説明

無線通信端末および通信方式選択方法

【課題】バッテリ残存時間を長く保ちつつ要求スループットを満たすよう最適な通信方式を選択する無線通信端末および通信方式選択方法を提供する。
【解決手段】無線通信端末100は、通信による消費電力の増加関数であり、かつ通信のスループットが所定値より大きい範囲では、スループットへの依存性が小さく、スループットが所定値より小さい範囲では、スループットへの依存性が大きい減少関数であるペナルティ関数により、現在の通信環境における各通信方式のペナルティ値を算出するペナルティ値算出部と、算出されたペナルティ値が最も小さい通信方式を選択する方式選択部とを備える。これにより、消費電力やスループットの劣化が大きくなる切替先を選択しにくくして、最適な通信方式を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信方式を選択可能な無線通信端末および最適な通信方式を選択する通信方式選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるマルチモード端末では、複数の通信方式を選択可能にするため、各方式をハードウェア上で切り替える方法や、ソフトウェアの書き換えにより各方式を動作させる方法が知られている。そして、方式の選択・切り替えの基準として、従来、各方式のRSSIやCINR等の受信品質、スループット、消費電力、およびこれらの複合指標等が用いられている(たとえば、特許文献1)。特許文献1記載の複合携帯電話装置は、バッテリ残量が事前に設定した閾値を下回る場合に、消費電力の最も低い方式を選択する。
【0003】
また、マルチモード端末では各方式の受信環境が変化するような場合に、頻繁に方式の切り替えが起こり、切り替え自体にかかる消費電力やスループットロスが無視できなくなる。そのため、切り替え自体にかかる消費電力やスループットロスを考慮した方式選択手法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2記載の無線通信端末は、受信品質(RSSIやCINR等)を測定し、測定値からチャネル変動値を算出する。そして、事前に設定された受信品質に関する閾値を用いて、算出した変動値に応じて切り替えを行う。この操作により頻繁な方式の切り替えを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4085748号公報
【特許文献2】特開2006−262178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の複合携帯電話装置は、事前に設定したバッテリ残量に関する閾値を下回る場合は消費電力の最も低い方式を選択するが、上回る場合は電波状況により方式の選択を行う。その場合に複数ある通信方式の中で、電波状況が最も良好な方式が最も消費電力の少ない方式と一致する可能性は低く、消費電力が最も低い通信方式が要求されたスループットを満足している可能性は低い。そのため、バッテリ残量の閾値を高めに設定した場合は、消費電力は最も低いが、極端にスループットが低くユーザの要求を満たすことができない方式を選択する可能性がある。一方、低めに設定した場合はスループットが必要以上に高く消費電力が大きい方式を選択し、バッテリ残存時間が短くなる可能性が高い。したがって、特許文献1記載の複合携帯電話装置では、バッテリ残存時間を長く保ちつつユーザの要求スループットを満たすことはできない。
【0006】
また、従来では方式の切り替えが頻繁に起こる場合があり、同処理による消費電力やスループットの劣化が問題となる。とりわけ、マルチモード端末をソフトウェア無線技術により動作させる場合は、方式の切り替えにソフトウェアの書き換えが必要になり、切り替えの影響が大きくなる。
【0007】
一方、方式を変更する際の消費電力およびスループットの劣化量は、使用中の方式と切替先の方式の組み合わせにより異なるはずであるが、特許文献2記載の無線通信端末は、切り替え前後の方式の組合せを考慮して切替先の選択を行うことができない。そのため、切り替えが必要な場合には、切替先によっては消費電力やスループットの劣化が大きくなる。また、通信品質の変動値の算出や適応的な閾値設定や更新のための処理を追加する必要があり、ある程度メモリを積んでおかねばならなくなる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、バッテリ残存時間を長く保ちつつユーザの要求スループットを満たすよう最適な通信方式を選択する無線通信端末および通信方式選択方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するため、本発明の無線通信端末は、複数の通信方式を選択可能な無線通信端末であって、通信による消費電力の増加関数であり、かつ通信のスループットが所定値より大きい範囲では、前記スループットへの依存性が小さく、前記スループットが所定値より小さい範囲では、前記スループットへの依存性が大きい減少関数であるペナルティ関数により、現在の通信環境における各通信方式のペナルティ値を算出するペナルティ値算出部と、前記算出されたペナルティ値が最も小さい通信方式を選択する方式選択部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
このように、本発明の無線通信端末は、通信による消費電力と通信のスループットを参照したペナルティ関数を用い、消費電力やスループットの劣化が大きくなる切替先を選択しにくくして、最適な通信方式を選択する。たとえば、スループットが所定値より大きい範囲ではスループットへの依存性が小さいため、消費電力の大小がペナルティ値の大小に効く。一方、スループットが所定値より小さい範囲ではスループットへの依存性が大きい減少関数であるため、スループットが小さければ小さいペナルティ値が大きくなりスループットのペナルティ値への影響が大きくなる。
【0011】
したがって、スループットへの要求が低く所定値が小さい場合には、消費電力が重視されて通信方式が選択される。一方、スループットへの要求が高く所定値が大きい場合には、消費電力よりスループットが重視されて通信方式が選択される。これにより、本発明の無線通信端末は、バッテリ残存時間を長く保ちつつユーザの要求スループットを満たすよう最適な方式選択を行うことができる。たとえば、バッテリ残量が十分な場合でも消費電力の少ない方式を選択することができるため、バッテリ残存時間を長く保つことができる。なお、増加関数は、広義の増加関数を指し、階段的に増加するステップ関数も含む。減少関数についても同様である。
【0012】
(2)また、本発明の無線通信端末は、前記ペナルティ関数が、通信方式の切替によるスループットロスの増加関数であることを特徴としている。このように、本発明の無線通信端末は、通信方式の切替時のスループットロスも参照して最適な通信方式の変更先を選択する。方式を変更する際のスループットの劣化量は、使用中の方式と切替先の方式の組み合わせにより異なるが、このような組合せを考慮して切替先を選択できる。その結果、頻繁な方式の切り替えを回避し、切り替え処理によるスループットの劣化を防止できる。
【0013】
(3)また、本発明の無線通信端末は、前記ペナルティ関数が、通信方式の切替にかかる切替電力の増加関数であることを特徴としている。このように、本発明の無線通信端末は、通信方式の切替時の余分な電力消費を参照して最適な通信方式の切替先を選択する。方式の変更にかかる消費電力は、使用中の方式と切替先の方式の組み合わせにより異なるが、このような組合せを考慮して切替先を選択できる。その結果、頻繁な方式の切り替えを回避し、切り替え処理による消費電力を防止できる。
【0014】
(4)また、本発明の無線通信端末は、通信環境の評価および通信方式にスループットを対応付けた所定のテーブルを参照し、特定の通信環境および通信方式に対応付けられたスループットを抽出するスループット抽出部を更に備えることを特徴としている。これにより、受信品質等の通信環境を考慮して各通信方式の妥当なスループットを容易に得ることができる。
【0015】
(5)また、本発明の通信方式選択方法は、無線通信端末において最適な通信方式を選択する通信方式選択方法であって、通信による消費電力の増加関数であり、かつ通信のスループットが所定値より大きい範囲では、前記スループットへの依存性が小さく、前記スループットが所定値より小さい範囲では、前記通信スループットへの依存性が大きい減少関数であるペナルティ関数により、現在の通信環境における各通信方式のペナルティ値を算出するステップと、前記算出されたペナルティ値が最も小さい通信方式を選択するステップと、を含むことを特徴としている。これにより、バッテリ残存時間を長く保ちつつユーザの要求スループットを満たすよう最適な方式選択を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、バッテリ残存時間を長く保ちつつユーザの要求スループットを満たすよう最適な方式選択を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明に係る無線通信端末の基本構成を示すブロック図である。
【図1B】通信方式制御部の構成を示すブロック図である。
【図2】通信方式制御部の基本処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】所定のテーブルの一例を示す図である。
【図4】具体的なδ(i,j)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
(無線通信端末の構成)
図1Aは、無線通信端末100の基本構成を示すブロック図である。図1Aに示すように、無線通信端末100は、送受信アンテナ101a、101b、RF部102、AD/DA変換部103、ベースバンド信号処理部104、通信環境取得部105、通信方式制御部106、アプリケーション要求取得部107およびソフトウェア記憶部108を備えている。図1Aに示すように無線通信端末100は、ソフトウェア無線機であるが、ハードウェアにより複数の通信方式を実現する端末であってもよい。このように、無線通信端末100は複数の通信方式を選択できる。
【0020】
送受信アンテナ101a、101bは、それぞれ通信方式に対応して変調された高周波を送受信する。RF部102は、受信した高周波をベースバンド信号に変換するとともに、AD/DA変換部103から受けたベースバンド信号を高周波に変換する。AD/DA変換部103は、ベースバンド信号をアナログ信号からデジタル信号に、またはデジタル信号からアナログ信号に変換する。ベースバンド信号処理部104は、現在選択されている無線通信方式に応じてベースバンド信号を処理する。通信環境取得部105は、CINR等の通信環境パラメータを取得し、通信方式制御部106に送出する。これにより、通信環境の評価を加味した通信方式の選択が可能になる。
【0021】
通信方式制御部106は、通信方式の選択や変更を制御する。すなわち、通信環境取得部105で取得する各通信方式の通信環境パラメータ(たとえばCINR値)および、アプリケーション要求取得部107で取得したユーザ要求、すなわち要求スループット(所定値)に基づいて、通信方式を選択する。また、選択された通信方式に対応するソフトウェアのベースバンド信号処理部104へのロードおよびRF部102の制御を行う。これにより、受信品質等の通信環境を考慮して各通信方式の妥当なスループットを容易に得ることができる。なお、通信方式制御部106の詳細については後述する。
【0022】
アプリケーション要求取得部107は、アプリケーションの要求を参照して要求スループットを算出し、通信方式制御部106に送出する。ソフトウェア記憶部108は、各通信方式に応じたソフトウェアを記憶している。
【0023】
図1Bは、通信方式制御部106の構成を示すブロック図である。図1Bに示すように、通信方式制御部106は、ペナルティ値算出部111、スループット抽出部112、方式選択部113および変更制御部114を備えている。
【0024】
ペナルティ値算出部111は、ペナルティ関数により、各通信方式のペナルティ値を算出する。なお、ペナルティ関数は、通信による消費電力の増加関数である。また、ペナルティ関数は、現在の通信環境において通信のスループットが要求スループットより大きい範囲では、スループットへの依存性が小さい。一方で、ペナルティ関数は、スループットが所定値より小さい範囲では、スループットへの依存性が大きく、かつ減少関数である。また、ペナルティ関数は、通信方式の切替にかかる切替電力の増加関数であるとともに、通信方式の切替によるスループットロス(スループットの劣化量)の増加関数である。ペナルティ関数の具体例については後述する。
【0025】
スループット抽出部112は、通信方式および通信環境パラメータに対してスループットを対応付けている所定のテーブルを参照し、対応付けられたスループットのいずれかを抽出する。スループット抽出部112は、ペナルティ値算出部から指定を受けるとともに、受信品質情報(CINRまたはRSSI)等の通信環境パラメータを取得し、ペナルティ値算出部111が指定する通信方式および取得した通信環境パラメータに対応するスループットを抽出する。
【0026】
方式選択部113は、算出されたペナルティ値が最も小さい通信方式を選択する。このように、無線通信端末100は、通信方式ごとに決まる消費電力と通信方式ごとに決まるスループットを参照したペナルティ関数を用い、最適な通信方式を選択している。したがって、消費電力やスループットの劣化が大きくなる切替先は選択されにくい。これにより、バッテリ残存時間を長く保ちつつユーザの要求スループットを満たすよう最適な方式選択を行うことができる。たとえば、バッテリ残量が十分な場合でも消費電力の少ない通信方式を選択することができるため、バッテリ残存時間を長く保つことができる。
【0027】
変更制御部114は、方式選択部113で選択された通信方式が現在採用する通信方式と異なるときには各部に通信方式の変更を制御する。たとえば、選択された通信方式に対応するソフトウェアのベースバンド信号処理部104へのロードおよびRF部102の制御を行う。
【0028】
(無線通信端末による通信方式選択の動作)
図2は、通信方式制御部106の基本処理の一例を示すフローチャートである。図2において、iは通信方式のインデックスを表し、jは現在使用している通信方式を表す。また、Nは端末が対応している方式数を表す。
【0029】
図2では、i=1から順次対応する方式の通信環境取得部105にてCINR値を取得し、対象とする方式が達成可能な伝送レートbiおよび所要消費電力Piを予測する。図2の例では、あらかじめ設定した所定のテーブルから対応する値を読み込む。
【0030】
図2に示すように、無線通信端末100は、まず要求スループットを取得し(ステップS1)、通信方式iを1に初期化する(ステップS2)。そして、通信方式iのCINRを取得し(ステップS3)、所定のテーブルを用いて通信方式iの伝送レートbi[bps]および消費電力Piを抽出し、記憶させる(ステップS4)。所定のテーブルの具体例については後述する。次に、i=Nか否か、すなわちすべての通信方式について伝送レートbiおよび消費電力Piの抽出を終えたか否かを判定する(ステップS5)。
【0031】
i=Nでないと判定された場合には、iを1増加させ(ステップS6)、次の通信方式を対象とし、ステップS3に戻る。一方、i=Nであると判定された場合には、各通信方式についてペナルティ値Pi’を算出する(ステップS7)。そして、ペナルティ値Pi’が最小となる通信方式iを選択し(ステップS8)、終了する。なお、上記の例では繰り返しループ後にまとめてペナルティ値Pi’を算出するが、繰り返しループ中にペナルティ値Pi’を算出してもよい。
【0032】
(所定のテーブルの例)
図3は、通信環境の評価および通信方式にスループットを対応付けた所定のテーブルの一例を示す図である。ただし、各通信方式のそれぞれの伝送レートに対応する所要消費電力は、キャリブレーションを行うことにより取得された値がテーブルに書き込まれている。たとえば、CINRがi=1で20dB、i=2で27dBであった場合には、それぞれ、2.4Mbps、10Mbpsの伝送レートbiが得られることが分かる。なお、上記のテーブルは一例であり、具体的数値については方式や各端末により異なる。
【0033】
(ペナルティ関数の例)
次に、ペナルティ関数Pi’の一例を説明する。式(1)は、ペナルティ関数Pi’の例である。
【数1】

【0034】
ε(bi)は、通信方式iの伝送レートbiが要求スループット値Tに満たない場合にペナルティを課すための関数を表し、例えば以下の式(2)のような関数を用いる。
【数2】

【0035】
たとえば、スループットが要求スループット値Tより大きい範囲では、ε(bi)は、スループットへ依存しないため、消費電力の大小がペナルティ値の大小に効く。これに対し、スループットが、要求スループット値Tより小さい範囲ではスループットの逆関数であるため、スループットが小さければ小さいほどペナルティ値が大きくなりスループットのペナルティ値への影響が大きくなる。したがって、スループットへの要求が低く要求スループット値Tが小さい場合には、消費電力が重視されて通信方式が選択される。一方、スループットへの要求が高く要求スループット値Tが大きい場合には、消費電力よりスループットが重視されて通信方式が選択される。
【0036】
また、δ(i,j)は、通信方式の変更を要する場合にペナルティを課す関数を表し、例えば以下の式(3)のような関数を用いる。
【数3】

【0037】
このように、i≠jである通信方式、すなわち方式変更を要する通信方式に対し、1.0より大きくまた各(i,j)の組み合わせで独立な定数を乗算する。図4は、さらに具体的なδ(i,j)の一例を示す図である。
【0038】
図4に示す例では、無線通信端末100は、セルラーA方式、セルラーB方式、無線LANの3つの通信方式を対象としている。例えば、ネットワーク間の親和性が高いセルラー方式同士間の方が、セルラー方式・無線LAN(WLAN)間に比べて切り替え時間が短く、同処理による消費電力およびスループットロスが少なくなっている。この場合、例示したようにセルラー方式・無線LAN間のδ(i,j)を大きく設定することにより切り替え難くすることが可能になる。なお、同じ通信方式間について、δ(j,j)は1である。
【0039】
このように、通信方式間で独立にペナルティ関数を定義することにより、切り替えによる影響の大きい方式には切り替わりにくく制御することが可能になる。無線通信端末100は、通信方式の切替時の余分な電力消費や通信方式の切替時のスループットロスを参照して最適な通信方式の切替先を選択する。通信方式の変更にかかる消費電力やスループットロスは、使用中の方式と切替先の方式の組み合わせにより異なるが、このような組合せを考慮して切替先を選択できる。その結果、頻繁な方式の切り替えを回避し、切り替え処理による消費電力の増大やスループットの劣化を防止できる。
【0040】
なお、上記の実施形態では、ソフトウェア無線技術を用いて複数の無線通信方式を選択可能にするマルチモード端末を一例として説明しているが、ハードウェアにより複数の無線通信方式を選択可能にする端末についても本発明は同様に適用できる。
【符号の説明】
【0041】
100 無線通信端末
101a、101b 送受信アンテナ
102 RF部
103 AD/DA変換部
104 ベースバンド信号処理部
105 通信環境取得部
106 通信方式制御部
107 アプリケーション要求取得部
108 ソフトウェア記憶部
111 ペナルティ値算出部
112 スループット抽出部
113 方式選択部
114 変更制御部
bi 伝送レート
i 通信方式
Pi’ ペナルティ関数(ペナルティ値)
Pi 消費電力
T 要求スループット値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信方式を選択可能な無線通信端末であって、
通信による消費電力の増加関数であり、かつ通信のスループットが所定値より大きい範囲では、前記スループットへの依存性が小さく、前記スループットが所定値より小さい範囲では、前記スループットへの依存性が大きい減少関数であるペナルティ関数により、現在の通信環境における各通信方式のペナルティ値を算出するペナルティ値算出部と、
前記算出されたペナルティ値が最も小さい通信方式を選択する方式選択部と、を備えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記ペナルティ関数は、通信方式の切替によるスループットロスの増加関数であることを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記ペナルティ関数は、通信方式の切替にかかる切替電力の増加関数であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線通信端末。
【請求項4】
通信環境の評価および通信方式にスループットを対応付けた所定のテーブルを参照し、特定の通信環境および通信方式に対応付けられたスループットを抽出するスループット抽出部を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項5】
無線通信端末において最適な通信方式を選択する通信方式選択方法であって、
通信による消費電力の増加関数であり、かつ通信のスループットが所定値より大きい範囲では、前記スループットへの依存性が小さく、前記スループットが所定値より小さい範囲では、前記スループットへの依存性が大きい減少関数であるペナルティ関数により、現在の通信環境における各通信方式のペナルティ値を算出するステップと、
前記算出されたペナルティ値が最も小さい通信方式を選択するステップと、を含むことを特徴とする通信方式選択方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−226600(P2010−226600A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73598(P2009−73598)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】