説明

無線通信装置、通信システムおよび無線通信装置の制御方法

【課題】無線通信装置が有線通信を行う際、無線通信を行う際に使用するアンテナおよび無線通信部(無線通信手段)を有効利用する。
【解決手段】携帯電話端末10は、アンテナ11と、PC20と有線接続するための接続部16と、PC20と有線接続しているとき、アンテナ11を介した無線通信の相手を、PC20から外部機器に切り替える制御部13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信装置、通信システムおよび無線通信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末等の無線通信機器とパーソナルコンピュータ(PC)等の通信機器との通信の際、操作性の向上等の目的から、有線通信だけでなく無線通信を利用可能な無線通信機器が提案されている。
【0003】
また、通話およびデータ閲覧等、様々な利用形態における操作性や通信性能の向上の要求から、無線通信機器を構成する複数の筐体を分離可能とする構成が提案されている。例えば、携帯電話端末の場合、耳に当てて通話をする部分と、前記通信機器との間で通信を行う部分とを分離し、アンテナによる人体への影響を低減させる構成、及び、通話をする部分と表示部分とを分離して使用する構成などが提案されている。このような分離可能な無線通信機器の複数の筐体が接続しているとき、各筐体は相互に有線通信を行い、複数の筐体が分離しているとき、各筐体は相互に無線通信を行う。このような無線通信機器は、無線通信が可能な通信手段(無線通信システム)と有線通信が可能な通信手段(有線通信システム)とが必要となる。
【0004】
例えば、特許文献1には、有線通信手段と無線通信手段とを備えた携帯型情報端末が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、第1の筐体と第2の筐体とが着脱可能な通信端末が記載されている。この通信端末において、第1の筐体と第2の筐体とが結合されている場合には、第1の筐体と第2の筐体との通信は、有線通信部を介して行われ、第1の筐体と第2の筐体とが分割されている場合には、第1の筐体と第2の筐体との通信は、サブ無線通信部を介して行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−93731号公報(2010年4月22日公開)
【特許文献2】特開2005−184501号公報(2005年7月7日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来技術では、無線通信装置が有線通信を行う際、無線通信を行う際に使用するアンテナおよび無線通信部(無線通信手段)は使用されない。そのため、有線通信を行っている間、当該無線通信装置内に不要な領域(デットスペース)が生じてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、有線通信中においても装置内の領域を有効利用し得る無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る無線通信装置は、上記課題を解決するために、第1の通信機器と無線通信するためのアンテナと、前記第1の通信機器と有線接続するための接続手段と、前記接続手段によって前記第1の通信機器と有線接続しているとき、前記アンテナを介した無線通信の相手を、前記第1の通信機器から前記第1の通信機器とは異なる第2の通信機器に切り替える切替手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
従来技術に係る無線通信装置では、有線通信手段が第1の通信機器と有線通信を行うとき、当該無線通信装置が第1の通信機器と行っていた無線通信は停止される。つまり、当該無線通信の際に使用されていたアンテナおよび通信制御手段は、有線通信では使用されないことになる。
【0011】
しかしながら、上記構成によれば、当該無線通信装置が第1の通信機器と有線通信を行うとき、アンテナを介した無線通信の相手を、第1の通信機器から第1の通信機器とは異なる第2の通信機器に切り替える。
【0012】
したがって、当該無線通信装置が有線通信を行うとき、第1の通信機器と無線通信を行うときに使用したアンテナおよび通信制御手段は、外部との無線通信で使用される。よって、無線通信装置内の領域を有効に活用することができる。
【0013】
本発明に係る無線通信装置は、前記アンテナに接続して前記第1の通信機器との無線通信を実行する第1の無線通信手段と、前記アンテナに接続して前記第2の通信機器との無線通信を実行する第2の無線通信手段と、を備えており、前記切替手段は、前記接続手段によって前記第1の通信機器と有線接続しているとき、前記アンテナの接続先を、前記第1の無線通信手段から前記第2の無線通信手段に切り替えることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、通信相手に応じて使用する無線システム(第1および第2の無線通信手段)を変更することができるので、第1および第2の通信機器との間の無線通信を好適に行うことができる。
【0015】
本発明に係る無線通信装置は、前記切替手段が前記第1の通信機器と有線接続しているときに、前記第2の通信機器と無線通信するための周波数帯における前記アンテナのアンテナ特性を向上させるアンテナ特性制御手段を更に備えていることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、アンテナを介した無線通信の通信相手を第1の通信機器から第2の通信機器に切り替えたときに、アンテナの整合回路を切り替える等することによりアンテナの特性を調整して、第2の通信機器との無線通信を好適に行うことができる。
【0017】
本発明に係る無線通信装置では、前記アンテナと前記接続手段とが高周波的に接続されており、前記接続手段が前記第1の通信機器に接続していないときに比べて、前記接続手段が前記第1の通信機器に接続しているときの方が、前記第2の通信機器と無線通信するための周波数帯における前記アンテナのアンテナ特性が向上するようになっているものであってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、アンテナと接続手段とが連結していることによって、接続手段が第1の通信機器に接続しているとき、アンテナの電気長を長くすることができる。これによってアンテナの特性を調整して、接続手段が第1の通信機器に接続していないときに比べて、接続手段が第1の通信機器に接続しているときの方が、第2の通信機器と無線通信するための周波数帯におけるアンテナのアンテナ特性が向上するようにすることにより、第2の通信機器との無線通信を好適に行うことができる。
【0019】
本発明に係る通信システムは、本発明に係る無線通信装置および前記第1の通信機器を備え、前記無線通信装置と前記第1の通信機器とが有線接続可能に構成されている通信システムであって、前記接続手段は、前記無線通信装置と前記第1の通信機器とを有線接続し、前記第1の通信機器は、前記無線通信装置と前記第1の通信機器とが有線接続したときに、前記第2の通信機器と無線通信するための周波数帯における前記アンテナのアンテナ特性を向上させるアンテナ特性制御手段を備えていることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、前記無線通信装置と前記第1の通信機器とが有線接続したときに、前記アンテナに、前記第1の通信機器が備えるグランド、アンテナ、被励振素子等を近接させることによってアンテナの特性を調整して、第2の通信機器との無線通信を好適に行うことができる。
【0021】
本発明に係る無線通信装置の制御方法は、第1の通信機器と無線通信するためのアンテナと、前記第1の通信機器と有線接続するための接続手段とを備えている無線通信装置の制御方法であって、前記接続手段によって前記第1の通信機器と有線接続しているとき、前記アンテナを介した無線通信の相手を、前記第1の通信機器から前記第1の通信機器とは異なる第2の通信機器に切り替える切替工程を包含していることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、本発明に係る無線通信装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る無線通信装置は、第1の通信機器と無線通信するためのアンテナと、前記第1の通信機器と有線接続するための接続手段と、前記接続手段によって前記第1の通信機器と有線接続しているとき、前記アンテナを介した無線通信の相手を、前記第1の通信機器から前記第1の通信機器とは異なる第2の通信機器に切り替える切替手段と、を備えることを特徴としている。
【0024】
したがって、当該無線通信装置が有線通信を行うとき、第1の通信機器と無線通信を行うときに使用したアンテナおよび通信制御手段は、外部との無線通信で使用される。よって、無線通信装置内の領域を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態1に係る通信システムの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る通信システムの概略を示す図である。
【図3】実施形態1に係る携帯電話端末における通信相手の切り替えの流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】実施形態2に係る通信システムの概略を示した図である。
【図5】実施形態2に係る通信システムの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】実施形態2に係る携帯電話端末における通信相手の切り替えの流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態2に係るアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【図8】実施形態2に係る切替部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図9】実施形態2に係るアンテナの周波数に対するアンテナ効率の他の例を示すグラフである。
【図10】実施形態2に係る切替部の内部構成の他の例を示すブロック図である。
【図11】実施形態3に係る通信システムの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図12】実施形態3に係るアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【図13】実施形態4に係る携帯電話端末の概略を示す図である。
【図14】実施形態4に係る携帯電話端末の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図15】実施形態4に係るアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【図16】実施形態4に係る切替部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図17】実施形態4に係るアンテナの周波数に対するアンテナ効率の他の例を示すグラフである。
【図18】実施形態4に係る切替部の内部構成の他の例を示すブロック図である。
【図19】実施形態5に係る携帯電話端末のアンテナおよびGND部の配置の一例を示した図である。
【図20】図19のアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【図21】実施形態6に係る携帯電話端末のアンテナおよび被励振素子の配置の一例を示した図である。
【図22】図21のアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【図23】実施形態7に係る携帯電話端末の各筐体におけるアンテナの配置の一例を示した図である。
【図24】図23の一方の筐体におけるアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【図25】実施形態8に係る携帯電話端末の各筐体におけるアンテナの配置の一例を示した図である。
【図26】図25の一方の筐体におけるアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【図27】実施形態9に係る携帯電話端末の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図28】実施形態9に係るアンテナの周波数に対するアンテナ効率の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔実施形態1〕
以下、本発明に係る一実施形態(実施形態1)について、図1から図3を参照して説明する。なお、以下の説明では本発明を実施するために好ましい種々の限定が付与されているが、本発明の技術的範囲は以下の実施形態及び図面の記載に限定されるものではない。
【0027】
(通信システム1の概略)
まず、図2を参照して本実施形態に係る通信システム1の概略を説明する。図2は、本実施形態の通信システム1のシステム構成を示す図である。図2に示すように、通信システム1は、携帯電話端末(無線通信装置)10およびパーソナルコンピュータ(第1の通信機器。以下、PCと称す)20によって構成される。図2(a)に示すように、通信システム1は、携帯電話端末10とPC20との間での無線通信を行う。また、通信システム1は、図2(b)に示すように、ケーブル30を介して有線通信を行う。また、携帯電話端末10は、PC20と有線通信を行っている時(有線通信接続時)、外部機器(第2の通信機器。例えば、基地局、アクセスポイント、ルータなど)と無線通信を行う。
【0028】
なお、携帯電話端末10とPC20とを接続する手段は、ケーブル30に限定されない。携帯電話端末10とPC20とは、金属端子等を用いて接続してもよい。
【0029】
また、携帯電話端末10はテザリング機能を有していてもよい。また、携帯電話端末10はルータの機能を有していてもよい。つまり、PC20は、携帯電話端末10を介して外部機器と通信を行う構成であってもよい。
【0030】
(PC20の概略)
次に、図1を参照して、PC20の概略を説明する。図1は、本実施形態に係る携帯電話端末10およびPC20の概略を示すブロック図である。図1に示すようにPC20は、アンテナ21、無線通信部22、制御部23および接続部26を備えている。
【0031】
アンテナ21は、携帯電話端末10とPC20との間で無線通信を行うためのアンテナである。また、アンテナ21は、外部機器(第2の通信機器。例えば、基地局、アクセスポイント、ルータなど)と無線通信を行ってもよい。
【0032】
無線通信部22は、アンテナ21が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部23に出力する。また、制御部23から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ21から送信する。アンテナ21を用いた携帯電話端末10との通信には、例えば、アドホック・モードの無線LAN(W−LAN)を用いる。なお、携帯電話端末10とPC20との通信方式はこれに限定されない。
【0033】
制御部23は、PC20内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部23は、例えば、無線通信部22および接続部26などを制御する。
【0034】
接続部26は、ケーブル30を介して携帯電話端末10とPC20とを接続し、携帯電話端末10と有線通信を行うための手段である。接続部26は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などの規格を用いるが、これに限定されるものではない。
【0035】
(携帯電話端末10の概略)
次に、図1を参照して、携帯電話端末10の概略を説明する。図1に示すように携帯電話端末10は、アンテナ11、無線通信部12、制御部(切替手段)13、接続検知部15および接続部(接続手段)16を備えている。
【0036】
アンテナ11は、携帯電話端末10とPC20との間で無線通信を行うためのアンテナである。また、アンテナ11は、外部機器(例えば、基地局、アクセスポイント、ルータなど)と無線通信を行うためのアンテナである。
【0037】
無線通信部12は、アンテナ11が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部13に出力する。また、制御部13から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ11から送信する。アンテナ11を用いたPC20との通信には、例えば、アドホック・モードの無線LAN(W−LAN)を用いる。また、アンテナ11を用いた外部機器との通信には、例えば、アクセスポイント・モードの無線LAN(W−LAN)を用いる。なお、携帯電話端末10とPC20および外部機器との通信方式はこれに限定されない。なお、無線通信部12は、アンテナ11を用いた機器間通信及び外部機器との通信の両方を処理する。
【0038】
制御部13は、携帯電話端末10内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部13は、例えば、無線通信部12、接続検知部15、接続部16、キーボード、タッチパネル等などの入力手段を備えた操作部(図示しない)などを制御する。
【0039】
接続部16は、ケーブル30を介して携帯電話端末10とPC20とを接続し、PC20と有線通信を行うための手段である。接続部16は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などの規格を用いるが、これに限定されるものではない。
【0040】
接続検知部15は、接続部16がPC20と有線接続したことを検知し、制御部13にPC20との接続を検知したことを通知する。また、接続検知部15は、PC20との接続が終了したことを検知し、制御部13に通知する。
【0041】
(通信相手の切り替えについて)
次に、図3を参照して、携帯電話端末10における通信相手(PC20、外部機器など)の切り替えの流れについて説明を行う。図3は、携帯電話端末10における通信相手切り替えの流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
携帯電話端末10とPC20とが無線通信を行っている時に、接続部16を介してPC20と接続したことを接続検知部15が検知する(ステップS31、以下、単にS31とする)と、制御部13は、接続部16にPC20との有線通信を開始するよう指示する。接続部16は、制御部13の指示に従い、PC20との有線通信を開始する(S32)。
【0043】
また、制御部13は、無線通信部12に、アンテナ11を介したPC20との無線通信を切断するよう指示する。無線通信部12は、制御部13の指示に従い、アンテナ11を介したPC20との無線通信を切断(停止)する(S33:切替工程)。なお、S32およびS33は、逆であってもよいし、同時であってもよい。
【0044】
その後、制御部13は、無線通信部12に、アンテナ11を介した外部機器との無線通信を開始するよう指示する。無線通信部12は、制御部13の指示に従い、アンテナ11を介した外部機器との無線通信を開始する(S34:切替工程)。
【0045】
なお、本実施形態では、S31にて接続検知部15がPC20と接続したことを検知することで、携帯電話端末10とPC20との通信を無線通信から有線通信へ切り替えることについて説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。無線通信から有線通信への切り替えは、ユーザからの指示であってもよい。つまり、接続検知部15が、接続状態を有線接続と検知している状態で、操作部(図示しない)を介して無線通信から有線通信へ通信接続形態を切り替える指示を受信したとき、携帯電話端末10とPC20との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。または、接続検知部15が、接続状態を有線接続と検知している状態で、操作部(図示しない)を介して、携帯電話端末10が外部機器との無線通信を開始した場合に、携帯電話端末10とPC20との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。
【0046】
このように、本実施形態における携帯電話端末10は、PC20との間で無線通信を行うためのアンテナ11と、PC20と有線接続するための接続部16と、PC20とアンテナ11を介して無線通信するか、PC20と接続部16を介して有線通信するかを切り替える制御部13と、を備えている。制御部13は、PC20と有線通信を行うとき、アンテナ11を介した無線通信の相手を、PC20からPC20とは異なる通信機器(例えば、外部機器)に切り替える。
【0047】
従来技術に係る無線通信装置では、有線通信手段がPC20と有線通信を行うとき、携帯電話端末10がPC20と行っていた無線通信は停止される。つまり、当該無線通信の際に使用されていたアンテナおよび通信制御手段は、有線通信では使用されないことになる。
【0048】
しかしながら、上記構成によれば、携帯電話端末10は、PC20と有線通信を行うとき、アンテナを介した無線通信の相手を、PC20から外部機器に切り替える。
【0049】
したがって、携帯電話端末10が有線通信を行うとき、PC20と無線通信を行うときに使用したアンテナおよび通信制御手段は、外部機器との無線通信で使用される。よって、携帯電話端末10内の領域を有効に活用することができる。
【0050】
〔実施形態2〕
実施形態1では、携帯電話端末において無線通信を行うアンテナが一つである場合を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。携帯電話端末は、複数のアンテナを有していてもよい。以下、本発明に係る第2の実施形態(実施形態2)について、図4から図10を参照して説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0051】
(通信システム2の概略)
まず、図4を参照して本実施形態に係る通信システム2の概略を説明する。図4は、本実施形態の通信システム2のシステム構成を示す図である。図4に示すように、通信システム2は、携帯電話端末(無線通信装置)40およびPC20によって構成される。図4(a)に示すように、通信システム2は、携帯電話端末40とPC20との間での無線通信を行う。また、通信システム2は、図4(b)に示すように、ケーブル30を介して有線通信を行う。
【0052】
また、携帯電話端末40は、図4(a)および(b)に示すように、外部機器や公衆網(例えば、LTE(Long Term Evolution)など)と無線通信を行う。なお、携帯電話端末40が外部機器や公衆網と無線通信を行うとき、携帯電話端末40は、更にPC20と無線通信を行ってもよいし、PC20と有線通信を行ってもよい。
【0053】
なお、携帯電話端末40とPC20とを接続する手段は、ケーブル30に限定されない。
【0054】
また、携帯電話端末40はテザリング機能を有していてもよい。携帯電話端末40はルータの機能を有していてもよい。つまり、PC20は、携帯電話端末40を介して外部機器や公衆網と通信を行う構成であってもよい。本実施形態では、PC20は、携帯電話端末40を介して公衆網と通信を行う構成であるとするが、PC20と携帯電話端末40との構成は、これに限定されるものではない。
【0055】
(携帯電話端末40の概略)
次に、図5を参照して、携帯電話端末40の概略を説明する。図5は、本実施形態に係る携帯電話端末40およびPC20の概略を示すブロック図である。図5に示すように携帯電話端末40は、アンテナ41、無線通信部(第1の無線通信手段)42、制御部(切替手段)43、接続検知部45、接続部(接続手段)46、アンテナ47、無線通信部(第2の無線通信手段)48および切替部(切替手段)49を備えている。
【0056】
アンテナ41は、携帯電話端末40とPC20との間で無線通信を行うためのアンテナである。また、アンテナ41は、有線通信接続時、LTE用のMIMOアンテナとして動作する。
【0057】
無線通信部42は、アンテナ41が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部43に出力する。また、制御部43から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ41から送信する。アンテナ41を用いたPC20との通信には、例えば、アドホック・モードの無線LAN(W−LAN)を用いる。なお、携帯電話端末40とPC20との通信方式はこれに限定されず、ルータを介した無線LANなど外部機器を介したものでもよい。
【0058】
アンテナ47は、外部機器(第2の通信機器。例えば、基地局、アクセスポイント、ルータなど)と無線通信を行うためのアンテナである。
【0059】
無線通信部48は、アンテナ47が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部43に出力する。また、制御部43から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ47から送信する。アンテナ47を用いた公衆網との通信には、例えば、LTE等の通信技術を用いることができる。また、無線通信部48は、有線通信接続時、アンテナ41がLTE用のMIMOアンテナとして動作するよう制御する。なお、公衆網との通信方式はこれに限定されない。また、アンテナ47は公衆網との通信に限定されない。
【0060】
制御部43は、携帯電話端末40内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部43は、例えば、無線通信部42、接続検知部45、接続部46、無線通信部48、キーボード、タッチパネル等などの入力手段を備えた操作部(図示しない)などを制御する。
【0061】
接続部46は、ケーブル30を介して携帯電話端末40とPC20とを接続し、PC20と有線通信を行うための手段である。接続部46は、実施形態1の接続部16と同様の機能を有するため説明を省略する。
【0062】
接続検知部45は、接続部46がPC20と接続したことを検知し、制御部43および切替部49にPC20との接続を検知したことを通知する。また、接続検知部45は、PC20との接続が終了したことを検知し、制御部43および切替部49に通知する。
【0063】
切替部49は、無線通信部48からの指示に従い、無線通信接続時と有線通信接続時とでアンテナ41が接続する無線通信部を切り替える。具体的には、切替部49は、無線通信接続時にアンテナ41と無線通信部42とを接続し、有線通信接続時にアンテナ41と無線通信部48とを接続する。
【0064】
(通信相手の切り替えについて)
次に、図6を参照して、携帯電話端末40における通信相手(PC20、外部機器など)の切り替えの流れについて説明を行う。図6は、携帯電話端末40における通信相手切り替えの流れの一例を示すフローチャートである。
【0065】
携帯電話端末40とPC20とが無線通信を行っている時に、接続部46を介してPC20と接続したことを接続検知部45が検知する(S61)と、制御部43は、接続部46にPC20との有線通信を開始するよう指示する。接続部46は、制御部43の指示に従い、PC20との有線通信を開始する(S62)。
【0066】
また、制御部43は、無線通信部42に、アンテナ11を介したPC20との無線通信を切断するよう指示する。無線通信部42は、制御部43の指示に従い、アンテナ41を介したPC20との無線通信を切断(停止)する(S63:切替工程)。なお、S62およびS63は、逆であってもよい。
【0067】
その後、切替部49は、アンテナ41が接続する無線通信部を無線通信部42から無線通信部48へ切り替える(S64:切替工程)。なお、S64は、S62の前に行われてもよいし、同時であってもよい。
【0068】
その後、制御部43は、無線通信部42に、アンテナ41がLTE用のMIMOアンテナとして動作するよう指示する。無線通信部42は、制御部43の指示に従い、アンテナ41がLTE用のMIMOアンテナとして動作させる(S65)。
【0069】
(アンテナ41の特性について)
次に、図7を参照して、アンテナ41のアンテナ効率について説明を行う。図7は、アンテナ41の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図7において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0070】
図7に示すように、アンテナ41は、LTEで使用する周波数帯域(LTE帯域)と、無線LANで使用する周波数帯域(W−LAN帯域)との両方の帯域で良好な効率を示すことがわかる。このような特性を示すアンテナ41を用いることにより、無線通信接続時には、W−LAN帯域でPC20と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、接続検知部45がPC20と接続したことを検知することで、携帯電話端末40とPC20との通信を無線通信から有線通信へ切り替えることについて説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。無線通信から有線通信への切り替えるタイミングは、ユーザからの指示であってもよい。つまり、接続検知部45が、接続状態を有線接続と検知している状態で、操作部(図示しない)を介して無線通信から有線通信へ接続形態を切り替える指示を受信したとき、携帯電話端末40とPC20との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。または、接続検知部45が、接続状態を有線接続と検知している状態で、操作部(図示しない)を介して、携帯電話端末10が外部機器との無線通信を開始した場合に、携帯電話端末40とPC20との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。
【0072】
このように、携帯電話端末40は、アンテナ41に接続してPC20との無線通信を実行する無線通信部42と、アンテナ42に接続して外部機器との無線通信を実行する無線通信手段48と、を備えている。制御部43および切替部49は、PC20と有線通信を行うとき、アンテナ41の接続先を、無線通信部42から無線通信部48に切り替える。
【0073】
上記の構成によれば、通信相手に応じて使用する無線システム(無線通信部42および無線通信部48)を変更することができるので、PC20と外部機器との間の無線通信を好適に行うことができる。
【0074】
(切替部の変形例)
本実施形態では、アンテナ41がLTE帯域とW−LAN帯域との2帯域で良好なアンテナ効率を示す場合を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。以下では、アンテナ41がどちらか一方の帯域で良好なアンテナ効率を示す場合において、切替部が整合調整を行い、使用周波数を調整する場合について図8および図9を参照して説明を行う。
【0075】
図8は、整合回路を含んだ切替部(アンテナ特性制御手段)49’の内部構成を示すブロック図である。図8に示すように切替部49’は、スイッチ491、整合回路492、整合回路493およびスイッチ494を備えている。
【0076】
整合回路492は、アンテナ41の使用周波数帯域をLTE帯域からW−LAN帯域へ整合調整(シフト)する手段である。また、整合回路493は、アンテナ41の使用周波数帯域をW−LAN帯域からLTE帯域へ整合調整する手段である。
【0077】
スイッチ491は、無線通信接続時にアンテナ41と整合回路492とを接続し、接続検知部45からPC20と接続した旨の通知を受信したとき(有線通信接続時)、アンテナ41と整合回路493とを接続する。また、スイッチ494は、無線通信接続時に整合回路492または整合回路493と無線通信部42とを接続し、接続検知部45からPC20と接続した旨の通知を受信したとき(有線通信接続時)、整合回路492または整合回路493と無線通信部48とを接続する。
【0078】
図9は、アンテナ41の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図9において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0079】
図9(a)に示すように、アンテナ41はW−LAN帯域で良好な効率を示す。このような特性を示すアンテナ41において、スイッチ491およびスイッチ494が接続検知部45からPC20と接続した旨の通知を受信したとき、整合回路493によって、図9(b)に示すようにアンテナ41の使用周波数帯がLTE帯域に調整される。
【0080】
このように携帯電話端末40は、PC20と有線通信を行うときに、外部機器と無線通信するための周波数帯におけるアンテナ41のアンテナ特性を向上させる切替部49’を更に備えている。
【0081】
上記の構成によれば、アンテナ41を介した無線通信の通信相手をPC20から外部機器に切り替えたときに、アンテナ41の整合回路を切り替える等することによりアンテナ41の特性を調整して、外部機器との無線通信を好適に行うことができる。
【0082】
よって、アンテナ41は、無線通信接続時には、W−LAN帯域でPC20と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ41は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0083】
(切替部の他の変形例)
図8では、切替部49’がスイッチ491とスイッチ492とを備えることについて説明を行ったが、切替部の構成はこれに限定されない。以下では、図10を参照して、切替部の他の変形例について説明を行う。
【0084】
図10は、整合回路を含んだ切替部(アンテナ特性制御手段)49”の内部構成を示すブロック図である。図8に示すように切替部49”は、スイッチ495、整合回路496および整合回路497を備えている。
【0085】
整合回路496および整合回路497は、それぞれ図8の整合回路492および整合回路493に対応するため、説明を省略する。
【0086】
スイッチ495は、無線通信接続時にアンテナ41と整合回路496とを接続し、接続検知部45からPC20と接続した旨の通知を受信したとき(有線通信接続時)、アンテナ41と整合回路497とを接続する。
【0087】
このように、図10に示すような回路構成の切替部49”であっても、アンテナ41は、無線通信接続時には、W−LAN帯域でPC20と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ41は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0088】
〔実施形態3〕
実施形態2では、整合回路を用いて整合調整を行う方法について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。本実施形態においては、整合回路を用いずに整合調整を行う方法について説明を行う。以下、本発明に係る第3の実施形態(実施形態3)について、図11および図12を参照して説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1および実施形態2にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0089】
(携帯電話端末50の概略)
まず、図11を参照して本実施形態に係る通信システム3の概略および携帯電話端末(無線通信装置)50の概略を説明する。図11は、本実施形態に係る携帯電話端末50およびPC20の概略を示すブロック図である。図11に示すように、通信システム3は、携帯電話端末50およびPC20によって構成される。図11における通信システム3は、通信システム2と同様に、携帯電話端末50とPC20との間での無線通信を行う。また、通信システム3は、ケーブル30を介して有線通信を行う。また、携帯電話端末50は、通信システム2と同様に、PC20と無線通信を行っている時(無線通信接続時)およびPC20と有線通信を行っている時(有線通信接続時)、外部機器や公衆網(例えば、LTE(Long Term Evolution)など)と無線通信を行う。なお、携帯電話端末50とPC20とを接続する手段は、ケーブル30に限定されない。携帯電話端末50とPC20とは、金属端子等を用いて接続してもよい。
【0090】
また、携帯電話端末50はテザリング機能を有していてもよい。携帯電話端末50はルータの機能を有していてもよい。つまり、PC20は、携帯電話端末50を介して外部機器や公衆網と通信を行う構成であってもよい。本実施形態では、PC20は、携帯電話端末50を介して公衆網と通信を行う構成であるとするが、PC20と携帯電話端末50との構成は、これに限定されるものではない。
【0091】
図11に示すように携帯電話端末50は、アンテナ41、無線通信部42、制御部43、接続検知部45、接続部46、アンテナ47、無線通信部48、切替部(切替手段、アンテナ特性制御手段)51およびW−LAN帯域OPENフィルタ52を備えている。
【0092】
切替部51は、スイッチ511を備えている。スイッチ511は、無線通信接続時と有線通信接続時とでアンテナ41が接続する無線通信部を切り替える。具体的には、切替部49は、無線通信接続時にアンテナ41と無線通信部42とを接続し、接続検知部45からPC20と接続した旨の通知を受信したとき(有線通信接続時)、アンテナ41と無線通信部48とを接続する。
【0093】
W−LAN帯域OPENフィルタ52は、W−LAN帯域の信号を遮断させ、その他の周波数帯域の信号を通過させる周波数フィルタである。
【0094】
図11において、接続部46は、W−LAN帯域OPENフィルタ52を介してアンテナ41の延長線上に配置されている。なお、アンテナ41と接続部46との延長上に配置されるものは、W−LAN帯域OPENフィルタ52に限らず、高周波特性としてW−LAN帯域を遮断し、LTE帯域を通過する構成のものであればよい。たとえば、接続検知部45と切替部51とを用いて、有線接続と無線接続とによって切替部51の接続をonまたはoffにするような構成であってもよい。
【0095】
図12は、アンテナ41の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図12において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0096】
図12(a)に示すように、アンテナ41は、無線通信接続時、W−LAN帯域で良好な効率を示す。携帯電話端末50とPC20とが有線接続したとき(有線通信接続時)、アンテナ41の延長線上に接続部46が配置されているため、アンテナ41からみると、アンテナ41に接続しているケーブル30等がアンテナエレメントとして動作する。これにより、アンテナ41の共振周波数が下方(W−LAN帯域より低い周波数)に移動する。移動した共振周波数がLTE帯域となるように、アンテナ41とケーブル30との長さの和をλ/4×n(n=1,2,3・・・)に調整することにより、図12(b)に示すように、アンテナ41の使用周波数帯がLTE帯域に調整される。
【0097】
このように、携帯電話端末50では、アンテナ41と接続部46とがLTE帯域において高周波的に接続されている。接続部46がPC20に接続していないときに比べて、接続部46がPC20に接続しているときの方が、外部機器と無線通信するための周波数帯におけるアンテナ41のアンテナ特性が向上するようになっている。
【0098】
上記の構成によれば、アンテナ41と接続部46とが連結していることによって、接続46がPC20に接続しているとき、アンテナ41の電気長を長くすることができる。これによってアンテナ41の特性を調整して、接続部46がPC20に接続していないときに比べて、接続部46がPC20に接続しているときの方が、外部機器と無線通信するための周波数帯におけるアンテナ41のアンテナ特性が向上するようにすることにより、外部機器との無線通信を好適に行うことができる。
【0099】
このように、アンテナ41は、無線通信接続時には、W−LAN帯域でPC20と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、ケーブル30をアンテナエレメントとして動作させることにより、アンテナ41は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0100】
〔実施形態4〕
実施形態1から3の通信システムでは、携帯電話端末とPCと通信について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。本発明は、分離および合体可能な筐体を有した携帯電話端末に適用することもできる。本実施形態においては、分離および合体可能な複数の筐体を有した携帯電話端末について説明を行う。以下、本発明に係る第4の実施形態(実施形態4)について、図13から図18を参照して説明する。
【0101】
(携帯電話端末4の概略)
本発明の携帯電話端末(複合無線通信装置、通信システム)4の概略について、図13を参照して説明する。図13は、携帯電話端末4の構成の一例を示す図である。図13に示すように、携帯電話端末4は、筐体(無線通信装置)60及び筐体(第1の通信機器)70を備えており、筐体60と筐体70とは、分離及び合体可能である。なお、図13において、筐体70は、テンキーなどの入力手段を含み、筐体60は、表示部を含んだ構成を示しているが、筐体60及び筐体70の構成はこれに限定されず、筐体70は、表示部を含んでいてもよい。携帯電話端末4は、外部(第2の通信機器。例えば、基地局、アクセスポイントなど)との間で無線通信を行うほか、筐体60と筐体70との間で無線通信を行う。また、筐体60と筐体70との間で、ケーブル30等を介して有線通信を行う。
【0102】
(携帯電話端末4の内部構成)
次に、携帯電話端末4の内部構成について、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態における携帯電話端末4の内部構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、携帯電話端末4の筐体60は、アンテナ61、無線通信部(第1の無線通信手段)62、制御部(切替手段)63、接続検知部65、接続部(接続手段)66、アンテナ67、無線通信部(第2の無線通信手段)68および切替部(切替手段)69を備えている。また、携帯電話端末4の筐体70は、アンテナ71、無線通信部72、制御部73および接続部76を備えている。
【0103】
アンテナ61は、筐体60が、筐体70との間で無線通信を行うためのアンテナである。また、アンテナ61は、外部機器(第2の通信機器。例えば、基地局、アクセスポイント、ルータなど)と無線通信を行うためのアンテナである。
【0104】
無線通信部62は、アンテナ61が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部63に出力する。また、制御部63から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ61から送信する。アンテナ61を用いた筐体70との通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)等の技術を用いることができる。また、アンテナ61を用いた外部機器との通信には、例えば、LTE等の通信技術を用いる。なお、筐体70との通信および外部機器との通信方式はこれに限定されない。
【0105】
制御部63は、筐体60内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部63は、例えば、無線通信部62、無線通信部68、接続検知部65、接続部66、キーボード、タッチパネル等などの入力手段を備えた操作部(図示しない)などを制御する。
【0106】
接続検知部65は、接続部66が筐体70と接続したことを検知し、制御部63に筐体70との接続を検知したことを通知する。また、接続検知部65は、筐体70との接続が終了したことを検知し、制御部63に通知する。
【0107】
アンテナ67は、外部機器(第2の通信機器。例えば、基地局、アクセスポイント、ルータなど)と無線通信を行うためのアンテナである。
【0108】
無線通信部68は、アンテナ67が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部63に出力する。また、制御部63から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ67から送信する。アンテナ67を用いた公衆網との通信には、例えば、LTE等の通信技術を用いることができる。また、無線通信部68は、有線通信接続時、アンテナ61がLTE用のMIMOアンテナとして動作するよう制御する。なお、公衆網との通信方式はこれに限定されない。また、アンテナ67は公衆網との通信に限定されない。
【0109】
切替部69は、無線通信接続時と有線通信接続時とでアンテナ61が接続する無線通信部を切り替える。具体的には、切替部69は、無線通信接続時にアンテナ61と無線通信部62とを接続し、有線通信接続時にアンテナ61と無線通信部68とを接続する。
【0110】
アンテナ71は、筐体60と筐体70との間で無線通信を行うためのアンテナである。無線通信部72は、アンテナ71が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部73に出力する。また、制御部73から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ71から送信する。アンテナ71を用いた筐体60との通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)を用いる。なお、筐体60と筐体70との通信方式はこれに限定されない。
【0111】
制御部73は、筐体70内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部73は、例えば、無線通信部72および接続部76などを制御する。
【0112】
接続部66および接続部76は、ケーブル30を介して筐体60と筐体70とを接続し、筐体60と有線通信を行うための手段である。また、筐体60および筐体70を分離可能に接続させる手段である。接続部66および接続部76は、例えば、金属端子等用いるが、これに限定されるものではない。また、接続部66および接続部76は、互いに嵌合する構造、一方の筐体を他方に係合するための爪、磁力その他の力により一方の筐体を他方に吸着させる機構等であり得る。また、接続部66および接続部76は、筐体60および筐体70が合体した状態において、さらに、筐体60及び70の折り畳みまたはスライドが可能なように筐体60及び筐体70を合体させるものであってもよい。
【0113】
なお、無線通信部68は、アンテナ61を用いた外部との通信において、どの通信方式及び周波数帯域を用いるかを制御するものであってもよい。例えば、無線通信部68が、複数の無線通信システムを備え、CDMA方式等を含む複数の通信方式による無線通信が可能である場合、無線通信部68は、当該複数の無線通信システムのうち、どの無線通信システムを用いて通信を行うかを制御するものであってもよい。
【0114】
図14に示す携帯電話端末4において、筐体60と筐体70とが無線通信を行っている時に、接続部66を介して筐体60と筐体70とが接続したことを接続検知部65が検知すると、制御部63は、接続部66に筐体70との有線通信を開始するよう指示する。接続部66は、制御部63の指示に従い、筐体70との有線通信を開始する。また、制御部63は、無線通信部62に、アンテナ61を介した筐体70との無線通信を切断するよう指示する。無線通信部62は、制御部63の指示に従い、アンテナ61を介した筐体70との無線通信を切断する。その後、切替部69は、アンテナ61が接続する無線通信部を無線通信部62から無線通信部68へ切り替える。
【0115】
このように携帯電話端末4が動作することにより、アンテナ61は、有線通信接続時に、公衆網と通信することができる。
【0116】
(アンテナ61の特性について)
次に、図15を参照して、アンテナ61のアンテナ効率について説明を行う。図15は、アンテナ61の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図15において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0117】
図15に示すように、アンテナ61は、LTEで使用する周波数帯域(LTE帯域)と、Bluetoothで使用する周波数帯域(Bluetooth帯域)との両方の帯域で良好な効率を示すことがわかる。このような特性を示すアンテナ61を用いることにより、無線通信接続時には、Bluetooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0118】
なお、本実施形態では、接続検知部65が筐体70と接続したことを検知することで、筐体60と筐体70との通信を無線通信から有線通信へ切り替えることについて説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。無線通信から有線通信への切り替えるタイミングは、ユーザからの指示であってもよい。つまり、接続検知部65が、操作部(図示しない)を介して無線通信から有線通信へ通信接続形態を切り替える指示を受信したとき、筐体60と筐体70との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。または、接続検知部65が、接続状態を有線接続と検知している状態で、操作部(図示しない)を介して、筐体60が外部機器との無線通信を開始した場合に、筐体60と筐体70との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。
【0119】
(切替部の変形例)
本実施形態では、アンテナ61がLTE帯域とBluetooth帯域との2帯域で良好なアンテナ効率を示す場合を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。以下では、アンテナ61がどちらか一方の帯域で良好なアンテナ効率を示す場合において、切替部が整合調整を行い、使用周波数を調整する場合について図16および図17を参照して説明を行う。
【0120】
図16は、整合回路を含んだ切替部(アンテナ特性制御手段)69’の内部構成を示すブロック図である。図16に示すように切替部69’は、スイッチ691、整合回路692、整合回路693およびスイッチ694を備えている。
【0121】
整合回路692は、アンテナ61の特性をBluetooth帯域で良好に確保する手段である。また、整合回路693は、アンテナ61の特性をLTE帯域で良好に確保する手段である。
【0122】
スイッチ691は、無線通信接続時にアンテナ61と整合回路692とを接続し、接続検知部65から筐体70と接続した旨の通知を受信したとき(有線通信接続時)、アンテナ61と整合回路693とを接続する。また、スイッチ694は、無線通信接続時に整合回路692または整合回路693と無線通信部62とを接続し、接続検知部65から筐体70と接続した旨の通知を受信したとき(有線通信接続時)、整合回路692または整合回路693と無線通信部68とを接続する。
【0123】
図17は、アンテナ61の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図17において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0124】
図17(a)に示すように、アンテナ61はBluetooth帯域で良好な効率を示す。このような特性を示すアンテナ61において、スイッチ691およびスイッチ694が接続検知部65から筐体70と接続した旨の通知を受信したとき、整合回路693によって、図17(b)に示すようにアンテナ61の使用周波数帯がLTE帯域に調整される。
【0125】
このように、切替部69’を用いることにより、アンテナ61は、無線通信接続時には、Blutooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ61は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0126】
(切替部の他の変形例)
図16では、切替部69’がスイッチ691とスイッチ692とを備えることについて説明を行ったが、切替部の構成はこれに限定されない。以下では、図18を参照して、切替部の他の変形例について説明を行う。
【0127】
図18は、整合回路を含んだ切替部(アンテナ特性制御手段)69”の内部構成を示すブロック図である。図18に示すように切替部69”は、スイッチ695、整合回路696および整合回路697を備えている。
【0128】
整合回路696および整合回路697は、それぞれ図16の整合回路692および整合回路693に対応するため、説明を省略する。
【0129】
スイッチ695は、無線通信接続時にアンテナ61と整合回路696とを接続し、接続検知部65から筐体70と接続した旨の通知を受信したとき(有線通信接続時)、アンテナ61と整合回路697とを接続する。
【0130】
このように、図18に示すような回路構成の切替部69”であっても、アンテナ61は、無線通信接続時には、Bluetooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ61は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0131】
〔実施形態5〕
実施形態4では、整合回路を用いて整合調整を行う方法について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。本実施形態においては、整合回路を用いずにアンテナ特性の調整を行う方法について説明を行う。以下、本発明に係る第5の実施形態(実施形態5)について、図19および図20を参照して説明する。なお、説明の便宜上、実施形態4にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0132】
(アンテナ61とGND部77の配置)
まず、筐体60のアンテナ61と筐体70のGND部(アンテナ特性制御手段)77の配置について、図19を参照して説明を行う。図19は、アンテナ61とGND部77の配置の一例を示す図である。
【0133】
図19に示すように、筐体70はグランドに高周波的に接続されたGND(グランド)部77を備えている。アンテナ61およびGND部77は、有線接続時(合体時)に近接することによりアンテナ61の共振周波数がLTE帯域に移動するような位置に配置されている。
【0134】
図20は、アンテナ61の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図20において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0135】
図20(a)に示すように、アンテナ61は、無線通信接続時(分離時)、Bluetooth帯域で良好な効率を示す。筐体60と筐体70とが有線接続したとき(有線通信接続時)、アンテナ61とGND部77とが近接することにより、アンテナ61の共振周波数が下方(W−LAN帯域より低い周波数)に移動する。また、GND部77は、アンテナ61の共振周波数がLTE帯域に移動するような位置に配置されているため、アンテナ61は、図20(b)に示すように、有線通信接続時、LTE帯域において特性を確保することができる。
【0136】
このように、アンテナ61は、無線通信接続時には、Bluetooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ61は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0137】
〔実施形態6〕
実施形態5では、GND部77を用いて整合調整を行う方法について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。本実施形態においては、被励振素子を用いる方法について説明を行う。以下、本発明に係る第6の実施形態(実施形態6)について、図21および図22を参照して説明する。なお、説明の便宜上、実施形態4にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0138】
(アンテナ61と被励振素子78の配置)
まず、筐体60のアンテナ61と筐体70の被励振素子(アンテナ特性制御手段)78の配置について、図21を参照して説明を行う。図21は、アンテナ61と被励振素子78の配置の一例を示す図である。
【0139】
図21に示すように、筐体70は、定数を介してグランドに高周波的に接続された被励振素子78を備えている。アンテナ61および被励振素子78は、有線接続時(合体時)に近接することにより、アンテナ61の特性がLTE帯域において共振するような位置に配置されている。
【0140】
図22は、アンテナ61の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図22において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0141】
図22(a)に示すように、アンテナ61は、無線通信接続時、Bluetooth帯域で良好な効率を示す。筐体60と筐体70とが有線接続したとき(有線通信接続時)、アンテナ61と被励振素子78とが近接することにより、アンテナ61はLTE帯域においても共振する。そのため、アンテナ61は、図22(b)に示すように、有線通信接続時、Bluetooth帯域とLTE帯域との両方の帯域において特性を確保することができる。
【0142】
このように携帯電話端末4は、筐体60および筐体70を備え、筐体60と筐体70とが分離合体可能に構成されている複合無線通信装置である。接続部66は、筐体60と筐体70とが合体したときに筐体70と有線接続し、筐体70は、筐体60と筐体70とが合体したときに、外部機器と無線通信するための周波数帯におけるアンテナ61のアンテナ特性を向上させる被励振素子78を備えている。
【0143】
上記の構成によれば、筐体60と筐体70とが合体し、筐体60と筐体70とが有線接続したときに、前記アンテナに、筐体70が備える被励振素子を近接させることによってアンテナの特性を調整して、外部機器との無線通信を好適に行うことができる。
【0144】
このように、アンテナ61は、無線通信接続時には、Bluetooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ61は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0145】
〔実施形態7〕
以下、本発明に係る第7の実施形態(実施形態7)について、図23および図24を参照して説明する。なお、説明の便宜上、実施形態4にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0146】
(アンテナ61とアンテナ71の配置)
まず、筐体60のアンテナ61と筐体70のアンテナ(アンテナ特性制御手段)71の配置について、図23を参照して説明を行う。図23は、アンテナ61とアンテナ71の配置の一例を示す図である。
【0147】
図23に示すように、アンテナ71は、定数を介してグランドに高周波的に接続されている。アンテナ61およびアンテナ71を有線接続時(合体時)に近接することにより、アンテナ71の終端のインピーダンスは、LTE帯域におけるアンテナ61から見て、GNDとして動作するようにインピーダンス調整されている。
【0148】
図24は、アンテナ61の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図24において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0149】
図24(a)に示すように、アンテナ61は、無線通信接続時、Bluetooth帯域で良好な効率を示す。筐体60と筐体70とが有線接続したとき(有線通信接続時)、アンテナ61とアンテナ71とが近接することにより、アンテナ61の共振周波数が下方(W−LAN帯域より低い周波数)に移動する。また、アンテナ71がLTE帯域におけるアンテナ61から見て、GNDとして動作するようなインピーダンスに調整されているため、アンテナ61は、図24(b)に示すように、有線通信接続時、LTE帯域において特性を確保することができる。
【0150】
このように、アンテナ61は、無線通信接続時には、Bluetooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ61は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0151】
なお、アンテナ71のインピーダンスは、有線通信接続時および無線通信接続時にGNDとして動作するように調整されていてもよいし、有線通信接続時のみ、GNDとして動作するように調整されていてもよい。
【0152】
〔実施形態8〕
以下、本発明に係る第8の実施形態(実施形態8)について、図25および図26を参照して説明する。なお、説明の便宜上、実施形態4にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0153】
(アンテナ61とアンテナ71の配置)
まず、筐体60のアンテナ61と筐体70のアンテナ(アンテナ特性制御手段)71の配置について、図25を参照して説明を行う。図25は、アンテナ61とアンテナ71の配置の一例を示す図である。
【0154】
図25に示すように、アンテナ71は、定数を介してグランドに高周波的に接続されている。アンテナ61およびアンテナ71を有線接続時(合体時)に近接することにより、アンテナ71の終端のインピーダンスは、LTE帯域におけるアンテナ61から見て、被励振素子として動作する(LTE帯域で、4分の1波長×n(n=1,2,3・・・)になる)ようにインピーダンス調整されている。
【0155】
図26は、アンテナ61の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図26において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0156】
図26(a)に示すように、アンテナ61は、無線通信接続時、Bluetooth帯域で良好な効率を示す。筐体60と筐体70とが有線接続したとき(有線通信接続時)、アンテナ61とアンテナ71とが近接することにより、アンテナ71がLTE帯域におけるアンテナ61から見て、被励振素子として動作するようなインピーダンスに調整されているため、アンテナ61は、図26(b)に示すように、有線通信接続時、Bluetooth帯域とLTE帯域との両方の帯域において特性を確保することができる。
【0157】
このように、アンテナ61は、無線通信接続時には、Bluetooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、アンテナ61は、LTE帯域でLTE用のMIMOアンテナとして動作することができる。
【0158】
なお、アンテナ71のインピーダンスは、有線通信接続時および無線通信接続時に被励振素子として動作するように調整されていてもよいし、有線通信接続時のみ、被励振素子として動作するように調整されていてもよい。
【0159】
〔実施形態9〕
実施形態4から8において、携帯電話端末4が使用する周波数帯域は、異なる周波数帯域であることを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。以下、本発明に係る第9の実施形態(実施形態9)について、図27および図28を参照して説明する。なお、説明の便宜上、実施形態4にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0160】
(携帯電話端末5の内部構成)
本発明の携帯電話端末(複合無線通信装置、通信システム)5の内部構成について、図27を参照して説明する。図27は、本実施形態における携帯電話端末5の内部構成の一例を示すブロック図である。携帯電話端末5は、筐体(無線通信装置)80及び筐体(第1の通信機器)70を備えており、筐体80と筐体70とは、分離及び合体可能である。携帯電話端末5は、外部(例えば、基地局、アクセスポイントなど)との間で無線通信を行うほか、筐体80と筐体70との間で無線通信を行う。また、筐体80と筐体70との間で、ケーブル30等を介して有線通信を行う。
【0161】
図27に示すように、携帯電話端末5の筐体80は、アンテナ61、無線通信部62、制御部63、接続検知部65、接続部66、切替部69および無線通信部81を備えている。
【0162】
無線通信部81は、アンテナ61が受信した信号に所定の処理を行い、処理された信号を制御部63に出力する。また、制御部63から取得した信号に所定の処理を行い、アンテナ61から送信する。アンテナ61を用いた公衆網との通信には、例えば、W−LAN(2.4GHz帯)等の通信技術を用いることができる。なお、公衆網との通信方式はこれに限定されない。
【0163】
図27に示す携帯電話端末5において、筐体80と筐体70とが無線通信を行っている時に、接続部66を介して筐体80と筐体70とが接続したことを接続検知部65が検知すると、制御部63は、接続部66に筐体70との有線通信を開始するよう指示する。接続部66は、制御部63の指示に従い、筐体70との有線通信を開始する。また、制御部63は、無線通信部62に、アンテナ61を介した筐体70との無線通信を切断するよう指示する。無線通信部62は、制御部63の指示に従い、アンテナ61を介した筐体70との無線通信を切断する。その後、切替部69は、アンテナ61が接続する無線通信部を無線通信部62から無線通信部81へ切り替える。
【0164】
このように携帯電話端末5が動作することにより、アンテナ61は、有線通信接続時に、公衆網と通信することができる。
【0165】
(アンテナ61の特性について)
次に、図28を参照して、アンテナ61のアンテナ効率について説明を行う。図28は、アンテナ61の周波数に対するアンテナ効率を示すグラフである。図28において、縦軸はアンテナ効率(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0166】
ここで、Bluetooth帯域とW−LAN帯域とは通信方式が異なるが、同じ周波数帯域を使用する。そのため、図28に示すように、アンテナ61は、Bluetooth帯域およびW−LAN帯域で良好な効率を示すことがわかる。このような特性を示すアンテナ61を用いることにより、無線通信接続時には、Bluetooth帯域で筐体70と無線通信を行うことができる。また、有線通信接続時には、使用する通信方式を切り替えるだけでよいため、W−LAN帯域で公衆網と通信を行うことができる。
【0167】
なお、本実施形態では、接続検知部65が筐体70と接続したことを検知することで、筐体80と筐体70との通信を無線通信から有線通信へ切り替えることについて説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。無線通信から有線通信への切り替えるタイミングは、ユーザからの指示であってもよい。つまり、接続検知部65が、操作部(図示しない)を介して無線通信から有線通信へ接続形態を切り替える指示を受信したとき、筐体80と筐体70との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。または、接続検知部65が、接続状態を有線接続と検知している状態で、操作部(図示しない)を介して、筐体80が外部機器との無線通信を開始した場合に、筐体80と筐体70との通信を無線通信から有線通信へ切り替えてもよい。
【0168】
なお、上述した実施形態4〜9では、筐体間通信を行う複合無線通信装置について説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、無線通信および有線通信が可能な携帯電話端末(無線通信装置)および充電台(第1の通信機器)と、を備えた通信システムであってもよい。
【0169】
〔プログラム及び記録媒体〕
また、上述した携帯電話端末10、携帯電話端末40、携帯電話端末50、携帯電話端末4および携帯電話端末5の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0170】
すなわち、携帯電話端末10、携帯電話端末40、携帯電話端末50、携帯電話端末4および携帯電話端末5は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話端末10、携帯電話端末40、携帯電話端末50、携帯電話端末4および携帯電話端末5の制御プログラム(認証プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話端末10、携帯電話端末40、携帯電話端末50、携帯電話端末4および携帯電話端末5に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0171】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0172】
また、携帯電話端末10、携帯電話端末40、携帯電話端末50、携帯電話端末4および携帯電話端末5を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0173】
また、上述したように、携帯電話端末10、携帯電話端末40、携帯電話端末50、携帯電話端末4および携帯電話端末5が行う無線通信は、Bluetooth、WLAN、LTEに限定されるものではない。更に、携帯電話端末10、携帯電話端末40および携帯電話端末50がPC20と行う通信、携帯電話端末4または携帯電話端末5の筐体間通信は、直接行われるものに限定されず、ルータを介したWLAN通信であってもよい。また、上述した各実施形態では、無線通信装置として携帯電話端末10、携帯電話端末40、携帯電話端末50、筐体60および筐体80を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、PC、テレビジョン受像機、カメラ等、有線通信および無線通信が可能な装置であればよい。
【0174】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明は、無線通信装置の製造分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0176】
1 通信システム
10 携帯電話端末(無線通信装置)
11 アンテナ
12 無線通信部
13 制御部(切替手段)
15 接続検知部
16 接続部(接続手段)
20 PC(第1の通信機器)
21 アンテナ
22 無線通信部
23 制御部
26 接続部
30 ケーブル
2 通信システム
40 携帯電話端末(無線通信装置)
41 アンテナ
42 無線通信部(第1の無線通信手段)
43 制御部(切替手段)
45 接続検知部
46 接続部(接続手段)
47 アンテナ
48 無線通信部(第2の無線通信手段)
49、49’、49” 切替部(切替手段、アンテナ特性制御手段)
491、494、495 スイッチ
492、496 整合回路
493、497 整合回路
3 通信システム
50 携帯電話端末(無線通信装置)
51 切替部(切替手段、アンテナ特性制御手段)
511 スイッチ
52 W−LAN帯域OPENフィルタ
4、5 携帯電話端末(複合無線通信装置、通信システム)
60、80 筐体(無線通信装置)
61 アンテナ
62 無線通信部
63 制御部(切替手段)
65 接続検知部
66 接続部(接続手段)
68、81 無線通信部
69、69’、69” 切替部(切替手段、アンテナ特性制御手段)
691、694、695 スイッチ
692、696 整合回路
693、697 整合回路
70 筐体(第1の通信機器)
71 アンテナ(アンテナ特性制御手段)
72 無線通信部
73 制御部
76 接続部
77 GND部(アンテナ特性制御手段)
78 被励振素子(アンテナ特性制御手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信機器と無線通信するためのアンテナと、
前記第1の通信機器と有線接続するための接続手段と、
前記接続手段によって前記第1の通信機器と有線接続しているとき、前記アンテナを介した無線通信の相手を、前記第1の通信機器から前記第1の通信機器とは異なる第2の通信機器に切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記アンテナに接続して前記第1の通信機器との無線通信を実行する第1の無線通信手段と、
前記アンテナに接続して前記第2の通信機器との無線通信を実行する第2の無線通信手段と、を備えており、
前記切替手段は、前記接続手段によって前記第1の通信機器と有線接続しているとき、前記アンテナの接続先を、前記第1の無線通信手段から前記第2の無線通信手段に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記切替手段が前記第1の通信機器と有線接続しているときに、前記第2の通信機器と無線通信するための周波数帯における前記アンテナのアンテナ特性を向上させるアンテナ特性制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記アンテナと前記接続手段とが高周波的に接続されており、
前記接続手段が前記第1の通信機器に接続していないときに比べて、前記接続手段が前記第1の通信機器に接続しているときの方が、前記第2の通信機器と無線通信するための周波数帯における前記アンテナのアンテナ特性が向上するようになっていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の無線通信装置および前記第1の通信機器を備え、前記無線通信装置と前記第1の通信機器とが有線接続可能に構成されている通信システムであって、
前記接続手段は、前記無線通信装置と前記第1の通信機器とを有線接続し、
前記第1の通信機器は、前記無線通信装置と前記第1の通信機器とが有線接続したときに、前記第2の通信機器と無線通信するための周波数帯における前記アンテナのアンテナ特性を向上させるアンテナ特性制御手段を備えていることを特徴とする通信システム。
【請求項6】
第1の通信機器と無線通信するためのアンテナと、前記第1の通信機器と有線接続するための接続手段とを備えている無線通信装置の制御方法であって、
前記接続手段によって前記第1の通信機器と有線接続しているとき、前記アンテナを介した無線通信の相手を、前記第1の通信機器から前記第1の通信機器とは異なる第2の通信機器に切り替える切替工程を包含していることを特徴とする無線通信装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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