説明

無線通信ネットワークにおけるシームレスなハンドオーバのための方法及び装置

【課題】ソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートする方法を提供する。
【解決手段】ハンドオーバの実行中に、ソース基地局から転送されたサービス・データ・ユニットとシーケンス番号情報とをターゲット基地局において受信するステップであって、該転送されたサービス・データ・ユニットは、関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために該ソース基地局において保持されているサービス・データ・ユニットから成り、該転送されたシーケンス番号情報は、該転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示す、ステップと、前記ターゲット基地局から前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために、前記転送されたサービス・データ・ユニットを該ターゲット基地局において必要に応じて並べ替えるステップを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に無線通信ネットワークに関し、特にこのようなネットワークにおけるシームレスなハンドオーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
セルラシステムでは、移動端末は基地局間でハンドオーバを行う。ユーザにとって基地局の変更はシームレスに生じるのが好ましい。特に、シームレスなハンドオーバは、中断時間を最小化又は少なくとも低減し、データの損失及びシーケンス化の問題を防止する。
【0003】
3GPPで現在標準化されているロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)システム(非特許文献1を参照)は、セル間のネットワークユーザの移動を規定する。より詳細には、当該仕様書は、シームレスなハンドオーバの提供に関連するレイヤ2(L2)規定を含む。これらL2プロトコルは、メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)プロトコル(ハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)規定による)、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)プロトコル(ARQ規定による)及びパケットデータ集約プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)を含む。
【0004】
既知の実装では、(コア)ネットワーク・ゲートウェイ又はその他のパケット・データ・エンティティ(entity)は、移動局へのダウンリンク配信のために、PDCPサービス・データ・ユニットを基地局へ配信する。基地局は、無線インタフェースを経て移動局へ順に送信するPDCPプロトコル・データ・ユニットを得るために、ヘッダ圧縮及び基地局専用の暗号化を適用することによってこれらのサービス・データ・ユニットを処理する。移動局は、これらPDCPプロトコル・データ・ユニットを受信して処理し、対応するPDCPサービス・データ・ユニットを再生成する。特に、プロトコル・データ・ユニットはシーケンス番号情報を含む。当該シーケンス番号情報によって移動局は、欠落した(missed)プロトコル・データ・ユニットを検出し、それに対応して、移動局がサービス・データ・ユニットをその正しい順序で処理することを確実にするために、必要に応じてデータを並べ替えることが可能になる。
【0005】
逆に、移動局から基地局へのアップリンク送信のために、移動局は、移動局で発生するPDCPサービス・データ・ユニットを処理することで、空中線インタフェースを経て基地局へ順に送信される、対応するPDCPプロトコル・データ・ユニットを取得する。基地局は、受信したこれらのPDCPプロトコル・データ・ユニットを処理することで、対応するPDCPサービス・データ・ユニットを取得するとともに、シーケンス番号を使用することで、欠落しているデータを検出し、かつ、コアネットワークへアップリンクPDCPサービス・データ・ユニットの正確なシーケンシャル転送を行うために、必要に応じて並べ替えを実行する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】TS 36.300 v8.0.0, 3GPP; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2, March 2007.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基地局(及び移動局)における受信誤りは、誤った順序での受信を引き起こし得る。例えば、基地局は2つのPDCPプロトコル・データ・ユニットを順に受信し、第3のPDCPプロトコル・データ・ユニットの受信に失敗し、第4のPDCPプロトコル・データ・ユニットの受信に成功することがある。基地局において欠落した第3のPDCPプロトコル・データ・ユニットの受信に成功するまで、その第4のPDCPプロトコル・データ・ユニットをコアネットワークへ転送するための処理することはできない。従って、基地局は、誤った順序のデータをバッファリングして、欠落したデータをその後に受信し次第、並べ替えを行うために保持する。当該欠落したデータは、MAC及びRLCレイヤにおける既知のARQ/HARQ処理に従って再送され得る。誤った順序のデータ受信が生じると、移動局がその現在の基地局から新しい基地局へ引き渡される、移動局のハンドオーバに対して、潜在的に著しい複雑性が加わってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
関連するコアネットワークへの順序付けられたシーケンシャル転送におけるサービス・データ・ユニットとして、基地局が移動局からプロトコル・データ・ユニットを受信する無線通信ネットワークにおいて、本明細書で提示する教示は、ソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートする方法を提供する。例として、本明細書の教示は、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)によって公表されているEvolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA)の仕様書に基づく無線通信ネットワークに適合する。例えば、プロトコル・データ・ユニットは、パケットデータ集約プロトコル(PDCP)プロトコル・データ・ユニットを含んでいてもよく、サービス・データ・ユニットは、PDCPサービス・データ・ユニットを含んでいてもよい。しかしながら、このような例を非限定的と理解すべきであるのは、本明細書の教示が、例えば、ネットワークの無線アクセス部分の範囲内の無線基地局において、ハンドオーバの際、順序付けられたデータ配信及び重複するデータの検出を使用する任意の無線通信ネットワークに本質的に適合するからである。
【0009】
一実施形態では、本明細書の教示は、ターゲット基地局において処理するハンドオーバの方法を提供し、本方法は、ソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートする。このような少なくとも1つの実施形態では、本方法は、ハンドオーバの実行中に、ソース基地局から転送されるサービス・データ・ユニット及びシーケンス番号情報を、ターゲット基地局において受信するステップを含む。当該転送されるサービス・データ・ユニットは、関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のためにソース基地局において保持されているサービス・データ・ユニット、即ち、誤った順序のサービス・データ・ユニットであり、当該転送されるシーケンス番号情報は、転送されるサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示す。本明細書で使用するように、サービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号は、単にこれらのサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号である。
【0010】
本方法は、ターゲット基地局から関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために、ターゲット基地局において、転送されるサービス・データ・ユニットを必要に応じて並べ替えるステップを続けて行う。このように、再順序付け機能が無線通信ネットワークの無線アクセス部分の範囲内(例えば、基地局)に含まれており、関連するコアネットワークが、再順序付け機能を有する必要はない。
【0011】
このようなプロトコル・データ・ユニット及びサービス・データ・ユニットは、例えば、PDCPプロトコル及びサービス・データ・ユニットを含んでいてもよい。このような少なくとも1つの実施形態では、ソース基地局は、関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送用の対応するサービス・データ・ユニットを取得するために、移動局から入ってくるプロトコル・データ・ユニットの暗号化解除と(ヘッダ圧縮が使用されている場合)圧縮解除とを行う。プロトコル・データ・ユニットがソース基地局において誤った順序で受信された場合、再度の順序付けのために、対応するサービス・データ・ユニットがソース基地局において保持される。対応する移動局のためにターゲット基地局へのハンドオーバが開始された場合、このようにバッファリングされたサービス・データ・ユニットが、ターゲット基地局へ転送される。
【0012】
このように少なくとも一実施形態において、本明細書の教示は、ソース基地局において処理するハンドオーバの方法を提供し、本方法はソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートする。本方法は、ハンドオーバの実行中に、ソース基地局からターゲット基地局へサービス・データ・ユニット及びシーケンス番号情報を転送するステップを特徴とする。当該転送されるサービス・データ・ユニットは、関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のためにソース基地局において保持されるサービス・データ・ユニットであり、当該転送されるシーケンス番号情報は、転送されるサービス・データ・ユニットに対応する。このように、誤った順序によるプロトコル・データ・ユニットの受信に起因してソース基地局において保持されているサービス・データ・ユニットは、対応するプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号の表示とともに、ハンドオーバの実行によってターゲット基地局に転送される。
【0013】
さらに、転送されるシーケンス番号情報は、少なくとも1つの実施形態では、ソース基地局から関連するコアネットワークへ直近に転送されたサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号の表示を含む。さらに、あるいは代替的に、転送されるシーケンス番号情報は、ソース基地局から関連するコアネットワークへ順番に配信されることが予期される次のサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を含んでいてもよい。このように、ターゲット基地局は、欠落しているサービス・データ・ユニットを特定するために、転送されたシーケンス番号情報を好都合に処理することができる。
【0014】
また、本明細書に提示する教示に従って、移動局が提供される。一実施形態では、移動局は無線通信ネットワークにおいて使用され、当該無線通信ネットワークで、移動局はプロトコル・データ・ユニットを基地局に送信し、基地局は対応するサービス・データ・ユニットを関連するコアネットワークに転送する。移動局は、ソース基地局からターゲット基地局へのシームレスなハンドオーバをサポートし、ハンドオーバ・プロセッサによって特徴付けられる。移動局の当該ハンドオーバ・プロセッサは、ターゲット基地局からのシグナリングに応じて、欠落しているサービス・データ・ユニットに対する新たなプロトコル・データ・ユニットを再生成し、当該再生成したプロトコル・データ・ユニットを送信するように動作する。再生成されたプロトコル・データ・ユニットは、移動局においてバッファリングされた、対応するサービス・データ・ユニットから再生成され、(ターゲット基地局の)シグナリングは、ターゲット基地局において何れのサービス・データ・ユニットが欠落しているかを示し、又は、何れのサービス・データ・ユニットがターゲット基地局において受信に成功しているかを等価的に示す。例えば、このようなシグナリングは、明示的な再送要求と、何れのサービス・データ・ユニットがターゲット基地局において受信に成功しているか、若しくは何れのサービス・データ・ユニットがターゲット基地局において欠落しているかを示す、ターゲット基地局からの状態又はその他のメッセージの送信との、少なくとも何れかを含んでいてもよい。
【0015】
当然ながら、本発明は特徴及び利点に関する上記の概要に限定されない。実際、当業者は、以下の詳細な説明を読み、添付する図面を見ることによって、更なる特徴及び利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本明細書において教示するように、シームレスなハンドオーバの実施形態に従って構成された基地局ソース及びターゲット基地局を含む、無線通信ネットワークの一実施形態のブロック図である。
【図2】パケットデータ集約プロトコル(PDCP)の処理に関連する機能的な処理のブロック図である。
【図3】本明細書において教示するシームレスなハンドオーバの教示に従った、ソース基地局及びターゲットターゲット基地局の少なくとも何れかの一実施形態のブロック図である。
【図4】本明細書において教示するようなシームレスなハンドオーバに従った、ハンドオーバの実行前、実行中、及び実行後におけるプロトコル及びサービス・データ・ユニットの処理の一例と、関連する状態とを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、関連する3GPP仕様書に従い構成される、限定はしないがE−UTRANネットワークでもよい無線通信ネットワーク10を図示する。ネットワーク10は、無線アクセスネットワーク(RAN:radio acces network)12及び関連するコアネットワーク14を含む。RAN12は、いくつかの無線基地局16を含み、無線基地局は、例えばeNBとも呼ぶ「高度化ノードB」でもよい。コアネットワーク14は、「システム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE:System Architecture Evolution)・ゲートウェイ(GW:Gateway)」などのパケット・データ・ゲートウェイ18を含む。
【0018】
一方の基地局16から他方の基地局への移動局20のシームレスなハンドオーバに関連する処理の特徴及び構成に重点を置いて、図1は、「ソース基地局」の役割を果たす一方の基地局16と、「ターゲット基地局」の役割を果たす他方の基地局16とを図示する。容易に考察できるように、ソース基地局16をソース基地局16−1と表し、ターゲット基地局16をターゲット基地局16−2と表す。
【0019】
基地局16を介して移動局20からゲートウェイ18に流れるアップリンク通信に特に焦点を当てると、移動局20はパケットデータ集約プロトコル(PDCP)プロセッサ32を含み、基地局16は対応するPDCPプロセッサ30を含むことがわかる。ソース基地局16−1が移動局20からのアップリンク通信を現在サポートしていると想定すると、移動局20は、(「サービス・データ・ユニット」と称されることが多い)PDCPサービス・データ・ユニットの暗号化及び(オプションとして)圧縮に基づく(「プロトコル・データ・ユニット」と称されることが多い)PDCPプロトコル・データ・ユニットの形成に基づいて、パケット・データをゲートウェイ18に送信する。例えば、移動局20からゲートウェイ18に送信されるアップリンク・パケット・データからPDCPサービス・データ・ユニットへフォーマットされ、その後、当該PDCPサービス・データ・ユニットは、ソース基地局16−1への無線送信のために、PDCPプロトコル・データ・ユニットへ加工される。
【0020】
次に、ソース基地局16−1は、受信したPDCPプロトコル・データ・ユニットを処理することで、対応するPDCPサービス・データ・ユニットを取得し、ソース基地局16−1は、当該対応するPDCPサービス・データ・ユニットをゲートウェイ18に伝送する。PDCPサービス・データ・ユニットはゲートウェイに送信シーケンスの順序で伝送されるべきであるので、PDCPアップリンク処理には、送信されるPDCPプロトコル・データ・ユニットへのシーケンス番号の割当処理が含まれる。このようにして、ソース基地局16−1は、ソース基地局16−1において誤った順序で受信されたPDCPプロトコル・データ・ユニットを特定することができる。ソース基地局16−1は、誤った順序のPDCPプロトコル・データ・ユニットに対応するPDCPサービス・データ・ユニットを一時的にバッファリングすることができる。その他の利点の中で、本明細書において提示する教示は、ソース基地局及びターゲット基地局の有利な処理を提供し、当該教示において、ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2への移動局20のシームレスなハンドオーバをサポートして、そのようなバッファリングされたPDCPサービス・データ・ユニットがソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へ転送される。
【0021】
より詳細には、本明細書において教示する1つ以上の実施形態によれば、インタフェース24は、ソース基地局16−1をターゲット基地局16−2へ通信により連結し、当該インタフェース24は、ハンドオーバの実行中に、サービス・データ・ユニット及び対応するシーケンス番号情報をターゲット基地局16−2へ転送するために、ソース基地局16−1によって使用される。図1において、これらの転送されるサービス・データ・ユニットは参照番号「26」により特定され、シーケンス番号情報は参照番号「28」によって特定される。転送されるサービス・データ・ユニット26は、ソース基地局16−1において誤った順序で受信されたプロトコル・データ・ユニットに対応し、かつ、ゲートウェイ18に転送されていないサービス・データ・ユニットである。言い換えれば、転送されるサービス・データ・ユニット26は、ゲートウェイ18へのシーケンシャル転送のためにソース基地局16−1において保持されているサービス・データ・ユニットである。それに合わせて、シーケンス番号情報28は、当該転送されるサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を少なくとも示す。言い換えれば、転送されるシーケンス番号情報は、転送されるサービス・データ・ユニット26に対応する、誤った順序のプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号を示す。あるいは、シーケンス番号情報28は、欠落したサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を含んでいてもよい。
【0022】
このように、本明細書おいて1つ以上の実施形態で教示するように、ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2への移動局20のシームレスなハンドオーバをサポートする方法が特徴とするのは、ハンドオーバの実行中にソース基地局16−1から転送されるサービス・データ・ユニット及びシーケンス番号情報をターゲット基地局16−2において受信するステップである。当該転送されるサービス・データ・ユニットは、関連するコアネットワーク14へのシーケンシャル転送のためにソース基地局16−1において保持されており、当該転送されるシーケンス番号情報は、転送されるサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示す。本方法は、ターゲット基地局16−2から関連するコアネットワーク14へのシーケンシャル転送のために、ターゲット基地局16−2において、当該転送されたサービス・データ・ユニットを必要に応じて並べ替えるステップを続ける。
【0023】
少なくとも1つの実施形態では、ターゲット基地局16−2から関連するコアネットワーク14へのシーケンシャル転送のために、ターゲット基地局16−2において、当該転送されたサービス・データ・ユニットを必要に応じて並べ替えるステップは、ターゲット基地局16−2が、転送されたシーケンス番号情報に基づいて欠落しているサービス・データ・ユニットを特定するステップと、当該欠落しているサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットの移動局20による再送を要求するステップとを含む。このような少なくとも1つの実施形態において、本方法は、さらに、ターゲット基地局16−2が、再送されたプロトコル・データ・ユニットを受信するとともに、欠落しているサービス・データ・ユニットを取得するためにそれらを処理するステップと、関連するコアネットワーク14へのシーケンシャル転送のために、このように取得されたサービス・データ・ユニットを、転送されたサービス・データ・ユニットとともに必要に応じて並べ替えるステップと、によって特徴付けられる。
【0024】
1つ以上の実施形態において本方法がさらに特徴とするのは、ターゲット基地局16−2が、ターゲット基地局16−2において移動局20から受信する、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ以前に転送されたサービス・データ・ユニットに関して重複するプロトコル・データ・ユニットを特定するために、転送されたシーケンス番号情報を処理するステップである。ターゲット基地局16−2は、また、ターゲット基地局16−2から関連するコアネットワーク14へのシーケンシャル転送を目的として、転送されたサービス・データ・ユニットを並べ替えるために移動局による再送が必要なプロトコル・データ・ユニットを特定するため、転送されたシーケンス番号情報を処理する。
【0025】
少なくとも1つの実施形態において、転送されるサービス・データ・ユニットは、ハンドオーバの開始時又は開始前にソース基地局16−1において誤った順序で受信され、かつ、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へサービス・データ・ユニットとして転送されていない、対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除に成功したバージョンである。このような実施形態又は少なくとも1つのその他の実施形態においては、当該転送されるサービス・データ・ユニットは、ハンドオーバの開始時又は開始前にソース基地局16−1において誤った順序で受信され、かつ、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へサービス・データ・ユニットとして転送されていない、対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除及び圧縮解除に成功したバージョンであることであることに留意されたい。また、本方法の少なくとも1つの実施形態では、転送されるシーケンス番号情報は、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ直近に転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示し、あるいは、順番に受信されたサービス・データ・ユニットのうち最後のものに対応するシーケンス番号を示し、あるいは、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ次に転送されることが予期されるサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示すことに留意されたい。(「順番に受信されたサービス・データ・ユニットのうち最後のもの」とは、移動局20からアップリンクのプロトコル・データ・ユニットを受信することによって移動局20から順番に受信した最後のサービス・データ・ユニットを表す。)
【0026】
いずれにしても、一例としてPDCPを使用するプロトコル・データ・ユニット及びサービス・データ・ユニットをより良く理解するために、図2は、各基地局16がPDCPプロセッサ30を含むことを示しており、PDCPプロセッサは、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの任意の組み合わせで実装される機能的な処理要素でもよい。(移動局20は同様のPDCPプロセッサ32を含む。)PDCPプロセッサ30は、ゲートウェイ18から入ってくるPDCPサービス・データ・ユニットへの暗号化及び(ヘッダ)圧縮の適用により、移動局20への無線送信のためのダウンリンクPDCPプロトコル・データ・ユニットを機能的に形成することがわかる。特に、PDCPプロセッサ30は、移動局20におけるPDCPサービス・データ・ユニットのシーケンシャルな順序付け及び処理を可能にするために、各PDCPプロトコル・データ・ユニットに対するシーケンス番号の生成/割当ても行う。移動局20におけるPDCPプロセッサ32は、このようにして基地局16からダウンリンクPDCPプロトコル・データ・ユニットを受信し、対応するPDCPサービス・データ・ユニットを取得するために圧縮解除/暗号化解除を行う。受信機の動作には、シーケンス番号情報の除去も含まれる。
【0027】
同様に、PDCPプロセッサ32は、所望の送信情報を表すPDCPサービス・データ・ユニットへの暗号化及び任意的なヘッダ圧縮の適用により、基地局16への無線送信のためのアップリンクPDCPプロトコル・データ・ユニットを機能的に形成することがわかる。特に、PDCPプロセッサ32は、基地局16におけるPDCPサービス・データ・ユニットのシーケンシャルな順序付け及び処理処理を可能にするために、各PDCPプロトコル・データ・ユニットに対するシーケンス番号の生成/割当ても行う。基地局16は、このようにして移動局20からアップリンクPDCPプロトコル・データ・ユニットを受信し、基地局16のPDCPプロセッサ30は、対応するPDCPサービス・データ・ユニットを取得するためにアップリンクPDCPプロトコル・データ・ユニットの圧縮解除/暗号化解除を行い、ここで、シーケンス番号付けは除去される。さらなる詳細及び例については、3GPPにより公開されているようにTS 36.326 version 8.0.0を参照してもよい。
【0028】
PDCPの処理に関して特に重要なのは、基地局16−1及び基地局16−2が移動局20のシームレスなハンドオーバをサポートすることである。一般に、当業者には、基地局16が通信制御機能及び呼処理機能の包括セットを提供する複雑な計算プラットフォームに相当することと、このようなシステムがその実装に関して広範な変形を前提とすることが理解されよう。従って、図3は、シームレスなハンドオーバ処理に対応する基地局16の機能的な実装の非限定的な一例と理解されよう。
【0029】
図3で、基地局16−x(ここで「x」は図1の場合「1」又は「2」を表す)は、ゲートウェイ・インタフェース回路40、図1に取り入れられた論理的な基地局間インタフェース24の一部と考えられ得る基地局インタフェース42、移動局20(及びその他の移動局)との無線通信のための無線通信インタフェース44、並びに、通信制御及び処理を実行し、一般的な基地局動作を担う制御/処理回路46を含む、複数の機能的な回路又はサブシステムを含む。
【0030】
制御/処理回路46は、例えば、マイクロ・プロセッサに基づく回路であり、当該回路は、基地局16−x内のコンピュータ読み取り可能な媒体に格納された1つ以上のコンピュータ・プログラムに従って動作してもよい。当然ながら、制御/処理回路46がハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせから成っていてもよいことは、理解されるべきである。そのことを考慮すると、制御/処理回路46は、これまでに説明したPDCPプロセッサ30とともにハンドオーバ・プロセッサ48を含み、当該ハンドオーバ・プロセッサも、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。PDCPプロセッサ30は、より大きな階層化プロトコルスタックの一部を含んでいてもよく、その動作は無線リンク制御(RLC)及びメディアアクセス制御(MAC)の処理と協調することが、当業者には認識されよう。
【0031】
基地局16−xは、図1のソース基地局、例えば16−1として、及び図1のターゲット基地局、例えば16−2として、選択的に動作する。図1の参照番号を再び参照し、ターゲット基地局の動作に関して、基地局16−2はソース基地局16−1からの移動局20のシームレスなハンドオーバをサポートする方法を実装する。1つ以上の実施形態において、本方法が特徴とするのは、ハンドオーバの実行中に、ソース基地局16−1から転送されたPDCPサービス・データ・ユニット26及びシーケンス番号情報28をターゲット基地局16−2において受信するステップであり、当該転送されるPDCPサービス・データ・ユニット26及びシーケンス番号情報28は、コアネットワーク14へのシーケンシャル転送のためにソース基地局16−1において保持されているサービス・データ・ユニットに対応し、当該転送されるシーケンス番号情報は、転送されるサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示す。本方法がさらに特徴とするのは、ターゲット基地局16−2から関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために、ターゲット基地局16−2において、転送されたPDCPサービス・データ・ユニットを必要に応じて並べ替えるステップである。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、ターゲット基地局16−2から関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために、ターゲット基地局16−2において、転送されたPDCPサービス・データ・ユニットを必要に応じて並べ替えるステップは、ターゲット基地局16−2が、転送されたシーケンス番号情報28に基づいて欠落しているサービス・データ・ユニットを特定するステップと当該欠落しているサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットの移動局20による再送を要求するステップとを含む。本方法がさらに特徴とし得ることは、転送されたシーケンス番号情報28が、転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示し、さらに、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ直近に転送されたPDCPサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示すことである。シーケンス番号情報28は、また、ソース基地局16−1において欠落しているサービス・データ・ユニットのシーケンス番号を含んでいてもよい。
【0033】
このような情報は、ハンドオーバの実行中に、ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へ送信される受信状態メッセージの形式で送信されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、転送されたシーケンス番号情報28は、さらに、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ直近に転送されたPDCPサービス・データ・ユニットに対応するPDCPプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号を示す。即ち、転送されたシーケンス番号情報は、転送されたPDCPサービス・データ・ユニット26に対応するPDCPプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号を示してもよく、さらに、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ正しい順番で既に転送されたPDCPサービス・データ・ユニットに対応する最も高いシーケンス番号をさらに示すことができる。これまでに述べたように、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ直近に転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示す代わりに、転送されたシーケンス番号情報は、次に高いシーケンス番号を示すことができる。
【0034】
本方法がさらに特徴とし得ることは、ターゲット基地局16−2が、ソース基地局16−1からコアネットワーク14へ以前に転送されたPDCPサービス・データ・ユニットに関して重複している、ターゲット基地局16−2において移動局20から受信されたPDCPプロトコル・データ・ユニットを特定するために、転送されたシーケンス番号情報28を処理し、かつ、ターゲット基地局16−2から関連するコアネットワーク14、例えばゲートウェイ18へのシーケンシャル転送のために転送されたPDCPサービス・データ・ユニットの並べ替えを行うことを目的として、移動局20による再送を要求されたPDCPプロトコル・データ・ユニットを特定するために、転送されたシーケンス番号情報28を処理することである。
【0035】
本方法がさらに特徴とし得ることは、転送されるPDCPサービス・データ・ユニット26が、ハンドオーバの開始時又は開始前にソース基地局16−1において誤った順序で受信され、かつ、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ転送されていない、対応するPDCPプロトコル・データ・ユニットの、暗号化の解除に成功したバージョンであることである。ヘッダ圧縮が使用されている場合、転送されたサービス・データ・ユニットは圧縮解除され得る。このため、この点について、ターゲット基地局16−2が、ソース基地局16−1において使用される暗号化キーを知る必要はなく、また、ソース基地局16−1が、ヘッダ圧縮状態情報をターゲット基地局16−2に転送する必要もない。
【0036】
ソース基地局16−1における補完的でシームレスなハンドオーバの方法が特徴とするのは、ソース基地局16−1において誤った順序で受信され、かつ、ソース基地局16−1によって関連するコアネットワーク14へ未だ転送されていないPDCPプロトコル・データ・ユニットに対応する、PDCPサービス・データ・ユニット26及びシーケンス番号情報28を、ハンドオーバの実行中にソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へ転送するステップである。言い換えると、ソース基地局16−1は、シーケンシャル転送のためにソース基地局16−1が保持しているサービス・データ・ユニットを転送する。言及したように、このような転送は、さらに、転送されるPDCPサービス・データ・ユニット26が、ソース基地局16−1において誤った順序で受信され、かつ、ソース基地局16−1によって関連するコアネットワーク14へ未だ転送されていないPDCPプロトコル・データ・ユニットの、暗号化の解除に成功したバージョンであることを特徴とする。従って、転送されるシーケンス番号情報28は、このような誤った順序のPDCPプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号を示す。
【0037】
さらにまた、ソース基地局16−1において実装されるシームレスなハンドオーバ方法が特徴とし得ることは、ソース基地局16−1が、さらに、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ直近に転送したPDCPサービス・データ・ユニットに対応するPDCPプロトコル・データ・ユニットについてのシーケンス番号の表示、又は、順番に受信したサービス・データ・ユニットのうち最後のものに対応するシーケンス番号の表示を、転送するシーケンス番号情報28に含めることである。あるいは、ソース基地局16−1は、ソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14へ次に転送すると予期するサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を、転送してもよい。
【0038】
従って、図3の説明例によれば、(基地局)インタフェース42及びハンドオーバ・プロセッサ48を含むようにターゲット基地局16−2を構成することにより、1つ以上の実施形態において、ソースソースからターゲットへのシームレスなハンドオーバがサポートされる。このような少なくとも1つの実施形態では、インタフェース42は、ソース基地局16−1から転送されるPDCPサービス・データ・ユニット26及びシーケンス番号情報28を受信するように動作する。ここで、当該転送されるサービス・データ・ユニット26は、関連するコアネットワーク14へのシーケンシャル転送のためにソース基地局16−1において保持されているサービス・データ・ユニットであり、当該転送されるシーケンス番号情報は、転送されるサービス・データ・ユニットについての対応するシーケンス番号を示す。従って、ハンドオーバ・プロセッサ48は、ターゲット基地局16−2から関連するコアネットワーク14へのシーケンシャル転送のために、当該転送されたPDCPサービス・データ・ユニットをターゲット基地局16−2において必要に応じて並べ替えるように動作する。
【0039】
補完的なソース基地局動作のために、ハンドオーバ・プロセッサ48及び関連するインタフェース42は、ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へのPDCPサービス・データ・ユニット26及びシーケンス番号情報28の転送を行う。言及したように、転送されるPDCPサービス・データ・ユニット26及びシーケンス番号情報28は、ソース基地局16−1において誤った順序で受信され、かつ、ソース基地局16−1によって関連するコアネットワーク14へ未だ転送されていないPDCPプロトコル・データ・ユニットに対応する。
【0040】
当然ながら、移動局20も、ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へのシームレスなハンドオーバをサポートするとともに、1つ以上の処理回路、例えば図1に示すPDCPプロセッサ32を実装するマイクロ・プロセッサに基づくシステムを含む。少なくとも1つの実施形態において、移動局20は、1つ以上の処理回路を含む。当該処理回路は、ターゲット基地局から受信される再送要求に応じて、欠落しているPDCPサービス・データ・ユニットについてのPDCPプロトコル・データ・ユニットを再送するように動作するとともに、移動局20においてバッファリングされた対応するPDCPサービス・データ・ユニットを使用して再送するためのPDCPプロトコル・データ・ユニットを再生成するために、新たな暗号化状態と新たなヘッダ圧縮状態とを使用することを特徴とする。このように、ターゲット基地局16−2は、移動局20によるプロトコル・データ・ユニットの再送が要求された、欠落しているサービス・データ・ユニットを特定するために、転送されたシーケンス番号情報28を少なくとも部分的に使用する。この意味で、(複数の)再送が必要であるのは、ターゲット基地局16−2のハンドオーバ・プロセッサ48が、転送されたPDCPサービス・データ・ユニット26を並べ替えて、それらを正しい順番で関連するコアネットワーク14へ転送できるようにするためである。
【0041】
さらに、少なくとも1つの実施形態では、移動局20はソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へのシームレスなハンドオーバをサポートする。当該移動局20は、ハンドオーバ・プロセッサが、ターゲット基地局16−2において何れのサービス・データ・ユニットが欠落しているかを示す、又は何れのサービス・データ・ユニットがターゲット基地局16−2において受信に成功しているかを等価的に示す、ターゲット基地局16−2からのシグナリングに応じて、欠落しているサービス・データ・ユニットについての新たなプロトコル・データ・ユニットを再生成するとともに、再生成したプロトコル・データ・ユニットを送信するように動作することを特徴とする。
【0042】
再生成されるプロトコル・データ・ユニットは、移動局20においてバッファリングされた対応するサービス・データ・ユニットから再生成される。少なくともこのような1つの実施形態において、移動局20は、さらに、当該再生成されたプロトコル・データ・ユニットを、新たな暗号化状態及び新たなヘッダ圧縮状態のうちの少なくとも1つを使用して再生成することを特徴とする。さらに、少なくとも1つの実施形態において、移動局20は、さらに、受信に成功していることをターゲット基地局16−2によって示されたサービス・データ・ユニットの再送を控えることを特徴とする。
【0043】
以上のことを考慮すると、当業者は、1つ以上の実施形態において、本明細書における教示には、移動局20のシームレスなハンドオーバのために第1の基地局(例えば、ソース基地局16−1)から第2の基地局(例えば、ターゲット基地局16−2)へ転送されるサービス・データ・ユニットを含む情報を送信することが含まれることを、認識するであろう。ここで、基地局16及び移動局20は、プロトコルによって制御されるリンク(例えば、PDCPリンク)のそれぞれの端点を表す。少なくとも1つの態様において、本明細書における教示は、ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へ送信する情報(例えば、状態メッセージ)に基づいて、ターゲット基地局16−2におけるサービス・データ・ユニットの並べ替え処理を検討している。少なくとも1つの実施形態において、当該メッセージは、ソース基地局16−1において受信に成功したサービス・データ・ユニット又はプロトコル・データ・ユニットに関する情報を含む。この情報は、ハンドオーバの完了後に、ターゲット基地局16−2において欠落しているサービス・データ・ユニットの再送を要求するために使用され得る。ソース基地局16−1によってゲートウェイ18へ既に配信されているデータをターゲット基地局16−2が受信する場合には、ターゲット基地局16−2における重複検出のために、同一の状態情報が使用され得る。
【0044】
少なくとも1つの実施形態では、シームレスなハンドオーバの一部としてのアップリンクの移動性は、「S1インタフェース」を介して関連するコアネットワーク14のゲートウェイ18へ送られる、累積的に正しく受信された全てのデータ(即ち、順番に受信された、又は並べ替えに成功した全てのPDCPサービス・データ・ユニット)の送信処理を含む。ゲートウェイ18は、E−UTRANの実施形態において、システム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)・ゲートウェイ(GW)から成る。
【0045】
ハンドオーバを開始すると、ソース基地局16−1は、ターゲット基地局16−2に対して、これら2つの基地局を接続する論理的なインタフェース26を介して状態メッセージを送信する。LTEでは、このインタフェースは「X2」インタフェースと名付けられている。(ソース基地局とターゲット基地局とが「X2」インタフェースによって論理的に相互接続されない場合、データ転送や状態メッセージの転送を含む上述の通信は、コアネットワーク14を介して、即ち、2つの基地局16とコアネットワーク14との間の2つの論理的なS1インタフェースを使用することによって、中継され得る。)状態メッセージは、ソース基地局16−1におけるサービス・データ・ユニットの受信状態を記述する。なお、状態メッセージが、アップリンク通信のデータ送信機である移動局20の状態を必ずしも表さないことに留意されたい。
【0046】
転送されるシーケンス番号情報28を具現化するかあるいは伴う場合がある、本明細書でこれまでに説明した状態メッセージは、ソース基地局16−1によってS1インタフェースを経てゲートウェイ18へ転送されたサービス・データ・ユニットの状態を含んでいてもよい。さらに注記したように、ソース基地局16−1は、ソース基地局16−1において受信されているが、未だゲートウェイ18へ配信されていないサービス・データ・ユニット26、即ち、ソース基地局16−1において、順番に受信されておらず、並べ替え処理を待っているために、ソース基地局16−1において保持されているサービス・データ・ユニットをも、転送する。上述したように、このようなサービス・データ・ユニットは、ゲートウェイ18へ転送されるよりむしろソース基地局16−1において一時的にバッファリングする。
【0047】
これらのバッファリングしたサービス・データ・ユニットをソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へ転送することを想定すると、移動局20は、欠落しているサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットをターゲット基地局16−2へ再送する。移動局20は、例えば、ターゲット基地局16−2において欠落しているPDCPサービス・データ・ユニットについての新たなPDCPプロトコル・データ・ユニットを生成することによって、このような再送を実行する。なお、移動局20は、対応して送信したプロトコル・データ・ユニットについての確認応答(acknowledgment)を待ち受けている間、一般にサービス・データ・ユニットを保持し、これらの保持された複製は、プロトコル・データ・ユニットの再生成及び再送に使用され得る。
【0048】
移動局20はまた、1つ以上の実施形態において、欠落しているPDCPサービス・データ・ユニットの再送のために、新たな暗号化及びヘッダ圧縮状態を使用する。ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2へ送信される状態メッセージに含まれる情報は、既知の(例えば、RLCプロトコルにおける)ARQ機構を使用して移動局20による再送を要求するために、ターゲット基地局16−2によて使用され得る。
【0049】
1つ以上の実施形態における状態メッセージは、ソース基地局16−1においてデータが正しく受信されている最大のシーケンス番号(SN)を示すSNを少なくとも含む。ターゲット基地局16−2は、転送されたサービス・データ・ユニット26に対応するシーケンス番号に基づいて、欠落しているサービス・データ・ユニットを判断することができる。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、ソース基地局16−1は、データリスト又はビットマップの形式等で、欠落しているデータを明示的に示す。ARQに関連する情報に加えて、状態レポートは、圧縮解除及び暗号化解除の少なくとも何れかに成功した(又は成功しなかった)プロトコル・データ・ユニットに関する情報も含んでいてもよい。そうすることにより、ソース基地局16−1においてARQの意味で正しく受信されたが、圧縮解除又は暗号化解除に成功しなかったサービス・データ・ユニット、即ち、対応するプロトコル・データ・ユニットの受信には成功したが、ソース基地局16−1が、受信したプロトコル・データ・ユニットからのサービス・データ・ユニットの処理に失敗したかもしれない、サービス・データ・ユニットの再送を、ターゲット基地局16−2が要求することを可能となる。
【0050】
非限定的な例を用いて、図4は、ソース基地局16−1からターゲット基地局16−2への移動局20のシームレスなハンドオーバを「論理的に」図示する。同図は、移動局20からソース基地局16−1及びターゲット基地局16−2の少なくとも何れかへ送信されるPDCPサービス・データ・ユニットの送信状態及び受信状態に関する論理的な状態を示すという意味で、「論理的な」図解である。これら図示した状態表示は、PDCPに基づくアップリンク通信の管理のために移動局20及び基地局16において使用されるデータ構造を文字によって表しても表さなくてもよいが、これらは考察を目的としたものである。
【0051】
図4において、ソース基地局16−1及びターゲット基地局16−2はそれぞれ、シームレスなハンドオーバについて本明細書で提示する教示に従って動作する。考察のために、移動局20が複数のPDCPプロトコル・データ・ユニットをソース基地局16−1に送信し、そのうちのいくつかは受信に成功し、そのうちのいくつかは成功しなかったものと仮定する。図示した状態表示50は、これら送信されたPDCPサービス・データ・ユニットの移動局20における状態を示し、かつ、シーケンス番号3乃至13を有するPDCPプロトコル・データ・ユニットが、ハンドオーバに先立って移動局20からソース基地局16−1へ送信されていることを示す。
【0052】
しかしながら注記したように、ソース基地局16−1において全てのPDCPプロトコル・データ・ユニットの受信に成功したのではなく、ソース基地局16−1における受信状態表示52は、シーケンス番号3、4、5、6、8、11及び12を有するPDCPプロトコル・データ・ユニットについての受信に成功した場合(圧縮解除/暗号化解除の成功を含む)の例である。対照的に、シーケンス番号7、9及び10については、PDCPサービス・データ・ユニットの受信に成功していない。このように、PDCPサービス・データ・ユニット8、11及び12は、誤った順番で受信されていると考えられる。また図4で注記するのは、転送されるPDCPサービス・データ・ユニット54である。これらのサービス・データ・ユニット54は、ハンドオーバの実行前にソース基地局16−1から関連するコアネットワーク14(例えば、ゲートウェイ18)へ既に転送されたPDCPサービス・データ・ユニットを表す。
【0053】
従って、ハンドオーバの実行中に、ソース基地局16−1は、誤った順序で受信され、ゲートウェイ18への転送のための並べ替えを待っている状態のPDCPサービス・データ・ユニット26を転送する。この例において、転送されるPDCPサービス・データ・ユニットは、8、11及び12である。即ち、転送されるPDCPサービス・データ・ユニットは、当該シーケンスにおける8番目、11番目、及び12番目のPDCPプロトコル・データ・ユニットに対応するものであり、これらはソース基地局16−1において受信には成功したが、誤った順序で受信されたものである。既に注記したように、ソース基地局16−1は、これらの転送されるPDCPサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号情報28を転送し、1つ以上の実施形態において、当該シーケンス番号情報28は、ゲートウェイ18まで既に転送されたPDCPサービス・データ・ユニット(即ち、直近にシーケンシャルに転送されたPDCPサービス・データ・ユニット)の最も高いシーケンス番号の表示を含む。この例においてその値は「6」である。この情報を符号化する別の方法を適用することができ、例えば、直近にシーケンシャルに転送されたPDCPサービス・データ・ユニット(「6」)が示されてもよいし、あるいは代替的に、シーケンシャルに転送される次のPDCPサービス・データ・ユニット(「7」)が示される。
【0054】
補完的な方法では、ターゲット基地局16−2は、不必要な再送を回避し、それによりハンドオーバの効率を向上させつつ、移動局20による選択的な再送を要求するために、受信したシーケンス番号情報28を使用する。より詳細には、ターゲット基地局16−2は、ゲートウェイ18への転送用の、転送されたPDCPサービス・データ・ユニット26をターゲット基地局16−2が正しく順序付けることを可能にするために移動局20が再送する必要がある、欠落しているPDCPプロトコル・データ・ユニットを特定すべく、受信したシーケンス番号情報28を処理する。ここで、当該シーケンス番号情報28は、本明細書においてこれまでに考察した状態メッセージ情報を含むか又は包含し得る。
【0055】
従って、ターゲット基地局16−2における再送要求(例えば、ARQ手順)が欠落しているデータの再送を移動局20に促していると想定すると、状態表示56は、ハンドオーバ後のある時間の移動局20の状態を表す。即ち、シーケンス番号7、9、10及び13ついての欠落しているデータは、移動局20からターゲット基地局16−2へPDCPプロトコル・データ・ユニットの形式による再送に成功していることがわかる。再送されたPDCPプロトコル・データ・ユニットに対応するPDCPサービス・データ・ユニット58は、ターゲット基地局16−2へのアップリンク上に明示的に示されている。なお、再送されたデータを示すためにハッチングを使用していることに留意されたい。
【0056】
例を用いて続けると、ターゲット基地局16−2における受信状態表示60は、ターゲット基地局16−2が、転送されたPDCPサービス・データ・ユニット26を正しく並べ替えるために必要な、欠落しているデータを取得していることを示す。このようにして、ターゲット基地局16−2は、再送されたPDCPサービス・データ・ユニットと、転送されたPDCPサービス・データ・ユニット26とを、正しいシーケンスの順序でゲートウェイ18へ転送する。転送されるPDCPサービス・データ・ユニット62のセットはその転送を示す。
【0057】
当然ながら、図4は代表的な例であり、限定するものではない。実際、本発明は、上述の考察及び添付する図面に限定されることはない。その代わりに、本発明は、以下の特許請求の範囲及びその法的な均等物によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連するコアネットワークへの順序付けられたシーケンシャル転送におけるサービス・データ・ユニットとして、基地局が移動局からプロトコル・データ・ユニットを受信する無線通信ネットワークにおいて、ソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートする方法であって、
ハンドオーバの実行中に、前記ソース基地局から転送されたサービス・データ・ユニットとシーケンス番号情報とを前記ターゲット基地局において受信するステップであって、該転送されたサービス・データ・ユニットは、前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために該ソース基地局において保持されているサービス・データ・ユニットから成り、該転送されたシーケンス番号情報は、該転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示す、ステップと、
前記ターゲット基地局から前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために、前記転送されたサービス・データ・ユニットを該ターゲット基地局において必要に応じて並べ替えるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ターゲット基地局から前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために、前記転送されたサービス・データ・ユニットを前記ターゲット基地局において必要に応じて並べ替える前記ステップは、
前記ターゲット基地局が、前記転送されたシーケンス番号情報に基づいて欠落したサービス・データ・ユニットを特定するとともに、該欠落したサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットの前記移動局による再送を要求するステップを含むことをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲット基地局が、
前記再送されたプロトコル・データ・ユニットを受信して、前記欠落したサービス・データ・ユニットを取得するためにそれらを処理し、当該処理により取得されたサービス・データ・ユニットを前記転送されたサービス・データ・ユニットとともに、前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために必要に応じて並べ替えることをさらに特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記転送されたシーケンス番号情報が、前記転送されたサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号を示すことをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記転送されたシーケンス番号情報が、前記ソース基地局から前記関連するコアネットワークへ直近に転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号、又は、順番に受信されたサービス・データ・ユニットのうち最後のものに対応するシーケンス番号を示すことをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲット基地局が、
前記ソース基地局から前記関連するコアネットワークへ以前に転送されたサービス・データ・ユニットに関して重複している、該ターゲット基地局において前記移動局から受信されたプロトコル・データ・ユニットを特定するために、前記転送されたシーケンス番号情報を処理し、かつ、
前記ターゲット基地局から前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために前記転送されたサービス・データ・ユニットの並べ替えを行うことを目的として、前記移動局からの再送を要求されたプロトコル・データ・ユニットを特定するために、前記転送されたシーケンス番号情報を処理することをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記転送されたサービス・データ・ユニットが、
ハンドオーバの開始時又は開始前に前記ソース基地局において誤った順序で受信され、かつ、該ソース基地局から前記関連するコアネットワークへサービス・データ・ユニットとして転送されていない、対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除に成功したバージョンであることをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記転送されたサービス・データ・ユニットが、
ハンドオーバの開始時又は開始前に前記ソース基地局において誤った順序で受信され、かつ、該ソース基地局から前記関連するコアネットワークへサービス・データ・ユニットとして転送されていない、対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除及び圧縮解除に成功したバージョンであることをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プロトコル・データ・ユニットが、パケット・データ集約プロトコル(PDCP)のプロトコル・データ・ユニットを含み、
前記サービス・データ・ユニットが、PDCPサービス・データ・ユニットを含むことをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
関連するコアネットワークへの順序付けられたシーケンシャル転送におけるサービス・データ・ユニットとして、基地局が移動局からプロトコル・データ・ユニットを受信する無線通信ネットワークにおいて、ソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートするターゲット基地局であって、
前記ソース基地局から転送されたサービス・データ・ユニットとシーケンス番号情報とを受信するインタフェースであって、該転送されたサービス・データ・ユニットは、前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために該ソース基地局において保持されているサービス・データ・ユニットから成り、該転送されたシーケンス番号情報は、該転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示す、インタフェースと、
前記ターゲット基地局から前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために、前記転送されたサービス・データ・ユニットを前記ターゲット基地局において必要に応じて並べ替えるハンドオーバ・プロセッサと
を備えることを特徴とするターゲット基地局。
【請求項11】
前記ハンドオーバ・プロセッサが、
前記転送されたシーケンス番号情報に基づいて欠落したサービス・データ・ユニットを特定するとともに、該欠落したサービス・データ・ユニットに対応するプロトコル・データ・ユニットの前記移動局による再送を要求することによって、前記転送されたサービス・データ・ユニットを並べ替えることをさらに特徴とする請求項10に記載のターゲット基地局。
【請求項12】
前記ターゲット基地局が、
前記再送されたプロトコル・データ・ユニットを受信して、前記欠落したサービス・データ・ユニットを取得するためにそれらを処理し、当該処理によって取得されたサービス・データ・ユニットを前記転送されたサービス・データ・ユニットとともに、前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために必要に応じて並べ替えることをさらに特徴とする請求項11に記載のターゲット基地局。
【請求項13】
前記転送されたシーケンス番号情報が、さらに、
前記ソース基地局から前記関連するコアネットワークへ直近に転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号、又は、順番に受信されたサービス・データ・ユニットのうち最後のものに対応するシーケンス番号を示すことをさらに特徴とする請求項10に記載のターゲット基地局。
【請求項14】
前記ハンドオーバ・プロセッサが、
前記ソース基地局から前記関連するコアネットワークへ以前に転送されたサービス・データ・ユニットに関して重複している、該ターゲット基地局において前記移動局から受信されたプロトコル・データ・ユニットを特定するために、前記転送されたシーケンス番号情報を処理し、かつ、
前記ターゲット基地局から前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために前記転送されたサービス・データ・ユニットの並べ替えを行うことを目的として、前記移動局からの再送を要求されたプロトコル・データ・ユニットを特定するために、前記転送されたシーケンス番号情報を処理することをさらに特徴とする請求項10に記載のターゲット基地局。
【請求項15】
前記転送されたサービス・データ・ユニットが、
ハンドオーバの開始時又は開始前に前記ソース基地局において誤った順序で受信され、かつ、該ソース基地局から前記関連するコアネットワークへサービス・データ・ユニットとして転送されていない、対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除に成功したバージョンであることをさらに特徴とする請求項10に記載のターゲット基地局。
【請求項16】
前記転送されたサービス・データ・ユニットが、
ハンドオーバの開始時又は開始前に前記ソース基地局において誤った順序で受信され、かつ、該ソース基地局から前記関連するコアネットワークへサービス・データ・ユニットとして転送されていない、対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除及び圧縮解除に成功したバージョンであることをさらに特徴とする請求項10に記載のターゲット基地局。
【請求項17】
関連するコアネットワークへの順序付けられたシーケンシャル転送におけるサービス・データ・ユニットとして、基地局が移動局からプロトコル・データ・ユニットを受信する無線通信ネットワークにおいて、ソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートする方法であって、
ハンドオーバの実行中に、前記ソース基地局から前記ターゲット基地局へサービス・データ・ユニットとシーケンス番号情報とを転送するステップを含み、
前記転送されたサービス・データ・ユニットは、前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために前記ソース基地局において保持されているサービス・データ・ユニットから成り、
前記転送されたシーケンス番号情報は、前記転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示すことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記転送されたサービス・データ・ユニットが、前記ソース基地局において誤った順序で受信された対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除に成功したバージョンであることによって、前記転送されたシーケンス番号情報は、このような誤った順序のプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号を示すことをさらに特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ソース基地局が、さらに、
前記ソース基地局から前記関連するコアネットワークへ直近に転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号の表示、又は、順番に受信されたサービス・データ・ユニットのうち最後のものに対応するシーケンス番号の表示を、前記転送されたシーケンス番号情報に含めることをさらに特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
関連するコアネットワークへの順序付けられたシーケンシャル転送におけるサービス・データ・ユニットとして、基地局が移動局から圧縮解除及び暗号化解除のためのプロトコル・データ・ユニットを受信する無線通信ネットワークにおいて、ソース基地局からターゲット基地局への移動局のシームレスなハンドオーバをサポートするソース基地局であって、
前記ソース基地局から前記ターゲット基地局へサービス・データ・ユニットとシーケンス番号情報とを転送するハンドオーバ・プロセッサ及び関連するインタフェースを備え、
前記転送されたサービス・データ・ユニットは、前記関連するコアネットワークへのシーケンシャル転送のために前記ソース基地局において保持されているサービス・データ・ユニットから成り、
前記転送されたシーケンス番号情報は、前記転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号を示すことを特徴とするソース基地局。
【請求項21】
前記転送されたサービス・データ・ユニットが、前記ソース基地局において誤った順序で受信された対応するプロトコル・データ・ユニットの、暗号化解除に成功したバージョンであり、
前記転送されたシーケンス番号情報が、このような誤った順序のプロトコル・データ・ユニットのシーケンス番号を示すことをさらに特徴とする請求項20に記載のソース基地局。
【請求項22】
前記ソース基地局が、さらに、
前記ソース基地局から前記関連するコアネットワークへ直近に転送されたサービス・データ・ユニットに対応するシーケンス番号の表示、又は、順番に受信されたサービス・データ・ユニットのうち最後のものに対応するシーケンス番号の表示を、前記転送されたシーケンス番号情報に含めることをさらに特徴とする請求項20に記載のソース基地局。
【請求項23】
移動局がプロトコル・データ・ユニットを基地局へ送信し、当該基地局が対応するサービス・データ・ユニットを関連するコアネットワークへ転送する無線通信ネットワークにおいて使用される、ソース基地局からターゲット基地局へのシームレスなハンドオーバをサポートする移動局であって、
前記ターゲット基地局において何れのサービス・データ・ユニットが欠落しているかを示す、又は何れのサービス・データ・ユニットが該ターゲット基地局において受信に成功しているかを等価的に示す、該ターゲット基地局からのシグナリングに応じて、欠落しているサービス・データ・ユニットについての新たなプロトコル・データ・ユニットを再生成するとともに、該再生成されたプロトコル・データ・ユニットを送信するハンドオーバ・プロセッサを備え、
前記再生成されたプロトコル・データ・ユニットは、前記移動局においてバッファリングされた対応するサービス・データ・ユニットから再生成されることを特徴とする移動局。
【請求項24】
前記再生成されたプロトコル・データ・ユニットが、新たな暗号化状態及び新たなヘッダ圧縮状態のうちの少なくとも1つを使用して再生成されることをさらに特徴とする請求項23に記載の移動局。
【請求項25】
受信に成功していることが前記ターゲット基地局によって示されたサービス・データ・ユニットの再送を控えることをさらに特徴とする請求項23に記載の移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−257255(P2012−257255A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−153982(P2012−153982)
【出願日】平成24年7月9日(2012.7.9)
【分割の表示】特願2010−506134(P2010−506134)の分割
【原出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】