説明

焼酎製造方法

【課題】新規でかつ効率的な焼酎製造法を提供する。
【解決手段】 焼酎の製造方法であって:(a)第1の糖質原料に酒母を添加し、第1の焼酎原料を得る工程;(b)添加した酒母を活性化する工程;(c)該第1の焼酎原料を発酵し第1の醪を得る工程;(d)該第1の醪に第2の糖質原料を添加し第2の焼酎原料を得る工程;および(e)該第2の発酵原料を発酵し第2の醪を得る工程を包含する。前記活性化する工程は、前記第1の焼酎原料に酸素を提供すること、振盪培養する、または通気攪拌することによって行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼酎の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、アルコール発酵、特に、焼酎製造において、酵母を活性化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼酎は、一次仕込み工程および二次仕込み工程を含む方法によって製造される。一次仕込み工程では、糖質原料に、別途調製した酒母を添加して酵母を増殖させるか、または別の一次仕込み工程における2〜3日経過後の醪を酒母としてわずかに添加して(これは、「差しもと」と呼ばれる)酵母を増殖させる。一次仕込み工程において、その都度別途調製した酒母を添加する焼酎製造メーカーもあれば、差しもとを複数回繰り返す焼酎製造メーカーもある。差しもとの回数はメーカーの経験に依存して決定されている。差しもとを繰り返すと、具体的には1回目の差しもとでは酵母の活性が上がるが、2回、3回と繰り返していく間に活性が低下し、4回以上の差しもとでは一次仕込みで酒母を添加した時の酵母の活性より低下することが分かった。また、酒母の調製(酒母立て)には、麹汁培地を調製し、約2日間フラン器内等で静置培養(1日に1〜2回手で軽く振盪するときもある。)することから時間を費やすので、最近では、一次仕込みもしくは二次仕込みに乾燥酵母を使用する焼酎製造メーカーもある。
【0003】
図1に、「差しもと」による焼酎製造プロセスの概略を示す。図1において、「一次3日目」は、一次仕込みの2日目から4日目のうちの醪の一部を、次の一次仕込み差しもととすることを意味している。また、「蒸原料」は、蒸煮した、麦、蕎麦、胡麻などの焼酎製造原料である。一般に、一次仕込み工程は約5日間、および二次仕込み工程は約10日間の間行われる。
【0004】
従来の焼酎製造プロセスからは、廃棄物として大量の焼酎粕が生成される。焼酎粕は、焼酎製造プロセスの二次仕込み工程終了後得られる醪を蒸留する工程で生じる蒸留廃液(煮粕、または焼酎蒸留残渣などとも呼ばれる)である。現在、南九州では焼酎粕は海洋投棄、特殊肥料、飼料、その他(焼却など)で処理もしくは利用されており、排出量の約20%が海洋投棄、40%強がその他であり、今後約60%に相当する焼酎粕どうして行くかが大きな問題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、酒母立てには時間を要するという課題がある。また、差しもとを繰り返す(具体的には4〜5回)と酵母の活性が低下し、二次仕込みにおいて雑菌が増殖する危険性が高まるという課題が存在する。一方、焼酎製造プロセスから排出される焼酎粕の削減が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するものであって、酒母を活性化する手段を提供することにより長期間に亘って差しもとを繰り返す方法が提供される。本発明の方法によれば、最初の一次仕込みにのみ酒母または乾燥酵母を一度加えるだけで、新たな酒母立ては不要となる。
【0007】
本発明は、焼酎の製造方法に関し、この方法は、(a)第1の糖質原料に酒母を添加し、第1の焼酎原料を得る工程;(b)添加した酒母を活性化する工程;(c)該第1の焼酎原料を発酵し第1の醪を得る工程;(d)該第1の醪に第2の糖質原料を添加し第2の焼酎原料を得る工程;および(e)該第2の発酵原料を発酵し第2の醪を得る工程を包含する。
【0008】
好ましくは、前記活性化する工程は、前記第1の焼酎原料に酸素を提供することによって行われる。
【0009】
好ましくは、前記活性化する工程は、前記第1の焼酎原料を振盪培養することによって行われる。
【0010】
好ましくは、前記活性化する工程は、前記第1の焼酎原料を通気攪拌することによって行われる。
【0011】
好ましくは、前記活性化する工程は、少なくとも9時間行われる。
【0012】
本発明はまた、焼酎の製造方法に関し、この方法は、(a)第1の糖質原料に酒母を添加し第1の焼酎原料を得る工程;(b)添加した酒母を活性化する工程;(c)該第1の焼酎原料を発酵し第1の醪を得る工程;(d)該第1の醪に第2の糖質原料を添加し第2の焼酎原料を得る工程;および(e)該第2の発酵原料を発酵し第2の醪を得る工程;(f)該第2の醪を蒸留し焼酎粕を得る工程;および(g)得られた焼酎粕または焼酎粕を固液分離した上澄液を第3の糖質原料に添加し、第3の焼酎原料を得る工程を包含する。
【0013】
上記方法において、前記工程(a)における酒母は活性化された酵母であり得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明の方法によれば、最初の一次仕込みにおいてのみ酒母または乾燥酵母を添加し、酵母の活性を高い状態に維持するので、長期間に亘って差しもとを繰り返すことが可能となり、二次仕込みを行っても雑菌の増殖がなく、酒質の優れた焼酎を製造することができる。さらに、二次仕込み後の最終醪を蒸留して排出される焼酎粕(蒸留廃液)が雑菌により汚染されていないので、この焼酎粕を用いてさらに焼酎を製造しても(返し仕込み法)、通常の方法で製造された焼酎と酒質に遜色のない焼酎を製造することができる。従って、焼酎製造において、一次仕込み毎に酒母または乾燥酵母を添加する必要がなく、さらに焼酎粕を有効利用することにより、焼酎製造プロセスから生じる廃棄物としての焼酎粕の量は大幅に減少される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、焼酎の製造方法に関し、この方法は、(a)第1の糖質原料に酒母を添加し、第1の焼酎原料を得る工程;(b)添加した酒母を活性化する工程;(c)該第1の焼酎原料を発酵し第1の醪を得る工程;(d)該第1の醪に第2の糖質原料を添加し第2の焼酎原料を得る工程;および(e)該第2の発酵原料を発酵し第2の醪を得る工程を包含する。
【0016】
本明細書で用いる用語「糖質原料」は、一般に、最終的にSaccharomyces cerevisiaeを含む酵母によってアルコールに変換される材料をいい、単糖、オリゴ糖および多糖を含む材料が挙げられる。代表的には、蒸煮した、米、芋、麦、胡麻などのデンプン質材料、それらの加水分解物(代表的には麹菌の産生する糖化酵素によって加水分解されて得られ、その後アルコールに変換される材料)、およびそれらの混合物をいうが、これらに制限されるわけではない。
【0017】
本発明の方法で用いられる代表的な糖質原料は、麹と、蒸煮米または蒸煮芋または蒸煮麦または蒸煮胡麻との混合物である。本明細書で用いる用語「酒母」は、醸造学の分野で慣用的に用いられている意味で用いられ、アルコールを含む製品を醸造するために糖質原料に添加される、酵母の培養物をいう。「酒母」は、麹汁培地、すなわち炭素源、窒素源および塩類を含む培養培地で酵母を培養して得られる。本明細書で用いられる用語「焼酎原料」は、酒母が添加された糖質原料をいい、発酵および蒸留によって焼酎になる材料をいう。
【0018】
本明細書で用いられる用語「活性化された酒母」は、上記工程(b)で得られ、代表的にはワールブルグ定容検圧法を用いた発生CO速度で評価され、通常約15μl/分以上、好ましくは約17μl/分以上、より好ましくは約20μl/分以上の発生CO速度を有する酒母をいう。「活性化された酒母」はまた、酵母菌体中に含まれるトレハロース含量によっても評価され得る。「活性化された酒母」は、通常約110μg/mg乾燥菌体以上、好ましくは約140μg/mg乾燥菌体以上、好ましくは約150μg/mg乾燥菌体以上のトレハロースを含む。
【0019】
この「活性化された酒母」は、前記酒母が添加された焼酎原料に酸素を提供すること、これを振盪培養すること、またはこれに通気撹拌することよって得られる。
【0020】
好ましくは、前記酒母が添加された焼酎原料に酸素を提供すること、これを振盪培養すること、またはこれに通気撹拌することは、差しもと3時間後から少なくとも3時間、好ましくは少なくとも6時間、より好ましくは少なくとも9時間の間行われる。
【0021】
本発明はまた、焼酎の製造方法に関し、この方法は、(a)第1の糖質原料に酒母を添加し第1の焼酎原料を得る工程;(b)添加した酒母を活性化する工程;(c)該第1の焼酎原料を発酵し第1の醪を得る工程;(d)該第1の醪に第2の糖質原料を添加し第2の焼酎原料を得る工程;および(e)該第2の発酵原料を発酵し第2の醪を得る工程;(f)該第2の醪を蒸留し焼酎粕を得る工程;および(g)得られた焼酎粕または焼酎粕を固液分離した上澄液を第3の糖質原料に添加し、第3の焼酎原料を得る工程を包含する。
【0022】
上記工程(f)は、従来法により実施されるので特に説明しない。上記工程(g)は、上記工程(a)における酒母の代わりに焼酎粕または焼酎粕を固液分離した上澄液を用いることだけが異なり、上記工程(a)について本願明細書に記載の手順および当業者に周知の手順に従って実施され得る。
【実施例1】
【0023】
振盪培養による酒母の活性化
糖質原料として米麹を用い、実験質規模(500ml容量の三角フラスコ)で以下の手順により焼酎を製造した。
1.酒母の調製
三角フラスコに100mlの麹汁培地(米麹200gと水道水700mlを混合し、60℃で12−16時間インキュベート後、濾過した濾液を水道水で糖濃度10%に希釈した液)および焼酎酵母(Saccharomyces cerevisiae S20株)1白金耳を入れ、25℃で2日間静置培養して酒母を得た。
2.酒母の活性化
2.1.差しもとによる焼酎製造(対照)
得られた酒母(酵母数として3.75×10細胞)を、179g米麹および212mlの水道水を混合した液に添加し(第1の焼酎原料)、25℃で静置培養した。培養3日目に、酵母数3.75×10細胞に相当する量の一次醪を引き抜き、179gの米麹および212mlの水道水を混合した液に添加した(差しもと1回目)。残りの一次醪は、さらに2日間25℃で静置培養し、培養液を537gの米を蒸したものと966mlの水道水を混合した液に添加し(第2の焼酎原料)、25℃10日間静置培養し、二次醪を得た。
【0024】
上記差しもと1回目の一次醪を、25℃で静置培養し、上記同様、培養3日目に、酵母数3.75×10細胞に相当する量の一次醪を引き抜き、これを179gの米麹および212mlの水道水を混合した液に添加した(差しもと2回目)。残りの一次醪は、さらに2日間25℃で静置培養し、培養液を537gの米を蒸したものと966mlの水道水を混合した液に添加し、25℃10日間静置培養し、二次醪を得た。
【0025】
次に、上記差しもと2回目の一次醪を、25℃で静置培養し、上記同様、培養3日目に、酵母数3.75×10細胞に相当する量の一次醪を引き抜き、これを179gの米麹および212mlの水道水を混合した液に添加した(差しもと3回目)。残りの一次醪は、さらに2日間25℃で静置培養し、培養液を537gの米を蒸したものと966mlの水道水を混合した液に添加し、25℃10日間静置培養し、二次醪を得た。
【0026】
以後、同様の操作を繰り返した。
【0027】
2.2.酒母の活性化による焼酎製造
上記差しもとをともなう焼酎製造において、差しもとを行う毎に、および4回の差しもとに1度、差しもと直後から、一次醪の入った三角フラスコを、170rpm、25℃で10時間振盪培養して酒母(酵母菌体)を活性化した後、約5日間静置培養を行い、二次醪を得るために用いた。酵母菌体の活性化は、この静置培養期間の間の発生COガス速度で評価した。
【0028】
図2は、各差しもとにおける培養2日目の発生COガス速度の測定結果を示す。図2において、白菱形は振盪培養を行わない従来法による結果を、四角は4回の差しもとに1度振盪培養を行ったときの結果を、そして黒菱形は差しもと毎に振盪培養を行ったときの結果を示す。
【0029】
図2に示されるように、発生COガス速度は、差しもと1回目に最大となるが、振盪培養を行わないと、差しもとの回数を重ねるごとに発生COガス速度は徐々に低下し、差しもと4回目で発生COガス速度は約2/3になった。これに対し、振盪培養を行うと、酵母菌体活性は、ほぼ元のレベルまで回復した。
【0030】
2.3.製品評価
得られた二次醪を定法に従って製品(アルコール25%)を得、低沸点香気成分および中高沸点香気成分を定法(ガスクロマトグラフィー)に従って測定した。図3および図4に差しもとを12回および16回行って得られた製品についての測定結果を示す。
【0031】
図3および図4に示されるように、活性化酒母を用いて製造されたいずれの製品にも、それぞれ焼酎の香気成分として欠かせない、低沸点香気成分として酢酸イソアミルおよび中高沸点香気成分として酢酸β−フェネチルが多量に安定して含まれていた。
【0032】
2.4.活性化された酒母の評価
図5に、差しもと4回目の一次醪中の酵母菌体数、および差しもと5回目の一次醪の発生COガス速度(図5の左下)および酵母菌体中のトレハロース含量(図5の右下)の経時変化を示す。なお、発生COガス速度はワールブルグ定容検圧法により、そしてトレハロース含量は液体クロマトグラフィーにより測定した。
【0033】
図5に示されるように、酒母中の酵母菌体数、発生COガス速度および菌体トレハロース含量とも、振盪培養して活性化した酒母を用いて得た一次醪(菱形)において、振盪を行わなかった酒母を用いて得た一次醪(四角)より高く、振盪培養によって、酒母中の酵母菌体数が増加し、発生COガス速度およびハレハロース含量が増加することが示された。すなわち、酵母菌体数は、振盪培養した一次醪では培養6時間で10/mlに達するのに対し、振盪培養しないと10/mlに達するのに9時間を要した。発生COガス速度は、培養時間に亘って、振盪培養した一次醪では、振盪培養をしなかった一次醪の約1.3倍であった。トレハロース含量は、培養9時間までは減少してその後増加し、培養24時間目で、振盪培養した一次醪中の酵母は、振盪培養をしなかった一次醪中の酵母の約2倍のトレハロースを含む。なお、図5の左下および右下のグラフにおいて、横軸は培養時間を差しもと直後の時間を0時間として示し、そして横軸の下に示される矢印は振盪培養を行った時間を示している。
【0034】
図6は、発生CO速度と菌体中のトレハロース含量との相関関係を示す図である。各差しもとにおいて、一次仕込みおよび二次仕込み期間中で、最も高いトレハロース含量と最も高い発生CO速度をプロットしたものである。横軸は発生CO速度を、そして縦軸はトレロース含量をそれぞれ示す。図中のシンボルは以下の通りである。×:従来法、菱形:差しもと1〜3回目、三角:差しもと4〜7回目、+:差しもと8回目。図6に示されるように、菌体中のトレハロース含量と、発生CO速度はよく相関していた。
【実施例2】
【0035】
通気撹拌による酒母の活性化
ベンチプラントスケールで差しもとによる焼酎製造を行った。仕込み配合は、麹歩合33%、一次汲水歩合130%、および総汲水歩合160%とした。具体例を表1に示す。
【0036】
【表1】

図7に、ベンチプラントスケールで用いた装置の一部の写真を示す。一次仕込み槽の容量は41l、および二次仕込み槽の容量は127lである。
【0037】
図8に、酒母の活性化に用いた通気撹拌装置の写真を示す。撹拌機は直径10cmで6枚羽を有しているものを用いた。通気は市販のボールフィルターを用いて行った。
【0038】
酒母の活性化に図8に示す通気撹拌装置を用いたことを除いて、実施例1と同様の条件で差しもとを繰り返して焼酎製造を行った。なお、通気撹拌は、回転数400rpm、通気量0.1vvmの条件で、差しもと直後から9時間行い、発生CO速度およびトレハロース含量を経時的に測定した。図9に、差しもと5回目の一次醪について、発生CO速度(菌体活性)およびトレハロース含量を測定した結果を示す。図9に示されるように、通気撹拌3時間後からトレハロース含量が急激に増加し、通気撹拌を9時間行った一次醪ではトレハロース含量は、60.8μg/mg乾燥菌体に達した。なお、測定は、所定時間にサンプリングした試料(200ml)を一晩静置培養した後のサンプルについて、発生CO速度およびトレハロース含量を測定した。
【0039】
表2は、通気撹拌開始後3〜6時間、3〜9時間および6〜9時間における、一次醪中の酵母菌体の活性を評価したものである。通気撹拌開始後3〜9時間の一次醪における発生CO速度(菌体活性)およびトレハロース含量が、それぞれ、23.2μl/分および60.8μg/mg乾燥菌体と最も高く、差しもとから9時間の通気撹拌が酵母菌体の活性化に有効であることが示された。
【0040】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、食品産業、醸造工業(特に焼酎製造)などに適用可能である。本発明を適用することにより、焼酎粕の量が大幅に減少することができるので、産業廃棄物の処理分野に適用可能である。また、本発明の方法により生成される焼酎粕は、雑菌に汚染されていないことから、食品素材として有効利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】差しもとによる焼酎製造プロセスの概略図。
【図2】本発明の方法による、差しもとを繰り返したときの酒母の活性化を示す図。
【図3】本発明の方法によって製造された焼酎の低沸点香気成分の分析値を示す図。
【図4】本発明の方法によって製造された焼酎の中高沸点香気成分の分析値を示す図。
【図5】本発明の方法によって活性化された酵母の菌数、発生COガス速度、およびトレハロース含量を示す図。
【図6】本発明の方法によって活性化された酵母における、発生COガス速度とトレハロース含量との相関関係を示す図。
【図7】ベンチプラントスケールで用いた装置の一部の写真。
【図8】酒母の活性化に用いた通気撹拌装置の写真。
【図9】本発明の方法による酵母の活性化の経時変化を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼酎の製造方法であって:
(a)第1の糖質原料に酒母を添加し、第1の焼酎原料を得る工程;
(b)添加した酒母を活性化する工程;
(c)該第1の焼酎原料を発酵し第1の醪を得る工程;
(d)該第1の醪に第2の糖質原料を添加し第2の焼酎原料を得る工程;および
(e)該第2の発酵原料を発酵し第2の醪を得る工程、を包含する、方法。
【請求項2】
前記活性化する工程が、前記第1の焼酎原料に酸素を提供することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性化する工程が、前記第1の焼酎原料を振盪培養することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記活性化する工程が、前記第1の焼酎原料を通気攪拌することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記活性化する工程が、少なくとも9時間行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記活性化する工程が、差しもと直後から少なくとも9時間酸素供給、振盪、もしくは通気攪拌することにより行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化する工程が、差しもと直後2から3時間後からから少なくとも6時間酸素供給、振盪、もしくは通気攪拌することにより行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
焼酎の製造方法であって:
(a)第1の糖質原料に酒母を添加し第1の焼酎原料を得る工程;
(b)添加した酒母を活性化する工程;
(c)該第1の焼酎原料を発酵し第1の醪を得る工程;
(d)該第1の醪に第2の糖質原料を添加し第2の焼酎原料を得る工程;および
(e)該第2の発酵原料を発酵し第2の醪を得る工程;
(f)該第2の醪を蒸留し焼酎粕を得る工程;および
(g)得られた焼酎粕または焼酎粕を固液分離した上澄液を第3の糖質原料に添加し、第3の焼酎原料を得る工程、を包含する、方法。
【請求項9】
前記工程(a)における酒母が活性化された酵母である、請求項1または8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−67977(P2006−67977A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258833(P2004−258833)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(504159235)国立大学法人 熊本大学 (314)
【Fターム(参考)】