説明

無負荷側ロードチェーンの掛着具付きレバーホイスト

【課題】従来、レバーホイストを用いて積荷を荷台に固定する場合、荷台に設けた止め環とベルトスリング間に介装される負荷側ロードチェーンはレバーホイストにより緊張されているが、無負荷側ロードチェーンはレバーホイストから下方に垂下し弛んだままの状態であるため、例えば、トラック等で輸送中に、揺れ等により無負荷側ロードチェーンが揺動し、無負荷側ロードチェーンの端部が積荷の側面に当り、積荷に擦れ傷や当たり傷が生ずるという課題を有していた。
【解決手段】
本発明は上記した課題を解決するもので、操作レバーによりロードシーブを介して巻き上げられる負荷側ロードチェーンとロードシーブから送出される無負荷側ロードチェーンと、一端にフックが取着され、他端が前記無負荷側ロードチェーンの端部に係着される伸縮可能な掛着具を備え、前記掛着具のフックを荷台等の固定物または負荷側ロードチェーン等に掛着し、無負荷側ロードチェーンを固定することを特徴とする無負荷側ロードチェーンの掛着具付きレバーホイスト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の荷台に積荷を固定する際の緊締手段として用いられるレバーホイストに関するもので、詳わしくは、レバーホイストの無負荷側ロードチェーンを固定物に掛着する掛着具付きレバーホイストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラック等の荷台に積荷を固定する荷締め手段の一つとして、図3に記載するレバーホイストが用いられてきた。以下、図3を参照して従来のレバーホイストを用いた積荷を荷台に固定する動作について説明する。図3において、1は積荷、2は積荷1が搭載されるトラックの荷台、3は荷台2に固設された止め環、4は積荷1に張架され積荷1を荷台2に固定するベルトスリング、5はベルトスリング4と止め環3間に介装され、ベルトスリング4を引き締めるレバーホイスト、6はレバーホイスト5の上端部に設けられ、ベルトスリング4の端部に係着する上フック、7はレバーホイスト5の負荷側ロードチェーン8の端部に設けられ、荷台2に固設された止め環3に係着する下フック、9はレバーホイスト5のロードシーブから無負荷側に送出される無負荷側ロードチェーン、9aは端末リンクである。
【0003】
積荷1を荷台2に固定する際、ベルトスリング4の一端を荷台2の一側に設けた止め環3に係着し、ベルトスリング4を積荷1に張架し、他端をレバーホイスト5の上フック6に係着し、負荷側ロードチェーン8の端部に設けた下フック7を荷台2の他側に設けた止め環3に係着し、レバーホイスト5の操作レバー10を操作し、ロードシーブ(図示せず)を回動することで負荷側ロードチェーン8を巻き上げて、ベルトスリング4を引き締め、ベルトスリング4で積荷1を荷台2に固定する。
【0004】
上記した動作において、レバーホイスト5により負荷側ロードチェーン8が巻き上げられると、巻き上げられたロードチェーン8はロードシーブ(図示せず)から無負荷側ロードチェーン9として送出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したレバーホイスト5を用いて積荷1を荷台2に固定する場合、止め環7とベルトスリング4間に介装される負荷側ロードチェーン8はレバーホイスト5により緊張されているが、無負荷側ロードチェーン9はレバーホイスト5から下方に垂下し弛んだままの状態であるため、例えば、トラック等で輸送中に、揺れ等により無負荷側ロードチェーン9が揺動し、無負荷側ロードチェーン9の端部が積荷1の側面に当り、積荷1に擦れ傷や当たり傷が生ずるという課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記した課題を解決するもので、操作レバーによりロードシーブを介して巻き上げられる負荷側ロードチェーンとロードシーブから送出される無負荷側ロードチェーンと、一端にフックが取着され、他端が前記無負荷側ロードチェーンの端部に係着される伸縮可能な掛着具を備え、前記掛着具のフックを荷台等の固定物または負荷側ロードチェーン等に掛着し、無負荷側ロードチェーンを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、レバーホイストの無負荷側ロードチェーンの端部に、フックを取着した伸縮可能な掛着具を係着したので、積荷を荷台等に固定する場合、無負荷側ロードチェーンは掛着具を介して荷台等の固定物または負荷側ロードチェーンのリンクに適当な張力を付与されて掛着され固定されるので、積荷の搬送中に荷台に衝撃や振動が生じても、掛着具の弾性により振動等が吸収され、さらに、無負荷側ロードチェーンの端部は前記掛着具で固定物等に掛着されているので、無負荷側ロードチェーンの振れにより、ロードチェーンの端部が積荷に当たり積荷に擦れ傷や当たり傷による損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の無負荷側ロードチェーンの掛着具付きレバーホイストを用いた積荷の固定状態を示す説明図。
【図2】(a)本発明の掛着具の正面図、(b)掛着具の他の形態の側面図。
【図3】従来のレバーホイストを用いた積荷の固定状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、積荷1から操作レバー10までの構成は、[背景技術]において記載した構成と同一であり説明は省略する。
【0010】
図1、2において、11はゴム紐、コイルバネ等の伸縮部材で構成される掛着具本体で、掛着具本体11の上端部11aは無負荷側ロードチェーン9の端末リンク9aに通された後、端部を緊締ワイヤ12a等で掛着具本体11に緊締し、掛着具11は無負荷側ロードチェーン9の端末リンク9aに連結されている。掛着具本体11の下端部にはフック13が緊締ワイヤ12bで堅固に連結されている。また、図2(b)に示すように、ワイヤ
の一端を掛着具本体11に緊締し、他端のワイヤ端部にフック13を形成することも可能である。
【0011】
本発明の無負荷側ロードチェーンの掛着具付きレバーホイストは、積荷1を荷台2に固定する際、無負荷側ロードチェーン9の端部を掛着具11で荷台2に固設されている止め環3や負荷側ロードチェーン8のリンクに掛着することで、掛着具11の伸縮により無負荷側ロードチェーン9は適度の張力が付与されて固定され、積荷1の搬送時における無負荷側ロードチェーン9の端部の振れの発生が防止される。
【0012】
以上の通り、本発明の無負荷側ロードチェーンの掛着具付きレバーホイストは、操作レバー10によりロードシーブ(図示せず)を介して巻き上げられる負荷側ロードチェーン8とロードシーブから送出される無負荷側ロードチェーン9と、端部にフック13を取着し、前記無負荷側ロードチェーン9の端末リンク9aに係着される伸縮可能な掛着具11を備え、前記無負荷側ロードチェーン9を掛着具11を介して荷台2等の固定物または負荷側ロードチェーン8に掛着する構成としたので、積荷1の搬送中の揺れ等に起因する無負荷側ロードチェーン9の揺動や振れの発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0013】
5 レバーホイスト
6 上フック
7 下フック
8 負荷側ロードチェーン
9 無負荷側ロードチェーン
10 操作レバー
11 掛着具
13 フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作レバーによりロードシーブを介して巻き上げられる負荷側ロードチェーンとロードシーブから送出される無負荷側ロードチェーンと、一端にフックが取着され、他端が前記無負荷側ロードチェーンの端部に係着される伸縮可能な掛着具を備え、前記掛着具のフックを荷台等の固定物または負荷側ロードチェーン等に掛着し、無負荷側ロードチェーンを固定することを特徴とする無負荷側ロードチェーンの掛着具付きレバーホイスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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