説明

無線ICタグに対するデータ書き込み装置

【課題】無線ICタグに確実にデータを書き込むとともにデータ書き込み済みの無線ICタグを投入対象物に対して確実に投入する装置を提供すること。
【解決手段】無線ICタグ8に対してデータを無線通信により書き込む無線通信手段2と、混練槽91に収納されてなる液体状、粘性体状または半固体状の無線ICタグ投入対象物9にデータを書きまれた前記無線ICタグ8を投入する無線ICタグ投入部材3とを有し、前記無線通信手段2は前記無線ICタグ8に対してデータを書き込むとともに、データ書き込み済みの前記無線ICタグ8は前記無線ICタグ投入部材3により前記無線ICタグ投入対象物9に投入されることを特徴とする無線ICタグに対するデータ書き込み装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグに対するデータ書き込み装置であって、特に、無線ICタグとの間でデータを書き込み/読み取りして製品管理をするシステムに用いられ、硬化前の生コンクリートや熱可塑性樹脂材等のように、液体状、粘性体状または半固体状の状態の製造工程を有する製品について、無線ICタグにデータを書き込むとともにこれを製品に投入するための無線ICタグに対するデータ書き込み装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンクリート構造物にあっては、耐震強度の調査や工事等の履歴の検証の観点から製品情報を書き込んだまたは書き込むための無線ICタグをコンクリート構造物に取り付け、この無線ICタグを用いた管理システムによりコンクリートの品質や工事履歴等を管理することが知られており、この種のシステムに関する発明がなされている。また、コンクリート構造物に限らず樹脂成形品等の動産であってもトレーサビリティの観点から無線ICタグを用いた管理を行いたいという要請がある。
【0003】
生コンクリートや、熱可塑性樹脂材等のように、製造工程に液体状、粘性体状または半固体状の性状をもつ製品については、あらかじめ、無線ICタグに対して各種データを書き込むとともに、データ書き込み済みの無線ICタグを投入して製品内部に封入してしまえば、硬化した製品内の無線ICタグと無線通信によりデータの書き込みや読み取りを行うことができ、製品ごとの製品管理に役立つ。そして、製品内部に無線ICタグを封入することより、後から無線ICタグを埋設、貼付する必要がないという利点がある。
【0004】
例えば、コンクリートミキサー車内において無線ICタグを生コンクリートに投入し、コンクリート打設時において無線ICタグをコンクリート構造物に生コンクリートの製造情報を書き込み、この無線ICタグを打設時のコンクリート構造物に混入するコンクリートの品質管理方法が案出されている(特許文献1)。また、生コンクリートの製造工程で無線ICタグを投入する無線ICタグを用いたコンクリート品質管理システム及び生コンクリートを案出している(特許文献2)。
【0005】
これらのシステムは、硬化前の生コンクリートに無線ICタグを混練しておき、この無線ICタグに対して生コンクリートの情報や、打設時の情報、また打設後のコンクリート構造物に関する情報を書き込み、必要に応じてデータを読み取ることによりコンクリート構造物の製品管理を行うシステムである。しかし、これら品質管理システムにおいて、無線ICタグに対するデータ書き込み投入装置の構成は明らかにされていない。
【0006】
そこで本発明は、製品に直接投入して製品管理を行うための無線ICタグに確実にデータを書き込むとともにデータ書き込み済みの無線ICタグを投入対象物に対して確実に投入する装置を提供することを目的とする。
【特許文献1】特開2006−145385号公報
【特許文献2】特開2008−63900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明の無線ICタグに対するデータ書き込み装置は、無線ICタグに対してデータを無線通信により書き込む無線通信手段と、混練槽に収納されてなる液体状、粘性体状または半固体状の無線ICタグ投入対象物にデータを書きまれた前記無線ICタグを投入する無線ICタグ投入部材とを有し、前記無線通信手段は前記無線ICタグに対してデータを書き込むとともに、データ書き込み済みの前記無線ICタグは前記無線ICタグ投入部材により前記無線ICタグ投入対象物に投入されることを特徴とする。
【0008】
無線ICタグ投入対象物は、混練槽に収納されてなるセメント、水、骨材を混練してなる生コンクリートであることを特徴とする。
【0009】
無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域、無線ICタグ投入部材の順に案内する通路を配設したことを特徴とする。
【0010】
無線ICタグを収納するホッパー部を配設し、前記ホッパー部に収納されてなる無線ICタグは前記ホッパー部から通路へと放出されることを特徴とする。
【0011】
無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域へ向けて案内する通路中には前記無線ICタグが通過可能な幅径のシリンダーを配設し、前記シリンダーの空気圧を空気調節手段により変化させて前記無線ICタグを所定の数量ずつ前記データ書き込み領域へ搬送することを特徴とする。
【0012】
無線ICタグを無線ICタグ投入部材へ案内する通路中には通路開閉部材を配設し、前記通路開閉部材を閉鎖することにより前記無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域に停止させデータの書き込みを行うとともに、前記通路開閉部材を開放することによりデータ書き込み済みの前記無線ICタグを前記無線ICタグ投入部材へ放出することを特徴とする。
【0013】
無線ICタグ投入部材は、装置下方に配設されてなり、通路から放出されたデータ書き込み済みの無線ICタグを受ける受皿部と、前記受皿部の底部に開口された投入孔とからなり、前記投入孔より無線ICタグ投入孔の下方に位置する無線ICタグ投入対象物に対して、データ書き込み済みの前記無線ICタグを自重による落とし込みにより投入することを特徴とする。
【0014】
無線ICタグ投入孔には、逆圧を防止する空気遮蔽手段を配設したことを特徴とする。
【0015】
無線通信手段は、データベースおよび制御手段と有線または無線により電気的に接続されてなり、無線ICタグがデータ書き込み領域に到達したことが検知手段により検知されると制御手段は前記無線通信手段に信号出力し、前記制御手段からの信号を受信した前記無線通信手段は前記無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し前記データベースに蓄積されてなる製品情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることを特徴とする。
【0016】
無線通信手段は、生コンクリートの性状を測定する測定装置から伝送される生コンクリート情報が蓄積されたデータベースおよび制御手段と有線または無線により電気的に接続されてなり、無線ICタグがデータ書き込み領域に到達したことが検知手段により検知されると制御手段は前記無線通信手段に信号出力し、前記制御手段からの信号を受信した前記無線通信手段は前記データベースに蓄積されてなる前記生コンクリート情報データを無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し生コンクリート情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることを特徴とする。
【0017】
無線ICタグのデータ書き込みの有無を検知するデータ書き込みエラー検出手段を配設し、前記データ書き込みエラー検出手段の下流の通路には、データ書き込みエラーの無線ICタグ選別する選別手段を配設するとともに、前記エラー検出手段が無線ICタグのデータ書き込みエラーを検知すると該データ書き込みエラーの無線ICタグは前記選別手段により排出部に排出されることを特徴とする。
【0018】
通路にはカウンターを配設し、前記通路を通過した無線ICタグの数を計測することを特徴とする。
【0019】
カウンターは、前記無線ICタグを一回転毎に所定数ずつ通路に送り出すロータリーカウンター、または、無線ICタグの通過を検知するフォトインタラプタとしたことを特徴とする。
【0020】
データ書き込み装置底部には、無線ICタグ投入部材の投入孔を水平方向に位置調節するキャスターおよび/または上下方向に位置調節するアジャスターを配設したことを特徴とする。
【0021】
制御手段は、シーケンサ制御装置とし、前記シーケンサ制御装置に入力された制御動作に基づいて、無線通信手段、放出部、シリンダー、通路開閉手段の動作を制御することを特徴とする。
【0022】
ホッパー部と、前記ホッパー部から無線ICタグを放出する放出部と、複数の無線通信手段と、前記無線通信手段の数に対応する複数系統の通路を有し、前記複数の無線通信手段は制御手段の出力信号に基づいてデータ書き込み領域に案内されてなる複数の前記無線ICタグに対して無線通信でデータを書き込むとともに、前記無線ICタグ投入部材はデータ書き込み済みの前記無線ICタグを無線ICタグ投入対象物に投入することを特徴とする。
【0023】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、無線通信手段との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能な無線ICタグであって、前記無線ICタグには、無線通信手段からの無線電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを基板上に実装し、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグとし、無線通信手段は前記無線ICタグの通信周波数帯の無線電波を出力する無線通信装置であることを特徴とする。
【0024】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、無線通信手段との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能な無線ICタグであって、前記無線ICタグには、無線通信手段からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを電気的に接続して基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグとし、無線通信手段は、少なくともUHF帯の無線電波を出力する無線通信装置であることを特徴とする。
【0025】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、転動自在の多面体状、球状、楕円球状または俵型状のいずれかの形状に成形してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
上記構成によれば、本発明の無線ICタグに対するデータ書き込み装置は、無線ICタグに対してデータを無線通信により書き込む無線通信手段と、混練槽に収納されてなる液体状、粘性体状または半固体状の無線ICタグ投入対象物にデータを書きまれた前記無線ICタグを投入する無線ICタグ投入部材とを有し、前記無線通信手段は前記無線ICタグに対してデータを書き込むとともに、データ書き込み済みの前記無線ICタグは前記無線ICタグ投入部材により前記無線ICタグ投入対象物に投入されることにより、無線ICタグに製品情報等のデータを書き込むとともに、この無線ICタグを製品に投入するという一連の工程を一つの装置で迅速かつ確実に行うことができる。そして、製品のデータを書き込んだ無線ICタグを無線ICタグ投入対象物である製品そのものに投入することにより、無線ICタグを投入した投入対象物の製品管理をリーダーライターにより簡単かつ確実に行うことができる。
【0027】
無線ICタグ投入対象物は、混練槽に収納されてなるセメント、水、骨材を混練してなる生コンクリートであることにより、生コンクリートへ迅速かつ確実に無線ICタグを投入することができる。そして、無線ICタグへのデータ読み取り/書き込みを行うことで、生コンクリートや、この生コンクリートを打設したコンクリート構造物の管理を簡単かつ確実に行うことができ、ひいては耐震強度の管理、診断や、工事履歴の管理等を簡単に行うことができ安全なコンクリート構造物を提供することができる。
【0028】
無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域、無線ICタグ投入部材の順に案内する通路を配設したことにより、通路に無線ICタグを通過させるだけでデータの書き込み、無線ICタグの投入を順に行うことができ、データを書き込むとともに、この無線ICタグを無線ICタグ投入物に投入するという一連の工程を迅速かつ確実に行うことができる。
【0029】
無線ICタグを収納するホッパー部を配設し、前記ホッパー部に収納されてなる無線ICタグは前記ホッパー部から通路へと放出されることにより、あらかじめ初期状態の無線ICタグを多数準備しておくことが可能であり、無線ICタグを無線通信手段へと確実に送りだすことができ、無線通信手段における確実なデータの書き込みを行うことができる。
【0030】
無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域へ向けて案内する通路中には前記無線ICタグが通過可能な幅径のシリンダーを配設し、前記シリンダーの空気圧を空気調節手段により変化させて前記無線ICタグを所定の数量ずつ前記データ書き込み領域へ搬送することにより、空気圧を変化させることで複雑な搬送機構を用いなくとも、無線ICタグを所定の数量ずつ確実に無線通信手段のデータ書き込み領域へ移動させることができ、無線通信手段における確実なデータの書き込みを行うことができる。
【0031】
無線ICタグを無線ICタグ投入部材へ案内する通路中には通路開閉部材を配設し、前記通路開閉部材を閉鎖することにより前記無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域に停止させデータの書き込みを行うとともに、前記通路開閉部材を開放することによりデータ書き込み済みの前記無線ICタグを前記無線ICタグ投入部材へ放出することにより、無線ICタグをデータ書き込み領域に一時停止させて確実にデータ書き込みを行うことができる。また、データ書き込み済みの無線ICタグを所定のタイミングで前記無線ICタグ投入部材へ放出することができ、無線ICタグ投入対象物内において無線ICタグを均等に分散させることができる。
【0032】
無線ICタグ投入部材は、装置下方に配設されてなり、通路から放出されたデータ書き込み済みの無線ICタグを受ける受皿部と、前記受皿部の底部に開口された投入孔とからなり、前記投入孔より無線ICタグ投入孔の下方に位置する無線ICタグ投入対象物に対して、データ書き込み済みの前記無線ICタグを自重による落とし込みにより投入することにより、複雑な投入機構を用いなくとも、書き込み済みの無線ICタグを無線ICタグ投入対象物に確実に投入することができる。
【0033】
無線ICタグ投入孔には、逆圧を防止する空気遮蔽手段を配設したことにより、書き込み済みの無線ICタグが逆流、散乱することなく無線ICタグ投入対象物に確実に投入することができる。
【0034】
無線通信手段は、データベースおよび制御手段と有線または無線により電気的に接続されてなり、無線ICタグがデータ書き込み領域に到達したことが検知手段により検知されると制御手段は前記無線通信手段に信号出力し、前記制御手段からの信号を受信した前記無線通信手段は前記無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し前記データベースに蓄積されてなる製品情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることにより、無線ICタグ投入対象物の製品情報データを無線ICタグに確実に書き込むことができる。
【0035】
無線通信手段は、生コンクリートの性状を測定する測定装置から伝送される生コンクリート情報が蓄積されたデータベースおよび制御手段と有線または無線により電気的に接続されてなり、無線ICタグがデータ書き込み領域に到達したことが検知手段により検知されると制御手段は前記無線通信手段に信号出力し、前記制御手段からの信号を受信した前記無線通信手段は前記データベースに蓄積されてなる前記生コンクリート情報データを無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し生コンクリート情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることにより、投入対象の生コンクリートの性状を測定するとともにこの生コンクリートの製品情報データを無線ICタグに書き込むという一連の工程を迅速に行うことができ、生コンクリートの確実な管理をすることができる。
【0036】
無線ICタグのデータ書き込みの有無を検知するデータ書き込みエラー検出手段を配設し、前記データ書き込みエラー検出手段の下流の通路には、データ書き込みエラーの無線ICタグ選別する選別手段を配設するとともに、前記エラー検出手段が無線ICタグのデータ書き込みエラーを検知すると該データ書き込みエラーの無線ICタグは前記選別手段により排出部に排出されることにより、データ書き込みエラーとなった不良品の無線ICタグを投入前に排除し、データが書き込まれた正常な無線ICタグのみを投入することができる。したがって、製品管理を確実に行うことができる。
【0037】
通路にはカウンターを配設し、前記通路を通過した無線ICタグの数を計測することにより、投入する無線ICタグの数を計測することができ、無線ICタグ投入対象物の量や種類により投入する無線ICタグの数を調節することができる。
【0038】
カウンターは、前記無線ICタグを一回転毎に所定数ずつ通路に送り出すロータリーカウンター、または、無線ICタグの通過を検知するフォトインタラプタとしたことにより、カウンターを通過する無線ICタグの数を確実に計測することができる。
【0039】
データ書き込み装置底部には、無線ICタグ投入孔を水平方向に位置調節するキャスターおよび/または上下方向に位置調節するアジャスターを配設したことにより、投入孔を無線ICタグ投入対象物に対してぴったりと照準を合わせることができ、無線ICタグを確実に投入することができる。
【0040】
制御手段は、シーケンサ制御装置とし、前記シーケンサ制御装置に入力された制御動作に基づいて、無線通信手段、放出部、シリンダー、通路開閉手段の動作を制御することにより、コンピュータ等からあらかじめシーケンサ制御装置に無線ICタグに対するデータ書き込み装置の動作入力しておき、シーケンサ制御装置の制御により、無線ICタグの搬送と、データ書き込みとを一連の動作で行うことができ、迅速かつ容易に無線ICタグへのデータ書き込みと無線ICタグ投入対象物への投入をすることができる。
【0041】
ホッパー部と、前記ホッパー部から無線ICタグを放出する放出部と、複数の無線通信手段と、前記無線通信手段の数に対応する複数系統の通路を有し、前記複数の無線通信手段は制御手段の出力信号に基づいてデータ書き込み領域に案内されてなる複数の前記無線ICタグに対して無線通信でデータを書き込むとともに、前記無線ICタグ投入部材はデータ書き込み済みの前記無線ICタグを無線ICタグ投入対象物に投入することを特徴とすることにより、一度に複数の無線ICタグを投入対象物に投入することができ、迅速に無線ICタグのデータ書き込み作業と投入作業をすることができる。
【0042】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、無線通信手段との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能な無線ICタグであって、前記無線ICタグには、無線通信手段からの無線電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを基板上に実装し、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグとし、無線通信手段は前記無線ICタグの通信周波数帯の無線電波を出力する無線通信装置であることにより、無線ICタグには電源部を設ける必要がなく、また、大容量のデータを書き込むことができる。また無線通信手段を無線ICタグに接触させず、無線通信手段の近傍を通過させるだけでデータを書き込むことができる。
【0043】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、無線通信手段との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能な無線ICタグであって、前記無線ICタグには、無線通信手段からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを電気的に接続して基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグとし、無線通信手段は、少なくともUHF帯の無線電波を出力する無線通信装置であることにより、比較的通信範囲の広いUHF帯を用いてデータを書き込むことができ、無線ICタグが比較的速い速度で無線通信手段近傍を通過する場合でも確実にデータを書き込むことができる。
【0044】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、転動自在の多面体状、球状、楕円球状または俵型状のいずれかの形状に成形してなることにより、通路を自重によりスムーズに転動して通過し通路内でひっかかることもない。また、無線ICタグを投入対象物に投入した後は、無線ICタグ投入対象物との親和性もよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1は、本発明の無線ICタグに対するデータ書き込み装置(以下、単にデータ書き込み装置という。)の模式的斜視図、図2は、本発明のデータ書き込み装置の正面図、図3は図2に示す本発明の装置の正面扉を取り去った状態の正面図、図4は本発明の装置の背面図、図5は図4に示す本発明の装置の中継盤扉を取り去った状態の背面図、図6は、外装体横板を取り去った状態の本発明の装置の右側面図、図7は外装体横板を取り去った状態の本発明の装置のホッパー部の蓋部を開放した状態の左側面図、図8は、本発明の装置の底面図、図9は操作パネルの正面図、図10はデータ書き込み装置の制御ブロック図、図11は制御フローチャート、図12乃至図15は、本発明のデータ書き込み装置に用いる無線ICタグの正面図、A−A断面図、B−B断面図、無線ICタグの無線ICチップの断面図である。
【0046】
本発明のデータ書き込み装置は、無線ICタグに対してデータを無線通信により書き込む無線通信手段として少なくともデータ書き込み機能を有するリーダーライターと、無線ICタグを混練槽に収納されてなる液体状、粘性体状または半固体状の無線ICタグ投入対象物に投入する無線ICタグ投入部材とを有し、無線通信手段は無線ICタグに対してデータを書き込むとともに、データ書き込み済みの無線ICタグは無線ICタグ投入部材により無線ICタグ投入対象物に投入される。
【0047】
さらに、本発明のデータ書き込み装置にあっては、無線ICタグを無線通信手段、無線ICタグ投入部材の順に案内する通路と、装置を制御する制御手段としてのシーケンス制御装置とデータが蓄積されたコンピュータが設けられている。無線通信手段は無線通信手段近傍のデータ書き込み領域に案内されてなる無線ICタグに対して無線通信でデータを書き込むととともに、無線ICタグ投入部材はデータ書き込み済みの無線ICタグを投入対象物に投入するようになっている。
【0048】
本発明のデータ書き込み装置の実施の形態を図1乃至図9に示す。この実施の形態において、データ書き込み装置1は、無線ICタグ投入対象物としての生コンクリート9が収納されてなる混練槽91に対して無線ICタグ8を投入するのに用いられることを例に説明する。後述するように投入対象物は、生コンクリートに限られるものではなく、液体状、粘性体状、半固体状の無線ICタグを投入できる物であればよく、例えば硬化前のモルタル、熱可塑性樹脂、石膏等が挙げられる。データ書き込み装置1には、リーダーライター2が4系統設けられてなり、各系統が同じ動作をして無線ICタグ投入無線ICタグ投入部材3から一度に4個の無線ICタグ8が投入できるようになっている。尚、配設する系統は1系統にしてもよいし複数系統であってもよく4系統には限られるものではない。
【0049】
データ書き込み装置1は、移動の容易性、粉塵の侵入の防止等の観点から外装体11内に各部位が収まるように配設されており、混練槽91に収納されてなる生コンクリート9の上方に無線ICタグ投入部材3の投入孔32が位置するように設置されている。外装体11には、各部位をメンテナンスするための扉15と中継盤185が配設されている。尚、各部位が必ずしも外装体11内に収められている必要はない。
【0050】
データ書き込み装置1は、データ書き込み装置1の上方位置に配設されてなるホッパー部4と、無線ICタグ8をホッパー部4から放出する放出部41〜44と、放出部41〜44から放出された無線ICタグ8をシリンダー51〜54の空気圧を変化させて第二の通路61〜64へと案内する第一の通路5と、データ書き込み済みの無線ICタグ8を所定量ずつデータ書き込み装置1下方位置に配設されてなる無線ICタグ投入部材3に向かって放出する第二の通路61〜64と、無線ICタグ投入部材3と、第二の通路61〜64の近傍に配設されるリーダーライター21〜24を有する。ホッパー部4から放出された無線ICタグ8は放出部41〜44、シリンダー51〜54、第二の通路61〜64、無線ICタグ投入部材3の順に案内されて、第二の通路61〜64のデータ書き込み領域においてリーダーライター21〜24によりデータが書き込まれた後、無線ICタグ投入部材3より、混練槽91に収納されてなる生コンクリート9へと投入される。
【0051】
データ書き込み装置1の上方位置に配設されてなるホッパー部4は、無線ICタグ8を複数収納することができる筐状に形成されていて、外装体11の天井部に形成された無線ICタグ8投入用の孔部12から収納部45に初期状態の無線ICタグ8を収納するようになっている。孔部12は蓋部16に覆われ、蓋部16は蝶番161により支持されて開閉自在になっている。また、無線ICタグ8は、収納部45の底部の開口部に接続された放出部41〜44を通じて第一の通路5へと放出されるようになっている。本実施の形態の書き込み装置1においては、ホッパー部4に、無線ICタグ8を2000個以上収納できるようになっている。尚、ホッパー部4を設けずに、外部から無線ICタグ8を供給するようにしてもよい。
【0052】
ホッパー部4から放出部41〜44を通じて放出された無線ICタグ8は、第一の通路5を通って、第二の通路61〜64を通じてリーダーライター21〜24近傍のデータ書き込み領域へ案内される。第一の通路5には、シリンダー51〜54が配設されてなり、エアバルブ186と連結してなるエアレギュレータ181の空気圧調節によりシリンダー51〜54内を負圧状態にして無線ICタグ8をシリンダー51〜54へ引きこむとともに、シリンダー51〜54内を外気圧または加圧状態にして第二の通路61〜64へと搬送するようになっている。このエアレギュレータ181の動作は独自に制御するようにしてもよいし、シーケンス制御装置7と接続しシーケンス制御装置7の制御により動作するようにしてもよい。尚、無線ICタグ8の案内手段はシリンダー51〜54とエアレギュレータ181による空気圧の変化を用いて搬送する手段に限られるものではなく、コンベアーを用いてもよいし、無線ICタグ8の自重で通路を転動、滑動させるものであってもよい。
【0053】
リーダーライター21〜24は、それぞれ第二の通路61〜64の近傍、本実施の形態においては第二の通路61〜64から10mm以内程度の無線通信によるデータ書き込みが確実な位置に配設されてなり、リーダーライター21〜24は少なくとも無線ICタグ8へのデータ書き込み機能を有している。無線ICタグ8がリーダーライター21〜24近傍のデータ書き込み領域へ到達したことを、第二の通路61〜64に配設されてなるセンサー65〜68が検知すると、センサー65〜68からの信号を受信したシーケンス制御装置7は、リーダーライターを統括制御するリーダーライター制御部2を通じてリーダーライター21〜24に信号出力し、リーダーライター21〜24は、コンピュータ71に蓄積されているデータを無線通信により無線ICタグ8に対してデータを書き込む。
【0054】
尚、本実施の形態のリーダーライター21〜24は、データ書き込み機能の他、データ読み取り機能が付加されていて、データの読み取りや、データ書き込みエラーの検知を行うようになっている。またリーダーライター21〜24から出力される無線電波は、投入される無線ICタグ8の通信周波数帯で出力される。尚、無線ICタグ8の通信周波数帯に応じて無線電波の周波数帯を切り替えられるようにしてもよい。尚、少なくともデータを書き込めれば足りるのでデータ読み取り機能は付加しなくてもよい。
【0055】
さらに、センサー65〜68は、無線ICタグ8の通過を赤外線LEDと赤外線LEDからの光を検知する受光素子からなる対のフォトインタラプタとし本実施の形態においては通過する無線ICタグ8の数を計測するカウンターとしての機能を有するようになっている。尚、当該センサーはフォトインタラプタに限られず、静電容量変化により通過を検知するセンサーであってもよい。さらには、センサー65〜68とは、別に一回転毎に所定数ずつ通路に送り出すロータリーカウンターを配設してもよい。
【0056】
本発明の実施の形態においては、投入する生コンクリート9のセメント混合比や温度等の性状を測定する測定装置は生コンクリート情報データベースが格納されたコンピュータ71に接続されてなりコンピュータ71のデータベースに生コンクリート情報が蓄積される。また必要に応じて蓄積されてなる出荷日、出荷先等の関連情報もコンピュータ71のデータベースに蓄積されている。リーダーライター21〜24は、このデータベースにアクセスして無線ICタグ8にデータを書き込むようになっている。
【0057】
第二の通路61〜64のデータ書き込み領域には開閉手段としての不図示のシャッターを配置して、閉鎖されたシャッター上に無線ICタグ8を一時停止させてデータ書き込みをし、データ書き込み後にシャッターを開放しデータ書き込み済みの無線ICタグ8を無線ICタグ投入部材3へ放出するようになっている。尚、無線ICタグ8は必ずしもデータ書き込み領域で一時停止させる必要はなく移動中の無線ICタグ8にデータを書き込むようにしてもよいし、無線ICタグ8をデータ書き込み領域で停止させる手段はシャッターに限られるものではなく、エア噴出による保持や、その他アーム等の保持構造により保持する手段であってもよい。
【0058】
さらに、リーダーライター21〜24の読み取り機能により、無線ICタグ8にデータ書き込みエラーがあったことが検知されると第二の通路61〜64からデータ書き込みエラーの無線ICタグ8を排出部34へと排出すべく排出部34への排出口が開放される。尚、排出部34に排出された書き込みエラーの無線ICタグ8は、取り出し口35より取り出せるようになっている。尚、無線ICタグ8にデータ書き込みエラーがあったことを検知する手段は、リーダーライター21〜24と別途設けてもよい。
【0059】
無線ICタグ投入部材3は、第二の通路61〜64から放出された無線ICタグ8を受け、これを投入孔32より生コンクリート9が収納された混練槽9へ投入するような構造になっている。具体的には、第二の通路61〜64の放出口に配設される無線ICタグを受ける受皿部31と、受皿部31の底部に開口された投入孔32とからなり、投入孔32より混練槽9へ無線ICタグ8を無線ICタグ8の自重により落とし込む。受け皿部31は、投入孔32に向かうにつれて先窄まりになる形状であることがのぞましい。
【0060】
尚、投入孔32には外部からの逆圧を防止する空気遮蔽手段を設けることがのぞましく、エアカーテンやシャッター等の開閉装置を配設してもよい。また、無線ICタグ8の投入を補佐すべく無線ICタグ8を空気噴射により混練槽91へ落とし込んでもよい。さらに図1のごとく投入孔32が必ずしもデータ書き込み装置1の底部にある必要はなく、データ書き込み装置1側面から無線ICタグ8を投入する構造にしてもよい。
【0061】
データ書き込み装置1の底部には、無線ICタグ投入部材31の投入孔32を適正な場所に位置させるべくデータ書き込み装置1を水平方向に位置調節するキャスター171、172、175、176と、データ書き込み装置1を上下方向に位置調節するアジャスター173、174、177、178を配設し、データ書き込み装置1を水平方向に移動可能とするとともに、投入孔32を上下方向に自由に移動させ位置決めすることができるようになっている。
【0062】
データ書き込み装置1には、図9に示すように、データ書き込み装置1の制御操作をする操作パネル13が配設されている。この操作パネル13は、シーケンス制御装置7と連動し、データ書き込み装置1をスタートさせるスタートスイッチ130、データ書き込み装置1をストップさせるストップスイッチ131、非常停止状態を解除するリセットスイッチ132、第二の通路61〜64に配設されたシャッターを動作させるシャッタースイッチ133、ホッパー部4から無線ICタグ8を放出させるホッパースイッチ134、モータを動作させるモータースイッチ135、データ書き込みエラーの無線ICタグの選別を動作させる排出シャッタースイッチ136、シリンダー51〜54を動作させるシリンダースイッチ137、各動作部を原点位置へ戻す原点復帰スイッチ138、自動手動運転切り替えスイッチ、さらにはコンピュータ71とシーケンス制御装置7とのコンピュータ接続部7が設けられている。尚、スタートスイッチ130を押すことにより、他の動作スイッチを作動させずとも、無線ICタグ8はホッパー部4からの放出部41〜44の放出動作、第一の通路5におけるシリンダー51〜54の動作、第二の通路61〜64におけるシャッターの動作、リーダーライター21〜24のデータ書き込み動作が行われ無線ICタグ投入部材3へと案内するようになっている。
【0063】
また、データ書き込み装置1には、データ書き込み装置1の全ての部位を緊急停止させる緊急停止スイッチ145を配設してもよい。さらに、データ書き込み装置1には、シーケンス制御装置7と連動するシグナルタワー14を配設してもよい。シグナルタワー14は、ポール144とポール144に取り付けられてなる緑ランプ141、黄ランプ142、赤ランプ143からなり、たとえば自動運転中には緑ランプ141が、無線ICタグ8供給要求時には黄色ランプ142が、装置異常発生時には143が点灯するようになって外部にデータ書き込み装置1の運転状態を知らせるようになっている。
【0064】
データ書き込み装置1は外部電源より電源供給部182を通じて電気が供給されて動作するようになっている。その他、データ書き込み装置1の各部位を動作させるべく、コネクタ183、184、不図示のAC/DCコンバータ、安全ブレーカー等が搭載されている。
【0065】
本実施の形態で、混練槽91に収納されてなる生コンクリート9は、骨材、セメント、水等を混練してなる液状の物で、混練槽91は、データ書き込み装置1が設置される場所より一階層下に設置され、上方に位置するデータ書き込み装置1からの無線ICタグ投入部材3から投入された無線ICタグ8を、混練槽91の投入口92を通じて受け入れるようになっている。この無線ICタグ8が共に混練されてなる生コンクリート9は、コンクリートミキサー車等により打設現場に出荷される。打設現場においては無線ICタグ8が入った生コンクリートが打設され、これが硬化してコンクリート構造物が出来上がるのである。そして、このコンクリート構造物に対して、リーダーライターをかざして無線通信することにより、無線ICタグ8に記録されている生コンクリートに関する情報を読み取ることができるとともに、必要に応じて新たな情報を書き込むことができるのである。
【0066】
図10のブロック図に示すように、シーケンス制御装置7は、コンピュータ71によりあらかじめ制御動作プログラムが入力されている。シーケンス制御装置7は、少なくともリーダーライター21〜24を統括制御するリーダーライター制御部2に電気的に接続されてなり、リーダーライター21〜24からの無線通信によるデータ書き込みを制御するようになっている。さらに本実施の形態において、シーケンス制御装置7は、ホッパー部4の放出部の開閉部の動作、第一の通路5に配設されてなるシリンダー51〜54を動作させるエアレギュレータ181の動作、第二の経路61〜64におけるシャッターの開閉動作、データ書き込みエラーの無線ICタグの排出動作、さらには、投入口における逆圧遮蔽手段の動作を制御するように構成されている。尚、書き込み装置1におけるシーケンス制御装置7の配設位置は外装体11内部であっても外部であってもよい。
【0067】
図11に示すフローチャートに基づいて、シーケンス制御装置7の制御フローについて説明する。スタートスイッチ130が押されデータ書き込み装置1が自動運転を開始すると、シーケンス制御装置7は無線ICタグ整列制御を開始し、シーケンス制御装置7は、シリンダー51〜54を動作させ、第二の通路61〜64の無線ICタグ8をデータ書き込み領域に整列させる。この整列をセンサー65〜68が検知すると、センサー65〜68からの信号を受信したシーケンス制御装置7はリーダーライター制御部2に信号出力する。シーケンス制御装置7からの信号出力に応じてリーダーライター21〜24は、コンピュータ71のデータベースに蓄積されているデータを無線ICタグ8に対して無線通信により書き込む。リーダーライター21〜24の読み取り機能によりデータが正常に書き込まれたことが検知されるとシーケンス制御装置7は、投入許可の信号出力しシャッターを開放し無線ICタグ8を無線ICタグ投入部材3へ送りだし投入動作するようになっている。一方、無線ICタグ8にデータ書き込み異常があったことが検知されると排出許可の信号を出力し第二の通路61〜64は無線ICタグ8を排出部34へと排出すべく排出動作をし、排出部34へ通路が開放されるようになっている。
【0068】
また、装置異常を検知すれば、シグナルタワー14の赤ランプ143を点灯しメンテナンス必要を知らせる。また、ホッパー部4の無線ICタグ8が少なくなりホッパー部4から放出されないことを検知した場合にはシグナルタワー14の黄ランプ142を点灯し税量投入要求を知らせる。さらに非常停止中にもシグナルタワー14の赤ランプ143を点灯しメンテナンス必要を知らせる。尚、各部位が正常に動作している間は緑ランプ141を点灯するようになっている。
【0069】
次に、図12乃至図15に基づきデータ書き込み装置1に用いられる無線ICタグ8の構造につき説明する。
【0070】
無線ICタグ8を構成する無線ICタグチップ83は、RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる記憶装置であって、図15に示すようにICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用した強誘電体メモリと呼ばれるFeRAMチップ84が金属板、セラミック板等からなる基板86上に実装され、カバー87で覆われている。
【0071】
無線ICタグ8のFeRAMチップ84を構成するFeRAMのタイプは、どのようなものであってもよく、キャパシター型、トランジスタ型いずれのタイプであってもよい。尚、製品等の管理システムに用いやすいのは、電源を搭載せず外部からのデータアクセス用の電波を整流して電源とするパッシヴ型のFeRAMである。このFeRAMチップ84には、強誘電体を利用した不揮発性メモリであるFeRAMと、駆動用に電池を内蔵する代わりに外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と、無線交信するためのフィルム状のアンテナ部が搭載されている。
【0072】
このFeRAMチップ84を構成するFeRAMは、従来の無線ICタグに用いられていたEEPROMと比較すると、その書き換え回数が、EEPROMが10の5乗回程度であるのに対し、FeRAMは10の13乗回以上と優れた性能を備えている。また、書き込み電圧は従来のEEPROMが12Vであるのに対して、FeRAMはDC1.1V〜3Vと極めて低い電圧で書き込みを行うことができ、無線ICタグ内部に電池を内蔵することなく、外部からの電波に共振して発電する電源部を備えたパッシブタイプでも十分足りるとともに、従来のICタグに用いられていたEEPROMと比較して5000倍もの書き込み速度を有している。データの保存期間が10年以上と長い。さらに、書き換えのアクセスにあっても、従来のEEPROMやフラッシュメモリーではほとんどがブロック単位の書き込みであったのに対し、FeRAMはワード単位でランダムに書き込みを行えるという利点がある。
【0073】
制御手段は、一旦書き込まれた情報が改ざんされることがないように、追記はできるものの、上書きをできない設定とすることも可能で、データの書き込み・読み取りは暗号化したプロトコルを用いて行うことがよい。よって、約8KBのメモリ容量中に、各種データを、図4に示すその都度、書き込み・読み取り装置としてのリーダーライター21〜24との間の無線通信により、書き込み・読み取りができる。
【0074】
FeRAMチップ84が無線交信可能な周波数帯域は、自由に設定することができLF帯からUHF帯まで用いることができるが、アンテナ部は、地表波による安定した通信が可能で、指向性が弱く、水や埃、金属の影響を比較的受けにくく、信頼性の高いデータ通信のできるLF帯(長波帯)の通信に設定することが適している。尚、VHF帯、HF帯、MF帯の周波数帯通信用に設定してもよい。
【0075】
尚、無線ICタグ8のFeRAMチップ84には、各種リーダーライターで読み取り可能な管理フラグを、あらかじめ、または、データ書き込み時に記憶させ、リーダーライター2で情報の書き込み・読み取りを行う際にこの管理フラグを読み取ることにより、所定の管理システムを構成する無線ICタグ8であることが識別可能になっている。尚、必要に応じて、無線ICタグ8には、アンチコリジョン機能を搭載し、複数の無線ICタグ8が近傍に位置していても混信して通信できないという事態がないようにできる。
【0076】
尚、本発明では必ずしも必要ではないが、図15に示すように、移動体の管理や、広いエリアでの管理を行う場合のために、リーダーライター2を用いたデータの読み取り、書き込みの通信距離が数メートルと広い通信エリアを有するUHF帯(極超短波帯)の通信に設定されたUHF帯通信アンテナチップ85を搭載してもよい。このUHF帯通信アンテナチップ85は、UHF帯通信アンテナのみの機能を備えているものであれば足りるが、既存のメモリ容量の少ないUHFメモリチップを搭載し、このUHFメモリチップをUHF帯通信アンテナとして用いることで、ハイブリット型の無線ICタグ8としてもよい。
【0077】
無線ICタグ8は、通路の通過をスムーズにするべく、転動自在な多面体状、球状、楕円球状または俵型状の形状に成形されている。
【0078】
そして、生コンクリート9に投入する無線ICタグ8の場合には以下の条件を備えていることがのぞましい。無線ICタグ8の大きさは、骨材と同程度の大きさとすることが望ましく、本実施の形態においては、長手方向17mm、短手方向12mmの略楕円球体(俵型)に成形し、生コンクリートとの親和性を高め、生コンクリート中で沈下しないようにしている。
【0079】
尚、生コンクリート9に投入する無線ICタグ8の比重は、骨材の比重に近い1.3〜1.9の範囲であることが望ましく、本実施の形態においては、比重1.5に形成されている。無線ICタグ8のコンクリート中での分散試験によれば1.3以下の比重で形成すると無線ICタグ8は生コンクリート中で浮いてしまい生コンクリート表面に露出するおそれがある、1.9以上の比重で形成すると無線ICタグ8は生コンクリート中に分散することなく沈んだり偏在したりしてしまう。比重1.5付近で形成した無線ICタグ8が最も均等に生コンクリートの表面付近で分散することが確認されている。すなわち、骨材、セメント、水等を混練する生コンクリート製造工程において、1立方メートルの生コンクリート中に比重1.5の無線ICタグ8を複数個投入したところ、生コンクリートの表面からは平均9.3センチメートルの位置に無線ICタグが位置し、標準偏差3.826、中央値8.00、最小値4.17、最大値11.83が得られた。したがって、無線通信による書き込み・読み取り距離が10センチメートル程度の無線ICタグ8にあっても、確実にデータの書き込み・読み取りが可能になっている。
【0080】
このような無線ICタグ8は、無線ICタグチップ被覆体81で被覆することにより成形されている。被覆体81の表面には、凹部82が加工されている。この凹部82は被覆体81表面に設けられた複数の細かな凹部がディンプル加工形成されていて、この凹部に生コンクリートが潜り込み、無線ICタグ8と生コンクリートとの密着性、親和性が得られる。また、凹部82を形成することにより無線ICタグ8の強度を高めることもできる。本実施の形態においては、射出成型時にディンプル加工を施すべく、無線ICタグの両面に各25個所、計50個所のディンプル加工を施しているが、全面に施してもよいし、一部に施してもよい。また、本実施の形態の凹部の深さは、0.2〜0.5mm程度であるがこれに限られるものではない。凹部82はディンプル加工に限られるものではなく、被覆体81の表面に凹穴を形成したり、被覆体81を湾曲させたり、被覆体81を凹レンズ状に形成して凹部を設けてもよい。尚、当然のことながら凹部82を設ける必要は必ずしもなく、表面が滑らかな面であってもよい。
【0081】
被覆体81は、熱可塑性樹脂材により形成され、被覆体81の中央に無線ICタグ8が位置するように被覆している。具体的に被覆体81は、PH12.0〜13.0のセメントの強アルカリ性に抗することができ、骨材、水、セメントの混練時にかかる温度約100℃に耐えうる、抗アルカリ性の樹脂材を用いる。本発明の実施の形態においては、ポリアミド系樹脂を用い、特に、ポリアミドMXD6系複合樹脂を被覆体81の材料として用いた場合には、広い温度範囲にわたり優れた機械的強度、弾性率を示し、また、吸水率が低く、骨材、水、セメント等と混練したときに吸水による寸法変化や機械的強度の低下が低いことが確認された。
【0082】
尚、ポリアミドMXD6を非透磁性のガラス繊維、無機質フィラー等で強化したレニー材(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)を被覆体81として用い、この被覆体81で無線ICタグ本体を被覆し射出成形した。この場合、無線ICタグ8は、強度は長手方向からの荷重では平均197kgf、短手方向からの荷重では少なくとも平均148kgfに耐えうることが確認されている。さらに、アルカリ骨材反応の促進法によるタグの膨張試験によれば、骨材、水、セメント等を混練する生コンクリートの製造工程で無線ICタグ8を投入したところ、平均膨張率は0.49パーセントであり、硬化後の生コンクリートへの影響がない程の膨張率であった。また、非透磁性のガラスファイバーを含有しているが、フェライト等の磁性を有する物質は含有しないため、無線通信に影響も及ぼさない。尚、被覆体81に用いる熱可塑性樹脂材は、ポリアミド系樹脂の他、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂であってもよい。
【0083】
尚、本実施の形態の書き込み装置1は、混練槽91に収納する投入対象物が生コンクリート9以外の物であっても用いることができる。例えば、溶融状態の熱可塑性樹脂であってもよいし、硬化前の石膏であってもよいし、その他液体状、粘性体状、半固体状のものであればどのような投入対象物についても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】発明の無線ICタグに対するデータ書き込み装置の模式的斜視図。
【図2】本発明の実施の形態のデータ書き込み装置の正面図。
【図3】本発明の実施の形態のデータ書き込み装置の扉を取り去った状態の正面図。
【図4】本発明の実施の形態のデータ書き込み装置の背面図。
【図5】本発明の実施の形態のデータ書き込み装置の中継盤扉を取り去った状態の背面図。
【図6】本発明の実施の形態のデータ書き込み装置の外装体横板を取り去った状態の右側面図。
【図7】本発明の実施の形態のデータ書き込み装置の外装体横板を取り去った状態の左側面図。
【図8】実施の形態のデータ書き込み装置の底面図。
【図9】操作パネルの正面図。
【図10】データ書き込み装置の制御ブロック図。
【図11】制御フローチャート。
【図12】本発明のデータ書き込み装置に用いる無線ICタグの正面図。
【図13】本発明のデータ書き込み装置に用いる無線ICタグのA−A断面図。
【図14】本発明のデータ書き込み装置に用いる無線ICタグのB−B断面図。
【図15】本発明のデータ書き込み装置に用いる無線ICタグの無線ICチップの断面図。
【符号の説明】
【0085】
1 データ書き込み装置
11 外装体
12 孔部
13 操作パネル
130 スタートスイッチ
131 ストップスイッチ
132 リセットスイッチ
133 シャッタースイッチ
134 ホッパースイッチ
135 モータースイッチ
136 排出シャッタースイッチ
137 シリンダースイッチ
138 原点復帰スイッチ
139 自動手動切り替えスイッチ
14 シグナルタワー
141 緑ランプ
142 黄ランプ
143 赤ランプ
144 ポール
145 緊急停止スイッチ
15 扉
16 蓋部
161 蝶番
171 キャスター
172 キャスター
173 アジャスター
174 アジャスター
175 キャスター
176 キャスター
177 アジャスター
178 アジャスター
181 エアレギュレータ
182 電源供給部
183 コネクタ
184 コネクタ
185 中継盤
186 エアバルブ
2 リーダーライター
21 リーダーライター
22 リーダーライター
23 リーダーライター
24 リーダーライター
3 無線ICタグ投入部材
31 受け皿部
32 投入孔
34 排出部
35 取り出し口
4 ホッパー部
41 放出部
42 放出部
43 放出部
44 放出部
5 第一の通路
51 シリンダー
52 シリンダー
53 シリンダー
54 シリンダー
61 第二の通路
62 第二の通路
63 第二の通路
64 第二の通路
65 センサー
66 センサー
67 センサー
68 センサー
7 シーケンサ制御装置
71 コンピュータ
72 コンピュータ接続部
8 無線ICタグ
81 被覆体
82 凹部
83 無線ICタグチップ
84 FeRAMチップ
85 UHFアンテナチップ
86 基板
87 カバー
9 生コンクリート
91 混練槽
92 投入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ICタグに対してデータを無線通信により書き込む無線通信手段と、混練槽に収納されてなる液体状、粘性体状または半固体状の無線ICタグ投入対象物にデータを書きまれた前記無線ICタグを投入する無線ICタグ投入部材とを有し、前記無線通信手段は前記無線ICタグに対してデータを書き込むとともに、データ書き込み済みの前記無線ICタグは前記無線ICタグ投入部材により前記無線ICタグ投入対象物に投入されることを特徴とする無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項2】
無線ICタグ投入対象物は、混練槽に収納されてなるセメント、水、骨材を混練してなる生コンクリートであることを特徴とする請求項1記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項3】
無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域、無線ICタグ投入部材の順に案内する通路を配設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項4】
無線ICタグを収納するホッパー部を配設し、前記ホッパー部に収納されてなる無線ICタグは前記ホッパー部から通路へと放出されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線ICタグに関するデータ書き込み装置。
【請求項5】
無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域へ向けて案内する通路中には前記無線ICタグが通過可能な幅径のシリンダーを配設し、前記シリンダーの空気圧を空気調節手段により変化させて前記無線ICタグを所定の数量ずつ前記データ書き込み領域へ搬送することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項6】
無線ICタグを無線ICタグ投入部材へ案内する通路中には通路開閉部材を配設し、前記通路開閉部材を閉鎖することにより前記無線ICタグを無線通信手段のデータ書き込み領域に停止させデータの書き込みを行うとともに、前記通路開閉部材を開放することによりデータ書き込み済みの前記無線ICタグを前記無線ICタグ投入部材へ放出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項7】
無線ICタグ投入部材は、装置下方に配設されてなり、通路から放出されたデータ書き込み済みの無線ICタグを受ける受皿部と、前記受皿部の底部に開口された投入孔とからなり、前記投入孔より無線ICタグ投入孔の下方に位置する無線ICタグ投入対象物に対して、データ書き込み済みの前記無線ICタグを自重による落とし込みにより投入することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項8】
無線ICタグ投入孔には、逆圧を防止する空気遮蔽手段を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項9】
無線通信手段は、データベースおよび制御手段と有線または無線により電気的に接続されてなり、無線ICタグがデータ書き込み領域に到達したことが検知手段により検知されると制御手段は前記無線通信手段に信号出力し、前記制御手段からの信号を受信した前記無線通信手段は前記無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し前記データベースに蓄積されてなる製品情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項10】
無線通信手段は、生コンクリートの性状を測定する測定装置から伝送される生コンクリート情報が蓄積されたデータベースおよび制御手段と有線または無線により電気的に接続されてなり、無線ICタグがデータ書き込み領域に到達したことが検知手段により検知されると制御手段は前記無線通信手段に信号出力し、前記制御手段からの信号を受信した前記無線通信手段は前記データベースに蓄積されてなる前記生コンクリート情報データを無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し生コンクリート情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項11】
無線ICタグのデータ書き込みの有無を検知するデータ書き込みエラー検出手段を配設し、前記データ書き込みエラー検出手段の下流の通路には、データ書き込みエラーの無線ICタグ選別する選別手段を配設するとともに、前記エラー検出手段が無線ICタグのデータ書き込みエラーを検知すると該データ書き込みエラーの無線ICタグは前記選別手段により排出部に排出されることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項12】
通路にはカウンターを配設し、前記通路を通過した無線ICタグの数を計測することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項13】
カウンターは、前記無線ICタグを一回転毎に所定数ずつ通路に送り出すロータリーカウンター、または、無線ICタグの通過を検知するフォトインタラプタとしたことを特徴とする請求項12に記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項14】
データ書き込み装置底部には、無線ICタグ投入部材の投入孔を水平方向に位置調節するキャスターおよび/または上下方向に位置調節するアジャスターを配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の無線ICタグ書き込み装置。
【請求項15】
制御手段は、シーケンサ制御装置とし、前記シーケンサ制御装置に入力された制御動作に基づいて、無線通信手段、放出部、シリンダー、通路開閉手段の動作を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の無線ICタグ書き込み装置。
【請求項16】
ホッパー部と、前記ホッパー部から無線ICタグを放出する放出部と、複数の無線通信手段と、前記無線通信手段の数に対応する複数系統の通路を有し、前記複数の無線通信手段は制御手段の出力信号に基づいてデータ書き込み領域に案内されてなる複数の前記無線ICタグに対して無線通信でデータを書き込むとともに、前記無線ICタグ投入部材はデータ書き込み済みの前記無線ICタグを無線ICタグ投入対象物に投入することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項17】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、無線通信手段との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能な無線ICタグであって、前記無線ICタグには、無線通信手段からの無線電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを基板上に実装し、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグとし、無線通信手段は前記無線ICタグの通信周波数帯の無線電波を出力する無線通信装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項18】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、無線通信手段との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能な無線ICタグであって、前記無線ICタグには、無線通信手段からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを電気的に接続して基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグとし、無線通信手段は、少なくともUHF帯の無線電波を出力する無線通信装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。
【請求項19】
無線ICタグ投入部材により投入される無線ICタグは、転動自在の多面体状、球状、楕円球状または俵型状のいずれかの形状に成形してなることを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の無線ICタグに対するデータ書き込み装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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