説明

照明システム

【課題】複数の照明装置を区別するための情報の取得および管理を簡便に行い得る技術を提供する。
【解決手段】各照明装置100は固有のIDを有している。管理装置200の処理モジュール240は、固有IDに応じた点滅であるID点滅を行わせるためのID点滅指示を、通信モジュール260を介して複数の照明装置100へ送信する(ID点滅指示処理)。各照明装置100は、ID点滅指示を受信すると、自身の固有IDに応じた点滅パターンで以てID点滅を行う(ID点滅処理)。管理装置200の処理モジュール240は、カメラモジュール220で撮像された撮像画像上で点滅パターンおよびその出現位置を検出することによって、各照明装置100について固有IDと撮像画像上での位置とを互いに対応付けて取得する(ID/位置取得処理)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の照明装置を管理する照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1に開示された照明制御システムを説明する。この従来のシステムでは、屋内空間に配置された複数の照明器具を、当該屋内空間を撮像した撮像データに基づいて点灯制御する。特に、複数の照明器具の論理アドレスと物理アドレス(すなわち屋内空間における実際の位置)とを一致させる処理を、撮像データに基づいて行う。
【0003】
より具体的に、この従来の照明制御システムは、オフィスの天井に3行3列に配置された照明器具を直交する2方向x,yから撮像する2つの画像センサと、当該2つの画像センサが撮像した画像に基づいて点灯している照明器具の座標を把握する制御部と、を有する。制御部は、論理アドレスが1番の照明器具から順に点灯し、一方の画像センサから受信する撮像画像に基づいて仮想平面(直交する撮像方向x,yによって形成される)における照明器具のx座標を算出し、他方の画像センサから受信する撮像画像に基づいて仮想平面における照明器具のy座標を算出し、これにより照明器具のx,y座標を把握する。制御部は、把握したx、y座標に基づいて、点灯した照明器具の論理アドレスを物理アドレスに一致させる。すなわち、当該照明器具の論理アドレスの値を、当該照明装置の位置に対して定められた物理アドレスの値に設定し直す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−283183号公報
【特許文献2】特開2011−053005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば特許文献1の段落0021〜0022には、論理アドレスが当初1番である照明器具についてその論理アドレスを5番に設定し直して記憶し、その後、同様の処理を2番以降の論理アドレスが付された照明器具についても実行する旨が記載されている。
【0006】
この一連の処理によれば、論理アドレスが5番の照明器具が既に存在する場合、5番の論理アドレスが重複してしまう。このため、論理アドレスが5番の照明器具に対するアドレス一致処理において、処理対象とする照明器具を適切に選択することができない。
【0007】
他方、論理アドレスが5番の照明器具が存在していなかった場合、論理アドレスの重複は生じないが、同じ処理の重複が生じる。すなわち、論理アドレスが1番から5番へ変更済みの照明器具に対して、再び、アドレス一致処理が実行されることになる。しかも、この2回目の処理では論理アドレスは5番のままで変更されないので、当該2回目の処理は無意味である。また、このような同じ処理の重複は、全体の処理時間を長くしてしまう。
【0008】
このような論理アドレスや同一処理の重複は、アドレス一致処理の全体のアルゴリズムを複雑化させることになる。特に照明器具の個数が増えるほど、複雑の度合いは大きくなる。
【0009】
本発明は、複数の照明装置を区別するための情報の取得および管理を簡便に行い得る技術を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、取得した管理情報を使って複数の照明装置を制御する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様に係る照明システムは、通信機能を有する複数の照明装置と、前記複数の照明装置を撮像するように設置されるカメラモジュールと、前記カメラモジュールによって撮像された撮像画像を処理する処理モジュールと、前記処理モジュールが前記複数の照明装置と通信を行うための通信モジュールとを備え、前記複数の照明装置のそれぞれは固有のIDを有しており、前記処理モジュールは、前記固有IDに応じた点滅であるID点滅を行わせるためのID点滅指示を、前記通信モジュールを介して前記複数の照明装置へ送信するID点滅指示処理を実行し、前記複数の照明装置のそれぞれは、前記ID点滅指示を受信すると、自身の前記固有IDに応じた点滅パターンで以て前記ID点滅を行うID点滅処理を実行し、前記処理モジュールは、前記撮像画像上で前記点滅パターンおよびその出現位置を検出することによって、前記複数の照明装置のそれぞれについて前記固有IDと前記撮像画像上での位置とを互いに対応付けて取得する、ID/位置取得処理を実行する。
【0012】
また、第2の態様に係る照明システムは、上記の第1の態様に係る照明システムであって、前記処理モジュールは、前記ID点滅指示処理において、前記ID点滅指示を前記複数の照明装置に対してブロードキャストする。
【0013】
また、第3の態様に係る照明システムは、前記第1または第2の態様に係る照明システムであって、前記処理モジュールは、前記ID点滅指示処理において、前記固有IDの一部分ごとに前記ID点滅指示を送信する。
【0014】
また、第4の態様に係る照明システムは、前記第1ないし第3の態様のうちのいずれか1つに係る照明システムであって、前記複数の照明装置のそれぞれは、個別に点灯可能に構成された複数の発光ブロックを有しており、前記ID点滅処理において、前記複数の発光ブロックのうちの一部の発光ブロックを使って前記点滅パターンを形成する。
【0015】
また、第5の態様に係る照明システムは、前記第4の態様に係る照明システムであって、前記複数の照明装置のそれぞれは、前記複数の発光ブロックのうちの2つ以上の発光ブロックを使うことにより、時間的のみならず空間的にも点灯と消灯を組み合わせて前記点滅パターンを形成する。
【0016】
また、第6の態様に係る照明システムは、前記第1ないし第5の態様のうちのいずれか1つに係る照明システムであって、前記処理モジュールは、前記ID/位置取得処理で得られた前記固有IDを指定することによって前記複数の照明装置を個別に点灯させ、点滅中に撮像された前記撮像画像に基づいて、前記ID/位置取得処理で得られた前記固有IDと前記撮像画像上での位置との対応付けを確認する確認処理を実行する。
【0017】
また、第7の態様に係る照明システムは、前記第1ないし第6の態様のうちのいずれか1つに係る照明システムであって、前記点滅パターンは前記固有IDの前に所定のプリアンブルを有する。
【0018】
また、第8の態様に係る照明システムは、前記第1ないし第7の態様のうちのいずれか1つに係る照明システムであって、前記ID点滅の点滅周期は、前記カメラモジュールの撮像周期のN倍(Nは2以上の整数)に設定されている。
【0019】
また、第9の態様に係る照明システムは、前記第1ないし第8の態様のうちのいずれか1つに係る照明システムであって、前記処理モジュールは、前記複数の照明装置によって照明される空間を撮像した前記撮像画像において人を検出する人検出処理と、前記複数の照明装置を前記撮像画像に基づいて、検出された前記人から所定範囲に存在する近接の照明装置と、前記所定範囲の外に存在する周辺の照明装置とに選別するとともに、前記ID/位置取得処理で取得した前記固有IDを、前記近接の照明装置の前記固有IDと、前記周辺の照明装置の前記固有IDとに選別する、選別処理と、前記近接の照明装置が前記周辺の照明装置よりも明るい選択的照明状態を形成するための調光指示を、前記近接の照明装置と前記周辺の照明装置とのうちの少なくとも一方に対して、前記固有IDの選別結果に基づいて前記固有IDを指定することによって、前記通信モジュールを介して送信する、調光指示処理とを実行する。
【0020】
また、第10の態様に係る照明システムは、前記第9の態様に係る照明システムであって、前記処理モジュールは、前記近接の照明装置または前記周辺の照明装置を点滅させ、点滅中に撮像された前記撮像画像に基づいて、前記選別処理による選別結果を確認する選別確認処理を実行する。
【発明の効果】
【0021】
上記の第1の態様によれば、各照明装置を固有IDに応じた点滅パターンで点滅させ、その点滅パターンを撮像した画像に基づいて、各照明装置の固有IDを取得するとともに、各照明装置の撮像画像上での位置も取得する。これにより、各照明装置について、固有IDと撮像画像上での位置とを対応付けて取得する。したがって、照明装置の設置時に固有IDと設置位置との対応付けを管理する必要がない。また、各照明装置の固有IDを予め取得して処理モジュールに与えておく必要がない。また、特許文献1記載の技術のように複雑化を招く処理を採用していない。その結果、各照明装置の固有IDと位置とその対応付けの取得および管理を簡便に行うことができる。また、複数のカメラモジュールを必要としないので、システム構成の小型化、設置の容易化等が図られる。
【0022】
また、上記の第2の態様によれば、ID点滅指示をユニキャストする場合に比べて、処理時間が短くて済む。また、漏れ無く全ての照明装置について管理情報(固有IDと、位置と、その対応付け)を取得することができる。
【0023】
また、上記の第3の態様によれば、ID/位置取得処理の精度を向上させることができる。すなわち、ID点滅が長時間に及ぶと点滅のタイミングと撮像のタイミングにずれが生じ、ID点滅パターンの検出精度が低下してしまう場合がある。これに対し、ID点滅を固有IDの一部分ごとに行わせることによって長時間のID点滅を回避することができ、その結果、ID/位置取得処理の精度を向上させることができる。
【0024】
また、上記の第4の態様によれば、例えば、一部の発光ブロックをID点滅に利用し、残余の発光ブロックを継続的に点灯させることが可能である。この場合、残余の発光ブロックで明るさを確保することによって、ID点滅を気付かれにくくすることが可能である。このため、ID点滅処理の実行する時間帯に自由度が増す。また、継続的に点灯している発光ブロックが在ると、照明装置100の位置等を撮像画像上で特定し易くなり、ID/位置取得処理の精度向上に貢献する。
【0025】
また、上記の第5の態様によれば、ID点滅によって出力される単位時間当たりの情報量が増えるので、処理時間を短縮することができる。
【0026】
また、上記の第6の態様によれば、照明装置の固有IDと位置との対応付けの精度向上に資する。
【0027】
また、上記の第7の態様によれば、仮に照明装置間でID点滅の開始タイミングがずれたとしても、各照明装置について適切にID/位置取得処理を行うことができる。
【0028】
また、上記の第8の態様によれば、点滅パターンを構成する点灯/消灯状態の最小単位が、連続するN枚の撮像画像に記録される。当該N枚の撮像画像に基づいてID/位置取得処理を実行することにより、点滅パターンおよびその出現位置の検出精度を上げることができる。また、上記最小単位のいずれもN枚の撮像画像に記録されるので、上記最小単位間で撮像枚数にばらつきが生じない。かかる点においても検出精度向上に資する。
【0029】
また、上記の第9の態様によれば、余分な照明を減らして消費電力を削減することができる。
【0030】
また、上記の第10の態様によれば、選択的照明状態の形成精度の向上に資する。
【0031】
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施形態について、照明システムを例示するブロック図である。
【図2】第1の実施形態について、カメラモジュールによって撮像された画像を例示する模式図である。
【図3】第1の実施形態について、照明装置登録モードを例示するフローチャートである。
【図4】第1の実施形態について、ID点滅パターンを例示する模式図である。
【図5】第1の実施形態について、1ビット分の点灯/消灯時間と撮像周期との関係を例示するタイミングチャートである。
【図6】第1の実施形態について、人検出調光モードを例示するフローチャートである。
【図7】第1の実施形態について、調光対象選定処理を例示する模式図である。
【図8】第1の実施形態について、頭上点推定処理の第1例を説明する模式図である。
【図9】第1の実施形態について、頭上点推定処理の第2例を説明する模式図である。
【図10】第1の実施形態について、頭上点推定処理の第3例を説明する模式図である。
【図11】第1の実施形態について、頭上点推定処理の第3例を説明する模式図である。
【図12】第2の実施形態について、IDの分割出力を例示する模式図である。
【図13】第3の実施形態について、照明装置の発光部分のブロック化を例示する模式図である。
【図14】第3の実施形態について、LEDモジュールを例示する回路図である。
【図15】第4の実施形態について、ID点滅パターンを例示する模式図である。
【図16】第5の実施形態について、照明装置登録モードを例示するフローチャートである。
【図17】第5の実施形態について、ACK点滅のパターンを例示する模式図である。
【図18】第5の実施形態について、人検出調光モードを例示するフローチャートである。
【図19】第6の実施形態について、ID点滅パターンを例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<第1の実施形態>
図1に、第1の実施形態に係る照明システム10のブロック図を例示する。ここで例示する照明システム10は、複数の照明装置100と、管理装置200とを含んでいる。なお、図面では各種名称を略記する場合がある。
【0034】
<照明装置100>
照明装置100は、例えば屋内空間の天井に設置される。但し、一部または全部の照明装置100が壁に設置されていても、以下に説明する各種処理を応用可能である。なお、照明装置100の台数は図1および後出の図面の例に限定されるものではない。照明装置100は、図1の例では、LED(Light Emitting Diode)モジュール120と、処理モジュール140と、通信モジュール160とを含んでいる。
【0035】
LEDモジュール120は、LEDによって照明光を出力する光源モジュールであり、複数のLED素子とこれらのLED素子の駆動回路とを含んでいる。なお、LED素子の個数は1つであっても構わない。また、後述のように、LED以外の発光素子によって光源モジュールを構成してもよい。
【0036】
ここでは、LED素子をパルス幅変調(PWM)制御によって駆動する場合を例示する。この場合、所定周期(換言すれば所定周波数)の駆動パルスのデューティ比を制御することによって、LED素子の点灯時間と消灯時間の比率が調整され、これにより照明光の明るさが調整される。なお、LED素子に流れる電流量を制御することによって調光を行う電流量制御を採用することも可能である。
【0037】
処理モジュール140は、照明装置100に関する各種の処理を行う装置である。処理モジュール140が行う処理には、例えば、LEDモジュール120の点灯、消灯および調光の制御に関する処理、通信モジュール160を介した通信に関する処理等が含まれる。
【0038】
ここでは、処理モジュール140がCPU(Central Processing Unit)141と記憶手段142とを含み、処理モジュール140による各種処理がソフトウェアによって実現される場合を例示する。この場合、CPU141が、記憶手段142に格納されているプログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。これにより、CPU141は処理ステップに対応する各種手段として機能し、または、CPU141によって処理ステップに対応する各種機能が実現される。
【0039】
記憶手段142は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ等)、ハードディスク装置等の各種記憶装置の1つまたは複数で構成されている。記憶手段142は、CPU141が実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。また、記憶手段142は、各種の情報やデータ等を格納する。
【0040】
なお、CPU141によって実現される各種手段または各種機能の一部または全部をハードウェア(例えば所定の処理を実行するように構成された回路や装置)によって実現することも可能である。
【0041】
また、処理モジュール140とLEDモジュール120と通信モジュール160との接続形態は図1の例に限定されるものではなく、例えばバス型の接続形態を採用してもよい。
【0042】
通信モジュール160は、処理モジュール140(より具体的にはCPU141)が管理装置200と通信を行うための装置である。通信モジュール160の搭載により、照明装置100の通信機能が実現される。ここでは通信モジュール160が無線通信用である場合を例示するが、無線通信に代えてまたは無線通信に加えて有線通信を採用しても構わない。有線通信として、いわゆる電力線通信(PLC)を採用してもよい。
【0043】
<管理装置200>
管理装置200は、照明装置100の動作や照明装置100に関する情報を管理する装置である。管理装置200は、図1の例では、カメラモジュール220と、処理モジュール240と、通信モジュール260とを含んでいる。
【0044】
カメラモジュール220は、撮像に関する各種機能と、撮像した画像のデータを外部へ出力する機能とを有した装置である。ここでは、撮像画像データは処理モジュール240へ転送される。なお、以下では、撮像画像データを、撮像画像、画像等と称する場合もある。
【0045】
カメラモジュール220は、複数の照明装置100によって照明される空間(以下、照明空間と称する)だけでなく、それらの照明装置100も撮像するように設置される。カメラモジュール220は例えば、照明空間の天井または壁に設置される。
【0046】
図2に、カメラモジュール220によって撮像された画像を例示する。図2に例示の撮像画像300には、照明空間302を囲む面304,306,308,310,312が撮像されている。以下では、面304を天井(または天井面)304と称し、面306を左壁(または左壁面)306と称し、面308を奥壁(または奥壁面)308と称し、面310を右壁(または右壁面)310と称し、面312を床(または床面)312と称する場合もある。また、面306,308,310を単に壁(または壁面)306,308,310と称する場合もある。なお、説明を簡単にするために各面304,306,308,310,312が平面である場合を例示するが、例えば壁306,308,310が柱の出っ張りによって凹凸面を形成していても構わない。そのような例についても以下の説明は応用可能である。
【0047】
なお、図2の撮像画像には、天井304と壁306,308,310の交線314,316,318、壁306と壁308の交線320、壁308と壁310の交線322、および、床312と壁306,308,310の交線324,326,328も撮像されている。
【0048】
また、図2の撮像画像300には、上記の複数の照明装置100(図1参照)の例として、12個の照明装置101〜112(より具体的にはそれらの発光部分)が撮像されている。図2の例では、これらの照明装置101〜112が天井304に、3個×4個のマトリクス状に配列されている。但し、発光部分の形状、配列等は図2の例に限定されるものではない。
【0049】
なお、図2では、図面の煩雑化を避けるため、机、椅子、パーティション等の什器が配置されていない状態を例示している。
【0050】
ここでは、撮像画像300における縦方向(以下、Y軸方向とも称する)が実空間の鉛直方向に一致する場合を例示する。なお、図2に例示の撮像方向によれば、さらに、撮像画像300における横方向(以下、X軸方向とも称する)が実空間の水平方向に一致する。仮に実空間の鉛直方向に対して撮像画像300が傾いている場合であっても、撮像画像300に写った鉛直方向の手掛かり、例えば壁306,308,310の交線320,322を基準にして傾きを補正することが可能である。なお、交線等の直線の検出には既知の手法、例えばハフ変換による検出手法等を利用すればよい。あるいは、撮像画像300に写った鉛直方向の手掛かりを基準にして撮像画像300上のY軸方向を規定することによって、後述の各種処理を適用しても構わない。
【0051】
また、図2に例示される撮像範囲が1回の撮像で(換言すれば1フレームで)得られる場合を例示する。但し、撮像対象範囲の全体をカメラモジュール220のパン、チルト、ズーム等の機能を使って部分的に撮像し、そのような複数枚の部分的画像(換言すれば分割画像)を繋ぎ合わせることによって、撮像対象範囲全体の画像を構築してもよい。
【0052】
図1に戻り、処理モジュール240は、管理装置200に関する各種の処理を行う装置である。処理モジュール240が行う処理には、例えば、カメラモジュール220の制御に関する処理、カメラモジュール220から取得した撮像画像に関する処理、通信モジュール260を介した通信に関する処理、照明装置100の制御に関する処理、照明装置100に関する情報を管理する処理等が含まれる。
【0053】
ここでは、処理モジュール240がCPU241と記憶手段242とを含み、処理モジュール240による各種処理がソフトウェアによって実現される場合を例示する。この場合、CPU241が、記憶手段242に格納されているプログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。これにより、CPU241は処理ステップに対応する各種手段として機能し、または、CPU241によって処理ステップに対応する各種機能が実現される。記憶手段242は、照明装置100の記憶手段142と同様に構成可能である。
【0054】
なお、CPU241によって実現される各種手段または各種機能の一部または全部をハードウェア(例えば所定の処理を実行するように構成された回路や装置)によって実現することも可能である。
【0055】
また、処理モジュール240とカメラモジュール220と通信モジュール260との接続形態は図1の例に限定されるものではなく、例えばバス型の接続形態を採用してもよい。
【0056】
通信モジュール260は、処理モジュール240(より具体的にはCPU241)が各照明装置100と通信を行うための装置である。通信モジュール260の搭載により、管理装置200の通信機能が実現される。ここでは管理装置200の通信モジュール260が各照明装置100の通信モジュール160と無線通信を行う場合を例示するが、無線通信に代えてまたは無線通信に加えて有線通信を採用しても構わない。
【0057】
なお、通信モジュール160,260は双方向通信可能に構成される場合を例示するが、以下に説明する各種動作モードでは通信モジュール160,260は主に、管理装置200から照明装置100へ向けた片方向通信に利用される。
【0058】
管理装置200のモジュール220,240,260は例えば同じ筐体に収容されることによって1箇所に集約されてもよいし、あるいは、モジュール220,240,260の一部または全部が分散して設置されてもよい。
【0059】
<照明システムの動作モード>
照明システム10には、人検出調光モードと、照明装置登録モードが用意されている。人検出調光モードでは、管理装置200が、照明装置100群によって照明される空間内の人を検出し、検出された人の居る場所が選択的に明るくなるように照明状態を制御する。そのような照明状態(以下、選択的照明状態とも称する)には照明装置100の個別制御が必要になるので、照明装置登録モードにおいて、各照明装置100を区別するための情報が管理装置200に登録される。以下に各モードを詳述する。
【0060】
<照明装置登録モード>
まず、照明装置登録モードを説明する。各照明装置100は互いに重複しない固有の識別情報(以下、固有ID、ID等とも称する)が予め付与されており、照明装置登録モードでは各照明装置100について設置位置とIDとの対応付けが管理装置200に登録される。照明装置100の固有IDとして、例えば製造シリアル番号等を利用可能である。固有IDは例えば、照明装置100の記憶手段142に予め格納されているものとする。
【0061】
照明装置登録モードは、例えば、照明システム10の設置工事後の最初の電源投入時や、メンテナンス時に実行される。あるいは、日常定期的に実行されるように設定しても構わない。
【0062】
図3に、照明装置登録モードのフローチャートを例示する。図3に例示の照明装置登録モード400は、ID点滅指示処理410と、ID点滅処理420と、ID/位置取得処理430とを含んでいる。
【0063】
ID点滅指示処理410では、管理装置200の処理モジュール240が、全ての照明装置100に対して、各自のIDに応じた点滅動作(以下、ID点滅とも称する)を行うように指示する。このID点滅指示は、管理装置200の通信モジュール260から、全ての照明装置100に対してブロードキャストされる。
【0064】
各照明装置100は、通信モジュール160によってID点滅指示を受信すると、自身のIDに応じて自身の照明を点滅させる。かかる点滅は、処理モジュール140がLEDモジュール120を制御することによって、実行可能である。すなわち、ID点滅処理420では、IDが、照明の点灯と消灯とを時間的に組み合わせた点滅パターンに信号化され、そのような光信号(換言すれば点滅信号)として発信される。
【0065】
図4に、ID点滅パターンを例示する。図4では、照明装置100の発光部分121が長方形である場合を例示しており、当該発光部分121の点灯/消灯状態の時間変化を例示している。
【0066】
図4には、2進数表記で“01110110”(16進数表記で“76”)のIDについて、“0”のビットに消灯を割り当て、“1”のビットを点灯に割り当て、最上位ビット(MSB)から順番に各ビットを出力する場合を例示している。なお、“0”のビットに点灯に割り当て、“1”のビットを消灯に割り当ても構わない。また、最下位ビット(LSB)から順番に各ビットを出力しても構わない。また、その他の信号化手法によってIDを点滅パターンに変換しても構わない。
【0067】
ID/位置取得処理430において管理装置200は、カメラモジュール220によってID点滅中の照明装置100を撮像し、処理モジュール240によって撮像画像上で点滅パターンおよびその出現位置を検出する。
【0068】
具体的には、処理モジュール240は、ID点滅指示処理410後に撮像された複数枚の画像をカメラモジュール220から取得し、撮像画像の各画素の輝度変化を時系列に追跡する。かかる輝度変化の追跡によれば撮像画像上で点滅している部分(すなわち点滅パターンの出現位置)を検出可能であり、処理モジュール240は、そのようにして検出した点滅部分を、撮像画像上における照明装置100の位置に認定する。
【0069】
また、上記の輝度変化の追跡によれば点滅部分の点滅パターンを検出可能であり、処理モジュール240は、そのようにして検出した点滅パターンを、ID点滅処理420で用いられた所定の信号化手法に従って、IDに逆変換する。例えば図4の例の場合、撮像画像から得られた点滅パターンにおいて消灯状態を“0”のビットに割り当て、点灯状態を“1”のビットを割り当て、各ビットを撮像順に並べる(撮像順が遅いほど下位ビット側に並べる)ことによって、IDを取得可能である。
【0070】
ここで、上記の輝度変化の追跡によれば、点滅部分と、そこの点滅パターンとを同時に取得可能であるので、点滅部分と点滅パターンとを、互いに対応付けた状態で(換言すればワンセットにして)取得できる。したがって、照明装置100のそれぞれについて、撮像画像上における位置の情報と、IDの情報とを、互いに対応付けられた情報として取得できる。得られた位置情報およびID情報は、対応付けを保ったまま記憶手段242に格納される。
【0071】
上記の輝度変化の追跡に関し、照明装置100の点灯状態は撮像画像の輝度分布中に局所的なピークを形成するので、特にそのようなピークの出現と消失とを追跡することによって、点滅部分および点滅パターンを効率良く検出できる。
【0072】
上記の局所的なピークは、例えば所定の閾値を用いて2値化処理を施した撮像画像によって、判別可能である。この場合、ピーク値が大きいほど、当該ピークの出現を判別しやすくなる。また、ピーク値が大きいほどコントラストが増大するので、ピークの消失も判別しやすくなる。つまり、ID点滅処理420における点灯レベルが高いほど、ID/位置取得処理430において点滅部分および点滅パターンを精度良く検出することができる。かかる観点によれば、ID点滅処理420では、設定可能な最も高い点灯レベルを採用するのが、好ましい。
【0073】
また、ID点滅の点滅周期(図4の例では1ビット分の情報を出力するのに割り当てられた時間(すなわち1ビット分の点灯/消灯時間)に相当する)を、カメラモジュール220の撮像周期(換言すれば撮像間隔)以上に設定することにより、点滅パターンを構成する点灯/消灯状態の最小単位(図4の例では各ビットに相当する)を確実に撮像することができる。
【0074】
さらに、ID点滅の点滅周期を撮像周期のN倍(Nは2以上の整数)に設定することにより、1ビット分の点灯/消灯状態は、連続するN枚の撮像画像に記録される。図5にN=2の場合のタイミングチャートを例示する。1ビット分を撮像したN枚の撮像画像に基づいてID/位置取得処理430を実行することにより(例えば、当該N枚の撮像画像において同じ画素の輝度値を累積し、各画素の累積輝度値を上記輝度変化追跡の処理対象にすることにより)、点滅部分および点滅パターンの検出精度を上げることができる。また、いずれのビットもN枚の撮像画像に記録されるので、ビット間で撮像枚数にばらつきが生じない。かかる点においても検出精度向上に資する。
【0075】
1ビット分の出力時間を長くすれば、上記のように点滅検出の精度を上げられるが、その一方で照明装置100の点滅が人の目に認識されやすくなる。このため、照明装置登録モード400を例えば日常定期的に実行する場合、上記1ビット分の点灯/消灯状態は、在室者に点滅が認識されない時間長さ以下であることが好ましい。
【0076】
なお、一般にLED素子のPWM駆動パルスの周期は撮像周期(例えば30msec)よりも短いので(すなわちPWM周波数の方が高いので)、PWM駆動による点滅がカメラモジュール220に撮像される可能性は低い。このため、管理装置200はIDに対応する点滅を、PWM駆動による点滅に影響されずに、撮像することが可能である。
【0077】
ここで、ブロードキャストしたID点滅指示が全ての照明装置100でほぼ同時に受信される場合、全ての照明装置100でほぼ同時にID点滅処理420が開始され、各照明装置100の点滅がほぼ同時に撮像される。この場合、各照明装置100に対するID/位置取得処理430を並列的に実行することができる。もちろん、ID/位置取得処理430を照明装置100ごとに(すなわち点滅部分ごとに)順番に実行することも可能である。
【0078】
照明装置登録モード400では、上記のように、各照明装置100を各自のIDに応じた点滅パターンで点滅させ、その点滅パターンを撮像した画像に基づいて、各照明装置100のIDを取得するとともに、各照明装置100の撮像画像上での位置も取得する。これにより、各照明装置100について、IDと撮像画像上での位置とを対応付けて取得する。したがって、照明装置100の設置時にIDと設置位置との対応付けを管理する必要がない。また、各照明装置100のIDを予め取得して管理装置200に与えておく必要がない。また、特許文献1記載の技術のように複雑化を招く処理を採用していない。その結果、各照明装置100のIDと位置とその対応付けの取得および管理を簡便に行うことができる。
【0079】
また、カメラモジュール220が1台で済むので、システム構成の小型化、設置の容易化等が図られる。
【0080】
なお、ID点滅指示処理410およびID点滅処理420を繰り返すことによって、IDを複数回送信しても構わない。この例によれば、IDの取得精度を向上させることができる。
【0081】
ここで、上記では照明装置100の光源としてLED素子を例示したが、有機EL(Electro Luminescence)等の他の発光素子を利用することも可能である。特に点滅動作およびその撮像という観点からすれば、点灯状態と消灯状態とを瞬時に切り替え可能であること、消灯後の残光時間が短いこと、等の発光特性が望まれる。換言すれば、即応性の高い発光素子が好ましい。一般的にLEDおよび有機ELは蛍光灯に比べて即応性が高いので、蛍光灯よりもLEDまたは有機ELを採用するのが好ましい。
【0082】
<人検出調光モード>
図6に、人検出調光モードのフローチャートを例示する。図6に例示の人検出調光モード500は、人検出処理510と、選別処理520と、調光指示処理530と、調光処理540とを含んでいる。
【0083】
人検出処理510では、管理装置200が、照明装置100群によって照明される空間をカメラモジュール220で撮像し、撮像画像から所定の人検出手法によって人を検出する。撮像画像から人を検出する手法は種々知られており、ここではそのような既知の手法を利用するものとする。
【0084】
選別処理520では、管理装置200の処理モジュール240が、人検出処理510で検出した人(以下、対象者とも称する)の居る場所を選択的に明るくする照明状態(選択的照明状態)を作り出すために、複数の照明装置100を選別する。
【0085】
選択的照明状態は、具体的には、対象者から所定範囲に存在する1つ以上の照明装置100(以下、近接の照明装置100とも称する)を特定し、特定した近接の照明装置100以外の他の照明装置100(以下、周辺の照明装置100とも称する)を暗くするまたは消灯することによって、実現される。この例によれば、余分な照明を減らして消費電力を削減することができる。
【0086】
あるいは、周辺の照明装置100を暗くするまたは消灯するとともに、近接の照明装置100を明るくしてもよい。この例によれば、周辺の暗化に伴って対象者の利用範囲が明るさ不足になるのを回避することができる。もちろん、この例であっても節電効果を得ることは可能である。
【0087】
なお、周辺の照明装置100は、近接の照明装置100に比べて急峻に暗くしてもよいし、あるいは、近接の照明装置100から離れるに従って徐々に暗くしてもよい。
【0088】
図7に、選別処理520を例示する模式図を示す。図7は図2の例と同様の撮像画像であるが、図7の撮像画像300Bには人検出処理510で検出された人(対象者)350が写っている。
【0089】
図7の例では、まず、天井面304における対象者350の真上の地点(以下、頭上点とも称する)360を推定する。頭上点360の推定手法については後に例示する。
【0090】
次に、頭上点360を含んだ所定範囲361を設定し、その所定範囲361に存在する1つまたは複数の照明装置100(近接の照明装置100)を特定する。図7には所定範囲361が、頭上点360を中心とする楕円領域(実空間の天井面304では円形領域が想定される)によって例示されており、以下、所定範囲361を楕円領域361とも称する。もちろん所定範囲361は楕円形に限定されるものではない。
【0091】
撮像画像300B上に設定される楕円領域361の大きさは、頭上点360の位置に応じて、特に図7の例の場合は奥行き方向における位置に応じて設定される。ここで、撮像画像300,300Bでは奥行き方向に照明装置101〜112が並んでいるので、撮像画像300,300B上におけるこれらの寸法、間隔等を利用可能である。図7の例では、頭上点360に最も近い照明装置110のX軸方向の寸法を、楕円領域361の長軸の長さに採用している。また、頭上点360に最も近い照明装置110とY軸方向において隣接する照明装置109,111の間隔を、楕円領域361の短軸の長さに採用している。なお、楕円領域361の寸法設定はこの例に限定されるものではなく、例えば、頭上点360に隣接する複数の照明装置105,106,109,110のX軸方向寸法の平均値を、楕円領域361の長軸の長さに採用してもよい。
【0092】
そして、図7の例では、設定した楕円領域361内に少なくとも一部分が存在する4個の照明装置105,106,109,110が、近接の照明装置100として選定される。なお、近接の照明装置100の選定個数は例えば頭上点360の位置、楕円領域361の寸法設定等に応じて異なり、例えば1個の照明装置100のみが選定される場合もある。
【0093】
選定された近接の照明装置105,106,109,110について、撮像画像300B上における位置から、対応するIDを求める。撮像画像上の位置からIDへの情報変換は、照明装置登録モード400で既に求められている両者の対応付け情報に従って行う。
【0094】
そして、照明装置登録モード400で既に求められているIDの中から、近接の照明装置105,106,109,110のIDを除外することによって、周辺の照明装置101〜104,107,108,111,112のIDを抽出する。
【0095】
ここで、撮像画像300B上で近接の照明装置100および周辺の照明装置100をそれぞれ特定し、ID/位置取得処理430で得た情報に基づいて近接の照明装置100と周辺の照明装置100のそれぞれについてIDを求めてもよい。
【0096】
すなわち、撮像画像300B上で近接の照明装置100だけを特定する例と、撮像画像300B上で近接の照明装置100および周辺の照明装置100をそれぞれ特定する例とは、具体的手法は異なるが、複数の照明装置100を撮像画像300Bに基づいて近接の照明装置100と周辺の照明装置100とに選別している点で共通する。
【0097】
また、D/位置取得処理430で得たIDから近接の照明装置100のIDを除外することによって周辺の照明装置100のIDを抽出する例と、近接の照明装置100と周辺の照明装置100のそれぞれについてIDを求める例とは、具体的手法は異なるが、ID/位置取得処理430で得たIDを近接の照明装置100のIDと周辺の照明装置100のIDとに選別している点で共通する。
【0098】
その後、調光指示処理530において管理装置200は、周辺の照明装置101〜104,107,108,111,112に対して、調光を指示する。そして、調光処理530において、周辺の照明装置101〜104,107,108,111,112は、受信した調光指示に従って自身の明るさを制御する。調光内容(すなわち、調光処理530において明るさの減少と消灯のいずれを行うかの情報、明るさの減少を行わせる場合にはその明るさレベルの情報等)は、例えば各照明装置100において予め設定される。あるいは、調光指示処理530において管理装置200が調光内容を指示してもよい。
【0099】
調光指示は、通信モジュール260,160による通信で伝達される。より具体的には、周辺の照明装置101〜104,107,108,111,112のIDを送信宛先に設定したマルチキャストまたはユニキャストによって、調光指示が伝達される。
【0100】
あるいは、周辺の照明装置101〜104,107,108,111,112のIDを調光指示パケットのペイロード部に含ませて、ブロードキャストを利用することも可能である。ブロードキャストの例によれば、各照明装置100が、受信したペイロード部に自身のIDが含まれるか否かを判別し、判別結果に応じて調光制御を実行するか否かを決定する。
【0101】
なお、調光内容を管理装置200が指示する場合、調光内容もペイロード部に含められる。
【0102】
また、例えば近接の照明装置105,106,109,110の明るさも制御する場合、近接の照明装置105,106,109,110のID、明るさレベル等の情報も、調光指示処理530において管理装置200から送信される。なお、ブロードキャストによる場合、近接の照明装置100に対する調光指示と、周辺の照明装置100に対する調光指示とを、同じパケットで送信してもよいし、あるいは別々のパケットで送信してもよい。
【0103】
上記では対象者350が一人の場合を例示したが、複数の対象者350が検出された場合、各対象者350について近接の照明装置100を特定すればよい。
【0104】
なお、人検出処理510で人が検出されない場合、例えば、選別処理520および調光指示処理530によって全ての照明装置100に対して明るさの減少または消灯を指示する。
【0105】
上記では選択的照明状態を、照明装置100によって照明される空間が全体的に明るい状態から形成する場合を例示した。これに対し、当該空間が全体的に暗い状態から、選択的照明状態を形成することも可能である(例えば、無人状態のため減光制御されている空間で、入室者が検出された場合)。そのような例では、少なくとも近接の照明装置100に対して、明るさレベルを上げる指示が送信される。
【0106】
ここで、図8に、頭上点360の推定手法の第1例を説明する模式図を示す。図8の例では、まず、例えば天井面304と壁面306,310との交線314,318を延長することによって、撮像画像300B上の消失点330を求める。そして、交線314,318の角度、交線314,318と消失点330と対象者350との位置関係、等に基づいて、消失点330を通るとともに天井面304上で対象者350の真上を通る直線を求める。取得した直線と、対象者350を通りY軸方向に平行な直線との交点が、頭上点360として推定される。
【0107】
図9に、頭上点360の推定手法の第2例を説明する模式図を示す。図9の例では、まず、対象者350を右壁面310へ投影した点334を求める。なお、図9では、投影点334の取得に際して、右壁面310を仮想的に拡張している。投影点334は、例えば上記第1例による頭上点360の推定手法と同様の要領で求めることが可能である。そして、投影点334を通りY軸方向に平行な直線と、天井面304と右壁面310との交線318との交点336を求める。交点336を通りX軸方向に平行な直線と、対象者350を通りY軸方向に平行な直線との交点が、頭上点360として推定される。なお、左壁面306を使っても同様に頭上点360を推定可能である。
【0108】
図10に、頭上点360の推定手法の第3例を説明する模式図を示す。当該第3例では、図10の参照画像300Cと、対象者350が写った撮像画像300Bとを比較することによって、頭上点360を推定する。
【0109】
図10に例示する参照画像300Cは、撮像画像300において照明装置101〜112を床面312に投影した(換言すれば転写した)画像である。投影処理は例えば遠近法による作図手法を使って手動または自動で行うことが可能である。
【0110】
あるいは、例えば、照明空間302の実空間において照明装置101〜112の位置を天井面304から床面312へ投影し(例えば測量において鉛直方向を規定する際に用いられる錘球を各照明装置101〜112から垂らせば容易に投影可能である)、その床面312を撮像することによって、参照画像300Cを作成してもよい。
【0111】
準備した参照画像300Cは、管理装置200が選別処理520で利用できるように、例えば記憶手段242に格納しておく。
【0112】
なお、撮像画像300に写った床面312が狭い等の理由により、全ての照明装置100を床面312に投影できない場合、例えば、床面312を主に撮像した別の撮像画像を繋ぎ合わせて参照画像300Cを作成してもよい。あるいは、例えば、撮像画像300において床面312を画像データ上で仮想的に拡張することによって、参照画像300Cを作成してもよい。
【0113】
そして、選別処理520では、対象者350が写った撮像画像300B(図7参照)と参照画像300C(図10参照)とを比較することによって(図11の例では画像300B,300Cを重ね合わせることによって比較している)、床面312における対象者350の位置(この場合、立ち位置と称してもよい)362と、床面312に投影された照明装置101〜112の位置との関係を、天井面304に反映させる。天井面304に反映された立ち位置362が、頭上点360として推定される。
【0114】
上記では照明装置101〜112を投影する投影面が床面312である場合を例示したが、例えば床面312から所定の高さに仮想平面を設定し当該仮想平面を投影面として利用することも可能である。そのような仮想平面の設定高さとして例えば、机やパーティションの高さ、対象者350の頭部の高さ(複数人の平均値であってもよい)等が例示される。
【0115】
頭上点360の推定手法はこれらの例に限定されるものではない。例えば、カメラモジュール220から対象者350までの距離を撮像画像300Bから求め(例えば特許文献2で紹介される手法を利用可能である)、求めた距離を天井面302に反映させることによって、頭上点360を推定してもよい。また、例えば、遠近法による画像解析で以て頭上点360を推定してもよい。また、既知の種々の手法を利用して構わない。
【0116】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、図4に示すようにIDを構成する各ビットを連続して(換言すれば一括して)出力する場合を例示した。但し、各ビットの出力は連続的でなくても構わない。
【0117】
例えば、図12に例示するようにIDを上位バイトと下位バイトを分割して出力してもよい。より具体的には、管理装置200が上位バイトのID点滅指示処理410(図3参照)を行い、当該指示に対する応答として各照明装置100が自身のIDの上位バイトについてID点滅処理420を行う。その後、下位バイトについて同様にID点滅指示処理410およびID点滅処理420を行う。
【0118】
このようなIDの分割出力について、その分割数は3以上であってもよく、例えば1ビットずつ出力するように分割しても構わない。
【0119】
このようにIDの一部分ごとにID点滅を指示することにより、ID/位置取得処理430による情報取得精度を向上させることができる。すなわち、IDのビット列が長いためにID点滅が長時間に及ぶと点滅のタイミングと撮像のタイミングにずれが生じ、ID点滅パターンの検出精度が低下してしまう場合がある。これに対し、ID点滅を固有IDの一部分ごとに行わせることによって長時間のID点滅を回避することができ、その結果、ID/位置取得処理430の処理精度を向上させることができる。
【0120】
なお、同じ分割数または異なる分割数で以て、ID全体を複数回送信しても構わない。また、第2の実施形態による分割出力と第1の実施形態による一括出力とを組み合わせて、ID全体を複数回送信しても構わない。
【0121】
<第3の実施形態>
第1および第2の実施形態では照明装置100の発光部分全体を使って、ID点滅処理420の点滅パターンを形成する場合を例示した。第3の実施形態では、発光部分の一部分だけをID点滅に利用する例を説明する。
【0122】
図13に、照明装置100の発光部分121の模式図を示す。図13の例では、長方形の発光部分121が3つの発光ブロック122に分割されている。また、図13の例では、発光部分121には当該発光部分121の長手方向に沿って12個のLED素子123が一列に配列されており、各発光ブロック122に4個のLED素子123が割り当てられている。但し、発光部分121の形状、発光ブロック122の個数、LED素子123の個数および配列形態、LED素子122の割り当て個数等は、この例に限定されるものではない。
【0123】
3つの発光ブロック122は、処理モジュール140の制御下、個別に点灯および消灯させることが可能に構成されている。但し、各発光ブロック122に含まれる4個のLED素子123は同時に点灯および消灯するものとする。
【0124】
図13の例によれば、ID点滅処理420において、例えば、中央の発光ブロック122をID点滅用ブロックとしてIDに応じて点滅させると同時に、両端の2つの発光ブロック122を継続的に点灯させることができる。
【0125】
この例によれば、発光部分121全体でID点滅を行う場合に比べて、ID点滅によって照明空間の明るさが減少するのを抑制することが可能である。また、両端の発光ブロック122のうちの一方または両方を継続的に消灯させる場合に比べて、照明空間の明るさを確保することが可能である。したがって、照明空間に人が居ても、照明装置登録モードの実行を気付かれにくくすることができる。このため、例えば照明空間の利用中に日常定期的に照明装置登録モードを実行することが可能になるし、あるいは、例えば照明空間の利用中であっても照明システム10のメンテナンスを行うことが可能になる。すなわち、照明装置登録モードを実行する時間帯に自由度が増す。
【0126】
また、両端の発光ブロック122を継続的に点灯させる例によれば、各照明装置100の位置等を撮像画像上で特定し易くなる。
【0127】
図14に、発光部分121のブロック化を具現化するためのLEDモジュール120Bの回路図を例示する。LEDモジュール120Bは、LEDモジュール120(図1参照)に代えて、照明装置100に搭載される。なお、図14には、説明のため、照明装置100のCPU141も併記している。
【0128】
図14の例では、LEDモジュール120Bは複数の単位回路125と定電流源126を含み、各単位回路125はLED素子123と、抵抗127,129と、トランジスタ128とを含んでいる。複数の単位回路125は定電流源126とCPU141との間に並列に設けられている。各単位回路125において、LED素子123のアノードは定電流源126に接続され、LED素子123のカソードは抵抗127を介してトランジスタ128のコレクタに接続され、トランジスタ128のベースは抵抗129を介してCPU141に接続されている。なお、図14ではトランジスタ128のエミッタ側の回路構成を省略している。
【0129】
かかる構成によれば、トランジスタ128がオンすることによりLED素子123に電流が流れ、そのLED素子123が点灯する。点灯させる単位回路125は、CPU141がトランジスタ128に対して所定電圧を出力することによって、選択される。すなわち、そのような点灯制御電圧の選択的な出力によって、単位回路125の発光を個別に制御できる。
【0130】
図14の例では各単位回路125が1つのLED素子123を有しているため、4つの単位回路125によって、図13に例示の1つの発光ブロック122を構成される。この場合、各発光ブロック122の4つの単位回路125に同じタイミングで点灯制御電圧を印加することによって、同じ発光ブロック122内に在る4つのLED素子123を同時に点灯および消灯させることができる。
【0131】
また、図14の例において各単位回路125の1つのLED素子123を、直列接続された4つのLED素子123に変更することによって、1つの単位回路125が1つの発光ブロック122に対応する構成を得ることも可能である。
【0132】
なお、図14の例においてトランジスタ128を他のスイッチング手段に変更してもよい。また、図14の例以外の回路でブロック発光可能なLEDモジュールを構成しても構わない。
【0133】
<第4の実施形態>
第3の実施形態では1つの発光ブロック122をID点滅用に割り当てる構成を例示した。第4の実施形態では、2つ以上の発光ブロック122をID点滅用ブロックとして利用する例を説明する。
【0134】
図15に、第4の実施形態に係る、ID点滅パターンを例示する。図15の例では、照明装置100の発光部分121が4つに分割され、中央の2つの発光ブロック122をID点滅用に割り当てられている。具体的には、ID点滅用の2つのブロックにIDのビット列(ここでは図4と同じ“01110110”が例示される)中の2ビットを割り当ることによって、経時的には2ビットずつIDが出力される。このため、第3の実施形態に比べて、ID点滅によって出力される単位時間当たりの情報量が増える。したがって、IDの出力時間、さらには照明装置登録モードの実行時間を短縮することができる。
【0135】
なお、第3の実施形態で説明した、発光部分121の分割に起因した各種効果は、第4の実施形態においても得られる。
【0136】
ここで、第1ないし第3の実施形態では、図4および図12の例から分かるように、点灯と消灯を時間的に組み合わせてID点滅パターンが構成されている。これに対し、第4の実施形態では、図15の例から分かるように、時間的だけでなく空間的にも点灯と消灯を組み合わせて点滅パターンが構成されている。
【0137】
<第5の実施形態>
図16に、第5の実施形態に係る照明装置登録モード400Bのフローチャートを例示する。照明装置登録モード400Bは、図3で例示した処理410,420,430に加えて、登録情報確認処理440を含んでいる。
【0138】
登録情報確認処理440では、管理装置200の処理モジュール240が、ID/位置取得処理430で取得した情報、すなわち各照明装置100のIDと位置の組み合わせを、実空間の照明装置100を使って確認する。
【0139】
具体的には、管理装置200が、ID/位置取得処理430で取得したIDのうちの一つを選択し、選択したIDを宛先にして通信モジュール260から点滅要求をユニキャストする(点滅要求/位置確認処理441)。これにより、宛先に指定されたIDを有する照明装置100が、その応答として点滅動作(以下、ACK点滅とも称する)を行う(応答点滅処理442)。
【0140】
図17に、ACK点滅の点滅パターンの一例を示す。ACK点滅パターンの各種設定(例えば1ビットに割り当てる時間の設定、等)は、ID点滅処理420での点滅パターンと同様に決めることが可能である。なお、ACK点滅パターンは図17の例に限定されるものではなく、例えば自身のIDに対応する点滅パターンを採用しても構わない。また、ACK点滅は、照明装置100の発光部分121全体で行ってもよいし、あるいは、一部の発光ブロック122だけで行ってもよい。
【0141】
管理装置200は、点滅した照明装置100の撮像画像上での位置を特定し、その特定した位置を、ID/位置取得処理430で取得した位置と照合する(点滅要求/位置確認処理441)。すなわち、点滅要求の送信宛先に設定したIDに対応付けられている位置においてACK点滅が検出された場合、ID/位置取得処理430で取得したIDと位置の組み合わせは正しいと判定することができる。これに対し、想定される位置とは別の位置においてACK点滅が検出された場合、ID/位置取得処理430で取得した情報は誤っていると判定することができる。
【0142】
かかる一連の処理を、ID/位置取得処理430で取得した全てのIDについて順次、行うことにより、全ての照明装置100についてIDと位置の対応付けを検証可能である。
【0143】
仮にIDと位置の組み合わせに誤りが検出された場合、例えば、処理410,420,430の一連の処理を再度、実行する。あるいは、ID点滅の手法を予め複数種類搭載している場合(例えば第1ないし第4の実施形態および後述の第6の実施形態のうちの2つ以上の手法)には、処理410,420,430の再実行の際に、ID点滅の手法を変更してもよい。
【0144】
登録情報確認処理440によれば、照明装置100のIDと位置の対応付けの精度を向上させることができる。その結果、例えば人検出調光モード500(図6参照)での動作精度を上げることができる。
【0145】
登録情報確認処理440は、例えば人検出調光モード500に応用可能である。図18に、そのような例に係る人検出調光モード500Bのフローチャートを例示する。人検出調光モード500Bは、図6で例示した処理510,520,530,540に加えて、調光対象確認処理550を含んでいる。
【0146】
調光対象確認処理550は、図18の例では、選別処理520と調光指示処理530との間で実行される。具体的には、管理装置200の処理モジュール240が、選別処理520で作成した情報、すなわち近接の照明装置110および周辺の照明装置100の選別結果を、実空間の照明装置100を使って、調光指示処理530の実行前に確認する。
【0147】
図18に例示の調光対象確認処理550は、点滅要求/位置確認処理551と、応答点滅処理552とを含んでいる。点滅要求/位置確認処理551は基本的には上記の点滅要求/位置確認処理441と同様に行われるが、点滅要求の送信先として、選別処理520で選別された周辺の照明装置100が設定される。あるいは、近接の照明装置100を送信先に設定してもよい。複数の照明装置100へ点滅要求を送信する場合、上記の点滅要求/位置確認処理441と同様にユニキャストを利用してもよいし、あるいはマルチキャストを利用してもよい。応答点滅処理552は上記の応答点滅処理442と同様に行われる。
【0148】
仮に、点滅要求を送信した照明装置100とは異なる照明装置100がACK点滅を返信した場合、例えば、選別処理520を、処理内容を変更して再度、実行する。変更する処理内容として、頭上点360を中心とする所定範囲360の大きさが例示される。あるいは、頭上点360の推定手法を予め複数種類搭載している場合には、頭上点360の推定手法を変更してもよい。あるいは、選別処理520の再実行に代えてまたは加えて、照明装置登録モード400または400Bを再実行してもよい。
【0149】
調光対象確認処理550によれば、選択的照明状態の形成精度を向上させることができる。
【0150】
<第6の実施形態>
ID点滅処理420(図3参照)に関し、図19に第6の実施形態に係る、ID点滅パターンを例示する。図19に例示の点滅パターンでは、IDを送信する前に、IDの送信開始を通知するプリアンブルを送信する。なお、プリアンブル部分の点滅パターンは図19の例に限定されるものではない。
【0151】
このようにプリアンブルを設けることによって、仮に照明装置100間でID点滅の開始タイミングがずれたとしても、照明装置100のそれぞれについて適切にID/位置取得処理430(図3参照)を行うことができる。
【0152】
なお、IDの分割出力(図12参照)においても、IDの分割片のそれぞれの点滅にプリアンブルを採用可能である。
【0153】
<第7の実施形態>
上記では、照明装置登録モード400(図3参照)のID点滅指示処理410を、全ての照明装置100に対してブロードキャストする場合を例示した。これに対し、各照明装置100に対するユニキャストを採用することも可能である。
【0154】
ここで、照明装置100のIDを未取得の状態でID点滅指示をユニキャストする場合、想定されるIDの全て(例えば予め与えられた数値範囲の全て)についてユニキャストを行えばよい。但し、想定されるIDが多いと、照明装置登録モード400の実行時間が長くなってしまう。また、想定外のIDを有する照明装置100が存在すると、登録漏れを生じてしまう。
【0155】
かかる点に鑑みると、照明装置100のIDを未取得の状態で行うID点滅指示は、ブロードキャストの方が好ましいと考えられる。
【0156】
<第8の実施形態>
照明装置登録モード400,400Bは、人検出調光モード500,500B以外の照明制御と組み合わせることも可能であり、その場合も上記の各種効果が得られる。例えば照明システム10は、光による演出を行う装置(舞台設備、電飾装置、芸術作品等)に応用することも可能であり、かかる例では演出内容に応じた照明制御が行われる。そのような演出的照明制御にも、照明装置登録モード400,400Bで取得したID/位置対応情報を利用可能である。
【0157】
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0158】
10 照明システム
100,101〜112 照明装置
120,120B LEDモジュール(光源モジュール)
121 発光部分
122 発光ブロック
140 処理モジュール
160 通信モジュール
200 管理装置
220 カメラモジュール
240 処理モジュール
260 通信モジュール
300,300B 撮像画像
300C 参照画像
350 検出された人(対象者)
360 真上の地点(頭上点)
361 所定範囲
400,400B 照明装置登録モード
410 ID点滅指示処理
420 ID点滅処理
430 ID/位置取得処理
440 登録情報確認処理
500,500B 人検出調光モード
510 人検出処理
520 選別処理
530 調光指示処理
540 調光処理
550 調光対象確認処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する複数の照明装置と、
前記複数の照明装置を撮像するように設置されるカメラモジュールと、
前記カメラモジュールによって撮像された撮像画像を処理する処理モジュールと、
前記処理モジュールが前記複数の照明装置と通信を行うための通信モジュールと
を備え、
前記複数の照明装置のそれぞれは固有のIDを有しており、
前記処理モジュールは、
前記固有IDに応じた点滅であるID点滅を行わせるためのID点滅指示を、前記通信モジュールを介して前記複数の照明装置へ送信するID点滅指示処理
を実行し、
前記複数の照明装置のそれぞれは、
前記ID点滅指示を受信すると、自身の前記固有IDに応じた点滅パターンで以て前記ID点滅を行うID点滅処理
を実行し、
前記処理モジュールは、
前記撮像画像上で前記点滅パターンおよびその出現位置を検出することによって、前記複数の照明装置のそれぞれについて前記固有IDと前記撮像画像上での位置とを互いに対応付けて取得する、ID/位置取得処理
を実行する、照明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記処理モジュールは、前記ID点滅指示処理において、前記ID点滅指示を前記複数の照明装置に対してブロードキャストする、照明システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明システムであって、
前記処理モジュールは、前記ID点滅指示処理において、前記固有IDの一部分ごとに前記ID点滅指示を送信する、照明システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明システムであって、
前記複数の照明装置のそれぞれは、
個別に点灯可能に構成された複数の発光ブロックを有しており、
前記ID点滅処理において、前記複数の発光ブロックのうちの一部の発光ブロックを使って前記点滅パターンを形成する、
照明システム。
【請求項5】
請求項4に記載の照明システムであって、
前記複数の照明装置のそれぞれは、前記複数の発光ブロックのうちの2つ以上の発光ブロックを使うことにより、時間的のみならず空間的にも点灯と消灯を組み合わせて前記点滅パターンを形成する、照明システム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の照明システムであって、
前記処理モジュールは、
前記ID/位置取得処理で得られた前記固有IDを指定することによって前記複数の照明装置を個別に点灯させ、点滅中に撮像された前記撮像画像に基づいて、前記ID/位置取得処理で得られた前記固有IDと前記撮像画像上での位置との対応付けを確認する確認処理
を実行する、照明システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載の照明システムであって、
前記点滅パターンは前記固有IDの前に所定のプリアンブルを有する、
照明システム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の照明システムであって、
前記ID点滅の点滅周期は、前記カメラモジュールの撮像周期のN倍(Nは2以上の整数)に設定されている、
照明システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1項に記載の照明システムであって、
前記処理モジュールは、
前記複数の照明装置によって照明される空間を撮像した前記撮像画像において人を検出する人検出処理と、
前記複数の照明装置を前記撮像画像に基づいて、検出された前記人から所定範囲に存在する近接の照明装置と、前記所定範囲の外に存在する周辺の照明装置とに選別するとともに、前記ID/位置取得処理で取得した前記固有IDを、前記近接の照明装置の前記固有IDと、前記周辺の照明装置の前記固有IDとに選別する、選別処理と、
前記近接の照明装置が前記周辺の照明装置よりも明るい選択的照明状態を形成するための調光指示を、前記近接の照明装置と前記周辺の照明装置とのうちの少なくとも一方に対して、前記固有IDの選別結果に基づいて前記固有IDを指定することによって、前記通信モジュールを介して送信する、調光指示処理と
を実行する、照明システム。
【請求項10】
請求項9に記載の照明システムであって、
前記処理モジュールは、
前記近接の照明装置または前記周辺の照明装置を点滅させ、点滅中に撮像された前記撮像画像に基づいて、前記選別処理による選別結果を確認する選別確認処理
を実行する、照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−38048(P2013−38048A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175783(P2011−175783)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】