説明

無線通信装置、通信用半導体装置および通信方法

【課題】異なる通信方式の無線通信部を備える構成において、各無線通信部間の無線信号の干渉を防ぐとともに、スループットの低下を防ぐ。
【解決手段】第2の無線通信部52は、第1の無線通信部51の送信期間と自己の受信期間とを時間的に重ならせず、かつ第1の無線通信部51の受信期間と自己の送信期間とを時間的に重ならせない制御を行なう。第1の無線通信部51は、第1の装置102から、自己の各送信期間のうち、第1の装置102へ通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された送信期間を示す非送信情報を第2の無線通信部52に通知する。第2の無線通信部52は、第1の無線通信部51から通知された非送信情報の示す第1の無線通信部51の送信期間と、自己の受信期間との時間的な重なりを許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、通信用半導体装置および通信方法に関し、特に、他の装置との間の通信データの送信および受信を時間的に切り替えて行なう無線通信装置、通信用半導体装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.16規格に従うWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)では、TDD(時分割複信:Time Division Duplex)方式が採用されている。すなわち、WiMAXシステムでは、無線端末装置から無線基地局装置へ通信データを送信するための上り送信期間と、無線基地局装置から無線端末装置へ通信データを送信するための下り送信期間とが切り替えられ、交互に繰り返される(たとえば、“ウィキペディア”、[online]、[平成23年2月10日検索]、インターネット〈URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/WiMAX〉(非特許文献1)参照)。
【0003】
また、IEEE802.16規格に従うWiFi(Wireless Fidelity)でも、同様に、TDD方式が採用されている。(たとえば、“ウィキペディア”、[online]、[平成23年2月10日検索]、インターネット〈URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/Wi-Fi〉(非特許文献2)参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“ウィキペディア”、[online]、[平成23年2月10日検索]、インターネット〈URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/WiMAX〉
【非特許文献2】“ウィキペディア”、[online]、[平成23年2月10日検索]、インターネット〈URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/Wi-Fi〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
WiMAX用のモジュールおよびWiFi用のモジュールの両方を搭載した機器では、WiMAXおよびWiFiにおいて用いられる無線信号の周波数が近いことから、各モジュール間での無線信号の干渉が問題となる。
【0006】
この干渉を防止するために、当該機器に他方式の無線信号を除去するためのフィルタを追加する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、機器が大きくなり、また、高価になってしまう。
【0007】
他の方法として、各モジュール用のアンテナのアイソレーションを確保する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、アンテナの設置場所の自由度が制限されてしまい、また、小型の機器では対応が困難である。
【0008】
さらに、他の方法として、各モジュールの通信を時分割で行なう方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、たとえばWiMAX用のモジュールにおいて、通信データを送信することが可能な送信期間において強制的に送信を停止することになる。送信できなかった通信データについては、自動再送要求機能を用いてリカバリすることは可能であるが、WiMAX通信のスループットが低下してしまう。
【0009】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、異なる通信方式の無線通信部を備える構成において、各無線通信部間の無線信号の干渉を防ぐとともに、スループットの低下を防ぐことが可能な無線通信装置、通信用半導体装置および通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる無線通信装置は、第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる第1の無線通信部と、上記第1の無線通信部とは異なる通信方式に従い、第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定するための第2の無線通信部とを備え、上記第1の無線通信部は、自己の上記送信期間および上記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を上記第2の無線通信部に通知し、上記第2の無線通信部は、上記第1の無線通信部から通知された上記タイミング情報に基づいて、上記第1の無線通信部の上記送信期間と自己の上記受信期間とを時間的に重ならせず、かつ上記第1の無線通信部の上記受信期間と自己の上記送信期間とを時間的に重ならせない制御を行い、上記第1の無線通信部は、上記第1の装置から、自己の各上記送信期間のうち、上記第1の装置へ上記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された上記送信期間を示す非送信情報を上記第2の無線通信部に通知し、上記第2の無線通信部は、上記第1の無線通信部から通知された上記非送信情報の示す上記第1の無線通信部の上記送信期間と、自己の上記受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0011】
このような構成により、第1の無線通信部および第2の無線通信部の一方の送信無線信号が他方に干渉して当該他方における無線信号の受信特性が劣化することを防ぐとともに、第2の無線通信部における第2の装置からの通信データの受信期間を延長することができる。これにより、第2の無線通信部および第2の装置からなる通信システムにおけるパケット欠損を低減し、スループットを向上させることができる。また、第1の無線通信部および第2の無線通信部において、他方式の無線信号を除去するためのフィルタを追加する必要がなくなり、機器の小型化および低コスト化を図ることができる。また、アンテナの設置場所の自由度を高め、ハードウェア設計の自由度を高めることができる。また、たとえば第1の無線通信部において、通信データを送信することが可能な送信期間において強制的に送信を停止する必要がなくなり、第1の無線通信部および第1の装置からなる通信システムのスループットの低下を防ぐことができる。
【0012】
好ましくは、上記第1の無線通信部は、自己の上記送信期間および上記受信期間のタイミングを示すパルス状の同期信号を上記タイミング情報として上記第2の無線通信部へ出力し、上記第1の無線通信部は、上記同期信号の各パルスのうち、上記通信データを送信しない送信期間に対応するパルスの上記第2の無線通信部への出力を中止することにより、上記非送信情報を上記第2の無線通信部に通知し、上記第2の無線通信部は、上記第1の無線通信部から受信しなかった上記パルスに対応する上記第1の無線通信部の上記送信期間と、自己の上記受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0013】
このような構成により、パルス状の同期信号を用いて第1の無線通信部および第2の無線通信部間の同期を確立するとともに、この同期信号を利用した簡易な構成で第2の無線通信部への非送信期間の通知を行なうことができる。
【0014】
好ましくは、上記第2の無線通信部は、上記第1の無線通信部から受信した上記タイミング情報に基づいて、自己の上記送信期間および上記受信期間が上記第1の無線通信部の上記送信期間および上記受信期間とそれぞれ一致するように設定し、上記第2の無線通信部は、上記非送信情報の示す上記第1の無線通信部の上記送信期間を、上記第2の装置からの通信データを受信可能な期間として用いる。
【0015】
このような構成により、第2の無線通信部および第2の装置からなる通信システムにおける送信期間および受信期間を最大限に確保し、スループットを向上させることができる。
【0016】
好ましくは、上記第2の無線通信部は、上記非送信情報の示す上記第1の無線通信部の上記送信期間において上記第2の無線通信部への通信データの送信が可能である旨を上記第2の装置に通知する。
【0017】
このような構成により、第2の装置が、第1の無線通信部の送信期間において第2の無線通信部へ通信データを送信可能であることを認識することができる。
【0018】
好ましくは、上記第1の無線通信部は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)方式に従って通信データの送信および受信を行い、上記第2の無線通信部は、WiFi(Wireless Fidelity)方式に従って通信データの送信および受信を行なう。
【0019】
このように、無線周波数が近く、無線信号の干渉が生じやすいWiMAX方式およびWiFi方式に適用することにより、本発明の効果をより顕著に得ることができる。
【0020】
より好ましくは、上記第1の無線通信部は、WiMAXシステムにおける端末局であり、上記第2の無線通信部は、WiFiシステムにおけるアクセスポイントである。
【0021】
このような構成により、WiMAXおよびWiFi間の通信を中継する機能を有するスレートPCおよびルータ等の装置において、無線信号の干渉を防ぐとともにスループットの向上を図ることができる。
【0022】
より好ましくは、上記第1の無線通信部は、所定のタイミングにおいて上記同期信号の出力を開始し、上記所定のタイミングから連続して所定個のパルスを上記第2の無線通信部へ出力する。
【0023】
このような構成により、たとえば無線通信装置の起動時に、第1の無線通信部および第2の無線通信部間の同期を確実に確立することができる。
【0024】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信用半導体装置は、無線通信装置に用いられ、他の第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる通信用半導体装置であって、上記無線通信装置に用いられ、上記通信用半導体装置とは異なる通信方式に従い、他の第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定するための他の通信用半導体装置へ、自己の上記送信期間および上記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を通知するためのタイミング情報通知部と、上記第1の装置から、自己の各上記送信期間のうち、上記第1の装置へ上記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された上記送信期間を示す非送信情報を上記他の通信用半導体装置に通知するための非送信情報通知部とを備える。
【0025】
このような構成により、第1の無線通信部および第2の無線通信部の一方の送信無線信号が他方に干渉して当該他方における無線信号の受信特性が劣化することを防ぐとともに、第2の無線通信部における第2の装置からの通信データの受信期間を延長することができる。これにより、第2の無線通信部および第2の装置からなる通信システムにおけるパケット欠損を低減し、スループットを向上させることができる。また、第1の無線通信部および第2の無線通信部において、他方式の無線信号を除去するためのフィルタを追加する必要がなくなり、機器の小型化および低コスト化を図ることができる。また、アンテナの設置場所の自由度を高め、ハードウェア設計の自由度を高めることができる。また、たとえば第1の無線通信部において、通信データを送信することが可能な送信期間において強制的に送信を停止する必要がなくなり、第1の無線通信部および第1の装置からなる通信システムのスループットの低下を防ぐことができる。
【0026】
またこの発明の別の局面に係わる通信用半導体装置は、無線通信装置に用いられ、他の第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる他の通信用半導体装置とは異なる通信方式に従い、他の第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定し、かつ上記無線通信装置に用いられる通信用半導体装置であって、上記他の通信用半導体装置の上記送信期間および上記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を上記他の通信用半導体装置から受信するための受信部と、上記他の通信用半導体装置から受信した上記タイミング情報に基づいて、上記他の通信用半導体装置の上記送信期間と自己の上記受信期間とを時間的に重ならせず、上記他の通信用半導体装置の上記受信期間と自己の上記送信期間とを時間的に重ならせない制御を行なうための制御部とを備え、上記他の通信用半導体装置は、上記第1の装置から、上記他の通信用半導体装置の各上記送信期間のうち、上記第1の装置へ上記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された上記送信期間を示す非送信情報を上記通信用半導体装置に通知し、上記制御部は、上記他の通信用半導体装置から通知された上記非送信情報の示す上記他の通信用半導体装置の上記送信期間と、自己の上記受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0027】
このような構成により、第1の無線通信部および第2の無線通信部の一方の送信無線信号が他方に干渉して当該他方における無線信号の受信特性が劣化することを防ぐとともに、第2の無線通信部における第2の装置からの通信データの受信期間を延長することができる。これにより、第2の無線通信部および第2の装置からなる通信システムにおけるパケット欠損を低減し、スループットを向上させることができる。また、第1の無線通信部および第2の無線通信部において、他方式の無線信号を除去するためのフィルタを追加する必要がなくなり、機器の小型化および低コスト化を図ることができる。また、アンテナの設置場所の自由度を高め、ハードウェア設計の自由度を高めることができる。また、たとえば第1の無線通信部において、通信データを送信することが可能な送信期間において強制的に送信を停止する必要がなくなり、第1の無線通信部および第1の装置からなる通信システムのスループットの低下を防ぐことができる。
【0028】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信方法は、第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる第1の無線通信部と、上記第1の無線通信部とは異なる通信方式に従い、第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および上記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定するための第2の無線通信部とを備える無線通信システムにおける通信方法であって、上記第1の無線通信部が、自己の上記送信期間および上記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を上記第2の無線通信部に通知するステップと、上記第2の無線通信部が、上記第1の無線通信部から通知された上記タイミング情報に基づいて、上記第1の無線通信部の上記送信期間と自己の上記受信期間とを時間的に重ならせず、かつ上記第1の無線通信部の上記受信期間と自己の上記送信期間とを時間的に重ならせない制御を行なうステップと、上記第1の無線通信部が、上記第1の装置から、自己の各上記送信期間のうち、上記第1の装置へ上記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された上記送信期間を示す非送信情報を上記第2の無線通信部に通知するステップとを含み、上記制御を行なうステップにおいては、上記第2の無線通信部は、上記第1の無線通信部から通知された上記非送信情報の示す上記第1の無線通信部の上記送信期間と、自己の上記受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0029】
このような構成により、第1の無線通信部および第2の無線通信部の一方の送信無線信号が他方に干渉して当該他方における無線信号の受信特性が劣化することを防ぐとともに、第2の無線通信部における第2の装置からの通信データの受信期間を延長することができる。これにより、第2の無線通信部および第2の装置からなる通信システムにおけるパケット欠損を低減し、スループットを向上させることができる。また、第1の無線通信部および第2の無線通信部において、他方式の無線信号を除去するためのフィルタを追加する必要がなくなり、機器の小型化および低コスト化を図ることができる。また、アンテナの設置場所の自由度を高め、ハードウェア設計の自由度を高めることができる。また、たとえば第1の無線通信部において、通信データを送信することが可能な送信期間において強制的に送信を停止する必要がなくなり、第1の無線通信部および第1の装置からなる通信システムのスループットの低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、異なる通信方式の無線通信部を備える構成において、各無線通信部間の無線信号の干渉を防ぐとともに、スループットの低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るWiMAXモジュールの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るWiFiモジュールの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るWiMAXチップの機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るWiFiチップの機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける通信タイミングを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る無線通信システムによる通信制御を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0033】
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【0034】
図1を参照して、無線通信システム201は、無線通信装置101と、WiMAX基地局(第1の装置)102と、1または複数のWiFiエンドポイント(第2の装置)103とを備える。無線通信装置101は、WiMAXモジュール(第1の無線通信部)51と、WiFiモジュール(第2の無線通信部)52と、ホスト53とを備える。
【0035】
無線通信装置101は、たとえばスレートPCまたはルータであり、WiMAXおよびWiFi間の通信を中継する機能を有する。
【0036】
無線通信装置101において、WiMAXモジュール51は、WiMAX方式に従って通信データの送信および受信を行なう。WiMAXモジュール51は、WiMAXシステムにおける端末局である。
【0037】
WiFiモジュール52は、WiFi方式に従って通信データの送信および受信を行なう。WiFiモジュール52は、WiFiシステムにおけるアクセスポイントである。
【0038】
WiMAXモジュール51は、WiMAX基地局102と無線信号を送受信することにより、WiMAX基地局102と通信を行なうWiMAX端末局として動作する。WiMAXモジュール51およびWiMAX基地局102により、WiMAXシステムが構成される。
【0039】
WiFiモジュール52は、WiFiエンドポイント103と無線信号を送受信することにより、WiFiエンドポイント103と通信を行なうWiFiアクセスポイントとして動作する。WiFiモジュール52およびWiFiエンドポイント103により、WiFiシステムが構成される。
【0040】
より詳細には、WiMAXモジュール51は、WiMAX基地局102から受信した無線信号から通信データを抽出するかまたは自ら生成してホスト53へ出力する。また、WiMAXモジュール51は、ホスト53から受けた通信データまたは自ら生成した通信データを無線信号に変換してWiMAX基地局102へ送信する。
【0041】
WiFiモジュール52は、WiFiエンドポイント103から受信した無線信号から通信データを抽出するかまたは自ら生成してホスト53へ出力する。また、WiFiモジュール52は、ホスト53から受けた通信データまたは自ら生成した通信データを無線信号に変換してWiFiエンドポイント103へ送信する。
【0042】
ホスト53は、たとえばWiMAXおよびWiFi間の通信プロトコルの変換処理を行なう。より詳細には、ホスト53は、WiMAXモジュール51から受けた通信データを所定のフレームフォーマットに変換してWiFiモジュール52へ出力する。また、ホスト53は、WiFiモジュール52から受けた通信データを所定のフレームフォーマットに変換してWiMAXモジュール51へ出力する。
【0043】
図2は、本発明の実施の形態に係るWiMAXモジュールの構成を示す図である。
【0044】
図2を参照して、WiMAXモジュール51は、WiMAXチップ11と、電源回路12と、入出力回路13とを含む。
【0045】
WiMAXチップ11は、WiMAX方式に従う通信処理を行なう半導体集積回路である。電源回路12は、WiMAXモジュール51におけるWiMAXチップ11および入出力回路13等の電気回路に電力を供給する。入出力回路13は、WiMAXチップ11と無線通信装置101におけるWiFiモジュール52およびホスト53等の他の電気回路との間で信号を入出力する。
【0046】
図3は、本発明の実施の形態に係るWiFiモジュールの構成を示す図である。
【0047】
図3を参照して、WiFiモジュール52は、WiFiチップ21と、電源回路22と、入出力回路23とを含む。
【0048】
WiFiチップ21は、WiFi方式に従う通信処理を行なう半導体集積回路である。電源回路22は、WiFiモジュール52におけるWiFiチップ21および入出力回路23等の電気回路に電力を供給する。
【0049】
入出力回路23は、WiFiチップ21と無線通信装置101におけるWiMAXモジュール51およびホスト53等の他のユニットとの間で信号を入出力する。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態に係るWiMAXチップの機能ブロック図である。
【0051】
図4を参照して、WiMAXチップ11は、無線送受信部31と、制御部(タイミング情報通知部および非送信情報通知部)32と、ホストインタフェース部33と、同期信号送信部34とを含む。
【0052】
無線送受信部31は、WiMAX基地局102から無線信号を受信してデジタル信号に変換し、制御部32へ出力する。
【0053】
制御部32は、無線送受信部31から受けたデジタル信号に種々の信号処理を行って通信データを生成し、ホストインタフェース部33へ出力する。
【0054】
ホストインタフェース部33は、制御部32から受けた通信データをホスト53へ出力する。
【0055】
また、制御部32は、自己のWiMAXモジュール51の送信期間および受信期間のタイミングを示すタイミング情報をWiFiモジュール52に通知する。たとえば、制御部32は、WiMAXフレームのタイミングを示す同期信号を生成して同期信号送信部34へ出力する。
【0056】
同期信号送信部34は、制御部32から受けた同期信号をWiFiチップ21へ出力する。
【0057】
また、ホストインタフェース部33は、ホスト53から受けた通信データを制御部32へ出力する。
【0058】
制御部32は、ホストインタフェース部33から受けた通信データに種々の信号処理を行って無線送受信部31へ出力する。
【0059】
無線送受信部31は、制御部32から受けた通信データを無線信号に変換してWiMAX基地局102へ送信する。
【0060】
図5は、本発明の実施の形態に係るWiFiチップの機能ブロック図である。
【0061】
図5を参照して、WiFiチップ21は、無線送受信部41と、制御部42と、ホストインタフェース部43と、同期信号受信部44とを含む。
【0062】
無線送受信部41は、WiFiエンドポイント103から無線信号を受信してデジタル信号に変換し、制御部42へ出力する。
【0063】
制御部42は、無線送受信部41から受けたデジタル信号に種々の信号処理を行って通信データを生成し、ホストインタフェース部43へ出力する。
【0064】
ホストインタフェース部43は、制御部42から受けた通信データをホスト53へ出力する。
【0065】
同期信号受信部44は、WiMAXモジュール51の送信期間および受信期間のタイミングを示すタイミング情報をWiMAXモジュール51から受信する。たとえば、同期信号受信部44は、WiMAXフレームのタイミングを示す同期信号をWiMAXチップ11から受けて制御部42へ出力する。
【0066】
また、ホストインタフェース部43は、ホスト53から受けた通信データを制御部42へ出力する。
【0067】
制御部42は、同期信号受信部44から受けた同期信号に基づいてWiMAXモジュール51と同期した上で、ホストインタフェース部43から受けた通信データに種々の信号処理を行って無線送受信部41へ出力する。
【0068】
無線送受信部41は、制御部42から受けた通信データを無線信号に変換してWiFiエンドポイント103へ送信する。
【0069】
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る無線通信装置が通信制御を行なう際の動作について説明する。
【0070】
図6は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける通信タイミングを示す図である。
【0071】
WiMAXモジュール51は、WiMAX基地局102へ通信データを送信可能な送信期間およびWiMAX基地局102からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる。この送信期間および受信期間のタイミングは、たとえばWiMAX基地局102から通知される。
【0072】
WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51とは異なる通信方式に従い、WiFiエンドポイント103へ通信データを送信可能な送信期間およびWiFiエンドポイント103からの通信データを受信可能な受信期間のタイミングを設定し、たとえばWiFiエンドポイント103に通知する。
【0073】
具体的には、図6を参照して、WiMAX方式では、1つの無線フレーム(WiMAXフレーム)が5ミリ秒に設定され、1つの無線フレームは、上り通信期間ULおよび下り通信期間DLからなる。WiMAX方式では、上り通信期間(送信期間)ULおよび下り通信期間(受信期間)DLが交互に設けられる。
【0074】
すなわち、WiMAXチップ11は、上り通信期間ULにおいて通信データをWiMAX基地局102へ送信し、下り通信期間DLにおいて通信データをWiMAX基地局102から受信する。
【0075】
WiMAXモジュール51は、自己の送信期間および受信期間のタイミングを示すタイミング情報をWiFiモジュール52に通知する。
【0076】
WiFiチップ21における制御部42は、WiMAXモジュール51から通知されたタイミング情報に基づいて、WiMAXモジュール51の送信期間と自己の受信期間とを時間的に重ならせず、かつWiMAXモジュール51の受信期間と自己の送信期間とを時間的に重ならせない制御を行なう。
【0077】
たとえば、WiMAXモジュール51は、自己の送信期間および受信期間のタイミングを示すパルス状の同期信号をタイミング情報としてWiFiモジュール52へ出力する。具体的には、WiMAXチップ11における制御部32は、無線フレームのタイミングを示すパルス状の同期信号、たとえば上り通信期間ULにおいて論理ハイレベルとなり、下り通信期間DLにおいて論理ローレベルとなる信号を生成し、同期信号送信部34を介してWiFiモジュール52へ出力する。
【0078】
また、WiMAXモジュール51は、所定のタイミングたとえば無線通信装置101の起動タイミングから所定時間経過時において同期信号の出力を開始し、この所定タイミングから連続して所定個のパルスをWiFiモジュール52へ出力する。
【0079】
ここで、制御部32は、同期信号として、ある無線フレームに対応するパルスを、1つ前の無線フレームのタイミングにおいてWiFiモジュール52へ送信する。具体的には、図6において、パルスP1が下り通信期間DL1および上り通信期間UL1に対応し、パルスP2が下り通信期間DL2および上り通信期間UL2に対応し、パルスP3が下り通信期間DL3および上り通信期間UL3に対応する。
【0080】
WiFiチップ21における制御部42は、この同期信号を受けて、通信データをWiFiエンドポイント103へ送信可能な自己のWiFiモジュール52の送信期間を、WiMAXモジュール51の上り通信期間ULにおいて設定し、また、通信データをWiFiエンドポイント103から受信可能な受信期間を、WiMAXモジュール51の下り通信期間DLにおいて設定する。
【0081】
このような構成により、WiMAXモジュール51およびWiFiモジュール52の一方で無線信号を受信している際に、他方が無線信号を送信することによって当該無線信号が受信側に干渉し、受信特性が劣化することを防ぐことができる。
【0082】
たとえば、WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51から受信したタイミング情報に基づいて、自己の送信期間および受信期間がWiMAXモジュール51の送信期間および受信期間とそれぞれ一致するように設定する。
【0083】
図7は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムによる通信制御を示す図である。
【0084】
WiMAXモジュール51は、WiMAX基地局102から、自己の各送信期間のうち、WiMAX基地局102へ通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された送信期間を示す非送信情報をWiFiモジュール52に通知する。
【0085】
WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51から通知された非送信情報の示すWiMAXモジュール51の送信期間と、自己の受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0086】
すなわち、WiFiモジュール52は、非送信情報の示すWiMAXモジュール51の送信期間を、WiFiエンドポイント103からの通信データを受信可能な期間として用いる。
【0087】
たとえば、WiFiモジュール52は、非送信情報の示すWiMAXモジュール51の送信期間においてWiFiモジュール52への通信データの送信が可能である旨をWiFiエンドポイント103に通知する。
【0088】
また、WiMAXモジュール51は、同期信号の各パルスのうち、通信データを送信しない送信期間に対応するパルスのWiFiモジュール52への出力を中止することにより、非送信情報をWiFiモジュール52に通知する。
【0089】
WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51から受信しなかったパルスに対応するWiMAXモジュール51の送信期間と、自己の受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0090】
具体的には、図7を参照して、WiMAX基地局102は、通信データにMAP情報を含めてWiMAXモジュール51へ送信する。このMAP情報には、たとえば、次の無線フレームにおける上り通信期間ULにおいて、WiMAXモジュール51がWiMAX基地局102へ通信データを送信すべきか否かの情報が含まれる。
【0091】
ここで、下り通信期間DL1および上り通信期間UL1からなる無線フレームFR1におけるMAP情報が、通信データを送信すべきでないことを示していたとする。
【0092】
この場合、WiMAXモジュール51は、次の無線フレームFR2における上り通信期間UL2において、WiMAX基地局102へ通信データを送信しないことを認識する。そして、WiMAXモジュール51は、同期信号において、無線フレームFR1において送信する予定であったパルスP2の送信を中止する。
【0093】
そうすると、WiFiモジュール52は、無線フレームFR1におけるパルスP2をWiMAXモジュール51から受けなかったことから、パルスP2に対応する上り通信期間UL2において、WiMAXモジュール51からWiMAX基地局102へ通信データが送信されないことを認識する。そして、WiFiモジュール52は、上り通信期間UL2を、WiFiエンドポイント103から通信データを受信可能な期間として用いる。
【0094】
たとえば、WiFiモジュール52は、上り通信期間UL2においてWiFiモジュール52への通信データの送信が可能である旨をWiFiエンドポイント103に通知する。
【0095】
ところで、WiMAX用のモジュールおよびWiFi用のモジュールの両方を搭載した機器では、WiMAXおよびWiFiにおいて用いられる無線信号の周波数が近いことから、各モジュール間での無線信号の干渉が問題となる。
【0096】
この干渉を防止するために、当該機器に他方式の無線信号を除去するためのフィルタを追加する方法では、機器が大きくなり、また、高価になってしまう。また、各モジュール用のアンテナのアイソレーションを確保する方法では、アンテナの設置場所の自由度が制限されてしまい、また、小型の機器では対応が困難である。また、各モジュールの通信を時分割で行なう方法では、通信のスループットが低下してしまう。
【0097】
これに対して、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiMAXモジュール51は、自己の送信期間および受信期間のタイミングを示すタイミング情報をWiFiモジュール52に通知する。WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51から通知されたタイミング情報に基づいて、WiMAXモジュール51の送信期間と自己の受信期間とを時間的に重ならせず、かつWiMAXモジュール51の受信期間と自己の送信期間とを時間的に重ならせない制御を行なう。WiMAXモジュール51は、WiMAX基地局102から、自己の各送信期間のうち、WiMAX基地局102へ通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された送信期間を示す非送信情報をWiFiモジュール52に通知する。そして、WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51から通知された非送信情報の示すWiMAXモジュール51の送信期間と、自己の受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0098】
このような構成により、WiMAXモジュール51およびWiFiモジュール52の一方の送信無線信号が他方に干渉して当該他方における無線信号の受信特性が劣化することを防ぐとともに、WiFiモジュール52におけるWiFiエンドポイント103からの通信データの受信期間を延長することができる。これにより、WiFiシステムにおけるパケット欠損を低減し、スループットを向上させることができる。
【0099】
また、WiMAXモジュール51およびWiFiモジュール52において、他方式の無線信号を除去するためのフィルタを追加する必要がなくなり、機器の小型化および低コスト化を図ることができる。また、アンテナの設置場所の自由度を高め、ハードウェア設計の自由度を高めることができる。また、たとえばWiMAXモジュール51において、通信データを送信することが可能な送信期間において強制的に送信を停止する必要がなくなり、WiMAXシステムのスループットの低下を防ぐことができる。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiMAXモジュール51は、自己の送信期間および受信期間のタイミングを示すパルス状の同期信号をタイミング情報としてWiFiモジュール52へ出力する。WiMAXモジュール51は、同期信号の各パルスのうち、通信データを送信しない送信期間に対応するパルスのWiFiモジュール52への出力を中止することにより、非送信情報をWiFiモジュール52に通知する。そして、WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51から受信しなかったパルスに対応するWiMAXモジュール51の送信期間と、自己の受信期間との時間的な重なりを許容する。
【0101】
このような構成により、パルス状の同期信号を用いてWiMAXモジュール51およびWiFiモジュール52間の同期を確立するとともに、この同期信号を利用した簡易な構成でWiFiモジュール52への非送信期間の通知を行なうことができる。
【0102】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiFiモジュール52は、WiMAXモジュール51から受信したタイミング情報に基づいて、自己の送信期間および受信期間がWiMAXモジュール51の送信期間および受信期間とそれぞれ一致するように設定する。そして、WiFiモジュール52は、非送信情報の示すWiMAXモジュール51の送信期間を、WiFiエンドポイント103からの通信データを受信可能な期間として用いる。
【0103】
このような構成により、WiFiシステムにおける送信期間および受信期間を最大限に確保し、スループットを向上させることができる。
【0104】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiFiモジュール52は、非送信情報の示すWiMAXモジュール51の送信期間においてWiFiモジュール52への通信データの送信が可能である旨をWiFiエンドポイント103に通知する。
【0105】
このような構成により、WiFiエンドポイント103が、WiMAXフレームにおける上り通信期間においてWiFiモジュール52へ通信データを送信可能であることを認識することができる。
【0106】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiMAXモジュール51は、WiMAX方式に従って通信データの送信および受信を行なう。WiFiモジュール52は、WiFi方式に従って通信データの送信および受信を行なう。
【0107】
このように、無線周波数が近く、無線信号の干渉が生じやすいWiMAX方式およびWiFi方式に適用することにより、本発明の効果をより顕著に得ることができる。
【0108】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiMAXモジュール51は、WiMAXシステムにおける端末局である。WiFiモジュール52は、WiFiシステムにおけるアクセスポイントである。
【0109】
このような構成により、WiMAXおよびWiFi間の通信を中継する機能を有するスレートPCおよびルータ等の装置において、無線信号の干渉を防ぐとともにスループットの向上を図ることができる。
【0110】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiMAXモジュール51は、所定のタイミングにおいて同期信号の出力を開始し、所定のタイミングから連続して所定個のパルスをWiFiモジュール52へ出力する。
【0111】
このような構成により、たとえば無線通信装置101の起動時に、WiMAXモジュール51およびWiFiモジュール52間の同期を確実に確立することができる。
【0112】
なお、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、WiFiシステムにおける送信期間および受信期間を、WiMAXシステムにおける送信期間および受信期間と一致させる構成であるとしたが、これに限定するものではない。WiFiシステムにおける送信期間および受信期間を、WiMAXシステムにおける送信期間および受信期間の各々の一部としてもよい。すなわち、WiFiシステムにおいて、送信期間および受信期間の間に通信データの送信および受信を行なわないギャップ期間が設けられてもよい。また、逆に、WiMAXシステムにおける送信期間および受信期間を、WiFiシステムにおける送信期間および受信期間の各々の一部としてもよい。すなわち、WiMAXシステムにおいて、送信期間および受信期間の間に通信データの送信および受信を行なわないギャップ期間が設けられてもよい。つまり、WiMAXシステムおよびWiFiシステムにおける互いの送信期間と受信期間とが時間的に重ならない構成であればよい。
【0113】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、同期信号を用いてWiMAXモジュール51の送信期間および受信期間のタイミング、ならびにWiMAXモジュール51の非送信期間の通知を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。同期信号を用いる構成に限らず、たとえば各モジュールが共通のクロックおよびフレーム信号等で同期している場合には、一方のモジュールの送信期間および受信期間のタイミング、ならびに一方のモジュールの非送信期間を示す非送信情報を示すタイミング情報を、他方のモジュールに通知すれば十分である。
【0114】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの通信方式として、WiMAXおよびWiFiを例示したが、これに限定するものではない。このような通信方式に限らず、PHS(Personal Handy-phone System)およびTD−LTE(Time Division Duplex Long Term Evolution)等、他の装置との間の通信データの送信および受信が時間的に切り替えて行なわれる通信方式であれば、どんなものでもよい。
【0115】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
11 WiMAXチップ
12 電源回路
13 入出力回路
21 WiFiチップ
22 電源回路
23 入出力回路
31 無線送受信部
32 制御部(タイミング情報通知部および非送信情報通知部)
33 ホストインタフェース部
34 同期信号送信部
41 無線送受信部
42 制御部
43 ホストインタフェース部
44 同期信号受信部
51 WiMAXモジュール(第1の無線通信部)
52 WiFiモジュール(第2の無線通信部)
53 ホスト
101 無線通信装置
102 WiMAX基地局(第1の装置)
103 WiFiエンドポイント(第2の装置)
201 無線通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる第1の無線通信部と、
前記第1の無線通信部とは異なる通信方式に従い、第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定するための第2の無線通信部とを備え、
前記第1の無線通信部は、自己の前記送信期間および前記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を前記第2の無線通信部に通知し、
前記第2の無線通信部は、前記第1の無線通信部から通知された前記タイミング情報に基づいて、前記第1の無線通信部の前記送信期間と自己の前記受信期間とを時間的に重ならせず、かつ前記第1の無線通信部の前記受信期間と自己の前記送信期間とを時間的に重ならせない制御を行い、
前記第1の無線通信部は、前記第1の装置から、自己の各前記送信期間のうち、前記第1の装置へ前記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された前記送信期間を示す非送信情報を前記第2の無線通信部に通知し、
前記第2の無線通信部は、前記第1の無線通信部から通知された前記非送信情報の示す前記第1の無線通信部の前記送信期間と、自己の前記受信期間との時間的な重なりを許容する、無線通信装置。
【請求項2】
前記第1の無線通信部は、自己の前記送信期間および前記受信期間のタイミングを示すパルス状の同期信号を前記タイミング情報として前記第2の無線通信部へ出力し、
前記第1の無線通信部は、前記同期信号の各パルスのうち、前記通信データを送信しない送信期間に対応するパルスの前記第2の無線通信部への出力を中止することにより、前記非送信情報を前記第2の無線通信部に通知し、
前記第2の無線通信部は、前記第1の無線通信部から受信しなかった前記パルスに対応する前記第1の無線通信部の前記送信期間と、自己の前記受信期間との時間的な重なりを許容する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記第2の無線通信部は、前記第1の無線通信部から受信した前記タイミング情報に基づいて、自己の前記送信期間および前記受信期間が前記第1の無線通信部の前記送信期間および前記受信期間とそれぞれ一致するように設定し、
前記第2の無線通信部は、前記非送信情報の示す前記第1の無線通信部の前記送信期間を、前記第2の装置からの通信データを受信可能な期間として用いる、請求項1または請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第2の無線通信部は、前記非送信情報の示す前記第1の無線通信部の前記送信期間において前記第2の無線通信部への通信データの送信が可能である旨を前記第2の装置に通知する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記第1の無線通信部は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)方式に従って通信データの送信および受信を行い、
前記第2の無線通信部は、WiFi(Wireless Fidelity)方式に従って通信データの送信および受信を行なう、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記第1の無線通信部は、WiMAXシステムにおける端末局であり、
前記第2の無線通信部は、WiFiシステムにおけるアクセスポイントである、請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記第1の無線通信部は、所定のタイミングにおいて前記同期信号の出力を開始し、前記所定のタイミングから連続して所定個のパルスを前記第2の無線通信部へ出力する、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項8】
無線通信装置に用いられ、他の第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる通信用半導体装置であって、
前記無線通信装置に用いられ、前記通信用半導体装置とは異なる通信方式に従い、他の第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定するための他の通信用半導体装置へ、自己の前記送信期間および前記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を通知するためのタイミング情報通知部と、
前記第1の装置から、自己の各前記送信期間のうち、前記第1の装置へ前記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された前記送信期間を示す非送信情報を前記他の通信用半導体装置に通知するための非送信情報通知部とを備える、通信用半導体装置。
【請求項9】
無線通信装置に用いられ、他の第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる他の通信用半導体装置とは異なる通信方式に従い、他の第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定し、かつ前記無線通信装置に用いられる通信用半導体装置であって、
前記他の通信用半導体装置の前記送信期間および前記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を前記他の通信用半導体装置から受信するための受信部と、
前記他の通信用半導体装置から受信した前記タイミング情報に基づいて、前記他の通信用半導体装置の前記送信期間と自己の前記受信期間とを時間的に重ならせず、前記他の通信用半導体装置の前記受信期間と自己の前記送信期間とを時間的に重ならせない制御を行なうための制御部とを備え、
前記他の通信用半導体装置は、前記第1の装置から、前記他の通信用半導体装置の各前記送信期間のうち、前記第1の装置へ前記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された前記送信期間を示す非送信情報を前記通信用半導体装置に通知し、
前記制御部は、前記他の通信用半導体装置から通知された前記非送信情報の示す前記他の通信用半導体装置の前記送信期間と、自己の前記受信期間との時間的な重なりを許容する、通信用半導体装置。
【請求項10】
第1の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第1の装置からの通信データを受信可能な受信期間が交互に設けられる第1の無線通信部と、
前記第1の無線通信部とは異なる通信方式に従い、第2の装置へ通信データを送信可能な送信期間および前記第2の装置からの通信データを受信可能な受信期間を設定するための第2の無線通信部とを備える無線通信システムにおける通信方法であって、
前記第1の無線通信部が、自己の前記送信期間および前記受信期間のタイミングを示すタイミング情報を前記第2の無線通信部に通知するステップと、
前記第2の無線通信部が、前記第1の無線通信部から通知された前記タイミング情報に基づいて、前記第1の無線通信部の前記送信期間と自己の前記受信期間とを時間的に重ならせず、かつ前記第1の無線通信部の前記受信期間と自己の前記送信期間とを時間的に重ならせない制御を行なうステップと、
前記第1の無線通信部が、前記第1の装置から、自己の各前記送信期間のうち、前記第1の装置へ前記通信データを送信しない送信期間の通知を受けて、通知された前記送信期間を示す非送信情報を前記第2の無線通信部に通知するステップとを含み、
前記制御を行なうステップにおいては、前記第2の無線通信部は、前記第1の無線通信部から通知された前記非送信情報の示す前記第1の無線通信部の前記送信期間と、自己の前記受信期間との時間的な重なりを許容する、通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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