説明

無限軌道の接続構造

【課題】走行時における無限軌道の捩れにより、無限軌道を巻き掛けしたスプロケットから無限軌道が容易に脱落しない無限軌道の接続構造を提供する。
【解決手段】走行装置13に設けられたスプロケット15と係合して駆動され、長さ方向各端部同士が連結部材20を介し接続されている無限軌道11の接続構造であって、無限軌道11は、長さ方向に沿って連続して設けられた方形状の複数の構成部21を備え、上記複数の構成部21には夫々連結孔部23a,23b,24が穿設され、上記連結部材20は、基板部26と、上記基板部26に設けられた連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bとを有し、上記無限軌道11の長さ方向の端部に配置されると共に、上記連結ピン部が上記連結孔部に係合されることにより、上記無限軌道11の長さ方向一端部と、長さ方向他端部とが上記連結部材20を介して接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無限軌道の接続構造に係り、特に、ロボットコンテストに使用される走行装置の無限軌道として使用され、連結部材を用いて無限軌道に捩れが発生しないように無限軌道の長さ方向端部同士を接続することができる無限軌道の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中学校・高等学校、高等専門学校等において、各学生同士が作成したロボット同士をゲーム形式で対戦形式で、箱を積み上げたり、ボールを搬送したりする適宜の作業を行う優劣を競うロボットコンテストが開催されている。
上記ロボットコンテストに際しては、各学生がアイデアを出しながら、工作パーツを組み合わせることにより、各種のロボットが製作されている。
【0003】
このような工作パーツとしては、例えば、ロボットの移動手段として構成された走行装置があり、上記ロボットコンテストにおいては、相手のロボットとの対戦競技の中で、段差のある部位や、様々な障害物を乗り越える必要があることから、ロボットの走行装置において無限軌道を使用する場合も多い。
【0004】
ロボットコンテストで使用される上記ロボットの走行装置は、ロボット全体の大きさに合わせて適宜製作する必要があり、上記走行装置の大きさに合わせて無限軌道の長さを自由に決定する必要がある。
したがって、上記無限軌道も長さが一定でなく、自由に変更できることが好ましい。
そのため、従来は、無限軌道を切断して長さを短縮したり、無限軌道を接続して長さを伸長しうるように構成され、上記のように無限軌道を接続して長さを伸長したり、無限軌道の両端部を接続してエンドレスにする場合は、連結部材が使用されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−239260号公報
【0005】
上記特許文献1所載の連結部材は、無限軌道の端部に形成された連結孔に係合しうる連結ピンを長さ方向両端部に備えた構造を有し、無限軌道同士を接続する場合に、無限軌道の幅方向の両端部を上記連結ピンを2本使用して接続するように構成されている。
上記無限軌道を使用した走行装置により走行ロボットを製作し、そのロボットを走行させた場合に、上記無限軌道は床に接触して摩擦を受けることになる。そして、上記摩擦が大きくなると、上記ロボットを旋回させるときなどに、上記無限軌道に捩れが生じ、無限軌道を巻き掛けしたスプロケットから無限軌道が外れて走行不能になるという、不具合がある。
【0006】
特に、上記特許文献1所載の無限軌道のように、幅方向の両端部のみが上記連結部材で接続されているような構造のものは、上記連結部材が線状部材であることから曲がりやすく、その結果、連結ピンに捩れ力が集中して、同連結ピンの捩れが激しいので、上記不具合が顕著である。
特に、上記連結部材の素材として、上記無限軌道と同様の可撓性を備えたゴムや合成樹脂が用いられた場合は、上記連結ピンが伸びやすくなるので、無限軌道の捩れが一層顕著になって、スプロケットから容易にはずれてしまうことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、走行時における無限軌道の捩れにより、無限軌道を巻き掛けしたスプロケットから無限軌道が容易に脱落しない無限軌道の接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、走行装置に設けられたスプロケットと係合して駆動され、長さ方向各端部同士が連結部材を介し接続されている無限軌道の接続構造であって、上記無限軌道は、長さ方向に沿って連続して設けられた方形状の複数の構成部を備え、上記複数の構成部には夫々連結孔部が穿設され、上記連結部材は基板部と、上記基板部に設けられた連結ピン部とを有し、上記連結部材は、上記無限軌道の長さ方向の端部に配置されると共に、上記連結ピン部が上記連結孔部に係合されることにより、上記無限軌道の長さ方向一端部と、長さ方向他端部とが上記連結部材を介して接続されることを特徴とする。
即ち、上記無限軌道の各構成部に設けられた上記連結孔部に、上記連結部材に設けられた上記連結ピン部を係合させることにより、上記無限軌道の各構成部と上記連結部材とが接続されることになる。また、上記連結部材を上記無限軌道の長さ方向一端部と、長さ方向他端部との間に介在させることにより、上記無限軌道の端部同士が接続されることになる。
【0009】
また、請求項2記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記基板部は平面長方形状に形成され、上記無限軌道の幅方向に沿って長さ方向に配置され、上記連結孔部は、上記無限軌道の幅方向両端部と中央部とに夫々形成され、上記各連結ピン部は、上記無限軌道の幅方向において、上記連結孔部と係合しうるように夫々形成されていることを特徴とする。
即ち、上記連結部材の基板部は上記無限軌道の各構成部と同一に配置され、かつ上記連結部材に形成された上記各連結ピン部と上記各構成部に形成された上記連結孔部は係合しうるように配置されている。
【0010】
また、請求項3記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記連結ピン部は上記基板部の裏面部から突出して形成され、上記構成部の上記連結孔部に対し裏面側から圧入され、上記連結孔部と係合する係止突部を有することを特徴とする。
即ち、上記連結ピン部は上記連結孔部に対し上記各構成部の裏面側から圧入されるので、上記連結ピン部は先端部を除き各構成部の表面部に露出しないことになる。また、上記連結ピン部は上記係止突部が上記連結孔部に係合することにより上記連結孔部から容易に外れることはない。
【0011】
また、請求項4記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記構成部は平面長方形状に形成され、上記無限軌道の幅方向両端部に夫々設けられた連結孔部と、上記無限軌道の幅方向中央部に設けられた中央連結孔部と、上記中央連結孔部の幅方向両側に設けられたスプロケット係合孔部とを有することを特徴とする。
即ち、上記無限軌道の各構成部は夫々、幅方向両端部と幅方向中央部において上記連結部材と接続することになる。また、上記無限軌道の各構成部は夫々、上記中央連結孔部の幅方向両側位置においてスプロケットと係合することになる。
【0012】
また、請求項5記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記連結部材は、上記構成部と同一形状の基板部と、上記連結孔部及び中央連結孔部に係合しうる連結ピン部と、上記スプロケットに係合しうるスプロケット係合孔部とを有することを特徴とする。
即ち、上記連結部材の基板部は上記構成部と同一形状を有し、上記構成部の幅方向両端部と幅方向中央部において上記連結ピン部が夫々上記連結孔部及び中央連結孔部に係合することにより各構成部と接続することになる。また、上記連結部材は上記各構成部と同様にスプロケットと係合して駆動されることになる。
【0013】
また、請求項6記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記連結ピン部は、無限軌道の幅方向両端部に設けられている連結孔部に係合しうるように形成されている端部側連結ピン部と、無限軌道の幅方向中央部に設けられている連結孔部に係合しうるように形成されている中央連結ピン部により形成され、上記連結部材の幅方向両端部に夫々形成された端部側連結ピン部は横断面略円形に形成され、上記連結部材の幅方向中央部に設けられた中央連結ピン部は横断面方形でかつ上記端部側連結ピン部より大きな断面積を有するように形成されていることを特徴とする。
即ち、上記連結部材に形成されている上記連結ピン部は、端部側連結ピン部と、中央連結ピン部の2種類があり、それらの断面形状と断面積は異なっている。特に、上記中央連結ピン部は横断面方形に形成されることにより上記連結部材の基板部の回転を阻止している。
【0014】
また、請求項7記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、設置面と当接する上記無限軌道の各構成部及び、上記連結部材の基板部には、上記スプロケット係合孔部及び滑り止め用の凸部が無限軌道の幅方向において略同一の位置となるように形成されていることを特徴とする。
即ち、上記無限軌道の各構成部に設けられた上記係合孔部に係合する上記スプロケットは、幅方向に位置をずらすことなく、上記連結部材の基板部に設けられた係合孔部にも係合することができる。また、上記連結部材の基板部は、上記無限軌道の走行時に、上記各構成部と同様に滑り止め作用を発揮する。
【0015】
また、請求項8記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記無限軌道は可撓性を有する素材で、各構成部の間において切断可能に形成され、上記連結部材は上記無限軌道よりも大きな剛性を有する素材で形成されていることを特徴とする上記無限軌道は可撓性を有する素材で、各構成部の境界部を切断可能に形成され、上記連結部材は剛性を有する素材で形成されていることを特徴とする。
即ち、上記無限軌道は可撓性を有することによりスプロケットの周囲を支障なく周回することができると共に、所要位置で切断することにより所望の長さにすることができる。また、上記連結部材は変形により上記無限軌道から容易に外れないように剛性を有する素材で形成されている。
【0016】
また、請求項9記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記無限軌道は、動力を伝達するベルトコンベヤーとして使用されることを特徴とする。
即ち、本発明に係る無限軌道は走行装置として使用されるだけでなく、動力伝達用部材としても使用可能である。
【0017】
また、請求項10記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記無限軌道は所定長さに切断されて、往復運動する部材に取り付けられ、ピニオンとして使用される上記スプロケットと係合して駆動されることにより、回転運動を直進往復運動に変換するラックとして使用されることを特徴とする。
即ち、本発明に係る無限軌道は走行装置として使用されるだけでなく、運動変換用部材としても使用可能である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、走行装置に設けられたスプロケットと係合して駆動され、長さ方向各端部同士が連結部材を介し接続されている無限軌道の接続構造であって、上記無限軌道は、長さ方向に沿って一定の間隔寸法をおいて連続して設けられた方形状の各構成部を備え、上記各構成部には夫々連結孔部が穿設され、上記連結部材は基板部と、上記基板部に設けられた連結ピン部とを有し、上記連結部材は、上記無限軌道の長さ方向の端部に配置されると共に、上記連結ピン部が上記連結孔部に係合されることにより、上記無限軌道の長さ方向一端部と、長さ方向他端部とが上記連結部材を介して接続されることから、無限軌道同士の接続部には幅方向の全体に亘って上記連結部材の基板部が介在することになり、上記基板部は変形しにくく捩れにくいので、無限軌道接続部の捩れが抑制される。
したがって、上記無限軌道にスプロケットを係合させた状態で、無限軌道の接続部がスプロケットから外れて脱輪するのを防止することができる。
【0019】
また、請求項2記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記基板部は平面長方形状に形成され、上記無限軌道の幅方向に沿って長さ方向に配置され、上記連結孔部は、上記無限軌道の幅方向両端部と中央部とにおいて上記各々の構成部に夫々形成され、上記各連結ピン部は、上記無限軌道の幅方向において、上記連結孔部と係合しうるように夫々形成されていることから、無限軌道の幅方向の両端部のみでなく中央部も上記連結部材の上記基板部に接続されて固定される。
したがって、上記無限軌道と上記連結部材の結合が強化され、幅方向の全体に亘って無限軌道が捩れにくくなり、その結果、無限軌道がスプロケットから外れにくくなる。
【0020】
また、請求項3記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記連結ピン部は上記基板部の裏面部から突出形成されると共に、上記連結ピン部の先端部は、上記構成部の上記連結孔部に対し裏面側から圧入しうるように形成され、上記先端部には、上記連結孔部と係合しうるように形成された係止突部が形成されていることから、上記無限軌道に上記連結部材を接続する場合は、上記無限軌道の裏面側から、上記連結部材の連結ピン部が上記無限軌道の連結孔部に圧入され係止されることになる。
したがって、上記無限軌道が走行する床面等に凹凸が存在している場合などに、上記連結ピン部が上記凹凸に引っ掛かりにくくなる。その結果、上記連結孔部から上記連結ピン部が抜けにくくなり、上記無限軌道と上記連結部材の接続状態が安定し、上記連結部材が上記無限軌道から外れにくくなる。
【0021】
また、請求項4記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記構成部は平面長方形状に形成され、上記無限軌道の幅方向両端部に夫々設けられた連結孔部と、上記無限軌道の幅方向中央部に設けられた中央連結孔部と、上記中央連結孔部の幅方向両側に設けられたスプロケット係合孔部とを有することから、上記各構成部は夫々、上記連結孔部及び上記中央連結孔部を使用して上記連結部材と3箇所で強固に接続することができるので、上記各構成部と上記連結部材が接続した状態で走行した場合に、上記連結部材に捩れが発生しにくい。
また、上記スプロケット係合孔部が上記中央連結孔部の幅方向両側の2箇所に夫々設けられているので、スプロケットにより駆動した場合に、スプロケットの回転力が上記各構成部の中央1箇所に集中せず、幅方向両側に均等に分散されるので、上記各構成部が捩れにくい。したがって、走行時に上記無限軌道がスプロケットから外れにくい。
【0022】
また、請求項5記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記連結部材は、上記構成部と同一形状の基板部と、上記連結孔部及び中央連結孔部に係合しうる連結ピン部と、上記スプロケットに係合しうるスプロケット係合孔部とを有することから、上記連結部材を上記各構成部に接続した状態で、スプロケットを上記連結部材のスプロケット係合孔部に係合させて、支障無く駆動することができる。
【0023】
また、請求項6記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記連結ピン部は、無限軌道の幅方向両端部に設けられている連結孔部に係合しうるように形成されている端部側連結ピン部と、無限軌道の幅方向中央部に設けられている連結孔部に係合しうるように形成されている中央連結ピン部により形成されていることから、上記連結部材の端部側連結ピン部と中央連結ピン部とが夫々上記無限軌道の幅方向両端部と幅方向中央部とに連結するので、連結力が向上すると共に、走行時に上記連結部材が捩れにくくなる。
また、上記連結部材の幅方向両端部に夫々形成された端部側連結ピン部は横断面略円形に形成され、上記連結部材の幅方向中央部に設けられた中央連結ピン部は横断面方形でかつ上記端部側連結ピン部より大きな断面積を有するように形成されていることから、上記端部側連結ピン部を、無限軌道の幅方向両端部に設けられている連結孔部に対し容易に圧入して係合させることができると共に、上記連結部材の幅方向中央部に設けられた横断面方形の連結ピン部によって、上記連結部材は回転しにくくなり、その結果、捩れが防止される。
【0024】
また、請求項7記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、設置面と当接する上記無限軌道の各構成部及び、上記連結部材の基板部には、上記スプロケット係合孔部及び滑り止め用の凸部が無限軌道の幅方向において略同一の位置となるように形成されていることから、上記連結部材の基板部は上記無限軌道の各構成部と同様にスプロケットと係合して駆動され、かつ、走行時は上記各構成部と同様に滑り止めされ、確実に床等をグリップすることができるので、走行上の不具合が生じない。したがって、上記連結部材の基板部が上記各構成部間に配置されても機能的に何ら違和感がなく、走行に何ら不具合が生じない。
【0025】
また、請求項8記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記無限軌道は可撓性を有する素材で、各構成部の境界部を切断可能に形成され、上記連結部材は剛性を有する素材で形成されていることから、上記無限軌道は走行に必要な変形が可能となり、かつ、所要位置で切断することにより所望の長さの無限軌道を形成することができる。また、上記連結部材は変形しにくく捩れにくいので、スプロケットからの無限軌道の外れを防止することができる。
【0026】
また、請求項9記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記無限軌道は、動力を伝達するベルトコンベヤーとして使用されることから、スプロケットから外れにくい上記ベルトコンベヤーを使用した伝達機構を構成することができ、有用性が増大する。
【0027】
また、請求項10記載の本発明に係る無限軌道の接続構造は、上記無限軌道は往復運動する部材に取り付けられ、ピニオンとして使用される上記スプロケットと係合して駆動されることにより、回転運動を直進往復運動に変換するラックとして使用されることから、実物のラック機構を用いることなく上記部材を確実に往復運動させることができ、有用性が増大する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る無限軌道11の接続構造は、図1に示すように、走行装置13に設けられたスプロケット15と係合して駆動され、長さ方向各端部同士が連結部材20を介し接続されている無限軌道11の接続構造であって、上記無限軌道11は、図6〜図9に示すように、長さ方向に沿って連続して設けられた方形状の複数の構成部21を備え、上記複数の構成部21には夫々連結孔部23a,23b,24が穿設され、上記連結部材20は、図4及び図5に示すように、基板部26と、上記基板部26に設けられた連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bとを有し、上記連結部材20は、図6及び図7に示すように、上記無限軌道11の長さ方向の端部に配置されると共に、図8及び図9に示すように、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bが上記連結孔部23a,23b,24に係合されることにより、上記無限軌道11の長さ方向一端部と、長さ方向他端部とが上記連結部材20を介して接続される。
【0029】
また、上記基板部26は、図4及び図5に示すように、平面長方形状に形成され、上記無限軌道11の幅方向に沿って長さ方向に連続して配置され、上記連結孔部23a,23b,24は、図6及び図7に示すように、上記無限軌道11の幅方向両端部と中央部とに夫々形成され、上記各連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは、図8及び図9に示すように、上記無限軌道11の幅方向において、上記連結孔部23a,23b,24と係合しうるように夫々形成されている。
【0030】
また、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは,図4及び図5に示すように、上記基板部26の裏面部31から突出して形成され、上記構成部21の上記連結孔部23a,23b,24に対し裏面側から圧入され、上記連結孔部23a,23b,24と係合する係止突部29a,29b,29c,29d,30a,30bを有する。
【0031】
また、上記構成部21は、図6〜図9に示すように、平面長方形状に形成され、上記無限軌道11の幅方向両端部に夫々設けられた連結孔部23a,23bと、上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられた中央連結孔部24と、上記中央連結孔部24の幅方向両側に設けられたスプロケット係合孔部25a,25bとを有する。
【0032】
また、上記連結部材20は、図4及び図5に示すように、上記構成部21と同一形状の基板部26と、上記連結孔部23a,23b及び中央連結孔部24に係合しうる連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bと、上記スプロケット15に係合しうるスプロケット係合孔部34a,34bとを有する。
【0033】
また、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは、図4及び図5に示すように、無限軌道11の幅方向両端部に設けられている連結孔部23a,23bに係合しうるように形成されている端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dと、無限軌道11の幅方向中央部に設けられている連結孔部24に係合しうるように形成されている中央連結ピン部28a,28bにより形成され、上記無限軌道11の幅方向両端部に夫々形成された端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dは横断面略円形に形成され、上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられた中央連結ピン部28a,28bは横断面方形でかつ上記端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dより大きな断面積を有するように形成されている。
【0034】
また、設置面と当接する上記無限軌道11の各構成部21及び、上記連結部材20の基板部26には、図4〜図9に示すように、上記スプロケット係合孔部25a,25b,34a,34b及び滑り止め用の凸部37a,37bが無限軌道の幅方向において略同一の位置となるように形成されている。
【0035】
また、上記無限軌道11は可撓性を有する素材で、各構成部21の間において切断可能に形成され、上記連結部材20は上記無限軌道よりも大きな剛性を有する素材で形成されている。
【0036】
また、他の実施形態では、図10に示すように、上記無限軌道11は、動力を伝達するベルトコンベヤーとして使用される。
さらに、他の実施形態では、図11に示すように、上記無限軌道11は所定の長さに切断されて往復運動する部材に取り付けられ、ピニオン50として使用される上記スプロケットと係合して駆動されることにより、回転運動を直進往復運動に変換するラック49として使用される。
【実施例1】
【0037】
図1〜図9は本発明の実施例1に係る無限軌道11の接続構造を示したものである。
本実施例1では、上記無限軌道11は、図1に示すように、走行ロボットの走行装置13を構成する走行ベルト12として使用されている。
上記走行ベルト12は、走行ロボット本体(図示せず)の左右両側に夫々配置された走行装置13に組み付けられている。
上記走行装置13は、図2に示すように、適宜な間隔をおいて平行に配置された一対のフレーム部材14a,14bの長さ方向両端に夫々駆動スプロケット15と、従動輪16が配置され、上記駆動スプロケット15と上記従動輪16は2枚の上記フレーム部材14a,14bの間に挟まれて、回転可能に支持されている。
上記駆動スプロケット15は、図2及び図3に示すように、上記駆動スプロケット15の軸方向に所定の間隔寸法をおいて設けられた2列のスプロケットにより形成され、上記駆動スプロケット15の全周部位に一定ピッチをおいて爪片17が突設されている。
また、図1及び図2に示すように、上記フレーム部材14a,14bの適宜箇所には複数のテンションプーリ18a,18b,18c,18dが配置されている。
【0038】
上記無限軌道11は、図1に示すように、ベルト状に形成され、その両端が接続されて無端ベルト状の走行ベルト12として構成され、上記駆動スプロケット15、上記従動輪16及び上記テンションプーリ18a,18b,18c,18d等の周囲に巻き掛けされ、上記駆動スプロケット15の各爪片17に係合している。
上記駆動スプロケット15の回転軸19には、図示はしないが、モータの回転が歯車減速機構を介して伝達されている。
【0039】
図1に示すように、上記走行装置13は、上記駆動スプロケット15と上記従動輪16間の間隔寸法を任意に変更可能に形成されている。したがって、上記間隔寸法を変更する場合は上記走行装置13の長さ寸法もそれに合わせて変化させる必要がある。
そのために、上記無限軌道11は所要位置で切断することにより全長を短縮したり、上記無限軌道11の長さ方向の端部に他の無限軌道構成部材を接続して全体を伸長しうるように形成されている。
【0040】
上記のように、上記無限軌道11の両端を接続して無端ベルト状にしたり、上記無限軌道11に他の無限軌道構成部材を接続して全体を伸長する場合は、図4及び図5に示すような連結部材20が使用されている。
【0041】
上記無限軌道11は、可撓性を有する素材であるEVAにより形成され、図6〜図9に示すように、一定形状の多数の構成部21を長さ方向に連設して構成されている。
【0042】
上記各構成部21は、図6〜図9に示すように、平面長方形の板状に形成され、各構成部21は上記無限軌道11の長さ方向に沿って一定の間隔寸法をおいて連続的に配置されている。
上記各構成部21の境界部22はナイフやハサミで容易に切断可能に、かつ容易に曲げられるように薄肉状に形成されている。
上記各構成部21には夫々、幅方向両端部に夫々連結孔部23a,23bが穿設されると共に、幅方向中央部には中央連結孔部24が穿設されている。
また、上記各構成部21には、上記中央連結孔部24の幅方向両側に夫々スプロケット係合孔部25a,25bが設けられている。
【0043】
上記無限軌道11の長さ方向一端部と、長さ方向他端部とを接続する上記連結部材20は、剛性を有する素材であるPP(ポリプロピレン)により形成され、図4及び図5に示すように、基板部26と、連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bとを有している。
【0044】
上記基板部26は、上記無限軌道11の上記構成部21と同一形状で、平面長方形状に形成され、厚さ寸法も同一に設定されている。
【0045】
上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは、図4及び図5に示すように、端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dと、中央連結ピン部28a,28bとから成り、上記端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dは、図6〜図9に示すように、無限軌道11の幅方向両端部に設けられている上記連結孔部23a,23bに係合しうるように形成され、又、上記中央連結ピン部28a,28bは上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられている上記中央連結孔部24に係合しうるように形成されている。
即ち、上記連結孔部23a,23bと上記端部側連結ピン部27a,27b,27c,27d、上記中央連結孔部24と上記中央連結ピン部28a,28bは、夫々、上記無限軌道11の幅方向において同一位置に配置されている。
【0046】
上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは、図5に示すように、上記基板部26の裏面部31から突出形成されている。
即ち、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは、図5に示すように、上記基板部26の裏面部31に基端部が接続されると共に、図4に示すように、先端部が上記基板部26の両側面部33a,33bの外側を表面部32側へ向かうように配置されている。
即ち、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bの先端部は、上記構成部21の上記連結孔部23a,23b及び中央連結孔部24に対し裏面側から圧入しうるように形成されている。
また、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bの先端部には、図4に示すように、上記連結孔部23a,23b及び中央連結孔部24と係合しうる係止突部29a,29b,29c,29d,30a,30bが形成されている。
上記連結部材20と上記構成部21は、上記無限軌道11の長さ方向一端部において、上記無限軌道11の幅方向両端部に設けられている上記連結ピン部27aと上記連結孔部23a、上記連結ピン部27bと上記連結孔部23bの2箇所により係合されるとともに、上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられている上記連結ピン部28aと上記中央連結孔部24の合計3箇所により係合されている。
同様に、上記無限軌道11の長さ方向他端部において、上記無限軌道11の幅方向両端部に設けられている上記連結ピン部27cと上記連結孔部23a、上記連結ピン部27dと上記連結孔部23bの2箇所により係合されるとともに、上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられている上記連結ピン部28bと上記中央連結孔部24の合計3箇所により係合されている。
従って、上記連結部材20と上記構成部21との接続は夫々3箇所で接続できることから強固であり、上記無限軌道11を走行装置13に用いて走行する場合、特に旋回する場合等に上記無限軌道11と走行面との間に摩擦が生じても、上記連結部材20には捩れが発生しにくい。したがって、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bが捩れにより上記連結孔部23a,23b,24から抜けて、上記連結部材20が上記構成部21から外れる事態を防止することができる。
【0047】
また、図4及び図5に示すように、上記無限軌道11の幅方向両端部に夫々形成された端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dは横断面略円形に形成され、上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられた中央連結ピン部28a,28bは横断面方形で、かつ上記端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dより大きな断面積を有するように形成されている。
【0048】
また、図4及び図5に示すように、上記基板部26には、上記構成部21の上記スプロケット係合孔部25a,25bと無限軌道の幅方向において略同一の位置となるように、スプロケット係合孔部34a,34bが設けられている。
【0049】
また、図4、図6及び図8に示すように、上記無限軌道11の各構成部21の表面部35と、上記連結部材20の基板部26の表面部32には、幅方向同一配置で、上記無限軌道11の長さ方向に対し直交するように滑り止め用の凸部37a,37bが形成されている。
【0050】
また、図5、図7及び図9に示すように、上記無限軌道11の各構成部21の裏面部36と、上記連結部材20の基板部26の裏面部31には、幅方向同一配置で、上記スプロケット係合孔部34a,34bの幅方向両外側位置に夫々、上記無限軌道11の長さ方向に沿って幅方向の位置ずれ防止用の突起38a,38b,39a,39bが設けられている。
【0051】
図6及び図7に示すように、上記無限軌道11の長さ方向各端部同士を接続する場合、上記連結部材20の基板部26を、無限軌道11の長さ方向の各端部に夫々位置する構成部21の間に配置し、上記連結部材20の上記端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dを、上記連結部材20の両側方に配置されている上記構成部21における上記連結孔部23a,23bに係合させると共に、上記中央連結ピン部28a,28bを上記構成部21における上記中央連結孔部24に係合させる。
これにより、図8及び図9に示すように、上記無限軌道11の長さ方向各端部同士を上記連結部材20を介して一連に接続することにより、連続して接続された無端帯状に形成することができる。
【0052】
以下、上記実施例1の作用について説明する。
上記無限軌道11は、長さ方向各端部同士が連結部材20を介し接続されるものである。
図6〜図9に示すように、上記無限軌道11は、長さ方向に沿って一定の間隔寸法をおいて連続して設けられた各構成部21を備え、上記各構成部21には夫々連結孔部23a,23b,24が穿設されている。
また、上記連結部材20は、図4及び図5に示すように、基板部26と、上記基板部26に設けられた連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bとを有している。
したがって、図6及び図7に示すように、上記連結部材20を、上記無限軌道11の長さ方向の一端部と他端部との間に配置すると共に、図8及び図9に示すように、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bを上記連結孔部23a,23b,24に係合させることにより、上記無限軌道11の長さ方向一端部と、長さ方向他端部とを上記連結部材20を介して容易に接続することができる。
【0053】
また、上記連結部材20と上記構成部21は、上記無限軌道11の長さ方向一端部において、上記無限軌道11の幅方向両端部に設けられている上記連結ピン部27aと上記連結孔部23a、上記連結ピン部27bと上記連結孔部23bの2箇所により係合されるとともに、上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられている上記連結ピン部28aと上記中央連結孔部24の合計3箇所により係合されている。
同様に、上記無限軌道11の長さ方向他端部において、上記無限軌道11の幅方向両端部に設けられている上記連結ピン部27cと上記連結孔部23a、上記連結ピン部27dと上記連結孔部23bの2箇所により係合されるとともに、上記無限軌道11の幅方向中央部に設けられている上記連結ピン部28bと上記中央連結孔部24の合計3箇所により係合されている。
従って、上記連結部材20と上記構成部21との接続は夫々3箇所で接続できることから強固であり、上記無限軌道11を走行装置13に用いて走行する場合、特に旋回する場合等に上記無限軌道11と走行面との間に摩擦が生じても、上記連結部材20には捩れが発生しにくい。したがって、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bが捩れにより上記連結孔部23a,23b,24から抜けて、上記連結部材20が上記構成部21から外れるのを防止することができる。
また、上記連結部材20は剛性を有するポリプロピレン素材で形成されているため、上記連結部材20の変形を抑えられ、上記構成部21から容易に外れないように形成されている。
さらに、上記端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dは横断面略円形に形成されているが、上記中央連結ピン部28a,28bは横断面方形でかつ上記端部側連結ピン部27a,27b,27c,27dより大きな断面積を有するように形成されていることから、特に横断面方形の上記中央連結ピン部28a,28bが上記連結部材20の回転ンを防止し、上記連結部材20の捩れを確実に防止している。
【0054】
また、図6に示すように、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは,上記基板部26の裏面部31から突出形成され、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bの先端部は、上記構成部21の上記連結孔部23a,23b,24に対し裏面側から圧入しうるように形成され、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは先端部に形成された上記係止突部29a,29b,29c,29d,30a,30bが上記連結孔部23a,23b,24と係合しうるように形成されていることから、上記無限軌道11が床面等を走行する場合に、床面等に凹凸が存在しても、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bは先端面のみが上記床面等と接触するだけなので、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bが上記床面の凹凸に引っ掛かって外れる可能性が小さい。
したがって、上記無限軌道11の長さ方向の一端部と他端部との間に配置された各構成部21同士を接続した上記連結部材20は、走行時に摩擦が生じても捩れにくく、上記連結ピン部27a,27b,27c,27d,28a,28bが上記連結孔部23a,23b,24から外れにくいので、上記無限軌道11が走行時に分解して走行不能になるという不具合を防止することができる。
【実施例2】
【0055】
また、図10は本発明の実施例2に係る動力伝達機構40を示したものである。
上記無限軌道11は、上記連結部材20を介して端部に位置する構成部21同士が接続されてエンドレスの輪状に形成され、ベルトコンベヤーとして使用されている。
上記無限軌道11は駆動軸42に取り付けられた駆動スプロケット41と、従動軸44に取り付けられた従動スプロケット43間に巻き掛けされ、上記駆動軸42の回転力を上記駆動軸42に伝達している。
【実施例3】
【0056】
また、図11は本発明の実施例3に係る運動変換機構45を示したものである。
上記無限軌道11は、上記連結部材20を介して端部に位置する構成部21同士が接続されて所要長さの直線状に形成され、往復運動するスライド部材48の上面部に取り付けられることによりラック49として使用されている。
上記ラック49としての上記無限軌道11には、ピニオン50として使用される駆動スプロケット46が係合され、上記駆動スプロケット46の軸47の回転が上記スライド部材48の往復直進運動に変換されている。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、スプロケットで駆動される無限軌道の長さ方向各端部同士を連結部材を介して接続する全ての接続構造に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例に係る無限軌道を使用して構成された走行装置の側面図である。
【図2】本発明の実施例に係る無限軌道を装着する走行装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る無限軌道を装着する走行装置における駆動スプロケットの斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係る無限軌道を接続するために使用する連結部材の表面部側斜視図である。
【図5】本発明の実施例に係る無限軌道を接続するために使用する連結部材の裏面部側斜視図である。
【図6】本発明の実施例に係る無限軌道と連結部材との配置関係を示す表面部側斜視図である。
【図7】本発明の実施例に係る無限軌道と連結部材との配置関係を示す裏面部側斜視図である。
【図8】本発明の実施例に係る無限軌道と連結部材との係合状態を示す表面部側斜視図である。
【図9】本発明の実施例に係る無限軌道と連結部材との接続状態を示す表面部側斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係る無限軌道を使用した動力伝達機構の側面図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係る無限軌道を使用した運動変換機構の側面図である。
【符号の説明】
【0059】
11 無限軌道
12 走行ベルト
13 走行装置
14a,14b フレーム部材
15 駆動スプロケット
16 従動輪
17 爪片
18 テンションプーリ
19 回転軸
20 連結部材
21 構成部
22 境界部
23a,23b 連結孔部
24 中央連結孔部
25a,25b スプロケット係合孔部
26 基板部
27a,27b,27c,27d 連結ピン部
28a,28b 連結ピン部
29a,29b,29c,29d 係止突部
30a,30b 係止突部
31 裏面部
32 表面部
33a,33b 側面部
34a,34b スプロケット係合孔部
35 表面部
36 裏面部
37a,37b 滑り止め用凸部
38a,38b 位置ずれ防止用突起
39a,39b 位置ずれ防止用突起
40 動力伝達機構
41 駆動スプロケット
42 駆動軸
43 従動スプロケット
44 従動軸
45 運動変換機構
46 駆動スプロケット
47 軸
48 スライド部材
49 ラック
50 ピニオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置に設けられたスプロケットと係合して駆動され、長さ方向各端部同士が連結部材を介し接続されている無限軌道の接続構造であって、
上記無限軌道は、長さ方向に沿って連続して設けられた方形状の複数の構成部を備え、
上記複数の構成部には夫々連結孔部が穿設され、
上記連結部材は基板部と、上記基板部に設けられた連結ピン部とを有し、
上記連結部材は、上記無限軌道の長さ方向の端部に配置されると共に、上記連結ピン部が上記連結孔部に係合されることにより、上記無限軌道の長さ方向一端部と、長さ方向他端部とが上記連結部材を介して接続されることを特徴とする無限軌道の接続構造。
【請求項2】
上記基板部は平面長方形状に形成され、上記無限軌道の幅方向に沿って長さ方向に配置され、
上記連結孔部は、上記無限軌道の幅方向両端部と中央部とに夫々形成され、
上記各連結ピン部は、上記無限軌道の幅方向において、上記連結孔部と係合しうるように夫々形成されていることを特徴とする請求項1記載の無限軌道の接続構造。
【請求項3】
上記連結ピン部は上記基板部の裏面部から突出して形成され、
上記構成部の上記連結孔部に対し裏面側から圧入され、
上記連結孔部と係合する係止突部を有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。
【請求項4】
上記構成部は平面長方形状に形成され、上記無限軌道の幅方向両端部に夫々設けられた連結孔部と、上記無限軌道の幅方向中央部に設けられた中央連結孔部と、上記中央連結孔部の幅方向両側に設けられたスプロケット係合孔部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。
【請求項5】
上記連結部材は、上記構成部と同一形状の基板部と、上記連結孔部及び中央連結孔部に係合しうる連結ピン部と、上記スプロケットに係合しうるスプロケット係合孔部とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。
【請求項6】
上記連結ピン部は、無限軌道の幅方向両端部に設けられている連結孔部に係合しうるように形成されている端部側連結ピン部と、無限軌道の幅方向中央部に設けられている連結孔部に係合しうるように形成されている中央連結ピン部により形成され、
上記連結部材の幅方向両端部に夫々形成された端部側連結ピン部は横断面略円形に形成され、
上記連結部材の幅方向中央部に設けられた中央連結ピン部は横断面方形でかつ上記端部側連結ピン部より大きな断面積を有するように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。
【請求項7】
設置面と当接する上記無限軌道の各構成部及び、上記連結部材の基板部には、上記スプロケット係合孔部及び滑り止め用の凸部が無限軌道の幅方向において略同一の位置となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。
【請求項8】
上記無限軌道は可撓性を有する素材で、各構成部の間において切断可能に形成され、上記連結部材は上記無限軌道よりも大きな剛性を有する素材で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。
【請求項9】
上記無限軌道は、動力を伝達するベルトコンベヤーとして使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。
【請求項10】
上記無限軌道は所定長さに切断されて、往復運動する部材に取り付けられ、ピニオンとして使用される上記スプロケットと係合して駆動されることにより、回転運動を直進往復運動に変換するラックとして使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された無限軌道の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−290497(P2007−290497A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119623(P2006−119623)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000129264)株式会社キクイチ (10)