説明

無線基地局装置

【課題】無線基地局装置において、通信帯域を効率的に利用することを課題とする。
【解決手段】無線制御部と、無線制御部にカスケード接続される複数の無線部とを有する無線基地局装置であって、無線制御部は、無線部から送信される複数のデータを多重する多重部と、多重する各データの無線データにおける位置情報と、複数の無線部のうち各データを送信する無線部の識別子とを対応付けて、マッピング情報に格納する生成部と、無線データと、マッピング情報とを複数の無線部のうち隣接する無線部に送信する送信部とを備え、複数の無線部の各々は、無線データと、マッピング情報とを受信する受信部と、マッピング情報に基づいて、無線データから自無線部から送信するデータを抽出する抽出部と、抽出部が抽出したデータを無線送信する無線送信部とを備える無線基地局装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線制御部と複数の無線部を有する無線基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の間など電波が届きにくい場所や屋内などに小規模なエリアを多数配置する際に、エリア毎に無線基地局装置を設置するのでは膨大な数の装置を用いることとなり、設備効率が悪くなる。そのため、通常、無線基地局装置は、無線基地局装置本体を1ヶ所に設置し、そこから出先の各エリアまでアンプ(AMP)及びアンテナを引っ張りだして設置する方法が取られる。このアンプ及びアンテナは、張り出し装置等と呼称される。
【0003】
W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)サービスやLTE(Long Term Evolution)サービスでは、無線基地局装置本体と出先のアンプとが光ケーブル(光フ
ァイバ)で接続される。無線基地局装置本体及び出先のアンプは、CPRI(Common Public Radio Interface)と呼ばれる標準的なインタフェース(I/F)を使用してデータ
をやり取りする。CPRIでは、無線基地局装置本体は無線制御部(Radio Equipment Control(REC))、アンプは無線部(Radio Equipment(RE))と呼称される。
【0004】
RECと複数のREとの接続方法として、RECを中心としたタコ足型に各アンプに接続する方法(Star型)、RECをスタートとして各REを数珠つなぎに接続(カスケード接続)する方法(Chain型)など様々な方法が存在する。各REの設置個所が互いに離れ
ている場合には一般的にStar型が適している。屋内等で各REの設置個所が互いに近い場合はChain型が適している。
【0005】
図1は、RECと複数のREとをStar型で接続した例を示す図である。図1のようなStar型では、REC21は、RE31、RE32、及び、RE33と、それぞれ、光ファイバを介して接続される。図1の例では、RECに接続されるREが3台であるが、RECに接続されるREの数は3台に限定されるものではない。
【0006】
図2は、RECと複数のREとをChain型で接続(カスケード接続)した例を示す図で
ある。図2のようなChain型では、REC22は、光ファイバを介してRE34と接続さ
れ、さらにRE34に光ファイバを介してRE35と接続され、さらにRE35に光ファイバを介してRE36と接続される。つまり、REC22は、RE34を経由してRE35と接続される。また、REC22は、RE34及びRE35を経由してRE36と接続される。図2の例では、RECに接続されるREが3台であるが、RECに接続されるREの数は、3台に限定されるものではない。REC22から、カスケード接続の最後段のRE36への方向は下り方向と呼ばれる。また、逆に、RE36からREC22への方向は上り方向と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−186017号公報
【特許文献2】特開2008−141320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図3は、RECとREをChain型で接続した場合のCPRIリンクの例を示す図である
。Chain型でRECと複数のREとを接続した場合、1本の物理回線(例えば、光ファイバ
)中に、RE毎にRECと接続する複数の通信チャネルが含まれる。なお、この通信チャ
ネルをCPRIリンクとする。図3の例では、REC22とRE34との間はCPRIリ
ンク#1で、REC22とRE35との間はCPRIリンク#2で、REC22とRE36との間はCPRIリンク#3で接続される。
【0009】
各通信チャネルは、無線チャネル幅に応じた周波数帯域幅を確保する。物理回線として見ると、1つの通信チャネルの帯域幅と接続しているREの数との積の通信帯域が確保される。しかしながら、小規模なエリアの場合、収容ユーザ数が少ないことが多い。従って、実際には、無線チャネル幅のすべてが使用されることはまれであり、物理回線の通信帯域の利用効率はよくない。
【0010】
本件開示の装置は、無線基地局装置の無線制御部と無線部との間の通信帯域を効率的に利用することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の一態様は、無線制御部と、無線制御部にカスケード接続される複数の無線部とを有する無線基地局装置であって、無線制御部は、無線部から送信される複数のデータを多重する多重部と、多重する各データの無線データにおける位置情報と、複数の無線部のうち各データを送信する無線部の識別子とを対応付けて、マッピング情報に格納する生成部と、無線データと、マッピング情報とを複数の無線部のうち隣接する無線部に送信する送信部とを備え、複数の無線部の各々は、無線データと、マッピング情報とを受信する受信部と、マッピング情報に基づいて、無線データから自無線部から送信するデータを抽出する抽出部と、抽出部が抽出したデータを無線送信する無線送信部とを備える無線基地局装置である。
【発明の効果】
【0012】
開示の一態様によれば、無線基地局装置の無線制御部と無線部との間の通信帯域を効率的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、RECとREとをStar型で接続した例を示す図である。
【図2】図2は、RECとREとをChain型で接続した例を示す図である。
【図3】図3は、RECとREをChain型で接続した場合のCPRIリンクの例を示す図である。
【図4】図4は、システム構成例を示す図である。
【図5】図5は、RECの構成例を示す図である。
【図6】図6は、REの構成例を示す図である。
【図7】図7は、CPRIのフレーム構成例を示す図である。
【図8】図8は、基本フレームの構成例を示す図である。
【図9】図9は、基本フレームの構造の例を示す図である。
【図10】図10は、サブフレームの詳細を示す図である。
【図11】図11は、コントロールワードのマッピングの例を示す図である。
【図12】図12は、下り方向のデータを扱う際のRECのスケジューラ部の動作フロー(1)を示す図である。
【図13】図13は、下り方向のデータを扱う際のRECのスケジューラ部の動作フロー(2)を示す図である。
【図14】図14は、下り方向のデータを扱う際のREの動作フローを示す図である。
【図15】図15は、下り方向のデータの流れの例(1)を示す図である。
【図16】図16は、下り方向のデータの流れの例(2)を示す図である。
【図17】図17は、上り方向のデータを扱う際のREの動作フロー(1)を示す図である。
【図18】図18は、上り方向のデータを扱う際のREの動作フロー(2)を示す図である。
【図19】図19は、上り方向のデータを扱う際のRECのスケジューラ部の動作フローを示す図である。
【図20】図20は、上り方向のデータの流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、開示の実施形態の構成に限定されない。
【0015】
〔実施形態〕
(構成例)
図4は、本実施形態のシステム構成例を示す図である。本実施形態のシステムは、RNC(Radio Network Controller、無線ネットワーク制御装置)100、REC200、RE300a、RE300b、及び、RE300cを含む。RE300a、RE300b、及び、RE300cには、それぞれ、アンテナ380a、アンテナ380b、及び、アンテナ380cが接続される。RE300a、RE300b、及び、RE300c(以下、REと省略することもある)は、それぞれ同様の構成を有する。REC200とRE300aとの間、及び、REとこれに隣接するREとの間は、光ファイバで接続される。光ケーブルの代わりに、同軸ケーブル等の他の伝送媒体が使用されてもよい。
【0016】
本実施形態のシステムは、RECが1つの通信チャネル内に複数のRE向けの無線データを多重し、各REが自装置(自RE)向けの無線データを分離して各アンテナから送信するシステムである。また、本実施形態のシステムは、各REが自装置(自RE)で受信した無線データを1つの通信チャネルに多重し、RECが1つの通信チャネルに含まれる各REからの無線データを分離するシステムである。
【0017】
図4の例では、REが3台であるシステムであるが、本実施形態の構成は、REが3台に限定されるものではない。
【0018】
RNC100は、REC200と接続される。RNC100は、REC200を制御するREC200の上位装置である。
【0019】
REC200は、RNC100及び各REと接続される。REC200は、RNC100と通信するデータの変調及び復調を行う。REC200は、各REと通信するデータの変調及び復調を行う。
【0020】
各REは、直接的または間接的にREC200と接続される。各REは、REC200から受信したデータを増幅して、各REに接続される各アンテナから移動局に対して送信する。各REは、REC200から受信したデータを、下り方向に接続されているREに対して送信する。
【0021】
〈RECの構成例〉
図5は、RECの構成例を示す図である。REC200は、多重部232、符号化部234、変調部236、コントロールワード生成部238、送信部240、分離部252、復号化部254、復調部256、コントロールワード分離部258、受信部260、及び、スケジューラ部270を有する。また、REC200は、第1下りプロトコル処理部210a、第2下りプロトコル処理部210b、第3下りプロトコル処理部210c、第1
上りプロトコル処理部220a、第2上りプロトコル処理部220a、及び、第3上りプロトコル処理部220aを有する。図5では、光ファイバとの物理インタフェースは省略されている。図5に示したREC200の各部は、例えば、プロセッサがメモリ上に展開されたプログラムを実行することで動作する。ただし、図5に示したREC200の各部のいずれかがハードウェア回路を含んでもよい。REC200は、例えば、プロセッサ、主記憶装置、及び、二次記憶装置や、通信インタフェース装置のような周辺装置とのインタフェース装置を含む。主記憶装置及び二次記憶装置は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Data Signal Processor)である。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。二次記憶装置は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)である。また、二次記憶装置は、リムーバブルメディア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)のようなディスク記録媒体である。
【0023】
第1下りプロトコル処理部210aは、RE300a向けのダウンリンクユーザデータ(Downlink(DL) User Data)から、通信規約(プロトコル)に基づいて、所定の情報の単位のデータを生成して、多重部232に送信する。同様に、第2下りプロトコル処理部210b及び第3下りプロトコル処理部210cは、それぞれ、RE300b向け及びRE300c向けのダウンリンクユーザデータから、通信規約に基づいて、所定の情報の単位のデータを作成して、多重部232に送信する。REC200は、ダウンリンクユーザデータを、上位装置(RNC100など)から受信する。RE200は、すべてのRE向け若しくは、所定の複数のRE向けのダウンリンクユーザデータから、通信規約に基づいて所定の情報の単位のデータを作成する下りプロトコル処理部を有してもよい。
【0024】
多重(MUX)部232は、第1下りプロトコル処理部210a等から、RE300a等
向けのデータを受信する。多重部232は、送信バッファを含む。多重部232は、受信したデータを送信バッファに格納する。多重部232は、受信したデータを符号化部234に送信する。多重部232は、スケジューラ部270に受信したデータがどのRE向けのデータであるかを通知する。
【0025】
符号化部234は、スケジューラ部270から受信したマッピング情報に基づいて、多重部232から受信したデータを、所定の符号化方式で符号化を行う。
【0026】
変調部236は、符号化部234で符号化されたデータを、所定の変調方式で変調し、IQ(In-phase Quadrature)データブロックを生成する。IQデータブロックは、各R
Eがアンテナから送信する複数の信号のI(In-phase)成分及びQ(Quadrature)成分の大きさ、送信順等の情報を含む。
【0027】
コントロールワード生成部238は、コントロールワード(Control Word(CW))を生成する。コントロールワードは、無線同期用の同期情報、各REを制御する制御データ、スケジューラ部270が生成したマッピング情報等を含む。
【0028】
送信部240は、変調部236が生成したIQデータブロックと、コントロールワード生成部238が生成したコントロールワードとを、隣接する下り方向のRE300aに送信する。送信部240は、光ファイバとの物理インタフェース、光信号の発光素子、光信号の発光素子の駆動回路等を含む。
【0029】
受信部260は、隣接する下り方向のRE300aからIQデータブロックとコントロールワードとを受信する。受信部260は、コントロールワード分離部258にコントロールワードを送信する。受信部260は、復調部256に、IQデータブロックを送信する。受信部260は、光ファイバとの物理インタフェース、光信号の受光素子、光信号の受光素子の信号処理回路等を含む。
【0030】
コントロールワード分離部258は、受信したコントロールワードから、マッピング情報を抽出する。コントロールワード分離部258は、抽出したマッピング情報を、スケジューラ部270に送信する。コントロールワード分離部258は、受信したコントロールワードから、同期情報、制御データを抽出し得る。
【0031】
復調部256は、受信したIQデータブロックを送信側の変調方式に対応する復調方式で復調する。
【0032】
復号化部254は、復調部256で復調されたデータを送信側の符号化方式に対応する復号化方式で、復号化を行う。復号化部254は、復号化されたデータを、スケジューラ部270からの指示に基づき、送信元のRE毎に分離する。
【0033】
分離(DEMUX)部252は、復号化部254で復号化されたデータを、送信元のREに
応じて、第1上りプロトコル処理部220a等に送信する。例えば、分離部252は、RE300aからのデータを、第1上りプロトコル処理部220aに送信する。
【0034】
スケジューラ部270は、多重部232から、多重部232が受信したデータがどのRE向けのデータであるかの通知を受信する。スケジューラ部270は、スケジューリング情報を生成する。スケジューリング情報は、多重部232が受信したデータが、無線データ(IQデータブロック)上のどの領域に配置されるかを示す情報である。また、スケジューラ部270は、多重部232から受信した通知及び生成したスケジューリング情報に基づいて、マッピング情報を生成する。マッピング情報は、各REに向けて送信するIQデータブロック内でどの領域がどのRE向けのデータであるかを示す情報である。スケジューラ部270は、生成したマッピング情報を符号化部234及びコントロールワード生成部238に送信する。
【0035】
また、スケジューラ部270は、コントロールワード分離部258からマッピング情報を受信する。スケジューラ部270は、マッピング情報に基づいて、復号化部254にデータをRE毎に分離することを指示する。
【0036】
第1上りプロトコル処理部220aは、RE300aからのデータを、分離部252から受信し、通信規約に基づいて、RE300aのアップリンクユーザデータ(Uplink(UL)
User Data)を生成する。同様に、第2上りプロトコル処理部220b及び第3上りプロトコル処理部220cは、それぞれ、RE300b及びRE300cからのデータを、分離部252から受信し、通信規約に基づいて、アップリンクユーザデータを生成する。生成されたアップリンクユーザデータは、それぞれ、上位装置(RNC100など)に送信される。
【0037】
〈REの構成例〉
図6は、REの構成例を示す図である。RE300aは、上り受信部310、コントロールワード取得部312、分離部314、下り送信部320、増幅部330、下り受信部340、コントロールワード更新部342、多重部344、上り送信部350を有する。RE300b及びRE300cは、RE300aと同様の構成を有する。図6では、物理インタフェースは省略されている。図6に示したREの各部は、例えば、プロセッサがメ
モリ上に展開されたプログラムを実行することで動作する。ただし、図6に示したREの各部のいずれかがハードウェア回路を含んでもよい。REは、例えば、プロセッサ、主記憶装置、及び、二次記憶装置や、通信インタフェース装置のような周辺装置とのインタフェース装置を含む。主記憶装置及び二次記憶装置は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0038】
上り受信部310は、REC200(又は隣接する上り方向のRE)から、IQデータブロックとコントロールワードとを受信する。上り受信部310は、コントロールワード取得部312にコントロールワードを送信する。上り受信部310は、分離部314に、IQデータブロックを送信する。上り受信部310は、受信したIQデータブロックとコントロールワードとを、下り送信部320に送信する。
【0039】
コントロールワード取得部312は、受信したコントロールワードから、マッピング情報を抽出する。マッピング情報取得部312は、抽出したマッピング情報を分離部314に送信する。コントロールワード取得部312は、コントロールワードから同期情報、制御データ等を抽出し得る。
【0040】
分離部314は、上り受信部310からIQデータブロックを受信する。分離部314は、コントロールワード取得部312からマッピング情報を受信する。分離部314は、マッピング情報に基づいて、自装置(RE300a)向けのデータを、受信したIQデータブロックから分離して、抽出する。分離部314は、抽出したIQデータブロックを増幅部330に送信する。
【0041】
下り送信部320は、上り受信部310から受信したIQデータブロックとコントロールワードとを、下り方向の隣接するREに対して、送信する。
【0042】
増幅部330は、分離部314が抽出したIQデータブロックに従って、信号を所定の送信電力に増幅し、アンテナ380aから出力する。
【0043】
また、増幅部330は、アンテナ380aが受信した信号を増幅し、コントロールワード更新部342及び多重部344に送信する。
【0044】
下り受信部340は、下り方向の隣接するREからIQデータブロックとコントロールワードとを受信する。下り受信部260は、コントロールワード更新部342に、コントロールワードを送信する。下り受信部260は、多重部344に、受信したIQデータブロックを送信する。
【0045】
コントロールワード更新部342は、下り受信部340から受信したコントロールワードからマッピング情報を抽出する。コントロールワード更新部342は、増幅部330から受信したIQデータを、マッピング情報に基づいて、IQデータブロックの空き通信領域に割り当てる。コントロールワード更新部342は、マッピング情報を更新する。コントロールワード更新部342は、更新したマッピング情報を、多重部244に送信する。コントロールワード更新部342は、更新したマッピング情報を含むコントロールワードを生成し、上り送信部350に送信する。
【0046】
多重部344は、受信したマッピング情報に基づいて、増幅部330から受信したIQデータを、下り受信部340から受信したIQデータブロックに配置する。多重部344は、新たなIQデータブロックを上り送信部350に送信する。
【0047】
上り送信部350は、マッピング情報更新部342から受信したコントロールワードと
多重部344から受信したIQデータブロックとをREC200又は上り方向の隣接するREに送信する。
【0048】
(CPRIのフレーム)
図7は、CPRIのフレーム構成例を示す図である。CPRIフレームは、基本フレーム(Basic Frame)、サブフレーム(Hyperframe)、無線フレーム(Node-B Frame)の階
層構造を有する。CPRIフレームは、RECとREとの間で送受信される。
【0049】
1つの無線フレーム(Node-B Frame)は、10ms(ミリ秒)の長さを有する。無線フレームは、150個のサブフレーム(Hyperframe)を有する。サブフレームには、インデックスとして、Z=0,・・・,149の値が付与される。サブフレームは、256個の基本フレーム(Basic Frame)を有する。基本フレームには、インデックスとして、X=
0,・・・,255の値が付与される。
【0050】
図8は、基本フレームの構成例を示す図である。基本フレームは、16バイトを1単位として4単位を有する。基本フレームの1単位には、インデックスとして、Y=0,1,2,3の値が付与される。基本フレームの1単位の先頭の1バイトは、コントロールワード(Control Word(CW))として定義される。基本フレームの1単位の残りの15バイトは、IQ(In-phase Quadrature)データを格納する。
【0051】
図9は、基本フレームの構造の例を示す図である。基本フレームの1単位は、16バイトであり、図9の例では、基本フレームは、4単位を有する。また、基本フレームは、16のワードを有し、各ワードには、インデックスとして、W=0,・・・,15の値が付与される。図9の例では、1ワードの長さは4バイトである。また、ワードの各ビットには、インデックスとして、B=0,・・・,32の値が付与される。W=0のワードは、コントロールワードであり、W=1〜15のワードは、IQデータが格納されるIQデータブロックである。
【0052】
図10は、サブフレームの詳細を示す図である。サブフレームは、256個の基本フレームを含む。
【0053】
サブフレーム内で、基本フレームのコントロールワードには、インデックスとして、X=0,・・・,255の値が付与される。256個の基本フレームは、64個のサブチャネルにまとめられる。各サブチャネルの基本フレームのコントロールワードには、インデックスとして、Ns=0,・・・,63の値が付与される。各サブチャネル内で基本フレームのコントロールワードには、インデックスとして、Xs=0,1,2,3の値が付与される。
【0054】
図11は、コントロールワードのマッピングの例を示す図である。1サブフレーム内のコントロールワードは、256個の基本フレームを64個のサブチャネル(Ns=0,・・・,63)にまとめられることによって、ヘッダとしての意味を有する。サブチャネル毎に制御信号の種別が定められる。制御信号の種別とは、例えばサブチャネルの目的を示す。
【0055】
マッピング情報は、IQデータブロックのどの通信領域がどのRE向けのデータであるかを示す情報である。IQデータブロックのどの通信領域がどのRE向けのデータであるかは、例えば、REの識別子、当該RE向けのデータに割り当てられる通信領域の位置情報(例えば、開始位置及び終了位置)によって、特定され得る。通信領域における位置は、例えば、サブフレーム内のインデックスによって特定され得る。マッピング情報は、コントロールワード内に格納される。マッピング情報は、例えば、コントロールワードの、
予備領域(reserved)、ベンダ指定領域(vender specific)等に、格納され得る。
【0056】
REの識別子は、すべてのREを示す識別子、又は、所定の複数のREを示す識別子であってもよい。REC200は、複数のREを示す識別子を使用することで、送信するデータをまとめることができ、IQデータブロックの通信領域を有効に使用できる。また、複数のREを示す識別子を使用することで、REC200の処理量が軽減され得る。
【0057】
(動作例)
〈RECの動作(下り)〉
REC200の第1下りプロトコル処理部210aは、上位装置(RNC100など)からRE300a向けのダウンリンクユーザデータを受信する。第1下りプロトコル処理部210aは、RE300a向けのダウンリンクユーザデータを、通信規約に基づいて、所定の単位のデータに生成する。第1下りプロトコル処理部210aは、生成したデータを多重部232に送信する。他の下りプロトコル処理部も、同様に、生成したデータを多重部232に送信する。
【0058】
多重部232は、第1下りプロトコル処理部210a等から、RE300a等向けのデータを受信し、送信バッファに格納する。多重部232は、受信したデータがどのRE向けのデータであるかの情報を、スケジューラ部270に通知する。
【0059】
REC200のスケジューラ部270は、送信するデータをIQデータブロックに割り当てる。また、スケジューラ部270は、1サブフレーム毎にマッピング情報を生成する。サブフレームは、66.67ns毎(10/150ms毎)に生成される。
【0060】
図12及び図13は、下り方向のデータを扱う際のRECのスケジューラ部の動作フローを示す図である。図12の「A1」は、図13の「A1」に接続する。図12及び図13の動作フローは、サブフレームが生成されるフレームタイミングが開始されることを契機として、開始される。
【0061】
スケジューラ部270は、マッピング情報を初期化する(S101)。マッピング情報は、IQデータブロックのどの通信領域がどのRE向けであるかを示す情報である。
【0062】
スケジューラ部270は、多重部232の送信バッファ内のデータを確認する(S102)。多重部232の送信バッファには、第1下りプロトコル処理部210aなどから送信された送信データが一次的に格納される。第1下りプロトコル処理部210aなどから送信される送信データは、RE300aなどに送信されるデータである。RE300a等は、当該データを受信すると所定の送信電力に増幅して、アンテナ380a等から送信する。
【0063】
スケジューラ部270は、送信バッファのデータがIQデータブロック内の通信領域を割り当てられているか否かを確認する(S103)。送信バッファのデータが既にIQデータブロック内の通信領域を割り当てられている場合(S103;NO)、処理がステップS107に進む。
【0064】
送信バッファのデータにIQデータブロック内の通信領域を割り当てられていないデータがある場合(S103;YES)、スケジューラ部270は、当該データに割り当て可能な、IQデータブロック内の空き通信領域があるか否かを確認する(S104)。スケジューラ部270は、マッピング情報に基づいて、ブロック内の空き通信領域があるか否かを確認する。当該データに割り当てるIQデータブロック内の空き通信領域がない場合(S104;NO)、処理がステップS107に進む。
【0065】
送信バッファのデータに割り当て可能な、IQデータブロック内の空き通信領域がある場合(S104;YES)、スケジューラ部270は、当該空き通信領域を、送信バッファのデータに割り当てる(S105)。スケジューラ部270は、マッピング情報に、当該データの送信先のREの識別子、当該データを格納した通信領域の位置情報などを格納する。スケジューラ部270は、送信バッファに複数のデータが存在する場合は、それぞれのデータに対して、通信領域の割り当てを行い、マッピング情報に格納する。
【0066】
スケジューラ部270は、サブフレームが生成されるフレームタイミングが終了したか否かを確認する(S105)。フレームタイミングが終了していない場合(S106;NO)、処理がステップS102に戻る。
【0067】
フレームタイミングが終了した場合(S106;YES)、スケジューラ部270は、マッピング情報を符号化部234に送信する(S107)。また、スケジューラ部270は、マッピング情報をコントロールワード生成部238に送信する(S108)。ステップS107とステップS108との順序は、入れ替わってもよい。
【0068】
符号化部234は、スケジューラ部270から受信したマッピング情報に基づいて、多重部232から受信したデータを、所定の符号化方式で符号化する。変調部236は、符号化部234で符号化されたデータを、所定の変調方式で変調し、IQデータブロックを生成する。
【0069】
コントロールワード生成部238は、スケジューラ部270から受信したマッピング情報、無線同期用の同期情報、及び、各REを制御する制御データを含むコントロールワードを生成する。
【0070】
送信部240は、変調部236が生成したIQデータブロックと、コントロールワード生成部238が生成したコントロールワードとを、隣接する下り方向のRE300aに送信する。スケジューラ部270が生成したマッピング情報は、コントロールワードに含まれて、REに送信される。
【0071】
〈REの動作(下り)〉
図14は、下り方向のデータを扱う際のREの動作フローを示す図である。ここでは、主として、RE300aの動作フローについて説明するが、他のREについても同様である。
【0072】
図14の動作フローは、RE300aが、REC200(または、隣接する上り方向のRE)からIQデータブロック及びコントロールワードを受信することを契機に開始される。
【0073】
RE300aの上り受信部310は、REC200から、IQデータブロック及びコントロールワードを受信する(S201)。上り受信部310は、受信したIQデータブロック及びコントロールワードを、下り送信部320に送信する。上り受信部310は、受信したIQデータブロックを分離部314に送信する。上り受信部310は、受信したコントロールワードをコントロールワード取得部312に送信する。
【0074】
コントロールワード取得部312は、コントロールワードからマッピング情報を抽出する(S202)。コントロールワード取得部312は、マッピング情報を分離部314に送信する。
【0075】
分離部314は、マッピング情報に基づいて、IQデータブロックから、自装置(RE300a)向けのデータを抽出する(S203)。分離部314は、抽出したIQデータブロックを増幅部330に送信する。増幅部330は、分離部314が抽出したIQデータブロックに従って、信号を所定の送信電力に増幅し、アンテナ380aから送信する(S204)。
【0076】
また、下り送信部320は、上り受信部310から受信したIQデータブロック及びコントロールワードを、隣接する下り方向のREに送信する(S205)。
【0077】
ステップS202乃至ステップS204とステップS205との順序は、入れ替わってもよい。
【0078】
図14の動作フローにより、RE300aは、マッピング情報に基づいて、IQデータブロックからRE300a向けのデータを抽出し、アンテナ380aから送信する。また、RE300aは、受信したIQデータブロック及びコントロールワードを下り方向に接続されているREに送信する。REC200が生成したIQデータブロック及びコントロールワードが、そのまま、RE300aで中継され、隣接する下り方向のREに送信される。
【0079】
〈下り方向のデータの流れの例(1)〉
図15は、下り方向のデータの流れの例(1)を示す図である。
【0080】
REC300は、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ、及び、RE300c向けデータを、1つの通信チャネル(IQデータブロック)に多重する。図15において、IQデータブロックの「a」、「b」及び「c」は、それぞれ、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ及びRE300c向けデータを示す。IQデータブロックの空欄は、データがないことを示す。
【0081】
また、REC300は、マッピング情報を生成する。マッピング情報は、IQデータブロック内でどの領域がどのRE向けのデータであるかを示す情報である。図15において、マッピング情報の「a」、「b」、「c」及び「0」は、それぞれ、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ、RE300c向けデータ及びデータなしを示す。
【0082】
REC200は、IQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを送信する。
【0083】
RE300aは、REC200からIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを受信する。RE300aは、マッピング情報に基づいて、RE300a向けのデータ(図15のマッピング情報で「a」と示されるデータ)を抽出し、アンテナ380aから送信する。RE300aは、REC300から受信したIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードをRE300bに送信する。図15において、送信データの「a」は、アンテナ380aで送信するデータを示す。
【0084】
RE300b及びRE300cは、RE300aと同様に、REC200からIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを処理する。
【0085】
各REからアンテナを介して送信されるデータは、REC200で配置された通信領域と同じ通信領域で、送信される。
【0086】
〈下り方向のデータの流れの例(2)〉
図16は、下り方向のデータの流れの例(2)を示す図である。
【0087】
REC300は、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ、RE300c向けデータ、及び、すべてのRE向けデータを、1つの通信チャネルに多重する。通信チャネルとは例えばIQブロックである。図16において、IQデータブロックの「a」、「b」、「c」及び「A」は、それぞれ、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ、RE300c向けデータ、及び、すべてのRE向けデータを示す。IQデータブロックの空欄は、データがないことを示す。
【0088】
また、REC300は、マッピング情報を生成する。マッピング情報は、IQデータブロック内でどの領域がどのRE向けのデータであるかを示す情報である。図16において、マッピング情報の「a」、「b」、「c」、「A」及び「0」は、それぞれ、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ、RE300c向けデータ、すべてのRE向けデータ及びデータなしを示す。
【0089】
RE300aは、REC200からIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを受信する。RE300aは、マッピング情報に基づいて、RE300a向けのデータ(図16のマッピング情報で「a」と示されるデータ)及びすべてのRE向けデータを抽出し、アンテナ380aから送信する。RE300aは、REC300から受信したIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードをRE300bに送信する。図16において、送信データの「a」及び「A」は、アンテナ380aで送信するデータを示す。
【0090】
RE300b及びRE300cは、RE300aと同様に、REC200からIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを処理する。
【0091】
各REは、マッピング情報に基づいて、自装置向けデータとすべてのRE向けデータとを、IQデータブロックから抽出し、アンテナから送信することができる。
【0092】
〈REの動作(上り)〉
図17及び図18は、上り方向のデータを扱う際のREの動作フローを示す図である。図17の「B1」、「B2」及び「B3」は、それぞれ、図18の「B1」、「B2」及び「B3」に接続する。ここでは、主として、RE300aの動作フローについて説明するが、他のREについても同様である。
【0093】
図17及び図18の動作フローは、66.67ns毎(10/150ms毎)のサブフレームのフレームタイミングが開始されることを契機として、開始される。
【0094】
RE300aの下り受信部340は、隣接する下り方向に接続されているRE(RE300b)から、IQデータブロック及びコントロールワードを受信する(S301)。下り受信部340は、受信したIQデータブロックを多重部344に送信する。下り受信部340は、受信したコントロールワードをコントロールワード更新部342に送信する。コントロールワード更新部342は、受信したコントロールワードからマッピング情報を抽出する。
【0095】
アンテナ380aで受信された信号は、増幅部330で増幅され、アンテナ380aが受信したIQデータブロックとして、多重部344及びコントロールワード更新部342に送信される。
【0096】
コントロールワード更新部342は、変数Nに1を代入する(S302)。コントロー
ルワード更新部342は、アンテナ380aが受信したIQデータブロックのN番目の通信領域を確認する(S303)。アンテナ380aが受信したIQデータブロックのN番目の通信領域にデータが存在しない場合(S304;NO)、処理はステップS311に進む。
【0097】
アンテナ380aが受信したIQデータブロックのN番目の通信領域にデータが存在する場合(S304;YES)、コントロールワード更新部342は、マッピング情報で、下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックのN番目の通信領域を確認する(S305)。アンテナ380aが受信したIQデータブロックの通信領域と下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックの通信領域とは、同じ大きさであり、それぞれの通信領域は、1:1に対応付けられる。
【0098】
下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックのN番目の通信領域が空き通信領域である場合(S306;YES)、コントロールワード更新部342は、当該通信領域を自装置(RE300a)に割り当てる。コントロールワード更新部342は、マッピング情報に、RE300aの識別子、割り当てた通信領域(N番目の通信領域)の位置情報などを対応付けて格納する。コントロールワード更新部342は、多重部344に対し、N番目の通信領域に当該データを格納することを指示する。多重部344は、下り受信部340から受信したIQデータブロックのN番目の通信領域に、アンテナ380aが受信したIQデータブロックのN番目の通信領域のデータを格納する(S307)。
【0099】
下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックのN番目の通信領域が空き通信領域でない場合(S306;NO)、コントロールワード更新部342は、マッピング情報で、下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックの空き通信領域を確認する(S308)。既に自装置(RE300a)に割り当てた領域は、ここでは、空き通信領域とされない。
【0100】
下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックの空き通信領域が存在する場合(S309;YES)、コントロールワード更新部342は、当該空き通信領域を自装置(RE300a)に割り当てる。コントロールワード更新部342は、マッピング情報に、RE300aの識別子、割り当てた当該空き通信領域の位置情報などを対応付けて格納する。コントロールワード更新部342は、多重部344に対し、当該空き通信領域に当該データを格納することを指示する。多重部344は、下り受信部340から受信したIQデータブロックの当該空き通信領域に、アンテナ380aが受信したIQデータブロックのN番目の通信領域のデータを格納する(S310)。
【0101】
下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックの空き通信領域が存在しない場合(S309;NO)、処理がステップS311に進む。IQデータブロックの通信領域に格納できなかったアンテナ380aが受信したIQデータブロックのデータは、次のフレームタイミングで下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックの空き通信領域に格納され得る。また、下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックの空き通信領域が存在しない場合(S309;NO)、RE300aは、このフレームタイミングで自装置に通信領域を割り当てられない。このため、処理がステップS311に進む代わりに、処理がステップS311を飛ばして先に進んでもよい。
【0102】
アンテナ380aが受信したIQデータブロックのすべての通信領域のデータの存否を確認していない場合(S311;NO)、コントロールワード更新部342は、変数NにN+1を代入し(S312)、処理がステップS303に戻る。
【0103】
アンテナ380aが受信したIQデータブロックのすべての通信領域のデータの存否を確認した場合(S311;YES)、コントロールワード更新部342は、更新したマッピング情報を含むコントロールワードを生成し、上り送信部350に送信する。多重部344は、コントロールワード更新部342の指示に従って生成されたIQデータブロックを上り送信部350に送信する。
【0104】
上り送信部350は、多重部344から受信したIQデータブロック及びコントロールワード更新部342から受信したコントロールワードを、REC200(または、隣接する上り方向のRE)に送信する。
【0105】
RE300aは、下り方向からのREから受信したIQデータブロックに、アンテナ380aが受信したIQデータブロックのデータを追加し、マッピング情報を含むコントロールワードを更新して、RE200に送信する。
【0106】
終端のRE(例えば、RE300c)は、下り方向に接続されているREが存在しないため、自装置の識別子と、アンテナで受信したデータの通信領域の位置情報とを含むマッピング情報を含むコントロールワードを生成する。当該REは、生成したコントロールワードと、アンテナが受信したデータとを、上り方向に接続されているREに送信する。
【0107】
〈RECの動作(上り)〉
REC200の受信部260は、RE300aからIQデータブロック及びコントロールワードを受信する。受信部260は、受信したIQデータブロックを復調部256に送信する。復調部256は、受信したIQデータブロックを送信側の変調方式に対応する復調方式で復調する。また、受信部260は、受信したコントロールワードをコントロールワード分離部258に送信する。コントロールワード分離部258は、受信したコントロールワードから、マッピング情報を抽出し、スケジューラ部270に送信する。
【0108】
図19は、上り方向のデータを扱う際のRECのスケジューラ部の動作フローを示す図である。図19の動作フローは、スケジューラ部270がマッピング情報を受信することを契機として開始される。
【0109】
スケジューラ部270は、マッピング情報をコントロールワード分離部258から受信する(S401)。スケジューラ部270は、変数Nに1を代入する(S402)。
【0110】
スケジューラ部270は、マッピング情報により、受信したIQデータブロックのN番目の通信領域のデータがどのRE向けか(どのREで受信されたか)を、確認する(S403)。スケジューラ部270は、復号化部254に対して、IQデータブロックのN番目の通信領域のデータを、該当RE向け(該当REから受信されたもの)として分離することを指示する(S404)。復号化部254は、復調部256で復調されたデータを送信側の符号化方式に対応する復号化方式で復号化し、復号化されたデータをスケジューラ部270からの指示に基づき、送信元のRE毎に分離する。分離(DEMUX)部252は、
復号化部254で復号化されたデータを、データを受信したRE(送信元のRE)に応じて、第1上りプロトコル処理部220a等に送信する。
【0111】
IQデータブロックのすべての通信領域のデータについて、送信元のREを確認していない場合(S405;NO)、スケジューラ部270は変数NにN+1を代入し(S406)、処理がステップS403に戻る。IQデータブロックのすべての通信領域のデータについて、送信元のREを確認した場合(S405;YES)、スケジューラ部270の処理は終了する。
【0112】
〈上り方向のデータの流れの例〉
図20は、上り方向のデータの流れの例を示す図である。図20において、IQデータブロックの「a」、「b」及び「c」は、それぞれ、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ及びRE300c向けデータを示す。IQデータブロックの空欄は、データがないことを示す。また、マッピング情報の「a」、「b」、「c」及び「0」は、それぞれ、RE300a向けデータ、RE300b向けデータ、RE300c向けデータ及びデータなしを示す。
【0113】
RE300aは、下り方向の隣接するREであるRE300bから、IQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを受信する。IQデータブロックには、下り方向に接続されているREであるRE300b及びRE300cで受信されたデータが多重されている。また、マッピング情報には、IQデータブロック内でどの領域がどのRE向けのデータであるかを示す情報が含まれる。
【0114】
RE300aは、アンテナ380aを介して、端末等からデータを受信する。図20において、受信データの「a」は、アンテナ380aで受信したデータを示す。また、受信データの空欄は、データがないことを示す。
【0115】
RE300aは、端末等から受信したデータとRE300bから受信したIQデータブロックとを多重する。端末等から受信したデータが使用する通信領域がRE300bから受信したIQデータブロックで使用されていない場合は、RE300aは、当該通信領域に、端末等から受信したデータを割り当てる。
【0116】
端末等からRE300aへの通信で使用される通信領域は、端末等とRE300aとの間で決定される。よって、端末等からRE300aへの通信で使用される通信領域(端末等から受信したデータが使用する通信領域)は、RE300bから受信したIQデータブロックで既に使用されていることがある。端末等から受信したデータが使用する通信領域がRE300bから受信したIQデータブロックで既に使用されている場合は、RE300aは、RE300bから受信したIQデータブロックの空き通信領域に、端末等から受信したデータを割り当てる。図20の例では、RE300aは、RE300bから受信したIQデータブロックの空き通信領域に、アンテナ380aで受信したデータを割り当てる。RE300aは、端末等から受信したデータに割り当てた通信領域の情報を追加したマッピング情報を生成する。RE300aは、割り当てたIQデータブロックの通信領域に、端末等から受信したデータを配置する。RE300aは、更新したIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを、REC200に送信する。
【0117】
REC200は、RE300aから、IQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを受信する。REC200は、マッピング情報に基づいて、IQデータブロックのデータを、送信元のRE毎のデータに分離する。
【0118】
(実施形態の作用効果)
REC200は、IQデータブロック内でどの領域がどのRE向けのデータであるかを示すマッピング情報を生成する。REC200は、複数のRE向けのデータを1つのIQデータブロックに多重させる。即ち、REC200は、1つの通信チャネルで複数のRE向けのデータを送信する。
【0119】
REはREC200からのIQデータブロック及びマッピング情報を含むコントロールワードを受信する。REは、IQデータブロックから、自装置向けのデータを、マッピング情報を使用することにより抽出する。
【0120】
REは、下り方向に接続されているREからマッピング情報を受信し、自装置で受信したデータをIQデータブロックの空き領域に割り当てる。REは、受信したデータを、下り方向に接続されているREから受信したIQデータブロックの空き領域に配置する。REC200は、REからIQデータブロック及びマッピング情報を受信して、マッピング情報に基づいて、IQデータブロックのデータを送信元のRE毎のデータに分離する。
【0121】
本実施形態のシステムによれば、複数のRE向けの無線データを多重することで、通信帯域を効率的に利用することができる。
【符号の説明】
【0122】
21 REC
22 REC
31 RE
32 RE
33 RE
34 RE
35 RE
36 RE
100 RNC
200 REC
210a 第1下りプロトコル処理部
210b 第2下りプロトコル処理部
210c 第3下りプロトコル処理部
220a 第1上りプロトコル処理部
220b 第2上りプロトコル処理部
220c 第3上りプロトコル処理部
232 多重部
234 符号化部
236 変調部
238 コントロールワード生成部
240 送信部
252 分離部
254 復号化部
256 復調部
258 コントロールワード分離部
260 分離部
300a RE
300b RE
300c RE
310 上り受信部
312 コントロールワード取得部
314 分離部
320 下り送信部
330 増幅部
340 下り受信部
342 コントロールワード更新部
350 上り送信部
380a アンテナ
380b アンテナ
380c アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線制御部と、前記無線制御部にカスケード接続される複数の無線部とを有する無線基地局装置であって、
前記無線制御部は、
前記無線部から送信される複数のデータを多重する多重部と、
多重する各データの前記無線データにおける位置情報と、前記複数の無線部のうち前記各データを送信する無線部の識別子とを対応付けて、マッピング情報に格納する生成部と、
前記無線データと、前記マッピング情報とを前記複数の無線部のうち隣接する無線部に送信する送信部と
を備え、
前記複数の無線部の各々は、
前記無線データと、前記マッピング情報とを受信する受信部と、
前記マッピング情報に基づいて、前記無線データから自無線部から送信するデータを抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出したデータを無線送信する無線送信部と
を備える
無線基地局装置。
【請求項2】
前記複数の無線部から送信する複数のデータは、前記複数の無線部すべてから送信するデータを含み、
前記無線制御部の前記生成部は、前記複数の無線部すべてから送信するデータの前記無線データにおける位置情報と、前記複数の無線部すべてを示す識別子とを対応付けて、マッピング情報に格納し、
前記複数の無線部の各々の前記抽出部は、前記マッピング情報に基づいて、前記無線データから前記複数の無線部のすべてから送信するデータを抽出する
無線基地局装置。
【請求項3】
無線制御部に複数の無線部がカスケード接続される無線基地局装置であって、
前記複数の無線部の各々は、
前記複数の無線部のうち隣接する無線部から、前記複数の無線部のうち他の無線部が受信した各データが多重された無線データと、多重された前記各データの前記無線データにおける位置情報および前記各データを受信した前記他の無線部の識別子を対応付けて格納されるマッピング情報とを受信する受信部と、
無線送信されたデータを受信する無線受信部と、
前記無線データの空き通信領域に、前記無線受信部が受信したデータを割り当てて配置し、自無線部の識別子と前記受信したデータを割り当てた空き通信領域の位置情報とを対応付けて前記マッピング情報に格納し、前記無線データを更新する更新部と、
前記更新部が更新した前記無線データと、前記マッピング情報とを前記複数の無線部のうち隣接する他の無線部又は隣接する前記無線制御部に送信する送信部と
を備え、
前記無線制御部は、
前記複数の無線部のうち隣接する無線部から、前記無線データと、前記マッピング情報とを受信する受信部と、
前記マッピング情報に基づいて、前記無線データを、前記無線部毎のデータに分離する分離部と
を備える
無線基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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