説明

焼結セラミック物品の異方性収縮と関連づけられた方法及び装置

【課題】セラミック立体リソグラフィ法を利用してセラミック物品を生産する方法において、寸法的に正確なセラミック立体リソグラフィ物品を製造するためセラミック物品の異方性収縮を補償する方法を提供する。
【解決手段】三次元座標系に関連して物品45をその寸法を含めて表示する工程にして、該物品はセラミック粒子を含む光重合性材料50,51,52,53から立体リソグラフィ装置500において生のセラミック物品として形成されるよう適合された、工程と、該生のセラミック物品を焼結した時の、該座標系の軸と関連した該生のセラミック物品の異方性収縮を補償するため、少なくとも2つの等しくない倍率を該寸法に適用する工程と、前記適用する工程の後、該立体リソグラフィ装置において該生のセラミック物品を組立てる工程と、該寸法と実質的に一致する焼結セラミック物品を形成するため該生のセラミック物品を加熱する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、参照することによりここに組み込まれる、2004年10月19日出願の米国仮特許出願第60/620,104号に基づく利益を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、セラミック立体リソグラフィ法を利用してセラミック物品を生産する方法に関する。より具体的には、1つの形態において、本発明は、寸法的に正確なセラミック立体リソグラフィ物品を製造するためセラミック物品の異方性収縮を補償する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
技術者や科学者は、構成部品を生産するための追加的な方法を開発するため立体リソグラフィ法の分野において研究している。非セラミック立体リソグラフィ法の領域では、科学界は主に高分子材料の硬化と関連づけられた収縮に関心を持つ。非セラミック立体リソグラフィ法で使用される種類の材料は一般に非常に小さい、紫外線電球等による後硬化処理と関連づけられた収縮度を有する。
【0004】
セラミック立体リソグラフィ法の領域においては、現在のところ、焼結セラミック立体リソグラフィ物品の寸法精度の研究と関連づけられた有意義な開発活動が行われているようには見えない。セラミック立体リソグラフィ法を通じた寸法的に正確な部品を生産することの興味が、本発明の開発に対する動機づけとなった。本発明は、この必要性その他を新規かつ自明でないやり方で満足させるものである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は特許請求の範囲に字義どおりに明らかにされる。本発明は一般にセラミック物品を焼結した時の異方性収縮を補償する方法として集約することができる。
本発明の1つの目的は、セラミック物品を生産する独特の方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】立体リソグラフィ製法により作製される物品の1つの形態の説明図である。
【図2】図1の層組立物品の説明図である。
【図3】図2の物品の層の1つの一部の説明平面図である。
【図4】収縮測定試験物品の1つの実施の形態の斜視図である。
【図5】物品の組立て方を決定する組立ファイルを作るシステムの1つの実施の形態を説明するフローチャートである。
【0007】
本発明の関連の目的及び利点は以下の説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための態様】
【0008】
本発明の原理の理解を増進するため、次に図面に図示した実施の形態を参照し、具体的な言語を使用してこれを説明する。しかし、これにより本発明の範囲を何ら限定する意図はなく、図示した機器における変更やさらなる改変、またそこにて図示した本発明の原理のさらなる適用は本発明が関連する技術分野の専門家には通常着想されると考えられることは理解されよう。
【0009】
セラミック立体リソグラフィ法の一般的な分野は当該技術分野の通常の専門家には公知と思われる。より具体的には、セラミック立体リソグラフィ法は、適当なエネルギ照射量(energydose)に暴露されると固化するセラミック粒子を包含する光重合性樹脂を利用する。本発明は、セラミック粒子を含む光重合性材料は、非限定的に充填及び配合を含む多くのやり方で説明できると考える。本発明の1つの形態において、光重合性材料は容積で35%から65%の範囲内のセラミック粒子を含む。しかしながら、他の関係もここにて考えられる。
【0010】
光重合性セラミック樹脂はエネルギを照射された後に生の状態のセラミック物品を形成する。生の状態のセラミック物品は、感光性ポリマーを除去するため焼き取り工程に付され、その後焼結工程がセラミック材料に適用される。セラミック材料の焼結時、物品に容積変化が生じる。さらに、本発明者は、感光性ポリマーの焼き取り工程時に起こる容積変化は一般に非常に小さいことを認識した。1つの形態において、セラミック立体リソグラフィ法は、立体リソグラフィ法の操作に適合し米国カルフォルニア州バレンシアの3DSystems社から入手できる機械にて遂行される。しかしながら、本発明は実際上、立体リソグラフィ法により物品を生産するいかなる種類の装置又は技術を用いても適用できる。さらに、選択的なレーザー活性化法及び/又は立体リソグラフィ法に関する情報は、参照することによりすべてここに組み込まれる米国特許第5,256,340号、第5,556,590号、第5,571,471号及び係属中の米国特許出願第10/462,168号に開示されている。
【0011】
図1を参照すると、セラミック立体リソグラフィ製法により形成される1つの実施の形態の物品45が開示されている。ここで利用するセラミック立体リソグラフィ法は広く解釈されるべきであり、光重合性樹脂内のセラミック材料の利用を含む。物品の語は広く解されるよう意図されており、非限定的に鋳物、部品、構成部品及び/又はサブコンポーネントを含む。物品45は単に例示であり、セラミック充填樹脂をセラミック粒子からなる層(例えば、50、51、52、53)に光重合し、該層をポリマー結合剤により結合したものとして示される。読者は、特に別異の言及がない限り、ここにて本出願を特定の数の層に限定する何らの意図もないことを理解すべきである。
【0012】
立体リソグラフィ装置500は、セラミック物品45を作る1つの方法の説明を容易にするため簡略化して図示されている。1つの形態において、層(例えば、50〜53)の形成には、エネルギ照射量を受ける前に光重合性セラミック充填樹脂の層の各々を平坦にするため平坦化技術が利用される。本出願は樹脂を平坦にするため以下の技術を考える:超音波処理、時間遅延及び/又はワイパブレード等の機械支援清掃である。しかしながら、本出願は、エネルギ照射量を受ける前に各々の層を平坦にする特別な技術を利用しない実施の形態も考える。第1の軸、第2の軸及び第3の軸を含む三次元座標系を、作製される物品のための基準として利用する。1つの形態において、三次元座標系はデカルト座標系である。より好ましくは、デカルト座標系は、作製される物品の基準として利用され立体リソグラフィ装置の軸と対応するX、Y及びZ軸を含む。しかしながら、非限定的に極、円筒、球座標を含む他の三次元座標系もここにて考えられる。本書は一般に本発明をデカルト座標系の点から説明するが、本発明が他の三次元座標系にも等しく適用できることは理解されよう。
【0013】
1つの形態において、立体リソグラフィ装置500は、流体/樹脂収納リザーバ501と、高さ変更部材502と、レーザー46とを含む。リザーバ501には、それから物品45を作製するある量の光重合性セラミック充填樹脂が充填される。物品45は、立体リソグラフィ装置500にて、組立方向と呼ばれる軸Zの方向に積層されて作製されるものとして図示されている。物品45は軸Zから測定した組立配向角度にて組立てられる。図示の組立配向角度は零度である。しかしながら、他の組立配向角度も十分考えられるので、ここにて組立配向角度に関し何ら限定の意図はない。三次元座標系は組立配向角度と整列される。より具体的には、好ましい形態において、作製される物品の三次元座標系と、立体リソグラフィ装置の座標系とは同一の広がりをもつ。
【0014】
図2を参照すると、物品45の一部の拡大図が図示されている。物品45は該物品の一部を画成する複数の硬化層50、51、52を含む。本出願は、硬化の語は部分的に又は全体的に硬化した層を含むと考える。層は同一の又は異なった形状を有するものとして考えられ、中実でもまたは空隙又は穴を包含してもよく、設計パラメータにより要求されるとおり同一又は異なった厚さを有してもよい。1つの形態において、硬化層は約0.00254cm(約0.001インチ)から約0.02032cm(約0.008インチ)の範囲内の厚さを有する。他の形態において、これらの層の各々は約0.00508cm(約0.002インチ)の厚さを有する。しかしながら、他の硬化層厚さもここにて考えられる。
【0015】
図3を参照すると、層53の一部の純粋に例示的な平面図が明らかにされている。層53は立体リソグラフィ装置500で形成したある層の一部を表し、該装置では、エネルギ照射量を受ける前に光重合性セラミック充填樹脂を平坦にするため軸Yの方向に移動するワイパブレードを利用した。ワイパブレードは光重合性セラミック充填材料と相互に作用し、その均質性に少なくとも2つの次元にて影響を与える。発明者は、後の焼結工程と関連づけられた物品の収縮は3つの方向、例えばX、Y及びZ方向にて異方性であることを発見した。異方性収縮は、等方性収縮が焼結物品を所定の幾何公差内に維持するのに十分でないときに起こると考えることができる。X、Y及びZ軸に関連した異方性収縮の考察において、Z軸は組立方向を表し、Y軸はワイパブレードの移動方向を表す。発明者はZ方向(組立方向)における収縮がX及びY方向におけるより大きいことを観測した。収縮を評価する時に考慮すべき要素は、光重合性樹脂中の固体配合量、樹脂の処方、組立型式及び配向、並びに物品の焼結の仕方である。
【0016】
図4を参照すると、1つの実施の形態の収縮測定試験模型300が図示されている。1つの形態において、収縮測定試験模型300は立体模型として造られ、その後STLファイルとして生成される。1つの形態において、物品は後部隅がデカルト座標系X、Y、Zの原点を表すように配向される。STLの垂直方向はZ軸と整列され、2つの側部301及び302はそれぞれX及びY軸と整列される。物品はその後立体リソグラフィ装置において物品のデカルト座標系が立体リソグラフィ装置の座標系と整列されて組立てられる。本発明は任意の適当なファイル形式及び/又はハードウェアと共に利用できる。
【0017】
生の状態の収縮測定試験模型300はその後物品の寸法を定量化するため包括的な検査に付される。検査時に取得される測定値は、非限定的にカリパス及び/又は座標測定機械等の公知の機材で得ることができる。1つの形態において、収縮測定試験模型はすべての検査寸法がX、Y及び/又はZ軸に沿って並ぶように設計されている。物品はその後感光性ポリマーを焼き取りセラミック材料を焼結するため焼成工程に付される。焼結後の物品の寸法を定量化するため包括的な検査が繰り返される。
【0018】
焼成後の包括的な検査で測定された値は、その後生の状態の物品の検査値と比較される。1つの形態において、比較は生の状態の物品の測定値に対し焼成された物品の測定値をプロットすることにより行われる。一次方程式を得るため最小二乗解析がなされる。その結果として生じる方程式の勾配はX、Y及びZ方向/寸法の各々の収縮率である。X、Y及びZ方向/寸法の各々の収縮率は、STLファイル又は立体模型の1つに適用されて座標系のそれぞれの方向の寸法を拡大する。この処理は、物品の異方性収縮を償うためSTLファイル又は立体模型の1つを座標系の各方向において修正する。1つの非限定的な例において、収縮を償う収縮率は、約5.08cm(約2インチ)の長さを有する物品に関し、X、Y、Z方向にそれぞれ118%、115%及び120%である。本出願は、多様な収縮率を考え、特に別異の言及がない限り、これらの率に何ら限定されるものではない。
【0019】
本発明を適用することにより、物品の設計パラメータと実質的に一致する焼結セラミック物品の生産が可能となる。1つの形態では、設計パラメータに対する焼結セラミック物品の寸法精度は0.0%から1.5%の範囲内、また他の形態では寸法精度は0.0%から0.5%の範囲内である。さらに、本発明はほぼ網目形状(netshape)又は網目形状に焼結セラミック物品を形成するのにも適用できる。加えて、他の寸法精度の度合いもここにて考えられる。
【0020】
代替の形態において、収縮測定試験模型の収縮率を計算するのに利用される比較は、焼成された試験模型の検査値と立体模型の寸法設計値との間でなされる。上述の処理をその後続けて、X、Y及びZ寸法/方向についての収縮率を見出す。
【0021】
図5を参照すると、立体リソグラフィ装置内での物品45の造り方を決定する組立ファイル1005を造るシステムの1つの非限定的な実施の形態が図示されている。この製法は組立フィアルを生産するのに利用できる技術の代表例であるが、本出願は、特に別異の陳述がない限り、図5の1つの実施の形態に限定されることを意図しない。工程1000にて、物品設計の仕様を規定するため、物品のパラメータを規定するデータが集められ処理される。工程1000のデータは、例えばコンピュータ模型製作システムを使用して物品模型を構成するため工程1001にて利用される。1つの実施の形態において、コンピュータ模型製作システムは、非限定的に立体模型等の電子的模型を造る。しかしながら、他の模型製作システムもここにて考えられる。工程1001の物品模型はその後、異方性収縮を考慮に入れた物品の模型を造るため、修正物品模型工程1002にて処理される。本出願は物品模型の修正の点から製法を考察するが、同種の修正は修正物品ファイルを造るためSTL/STCファイルにも適用できることは理解されよう。修正物品工程1002は、X収縮率、Y収縮率及びZ収縮率を利用する。これらの収縮率はそれぞれの基本寸法を修正寸法に増加させるため使用される。X、Y及びZ収縮率は、それらが立体リソグラフィ装置の座標系に対応するよう適用される。
【0022】
1つの形態において、変換工程1003は、工程1002にて生産された修正物品模型をSTL又はSLC等のファイル形式に変換するため利用される。次に、工程1003のファイルは、物品の層及び要求されるすべての支持体を描くのにふさわしい分離した二次元的薄片を造るため、工程1004にて処理される。工程1005にて組立ファイルは完成し、該ファイルは、立体リソグラフィ装置のエネルギ現を駆動し生のセラミック物品を生産するため利用される。
【0023】
1つの形態において、セラミック充填樹脂は焼結性セラミック材料と、光硬化性モノマーと、光開始剤と、分散剤とを備える。セラミック充填樹脂は、生のセラミック物品を生産するため立体リソグラフィ法で使用されるのに適合されている。1つの形態において、充填樹脂は、毎秒約.4の剪断速度で約300センチポアズから約3,500センチポアズの範囲内の粘度を有する充填樹脂を提供するよう成分を混合することにより調製される。他の形態において、充填樹脂は毎秒約.4の剪断速度で約2,500センチポアズの粘度を有する。しかしながら、本出願は他の粘度値を有する充填樹脂も考える。
【0024】
樹脂内のセラミック材料の配合量は容積で35%から65%の範囲内で考えられる。樹脂内のセラミック配合量の他の形態は、容積で約50.3%であることが考えられる。1つの好ましい樹脂において、セラミック配合量は樹脂内のセラミック材料の重量パーセントと実質的に等しい容積パーセントのセラミック材料を有する。しかしながら、他のセラミック配合量を有する樹脂もここにて十分に考えられる。より具体的には、樹脂中のセラミック材料の容積パーセントは樹脂中のセラミック材料の重量パーセントと等しくてもよく、又は樹脂中のセラミック材料の容積パーセントは樹脂中のセラミック材料の重量パーセントと等しくなくてもよい、と本出願は考える。焼結性セラミック材料は多様なセラミック材料から選択することができる。具体例には、非限定的にアルミナ、イットリア、マグネシア、窒化珪素、シリカ及びそれらの混合物が含まれる。
【0025】
1つの例において、アルミナは焼結性セラミック材料として選択される。アルミナは、焼結に適した平均粒度を有する乾燥粉末として提供され、所望の特性を有する物品を提供することができる。1つの形態において、粉末アルミナは0.1ミクロンから5.0ミクロンの範囲内の平均粒度を有する。他の形態において、粉末アルミナは0.5ミクロンから1.0ミクロンの範囲内の平均粒度を有するよう選択される。しかしながら、アルミナ材料に関し他の粒度もここにて考えられる。
【0026】
モノマーは、光開始剤の存在下に照射されると重合を誘導され得る任意の適当なモノマーから選択される。モノマーの例にはアクリレートエステル及び置換アクリレートエステルが含まれる。2つ以上のモノマーの組合せを使用してもよい。好ましくは、モノマーの少なくとも1つは多官能性モノマーである。多官能性モノマーによりモノマーが、成長するポリマー鎖と結合部を形成できる官能部分を2つより多く含むことが理解される。本発明と共に使用できるモノマーの具体例には、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)及び2−フェノキシエチルアクリレート(POEA)が含まれる。1つの形態において、光硬化性モノマーは、充填樹脂の全重量に対し約10wt%から約40wt%、他の形態では約10wt%から約35wt%、さらに他の形態では約20wt%から35wt%の間の量で存在する。しかしながら、本出願は他のモノマー量も考える。
【0027】
分散剤は、充填樹脂中にアルミナの実質的に均一なコロイド懸濁系を維持するのに適した量で提供される。分散剤は多様な公知の界面活性剤から選択できる。ここにて考えられる分散剤は、非限定的にアンモニウム塩、より好ましくはテトラアルキルアンモニウム塩を含む。本発明で使用される分散剤の具体例には、非限定的にポリオキシプロピレンジエチル−2−ヒドロキシエチル酢酸アンモニウム及び塩化アンモニウムが含まれる。1つの形態において、分散剤の量は充填樹脂内のセラミックの全重量に対し約1.0wt%及び約10wt%の間である。しかしながら、本出願は他の分散剤の量も考える。
【0028】
開始剤は当該技術分野の専門家に公知と思われるいくつかの市販の光開始剤から選択される。開始剤は、照射された時に所望のモノマーの重合を誘導するのに適するように選択される。光開始剤の選択は概して、重合を誘導するのに使用される放射線の波長により決められる。ここにて考えられる光開始剤には、非限定的にベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルチオキサントン、2−メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン及びそれらの混合物が含まれる。光開始剤は、充填樹脂が適当な波長の放射線で照射された時にモノマーを重合するのに十分な量で追加される。1つの形態において、光開始剤の量は充填樹脂内のモノマーの全重量に対し約0.05wt%及び約5wt%の間である。しかしながら、他の光開始剤の量もここにて考えられる。
【0029】
セラミック充填樹脂の代替の形態において、ある量の非反応性希釈剤がある量のモノマーの代わりに用いられる。1つの形態において、代用非反応性希釈剤の量は樹脂中のモノマーの約5%及び約20%(重量で)の間に等しい。しかしながら、本出願は他の非反応性希釈剤の量もここにて考慮されると考える。一定のセラミック樹脂組成物の例では100グラムのモノマーが要求され、該モノマーは代替の形態において約5〜20wt%が非反応性希釈剤で置き換えられる(すなわち、95〜80グラムのモノマー+5〜20グラムの非反応性希釈剤)。非反応性希釈剤には、非限定的に二塩基エステル又はデカヒドロナフタレンが含まれる。二塩基エステルの例にはジメチルスクシネート、ジメチルグルタラート及びジメチルアジパートが含まれ、これらは純粋な形態又は混合物として入手できる。
【0030】
充填樹脂は、モノマー、分散剤及び焼結性セラミックを組み合わせて均質の混合物を形成することにより調製される。追加の順序は概して本発明に臨界的でないが、モノマーと分散剤とを最初に組み合わせ、その後焼結性セラミックを追加する。1つの形態において、焼結性セラミック材料はモノマー/分散剤の組合せに約5から約20容積%ずつ追加する。各々のセラミック材料増分追加の間に、その結果として生じた混合物を任意の適した方法、例えばボールミル粉砕により約5から約120分完全に混ぜる。すべての焼結性セラミック材料を追加したときは、その結果として生じた混合物をさらに10時間以上混ぜる。光開始剤を追加し混合物中に混ぜ合わせる。
【0031】
表Iを参照すると、アルミナ充填樹脂の1つの例が明らかにされている。しかしながら、本出願は、特に別異の陳述がない限り、下記の特定の組成物に限定することを意図しない。
重量/g 容積 重量% 容積%
cc
アルミナ 1980 500 78.2 48.0
モノマー 510 500 20.1 48.0
分散剤 39.6 38.8 1.56 3.73
光開始剤 2.55 2.32 0.101 0.223
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
合計 2532 1041 100% 100%
【0032】
1つの形態において、生のセラミック物品は1100゜Cから1700゜Cの範囲内の温度で焼結される。本発明は他の焼結パラメータも考える。さらに、本発明は、非限定的に理論密度の約60%を含む様々な理論密度に焼結することを考える。焼結された材料の密度は好ましくは理論密度の60%より大きく、理論密度の約94%以上の密度がより好ましい。しかしながら、本発明は他の密度も考える。
【0033】
本出願は、光重合性セラミック充填樹脂から作製される物品の基準として三次元座標系を利用することを考える。上述のように、本発明者は、後の焼結工程での物品の収縮が3つの方向にて異方性であることを発見した。従って、本発明の1つの形態において、3つのすべての方向における物品寸法のそれぞれの収縮を考慮に入れるため、3つの等しくない倍率を利用する。本発明の他の形態においては、3つのすべての方向における物品寸法のそれぞれの収縮を償うため2つだけの等しくない倍率を利用する。すなわち、3つの方向の2つにおける寸法は同一の値を有する倍率により調整される。
【0034】
図面及び先述の説明で本発明を詳細に図示し説明したが、これらは例示的かつ非限定の性質のものとして考慮されるべきであり、好ましい実施の形態が図示され説明されただけであり、本発明の範囲内に入るすべての変更例及び改変例が保護されることが望まれることは理解されよう。上述の説明における、好ましい、好ましくは、又は好まれるの語の使用は、そのように説明された特徴はより望ましいとしても、必要でないこともあり、同上の特徴を欠く実施の形態も特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内のものとして考えられ得ることは理解されるべきである。特許請求の範囲を読む際に、”ある”、”一の”、”少なくとも1つの”、”少なくとも一部”等の語が使用される時は、特許請求の範囲において特に別異の陳述がない限り、特許請求の範囲を1つだけの物品に限定する何らの意図もないことが意図されている。さらに、”少なくとも一部”及び/又は”一部”の言語が使用される時は、物品は、特に別異の陳述がない限り、一部及び/又は全体の物品を含み得るものである。
【符号の説明】
【0035】
45・・・・・・物品
46・・・・・・レーザー
50・・・・・・層
51・・・・・・層
52・・・・・・層
53・・・・・・層
300・・・・・収縮測定試験模型
301・・・・・側部
302・・・・・側部
500・・・・・立体リソグラフィ装置
501・・・・・リザーバ
502・・・・・高さ変更部材
X・・・・・・・軸
Y・・・・・・・軸
Z・・・・・・・軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
三次元座標系に関連して物品をその寸法を含めて表示する工程にして、該物品はセラミック粒子を含む光重合性材料から立体リソグラフィ装置において生のセラミック物品として形成されるよう適合された、工程と、
該生のセラミック物品を焼結した時の、該座標系の軸と関連した該生のセラミック物品の異方性収縮を補償するため、少なくとも2つの等しくない倍率(scalingfactor)を該寸法に適用する工程と、
前記適用する工程の後、該立体リソグラフィ装置において該生のセラミック物品を組立てる工程と、
該寸法と実質的に一致する焼結セラミック物品を形成するため該生のセラミック物品を加熱する工程とを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記適用する倍率はすべてが等しくない、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記組立てる工程は該光重合性材料からなる複数の層を形成する工程を含み、
前記方法は、該光重合性材料からなる該複数の層の少なくとも1つを、該光重合性材料からなる該複数の層の次の層を形成する前に、平坦にする工程をさらに含み、かつ、
前記方法は、該光重合性材料からなる該複数の層の該次の層を形成する前に、該光重合性材料からなる該複数の層の該少なくとも1つの層を所定のエネルギ照射量(adose of energy)で暴露する工程をさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記平坦にする工程は、該光重合性材料からなる該複数の層の該少なくとも1つの層の表面を機械的に拭う工程を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、前記機械的に拭う工程は該セラミック粒子の均質性を少なくとも2つの次元にて変化させる、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法において、前記平坦にする工程は該光重合性材料からなる該複数の層の各々を平坦にする工程を含み、
前記方法は該光重合性材料からなる該複数の層の各々を所定のエネルギ照射量で暴露する工程をさらに含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、該立体リソグラフィ装置は、該三次元座標系と同一の広がりをもつ機械三次元座標系を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、該焼結セラミック物品はほぼ網目形状(netshape)である、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、該焼結セラミック物品は網目形状である、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、該焼結セラミック物品は該寸法との寸法精度が約1.5%以内である、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、該焼結セラミック物品は該寸法との寸法精度が約0.5%以内である、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、前記加熱する工程は、該生のセラミック物品中のポリマーを焼き取る工程を含む、方法。
【請求項13】
請求項2に記載の方法において、該三次元座標系は、X軸に対応する第1の軸と、Y軸に対応する第2の軸と、Z軸に対応する第3の軸を含むデカルト座標系であり、
該立体リソグラフィ装置は該三次元座標系と同一の広がりをもつ機械三次元座標系を含み、
前記方法は該Z軸に対応する組立方向を選択する工程をさらに含み、
前記組立てる工程は該光重合性材料から複数の層を該組立方向にて形成する工程を含み、
前記方法は、該光重合性材料からなる該複数の層の各々の上面を、所定のエネルギ照射量で暴露する前に、他の軸の1つの方向に拭う工程をさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、該光重合性材料は容積で35%から65%の範囲内のセラミック粒子を含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、前記表示する工程は、電子データ、デジタルデータ、仮想データ、コンピュータファイル、立体模型製作、コンピュータ模型製作、コンピュータ支援製造のいずれかと関連づけられる、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法において、前記加熱する工程は約1100゜Cから1700゜Cの範囲内の温度まで加熱する、方法。
【請求項17】
方法であって、
物品のデータ表示を準備する工程と、
セラミック粒子を含む光重合性材料から立体リソグラフィ装置において該物品を組立てる組立配向を選択する工程にして、該立体リソグラフィ装置は第1の軸、第2の軸及び第3の軸を備えた三次元座標系を含む、工程と、
該第1の軸に沿って該物品の寸法を増加させるため第1の膨張率を、該第2の軸に沿って該物品の寸法を増加させるため第2の膨張率を、かつ該第3の軸に沿って該物品の寸法を増加させるため第3の膨張率を適用することにより修正データ表示を形成するため該物品の該データ表示を修正する工程にして、前記膨張率は等しくない、工程と、
該光重合性材料へのエネルギの供給を制御することにより該修正データ表示に一致する生の状態のセラミック物品を形成する工程とを備える、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記形成する工程は該光重合性材料から複数の層を組立てる工程を含み、かつ該光重合性材料はモノマー及び光開始剤を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、該光重合性材料からなる該複数の層の各々を平坦にする工程をさらに含み、かつ前記形成する工程は該光重合性材料からなる該複数の層の各々を所定のエネルギ照射量で暴露する工程を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記形成する工程にて該物品は該第3の軸の方向に組立てられ、前記平坦にする工程は該光重合性材料からなる該複数の層の各々の表面をワイパブレードで機械的に拭う工程を含む、方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法において、該修正データ表示は、電子データファイル、デジタルデータファイル、仮想データファイル、コンピュータファイル、コンピュータ支援製造ファイル、及びコンピュータ支援設計ファイルの1つであり、該データ表示は立体模型である、方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法において、前記形成する工程後に該生の状態のセラミック物品中のポリマーを焼き取る工程をさらに含み、かつ焼結セラミック物品を画成するため該生の状態のセラミック物品を焼結する工程をさらに含む、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、該焼結セラミック物品はほぼ網目形状である、方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法において、該焼結セラミック物品は網目形状である、方法。
【請求項25】
請求項22に記載の方法において、該物品の該データ表示と該焼結セラミック物品とを比較すると、寸法精度が約1.5%以内である、方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法において、該物品の該データ表示と該焼結セラミック物品とを比較すると、寸法精度が約0.5%以内である、方法。
【請求項27】
請求項17に記載の方法において、該座標系はデカルト座標系であり、該第1の軸はX軸に対応し、該第2の軸はY軸に対応し、該第3の軸はZ軸に対応し、
前記方法は該Z軸に対応する組立方向を選択する工程をさらに含み、
前記形成する工程は該光重合性材料から複数の層を該組立方向にて組立てる工程を含み、
前記方法は該光重合性材料からなる該複数の層の各々の上面を硬化前に拭う工程をさらに含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、該光重合性材料からなる該複数の層の各々を硬化させる工程をさらに含み、前記硬化は少なくとも部分的である、方法。
【請求項29】
請求項17に記載の方法において、該光重合性材料は容積で35%から65%の範囲内のセラミック配合量を有する、方法。
【請求項30】
方法であって、
立体リソグラフィ装置と関連づけられた三次元座標系を基準にして物品の原寸法を規定する工程にして、該座標系は第1の方向、第2の方向及び第3の方向を含む、工程と、
該第1の方向に関連して規定された該物品の該原寸法を増加させるため第1の率(factor)を適用する工程と、
該第2の方向に関連して規定された該物品の該原寸法を増加させるため第2の率を適用する工程と、
該第3の方向に関連して規定された該物品の該原寸法を増加させるため第3の率を適用する工程とを備え、ここで該率は互いに等しくなく、さらに、
セラミック粒子を含む光重合性樹脂から立体リソグラフィ法により生のセラミック物品を組立てる工程にして、前記組立てる工程は該生のセラミック物品の寸法を制御するため前記適用する工程による該増加された寸法を利用する、工程と、
焼結セラミック物品を形成するため該生のセラミック物品を焼結する工程とを備え、該焼結セラミック物品は該物品の該原寸法に実質的に対応する寸法を有する、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記規定する工程は電子形式で該原寸法を捕捉する工程を含む、方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法において、組立方向を前記適用する工程の前に選択する工程をさらに含む、方法。
【請求項33】
請求項30に記載の方法において、前記焼結する工程にて該焼結セラミック物品はほぼ網目形状を有する、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法において、前記焼結する工程にて該焼結セラミック物品は網目形状を有する、方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法において、該焼結セラミック物品は該寸法との寸法精度が約1.5%以内である、方法。
【請求項36】
請求項30に記載の方法において、該焼結セラミック物品は該寸法との寸法精度が約0.5%以内である、方法。
【請求項37】
請求項30に記載の方法において、前記組立てる工程は該光重合性樹脂から複数の層を形成する工程を含み、かつ該光重合性樹脂からなる該複数の層の各々は硬化される前に可動のワイパブレードによって機械的に平坦にされる、方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法において、該複数の各々は少なくとも部分的に硬化される、方法。
【請求項39】
請求項30に記載の方法において、該光重合性樹脂は容積で35%から65%の範囲内のセラミック配合量を有する、方法。
【請求項40】
請求項30に記載の方法において、該第3の方向に対応する組立方向を選択する工程をさらに含み、
前記組立てる工程は該光重合性樹脂から複数の層を形成する工程を含み、
前記方法は該光重合性樹脂からなる該複数の層の各々の外面を硬化前に拭う工程をさらに含み、
前記三次元座標系は該立体リソグラフィ装置の三次元座標により規定される、方法。
【請求項41】
方法であって、
三次元座標系の軸に関連した第1の基準データに関して物品を規定する工程にして、該第1の基準データは、第1の軸と共に配向された第1のX成分、第2の軸と共に配向された第1のY成分、及び第3の軸と共に配向された第1のZ成分を含む、工程と、
光硬化性セラミック充填樹脂から該第1の基準データに対応する生のセラミック試験物品を立体リソグラフィ装置において組立てる工程と、
該三次元座標系に関連して該試験物品を規定する第2の基準データを得るため該生のセラミック試験物品を測定する工程にして、該第2の基準データは、該第1の軸と共に配向された第2のX成分、該第2の軸と共に配向された第2のY成分、及び該第3の軸と共に配向された第2のZ成分を含む、工程と、
焼結セラミック試験物品を形成するため該生のセラミック試験物品を焼結する工程と、
該三次元座標系に関連して該焼結セラミック試験物品を規定する第3の基準データを得るため該焼結セラミック試験物品を測定する工程にして、該第3の基準データは、該第1の軸と共に配向された第3のX成分、該第2の軸と共に配向された第3のY成分、及び該第3の軸と共に配向された第3のZ成分を含む、工程と、
該第2の基準データ及び該第3の基準データを比較することにより収縮度を計算する工程にして、該収縮度はX成分収縮度、Y成分収縮度及びZ成分収縮度を含む、工程と、
該第1の基準データに該それぞれの収縮度を適用する工程にして、該X成分収縮度は該第1のX成分に適用され、該Y成分収縮度は該第1のY成分に適用され、該Z成分収縮度は該第1のZ成分に適用される、工程とを備える、方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、該三次元座標系は前記組立てる工程にて利用される立体リソグラフィ装置の座標系と同一の広がりをもつ、方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法において、前記組立てる工程は該光硬化性セラミック充填樹脂から複数の層を組立てる工程を含み、かつ前記光硬化性セラミック充填樹脂はモノマー及び光開始剤を含む、方法。
【請求項44】
請求43項に記載の方法において、前記組立てる工程は該光硬化性セラミック充填樹脂を所定のエネルギ照射量で暴露する工程を含み、
前記方法は、該光硬化性セラミック充填樹脂からなる該複数の層の各々を、該所定のエネルギ照射量で暴露する前に、平坦にする工程をさらに含む、方法。
【請求項45】
請求項43に記載の方法において、前記平坦にする工程は該光硬化性セラミック充填樹脂の表面をブレードで拭う工程を含む、方法。
【請求項46】
方法であって、
三次元座標系の軸に関連した第1の基準データに関して物品を規定する工程にして、該第1の基準データは第1のX成分、第1のY成分及び第1のZ成分を含む、工程と、
光硬化性セラミック配合樹脂から立体リソグラフィ法により該第1の基準データに対応する生のセラミック試験物品を立体リソグラフィ装置において組立てる工程と、
焼結セラミック物品を画成するため該生のセラミック試験物品を焼結する工程と、
該三次元座標系に関連して該焼結セラミック試験物品を規定する第2の基準データを得るため該焼結試験セラミック物品を測定する工程にして、該第2の基準データは第2のX成分、第2のY成分及び第2のZ成分を含む、工程と、
該第1の基準データ及び該第2の基準データを比較することにより収縮度を計算する工程にして、該収縮度はX成分収縮度、Y成分収縮度及びZ成分収縮度を含む、工程と、
該第1の基準データに該それぞれの収縮度を適用する工程にして、該X成分収縮度は該第1のX成分に適用され、該Y成分収縮度は該第1のY成分に適用され、該Z成分収縮度は該第1のZ成分に適用される、工程とを備える、方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法において、該座標系は該立体リソグラフィ装置の座標系と同一の広がりをもつ、方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法において、前記組立てる工程は該光硬化性セラミック充填樹脂から複数の層を組立てる工程を含み、かつ該光硬化性セラミック充填樹脂はモノマー及び光開始剤を含む、方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法において、前記組立てる工程は該光硬化性セラミック充填樹脂を所定のエネルギ照射量で暴露する工程を含み、
前記方法は該光硬化性セラミック充填樹脂からなる該複数の層の各々を、該所定のエネルギ照射量で暴露する前に、平坦にする工程をさらに含む、方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、前記平坦にする工程は該光硬化性セラミック充填樹脂の表面をブレードで拭う工程を含む、方法。
【請求項51】
方法であって、
光硬化性セラミック充填材料から立体リソグラフィ装置において組立てられる物品の表示を作成する工程にして、該表示は、第1、第2、第3の軸を有する三次元座標系に関連した基準データに関して該物品を規定する、工程と、
焼結した時の生のセラミック物品の異方性収縮を補償するため該基準データを調整する工程と、
前記調整する工程の後の該基準データを利用して該立体リソグラフィ装置において該生のセラミック物品を組立てる工程にして、該生のセラミック物品は該光硬化性セラミック充填材料から組立てられる、工程と、
該基準データと実質的に寸法が一致する焼結セラミック物品を画成するため該生のセラミック物品を焼結する工程とを含む、方法。
【請求項52】
請求項51に記載の方法において、前記組立てる工程は該光硬化性セラミック充填材料から複数の層を組立てる工程を含み、かつ該光硬化性セラミック充填材料はモノマー及び光開始剤を含み、
前記方法は該光硬化性セラミック充填材料からなる該複数の層の各々を次の層を形成する前に平坦にする工程をさらに含み、かつ前記組立てる工程は該光硬化性セラミック充填材料からなる該複数の層の各々を所定のエネルギ照射量で暴露する工程を含む、方法。
【請求項53】
請求項51に記載の方法において、該焼結セラミック物品は該基準データとの寸法精度が約1.5%以内である、方法。
【請求項54】
請求項51に記載の方法において、該焼結セラミック物品は該基準データとの寸法精度が約0.5%以内である、方法。
【請求項55】
請求項51に記載の方法において、該光硬化性セラミック充填材料は35%から65%の範囲内のセラミック配合量を有する、方法。
【請求項56】
セラミック製品であって、
少なくともほぼ網目形状を有する焼結セラミック体を備え、該セラミック体は、
三次元座標系に関連して該セラミック体をその寸法を含めて表示する工程にして、該セラミック体はセラミック粒子を含む光重合性材料から立体リソグラフィ装置において生のセラミック物品として形成されるよう適合された、工程と、
該生のセラミック体を焼結した時の、該座標系の軸と関連した該生のセラミック体の異方性収縮を補償するため、互いに等しくない倍率を該寸法に適用する工程と、
前記調整する工程の後に該立体リソグラフィ装置において該生のセラミック体を組立てる工程と、
該寸法と実質的に一致する焼結セラミック体を形成するため該生のセラミック体を加熱する工程とにより形成される、セラミック製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−56548(P2013−56548A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−219549(P2012−219549)
【出願日】平成24年10月1日(2012.10.1)
【分割の表示】特願2007−538019(P2007−538019)の分割
【原出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(501180458)ロールス−ロイス・コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】