説明

照射対象の開口に捕集される放射電力を増大させるためのコルゲート溝を有するフィードホーン

【課題】放射パターンの周波数依存性を軽減し、周波数依存性の軽減が利点となる広帯域ないし多帯域のフィードホーンを提供する。
【解決手段】信号の送受信のためのフィードホーン1であって、TE11モードをHE11モードに変換するスロート部110と、スロート部110と反対側の端部に位置する開口部130と、複数本のコルゲート溝121を有しスロート部110に連接した移行部120とを備えている。移行部120の複数本のコルゲート溝121は、フィードホーン1の径方向に凹んだコルゲート溝121であって、スロート部110から開口部130へ近付くにつれてフィードホーン1の横断面寸法を次第に拡大させるようにして形成されている。スロート部110と、開口部130と、移行部120とは共通の対称軸心を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホーンアンテナに関し、より詳しくは、リフレクタアンテナやレンズアンテナに電磁波を照射するための、径方向に凹んだコルゲート溝を有するフィードホーンに関する。
【背景技術】
【0002】
ホーンの径方向に凹んだコルゲート溝を有する従来のコルゲートホーンとしては、例えば後に列挙する先行技術文献の、特許文献1、非特許文献1、それに非特許文献2に記載されているものなどがある。それら文献に記載されているコルゲートホーンは、ホーンのモード変換部とフレア部との両方にコルゲート溝が形成されている。ホーンの横断面形状が円形のコルゲートホーンでは、そのホーンのモード変換部が、給電用の円形導波管の基本モード(TE11モード)を略々純粋なHE11モードに変換する。変換されたHE11モードの電磁波はモード変換部からフレア部を通過してホーン開口へ伝播し、フレア部は伝搬する電磁波をHE11モードに維持するように機能する。モード変換部の形態には様々なものがあり、例えば、複数本のコルゲート溝の溝深さを夫々に異ならせたもの、コルゲート溝をリング装荷スロットとしたもの、それに、複数本のコルゲート溝の溝ピッチと溝幅との比を夫々に異ならせたものなどがある。一方、フレア部の複数本のコルゲート溝は、それらの溝幅、溝深さ、及び溝間隔が同一に揃えられている。
【0003】
径方向に凹んだコルゲート溝を有する従来例のコルゲートホーンを記載した先行技術文献のうちでも、比較的最近の特許文献には、コルゲートホーンの開口効率を高めること、即ち、コルゲートホーンの電力利得を高めることに言及したものがある。例えば、下記の特許文献2に記載されている開口効率を高めたコルゲートホーンは、そのコルゲートホーンを用いてリフレクタに電磁波を照射して発生させた二次放射の放射ビームが、フラットトップ型のビームとなるようにしたものである。また、下記の特許文献3に記載されているハイブリッドホーンは、そのホーンのフレア部が、コルゲート溝を形成した部分と平滑面の部分との両方を備えるようにしており、それによって、高い電力利得を得ると共に、このハイブリッドホーンを用いて発生させた二次放射の放射パターンが、サイドローブの抑制された放射パターンとなるようにしたものである。
【0004】
コルゲートホーンは広帯域のデバイスである。コルゲートホーンは、適切に設計することによって、インテグリティに優れた主偏波ビームを発生させることができ、交差偏波を低く抑えることができ、また、広い周波数帯域の全域に亘って、ないしは広い周波数帯域に含まれている複数のサブ帯域の全てにおいて、良好にインピーダンス整合を取ることができる。ただし、ホーンのフレア角が小さい場合であって、しかもコルゲート溝の加工方向が、ホーンのフレア部の金属壁面に直交する方向ではなく、ホーンの径方向(即ちホーンの中心軸に直交する方向)である場合には、ホーンが放射する主偏波の放射パターンが周波数依存性を持つものとなる。これについて図1及び図2を参照して説明する。図1に縦断面図で示したのは従来例のコルゲートホーン1であり、このコルゲートホーン1が放射する主偏波の遠隔場放射パターンを示したのが図2のグラフ11である。図1において、この従来例のコルゲートホーン1のスロート部110は合計4本のコルゲート溝111を有しており、このスロート部110は、TE11モードをHE11モードに変換するモード変換部を構成している。スロート部110に連接したフレア部120は、13本のコルゲート溝121を有している。それら13本のコルゲート溝121は、スロート部110からホーン開口130へ近付くにつれて次第に直径の大きなものとなっている。図2に示したように、周波数が高いとき(30.0GHz)の主偏波の放射パターン13は、周波数が低いとき(20.2GHz)の主偏波の放射パターン12と比べて、角度0°における電力利得がより高くなっている。更に、周波数が高いときの主偏波の放射パターン13は、周波数が低いときの主偏波の放射パターン12と比べて、放射ビーム(メイン・ローブ)が細くなっている。この従来例のコルゲートホーン1を用いて、例えば図6に示したようにレンズないしリフレクタ3の開口4に電磁波を照射したとき、そのレンズないしリフレクタで屈折ないし反射して発生する二次放射の放射パターンは、周波数が高いときと低いときとでは異なったものになる。そのため、例えば、あるリフレクタないしレンズに電磁波を照射するコルゲートホーンが、周波数が低いときに二次放射の放射特性が最適になるように設計されたコルゲートホーンであったならば、周波数が高いときには二次放射の放射特性が最適にならず、またこれとは逆に周波数が高いときに二次放射の放射特性が最適になるように設計されたコルゲートホーンであったならば、周波数が低いときには二次放射の放射特性が最適にならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,472,721号公報(特許日:1984年9月18日、発明者:Moerz et al.)
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0167453 A1号公報(公開日:2002年11月14日、発明者:Kung et al.)
【特許文献3】米国特許第6,522,306 B1号公報(特許日:2003年2月18日、発明者:Parrikar et al.)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】"Characteristics of a broadband microwave corrugated feed:A comparison between theory and experiment" (Bell System Technical Journal, vol. 56, no. 6, pp. 869-889, July-August 1977)(著者:Dragone)
【非特許文献2】"Design of corrugated horns; a primer" (IEEE Antennas and Propagation Magazine, vol. 47, issue 2, pp. 76-84, April 2005)(著者:Granet及びJames)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は、径方向に凹んだコルゲート溝を備えたフィードホーン(コルゲートホーン)において、従来のその種のコルゲートホーンに付随していた上記短所を払拭し、その種のコルゲートホーンの放射パターンの周波数依存性を解消または軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、信号の送受信のためのフィードホーンを提供する。このフィードホーンは、TE11モードをHE11モードに変換するスロート部と、前記スロート部と反対側の端部に位置する開口部と、複数本のコルゲート溝を有し前記スロート部に連接した移行部とを備えている。前記移行部の前記複数本の径方向に凹んだコルゲート溝は、全体的に、前記スロート部から前記開口部へ近付くにつれて該フィードホーンの横断面寸法を次第に拡大させるようにして形成されている。前記スロート部と、前記開口部と、前記移行部とは共通の対称軸を有する。前記複数本のコルゲート溝は、それらコルゲート溝が信号のモード成分を変化させることにより、該フィードホーンが少なくとも1つの動作周波数帯において規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力が、ホーン開口内のモードが略々純粋なHE11モードとなるようにしたフィードホーンを同じ円錐半角におけるイルミネーションテーパの値が同じになるようにして同じ周波数で動作させたときの当該放射電力より大きくなるように、それらコルゲート溝どうしの間の相対寸法が定められている。
【0009】
このフィードホーンによれば、フレア部の複数本のコルゲート溝の寸法に適宜の調節を加えることによって、それらコルゲート溝のために変化させられた信号が、HE11モードに加えて更に複数の高次モードを含むようになし得ることが確認されている。これによって、ホーン開口内に高次モードが存在するようになるため、規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力をより大きなものとすることができる。ホーン開口内における最適なモード混合比は、規定立体角の照射コーンの中に放射しようとする主偏波の放射電力の目標値と、ホーン開口の直径とに左右される。従って、複数本の径方向に凹んだコルゲート溝を適宜に形成することによって、複数の通信周波数帯に亘る複数の信号の夫々の放射パターンを効果的に制御することが可能である。
【0010】
このホーンのスロート部は、このホーンに給電している円形導波管の主モード(TE11モード)を略々純粋なHE11モードに変換する。一方、このホーンのフレア部を構成している複数本の径方向に凹んだコルゲート溝は、それらの直径が大きいため、高次の電磁界モードを励起することができる。フレア部の全体のうち、直径の大きな部分ほど、より次数の高い高次の電磁界モードを励起することができ、励起された高次の電磁界モードはホーン開口へ伝播する。従ってこのホーンによれば、このホーンの長手方向の夫々に異なった位置において異なった次数の高次モードが励起される。このようにHE11モードに加えて更に複数の高次モードを励起することを通して、規定立体角の照射コーン(この照射コーンとは、ホーンから電磁波を照射する照射対象であるところの(例えばレンズないしリフレクタなどの)開口を底面とする錐形の放射空間である)の中に放射する主偏波の放射電力を所望の電力レベルに増大させ、またその際にその主偏波の放射ビームの開口縁イルミネーションテーパの値を所望値にし、ひいては(そのレンズないしリフレクタから放射される)二次放射の放射パターンのサイドローブを所望の低レベルに抑制するために、このホーンの複数本のコルゲート溝の夫々の断面形状及び寸法をいかなる特定の形状及び寸法に設計すればよいか、ないしは、それらの断面形状及び寸法にどのようにチューニングを施せばよいかというということは、理論的解析、及び/または、数学的最適化を行って決定することができる。このホーンのフレア部の複数本のコルゲート溝の夫々の寸法を決定する上では、所望の効果を得るために必要とされる所要の振幅及び位相を有する高次モードを励起することができ、且つ、励起した高次モードを後続のコルゲート溝が維持してホーン開口まで伝播させることができる寸法に定めるようにする。また、このホーンの動作周波数帯の全域においてこのホーンの中のどの部位においても電磁エネルギの束縛状態を励起することのない寸法に定めるようにする。そのようにするのは、電磁エネルギの束縛状態が本質的に狭帯域の現象であるため、それを励起してしまったならば、その影響を受ける周波数においてホーンの入力インピーダンス並びに放射パターンが著しく擾乱されるからである。
【0011】
本発明に係るホーンに関して、そのホーン開口内の電磁界モードの最適混合比を、そこに含まれる個々の電磁界モードの振幅及び位相を明示して規定した、一般性を有する最適モード混合比というものは存在しない。いかなる用途においても、最適モード混合比は基本的に、ホーン開口の直径と、開口縁イルミネーションテーパの目標値と、規定立体角の照射コーンの中に放射しようとする主偏波の放射電力の目標値とに左右される。また、最適モード混合比を決定する際に考慮しなければならないファクタは、これら以外にも存在しており、例えば交差偏波の許容上限レベルなどもファクタとなり得るものである。
【0012】
本発明に係るホーンは、ある1箇所の特徴的構造(例えばコルゲート溝の形状や配列に関する構造)によって、照射対象の開口に捕集される主偏波の放射電力を増大させるという効果が得られているのではない。ホーンの複数本のコルゲート溝どうしの間には強力な相互作用が働いており、その相互作用(相互結合)の及ぶ範囲は隣接するコルゲート溝にとどまらず、更に離れたコルゲート溝との間でも相互作用が働いている。従って、フレア部に設けられた複数本のコルゲート溝どうしの間の相互結合が複雑に多重化しており、そのフレア部全体の作用によって、以上に説明した効果が得られているのである。
【0013】
上で説明した従来例のコルゲートホーンは、偏波純度が高く、また、入力インピーダンス特性及び放射パターン特性が広い周波数帯域に亘って安定しているが、これらの特質は本発明のコルゲートホーンにも備わっているものである。一方、上で説明した従来のコルゲートホーンでは動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときの位相中心の移動量が大きいのに対して、本発明のコルゲートホーンではその移動量が格段に小さい。
【0014】
特許文献2(Kung et al.)及び特許文献3(Parrikar at al.)にも記載されているように、マルチビームアンテナにとっては、ホーンの開口効率が高い(従って電力利得が大きい)という特質は有用なものであるが、この特質は本発明のコルゲートホーンには備わっていない。本発明においては、照射対象の開口に捕集される放射電力を増大させており、このようなホーンは、シングルビームアンテナに用いる場合により有利なものである。
【0015】
本発明の実施の形態における特徴として、前記フィードホーンと給電用の導波管との間に入力インピーダンス整合部が連接されており、該入力インピーダンス整合部は、前記少なくとも1つの動作周波数帯において無反射の直接的な信号伝播が行われるようにすることで該フィードホーンの入力インピーダンスの整合を取るものであるということがある。
【0016】
本発明の実施の形態における特徴として、前記フィードホーンは前記少なくとも1つの動作周波数帯の全域において電磁エネルギの束縛状態を励起することがないように構成されているということがある。
【0017】
本発明の実施の形態における特徴として、前記少なくとも1つの動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときの前記フィードホーンの位相中心の移動軌跡の全長が、ホーン開口内のモードが略々純粋なHE11モードとなるようにしたフィードホーンの当該移動軌跡の全長より短くなるように構成されているということがある。
【0018】
本発明の実施の形態における特徴として、前記フィードホーンは、前記少なくとも1つの動作周波数帯において発生する交差偏波が低レベルであるように構成されているということがある。
【発明の効果】
【0019】
本発明は数々の利点を有するものであり、それらのうちの幾つかを以下に記載する。
【0020】
本発明の利点の1つとして、本発明に係る径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンを用いて開口に電磁波を照射することによって、従来例の径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンを用いて開口縁におけるイルミネーションテーパの値が同じになるようにして開口に電磁波を照射した場合と比べて、その照射対象の開口に捕集される主偏波の照射電力が大きくなるということがある。
【0021】
更に、本発明に係る径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンによれば、従来例の径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンと比べて、より低い周波数及び/またはより高い周波数において、主偏波の放射電力利得のピーク値をより良好に制御することができる。
【0022】
本発明の更なる利点の1つは、本発明に係る径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンによれば、従来例の径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンと比べて、より低い周波数及び/またはより高い周波数において、主偏波の放射ビーム(メインローブ)の形状をより良好に制御できることである。
【0023】
本発明の更なる利点の1つは、本発明に係る径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンによれば、高い偏波純度が得られることである。
【0024】
更に、本発明に係る径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンによれば、動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときのホーンの位相中心の移動量が小さいという利点が得られる。
【0025】
また、本発明に係る径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンによれば、入力インピーダンスの整合が良好に取れるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】径方向に凹んだコルゲート溝を有する従来例のコルゲートホーンをその中心軸線に沿った切断面で示した縦断面図である。
【図2】図1の従来例のコルゲートホーンの主偏波の遠隔場放射パターンを示したグラフであり、実線は20.2GHzの遠隔場放射パターンを示し、破線は30.0GHzの遠隔場放射パターンを示している。
【図3】本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンの斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンをその中心軸線に沿った切断面で示した縦断面図である。
【図5】図3及び図4に示した本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンの各部寸法をつまびらかに示した表である。
【図6】リフレクタに電磁波を照射しているホーンを示した斜視図である。
【図7】動作周波数を20.2GHzとしたときの2つのコルゲートホーンの主偏波の遠隔場放射パターンを示したグラフであり、実線は図3及び図4に示した本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンの放射パターンを示し、破線は図1に示した従来例のコルゲートホーンの放射パターンを示している。
【図8】動作周波数を30.0GHzとしたときの2つのコルゲートホーンの主偏波の遠隔場放射パターンを示したグラフであり、実線は図3及び図4に示した本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンの放射パターンを示し、破線は図1に示した従来例のコルゲートホーンの放射パターンを示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しつつ、本発明について更に詳細に説明して行く。尚、添付図面においては、同一ないし対応する要素に同一の参照符号が付されている。
【0028】
以下に本発明の好適な実施の形態について説明して行くが、ただしその実施の形態は、あくまでも具体例を提示するためのものであり、本発明はその実施の形態に限定されるものではない。
【0029】
図3に斜視図で示したのは、本発明の実施の形態に係る信号の送受信のためのフィードホーン1である。図4は、このフィードホーン1をその中心軸線に沿った切断面で示した縦断面図である。フィードホーン1は、TE11モードをHE11モードに変換するスロート部110を備えており、このスロート部110に4本のコルゲート溝111を有している。また、スロート部110と反対側の端部に位置する開口部130を備えている。複数本のコルゲート溝121を有する移行部120がスロート部110に連接しており、この移行部120はフィードホーン1のフレア部120を構成している。フレア部120はフィードホーン1の周方向に延在する14本の径方向に凹んだコルゲート溝121を有しており、それら径方向に凹んだコルゲート溝121は、本質的にスロート部110から開口部130へ近付くにつれてフィードホーン1の横断面寸法を次第に拡大させるようにしたフレア部120に形成されている。スロート部110と、開口部130と、フレア部120とは共通の対称軸心(図3及び図4では不図示)を有している。フレア部120の複数本のコルゲート溝121は、それらコルゲート溝121が信号のモード成分を変化させることにより、このフィードホーン1が少なくとも1つの動作周波数帯において規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力が、ホーン開口内のモードが略々純粋なHE11モードとなるようにしたフィードホーン1を同じ円錐半角におけるイルミネーションテーパの値が同じになるようにして同じ動作周波数で動作させたときの当該放射電力より大きくなるように、それらコルゲート溝121どうしの間の相対寸法が定められている。
【0030】
主偏波の放射電力に関する以上の特性は、ホーンのフレア部の複数本のコルゲート溝の夫々の寸法を適宜に定めることだけで達成されている。図5は、図3及び図4に示した本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンの各部寸法を詳細に示した表である。この表の「円筒部の番号」の欄に記入したCNi(ただしi=1〜37)とは、図4の中の参照番号を示したものである。ここに説明しているフィードホーンでは、コルゲート溝の深さ、幅、断面形状は変化しており、その大小は、スロート部10から開口部130に向かって順番には並んでいない。コルゲート溝のために変化させられた信号が、HE11モードに加えて更に複数の高次モードを含むようにすることができる。これによって、ホーン開口内に高次モードが存在するようになるため、規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力をより大きなものとすることができる。ホーン開口内における最適なモード混合比は、規定立体角の照射コーンの中に放射しようとする主偏波の放射電力の目標値と、ホーン開口の直径とに左右される。従って、複数本の径方向コルゲート溝を適宜に形成することによって、複数の通信周波数帯に亘る複数の信号の夫々の放射パターンを効果的に制御することが可能である。
【0031】
このホーン1のスロート部110は、このホーン1に給電している円形導波管の主モード(TE11モード)を略々純粋なHE11モードに変換する。一方、このホーン1のフレア部120を構成している複数本の径方向に凹んだコルゲート溝121は、それらの直径が大きいため、高次の電磁界モードを励起することができる。フレア部120の全体のうち、直径の大きな部分ほど、より次数の高い高次の電磁界モードを励起することができ、励起された高次の電磁界モードはホーン開口へ伝播する。従ってこのホーン1によれば、このホーン1の長手方向の夫々に異なった位置において異なった次数の高次モードが励起される。
【0032】
このようにHE11モードに加えて更に複数の高次モードを励起することを通して、規定立体角の照射コーン(この照射コーンとは、ホーンから電磁波を照射する照射対象であるところの(例えばレンズないしリフレクタなどの)開口を底面とする錐形の放射空間である)の中に放射する主偏波の放射電力を所望の電力レベルに増大させ、またその際にその主偏波の放射ビームの開口縁イルミネーションテーパの値を所望値にし、ひいては(そのレンズないしリフレクタから放射される)二次放射の放射パターンのサイドローブを所望の低レベルに抑制するために、このホーンの複数本のコルゲート溝の夫々の断面形状及び寸法をいかなる特定の形状及び寸法に設計すればよいか、ないしは、それらの断面形状及び寸法にどのようにチューニングを施せばよいかというということは、理論的解析、及び/または、数学的最適化を行って決定することができる。
【0033】
このホーン1のフレア部120の複数本のコルゲート溝121の夫々の寸法を決定する上では、所望の効果を得るために必要とされる所要の振幅及び位相を有する高次モードを励起することができ、且つ、励起した高次モードを後続のコルゲート溝が維持してホーン開口まで伝播させることができる寸法に定めるようにする。また、このホーンの動作周波数帯の全域においてこのホーンの中のどの部位においても電磁エネルギの束縛状態を励起することのない寸法に定めるようにする。そのようにするのは、電磁エネルギの束縛状態が本質的に狭帯域の現象であるため、それを励起してしまったならば、その影響を受ける周波数においてホーンの入力インピーダンス並びに放射パターンが著しく擾乱されるからである。
【0034】
従来例の径方向に凹んだコルゲート溝を有するコルゲートホーンと比べたときの、本発明に係るコルゲートホーンの利点を明らかにするために、互いに同等の仕様のコルゲートホーンどうしを比較した結果を以下に示す。比較した2つのコルゲートホーンは、設計動作周波数帯が互いに等しく(いずれも20.2〜21.2GHzと、30.0〜31.0GHzとの2つの周波数帯で動作するように設計されている)、入力導波管の直径が互いに等しく(11.2mm)、電気的開口の直径が互いに等しく(27.3mm)、また更に、角度41°における開口縁イルミネーションテーパの値が互いに等しい(20.2GHzでは14.8dB、30.0GHzでは25.3dB)。尚、角度41°における開口縁イルミネーションテーパの値とは、当業者には説明するまでもないかと思われるが、図7及び図8に示したそれら2つのコルゲートホーンの遠隔場放射パターンのグラフ21、31において、夫々のコルゲートホーンの角度0°における電力利得と角度41°における電力利得との差を表すものである。
【0035】
図7に示した遠隔場放射パターンのグラフ21は、動作周波数を20.2GHzとしたときの2つのコルゲートホーンの主偏波の遠隔場放射パターンであり、曲線23は図1に示した従来例のコルゲートホーンの放射パターン、曲線22は図3及び図4に示した本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンの放射パターンである。それら放射パターンは、図6に示したように、夫々のコルゲートホーンを用いて照射コーンの半角5が41°となるようにリフレクタ3の円形の開口4に電磁波を照射して発生させた二次放射の放射パターンであり、それら2つのコルゲートホーンによる2つの放射パターンは互いに略々同一パターンとなっている。即ち、それらコルゲートホーンを用いて得られる2つの放射パターンにおいては、角度0°における電力利得が互いに等しく(14.24dBi)、角度41°における開口縁イルミネーションテーパの値も互いに等しく(14.8dB)、更に、開口4に照射されている主偏波の放射電力の値も互いに等しくなっている。尚、開口4に照射されている主偏波の放射電力の値は、グラフ21上の角度0°〜角度41°の角度範囲における放射パターンの曲線22、23より下方の領域の面積に比例している。
【0036】
図8に示した遠隔場放射パターンのグラフ31は、動作周波数を30.0GHzとしたときの2つのコルゲートホーンの主偏波の遠隔場放射パターンであり、曲線33は図1に示した従来例のコルゲートホーンの放射パターン、曲線32は図3及び図4に示した本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンの放射パターンである。それら放射パターンは、図6に示したように、夫々のコルゲートホーンを用いて照射コーンの半角5が41°となるようにリフレクタ3の円形の開口4に電磁波を照射して発生させた二次放射の放射パターンであり、それら2つのコルゲートホーンによる2つの放射パターンの間では、開口縁イルミネーションテーパの値が互いに等しい(25.3dB)。ただし、角度0°における電力利得は、本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンによる電力利得(16.56dBi)の方が、従来例のコルゲートホーンによる電力利得(17.77dBi)よりも実際に低くなっており、このことは、本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンは従来例のコルゲートホーンと比べて開口効率が低いことを意味している。しかしながら、グラフ31上の角度0°〜角度41°の角度範囲における、本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンによる放射パターンの曲線32より下方の領域の面積(ただしグラフにdB単位で示されている電力利得を絶対値に換算した上で算出した面積)は、グラフ31上の角度0°〜角度41°の角度範囲における、従来例のコルゲートホーンによる放射パターンの曲線33より下方の領域の面積(ただしグラフにdB単位で示されている電力利得を絶対値に換算した上で算出した面積)と比べて、18%大きな面積になっている。従って、図6に示したように、照射コーンの半角5が41°となるようにリフレクタ3の円形の開口4に電磁波を照射したときにこの開口4に捕集される主偏波の放射電力は、本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンを用いて開口4に電磁波を照射したときの方が、従来例のコルゲートホーンを用いて開口4に電磁波を照射したときよりも大きくなる。このように、本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンを用いて開口4に電磁波を照射することによって開口4に捕集される主偏波の放射電力が増大するということは、照射対象のこの開口4で反射して発生する二次放射における主偏波の電力利得のピーク値がより高くなることを意味している。その具体例を挙げるならば、メインリフレクタとサブリフレクタとを有するパラボラアンテナにおいて、例えば、メインリフレクタとサブリフレクタとをそれらの軸心をオフセットさせて組合せて構成したオフセット型グレゴリアンアンテナにおいて、そのサブリフレクタに電磁波を照射するときの照射コーンの半角を41°とし、そのメインリフレクタの直径を1mとするならば、図3及び図4に示した本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンをフィードホーンとして用いることによって、図1に示した従来例のコルゲートホーンを用いたときと比べて、このグレゴリアンアンテナの主偏波の放射電力のピーク値が0.7dB高くなる。そのため、最終的な効果として、リフレクタで反射した二次放射の放射パターンにおけるサイドローブを好適に抑制しつつ、その二次放射の放射パターンにおける放射電力のピーク値を高めることができ、この最終的効果の中にこそ、本発明の最も重要な有用性が存するのである。
【0037】
以上に、本発明の好適な実施の形態に係るコルゲートホーンを用いてリフレクタの開口に電磁波を照射することによって、その照射対象の開口に捕集される主偏波の放射電力が増大するという効果が得られるということを説明したが、ただし以上の説明は、本発明の好適な実施の形態に係るコルゲートホーンの2つの設計動作周波数帯のうちの一方の動作周波数帯だけでその効果が得られるというものであった。しかるに、以上の開示は1つの具体例を提示することを目的としたものであって、本発明は、照射対象の開口に捕集される主偏波の放射電力が増大するという効果がただ1つの動作周波数帯に関してのみ得られるものに限定されない。即ち、捕集される主偏波の放射電力が増大するという効果は1つ以上の動作周波数帯で得られることができる。更には、コルゲートホーンの形状に適宜のチューニングを施すことによって、ある動作周波数帯と別の動作周波数帯とにおける捕集される主偏波の放射電力の増大量を、互いにバランスさせることも可能である。
【0038】
先に列挙した先行技術文献のうちの幾つかの特許文献に記載されている従来例と、本発明との間の原理的な相違点について、ここで再度説明をしておく。特許文献2(Kung et al.)及び特許文献3(Parrikar at al.)に記載されているコルゲートホーンはいずれも、ホーンそれ自体の開口効率を高めたものであり(そのためホーンそれ自体の角度0°における電力利得が高くなっている)、それによって、特許文献2のコルゲートホーンでは、そのコルゲートホーンを用いてリフレクタに電磁波を照射して発生させた二次放射の放射ビームが、フラットトップ型のビームとなるようにしており、また、特許文献3のコルゲートホーンでは、そのコルゲートホーンを用いてリフレクタに電磁波を照射して発生させた二次放射の放射パターンが、サイドローブの抑制された放射パターンとなるようにしている。これらに対して、本発明に係るコルゲートホーンでは、照射対象のリフレクタの開口を底面とする規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力を増大させており、それによって、そのリフレクタから発せられる放射の角度0°における電力利得を高める(即ち二次放射パターンの角度0°における電力利得を高める)ようにしたものであり、ホーンそれ自体から発せられる放射の角度0°における電力利得を高めてはいない。図8の遠隔場放射パターンのグラフ31からも明らかなように、本発明に係るコルゲートホーンでは、ホーンそれ自体からの放射の角度0°における電力利得は、従来例のコルゲートホーンと比べて、より低くなっている。
【0039】
実際に、ホーンそれ自体からの放射の角度0°における電力利得が低いことも、本発明が目的とする上述した効果を達成する上での一助となっている。即ち、従来のコルゲートホーンでは角度0°の近傍の角度領域に放射されていた主偏波の放射電力のうちの幾分かが、本発明のコルゲートホーンでは、角度0°から離れ、照射対象の開口を底面とする照射コーンの仮想側面に近寄った角度領域の中へ配分されている。このことは、図8の遠隔場放射パターンのグラフ31から明らかである。また、本発明が目的とする上述した効果の達成に寄与しているもう1つの要因として、従来例のコルゲートホーンでは主偏波のメインローブから離隔したサイドローブによって費やされていた放射電力が、本発明のコルゲートホーンでは、照射対象の開口を底面とする照射コーンの角度領域の中へ配分されているということがある。このこともまた、図8の遠隔場パターンのグラフ31から明らかである。
【0040】
従来例のコルゲートホーンでは、交差偏波の放射電力レベルを極めて低いレベルにしている(交差偏波の最大放射電力レベルが、主偏波の最大放射電力レベルより40dB以上低くなっている)が、これほどまでに高い偏波純度は、実際の用途において常に必要とされるものではない。また、本発明のコルゲートホーンでは、主偏波の最大放射電波レベルよりも交差偏波の最大放射電波レベルが低レベルであればよいが、設計動作周波数帯における交差偏波の放射電力の抑制量と、規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力の増大量とを、必要に応じてバランスさせることができ、従ってそれらの間の最適な兼ね合いを図ることができる。
【0041】
更にもう1つ特記すべきこととして、本発明のコルゲートホーンでは、動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときの位相中心の移動量を小さく抑え得るということがある。具体的には、図1の従来例のコルゲートホーンでは位相中心の移動軌跡の全長が8.6mmである(これは、20.2〜21.2GHzの動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときには位相中心がホーン開口の後方2.5〜3.1mmの範囲内で移動し、30.0〜31.0GHzの動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときには位相中心がホーン開口の後方10.2〜11.1mmの範囲内で移動するからである)のに対して、図3及び図4の本発明の実施の形態に係るコルゲートホーンでは位相中心の移動軌跡の全長がわずか2.6mmになる(これは、20.2〜21.2GHzの動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときには位相中心がホーン開口の後方1.1〜2.3mmの範囲内で移動し、30.0〜31.0GHzの動作周波数帯の全域に亘って動作周波数が変化するときには位相中心がホーン開口の後方0.5mmから前方0.3mmまでの範囲内で移動するからである)。このように位相中心の移動軌跡の全長が短ければ、それによって、例えば図6に示したように、ホーンを用いてリフレクタないしレンズに電磁波を照射する構成としたアンテナシステムにおいて、そのホーンが最適位置(即ち、焦点ずれによる特性劣化が総合的に最少になる位置)に固定されるために余儀なくされるアンテナ特性の劣化度が軽減されることになる。
【符号の説明】
【0042】
1 フィードホーン
3 リフレクタないしレンズ
4 開口
5 半角
110 スロート部
111 スロート部のコルゲート溝
120 移行部(フレア部)
121 移行部(フレア部)のコルゲート溝
130 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の送受信のためのフィードホーン(1)において、TE11モードをHE11モードに変換するスロート部(110)と、前記スロート部(110)の反対側に位置する開口部(130)と、複数本のコルゲート溝を有し前記スロート部(110)に連接した移行部(120)とを備えており、前記移行部(120)の前記複数本のコルゲート溝(121)は、該フィードホーン(1)の径方向に凹んだコルゲート溝であって、本質的に前記スロート部(110)から前記開口部(130)へ近付くにつれて該フィードホーン(1)の横断面寸法を次第に拡大させるようにして形成されており、前記スロート部(110)と、前記開口部(130)と、前記移行部(120)とは共通の対称軸心を有し、前記複数本のコルゲート溝(121)は、それらコルゲート溝(121)が信号のモード成分を変化させることにより、該フィードホーン(1)が少なくとも1つの動作周波数帯において規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力が、ホーン開口内のモードが略々純粋なHE11モードとなるようにしたフィードホーンを同じ円錐半角におけるイルミネーションテーパの値が同じになるようにして同じ動作周波数で動作させたときの当該放射電力より大きくなるように、それらコルゲート溝(121)どうしの間の相対寸法が定められていることを特徴とするフィードホーン(1)。
【請求項2】
前記フィードホーン(1)と給電用の導波管との間に入力インピーダンス整合部が連接されており、該入力インピーダンス整合部は、前記少なくとも1つの動作周波数帯において無反射の直接的な信号伝播が行われるようにすることで該フィードホーンの入力インピーダンスの整合を取るものであることを特徴とする請求項1記載のフィードホーン。
【請求項3】
前記フィードホーン(1)は、前記少なくとも1つの動作周波数帯において電磁エネルギの束縛状態を励起することがないように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフィードホーン。
【請求項4】
前記少なくとも1つの動作周波数帯域に亘って動作周波数が変化するときの前記フィードホーン(1)の位相中心の移動軌跡の全長が、ホーン開口内のモードが略々純粋なHE11モードとなるようにしたフィードホーンの当該移動軌跡の全長より短くなるようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のフィードホーン。
【請求項5】
前記フィードホーン(1)は、前記少なくとも1つの動作周波数帯において発生する交差偏波が低レベルであるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のフィードホーン。
【請求項6】
フィードホーン(1)の形成方法において、
−スロート部(110)を設けるステップと、
−前記スロート部(110)の反対側に開口部(130)を設けるステップと、
−複数本のコルゲート溝を有し前記スロート部(110)に連接する移行部(120)を設けるステップとを含んでおり、前記移行部(120)の前記複数本のコルゲート溝(121)は、該フィードホーン(1)の径方向に凹んだコルゲート溝であって、前記スロート部(110)から前記開口部(130)へ近付くにつれて該フィードホーン(1)の横断面寸法を次第に拡大させるようにして形成され、前記複数本のコルゲート溝(121)は更に、それらコルゲート溝(121)が信号のモード成分を変化させることにより、該フィードホーン(1)が少なくとも1つの動作周波数帯において規定立体角の照射コーンの中に放射する主偏波の放射電力が、ホーン開口内のモードが略々純粋なHE11モードとなるようにしたフィードホーンを同じ円錐半角におけるイルミネーションテーパの値が同じになるようにして同じ動作周波数で動作させたときの当該放射電力より大きくなるように、それらコルゲート溝(121)どうしの間の相対寸法が定められることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記フィードホーン(1)は、前記少なくとも1つの動作周波数帯において電磁エネルギの束縛状態を励起することがないように構成されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの動作周波数帯域に亘って動作周波数が変化するときの前記フィードホーン(1)の位相中心の移動軌跡の全長が、ホーン開口内のモードが略々純粋なHE11モードとなるようにしたフィードホーンを、同じ円錐半角におけるイルミネーションテーパの値が同じになるようにして同じ動作周波数で動作させたときのフィードホーンの当該移動軌跡の全長より短くなるようにすることを特徴とする請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
前記フィードホーン(1)は、前記少なくとも1つの動作周波数帯において発生する交差偏波が低レベルであるように構成されることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−5444(P2013−5444A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135006(P2012−135006)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(512149798)アストリウム・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Astrium Ltd.
【住所又は居所原語表記】Anchorage Road,Portsmouth,Hampshire,PO3 5PU United Kingdom
【Fターム(参考)】