説明

照射ターゲット保持システム、照射ターゲット保持システムを有する燃料集合体、及び照射ターゲット保持システムを利用した方法

【課題】 従来の燃料棒及び集合体に挿入可能な照射ターゲット保持装置を提供する。
【解決手段】 実施例装置は、実施例の照射ターゲット保持装置を有する集合体及び燃料棒を含んだ炉心の稼働中に照射用のいくつかの照射ターゲットを保持してもよい。照射ターゲットは、運転中の炉心で中性子束への暴露により実質的に有用な放射性同位体へ変換し、作業の後燃料棒から除去され採取される場合がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般的に原子力発電所で生成される燃料構造及び放射性同位体(ラジオアイソトープ)に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、原子力発電所は、核分裂により電力を生成するために配置された燃料を有する原子炉心を含む。米国における一般的な原子力発電所は、燃料集合体として結合された複数の燃料棒に燃料、又は炉心の内部に配置された燃料集合体を配置する。これらの燃料棒は通常、集合体全体にわたって様々な軸方向位置で燃料棒を集合体要素に結合するいくつかの要素を有する。
【0003】
図1で示すように、沸騰水型原子炉(BWR: boiling-water reactor)のような従来の原子炉の燃料集合体10は、上部タイプレート14及び下部タイプレート16を囲む外側チャンネル12を含んでもよい。複数の全長燃料棒18及び/又は部分長燃料棒19が燃料集合体10の内部で基盤に配置され、複数のスペーサー20を貫通する。全長燃料棒18から低い垂直位置で全て終わる部分長燃料棒19を除いて、燃料棒18及び19は上部タイプレート14から始まり下部タイプレート16までであり、燃料集合体10の端から端まで続いている。
【0004】
図2で示すように、燃料要素25は、ペレット状に形成されて燃料棒18又は19の中に入れられてもよい。これらの燃料要素25は、燃料棒18又は19の隅々まで燃料を継続的に供給するために燃料棒の内部に“積層”されてもよい。燃料要素25の積層は、炉心の作業サイクル中の燃料要素25の膨張又はその他の変形を可能にする。更に、燃料棒18又は19の燃料要素25と内壁23との間のギャップ21は、原子炉の稼働中に燃料要素25から生成されるガス状核分裂生成物を収容することができる。燃料棒に積層された燃料要素の端部、一般的には少なくとも一箇所の上端部、のバネ24は、核分裂生成物蓄積及び燃料要素25の変形を更に可能にするために存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開2008/0076957
【特許文献2】米国公開2008/0031811
【特許文献3】米国公開2007/0297554
【特許文献4】米国公開2007/0133734
【特許文献5】米国公開2007/0133731
【特許文献6】米国公開2006/0126774
【特許文献7】米国公開2006/0062342
【特許文献8】米国公開2005/0105666
【特許文献9】米国公開2005/0118098
【特許文献10】米国公開2004/0091421
【特許文献11】米国公開2004/0196942
【特許文献12】米国公開2004/0196943
【特許文献13】米国公開2004/0105520
【特許文献14】米国公開2003/0179844
【特許文献15】米国公開2003/0012325
【特許文献16】米国公開2003/0016775
【特許文献17】米国公開2003/0103896
【特許文献18】米国公開2002/0034275
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施例と実施方法は、従来の燃料棒及び集合体に挿入されてもよい照射ターゲット保持装置及びシステムを対象とする。実施例装置は、実施例の照射ターゲット保持装置を有する集合体及び燃料棒を含んだ炉心の稼働中に照射用のいくつかの照射ターゲットを保持してもよい。照射ターゲットは、運転中の炉心で中性子束への暴露により実質的に有用な放射性同位体へ変換し、作業の後燃料棒18又は19から除去され採取される場合がある。
【0007】
一つの実施例の照射ターゲット保持装置は、装置の稼働中に保持孔に挿入されて保持されてもよい一つか又はそれ以上の照射ターゲットを有していてもよい。孔は、照射ターゲット及びそこで生成された放射性同位体に複数のレベルの格納容器を供給するために、キャップ又はその他の保持装置によって密封される。その他の実施例において照射ターゲットは、装置内の出口スペースを位置合わせして照射ターゲットをそこから除去することによって実施例保持装置から取り外される。
【0008】
実施例は添付の図面を詳細に説明することにより更に明白になるであろう。同様の要素は同様の番号によって表されており、それらは描写の方法のみで示されており、従って本実施例を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来技術の燃料集合体を示した図である。
【図2】燃料要素を有した従来技術の積層燃料棒を示した図である。
【図3A−B】一つの実施例の照射ターゲット保持装置の詳細を示した図である。
【図4】一つの実施例の照射ターゲット保持装置を有した一つの実施例の燃料棒を示した図である。
【図5】一つの実施例の照射ターゲット保持装置を示した図である。
【図6】一つの実施例の照射ターゲット保持装置の束を示した図である。
【図7】その他の実施例の照射ターゲット保持装置を示した図である。
【図8】一つの実施例の積層の照射ターゲット保持装置を示した図である。
【図9】ターゲット除去に位置づけられた一つの実施例の照射ターゲット保持装置の束を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例の詳細な実施形態がここで開示される。しかしながら、ここに開示された特定の構造及び機能的詳細は、単に実施例を説明する目的のための表現にすぎない。実施例は、しかしながら、様々な代替の形で具体化されてもよく、ここに説明される実施例において限定されるように解釈されるべきではない。
【0011】
第一、第二、などの表現が様々な要素を説明するためにここに使用されるが、これらの要素はこれらの表現により制限されるものではないことは当然のことである。例えば、実施例の範囲を逸脱することなく、第一要素が第二要素と呼ばれる場合があり、また、第二要素が第一要素と呼ばれる場合がある。ここに使用されているように、“及び/又は”という表現は、関連の記載された品目の一つかそれ以上の組み合わせのいくつか及び全てを含む。
【0012】
要素が他の要素に“接続された”、“結合された”、“対にされた”、又は“固定された”と表現されたとき、他の要素の直接的に接続された又は結合されている場合もあり、或いは介在要素が存在する場合もあることは当然のことである。その一方で、一つの要素が他の要素に“直接接続された”又は“直接結合された”と表現されたとき、介在要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の用語も同様に解釈される(例:“間”と“間で直接”、“隣接”と“直接隣接”など)
ここに使用されている専門用語は、特定の実施形態を表現するためのものだけであり、実施例を制限するためではない。ここに使用されているように、単数を表す“一つの(a、an)”または“その(The)”は、ほかに言語が明確に意図しない限り、複数も含むことを意図している。更に、“から成る”、“構成される”、“〜を含む”及び/又は“含んでいる”という表現がここに使用されるとき、標準装備、整数、工程、操作、要素、及び/又は成分の存在を特定するが、一つかそれ以上の他の標準装備、整数、工程、操作、要素、成分及び/又はグループの存在又は付加を排除するものではないことは当然のことである。
【0013】
いくつかの代替実施において、述べられた機能/役割は、図で述べられた順序以外で発生する場合がある。例えば、連続して示される二つの図は実際実質的に同時に行われる場合があり、または関わった機能/役割によって、場合によって逆の順序で行われる場合がある。
【0014】
図3は、照射ターゲット保持装置を構成する一つの実施例の照射ターゲット保持装置125を示す。照射ターゲット保持装置125は、従来の燃料集合体で使用される従来の燃料棒(被覆管)に挿入されることを可能にする大きさを有している。例えば、照射ターゲット保持装置125は1インチ(2.54cm)もしくはそれ以下の最大幅を有し、数フィートの最大長を有してもよい。照射ターゲット保持装置125は、シリンダー型で示されているが、六面体、コーン型、及び/又は角柱形などの様々なふさわしい形状が使用されてもよい。
【0015】
一つの実施例の照射ターゲット保持装置125は、上端部/上表面128から装置125の下方に部分的に軸方向に延びる一つかそれ以上の軸孔1230を含む。軸孔130は、実施例の照射ターゲット保持装置125の構造的完全性が保たれていれば、いかなるパターン及び数で配置されても良い。軸孔130は、様々な大きさと形を有していてもよい。例えば、軸孔130は、上表面128から離れるにつれ細くなってもよく、及び/又は先端及び底面が丸くなっていてもよい。
【0016】
照射ターゲット140は、いかなる所望される数及び/又はパターンで一つかそれ以上の軸孔130に挿入されてもよい。照射ターゲット140は様々な形状及び物理的形状であってもよい。例えば、照射ターゲット140は、小さいフィリング、丸型ペレット、ワイヤー、液体、及び/又はガスでもよい。照射ターゲット140は、軸孔130に合う大きさになっており、及び/又軸孔130は、照射ターゲット140を収納するための形及び寸法にされる。
【0017】
照射ターゲット140は、実施例の照射ターゲット保持装置125で遭遇した中性子束に曝されたとき、放射性同位体に実質的に変換される様々な物質に製造されてもよい。例えば、照射ターゲット140は、稼動している原子炉で遭遇した中性子束に曝されたとき、イリジウム−192に変換されるイリジウム−191及び/又はコバルト−60に変換されるコバルト−59を含んでいてもよい。照射ターゲット140は、作業原子炉内部で中性子束に曝されたとき、物理的及び中性子性質を実質的に維持するために配置された容器を更に密封してもよい。その容器は、照射ターゲット140の内部で格納(後述されるその他の格納)の第三層を供給するために、固体、液体、及び/又はガス照射ターゲット及び/又は生成された放射性同位体を含んでもよい。
【0018】
キャップ138は、上端部/表面128に装着されてもよく、照射ターゲット140を軸孔130に封入する。キャップ138は、数々の周知の方法で上端部128に装着されてもよい。例えば、キャップ138は、上表面128に直接溶接されてもよい。または、例えば図3Bに示すように、キャップ138は、ねじ山129を介して上端部120に、キャップ138と実施例の保持装置125にネジ式で取り付けられてもよい。または、例えば、キャップ138は、上端部128にロックアンドキー構造で装置125に取り付けられてもよい。これらの装着のいずれにおいて、キャップ138は照射ターゲット140を軸孔130内部に保持し、照射を受けた照射ターゲット140の採取のためのキャップ138の容易な取り外しを可能にする。キャップ138は更に、照射ターゲット140又は、他の照射ターゲット140との混合、及び/又は軸孔130からの漏れにより生成された固体、液体又はガス放射性同位体を防ぐために、上表面128の各軸孔130に対して締める平らな表面を有してもよい。
【0019】
実施例の照射ターゲット保持装置125は、稼働中の原子炉において遭遇した中性子束に曝されたとき、自身の中性子と物理的特性を実質的に保持するために配置された物質から製造される。従って実施例の照射ターゲット保持装置125は、照射ターゲット140に到達する中性子束を実質的に妨げることなく、そして化学的に照射ターゲット140又はそこから生成された放射性同位体に反応しない場合がある。実施例の照射ターゲット保持装置は、例えば、ジルコニウム合金、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル合金、インコネルなどから製造されてもよい。
【0020】
図4に示されるように、実施例の照射ターゲット保持装置125は、従来の燃料ペレットが燃料棒18/19に挿入されそこに封入されるのと同じ方法で従来の燃料棒18及び/又は19(図1及び図2)に挿入されてもよい。実施例の照射ターゲット保持装置125は、実質的に燃料棒18/19を満たし、或いは、実質的に燃料棒18/19を満たさず、空洞を作り及び/又は燃料ペレットで燃料棒18/19の残ったスペースを埋めることを可能にする。バネ24は、小さい膨張の許容及び/又は稼働中の原子炉で遭遇した様々な条件による移転の間、装置125の一定の位置を維持するために、実施例の照射ターゲット保持装置125に軸方向に配置されてもよい。
【0021】
実施例の照射ターゲット保持装置125を有する燃料棒からなる燃料集合体を含む原子炉は、通常出力で稼動されてもよいので、その実施例の照射ターゲット保持装置125と照射ターゲット140とは、作業原子炉に存在する中性子束によって照射される。原子炉の磁束レベルは周知であり、高30(図3に示される)の深さ及びその照射ターゲット140の配置及び構成も知られているため、照射ターゲット140から生成される放射性同位体の特定の活動を計算することは、当業者には可能である。反対に、当業者は、稼動磁束レベルを認識している最適な放射性同位体生成及び照射ターゲット140構成に影響を与えるために、孔130の深さを計算することができる。
【0022】
一旦照射され、実質的に有用な放射性同位体に変換されると、照射ターゲット140及び実施例の照射ターゲット保持装置125は、例えば原子炉の停止中に、原子炉から分離されてもよい。実施例の照射ターゲット保持装置125は、照射を受けた燃料集合体と燃料棒18/19とから分離されてもよく、その中に照射を受けた照射ターゲット140を採取するためにキャップ138を分離することで分解されてもよい。
【0023】
燃料棒18/19及びキャップが装着され密封された実施例の照射ターゲット保持装置125は、照射ターゲット140に少なくとも二つの格納を供給する。この供給は実施例の照射ターゲット保持装置125を有する燃料棒18/19の被膜のフレッティングの時には照射ターゲット漏れに対しての保護手段を提供する。軸孔130の配置に応じて、追加の格納が実施例の照射ターゲット保持装置125の半径厚さによって提供されてもよい。
【0024】
図5に示されるように、代替実施例の照射ターゲット保持装置225は、実施例では他の形状でも使用可能ではあるが、燃料要素形状/シリンダー型ペレットタイプ構成でもよい。実施例装置225は従来の燃料棒18/19の内部に適応するようなサイズに形成されている。いくつかの実施例の照射ターゲット保持装置225は燃料棒18/19の内部に適応するように、最大限の長さを有していてもよい。例えば、照射ターゲット保持装置は数センチメートル又はそれ以下の長さを有していても良い。
【0025】
実施例の照射ターゲット保持装置225は、すでに説明された実施例のいくつかの特性をさもなければ共有する場合があり、繰り返される部分は省略される。実施例の装置225は、実施例の装置225を貫通しないがそこに伸びる一つかそれ以上の孔230を特徴とする。孔230は、実施例の装置225を通過する中性子束に曝されたときに、実質的に放射性同位体に変換する所望の照射ターゲット240で満たされてもよい。インゴットタイプの実施例装置は、照射ターゲット240を孔230の中に格納するために上述の実施例に関して上述されたようにキャップを更に含む。
【0026】
代替的に、図6に示されるように、照射ターゲット240を孔230の内部に保持するためのキャップを有する代わりに、実施例の照射ターゲット保持装置225は空の装置225及び/又はスラグ226によって密封及び/又は収納されてもよい。実施例のターゲット保持装置225は従来の燃料棒18/19の内部に他の実施例ターゲット保持装置225とともにしっかりと積層されてもよい。ギャップ21が、実施例装置225/スラグ226及び燃料棒18/19の壁23の間に更に存在しても良い。バネ24又は他の保持装置は、燃料棒18/19それぞれに対してそれらを実施的に平面に保つために実施例の装置225の積層に対して抵抗圧力を供給してもよい。真下に積層されたほかの実施例の装置225に対して収容密閉を促進するために、孔230は実施例装置225を完全に貫通していないので、各装置の底表面は大部分が平らである。
【0027】
スラグ226は、積層の最上層の装置225に同じ封止構造を提供するために、バネ24又は他の先行載荷装置及び実施例の照射保持装置225の積層の間に配置されてもよい。スラグ226は、バネ24或いは他の燃料棒18/19内部のテンション装置にターゲットが漏れないように照射ターゲットを含まない以外は、積層の中の実施例装置225に実質的に似ている。
【0028】
実施例の照射ターゲット保持装置225は、各装置225及び各孔230にいくつかの異なったタイプ及び位相の照射ターゲット240を配置することを可能にする場合がある。いくつかの実施例装置225は、燃料棒18/19内部の正確な軸レベルに配置されるので、燃料棒18/19の内部で特定の軸レベルにおいてより正確な量/種類の照射ターゲット240を供給することが可能である。軸方向磁束特徴は作業原子炉において周知のため、これは実施例の照射ターゲット保持装置225内部に配置された照射ターゲット240の有用な放射性同位体の正確な発生及び測定を供給することができる。
【0029】
図7に示されるように、その他の実施例の照射ターゲット保持装置325は、インゴットタイプの実施例の照射ターゲット保持装置225に実質的に類似している。しかしながら、実施例装置325は、その中心軸380の周囲に放射状の位置を共有する一つかそれ以上の孔330を有していても良い。更に実施例装置325は、孔330とは異なる、実施例の照射ターゲット保持装置325を完全に貫通する貫通孔385を共通する放射状の位置に有している。照射ターゲットは貫通孔385には配置しない方がよい。
【0030】
実施例の照射ターゲット保持装置は更に、中心軸380に鍵状スリット395又は他の開口を有する。鍵状スリット395は、対応して形成される同型のシャフトが実施例装置395を通ること及び装置395を中心軸380の周囲で回転させることを可能にする。鍵状スリット395は、各実施形態の照射ターゲット保持装置325の貫通孔385に対して同じ位置で同方向に置かれてもよい。
【0031】
図8に示すように、実施例の照射ターゲット保持装置325において孔330及び貫通孔385は、中心軸380の周囲で同じ放射状の位置を共有するため、実施例装置325が燃料棒18/19の軸380に沿って積層されると、実施例装置325の積層を介して出口シャフト390を形成するために、全ての貫通孔385は同角度位置に並べられる。更に、鍵状スリット395は、貫通孔385の共通方向に並べられ共有されてもよいため、実施例装置325が積層された場合、スリット395に対応する鍵状端部を有したツールは、照射ターゲット保持装置325の積層を通ってもよい。
【0032】
図9に示されるように、作業炉心での照射後に実施例の照射ターゲット保持装置325によって生成される放射性同位体を摂取するために、積層された実施例の装置325は、照射ターゲット340は単に重力の作用により孔330から落下する場合があるので、孔330を下にして配置されてもよい。燃料棒18/19内部に積層された選択された実施例の装置325は、積層の内部で回転していない装置325の所望の孔330にすべての貫通孔385及び、従って出口シャフト390、が揃うまで中心軸330の周囲を回転されてもよい。照射ターゲット340及びそこに存在する放射線同位体は収集のために孔330から出口シャフト390まで落下する場合がある。
【0033】
積層された実施例の装置325は、所望の軸距離で鍵状スリット395に移動する鍵状ツール396によって回転されてもよい。従って出口シャフト390を通じて空洞となった特定の照射ターゲット保持装置は、鍵状ツール396が鍵状スリット395まで移動する軸距離によって選択されてもよい。全ての鍵状スリット395は貫通孔385に対して同じように配置されているため、出口シャフト390は孔330に対して空洞になるように常に回転されてもよい。さらに、最下部の実施例の照射ターゲット装置325は、照射ターゲット340が実施例装置325の積層を空洞にする一方で装置325の最下部から落下しないため、照射ターゲット340を欠く場合がある。
【0034】
実施例の照射ターゲット保持装置は、他のメカニズム及び中心の鍵状スリット395の欠如によって回転されてもよい。例えば、外側スリーブは、所望の角度位置に出口車夫と385から照射された照射ターゲットを引き出すために、積層の中で各保持装置325を回転させる場合がある。また、貫通孔385は、実施例保持装置325の積層で同時期に整列する必要はなく、照射ターゲット340は、収集まで実施例装置の積層を通って徐々に落下する場合があるので、照射ターゲットは整列していない貫通孔385に落下する場合がある。この整列していない貫通孔385は、後に下部の貫通孔385で整列する
実施例において、実施例保持装置はBWRタイプの燃料棒及び燃料集合体に挿入される場合があるが、他のタイプの燃料及び原子炉が実施例の保持装置に有用であることが理解される。例えば、PWR,CANDU,RBMK,ESBWRなどのタイプの原子炉は、その中で照射ターゲットを照射するために実施例の保持装置を収容できる燃料棒を含む。
【0035】
実施例が説明されてきたが、この実施例は日常の実験を介して、また更なる発明活動なくして、変更されてもよいことは、当業者にとって当然のことである。例えば実施例において“集合体(assembly)”という言葉が燃料棒のまとまりを意味するが、“束(bundle)”などの表現も代替として使用されてもよく、実施例は完成した燃料集合体で一般的に見られる全ての要素が欠けている燃料束とともに使用することができる。また、例えば、他の燃料タイプ、形状、及び構成が、実施例の照射ターゲットシステムと併用して使用されてもよい。変形例は、本精神及び本実施形態の範囲の逸脱とみなされるものではなく、そのようなすべての変更は当業者にとって明らかであり、添付の請求の範囲に含まれることは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料棒内部に適合する大きさを有する、少なくとも一つの照射ターゲット保持装置であって、
前記核燃料棒の縦軸に平行な縦軸を有し、
作業原子炉において中性子束に曝されたとき、自身の物理的及び中性子特性を実質的に維持するために構成された物質から製造され、
前記縦軸に平行な少なくとも一つの孔を含むところの、少なくとも一つの照射ターゲット保持装置と、
作業原子炉において中性子束に曝されたとき、放射性同位体に実質的に変換するように構成された、前記少なくとも一つの孔に収納された少なくとも一つの照射ターゲットと、
を有してなる照射ターゲット保持システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つの孔を有する前記照射ターゲット保持装置の先端に装着されるために構成された一つのキャップを含み、前記キャップと前記照射ターゲット保持装置とが前記照射ターゲットを少なくとも一つの前記孔に保持するために構成された、少なくとも一つの請求項1に記載されたシステム。
【請求項3】
前記照射ターゲットは少なくとも一つのイリジウム−191及びコバルト−59であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの孔それぞれは、前記照射ターゲット保持装置の中心軸から等しい放射状方向距離に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも一つの照射ターゲット保持装置は、前記照射ターゲット保持装置を貫通する少なくとも一つの貫通孔を含み、この貫通孔は中心軸から等しい放射状方向距離に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも一つの照射ターゲット保持装置は、前記中心軸の周囲に配置され前記照射ターゲット保持装置を貫通する鍵状スリットを有し、前記鍵状スリットは前記少なくとも一つの貫通孔に対して特有の方向を有することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記照射ターゲット保持装置は、ジルコニウム合金、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル合金、及びインコネルの少なくとも一つから製造されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
上部タイプレートと、
下部タイプレートと、
前記上部タイプレートと前記下部タイプレートとの間に延びる複数の燃料棒であって、そのうちの、少なくとも一つの前記燃料棒は少なくとも一つの照射ターゲット保持装置を有する、複数の燃料棒と、
作業原子炉において中性子束に曝されたとき、実質的に放射性同位体に変換し、前記照射ターゲット保持装置によって画成される一つの孔の中に収容される少なくとも一つの照射ターゲットとを備える、
核燃料集合体であって、
前記照射ターゲット保持装置は、少なくとも一つの燃料棒の内部に適応するサイズであると共に、
作業原子炉において中性子束に曝されたとき、自身の物理的及び中性子特性を実質的に保持するように構成された物質から製造された、ことを特徴とする核燃料集合体。
【請求項9】
前記照射ターゲットは少なくとも一つのイリジウム−191及びコバルト−59であることを特徴とする請求項8に記載の核燃料集合体。
【請求項10】
少なくとも一つの燃料棒は、少なくとも一つの燃料棒内部に軸方向に積層された複数の照射ターゲット保持装置を含むことを特徴とする請求項8に記載の核燃料集合体。
【請求項11】
少なくとも一つの孔に前記照射ターゲットを密封するために、少なくとも一つの燃料棒は、力でもって前記燃料棒内で軸方向に積層された複数の照射ターゲットを圧縮するために構成された一つのバネを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の核燃料集合体。
【請求項12】
少なくとも一つの孔それぞれは、前記照射ターゲット保持装置の中心軸から等しい放射状方向距離に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の核燃料集合体。
【請求項13】
前記照射ターゲット保持装置は、前記照射ターゲット保持装置を貫通する少なくとも一つの貫通孔を含み、前記貫通孔は中心軸から等しい放射状方向距離に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の核燃料集合体。
【請求項14】
前記照射ターゲット保持装置は、中心軸の周囲に配置され前記照射ターゲット保持装置を貫通する鍵状スリットを有し、前記鍵状スリットは少なくとも一つの貫通孔に対して特有の方向を有することを特徴とする請求項13に記載の核燃料集合体。
【請求項15】
前記照射ターゲット保持装置は、ジルコニウム合金、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル合金、及びインコネルの少なくとも一つから製造されることを特徴とする請求項8に記載の核燃料集合体。
【請求項16】
少なくとも一つの孔を有する前記照射ターゲット保持装置の先端に装着されるために構成された一つのキャップを含み、前記キャップと前記照射ターゲット保持装置とが前記照射ターゲットを少なくとも一つの前記孔に保持するために構成された、少なくとも一つの請求項8に記載されたシステム。
【請求項17】
照射ターゲット保持装置を用いて原子炉内で同位体を製造する同位体製造方法であって、
前記照射ターゲット保持装置は、この照射ターゲット保持装置により画成される孔の内部に収納される少なくとも一つの照射ターゲットであって、作業原子炉内で中性子束に曝されたとき、放射性同位体に実質的に変換するように構成された少なくとも一つの照射ターゲットを含み、また、
前記照射ターゲット保持装置は、前記作業原子炉内で中性子束に曝されたときに、自身の物理的及び中性子特性を実質的に維持するように構成された物質から製造されており、
この同位体製造方法は、
少なくとも1つの前記照射ターゲット保持装置を核燃料棒に挿入する工程と、
前記核燃料棒を原子炉に挿入する工程と、
前記原子炉の稼動の開始により少なくとも一つの照射ターゲットを照射する工程と、
前記原子炉から核燃料棒を取り出す工程と、
少なくとも一つの照射ターゲットへの照射により生成された同位体を燃料棒から採取する工程と、
とを具備してなる同位体製造方法。
【請求項18】
前記挿入する工程で、前記複数の照射ターゲット保持装置が挿入され、採取が、複数のうちの少なくとも一つの他の照射ターゲット保持装置から生成された同位体を放出するように少なくとも一つの照射ターゲット保持装置を配列するような回転を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A−B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−271064(P2009−271064A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104620(P2009−104620)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC