説明

無線通信ネットワークに係るハンドオーバ制御システムを提供する方法及び装置

【課題】無線通信ネットワークに係るハンドオーバ制御システムを効果的に提供する方法及び装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一特徴は、各移行イベント中に無線通信ネットワークに係る複数のノードの2つのノードの間を移行する加入者ステーションの1以上の移行イベントをある期間内にモニタするステップと、前記期間内に所定数の移行イベントを検出することに応答して、前記加入者ステーションにおいて前記1以上の移行イベントに係る移行イベント情報を有するローミング管理リクエストを生成するステップとを有する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に無線通信システムに関し、より詳細には、無線通信ネットワークに係るハンドオーバ制御システムを提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、家庭、学校などにおいて無線通信が普及するに従って、任意の時点及び/又は任意の場所における計算及び通信要求を満たすため、各種無線技術及びアプリケーションが並行して動作するかもしれない。例えば、各種及び/又は複数の無線通信ネットワークが、無線環境により大きな計算及び/若しくは通信能力、より大きな可動性並びに/又は最終的にシームレスなローミングを提供するため共存しているかもしれない。
【0003】
特に、WPAN(Wireless Personal Area Network)は、オフィスの作業スペースや家の中の部屋など比較的小さなスペース内における高速で短距離の接続を提供する。WLAN(Wireless Local Area Network)は、オフィスの建物、家、学校などの内部においてWPANより広範な範囲を提供する。WMAN(Wireless Metropolitan Area Network)は、例えば、より広範な地理的エリアにおいて建物を互いに接続することによって、WLANより大きな距離をカバーするかもしれない。WWAN(Wireless Wide Area Network)は、このようなネットワークがセルラーインフラストラクチャにおいて広く配置されるため、最も広範な領域を提供するかもしれない。上記無線通信ネットワークのそれぞれは異なる利用をサポートするかもしれないが、これらのネットワークにおける共存は、任意の時点及び場所における接続性を備えたよりロウバストな環境を提供するかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、無線通信ネットワークに係るハンドオーバ制御システムを効果的に提供する方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一特徴は、各移行イベント中に無線通信ネットワークに係る複数のノードの2つのノードの間を移行する加入者ステーションの1以上の移行イベントをある期間内にモニタするステップと、前記期間内に所定数の移行イベントを検出することに応答して、前記加入者ステーションにおいて前記1以上の移行イベントに係る移行イベント情報を有するローミング管理リクエストを生成するステップとを有する方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、無線通信ネットワークに係るハンドオーバ制御システムを効果的に提供する方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、ここに開示される方法及び装置の一実施例による無線通信システムの概略図である。
【図2】図2は、一例となるWLANのブロック図である。
【図3】図3は、図2の一例となるWLANの一例となるハンドオーバ制御システムを示す。
【図4】図4は、図2の一例となるハンドオーバ制御システムの一例となる加入者ステーションが構成される一方法を示す。
【図5】図5は、図2の一例となるハンドオーバ制御システムの一例となるアクセスポイント(AP)が構成される一方法を示す。
【図6】図6は、図2の一例となるハンドオーバ制御システムの一例となるAPコントローラが構成される一方法を示す。
【図7】図7は、図2の一例となる加入者ステーションの一例となる無線通信プラットフォームを実現するのに利用される一例となるプロセッサシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一般に、無線通信ネットワークに係るハンドオーバ制御システムを提供する方法及び装置がここに記載される。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0009】
図1を参照するに、一例となる無線通信システム100は、110,120,130として全体表示される1以上の無線通信ネットワークを有する。特に、無線通信システム100は、WPAN(Wireless Personal Area Network)110、WLAN(Wireless Local Area Network)120及びWMAN(Wireless Metropolitain Area Network)130を有する。図1は、3つの無線通信ネットワークを示しているが、無線通信システム100は、より多くの又はより少ない無線通信ネットワークを有するかもしれない。例えば、無線通信システム100は、さらなるWPAN、WLAN及び/又はWMANを有するかもしれない。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0010】
無線通信システム100はまた、140,142,144,146,148として全体表示される1以上の加入者ステーションを有するかもしれない。例えば、加入者ステーション140,142,144,146,148は、デスクトップコンピュータ、ラップトッポコンピュータ、携帯コンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、ページャ、オーディオ及び/若しくはビデオプレーヤー(MP3プレーヤーやDVDプレーヤーなど)、ゲーム装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ナビゲーション装置(GPS装置など)、無線周辺装置(プリンタ、スキャナ、ヘッドセット、キーボード、マウスなど)、医療装置(心拍数モニタ、血圧モニタなど)並びに/又は他の適切な固定、携帯若しくはモバイル電子装置などの無線電子装置を含むかもしれない。図1は5つの加入者ステーションしか示していないが、無線通信システム100は、より多くの又はより少ない加入者ステーションを有してもよい。
【0011】
各加入者ステーション140,142,144,146,148は、無線通信ネットワーク110,120及び/又は130の1以上により提供されるサービスにアクセスすることが許可されているかもしれない。加入者ステーション140,142,144,146,148は、SS(Spread Spectrum)変調(例えば、DS−CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access)及び/又はFH−CDMA(Frequency Hopping Code Division Mutiple Access)など)、TDM(Time−Division Multiplexing)変調、FDM(Frequency−Division Multiplexing)変調、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)変調(例えば、OFDMA(Orthogonal Frequency−Division Mutiple Access)など)、MDM(Multi−Carrier Modulation)、及び/又は他の適切な無線リンクを介して通信するための変調技術などの各種変調技術を利用可能である。例えば、ラップトップコンピュータ140は、WPAN110を実現するためBluetooth(登録商標)、UWB(Ultra−Wide Band)及び/又はRFID(Radio Frequency Identification)などの極めて低い電力しか要求しない適切な無線通信プロトコルに従って動作するかもしれない。特に、ラップトップコンピュータ140は、ビデオカメラ142及び/又はプリンタ144など、WPAN110に関連付けされる各装置と無線リンクを介し通信するかもしれない。
【0012】
他の例では、ラップトップコンピュータ140は、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)変調及び/又はFHSS(Frequency Hopping Spread Spectrum)変調を利用して、WLAN120(IEEE(Institute of Elecrical and Electronic Engineers)により開発された802.11規格ファミリー及び/又はこれらの規格の変形及び進化など)を実現するかもしれない。例えば、ラップトップコンピュータ140は、プリンタ144、携帯コンピュータ146及び/又はスマートフォン148などのWLAN120に関連付けされた各装置と無線リンクを介し通信するかもしれない。ラップトップコンピュータ140はまた、無線リンクを介しアクセスポイント(AP)150と通信するかもしれない。AP150は、以下で詳細に説明されるように、ルータ152と動作接続されるかもしれない。あるいは、AP150及びルータ152は、単一の装置(無線ルータなど)に統合されるかもしれない。
【0013】
ラップトップコンピュータ140は、OFDM変調を利用して、無線周波数信号を複数の小さな信号に分割し、各周波数で同時に送信することによって、大量のデジタルデータを送信するかもしれない。特に、ラップトップコンピュータ140は、OFDM変調を利用してWMAN130を実現するかもしれない。例えば、ラップトップコンピュータ140は、固定、携帯及び/又はモバイルブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)ネットワーク(2004年9月18日に公表されたIEEE規格802.16−2004、2006年2月28日に公表されたIEEE規格802.16e、2005年12月1日に公表されたIEEE規格802.16fなど)が160,162,164として全体表示される基地局と無線リンクを介し通信するため、IEEEにより開発された802.16規格ファミリーに従って動作可能である。
【0014】
上記具体例のいくつかはIEEEにより開発された規格に関して説明されたが、ここに開示される方法及び装置は、他の特別な利害グループ及び/又は規格開発組織(例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)アライアンス、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)フォーラム、IrDA(Infrared Data Association)、3GPP(Third Generation Partnership Project)など)により開発された多数の仕様及び/又は規格に容易に適用可能である。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0015】
WLAN120及びWMAN130は、イーサネット(登録商標)、デジタル加入者線(DSL)、電話線、同軸ケーブル及び/又は何れかの無線接続などとの接続を介し、インターネット、電話ネットワーク(PSTN(Public Switched Telephone Network)など)、LAN(Local Area Network)、ケーブルネットワーク及び/又は他に無線ネットワークなどの一般的なパブリック若しくはプライベートネットワーク170に動作接続されるかもしれない。一例では、WLAN120は、AP150及び/又はルータ152を介し一般的なパブリック又はプライベートネットワーク170に動作接続される。他の例では、WMAN130は、基地局160,162及び/又は164を介し一般的なパブリック又はプライベートネットワーク170に動作接続されるかもしれない。
【0016】
無線通信システム100は、他の適切な無線通信ネットワークを有するかもしれない。例えば、無線通信システム100は、WWAN(Wireless Wide Area Network)(図示せず)を有するかもしれない。ラップトップコンピュータ140は、WWANをサポートするため、他の無線通信プロトコルに従って動作するかもしれない。特に、これらの無線通信プロトコルは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)技術、WCDMA(Wideband Code Division Mutiple Access )技術、GPRS(General Packet Radio Services)技術、EDGE(Enhanced Data GSM(登録商標) Environment)技術、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)技術、3GPP技術、これらの技術に基づく規格、これらの規格の変形及び進化、並びに/又は他の適切な無線通信規格など、アナログ、デジタル及び/又はデュアルモード通信システム技術に基づくかもしれない。図1は、WPAN、WLAN及びWMANを示すが、無線通信システム100は、WPAN、WLAN、WMAN及び/又はWWANの他の組み合わせを含むかもしれない。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0017】
無線通信システム100は、携帯電話システム、衛星システム、PCS(Personal Communication System)、双方向無線システム、一方向ページャシステム、双方向ページャシステム、パーソナルコンピュータ(PC)システム、PDA(Personal Data Assistant)システム、PCA(Personal Computing Accessory)システム及び/又は他の何れか適切な通信システムを実現するため、ネットワークインタフェース装置及び周辺装置(ネットワークインタフェースカード(NIC)など)、アクセスポイント(AP)、再配分ポイント、エンドポイント、ゲートウェイ、ブリッジ、ハブなどの他のWPAN、WLAN、WMAN及び/又はWWAN装置(図示せず)を有するかもしれない。特定の具体例が上述されたが、本開示のカバー範囲はこれに限定されるものでない。
【0018】
図2の具体例では、無線通信ネットワーク200は、加入者ステーション(STA)210と、220,222,224として全体表示される1以上のアクセスポイント(AP)とを有するかもしれない。無線通信ネットワーク200はまた、AP220,222,224に動作接続されたAPコントローラ230を有するかもしれない。例えば、無線通信ネットワーク200は、IEEE802.11規格ファミリー及び/又はこれらの規格の変形及び進化(IEEE802.11 Task Group k(Radio Resource Measurement Enhancements)、IEEE802.11 Task Group r(Fast Roaming/Fast BSS Transition)、及び/又はIEEE802.11 Task Group v(Wireless Network Management)など)に従って動作するWLANであるかもしれない。図2はWLANを示しているが、ここに記載される方法及び装置は、WPAN、WMAN、WWAN及び/又は無線メッシュネットワークなどの他のタイプの無線通信ネットワークに容易に適用可能である。一例では、無線通信ネットワーク200は、APの代わりに1以上の基地局を有するWMAN又はWWANであるかもしれない。さらに、図2は単一の加入者ステーションを示しているが、無線通信ネットワーク200は、さらなる加入者ステーションを有してもよい。無線通信ネットワーク200はまた、図2が3つのAPを示しているが、さらなるAPを有してもよい。
【0019】
一般に、加入者ステーション210は、図1に関して上述された無線電子装置の何れか又はそれらの何れかの組み合わせであるかもしれない。加入者ステーション210は、ネットワークインタフェース装置(NID)240、イベントレコーダ250、ハンドオーバモニタ260、コンフィギュレーション調整手段270、リクエスト生成手段280及びメモリ285を有するかもしれない。NID240、イベントレコーダ250、ハンドオーバモニタ260、コンフィギュレーション調整手段270、リクエスト生成手段280及びメモリ285は、バス290を介し互いに動作接続されるかもしれない。図2はバス290を介し互いに接続される加入者ステーション210の1以上のコンポーネントを示しているが、これらのコンポーネントは、他の適切な直接的又は間接的な接続(ポイント・ツー・ポイント接続又はポイント・ツー・マルチポイント接続など)を介し動作可能に互いに接続される。
【0020】
NID240は、受信機242、送信機244及びアンテナ246を有するかもしれない。例えば、NID240は、ネットワークインタフェースカードであるかもしれない。加入者ステーション210は、受信機242及び送信機244を介しデータをそれぞれ受送信するかもしれない。アンテナ246は、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ及び/又は無線周波数(RF)信号の送信に適した他のタイプのアンテナなどの1以上の指向性又は全方向性アンテナを含むかもしれない。図2は単一のアンテナを示すが、加入者ステーション210はさらなるアンテナを含むかもしれない。例えば、加入者ステーション210は、MIMO(Multiple−Input−Multiple−Output)システムを実現するための複数のアンテナを含むかもしれない。
【0021】
イベントレコーダ250は、加入者ステーション210の1以上の移行イベントに係る情報を記録するかもしれない。各移行イベント中、加入者ステーション210は、2つのノードの間で移行するかもしれない(例えば、1つのAPから他のAPへの加入者ステーション210のハンドオーバ又はハンドオフなど)。便宜上、“ハンドオーバ”及び“ハンドオフ”という用語は、あるAPから他のAPへの加入者ステーションとの接続の移行を表すため、本開示を通じて相互利用されるかもしれない。一例では、加入者ステーション210は、AP220のカバーエリアからAP222のカバーエリアに移動するため、AP220からAP222へ移行又はローミングするかもしれない。さらに又はその代わりに、AP220は、加入者ステーション210との接続がAP222などのAP220の近傍のAPに移行されるよう、容量をもって動作するかもしれない。このため、加入者ステーション210との接続のハンドオーバは、AP220とAP222との間で行われるかもしれない。他の例では、加入者ステーション210は、AP220からAP224に以降又はローミングするかもしれない。加入者ステーション210との接続のハンドオーバは、AP220とAP224との間で行われるかもしれない。
【0022】
ハンドオーバモニタ260は、加入者ステーション210の頻繁なハンドオーバを示す状態をモニタする(ハードハンドオーバ、ソフトハンドオーバ、ソフタハンドオーバなど)。一例では、ハンドオーバモニタ260は、ある期間内における加入者ステーション210の1以上の移行イベントをモニタするかもしれない。ハンドオーバモニタ260は、当該期間内に所定の回数の移行イベントが発生した場合(例えば、1分間に5回の移行イベントなど)、加入者ステーション210の頻繁なハンドオーバを示す状態を検出するかもしれない。例えば、ハンドオーバモニタ260は、当該期間内の移行イベントの回数が所定の閾値を超えるか判断するかもしれない。
【0023】
頻繁なハンドオーバを回避するため、コンフィギュレーション調整手段270は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度及び/又はクリアチャネル評価などの加入者ステーション210の1以上のコンフィギュレーションを調整する。一例では、コンフィギュレーション調整手段270は、加入者ステーション210の頻繁なハンドオーバを示す状態を検出することに応答して、加入者ステーション210のローミングヒステリシスを調整するかもしれない。特に、コンフィギュレーション調整手段270は、加入者ステーション210と通信中のAP(AP220など)から送信される信号と、加入者ステーション210に無線通信サービスを提供するローミング候補AP(AP222など)から送信される信号との間の信号強度の相違を決定するかもしれない。例えば、コンフィギュレーション調整手段270は、ローミングヒステリシス閾値を増加させることによって、加入者ステーション210のローミングヒステリシスを増加させるかもしれない。この結果、加入者ステーション210は、1つのAPから他のAPへの移行前に、加入者ステーション210により受信される信号の信号強度のより大きな相違を要求するかもしれない。さらに、コンフィギュレーション調整手段270はまた、後述されるようなAP220及び/又はAPコントローラ230からのコンフィギュレーション情報に基づき1以上のコンフィギュレーションを調整するかもしれない。
【0024】
リクエスト生成手段280は、加入者ステーション210の移行イベントに係る移行イベント情報を含むローミング管理リクエストを生成するかもしれない。例えば、移行イベント情報は、移行識別情報、移行タイムスタンプ情報、移行理由情報、ターゲット識別情報、ソース識別情報、受信信号強度インジケータ(RSSI)情報、受信信号対ノイズインジケータ(RSNI)情報、送信電力情報、ローミングヒステリシス情報、受信感度情報又は加入者ステーション210の各移行イベントに係るクリアチャネル評価(CCA)情報を含むかもしれない。
【0025】
一般に、移行識別情報は、各移行イベントを特定するかもしれない。移行タイムスタンプ情報は、各移行イベントがいつ発生したか示すかもしれない(日時など)。移行理由情報は、各移行イベントがなぜ発生したか示すかもしれない。ターゲット識別情報とソース識別情報とは、各移行イベントのターゲットAPとソースAPとを示すかもしれない(ターゲットAPとソースAPのBSSIDなど)。RSSI情報は、各移行イベントについて加入者ステーション210におけるターゲットAPからの受信信号強度を示すかもしれない。RSNI情報は、各移行イベントについて加入者ステーション210におけるソースAPからの受信信号対ノイズ比を示すかもしれない。
【0026】
送信電力情報は、各移行イベントについてターゲットAPとソースAPに加入者ステーション210から送信された信号に係る送信電力を示すかもしれない。ローミングヒステリシス情報は、各移行イベントについてターゲットAPから送信される信号とソースAPから送信される信号との間の信号強度の相違を示すかもしれない。受信感度情報は、各移行イベントについてターゲットAPとソースAPのそれぞれから加入者ステーション210により受信される信号に係る受信電力を示すかもしれない。CCA情報は、各移行イベントについてターゲットAPとソースAPのそれぞれに係るCCAを示すかもしれない。CCA閾値は、チャネルに係る干渉及び/又はノイズからなるかもしれない。あるチャネルが利用可能か判断するため、加入者ステーション210は、当該チャネルを介し信号に係る受信電力がCCA閾値未満であるか判断するかもしれない。受信電力がCCA閾値未満である場合、当該チャネルは加入者ステーション210が使用するのに利用可能であるかもしれない。
【0027】
一例では、リクエスト生成手段280は、コンフィギュレーション調整手段270が加入者ステーション210のローミングヒステリシスを調整した後、ローミング管理リクエストを生成するが、ハンドオーバモニタ260は依然として加入者ステーション210の頻繁なハンドオーバを示す状態を検出するかもしれない。このため、NID240は、ローミング管理リクエストをAP220に送信するかもしれない。移行イベント情報に基づき、AP220は、AP220の1以上のコンフィギュレーションを調整するかもしれない。一例では、AP220は、AP220のローミングヒステリシスを調整するかもしれない。AP220は、移行イベント情報をAPコントローラ230に転送するかもしれない。特に、AP220は、移行イベント情報を含む頻繁なハンドオーバの回避リクエストを生成するかもしれない。移行イベント情報に基づき、APコントローラ230は、加入者ステーション210と通信中のAP(AP220など)及び/又は加入者ステーション210と通信中のAPの1以上の近傍のAP(AP222及び/又は224など)の1以上のコンフィギュレーションを調整するかもしれない。例えば、APコントローラ230は、AP220,222及び/又は224の送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度及び/又はクリアチャネル評価を調整するかもしれない。
【0028】
さらに又はあるいは、APコントローラ230は、加入者ステーション210にある期間内に移行イベントの回数を低減する推奨を提供するかもしれない。APコントローラ230は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度、クリアチャネル評価又はローミングノード候補などの加入者ステーション210の1以上のコンフィギュレーションを調整するため、コンフィギュレーション情報を生成する。一例では、APコントローラ230は、コンフィギュレーション情報を含む頻繁なハンドオーバの回避レスポンスを生成し、AP220に送信する。次に、AP220は、コンフィギュレーション情報を含むローミング管理レスポンスを生成し、加入者ステーション210に送信する。コンフィギュレーション情報に基づき、コンフィギュレーション調整手段270は、ある期間内における移行イベントの回数を低減するため、加入者ステーション210の1以上のコンフィギュレーションを調整するかもしれない。
【0029】
図2に示されるコンポーネントが加入者ステーション210内の個別のブロックとして示されているが、これらのブロックのいくつかにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合されるか、又は2以上の個別の集積回路を用いて実現されてもよい。一例では、受信機242と送信機244はNID240内の個別のブロックとして示されるが、受信機242は送信機244に統合されてもよい(送受信機など)。他の例では、イベントレコーダ250、ハンドオーバモニタ260、コンフィギュレーション調整手段270及び/又はリクエスト生成手段280は、単一のコンポーネントに統合されてもよい。さらに、加入者ステーション210内のブロックのいくつかは、ネットワークインタフェースカード(NIC)(図示せず)に統合されてもよい。例えば、NID240、イベントレコーダ250、ハンドオーバモニタ260、コンフィギュレーション調整手段270及び/又はリクエスト生成手段280は、NICに統合されてもよい。
【0030】
アクセスポイント220,222,224は、同一の又は異なる無線通信ネットワークに関連付けされてもよい。以下で詳細に説明されるように、加入者ステーション210は、2以上の無線通信ネットワークに同時に接続されるかもしれない。図2は、1以上のベーシックサービスセット(BSS)ネットワークを示しているが、ここに記載される方法及び装置は、独立ベーシックサービスセット(IBSS)ネットワークなどの他の適切なネットワークに容易に適用可能である。さらに、上記具体例はWLANに係るAP及びAPコントローラに関して説明されたが、ここに記載される方法及び装置は、WMAN、WWAN及び/又は加入者ステーションに関する無線メッシュネットワークに係る基地局(BS)及びBSコントローラに容易に適用可能である。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0031】
一般に、AP間の加入者ステーション210の頻繁なハンドオーバは、加入者ステーション210が1つのAPから他のAPに移行又はローミングするための再関連付け及びキー再生成のため、ネットワークロードを増大させるかもしれない。さらに、加入者ステーション210の頻繁なハンドオーバは、中断を生じさせ、QoS(Quality of Service)を低下させ、並びに/又はデータ、音声及び/若しくはビデオストリームにおいてジッタを増大させるかもしれない。
【0032】
図3の例では、ハンドオーバ制御システム300は、加入者ステーション(図2の加入者ステーション210など)とAP(図2のAP220など)とを有するかもしれない。ハンドオーバ制御システム300はまた、APコントローラ(図2のAPコントローラ230など)を有するかもしれない。あるいは、APコントローラ230はAP220に統合されるか、又はハンドオーバ制御システム300はAPコントローラ230を有しないかもしれない。
【0033】
ハンドオーバ制御システム300を示すため、加入者ステーション210は、加入者ステーション210の移行イベントに係る情報を記録し、頻繁なハンドオーバを示す状態をモニタするかもしれない。特に、加入者ステーション210は、ある期間内における移行イベントの回数が所定の閾値を超えたか判断する。一例では、1分間に5回の移行イベントが、頻繁なハンドオーバを示すかもしれない。
【0034】
加入者ステーション210が、頻繁なハンドオーバを示す状態を検出した場合、加入者ステーション210は、他のAP(図2のAP222又は224など)にスイッチする代わりに、AP220との通信を継続するためローミングヒステリシスを増大させるかもしれない。上述されるように、ローミングヒステリシスは、加入者ステーション210と通信中のAP(AP220など)から送信される信号と、他のAP(AP222など)から送信される信号との間の信号強度の差を示すかもしれない。ローミングヒステリシスを増大させることによって、例えば、加入者ステーション210は、加入者ステーション210がAP220からAP222にスイッチする前にAP220からの信号とAP222からの信号との間の信号強度がより大きくなるに従って、頻繁なハンドオーバを低減するかもしれない。
【0035】
しかしながら、加入者ステーション210が依然としてローミングヒステリシスを増大させた後に頻繁なハンドオーバを示す状態を検出した場合、加入者ステーション210は、移行イベント情報をAP220に転送するかもしれない。一例では、加入者ステーション210は、移行イベント情報を含むローミング管理リクエストを生成し、ローミング管理リクエストをAP220に送信する(310)。次に、AP220は、移行イベント情報をAPコントローラ230に転送するため、頻繁なハンドオーバの回避リクエストを生成する(320)。
【0036】
移行イベント情報に基づき、APコントローラ230は、AP220の近傍の1以上のAP(図2のAP222及び/又は224など)のコンフィギュレーションを調整する。APコントローラ230はまた、AP220に係るローミングヒステリシスを調整する。さらに、APコントローラ230は、頻繁なハンドオーバを回避する推奨を加入者ステーション210に提供する。特に、APコントローラ230は、頻繁なハンドオーバの回避レスポンスを生成し、AP220に送信する(330)。頻繁なハンドオーバの回避レスポンスは、コンフィギュレーション情報を含むかもしれない。特に、コンフィギュレーション情報は、APコントローラ230が加入者ステーション210に示唆する送信電力設定、受信感度及び/又はCCA閾値に係る情報を含むかもしれない。コンフィギュレーション情報はまた、APコントローラ230が加入者ステーション210に無線通信サービスのためローミング及び接続するよう示唆する1以上の候補に係る情報を含むかもしれない。
【0037】
従って、AP220は、APコントローラ230からの頻繁なハンドオーバの回避レスポンスに基づき、ローミング管理レスポンスを生成する(340)。上述されるようなコンフィギュレーション情報と候補情報とに加えて、AP220はまた、ローミング管理レスポンスにローミングヒステリシスに係る情報を含むかもしれない。すなわち、AP220は、ローミングヒステリシスを調整するよう加入者ステーション210に推奨するかもしれない。AP220からのローミング管理レスポンスに基づき、加入者ステーション210は、1以上のコンフィギュレーションを調整し、及び/又は他のAP(AP222又は224など)にスイッチするかもしれない。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0038】
図4〜6は、図3のハンドオーバ制御システム300が頻繁なハンドオーバを検出及び軽減するよう構成される一方法を示す。図4〜6の具体的なプロセス400,500,600はそれぞれ、揮発性若しくは不揮発性メモリ若しくは他の大容量記憶装置(フロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVDなど)などのマシーンアクセス可能な媒体の何れかの組み合わせに格納される多数の異なるプログラミングコードの何れかを使用するマシーンアクセス可能な命令として実現されるかもしれない。例えば、マシーンアクセス可能な命令は、プログラマブルゲートアレイ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、磁気媒体、光媒体及び/又は他の何れか適切なタイプの媒体などのマシーンアクセス可能な媒体により実現されるかもしれない。
【0039】
さらに、図4〜6のそれぞれに特定の順序のアクションが示されているが、これらのアクションは他の時間系列により実行可能である(例えば、同時など)。再び、一例となるプロセス400,500,600は、ハンドオーバ制御システムを提供するための具体例として図2の無線通信ネットワークに関して提供及び説明される。
【0040】
図4の例では、プロセス400は、加入者ステーション210が1以上の移行イベントに係る情報を記録する(図2のイベントレコーダ250などを介し)ことにより開始される(ブロック410)。イベントレコーダ250は、移行イベントに係る情報(統計量など)をメモリ285に格納する。
【0041】
上述されるように、加入者ステーション210は、各移行イベント期間中に2つのAPの間で移行する(1つのAPから他のAPへの加入者ステーション210のハンドオーバなど)。ネットワークロードを低減し、QoSを向上させるため、加入者ステーション210は頻繁なハンドオーバを示す状態をモニタする。特に、加入者ステーション210は、(図2のハンドオーバモニタ260などを介し)ある期間内における移行イベントの回数をモニタし、移行イベントの回数が所定のハンドオーバ閾値を超えているか判断する(ブロック420)。
【0042】
移行イベントの回数が所定のハンドオーバ閾値を超えていない場合、ブロック410に戻り、移行イベントに係る情報の記録を継続する。そうでない場合、移行イベントの回数がブロック420において所定のハンドオーバ閾値を超えている場合、加入者ステーション210は、(図2のコンフィギュレーション調整手段270などを介し)加入者ステーション210のローミングヒステリシスを調整すべきか判断する(ブロック430)。
【0043】
加入者ステーション210がローミングヒステリシスを以前に調整しなかった場合、加入者ステーション210は、(コンフィギュレーション調整手段270などを介し)ローミングヒステリシス閾値を増大させるかもしれない(ブロック440)。これにより、ブロック410に戻り、移行イベントに係る情報を記録する。
【0044】
ブロック430を参照するに、加入者ステーション210が以前にローミングヒステリシスを調整していた場合、加入者ステーション210は、図2のリクエスト生成手段280などを介し)ローミング管理リクエストを生成する(ブロック450)。ローミング管理リクエストは、移行イベント情報を含むかもしれない。上述されるように、移行イベント情報は、加入者ステーション210の各移行イベントに係る移行識別情報、移行タイムスタンプ情報、移行理由情報、ターゲット識別情報、ソース識別情報、RSSI情報、RSNI情報、送信電力情報、ローミングヒステリシス情報、受信感度情報又はCCA情報を含むかもしれない。
【0045】
加入者ステーション210は、図2のNID240などを介し)ローミング管理リクエストをAP220に送信するかもしれない。なぜなら、AP220が加入者ステーション210と通信し各サービスを提供するためである(ブロック460)。加入者ステーション210は、AP220からのローミング管理レスポンスをモニタする(ブロック470)。図5に関して以下で詳細に説明されるように、AP220は、加入者ステーション210からのローミング管理リクエストに基づきローミング管理レスポンスを生成する。
【0046】
図5に戻って、例えば、プロセス500は、AP220が加入者ステーション210からローミング管理リクエストを受信することにより開始される(ブロック510)。上述されるように、ローミング管理リクエストは、移行イベント情報を含むかもしれない。移行イベント情報に基づき、AP220は、頻繁なハンドオーバの回避リクエストを生成する(ブロック520)。特に、頻繁なハンドオーバの回避リクエストは、加入者ステーション210からの移行イベント情報を含むかもしれない。頻繁なハンドオーバの回避リクエストはまた、AP220の送信電力、受信感度及び/又はCCAなど、AP220に係る情報を含むかもしれない。AP220は、頻繁なハンドオーバの回避リクエストをAPコントローラ230に送信する(ブロック530)。図6に関して以下で詳細に説明されるように、APコントローラ230は、AP220からの頻繁なハンドオーバの回避リクエストに基づき、頻繁なハンドオーバの回避レスポンスを生成する。
【0047】
図6の例では、プロセス600は、APコントローラ230がAP220から頻繁なハンドオーバの回避リクエストを受信することにより開始される(ブロック610)。上述されるように、頻繁なハンドオーバの回避リクエストは、加入者ステーション210からの移行イベント情報及び/又はAP220からの他の適切な情報を含むかもしれない。移行イベント情報に基づき、APコントローラ230は、AP220,222及び/又は224などの1以上のAPのコンフィギュレーションを調整する(ブロック620)。一例では、APコントローラ230は、送信電力、受信感度及び/又はCCAなどのAP220の1以上の近傍のAP(AP222及び/又は224など)のコンフィギュレーションを調整する。
【0048】
APコントローラ230はまた、頻繁なハンドオーバを低減するため、加入者ステーション210の1以上のコンフィギュレーションを調整する推奨を提供する。さらに又はあるいは、APコントローラ230は、加入者ステーション210が頻繁なハンドオーバを回避できるように、加入者ステーション210がスイッチするローミング候補APを推奨する。特に、APコントローラ230は、頻繁なハンドオーバの回避レスポンスを生成する(ブロック630)。例えば、頻繁なハンドオーバの回避レスポンスは、送信電力情報、受信感度情報及び/又はCCA情報などのコンフィギュレーション情報を含むかもしれない。コンフィギュレーション情報は、無線通信サービスのため加入者ステーション210が移行可能なローミング候補APを示すかもしれない。APコントローラ230は、頻繁なハンドオーバの回避レスポンスをAP220に送信する(ブロック640)。
【0049】
上記具体例はAPコントローラに関して説明されたが、プロセス600に関して説明される機能は、AP220などのAPにより実行される。さらに、上記具体例がWLANに関して説明されるが、ここに記載される方法及び装置は、複数の加入者ステーションを有する無線メッシュネットワークなどの他の適切な無線通信ネットワークにより実現可能である。特に、プロセス600に関して説明される機能は、複数の加入者ステーションの1以上により実行される。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0050】
図5に戻って、AP220は、APコントローラ230から頻繁なハンドオーバの回避レスポンスを受信する(ブロック540)。上述されるように、頻繁なハンドオーバの回避レスポンスは、加入者ステーション210及び/又はAP220のコンフィギュレーション情報を含むかもしれない。頻繁なハンドオーバの回避レスポンスに基づき、AP220は、ローミング管理レスポンスを生成する(ブロック550)。一例では、ローミング管理レスポンスは、加入者ステーション210のコンフィギュレーション情報を含む。AP220は、ローミング管理レスポンスを加入者ステーション210に送信する(ブロック560)。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0051】
図4のブロック470を参照するに、加入者ステーション210がAP220からローミング管理レスポンスを受信していない場合、ローミング管理レスポンスのモニタリングが継続される。そうでなく加入者ステーション210がローミング管理レスポンスを受信している場合、加入者ステーション210は、コンフィギュレーション調整手段270などを介し)ローミング管理レスポンスに基づき加入者ステーション210の1以上のコンフィギュレーションを調整する(ブロック480)。上述されるように、ローミング管理レスポンスは、加入者ステーション210のコンフィギュレーション情報を含むかもしれない。一例では、加入者ステーション210は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度及び/又はCCAを調整する。コンフィギュレーション情報はまた、ローミング候補に係る情報を含むかもしれない。この結果、加入者ステーション210は、ハンドオーバの頻度を低減する。ここに記載される方法及び装置は、これに限定されるものでない。
【0052】
上記具体例はAPコントローラに関して説明されたが、ここに記載される方法及び装置は、AP内に統合されるAPコントローラの有無に関係なく実現可能である。再び図2,3を参照するに、AP220は、上述されるように、加入者ステーション210から移行イベント情報を受信する。移行イベント情報をAPコントローラ(図3の320など)に転送する代わりに、AP220は、AP220及び/又は加入者ステーション210に係る1以上のコンフィギュレーションを調整する。一例では、AP220は、AP220のカバーエリアを拡張し、及び/又はカバーエリアの1以上の相対的に弱い部分をカバーするため、AP220の送信電力を増大させる。AP220はまた、加入者ステーション210が他のAP(図2のAP230又は240など)にスイッチする代わりにAP220に留まるように、加入者ステーション210のローミングヒステリシスを増大させる。AP220はまた、加入者ステーション210に係る1以上のコンフィギュレーションを調整する推奨を提供するかもしれない。例えば、AP220は、加入者ステーション210に係る送信電力、受信感度及び/又はCCAを調整する推奨を提供する。
【0053】
さらに、上記具体例はWLANに関して説明されたが、ここに記載される方法及び装置は、WPAN、WMAN、WWAN及び/又は無線メッシュネットワークなどの他の適切なタイプの無線通信ネットワークにより実現可能である。
【0054】
図7は、ここに記載される方法及び装置を実現するよう構成される一例となるプロセッサシステム2000のブロック図である。プロセッサシステム2000は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯コンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、サーバ、インターネットアプライアンス及び/又は他の何れかのタイプの計算装置であるかもしれない。
【0055】
図7に示されるプロセッサシステム2000は、メモリコントローラ2012と入出力(I/O)コントローラ2014を含むチップセット2010を含む。チップセット2010は、メモリ及びI/O管理機能と共に、プロセッサ2020によりアクセス可能又は使用される複数の汎用及び/又は特定用途レジスタ、タイマーなどを提供するかもしれない。プロセッサ2020は、1以上のプロセッサ、WPANコンポーネント、WLANコンポーネント、WMANコンポーネント、WWANコンポーネント及び/又は他の適切な処理コンポーネントを用いて実現される。例えば、プロセッサ2020は、Intel(登録商標)CoreTM技術、Intel(登録商標)Pentium(登録商標)技術、Intel(登録商標)Itanium(登録商標)技術、Intel(登録商標)CentrinoTM技術及び/又はIntel(登録商標)XeonTM技術の1以上を用いて実現可能である。他の例では、プロセッサ2020を実現するため他の処理技術が利用可能である。プロセッサ2020は、第1レベル統合キャッシュ(L1)、第2レベル統合キャッシュ(L2)、第3レベル統合キャッシュ(L3)及び/又は他の何れか適切なデータを格納する構成を用いて実現するのに利用可能である。
【0056】
メモリコントローラ2012は、プロセッサ2020が揮発性メモリ2032及び不揮発性メモリ2034を含むメインメモリ2030をバス2040を介しアクセス及び通信することを可能にする機能を実行する。揮発性メモリ2032は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、RDRAM(RAMBUS DRAM)、SRAM(Static RAM)及び/又は他の何れかのタイプのランダムアクセスメモリ装置により実現可能である。不揮発性メモリ2034は、フラッシュメモリ、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)及び/又は他の何れか所望のタイプのメモリ装置により実現可能である。
【0057】
プロセッサシステム2000はまた、バス2040に接続されるインタフェース回路2050を含む。インタフェース回路2050は、イーサネット(登録商標)インタフェース、USB(Universal Serial Bus)、3GIO(Third Generation Input/Output)インタフェース及び/又は他の何れか適切なタイプのインタフェースなどの何れかのタイプのインタフェース規格を用いて実現可能である。
【0058】
1以上の入力装置2060が、インタフェース回路2050に接続される。入力装置2060は、個人がデータ及びコマンドをプロセッサ2020に入力することを可能にする。例えば、入力装置2060は、キーボード、マウス、タッチ反応ディスプレイ、トラックパッド、トラックボール、イソポイント及び/又は音声認識システムにより実現可能である。
【0059】
1以上の出力装置2070がまた、インタフェース回路2050に接続される。例えば、出力装置2070は、表示装置(例えば、LED(Light Emitting Display)、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プリンタ及び/又はスピーカーなど)により実現可能である。インタフェース回路2050は、特にグラフィックドライバカードを含むかもしれない。
【0060】
プロセッサシステム2000はまた、ソフトウェア及びデータを格納する1以上の大容量記憶装置2080を有する。このような大容量記憶装置2080の具体例として、フロッピー(登録商標)ディスク及びドライブ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク及びドライブ、並びにDVD(Digital Versatile Disk)及びドライブなどがあげられる。
【0061】
インタフェース回路2050はまた、ネットワークを介し外部コンピュータとのデータのやりとりを実現するためのモデムやネットワークインタフェースカードなどの通信装置を含むかもしれない。プロセッサシステム2000とネットワークとの間の通信リンクは、イーサネット(登録商標)接続、デジタル加入者線(DSL)、電話線、携帯電話システム、同軸ケーブルなどの何れかのタイプのネットワーク接続であるかもしれない。
【0062】
入力装置2060、出力装置2070、大容量記憶装置2080及び/又はネットワークへのアクセスは、I/Oコントローラ2014により制御される。特に、I/Oコントローラ2014は、プロセッサ2020が入力装置2060、出力装置2070、大容量記憶装置2080及び/又はネットワークとバス2040及びインタフェース回路2050を介し通信することを可能にする機能を実行する。
【0063】
図7に示されるコンポーネントは、プロセッサシステム2000内の個別のブロックとして示されているが、これらのブロックのいくつかにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合されるか、又は2以上の個別の集積回路を用いて実現されるかもしれない。例えば、メモリコントローラ2012及びI/Oコントローラ2014がチップセット内の個別のブロックとして示されるが、メモリコントローラ2012とI/Oコントローラ2014は、単一の半導体回路内に統合されるかもしれない。
【0064】
特定の例による方法、装置及び製造物が説明されたが、本開示のカバー範囲はそれに限定されるものでない。本開示は、添付した請求項の範囲内に属するすべての方法、装置及び製造物を文言的又は均等論の下でカバーする。例えば、上記開示が特にハードウェア上で実行されるソフトウェア又はファームウェアを含むシステムを開示するが、このようなシステムは、単なる例示であり、限定的に解釈されるべきでないことに留意されたい。特に、開示されるハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアコンポーネントの何れか又はすべてが、ハードウェア単独、ソフトウェア単独、ファームウェア単独又はハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの組み合わせにより実現可能であることが想定される。
【符号の説明】
【0065】
100 無線通信システム
110,120,130,200 無線通信ネットワーク
140,142,144,146,148、210,220,222,224 加入者ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各移行イベント中に無線通信ネットワークに係る複数のノードの2つのノードの間を移行する加入者ステーションの1以上の移行イベントをある期間内にモニタするステップと、
前記期間内に所定数の移行イベントを検出することに応答して、前記加入者ステーションにおいて前記1以上の移行イベントに係る移行イベント情報を有するローミング管理リクエストを生成するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記ローミング管理リクエストを生成するステップは、前記1以上の移行イベントのそれぞれの移行識別、移行タイムスタンプ、移行理由、ターゲット識別、ソース識別、受信信号強度インジケータ、受信信号対ノイズインジケータ、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度又はクリアチャネル評価の少なくとも1つに係る情報を有するリクエストを生成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記移行イベント情報を生成するため、前記1以上の移行イベントのそれぞれに係る情報を記録するステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ローミング管理リクエストを生成する前、前記加入者ステーションのローミングヒステリシスを増大させるステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記加入者ステーションと通信中の前記複数のノードのうちのあるノードに前記ローミング管理リクエストを送信するステップをさらに有し、
前記ノードは、WLANに係るアクセスポイント、WMANに係る基地局、WWANに係る基地局又は無線メッシュネットワークに係る他の加入者ステーションの少なくとも1つを有する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記加入者ステーションと通信中の前記複数のノードのうちのあるノードから、前記加入者ステーションのハンドオーバを低減するための前記加入者ステーションのコンフィギュレーション情報を有するローミング管理レスポンスを受信するステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記加入者ステーションと通信中のノードからのローミング管理レスポンスのコンフィギュレーション情報に基づき前記加入者ステーションのハンドオーバを低減するための前記加入者ステーションの1以上のコンフィギュレーションを調整するステップをさらに有し、
前記コンフィギュレーション情報は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度、クリアチャネル評価又はローミング候補の少なくとも1つに係る情報を有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
アクセス時にマシーンに、
各移行イベント中に無線通信ネットワークに係る複数のノードの2つのノードの間を移行する加入者ステーションの1以上の移行イベントをある期間内にモニタするステップと、
前記期間内に所定数の移行イベントを検出することに応答して、前記加入者ステーションにおいて前記1以上の移行イベントに係る移行イベント情報を有するローミング管理リクエストを生成するステップと、
を実行させるコンテンツを含む製造物。
【請求項9】
前記コンテンツは、アクセス時に前記マシーンに、前記1以上の移行イベントのそれぞれの移行識別、移行タイムスタンプ、移行理由、ターゲット識別、ソース識別、受信信号強度インジケータ、受信信号対ノイズインジケータ、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度又はクリアチャネル評価の少なくとも1つに係る情報を有するリクエストを生成することによって、前記ローミング管理リクエストを生成させる、請求項8記載の製造物。
【請求項10】
前記コンテンツは、アクセス時に前記マシーンに、前記ローミング管理リクエストを生成する前、前記加入者ステーションのローミングヒステリシスを増大させる、請求項8記載の製造物。
【請求項11】
前記コンテンツは、アクセス時に前記マシーンに、前記加入者ステーションと通信中の前記複数のノードのうちのあるノードに前記ローミング管理リクエストを送信させ、
前記ノードは、WLANに係るアクセスポイント、WMANに係る基地局、WWANに係る基地局又は無線メッシュネットワークに係る他の加入者ステーションの少なくとも1つを有する、請求項8記載の製造物。
【請求項12】
前記コンテンツは、アクセス時に前記マシーンに、前記加入者ステーションと通信中の前記複数のノードのうちのあるノードから、前記加入者ステーションのハンドオーバを低減するための前記加入者ステーションのコンフィギュレーション情報を有するローミング管理レスポンスを受信させる、請求項8記載の製造物。
【請求項13】
前記コンテンツは、アクセス時に前記マシーンに、前記加入者ステーションと通信中のノードからのローミング管理レスポンスのコンフィギュレーション情報に基づき前記加入者ステーションのハンドオーバを低減するための前記加入者ステーションの1以上のコンフィギュレーションを調整させ、
前記コンフィギュレーション情報は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度、クリアチャネル評価又はローミング候補の少なくとも1つに係る情報を有する、請求項8記載の製造物。
【請求項14】
各移行イベント中に無線通信ネットワークに係る複数のノードの2つのノードの間を移行する加入者ステーションの1以上の移行イベントをある期間内にモニタする移行モニタと、
前記移行モニタに動作接続され、前記期間内に所定数の移行イベントを検出することに応答して、前記加入者ステーションにおいて前記1以上の移行イベントに係る移行イベント情報を有するローミング管理リクエストを生成するリクエスト生成手段と、
を有する装置。
【請求項15】
前記リクエスト生成手段は、前記1以上の移行イベントのそれぞれの移行識別、移行タイムスタンプ、移行理由、ターゲット識別、ソース識別、受信信号強度インジケータ、受信信号対ノイズインジケータ、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度又はクリアチャネル評価の少なくとも1つに係る情報を有するリクエストを生成するよう構成される、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記加入者ステーションと通信中の前記複数のノードのうちのあるノードに前記ローミング管理リクエストを送信するネットワークインタフェース装置をさらに有し、
前記ノードは、WLANに係るアクセスポイント、WMANに係る基地局、WWANに係る基地局又は無線メッシュネットワークに係る他の加入者ステーションの少なくとも1つを有する、請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記加入者ステーションと通信中の前記複数のノードのうちのあるノードから、前記加入者ステーションのハンドオーバを低減するための前記加入者ステーションのコンフィギュレーション情報を有するローミング管理レスポンスを受信するネットワークインタフェース装置をさらに有する、請求項14記載の装置。
【請求項18】
前記リクエスト生成手段が前記ローミング管理リクエストを生成する前に、前記加入者ステーションのローミングヒストリシスを増大させるコンフィギュレーション調整手段をさらに有する、請求項14記載の装置。
【請求項19】
前記加入者ステーションと通信中のノードからのローミング管理レスポンスのコンフィギュレーション情報に基づき前記加入者ステーションのハンドオーバを低減するための前記加入者ステーションの1以上のコンフィギュレーションを調整するコンフィギュレーション調整手段をさらに有し、
前記コンフィギュレーション情報は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度、クリアチャネル評価又はローミング候補の少なくとも1つに係る情報を有する、請求項14記載の装置。
【請求項20】
全方向性アンテナと、
前記アンテナに動作接続され、各移行イベント中に無線通信ネットワークに係る複数のノードの2つのノードの間を移行する加入者ステーションの1以上の移行イベントをある期間内にモニタし、前記期間内に所定数の移行イベントを検出することに応答して、前記加入者ステーションにおいて前記1以上の移行イベントに係る移行イベント情報を有するローミング管理リクエストを生成するプロセッサと、
を有するシステム。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記1以上の移行イベントのそれぞれの移行識別、移行タイムスタンプ、移行理由、ターゲット識別、ソース識別、受信信号強度インジケータ、受信信号対ノイズインジケータ、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度又はクリアチャネル評価の少なくとも1つに係る情報を有するリクエストを生成するよう構成される、請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記ローミング管理リクエストを生成する前、前記加入者ステーションのローミングヒステリシスを増大させるよう構成される、請求項20記載のシステム。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記加入者ステーションと通信中のノードからのローミング管理レスポンスのコンフィギュレーション情報に基づき前記加入者ステーションのハンドオーバを低減するための前記加入者ステーションの1以上のコンフィギュレーションを調整するよう構成され、
前記コンフィギュレーション情報は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度、クリアチャネル評価又はローミング候補の少なくとも1つに係る情報を有する、請求項20記載のシステム。
【請求項24】
各移行イベント中に無線通信ネットワークに係る複数のノードの2つのノードの間を移行する加入者ステーションの1以上の移行イベントに係る移行イベント情報に基づき、無線通信ネットワークに係る複数のノードの1以上のノードを調整するステップと、
前記加入者ステーションの1以上のコンフィギュレーションを調整するため、前記加入者ステーションのコンフィギュレーション情報を生成するステップと、
を有する方法。
【請求項25】
前記1以上のノードを調整するステップは、前記加入者ステーションと通信中のノードから頻繁なハンドオーバの回避リクエストを受信するよう構成されるノードコントローラにおいて前記1以上のノードを調整することを含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記1以上のノードを調整するステップは、前記加入者ステーションと通信中のノード又は前記加入者ステーションと通信中の前記ノードの近傍ノードの少なくとも1つの1以上のコンフィギュレーションを調整することを含み、
前記1以上のコンフィギュレーションは、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度又はクリアチャネル評価の少なくとも1つを有する、請求項24記載の方法。
【請求項27】
ローミング管理リクエストの受信に応答して、前記移行イベント情報を有する頻繁なハンドオーバの回避リクエストを生成するステップをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記加入者ステーション、前記加入者ステーションと通信中のノード又は前記加入者ステーションと通信中のノードの近傍ノードの少なくとも1つのコンフィギュレーション情報を有する頻繁なハンドオーバの回避リクエストを生成するステップをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項29】
ローミング管理レスポンスを介し前記加入者ステーションに前記コンフィギュレーション情報を送信するステップをさらに有し、
前記コンフィギュレーション情報は、送信電力、ローミングヒステリシス、受信感度、クリアチャネル評価又はローミング候補の少なくとも1つに係る情報を有する、請求項24記載の方法。
【請求項30】
前記複数のノードは、WLANに係るアクセスポイント、WMANに係る基地局、WWANに係る基地局又は無線メッシュネットワークに係る他の加入者ステーションの少なくとも1つを有する、請求項24記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−120234(P2012−120234A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−20735(P2012−20735)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【分割の表示】特願2009−522944(P2009−522944)の分割
【原出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】