説明

照明システムを有する床被覆システム

本発明は、(a)PVCベースの床被覆100及び(b)光210を発生する照明システム200を持つ床被覆システム10を提供する。PVCベースの床被覆100は、ユーザ側101及び反対の裏側102を持つ。照明システム200は、PVCベースの床被覆100の裏側102に配置される。PVCベースの床被覆100は、照明システム200により発生される光210に対して、0.5%ないし30%の範囲、特に1%ないし20%の範囲の光透過率を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ側及び反対の裏側を持つ床被覆と、前記床被覆の裏側に設けられた照明システムとを有する床被覆システムに関する。
【0002】
本発明は、床被覆システムにおいて使用する床被覆及び床被覆タイルにも関する。
【0003】
本発明は、更に、床被覆システムを提供する方法及び道案内に対する床被覆システムの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
床の上又は中の照明は、当技術分野において既知である。EP0323682は、例えば、建築物内の移動経路に沿って前記建築物の居住者を案内する装置を記載しており、前記装置は、その構造の床を覆うモジュラカーペットタイルを有し、前記タイルの幾つかは、信号ユニットであり、前記信号ユニットは、その中の開口内に位置する光透過性の成形プラスチックハウジングを持ち、前記ハウジング内に位置する発光ダイオードを持つ。前記発光ダイオードは、電気ケーブルを介して電圧を印加され、これにより床の上に視覚的に認識可能な経路を提供する。
【0005】
更に、光ファイバを有する布地も、当技術分野において既知である。US20070037462は、例えば、機能的光ファイバを有する分散型光ファイバスクリムを製造する方法、このように製造された機能的光ファイバスクリム、及び光ファイバスクリムが組み込まれる複合物を記載している。この文献は、様々な布地スクリム、特に接着剤で結合された不織スクリム材料を記載しており、各々が、少なくとも布の長さ又は幅にわたる連続的な経路を持つ少なくとも1つの光ファイバを有する。このような光ファイバスクリムは、単独で、又は布、フィルム及び発泡体のような他の材料と組み合わせてのいずれかで、センサ部品として(例えば、破損、歪み、圧力又はトルクの検出器として)、照明部品として(例えば、様々な光提供アプリケーションにおいて)、又はデータ分散部品として有用でありうる。
【0006】
US4754372は、布地材料の裏に接続された少なくとも1つの光源を持つ線維面を持つ布地材料の照明可能被覆を記載している。複数の光透過ファイバが、前記光源に接続され、前記光源が電圧印加される場合に光を透過する前記布地材料の線維面に隣接して終了する自由端部分を用いてそこから発光する。一実施例において、前記布地材料は、カーペット又はラグのような床被覆材料である。
【0007】
例えばカーペットにおける電子部品の使用は、当技術分野において既知であるWO2007033980は、例えば、このようなカーペット、及び電子部品を持つカーペットを提供する方法を記載している。前記電子部品が効率的かつ正確に配置可能な形で前記カーペットに適用されることができることを保証する方法を作成するために、支持材料に固定して接合される電子部品は、前記支持の助けで前記カーペットに糊づけされる。
【0008】
US4794373は、構造内の床に沿った移動経路において前記構造の居住者を視覚的に案内する装置を記載している。前記装置は、床を覆うカーペットと、前記カーペットの下に位置する照明ストリップで構成される。前記照明ストリップは、細長いリボンを有し、前記リボンが、中に入れられ、シート材料の前記リボンの長手方向に延在する横方向に離間された導体のグループを持つ。一連の光透過性プラスチックハウジングは、プラスチックシート材料のリボンの共通の外面に沿って長手方向に配置され、接続される。発光手段は、前記ハウジングの各々の中に位置し、前記シート材料のリボンに入れられた導体のグループの所定のものに電気的に接続される。前記カーペットは、それを通って延在する孔を持ち、前記孔は、前記光ストリップ上の前記一連の光透過性ハウジングに対応して連続して配置される。前記ハウジングは、前記ハウジング内に位置する前記発光手段が電圧印加される場合に、視覚的に認識可能な経路が前記カーペットの面に沿って現れるように前記カーペットの孔の中に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
多くの従来技術の不利点は、例えば、光源又はハウジングがカーペットを突き抜けることである。これは、"実際の広幅織りじゅうたん"被覆が存在せず、一定の被覆感覚及び景色が存在しえないので、美的感覚の理由でユーザにより望まれえない。加えて、システムの洗浄は、照明システムがカーペットと独立に洗浄される必要がありうるので、より難しくなりうる。従来技術の他の問題は、コストが高すぎることでありえ、このコストは、光源に必要とされるハウジングにより強力に増加される。更に、これは、システムの複雑さを増大させるかもしれず、これは、従来の光源の設置を難しくする。従来技術の他の不利点は、システムが設置された後に照明パターンが容易に変更されることができないことである。
【0010】
照明機能を持つ被覆を提供する要望が存在するが、被覆及び照明を床に配置する場合に可とう性を持つ要望も存在する。更に、好ましくは頑丈、安価、幅広く使用可能及び幅広く受け入れ可能の少なくとも1以上である被覆を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
照明システムにより発生された光に対して、0.5%ないし30%の光透過率を持ち、PVC床材及びラミネート床材からなるグループから選択される、本発明による床被覆が、これらの基準の1以上を満たすことができることがわかった。本発明に関して、床材は、歩く面を提供する床面上に加える仕上げ材である。PVC床材は、ポリ塩化ビニル(PVC)を有する(又は基づく)床材である。ラミネート床材は、ラミネート床材タイル又はパネルを有する(又は基づく)床材であり、ラミネート床材タイル又はパネルは、融合多層構造を有する床材製品である。
【0012】
加えて、床被覆タイルの利点は、これらが容易に交換されることができることであり、これは、前記タイルの下に設置された照明システムを交換又は修理することをも可能にすることができる。
【0013】
したがって、好ましくは上記の欠点の1以上を少なくとも部分的に取り除く、照明機能を可能にすることができる代替的な床被覆、及び光出力機能(特に照明)をも可能にすることができる代替的な床被覆タイルを提供することは、本発明の一態様である。
【0014】
第1の態様において、本発明は、(a)ユーザ側及び反対の裏側を持つ床被覆と、(b)前記床被覆の裏側に設けられ、光を発生する(1以上の光源を有する)照明システムとを有する床被覆システムを提供し、前記床被覆は、前記照明システムにより発生された光に対して、0.5%ないし30%の範囲、特に1%ないし20%の範囲の光透過率を持ち、前記床被覆は、PVC床材及びラミネート床材からなるグループから選択される。
【0015】
このようにして、頑丈な床被覆システムが、実質的に従来技術の床被覆製造プロセスに基づいて、提供されることができる。しかしながら、ここで、前記床被覆システムは、光を提供するオプションをも提供し、他方で、前記床被覆の透過性は、光が発せられない場合に前記照明システムが見えないように選択される。したがって、前記床被覆システムは、光を生成することができるが、前記床被覆の後ろの光源は、見えない。好ましくは、透過率は、0.5%ないし20%の範囲、例えば1%ないし20%である。特に、透過率は、15%以下であり、例えば10%以下であり、例えば1%ないし10%又は1%ないし5%である。したがって、示された透過率範囲は、一方で、前記床被覆を通る十分な透過率を提供することができ、特に従来のLED、好ましくは半導体LEDを仮定して、例えば典型的なオフィス照明条件下で照明効果を更に見えるようにするが、他方で、前記床被覆の下の要素(例えば光源)の可視性を実質的に防ぐ。床又は前記床被覆の下の他の要素の可視性は、前記光源(又は電気配線、反射ホイル、詰め物のような他の要素)がもはや隠されることができないので、特に望まれえない。ここに示される原理は、"ハイドライト(hide light)"として示されることもでき、前記光源は、隠されることができ、前記床被覆システムのユーザに見えないが、これにより発生された光は、前記ユーザに見える。
【0016】
透過率又は光透過性は、前記材料に対して第1の強度で特定の波長における光を提供し、前記材料を透過した後に測定された当該波長における光の強度を、前記材料に対して当該特定の波長において提供された光の前記第1の強度に関連付けることにより決定されることができる(CRC Handbook of Chemistry and Physics, 69th edition, 1088-1989のE-208及びE-406を参照)。
【0017】
前記裏側から前記ユーザ側に前記被覆材料を通って移動する光の透過率が測定される。前記裏側は、一般に前記床に(オプションとして糊のような接着剤で)配置された前記被覆材料の部分である。前記ユーザ側は、前側であり、前記床被覆が前記床に配置される場合にユーザに可視である側である。上面又はユーザ側の光の下流の強度は、前記床被覆の光の上流、すなわち前記裏側における強度に関連付けられる。透過率を決定するための前記裏側で発せられた光は、好ましくは、垂直入射で前記裏側に向けられ、前記床被覆の他方の側における合計積分光放射が、測定される。
【0018】
本発明の追加の利点は、前記床被覆が、下にある前記照明システムを保護していることでありうる。したがって、人々が前記床被覆システムの上を歩いている場合、前記床被覆は、前記照明システムを損傷から保護することができる。加えて、これは、前記照明システムに対して保護ハウジングを使用する必要性を除去することができ、これは、前記照明システムをより安価に製造できるようにすることができる。
【0019】
このような床被覆システムは、リビングルーム、キッチン、ベッドルーム、プレイルーム、マッドルーム、ランドリルーム、通路、店舗、室内トレーニング領域、ガレージ、オフィス、学校、ホテル、図書館、病院、輸送車両(電車、ボート等)等のようなほとんど如何なるタイプの部屋又は領域において使用されてもよい。
【0020】
このような床被覆システムは、床照明、すなわち前記照明システムがオンに切り替えられる場合に前記床被覆から発する光を提供する。前記床照明は、部屋又は領域を照らすのに使用されることができるが、機能的又は装飾的な照明として使用されることもできる。前記床照明は、代わりに又は加えて、コマーシャル情報(商標、商標名、価格等)のような情報、(時間、温度、日付のような)他の情報、及び店舗、部屋、入り口、出口又は領域を見つけるための方向のような道発見情報を提供するのに使用されてもよい。特に、前記床被覆は、緊急道発見を提供するのに使用されることもできる。したがって、本発明は、道案内、特に緊急道案内に対しても、ここに記載される床被覆システムを提供する。したがって、このような床被覆システムは、一実施例において、光で情報を提供する、すなわち、特に(矢印等のような)前記床における照明パターンを作成するように使用されることもできる。
【0021】
本発明による床被覆システムは、床一面の(又はぴったりの)床被覆又は複数の床被覆タイルを有する床被覆を有することができる。したがって、一実施例において、前記床被覆は、複数のPVC床材タイル又は複数のラミネート床材タイル(パネル)を有することができる。タイルの使用は、光源が交換、修理又は除去される必要がある場合、関連するタイルのみが(一時的に)除去されなければならないので、有利であることができる。一般に、前記タイルは、閉じた床被覆が得られるように互いに隣接して配置される。PVC及びラミネート床被覆タイルは、しばしば、1つのタイルを他のタイルにはめ込むことを可能にするコネクタを持つ。このようにして、タイルは、一緒に"クリック"されることができ、例えば、ジグソー型の構造が使用されてもよい。更に、前記照明システムは、複数の照明ユニットを有することができる。これは、光源を配置する場所の自由度を提供することができ、材料の使用を減少させることができる。
【0022】
前記照明システムは、一般に、複数の光源、特にLED(発光ダイオード)光源を有する。用語"複数の光源"は、2以上の光源(特にLED)、特に2ないし100,000、例えば2ないし10,000、例えば4ないし300、例えば16ないし256の光源を示すことができる。したがって、前記照明システムは、2ないし10,000LED/m2、特に25ないし2,500LED/m2のような複数のLEDを有することができる。
【0023】
前記複数のLEDが、複数の照明ユニットに分散されうることに注意する。したがって、照明システムは、1以上の照明ユニットを有しうる。一般に、前記照明システムは、前記床被覆システムが使用される面積に依存して、複数の照明ユニットを有する。前記照明ユニットは、互いに隣接していてもよく、又は互いから非ゼロの距離に配置されてもよい。前記照明ユニットは、独立に又は従属して電力供給されてもよい。前記照明ユニットは、例えば、電気的に相互接続されてもよい。コントローラ(以下を参照)は、1以上の照明ユニットを個別に制御することができる。前記コントローラは、1以上の光源を(も)個別に制御することができる。
【0024】
例えば、オフィスの10メートルの廊下は、10の照明ユニットと対応する10のタイルを有してもよく、各照明ユニットは、例えば矢印の輪郭を描く、約20ないし80の単色LEDを有する。
【0025】
したがって、用語"照明システム"は、複数の照明ユニットをも参照することができる。更に、本発明は、複数の光源を有する照明システムに配置された複数のタイルを有する床被覆システムにおいて、各タイルが1以上の光源にわたり配置されないことを除外しない。同様に、本発明は、複数の照明ユニットを有する照明システムに配置された複数のタイルを有する床被覆システムにおいて、各タイルが1以上の照明ユニットにわたり配置されることを除外しない。
【0026】
前記光源は、小さな白熱ランプ又は(光をファイバから逃がすように構成され、この実施例が比較的安価であるという利点を持つ)ファイバ先端又はファイバ不規則のような如何なる光源であってもよいが、特に、LED(発光ダイオード)であってもよい。LEDを使用する特定の利点は、これらが比較的小さく、これにより基板内の凹所に良好にフィットすることができることである(以下を参照)。前述のように、1mmより下の前記照明システムの合計厚さが好ましく、これは、LEDを用いてのみ達成されることができる。用語LEDは、OLEDを参照することができるが、特に半導体照明を参照する。他に示されない限り、用語LEDは、ここでは、半導体LEDを参照する。特に、前記光源は、複数の光源を有する照明システムの一部である。
【0027】
光源としての半導体LEDは、小さな寸法のため、特に望ましい。従来技術のこのような光源は、1mmより小さい厚さ、(プリント回路基板のような0.5mmないし1mmの厚さの支持構造を除いて)約0.2mm又はそれより小さい範囲であることができる。(例えば支持構造を含む合計1mmの厚さを持つ)このような光源を床に配置する場合に、前記床被覆は、前記床被覆の(局所的な)表面高度に対する前記光源(の存在)の実質的な影響なしで前記光源上に配置されることができる。
【0028】
それにもかかわらず、前記床被覆の下の光源の存在を考慮に入れて、前記照明システムを平滑化することができる手段を含めることが好ましいかもしれない。
【0029】
他の実施例において、本発明は、前記照明システムの少なくとも一部がフィットすることができる裏側の1以上の凹所を持つ、前記床被覆システムにおいて使用する床被覆を提供する。例えば、前記凹所は、光源の少なくとも一部、又は複数の光源の少なくとも一部を収容することができるが、前記凹所は、照明ユニットの少なくとも一部、又は複数の照明ユニットの少なくとも一部を収容することもできる。したがって、一実施例において、前記照明ユニットは、前記床被覆(床一面又はタイル)の裏側における1以上の凹所内に少なくとも部分的に配置されることができる。
【0030】
特定の実施例において、前記床被覆システムは、前記照明システムの少なくとも一部と前記床被覆の少なくとも一部との間に配置された、平滑化層及び/又は接着層のような補助層を更に有することができる。この補助層は、照明ユニットの間に配置されることができる。これは、PCBのような基板から突き出しうる光源の間に配置されることもできる。前記補助層は、照明ユニット又は照明システム全体に配置されることもできる。特に、前記補助層は、平滑化層及び接着層からなるグループから選択されることができる。
【0031】
前記補助層が、1以上の光源の上に配置される場合、前記補助層は、透過性であるように選択されることができる。例えば、透過性ホイル又は透過性接着剤が使用されることができる。前記平滑化層は、前記光源(及び/又は照明システム)上でこれ自体を成形するように(塑性的に)変形することができるように選択されることもできる。前記補助層は、前記光源(又は少なくとも発光面)に前記補助層が存在しないように配置されることもできる。例えば、前記平滑化層は、1以上の光源からの光が移動することを可能にする1以上の孔を有することができる。
【0032】
一実施例において、前記平滑化層は、前記照明システムの一部に取り付けられる。例えば、各照明ユニットは、上側の少なくとも一部に取り付けられたこのような平滑化層を有することができる。したがって、一実施例において、前記平滑化層は、前記照明システムの一部であることができる。前記平滑化層は、プラスチック、フェルト、PCB材料(すなわちポリテトラフルオロエチレン又はFR−4のような絶縁材料)、又は他の材料を有することができる。
【0033】
代わりに又は加えて、1以上の光源を持つ基板を有する照明ユニットは、上面において、前記1以上の光源を収容する1以上の空洞又は凹所を有することもできる。前記1以上の光源は、それぞれ、前記1以上の空洞/凹所に部分的に又は完全に収容されることができる。前記1以上の光源及び/又は他の電気部品が、1以上の凹所に収容される場合に、実質的に平坦な照明システムが、達成されることができる。
【0034】
したがって、一実施例において、本発明は、好ましくは、特に1以上の光源を収容する、1以上の凹所を持つプリント回路基板(PCB)を有する照明システムをも提供する。前記1以上の凹所は、1以上の光源及び/又は電気接続部、抵抗、トランジスタ、電源、コントローラ等のような1以上の他の電気部品を収容するように構成されることができる。特定の実施例は、基板としてのPCBであり、前記照明システムの光源及び/又は他の(電子)部品は、前記PCB(基板)上の平滑化層に埋め込まれる。この平滑化層は、特に、PCB材料であることが(も)できる。前記平滑化層は、前記照明システムの1以上の部分、特に光源が、配置されることができる、開口又は凹所を有することができる。(PCB)平滑化層を持つこのようなPCB(基板)は、一実施例において、PCBラミネートのようなラミネートと見なされることができる。平滑化層としてPCB材料を使用する利点は、収容される構造が、PCBラミネートの製造プロセスにおいて製造されることができることである。
【0035】
PCB内の導電層は、典型的には、薄い銅ホイルから作成される。絶縁層(誘電体)は、典型的には、エポキシ樹脂プリプレグと一緒にラミネートされる。誘電体は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、FR−4、FR−1、CEM−1又はCEM−3からなるグループから選択されることができる。PCB産業において使用される周知のプリプレグ材料は、FR−2(フェノールコットン紙)、FR−3(コットン紙及びエポキシ)、FR−4(編まれたガラス及びエポキシ)、FR−5(編まれたガラス及びエポキシ)、FR−6(マットガラス及びポリエステル)、G−10(編まれたガラス及びエポキシ)、CEM−1(コットン紙及びエポキシ)、CEM−2(コットン紙及びエポキシ)、CEM−3(編まれたガラス及びエポキシ)、CEM−4(編まれたガラス及びエポキシ)、CEM−5(編まれたガラス及びポリエステル)である。
【0036】
好ましくは、前記光源の合計高さ、及びより好ましくは前記照明システムの合計高さは、最大1mm、好ましくはそれ以下、例えば約0.7mm以下、特に0.5mm以下、例えば0.2mmないし0.4mm、例えば0.3mmである。
【0037】
前記照明システムは、好ましくは、可能な限り薄く作成され、好ましくは非常に平坦であり、そうでなければ、前記照明システムの輪郭が、前記床被覆を通して見えるかもしれない。平坦さは、例えば、ここに記載される平滑化層により達成されることができる。特にPVC及びラミネート床材タイルは、床の不均一な部分の影響を受けやすい可能性(時間において前記タイルを破壊するリスク)があるので、小さな高さ及び/又は平坦な照明システムが、好ましい。
【0038】
他の実施例において、前記照明システムは、前記照明システム全体にわたり開口を有し、前記床の下にある前記照明システムが、これらの開口を通して露出される。このアプローチの利点は、前記床被覆が前記床に直接的に接着することができるので、接着促進層が必要でなくてもよいことである。
【0039】
前記床被覆システムは、前記照明システム及び特に前記照明システムの個別の光源を制御するコントローラを更に有することができ、前記コントローラは、前記床被覆システムの外部に配置されてもよいが、前記床被覆システムに一体化されてもよい。前記床被覆システムが複数の照明ユニットを有する実施例において、前記床被覆システムは、1以上のコントローラを有してもよい。一般に、ここで更に"コントローラ"として示される1つの中央コントローラが存在する。より大きな床面積に対して、オプションとして、複数の独立な又は従属するコントローラが、使用されてもよい。したがって、一実施例において、前記床被覆システムは、前記照明システムを制御するコントローラを更に有し、すなわち前記コントローラは、前記照明システムにより発生される光を制御する。このようにして、例えば、特定の方向を示す矢印又はコマーシャル情報のような情報も、提供されることができる。前記光の色、オン/オフ状態、強度、パターン形状及び情報内容の1以上が、可変であることができ、前記コントローラにより制御されることができる。コントローラは、前記照明ユニットに一体化されてもよい。例えば、各基板(又は照明ユニット)上にコントローラを持つことにより、異なる基板は、例えば前記オン/オフ状態等を決定するように、互いと通信することができる。
【0040】
更に、前記床被覆システムは、センサを有してもよく、前記コントローラは、前記センサのセンサ信号に応答して前記照明システムの光を制御する。したがって、一実施例において、前記光の色、オン/オフ状態、強度、パターン形状及び情報内容の1以上が、(タッチ又はアプローチセンサのような)センサのセンサ信号に依存してもよく、前記センサは、前記床被覆の上又は近傍における物体を感知し、前記コントローラは、前記センサ信号に依存して前記光の色、オン/オフ状態、強度、パターン形状及び情報内容の1以上を制御する。したがって、他の実施例において、前記床被覆システムは、タッチ又はアプローチセンサのようなセンサを更に有し、前記センサは、前記床被覆システムの外部に配置されてもよいが、前記床被覆システムに一体化されてもよい。
【0041】
他の実施例において、本発明は、センサ及び前記コントローラを組み合わせた前記床被覆システム又は(このような床被覆システムにおいて使用するように設計された)前記照明システムを提供し、前記センサは、前記センサがアプローチ又はタッチされる場合にセンサ信号を提供し、前記コントローラは、前記床被覆システム又は前記照明システムの照明パラメータ(例えば、色、色分布、光強度、光強度分布、点滅周波数等)、前記光のパターン形状、及び前記光により提供される情報内容からなるグループから選択された1以上のパラメータを制御する。パターン又は情報は、一般に、複数の光源により提供される。
【0042】
本発明は、他の態様において、本発明による床被覆システムにおいて使用され、光に対して0.5%ないし30%の範囲、特に1%ないし20%の範囲の光透過率を持つ(上記を参照)床被覆自体をも提供し、前記床被覆は、PVC床材及びラミネート床材からなるグループから選択される。
【0043】
他の態様によると、本発明は、ユーザ側及び反対の裏側を持ち、光に対して、0.5%ないし30%の範囲、特に1%ないし20%の範囲の光透過率を持つPVC床材タイル及びラミネート床材タイル(パネル)からなるグループから選択された床被覆タイルを提供する(上記を参照)。特定の実施例において、前記床被覆タイルは、前記床被覆タイルの裏側に配置された照明ユニットを更に有することができ、前記床被覆タイル及び前記照明ユニットは、一体化される。このようなタイルは、1つのユニットにおいて照明特性及び床被覆特性を有利に組み合わせる1つのユニットとして使用されることができる。このようなユニットは、1回のアクションで交換されることができる。
【0044】
他の代替的な実施例において、前記床被覆タイルは、設置中に平滑化層に対する必要性が存在しなくなるように、前記照明システム(の一部)がフィットする凹所を持つ。このようにして、前記照明システム(の一部)は、(正確に同じ場所において)容易に設置又は交換されることができる。したがって、本発明の一実施例において、前記照明ユニットは、前記床被覆タイルの裏側における1以上の凹所内に少なくとも部分的に配置される。更に、本発明は、前記床被覆の裏側に配置された1以上の凹所を持ち、前記照明システムの少なくとも一部を収容する、本発明による床被覆システムにおいて使用する床被覆(自体)をも提供する。
【0045】
特定の実施例において、前記床被覆は、1.5ないし1.6のような1.4ないし1.65の範囲の屈折率を持つ充填材料を有するPVC床材である。このような屈折率は、前記PVCの屈折率と比較的良好にマッチすることができる。好ましくは、前記充填材料の屈折率は、PVCの屈折率とマッチする(すなわち、好ましくは約20%より小さく、より好ましくは約10%より小さく、更に好ましくは約5%より小さい、PVCの屈折率との差)。これは、透過率を向上させ、光損失を減少させることができる。他の実施例において、前記充填材料は、炭酸カルシウム、三水和アルミナ、ポリカーボネート及びガラスからなるグループから選択された1以上の材料、特に三水和アルミナを有することができる。オプションとして、ゼオライトが使用されてもよい。特定の実施例において、高純度の炭酸カルシウムが使用される。
【0046】
他の態様によると、本発明は、本発明の床被覆システムを設ける方法を提供し、前記方法は、床に照明システムを配置するステップと、オプションとして前記照明システムの少なくとも一部に平滑化層のような補助層を配置するステップと、前記照明システム上に、オプションとして複数の床被覆タイルの形で、前記床被覆を配置するステップとを有する。
【0047】
"下"、"上"、"上部"及び"下部"のような用語は、前記床被覆システム、床被覆又は床被覆タイルが実質的に水平な面において実質的に平坦に配置され、前記床被覆(タイル)のユーザ側及び裏側並びに/又は前記照明システムの上側及び下側が前記実質的に水平な面に実質的に平行である場合に得られるアイテムの位置又は配置に関する。しかしながら、これは、壁に対するような他の構成、又は他の(縦の)構成における前記床被覆システムの使用を除外しない。
【0048】
用語"上流"及び"下流"は、光発生手段(ここでは前記照明システム、特に前記LEDのような前記光源)からの光の伝搬に対するアイテム又はフィーチャの配置に関し、前記光発生手段からの光のビーム内の第1の位置に対して、前記光発生手段に近い光のビーム内の第2の位置は"上流"であり、前記光発生手段から離れた前記光のビーム内の第3の位置は"下流"である。
【0049】
本発明の実施例は、対応する参照シンボルが対応する部分を示す添付の概略図を参照して、例としてのみ、ここに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による床被覆システムの一実施例を概略的に描く。
【図2a】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図2b】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図2c】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図2d】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図2e】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図2f】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図3a】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図3b】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図4】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図5】本発明による床被覆システムの実施例及び変形例を概略的に描く。
【図6a】本発明による床被覆システムにおいて使用するラミネート床材タイルの一実施例を概略的に描く。
【図6b】本発明による床被覆システムにおいて使用される場合のラミネート床材タイルの下に配置されるべき照明システムを概略的に描く。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、本発明による床被覆システム10の一実施例を概略的に描く。床被覆システム10は、(a)床被覆100及び(b)光210を発生する照明システム200を有する。
【0052】
床被覆100は、ユーザ側101及び反対の裏側102を持つ。照明システム200は、上側201及び下側202を持つ。照明システム200は、床被覆100の裏側に配置される。図1において見られるように、照明システム200の上側201及び床被覆100の裏側102は、互いに向かい合っている。裏側102は、照明側として示されることもできる。この実施例における照明システム200は、LEDのような複数の光源205を有する。照明システム200は、(オンに切り替えられる場合に)光210を発生する。この実施例において、照明システム200は、1つの照明ユニット250を有し(すなわち前記照明ユニットが前記照明システムである)、一般に、照明システム200は、複数の照明ユニット250を有してもよい(以下を参照)。照明システム200は、("V"で示される)外部電源により電力供給されることができる。
【0053】
床被覆100は、照明システム200により発生された光210に対して、0.5%ないし30%の範囲、特に1%ないし20%の範囲の光透過率を持つ。このようにして、床被覆100のユーザ側101を知覚する観察者/ユーザは、本質的に照明システム200又は床被覆100の裏側102の後ろの他のアイテムを見ない。前記観察者は、床被覆100を"通常の"床被覆100として観察する。しかしながら、照明システム200が光210を提供する場合、この光210は、前記観察者により観察される。前記光源は隠され、前記光自体は知覚される。
【0054】
床被覆100は、PVC床材及びラミネート床材からなるグループから選択される。
【0055】
本発明は、ユーザ側101及び反対の裏側102を持ち、光210に対して、0.5%ないし30%の範囲、特に1%ないし20%の範囲の光透過率を持つ床被覆100自体も対象とし、前記床被覆100は、PVC床材及びラミネート床材からなるグループから選択される。床被覆100は、充填材料を有するPVC床材であることができる。前記充填材料は、例えば、炭酸カルシウム、三水和アルミナ、ポリカーボネート及びガラスからなるグループから選択された1以上の材料を有することができる。本発明は、照明システム200自体も対象とする。
【0056】
照明システム200は、一般に、参照番号203で示される基板又はサポートを有し、基板又はサポート203は、光源205を有する。例えば、サポート203は、PCB(プリント回路基板)であることができる。このようなPCBに対して、LEDが設けられることができる。
【0057】
図2aないし2cは、例えば照明システム200を平らにする又は平滑化する、補助層を持つ非限定的手段/実施例を概略的に描く。これらの実施例は、照明システム200の少なくとも一部と床被覆100との間に配置された、補助層500を示す。前記補助層は、例えば接着剤を有することができる。前記補助層は、平滑化層として配置されることもできる。図2aにおいて、補助層500は、実質的に光源205の間にのみ存在し、光源205上には存在しない。図2aは、断面を概略的に描く。図2aに関連して用語"下流"及び"上流"を説明すると、ユーザ側101が、裏側102の下流であり、裏側102が、ユーザ側101の上流である。
【0058】
図2bは、床被覆100を持たない図2aの実施例の上面図を概略的に描く。平滑化層500が、光源205に対して、参照番号503で示される開口を持つことが、明らかに見られる。したがって、平滑化層500は、光210が床被覆100の方向に移動することを可能にする開口を持つので、照明システム200は、平滑化層500の実質的な吸収なしで、光210を提供することができる。
【0059】
図2cは、補助層500が光源205上にも配置される実施例を概略的に描く。前記補助層は、照明システム200の光210に対して透過性であるように選択されることができる。
【0060】
平滑化層500は、照明システム200の一部であってもよく、すなわち照明システム200に取り付けられた層であってもよい。例えば、平滑化層500及び(PCBのような)サポート203のラミネートであってもよい。前記平滑化層は、一実施例において、PCB材料で作成されることができる。
【0061】
図2dは、照明システム200の幾つかのパラメータを説明するのに使用される。前記照明システムの合計高さは、h2で示され、サポート203の高さは、h1で示され、照明システム200(又はサポート203)の上側201から突き出している場合に光源205の高さが、h3で示され、すなわちh2=h3+h1である。合計高さh2は、例えば、約1mmの範囲内であることができる。
【0062】
図2eは、床被覆100が被覆凹所としても示される凹所104を有する実施例を概略的に描く。変形例が、概略的に描かれ、図の左側は、照明システム200の少なくとも一部、より正確には左に描かれた照明ユニット250の少なくとも一部を収容する複数の凹所を示す。より正確には、この変形例において、凹所104は、(左の)照明ユニット250の光源205を収容する。右には、照明システム200の少なくとも一部、より正確にはこの変形例においては(右の)照明ユニット250の少なくとも一部をも収容する、凹所104の変形例が、示される。より正確には、この変形例において、凹所104は、(右の)照明ユニット250を収容する。
【0063】
図2fは、図2aに概略的に描かれた照明システム200の特定の変形例を描く。照明システム200は、特にPCBである、基板203を有する。照明システム200の光源203及び/又は他の(電子)部品は、凹所204(これらの凹所204は開口503として示されることもできる)において、(補助層500として示される)平滑化層に埋め込まれる。このようにして、平坦な照明システム200が、提供されることができる。前記平滑化層は、前記PCB基板にラミネートされたPCB材料であることもできる。したがって、このようにして、特に1以上の光源205を収容する、1以上の凹所204を持つPCB(プリント回路基板)が、得られることができる。1以上の凹所204は、1以上の光源205及び/又は電気接続部、電源、コントローラ等のような1以上の他の電気部品を収容することができる。図2fに概略的に描かれた照明ユニット250は、ラミネートと見なされることができる。
【0064】
図3aは、床被覆100が複数の床被覆タイル150を有する実施例を概略的に描く。図3bは、照明システム200が複数の照明ユニット250を有する実施例を概略的に描く。図3bは、例として、(隣接する)照明ユニット250の間の(オプションの)電気接続部251をも示す。床被覆システム100が、複数の床被覆タイル150及び複数の照明ユニット250を有することもできることに注意する。一実施例において、床被覆タイル150の数は、照明ユニット250の数より大きいことがありうる。このような実施例において、照明ユニット250が隣接していなくてもよい場合、補助層は、照明ユニット250の間に配置されることが(も)できる。ユニットは、例えば、5cmないし50cmの長さ及び幅、並びに0.1mmないし1mmの高さのような寸法を持ちうる。
【0065】
図4は、本発明の幾つかの変形例を概略的に描く。ここで、床被覆タイル150は、コネクタ103を有するPVC床被覆タイルである。これらは、複数のタイル150を接続し、"閉じた"タイル領域、すなわちPVC床材を形成するのに使用されることができる。更に、説明として、シンボルの形で、ユーザ側101から発する光210が、描かれている。
【0066】
図5は、照明システム200、より正確には照明システム200により発生されることができる光210を制御するコントローラ300を更に有する床被覆システム10の一実施例を概略的に描く。コントローラ300は、前記照明システムの外部に配置されてもよいが、照明システム200に一体化されてもよい。コントローラ300は、1以上の光源205を制御する。オプションとして、床被覆システム10は、センサ400を更に有しうる。コントローラ300は、この場合、センサ400のセンサ信号に応答して照明システム200の光210を制御することができる。用語"センサ"は、複数のセンサを参照することもできる。このような複数のセンサは、例えば、異なる場所において同じパラメータ(例えばユーザの接触)を感知する、又は異なるパラメータ(例えばユーザのタッチ及び煙)を感知することができる。
【0067】
図6aは、本発明の床被覆システムにおいて使用するラミネート床材タイルの一実施例を概略的に描く。ラミネート床材タイル700は、内核層702及び(オプションのバッキング層の一例である)音抑制層703を貫通する凹所701を有する。凹所701は、写真層704及び保護層705を貫通しない。これは、光707がラミネート床材タイル700を貫通することができるように、光源708を有する照明システム706が、図6bに示されるように、本発明による床被覆システムにおいて使用される場合にラミネート床材タイル700の下に配置されることを可能にする。照明システム706が、ラミネート床材タイル700の下に配置される場合、凹所701の上に残るラミネート床材タイル700の部分は、例えば前記床被覆システム上に立つ又は歩く人々により、ラミネート床材タイルに圧力がかけられる場合に、光源708を損傷する可能性がある、ラミネート床材タイル700と光源708との間の直接的な接触を防ぐために、好ましくは、少なくとも1mm、より好ましくは少なくとも3mmだけ光源708の上から分離される。
【0068】
凹所701は、透明な又は少なくとも光透過性の材料で充填されることができる。このアプローチの利点は、ラミネート床材タイル700の頑丈さが向上されることである。例えば、適切な材料は、PVC、PMMA、PE、PP又はシリコンゴムのようなポリマ材料であることができる。照明システム706は、凹所701が透明な又は少なくとも光透過性の材料で充填されるラミネート床材タイル700の下に配置される場合、前記透明な又は少なくとも光透過性の材料は、例えば前記床被覆システム上に立つ又は歩く人々により、ラミネート床材タイルに圧力がかけられる場合に、光源708を損傷する可能性がある、ラミネート床材タイル700と光源708との間の直接的な接触を防ぐために、好ましくは、少なくとも0.5mmだけ光源708の上から分離される。
【0069】
凹所701は、ラミネート床材タイル700の頑丈さを向上させるために内核層を完全には貫通しないこともできる(換言すると、内核材料の薄い層が残る)。内核材料のこの残りの層は、光707が透過されることを可能にする厚さ、好ましくは1mmより小さい厚さ、より好ましくは0.5mmより小さい厚さを持たなくてはならない。このような凹所を持つラミネート床材タイルは、ラミネート床材タイルを設け、光透過性である内核材料の薄層が残るような深さを持つ凹所を前記ラミネート床材タイルの裏側に設け、オプションとして光透過性材料で前記凹所を充填することにより製造されることができる。
【0070】
凹所701は、異なる色を持つ複数のLEDの色を混合するミキシングキャビティとして使用されることができる。好ましくは、前記色は、RGB LEDにより発生される。このアプローチの利点は、凹所701が、設置の容易さを提供するだけでなく、光を混合するオプション機能をも提供することである。
【0071】
凹所701が、色ミキシングキャビティとして使用される場合、これは、所定の形状を持つことができ、照明システム706がオンにされる場合に、この所定の形状が、ラミネート床材タイル700の前側において可視である。凹所701は、例えば、長方形形状を持つことができる。
【0072】
凹所701は、複数のLEDを含みうる。一例において、凹所701は、矢印の形状を持ち、凹所701内の様々な場所に80のLEDを含む。このようにして、前記LEDがオンにされる場合に、一様に照らされる矢印が、ラミネート床材タイル700の前側において可視である。
【0073】
ラミネート床材タイル700は、照明システムの配置の柔軟性を可能にするために複数の凹所701を設けられることができる。これは、前記光源が、全ての凹所に設置されるのではなく、代わりに少数の凹所のみが使用されることを意味する。この実施例は、例えば、部屋の壁の近くに光源のラインを提供するのに使用されることができる。
【0074】
代替的に、凹所701を持つ代わりに、内核層702全体が、光透過性材料から作られてもよい。
【0075】
照明システム706とラミネート床材タイル700との間の位置合わせを向上させるために、照明システム706は、例えば接着剤を使用することにより、しかしながら好ましくは'クリック'接続を使用することにより、ラミネート床材タイル700に取り付けられることができる。このようにして、照明システム706は、依然として自由に移動及び配置されることができるが、照明システム706は、ラミネート床材タイル700に位置合わせするのに容易である。
【0076】
電力は、ラミネート床材タイル700を通って分配されることができる。これを達成するために、ラミネート床材タイル700は、ラミネート床材タイル700の上に又は通して導体構成を設けられることができる。電気接続は、例えば照明システム706をラミネート床材タイル700上にクリックすることにより、設置中にこの導体構成と照明システム706との間に作成される。このアプローチの利点は、これが、ラミネート床材タイル700の前記導体構成上に照明システム706をクリックすることにより処理されるので、追加の電気配線が必要とされず、はんだ付けが必要とされないことである。
【0077】
好ましくは、ラミネート床材タイル700は、複数のラミネート床材タイルの間で電力線を接続するために、複数のタイルが一緒に接続されることを可能にするコネクタを有する。照明システム706に電力を供給するために、設置者は、ここで、ネットワーク内の全てのラミネート床材タイルに電力供給するために、前記ラミネート床材タイルの1つに電力接続を行うことだけを必要とする。前記導体構成は、照明システム706に対するデータ接続として使用されることができる追加の導体ラインを有することもできる。照明システム706は、前記データ接続上のデータ信号に応答して光出力を制御するコントローラを有することができる。
【0078】
凹所701は、ミキシングチャンバが達成することができるより更に遠くに光707が広がることができるように、ライトガイドで充填されてもよい。前記ライトガイドは、一様な光出力を与えるように損失の多いライトガイドであってもよいが、前記ライトガイドは、例えば点在する光出力パターンを作るために、光アウトカップリングサイトを持ってもよい。
【0079】
床被覆システム10は、装飾パターンを示すのに使用されてもよいが、例えば矢印のような情報、コマーシャル情報等を含む光パターンを提供することにより、情報を提供するのに使用されてもよい(上記を参照)。
【0080】
床被覆システム10、より正確には床被覆100のユーザ側101に立つ又は歩く人は、好ましくは、上から(オフ状態である場合に)照明システム200を見ることができない。これは、特に、多くとも約15%、好ましくは多くとも約10%、例えば5%以下の比較的低い透過率によって達成されることができる。
【0081】
他の実施例において、床被覆システム10は、緊急の場合に作動されることができる緊急避難経路照明システムを作るのに使用される。前記実施例は、床に配置された床被覆システム10を有する。床被覆システム10は、オプションとして互いに接続されることができる、複数の光源205を有することができる。光透過性床被覆(タイル)は、照明システム200を覆うのに使用される。照明システム200は、例えば、光スポットの形状の光210を発生してもよいが、避難のために右方向を示す、矢印の形状であってもよい。この矢印は、前記矢印の方向が緊急事態の場所に依存して変更されることができるように、可変にされてもよい。例えば、前記矢印は、火災の危険から離れるように指すことができる。矢印の代わりに、点滅する光も、方向を示すのに使用されることができる。このようにして、特定の方向を示す矢印、コマーシャル情報のような情報も、提供されることができる。光210の色、パターン形状、オン/オフ状態、出力強度及び情報内容の1以上が、可変であってもよく、前記コントローラにより制御されることができる。
【0082】
更に、光210の色、パターン形状及び情報内容の1以上は、(タッチ若しくはアプローチセンサ又は火災センサ又は煙センサ又は熱センサ等のような)センサ(図示されない)のセンサ信号に依存してもよく、前記センサは、床被覆システム10の上又は近傍における物体を感知するか、又は煙及び熱からなるグループから選択されるフィーチャを感知し、コントローラ300は、前記センサ信号に依存して光210の色、オン/オフ状態、強度、パターン形状及び情報内容を制御する。
【0083】
オプションとして、コントローラ300は、他の光源のような、参照番号600で示される、他の装置を制御することもできる。光210は、例えば、1以上のセンサ400のセンサ信号に応答して制御されることができる。1以上のこのようなセンサ400は、例えば、(空間又は部屋内の)照明レベルを測定することができ、前記照明レベルは、例えば、日光を含む他の光源の寄与を少なくとも部分的に受けることができる。
【0084】
"実質的な平坦な"又は"実質的に有する"等のような用語"実質的に"は、ここで、当業者により理解されるだろう。実施例において、形容詞"実質的な"は、除去されてもよい。適用可能である場合に、用語"実質的に"は、"全体的に"、"完全に"、"全て"等を持つ実施例をも含むことができる。適用可能である場合に、用語"実質的に"は、90%以上、例えば95%以上、特に99%以上、更に特別には100%を含む99.5%以上に関することもできる。用語"有する"は、用語"有する"が"からなる"を意味する実施例をも含む。同様に、用語"約"は、適用可能である場合、10%以下、又は5%以下、又は1%以下、又は0.5%以下、又は0.1%以下の偏差を示すことができ、一実施例において、(測定可能な)偏差が無いことを示すことができる。当業者に明らかであるように、数値からの小さな偏差は、適用可能である場合に、一般に許容されることができる。したがって、上記の"約"の定義における値を除き、数値は、適用可能である場合に、所定の値から10%以下、又は5%以下、又は1%以下、又は0.5%以下、又は0.1%以下だけ逸脱してもよい。これを強調するために、ここで時々単語"約"が、数値の前に使用される。
【0085】
更に、説明及び請求項における用語"第1の"、"第2の"及び"第3の"等は、同様の要素を区別するのに使用され、必ずしも順次的又は経時的順序を記載するのに使用されるわけではない。そのように使用された用語が、適切な環境下で交換可能であり、ここに記載された本発明の実施例が、ここに記載又は図示された順序とは他の順序で動作することができると理解されるべきである。
【0086】
ここで装置は、特に、動作中に記載される。当業者に明らかであるように、本発明は、動作の方法又は動作中の装置に限定されない。
【0087】
上述の実施例が、本発明を限定するのではなく説明し、当業者が、添付の請求項の範囲から逸脱することなしに多くの代替実施例を設計することができることに注意すべきである。請求項において、括弧間に配置された参照符号は、当該請求項を限定すると解釈されるべきでない。動詞"有する"及び活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。要素に先行する冠詞"ある"は、複数のこのような要素の存在を除外しない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアを用いて、及び適切にプログラムされたコンピュータを用いて実施されることができる。複数の手段を列挙する装置請求項において、これらの手段の幾つかは、同一のハードウェアアイテムにより実施されてもよい。特定の方策が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ側及び反対の裏側を持つ床被覆と、
前記床被覆の裏側に設けられ、光を発生する照明システムと、
を有する床被覆システムにおいて、
前記床被覆が、前記照明システムにより発生された光に対して、0.5%ないし30%の範囲の光透過率を持ち、
前記床被覆が、PVC床材及びラミネート床材からなるグループから選択される、
床被覆システム。
【請求項2】
前記床被覆が、1.45ないし1.65の範囲の屈折率を持つ充填材料を有するPVC床材である、請求項1に記載の床被覆システム。
【請求項3】
前記床被覆システムが、前記照明システムの少なくとも一部と前記床被覆の少なくとも一部との間に配置された補助層を有し、前記補助層が、平滑化層及び接着層からなるグループから選択される、請求項1又は2に記載の床被覆システム。
【請求項4】
前記照明システムが、1以上の光源を収容する1以上の凹所を持つプリント回路基板を有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の床被覆システム。
【請求項5】
前記床被覆が、前記照明システムの少なくとも一部を収容するように前記床被覆の裏側に配置された1以上の凹所を持つ、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の床被覆システム。
【請求項6】
前記床被覆が、複数の床材タイルを有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の床被覆システム。
【請求項7】
前記照明システムが、複数の照明ユニットを有する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の床被覆システム。
【請求項8】
前記照明システムを制御するコントローラを有する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の床被覆システム。
【請求項9】
PVC床材及びラミネート床材からなるグループから選択され、光に対して0.5%ないし30%の範囲の光透過率を持つ床被覆。
【請求項10】
1.45ないし1.65の範囲の屈折率を持つ充填材料を有するPVC床材である、請求項9に記載の床被覆。
【請求項11】
炭酸カルシウム、三水和アルミナ、ポリカーボネート及びガラスからなるグループから選択された1以上の材料を有する充填材料を有するPVC床材である、請求項9に記載の床被覆。
【請求項12】
PVC床材タイル及びラミネート床材タイルからなるグループから選択され、光に対して0.5%ないし30%の範囲の光透過率を持つ床被覆タイル。
【請求項13】
前記床被覆タイルが、ユーザ側及び反対の裏側を持ち、前記裏側に配置された照明ユニットを有し、前記床被覆タイル及び前記照明ユニットが一体化され、前記照明ユニットが、前記床被覆タイルの裏側における1以上の凹所内に少なくとも部分的に配置される、請求項12に記載の床被覆タイル。
【請求項14】
道案内に対する、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の床被覆システムの使用。
【請求項15】
床に照明システムを配置するステップと、
前記照明システム上に請求項1ないし8のいずれか一項に記載の床被覆を配置するステップと、
を有する、床被覆システムを設ける方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2013−506068(P2013−506068A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530391(P2012−530391)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054212
【国際公開番号】WO2011/036614
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】