスを備えている、請求項16に記載の放射性医薬品システム。
【請求項21】
前記RFID通信デバイスと通信可能な放射性医薬品調剤部管理システムを備えている、請求項20に記載の放射性医薬品システム。
【請求項22】
放射性医薬品システムであって、
内部、外部、および該内部と該外部との間に延びる無線周波数識別(RFID)通信伝達路を備えている放射線遮蔽筐体を備えている、放射性医薬品システム。
【請求項23】
前記無線周波数識別(RFID)通信伝達路は、前記内部と前記外部との間で次々と複数の方向に湾曲させられるか、または角度が付けられる、請求項22に記載の放射性医薬品システム。
【請求項24】
前記無線周波数識別(RFID)通信伝達路は、磁気材料を備えている、請求項22に記載の放射性医薬品システム。
【請求項25】
前記無線周波数識別(RFID)通信伝達路は、前記放射線遮蔽筐体の容器部分の上に可動に配置されたカバーの中に配置されている、請求項22に記載の放射性医薬品システム。
【請求項26】
前記放射線遮蔽筐体は、容器部分の上に可動に配置されたカバーを備え、前記無線周波数識別(RFID)通信伝達路は、該容器部分の中に配置されている、請求項22に記載の放射性医薬品システム。
【請求項27】
前記放射線遮蔽筐体は、放射性同位元素ジェネレータシールドを備えている、請求項22に記載の放射性医薬品システム。
【請求項28】
前記放射線遮蔽筐体は、溶出液出力容器シールドを備えている、請求項22に記載の放射性医薬品システム。
【請求項29】
放射性医薬品システムであって、
溶出液出力アセンブリであって、
放射線遮蔽筐体と、
真空の溶出液出力容器と、
放射性同位元素ジェネレータ流体カップリングと
を備えている、溶出液出力アセンブリと、
該溶出液出力アセンブリの部分に配置された無線周波数識別(RFID)タグと
を備えている、放射性医薬品システム。
【請求項30】
前記放射線遮蔽筐体を貫通するRFID通信伝達路を備えている、請求項29に記載の放射性医薬品システム。
【請求項31】
前記RFID通信伝達路は、前記放射線遮蔽筐体の内部と外部との間で、角度が付けられているか、または湾曲されている、請求項30に記載の放射性医薬品システム。
【請求項32】
前記RFID通信伝達路は、磁気材料を備えている、請求項30に記載の放射性医薬品システム。
【請求項33】
前記RFID通信伝達路の周囲に可動に配置された放射線遮蔽スリーブを備えている、請求項30に記載の放射性医薬品システム。
【請求項34】
放射性同位元素溶出システムを使用する方法であって、該方法は、
溶離剤を該放射性同位元素溶出システムの放射性同位元素ジェネレータの中に供給することと、
該放射性同位元素ジェネレータにおいて、放射性同位元素を溶出することと、
該放射性同位元素ジェネレータから溶出液を出力することと、
該放射性同位元素溶出システムの1つ以上の構成要素に配置された1つ以上の無線周波数識別(RFID)タグとデータを通信することと
を包含する、方法。
【請求項35】
通信データは、1つ以上の放射線遮蔽材料を貫通する1つ以上のRFID通信伝達路を通してデータをチャネルングすることを包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記データをチャネリングすることは、前記1つ以上のRFID通信伝達路において放射能線を遮蔽することを包含する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記データを通信することは、溶出プロセスデータ、または前記放射性同位元素溶出システムの1つ以上の構成要素の構成要素データ、または追跡データ、またはそれらの組み合わせを含むデータにアクセスすることまたは該データを格納することを包含する、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−510470(P2009−510470A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534557(P2008−534557)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/036899
【国際公開番号】WO2007/041017
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.