説明

無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを回収する方法及びそれに用いるニッケルイオン抽出剤

【課題】 無電解ニッケルめっき廃液に抽出剤を接触させてニッケルイオンを抽出し、これに剥離剤を投入してニッケルを単離させて回収する方法において、pHを調整することなく1回の抽出剤との接触で高い抽出率を短時間で得る。
【解決手段】 抽出剤として、ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシルとの混合物、又はジ−2−エチルヘキシルリン酸とイソニコチン酸ドデシルとの混合物を用いる。この方法によれば、pHを調整することなく1回の接触で98〜99%の高い抽出率を得ることができる。また、接触後1分未満の短時間で95%以上の高い抽出率を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケルめっきで排出される無電解ニッケルめっき廃液から溶媒抽出法でニッケルを効率良く回収する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無電解ニッケルめっき廃液は、自動車や半導体部品等で利用される無電解ニッケルめっき法において、めっき処理後に排出される液体である。無電解ニッケルめっき廃液には希少金属であるニッケルを含有しているが、様々な理由でリサイクルされずに焼却、埋め立て処分されている。しかし、資源の有効活用及び安定供給のためにも、無電解ニッケルめっき廃液を再処理してニッケルを排出元に還元し、資源循環システムを構築する必要がある。
【0003】
この無電解ニッケルめっき廃液に含まれるニッケルを溶媒抽出法を用いて回収する技術が特許文献1に開示されている。この技術は、次亜リン酸塩を還元剤とする無電解ニッケルめっき廃液のpHを調整した後、長鎖アルキルアミン系抽出剤を含む有機溶媒と接触させ、その後有機相と水相に分離し、再度無電解ニッケルめっき廃液からなる水相のpH値を調整し、長鎖アルキルアミン系抽出剤を含む有機溶媒と接触させる工程を繰り返すことを特徴としている。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1記載の技術では、1回の抽出作業でニッケルイオンの効率的な抽出ができないため複数回の作業工程を必要とし、しかもニッケルイオンの抽出作業前に無電解ニッケルめっき廃液のpH調整の作業工程も必要であり、より簡便な方法でニッケルを効率的に回収する技術が求められていた。本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−42183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、pHを調整することなく1回の抽出剤との接触で高い抽出率が短時間で得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 無電解ニッケルめっき廃液に抽出剤を接触させてニッケルイオンを抽出し、これに剥離剤を投入してニッケルを単離させて回収する方法であって、前記抽出剤として、ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシルとの混合物、又はジ−2−エチルヘキシルリン酸とイソニコチン酸ドデシルとの混合物を用いることを特徴とする、無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを回収する方法
2) 無電解ニッケルめっき廃液のpHを調整しないことを特徴とする、前記1)記載の無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを回収する方法
3) ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシル又はイソニコチン酸ドデシルの混合割合がモル基準で20%:80%〜90%:10%の範囲で、且つこの抽出剤と無電解ニッケルめっき廃液の混合割合が体積基準で2%:98%〜50%:50%の範囲である、前記1)又は2)記載の無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを回収する方法
4) 無電解ニッケルめっき廃液に接触させてニッケルイオンを抽出するための抽出剤であって、ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシルとの混合物、又はジ−2−エチルヘキシルリン酸とイソニコチン酸ドデシルとの混合物であることを特徴とする、ニッケルイオン抽出剤
5) ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシル又はイソニコチン酸ドデシルの混合割合がモル基準で20%:80%〜90%:10%の範囲である、前記4)記載のニッケルイオン抽出剤
にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、pHを調整することなく1回の抽出剤との接触で無電解ニッケルめっき廃液からニッケルイオンを短時間で効率良く抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】無電解ニッケルめっき廃液のリサイクルを示すフローである。
【図2】実施例のニコチン酸アルキルの酸性溶液への溶解性を示すグラフである。
【図3】実施例のニコチン酸ドデシル及びイソニコチン酸ドデシルを用いた無電解ニッケルめっき廃液中からのニッケルイオンの抽出を示すグラフである。
【図4】実施例のD2EHPAとイソニコチン酸ドデシルの混合抽出剤を用いた場合のニッケルイオンの抽出平衡時間を示すグラフである。
【図5】実施例のD2EHPAとニコチン酸ドデシル又はイソニコチン酸ドデシルの混合抽出剤からのニッケルの剥離を示すグラフである。
【図6】実施例の抽出操作での相比とニッケルイオンの抽出率及び抽出後の有機相中のニッケル濃度の関係を示すグラフである。
【図7】実施例の剥離操作での相比とニッケルの剥離率及び剥離後の水相中のニッケル濃度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明による無電解ニッケルめっき廃液からのニッケル回収方法は、図1に示すフローの通りである。めっき工場等から排出された無電解ニッケルめっき廃液に抽出剤を添加してニッケルイオンを抽出し、抽出残液は処分する。このニッケルイオンに希硫酸等の剥離剤を添加し、ニッケルを剥離して抽出剤と分離する。分離した抽出剤は前記の抽出工程で再使用し、剥離したニッケルは回収して再度ニッケルめっきで使用するか、又はその他用途に利用する。このニッケルイオンの抽出に用いる抽出剤について、以下の実施例と図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例】
【0011】
まず、既存の抽出剤を利用し、溶媒抽出法によって金属イオンの抽出実験を行った。ミキサーセトラー内の抽出剤と無電解ニッケルめっき廃液の接触は1回である。抽出剤は、D2EHPA(酸性抽出剤:Di−2−ethyl hexyl phosphoric acid、ジ−2−エチルヘキシルリン酸)、TBP(溶媒和抽出剤:Tri−n−butyl phosphate)、LIX−84I(キレート抽出剤:2−hydroxy−5−nonyl acetophenoneoximeの炭化水素希釈物)、TOA(塩基性抽出剤:Tri−n−octil amine)、TOA+CL、TOP(溶媒和抽出剤:Tri−n−octil phosphate)、PC−88A(酸性抽出剤:2−Ethyl hexyl phosphonic acid mono−2−ethyl hexyl ester)、Cyanex272(酸性抽出剤:Di−2,4,4−trimethyl pentyl phosphinic acid)である。無電解ニッケルめっき廃液の成分濃度を表1に示す。
【0012】
【表1】

【0013】
無電解ニッケルめっき廃液はpH6,8,9に調整して実験を行った。無電解ニッケルめっき廃液のpH調整無しとpH9に調整した実験結果を表2,3に示す。
【0014】
【表2】

【0015】
【表3】

【0016】
pH調整無しではほとんどの抽出剤でニッケルイオンの抽出ができなかった。pHを上げることによって抽出率も徐々に上昇し、pH9でようやく抽出率50%を超える抽出剤が現れた。これは無電解ニッケルめっき廃液中の有機酸等がニッケルイオン抽出を阻害していること、あるいは原液のpHが4前後と低いことが原因ではないかと考察された。単一の抽出剤による実験は、90%以上の抽出ができる抽出剤は確認できなかった。
【0017】
次に、既存の抽出剤の設定条件を変えて実験を行った。TBPは希釈しないものを用いた。Cyanex272、LIX−84I、TOAはケロシンで濃度19.5wt%に希釈した。D2EHPA、TOP、PC−88A、4−PPP(溶媒和抽出剤)はケロシンで濃度0.5mol/dmに希釈した。8−Quinolinol(溶媒和抽出剤:4−phenyl propyl pyridine)はケロシンで濃度0.1mol/dmに希釈した。
【0018】
初期pH4.4の無電解ニッケルめっき廃液と水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH6,8,9,11,11.5,12に調整した無電解ニッケルめっき廃液を用いた。無電解ニッケルめっき廃液と抽出剤を遠心分離管にそれぞれ15cm入れ、縦型振盪機で15分間振盪して遠心分離を行った。
【0019】
D2EHPAを用いた場合では、pHの上昇に伴い抽出率は減少する傾向を示した。PC−88AとCyanex272を用いた場合では、pHの上昇に伴い抽出率は上昇するが、それぞれ平衡pH6.5及び7より高いpH領域では抽出率は減少した。LIX−84Iを用いた場合では、抽出率はpHの上昇に伴い増加し、平衡pH8で50%の抽出率を得た。TBP、TOP、TOA、塩酸処理をしたTOAを用いた場合では、いずれのpHでも抽出率は20%以下と小さい値を示した。4−PPPを用いた場合では、平衡pH4.7で50%以上の抽出率となるが、pHが高くなるにつれて抽出率は減少した。8−Quinolinolを用いた場合では、いずれのpHでも抽出操作後に沈殿が生成したため、抽出操作は困難であった。
【0020】
以上の結果より、単一の抽出剤ではいずれの場合も十分な抽出率は得られなかった。無電解ニッケルめっき廃液中に含まれているリン酸種や鎖体形成剤がニッケルと鎖イオンを形成しているために酸性抽出剤(PC−88A、D2EHPA、Cyanex272)及びキレート抽出剤(LIX−84I)では抽出が抑制され、中性抽出剤(TBP、TOP)及び塩基性抽出剤(TOA)では無電荷化学種や陰イオン種としてニッケルが十分に存在していないために抽出されにくいと考えられた。
【0021】
これまでの実験により、単一の抽出剤による抽出率の向上は困難であるとの判断から、2つの抽出剤の組み合わせによる協同効果を実験で検証した。主抽出剤の候補を、これまでの実験で比較的効果の高かったPC−88Aと、ニッケルやコバルトの抽出に使用されているD2EHPAとし、これにピリジン系の抽出剤を組み合わせる実験を行った。組み合わせパターンは、PC−88A+ピリジン系抽出剤と、D2EHPA+ピリジン系抽出剤である。
【0022】
PC−88A、D2EHPA、4−PPPと4(5−Nonyl)pyridine、ニコチン酸ヘキシルエステル、ニコチン酸オクチルエステルはケロシンで濃度0.5mol/dmに希釈した。8−Quinolinol、N,N−Dibenzyl anilineはケロシンで濃度0.1mol/dmに希釈した。
【0023】
無電解ニッケルめっき廃液と抽出剤を遠心分離管にそれぞれ15cm入れ、縦型振盪機で15分間振盪して遠心分離を行い、水相中のニッケル濃度をICP(誘導結合プラズマ分析装置)で測定して抽出率を求めた。結果を表4に示す。
【0024】
【表4】

【0025】
D2EHPAとN,N−Dibenzyl anilineの組み合わせ以外で抽出率が大幅に上昇した。PC−88AとD2EHPAに種々のピリジン化合物を加えることで、高い協同効果が生じることが確認できた。
【0026】
抽出したニッケルイオンを剥離剤(希硫酸等の無機酸)で剥離するために、前記のピリジン系抽出剤の酸性溶液への溶解性を調査した。8−Quinolinol、ニコチン酸ヘキシルエステル、ニコチン酸オクチルエステルはケロシンで濃度0.1mol/dmに希釈した。4−PPPはケロシンで濃度0.5mol/dmに希釈した。
【0027】
硫酸を用いて種々のpHに調整した純水とピリジン化合物をそれぞれ15cmづつ遠心分離管に取り、縦型振盪機で15分間振盪して遠心分離を行い、水相中の有機炭素濃度を全有機炭素計により測定した。
【0028】
4−PPPと8−Quinolinolは、それぞれpH3.5及び2.5で水相に50%溶解すると考えられる。いずれの化合物も水相のpHが酸性側になるほど水相中に溶解する傾向がある。ニコチン酸ヘキシルエステルとニコチン酸オクチルエステルは、いずれも低いpHになるほど溶解量が増加した。pH0は硫酸(1mol/dm)と種々のニコチン酸を接触させた結果である。pH0でニコチン酸ヘキシルエステルとニコチン酸オクチルエステルの溶解量はそれぞれ0.075mg/dm、0.01mg/dmであった(図2参照)。
【0029】
ピリジン基が酸と反応してピリジニウム塩を形成するため水相に溶解すると考えられる。ニッケルイオン抽出後の有機相からニッケルの剥離を1mol/dmの硫酸を用いることによって、ニコチン酸ヘキシルエステルとニコチン酸オクチルエステルは水相にそれぞれ7割、1割溶解すると考えられる。ニコチン酸のピリジン基とエステル結合しているアルキル鎖を長くすることによって、剥離時の溶解量が減少すると考えられる。
【0030】
ニコチン酸のピリジン基とエステル結合しているアルキル鎖を長くすることで、剥離時の溶解量が減少するのではないかとの仮説を得たことから、ニコチン酸ヘキシルエステル及びニコチン酸オクチルエステルよりピリジン基とエステル結合しているアルキル鎖が長いニコチン酸ドデシルを合成し、D2EHPAとの組み合わせによる抽出操作、剥離操作を行った。
【0031】
抽出率は、pH調整なし(平衡pH4.2)で1回の接触により91.7%の抽出率を得ることができた。剥離率は、平衡pH0.17で89.2%であった。剥離後の水相の有機炭素濃度は0.14mg/dmであり、剥離操作での抽出剤の水相への溶解はほとんど生じていないと考えられた。ニコチン酸ドデシルを合成することにより、これまで剥離時に生じていたピリジン基を有する第2の抽出剤の水相への溶解を抑制することが可能であることが確認できた。
【0032】
ニコチン酸ドデシルの異性体であるイソニコチン酸ドデシルとD2EHPAとの組み合わせによる抽出実験を行った。無電解ニッケルめっき廃液中のニッケル濃度は4700mg/dmであった。D2EHPAは濃度0.5mol/dmのものを用いた。イソニコチン酸ドデシルの濃度は0.5mol/dmとなるようにトルエンで希釈した。無電解ニッケルめっき廃液のpHは水酸化ナトリウムを用いて調整した。D2EHPAとイソニコチン酸ドデシルの混合割合はモル基準で1:1で、これと無電解ニッケルめっき廃液の混合割合は体積基準で2:1〜4である。ニコチン酸ドデシルとイソニコチン酸ドデシルは次の一般式で表される。化1がニコチン酸ドデシル、化2がイソニコチン酸ドデシルである。
【0033】
【化1】

【0034】
【化2】

【0035】
この液を栓付遠心分離管に15cm入れ、縦型振盪機で15分間振盪して遠心分離を行い、水相中のニッケル濃度をICPで測定した。結果を表5、図3に示す。
【0036】
【表5】

【0037】
pH調整無し(pH4.6)で98%、pH8に調整した場合は98%の抽出結果が得られた。pH調整無しとpH8に調整したものは差がほとんどなく、pHを調整することなく効率良く抽出できることがわかった。また、図4に示すように、D2EHPAとイソニコチン酸ドデシルの混合抽出剤との接触開始から1分未満で95%以上の高い抽出率を得ている。希硫酸(0.2、0.4、0.9mol/dm)によるニッケル剥離率は100%であった(図5参照)。図6には、抽出操作での相比とニッケルイオンの抽出率及び抽出後の有機相中のニッケル濃度の関係を示している。図7には、剥離操作での相比とニッケルの剥離率及び剥離後の水相中のニッケル濃度の関係を示している。
【0038】
D2EHPAとイソニコチン酸ドデシルの混合物の抽出剤は、pH調整無しで1回の抽出操作により選択的にニッケルイオンを抽出することを見出した。D2EHPAとイソニコチン酸ドデシルの混合抽出剤を用いることによって、大きい協同効果が生じて抽出率が増加したものと考えられる。D2EHPAを含むリン含有抽出剤は同じような効果が期待でき、他のリン含有抽出剤としては、酸性リン酸エステル、フォスフォン酸、フォスフィン酸などが含まれる。イソニコチン酸ドデシルはニコチン酸ドデシルでも同様の効果を示す。ドデシル基の部分はアルキル基でもよい。ドデシルより高級(炭素数が大きい)なアルキルエステルは、抽出率においても同様の効果が得られると考えられる。また、剥離時はより水相への溶解度が低下すると考えられる。D2EHPAの代替としてPC−88Aを用いても、ニコチン酸ドデシル又はイソニコチン酸ドデシルとの協同効果による高い抽出率は得られると考えられる。
【0039】
以上説明した様々な実験により、抽出剤として、D2EHPAとニコチン酸ドデシルとの混合物、又はD2EHPAとイソニコチン酸ドデシルとの混合物を用いることで、pHを調整することなく1回の抽出剤との接触で無電解ニッケルめっき廃液からニッケルイオンを短時間で効率良く抽出できることを見出した。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の技術は、ニッケルめっきで排出される無電解ニッケルめっき廃液から溶媒抽出法でニッケルを効率良く回収する用途に利用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無電解ニッケルめっき廃液に抽出剤を接触させてニッケルイオンを抽出し、これに剥離剤を投入してニッケルを単離させて回収する方法であって、前記抽出剤として、ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシルとの混合物、又はジ−2−エチルヘキシルリン酸とイソニコチン酸ドデシルとの混合物を用いることを特徴とする、無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを回収する方法。
【請求項2】
無電解ニッケルめっき廃液のpHを調整しないことを特徴とする、請求項1記載の無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを回収する方法。
【請求項3】
ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシル又はイソニコチン酸ドデシルの混合割合がモル基準で20%:80%〜90%:10%の範囲で、且つこの抽出剤と無電解ニッケルめっき廃液の混合割合が体積基準で2%:98%〜50%:50%の範囲である、請求項1又は2記載の無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを回収する方法。
【請求項4】
無電解ニッケルめっき廃液に接触させてニッケルイオンを抽出するための抽出剤であって、ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシルとの混合物、又はジ−2−エチルヘキシルリン酸とイソニコチン酸ドデシルとの混合物であることを特徴とする、ニッケルイオン抽出剤。
【請求項5】
ジ−2−エチルヘキシルリン酸とニコチン酸ドデシル又はイソニコチン酸ドデシルの混合割合がモル基準で20%:80%〜90%:10%の範囲である、請求項4記載のニッケルイオン抽出剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−52250(P2011−52250A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200635(P2009−200635)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【出願人】(502388655)大谷化学工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】