説明

照明付き家具及び照明付き内装建材

【課題】家具本体の前面部やその周辺を効果的に照らしつつ、家具の前面部からの突出寸法を極力少ないものとして見栄えを向上することができる照明付き家具及び照明付き内装建材を提供する。
【解決手段】本発明の照明付き家具は、板状の導光部材2の少なくとも一つの端部に光源1を設け且つ前記光源1を設けた端部とは異なる端部に前記光源1からの光を出射させる出射部3を設けて成る照明装置Aが家具本体7に設けられている。この家具本体7に設けられた照明装置Aは、出射部3のみが家具本体7の前面部から突出している。この出射部3は、前方に向かって光を照射する第一出射面31と、下方または上方に向かって光を照射する第二出射面32とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明付き家具及び照明付き内装建材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、照明装置が取り付けられた家具として、例えば、特許文献1に示したような洗面化粧台が知られている。この特許文献1により示される洗面化粧台は、照明灯を内部に収容した照明装置をミラーキャビネットの上部に取り付けたものである。この照明装置は、ミラーキャビネットの上部前面に単に取り付けられただけのものであり、角部を介して突出する照明装置の大部分が、洗面化粧台のミラーキャビネットの前面部から大きく露出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−279171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような洗面化粧台にあっては、照明装置の前面をミラーキャビネットから大きく突出させることで、使用者に対する照射のみならず、照明装置の直下にあるミラー上部に対しても光を照射させることができるようになり、洗面化粧台を使用するに当たり、使用者の手元や身体等が一層明るく照らされて使用性が向上する。しかしその反面、照明装置はミラーキャビネットの前面に単に設けられただけのものであり、その照明装置の大部分がミラーキャビネットの前面部から大きく突出しているため、家具としての洗面化粧台の見栄えは改善の余地があるものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、家具本体の前面部やその周辺を効果的に照らしつつ、家具の前面部からの突出寸法を極力少ないものとして見栄えを向上することができる照明付き家具及び照明付き内装建材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明付き家具は、板状の導光部材の少なくとも一つの端部に光源を設け且つ前記光源を設けた端部とは異なる端部に前記光源からの光を出射させる出射部を設けて成る照明装置が家具本体に設けられ、この家具本体に設けられた照明装置は、前記出射部のみが家具本体の前面部から突出しており、この出射部は、前方に向かって光を照射する第一出射面と、下方または上方に向かって光を照射する第二出射面とを備えていることを特徴とする。
【0007】
またこの照明付き家具において、前記照明装置は、前記出射部以外の部分が前記家具本体内に埋め込まれていることが好ましい。
【0008】
またこの照明付き家具において、前記第二出射面は下方に向かって光を照射するものであり、前記家具本体は洗面ボウルの上部にミラーキャビネットを備えた洗面化粧台であり、前記照明装置をミラーキャビネットの上部に配設し、前記前面部はミラーキャビネットの前面部であることが好ましい。
【0009】
また本発明の照明付き内装建材は、板状の導光部材の少なくとも一つの端部に光源を設け且つ前記光源を設けた端部とは異なる端部に前記光源からの光を出射させる出射部を設けて成る照明装置が内装建材に設けられ、この内装建材に設けられた照明装置は、出射部のみが内装建材の前面部から突出しており、この出射部は、前方に向かって光を照射する第一出射面と、下方または上方に向かって光を照射する第二出射面とを備えていることを特徴とする。
【0010】
またこの照明付き内装建材において、前記照明装置は、前記出射部以外の部分が前記内装建材内に埋め込まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の照明付き家具及び照明付き内装建材によれば、家具本体の前面部やその周辺を効果的に照らしつつ、家具の前面部からの突出寸法を極力少ないものとして見栄えを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一の実施形態の側面図である。
【図2】同上の光源を取り付けた部分を示す断面図であり、下方からの斜視図である。
【図3】同上の照明装置の正面図である。
【図4】第二の実施形態の側断面図である。
【図5】同上の要部断面図である。
【図6】同上の発光時を説明するための上面図である。
【図7】第三の実施形態を説明する図であり(a)は正面図であり(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について添付図面に基づいて説明する。
【0014】
第一の実施形態は、本発明の照明付き家具の一例として照明付きの洗面化粧台7aを用いている。ここで、家具本体7としての洗面化粧台7aは、図1及び図2に示すように、洗面ボウル72を備えた洗面化粧台本体71の上方位置に前面にミラー73を配設したミラーキャビネット74を配置し、このミラーキャビネット74の上部に照明装置Aが取り付けられている。
【0015】
この照明装置Aは、薄板状の導光部材2と、導光部材2の少なくとも一つの端部に対向するように取り付けられた発光ダイオード(以下、LED11という)からなる光源1とを備えている。この照明装置Aは、薄板状の導光部材2の一対の平面が上下に向いた状態で取り付けられる。
【0016】
導光部材2は、平面視略矩形の薄板状の透明な部材で構成されている。この導光部材2は上下に備える板面の外周を囲むようにして端面を備えている。この導光部材2の周囲の端部のうち、少なくとも一つの端部を光源1からの光が入射する入射部4とし(本実施形態においては、任意の一つの端部を入射部4としている)、その入射部4以外の端部(本実施形態においては、入射部4の辺に対して略直交する辺にある端部のうち一方の端部)を出射部3としている。また、この出射部3と対をなす一対の端部のうち、出射部3に相対するもう一方の端部(出射部3を一端部とした場合の他端部;以下、単に他端部という)に複数の導光パターン(図示せず)が形成されている。また、出射部3の上面においても、複数の導光パターン(図示せず)が形成されている。
【0017】
これにより、入射部4から入射した光が上記他端部の導光パターンによって乱反射すると共に、出射部3の上面の導光パターンにおいても乱反射するようになり、光源1からの光が出射部3の前面及び下面から出射する。本実施形態において、出射部3の前面を第一出射面31とし、出射部3の下面を第二出射面32と定義すると、本実施形態の照明装置Aは、出射部3となる第一出射面31と第二出射面32との計2箇所から出射できるようになっており、第一出射面31から出射する光は洗面化粧台7aの使用者の顔周辺に対して照射する光となると共に、第二出射面32から出射する光は洗面化粧台7aの前面部を照らす光となっている。
【0018】
なおここで言う、本実施形態の洗面化粧台7aにおける前面部とは、ミラーキャビネット74の前面部であるミラー73を指すものとし、突出した出射部3によって照らすようにした家具本体7の前表面に露出する部分をいうものとする。
【0019】
また光源1は、既述の通り、点光源たるLED11によって構成されている。このLED11は導光部材2の入射部4の端面に対向させ且つ該端面に沿って、一直線状に並ぶように取り付けられている。このようにLED11といった点光源を光源1に用いることにより、導光部材2の一層の薄板化を図ることが可能となる。更に言えば、LED11を採用したことにより低消費電力で発光することができるので、ランニングコストの低コスト化を図ることも可能となる。なお、本実施形態のLED11はチップタイプのチップLED11を用いているが特に限定されない。また、LED11の光の色も特に限定されるものではない。
【0020】
上記のような構成の導光部材2及び光源1は、図3に示すように、ハウジング6に内装される。
【0021】
このハウジング6は、導光部材2を収容する導光部材用ハウジング61と、光源1が内装された光源用ハウジング62とに分割してあり、導光部材用ハウジング61に光源用ハウジング62が係脱自在に装着されている。この導光部材用ハウジング61と導光部材2との間には、図3に示すように薄い空気層kを形成するようになっており、光源1からの光が入射部4から出射部3へ向かう導光過程で反射光が減衰してしまうのを防止している。すなわち、導光部材2の上下の反射面において導光部材2とは異なる部材が接触した結果、該部材の屈折率如何では、全反射条件が崩れてしまうのを防止するためである。
【0022】
このように構成された照明装置Aは、上述の通り、家具本体7の一例としての洗面化粧台7aに装着される。
【0023】
本実施形態の洗面化粧台7aは、洗面ボウル72を備えた洗面化粧台本体71と、この洗面化粧台本体71の上部に設けられたミラーキャビネット74とを備えて構成されており、このミラーキャビネット74の上部に上記照明装置Aが取り付けられている。
【0024】
洗面ボウル72は、洗面ボウル72の上部に設けられた給水栓70から吐出された湯水を受ける部分であり、上方に開口した椀形状に形成されている。そして洗面ボウル72の最低部には、排水管に連通する排水口部721が設けられている。
【0025】
また、洗面化粧台本体71の下部を構成し、且つ、洗面ボウル72の下方に位置する部位には下部キャビネット部79が設けられる。この下部キャビネット部79は、前方に開口し内部に小物を収納可能な収納部(図示せず)と、この収納部の前面に開閉自在に枢支された開閉扉78とを備えて構成される。
【0026】
この洗面化粧台本体71の上方位置に設けられたミラーキャビネット74は、前方に開口した矩形箱状のキャビネット本体76が主体として構成されており、このキャビネット本体76の前部には扉体77がそれぞれ開閉自在に枢支され、この扉体77の前面部には略前面に亘ってミラー73(鏡板)が配設されている。このキャビネット本体76の内部は、棚板(図示せず)や縦仕切り板(図示せず)で仕切って収納部(図示せず)が形成されている。
【0027】
また、ミラーキャビネット74の上部で且つミラー73の上方には、上記照明装置Aを収容する収納凹所75が形成してある。この収納凹所75は、照明装置Aの薄板状の導光部材2と光源1とを(正確には、導光部材2と光源1とを内装するハウジング6を)、導光部材2の一対の平面が上下に向いた状態で埋設できる大きさに形成されている。つまり、収納凹所75内の上下に対向する平面間の距離が短くてすむため、導光部材2によらない照明装置Aを使用した従来のものと比較して、照明装置Aを取り付けるための取り付けスペースを小さな領域とすることができる。
【0028】
このような収納凹所75に上記照明装置Aを装着するに当たっては、照明装置Aの出射部3を除いたすべての部分を収納凹所75に埋設するようにして行なう。つまり、照明装置Aの大部分が見えない部位に埋め込まれ、出射部3のみがミラーキャビネット74から突出した状態となっており、ミラーキャビネット74からの突出寸法がほんの僅かとなるため、突出部分が目立たないものとなる。
【0029】
しかも、導光部材2は薄板状に形成されたものであるため、出射部3の正面視においては、左右に細長い線状の外観を呈するものとなる。つまり、突出寸法を小さくできて、且つ、正面視における形状も目立たないものとすることができるため、照明装置Aをより一層目立たないものとすることができて、洗面化粧台7aの見栄えを向上させることができる。
【0030】
またこのように、導光部材2を板状のものとしたため、ミラーキャビネット74の上部に設ける収納凹所75の上下に対向する側壁間の長さを極力短いものとすることができる。すなわち、狭いスペースにおいても上記照明装置Aを取り付けることができるので、洗面化粧台7aの設計上の自由度を増すことができるという利点も有している。
【0031】
このように、本実施形態の洗面化粧台7aは、照明装置Aのミラーキャビネット74から露出する部分が目立たないものであるため、従来のものと比べて意匠的に大きく異なるものとなる。しかも、出射部3と相対する端部の端面に導光パターンを設けると共に、出射部3の上面に導光パターンを設け、この出射部3をミラーキャビネット74から突出させているから、出射部3のみの僅かな突出で、第一出射面31から出射する光で使用者を照らしつつ、第二出射面32から出射する光で、この照明装置Aの下部にあり洗面化粧台7aの前面部(すなわち、ミラー73)を照らすことができ、効果的な照明を行なうことができるものとなっている。
【0032】
次に、他の実施形態について図4に基づいて説明する。なお、本実施形態は図1乃至図3に示す実施形態と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0033】
第二の実施形態も第一の実施形態と同様に照明装置Aを洗面化粧台7aに設けた例であるが、第二の実施形態と第一の実施形態とは、照明装置Aの構成が異なっている。すなわち、本実施形態の照明装置Aは、薄板状の導光部材2の一端部にLED11から成る光源1を設け、その一端部とは反対側の他端部に出射部3を設けて構成されている。
【0034】
本実施形態の導光部材2は、図4に示すように、導光部材2の下面に対して導光部材2の上面がやや傾斜しており、この傾斜は、入射部4(すなわち、一端部)から出射部3(すなわち、他端部)に近づくほど下面と上面との距離が離れるような傾斜になっている。つまり、入射部4から出射部3にかけて徐々に板厚が厚くなるように構成されている。
【0035】
本実施形態の出射部3は、図4及び図5に示すように、導光部材2の上面に設けられこの上面から滑らかに連続した曲面で構成される第一出射面31と、導光部材2の他端部側の下面に位置する第二出射面32とから構成されている。
【0036】
本実施形態において、この出射部3が形成されている他端部は、先端ほど下方に位置する曲面で形成された第一導光面5となっており、導光部材2内を繰り返し反射した光のうちの一部の光が、この第一導光面5において、第二出射面32に向かって全反射するようになっている。
【0037】
さらに、本実施形態においては、この第一導光面5は第一出射面31となっている。つまり、第一導光面5に入射する光のうち、全反射条件を満たさないものは、第一導光面5で全反射せずに屈折しながら出射し、一方、既述の通り、第一導光面5で全反射条件を満たした入射光は第一導光面5で全反射し、その全反射した光の大部分は第二出射面32から出射する光となる。すなわち、本実施形態の照明装置Aは第一出射面31と第二出射面32との計2箇所から出射できるようになっており、第一出射面31から出射する光は洗面化粧台7aの使用者の顔周辺に対して照射する光となると共に、第二出射面32から出射する光は洗面化粧台7aの前面部(すなわち、ミラーキャビネット74のミラー73)を照らす光となる。
【0038】
また、本実施形態においても導光部材用ハウジング61及び光源用ハウジング62が設けられているが、この導光部材用ハウジング61における光源用ハウジング62が取り付けられた端部とは反対側の端部には、光透過性を有する照明カバー63が取り付けられている。この照明カバー63は、導光部材用ハウジング61に対して着脱自在に装着されており、この照明カバー63を透過する光の進行方向を変えると共に、この透過する光をさらに集光して輝度を高める作用を奏するものである。照明カバー63の前面部には、第一透過部64が設けられており、導光部材2の第一出射面31から出射した光を、この第一透過部64を透過させ屈折させることにより、光の出射方向を変更することができるものである。すなわち、この照明カバー63によって光の進行方向を設定することができる。
【0039】
さらに、照明カバー63の下面には、導光部材2の第二出射面32から出射した光を、透過させ屈折させる第二透過部65が設けられており、第二出射面32の光の進行方向を設定することが可能となっている。
【0040】
なお、この照明カバー63は必ずしも取り付ける必要はなく、仮に取り付けない場合であってもよいものとする。
【0041】
ここで、仮に、導光部材2の入射部4と出射部3との距離が十分に離間していない直方体状の導光部材2であった場合、小さく且つ指向性を有するLED11から発せられる光が十分に広がらないまま出射部3から出射してしまうことがあり、その場合、隣接するLED11間に生ずる非照射領域Sにより出射する光に光ムラが生じてしまうことがある。しかしながら、本実施形態の照明装置Aによれば、小さく且つ指向性のあるLED11を光源1とした場合であっても、導光部材2を板状のものとしているから、導光部材2の入射部4と出射部3との距離を十分にとることができ、その結果、LED11から発せられた光を導光部材2内で十分に広げた上で出射部3から出射させることができる(図6参照)。つまり、本実施形態の照明装置Aによれば、光ムラの少ない光で被照射物を照らすことができる。なお、図6中の符号Sの非照射領域とは、光源1から発せられた光において光源から直接照らすことができない領域を示している。
【0042】
さらに、本実施形態の導光部材2は、入射部4から出射部3に近づくほど板厚を厚くなるように構成したため、入射した光源1からの光が導光部材2内で反射を繰り返して出射部3に向かうに当たり、反射面に対する入射角(図4中符号i)を反射が繰り返されるほど大きくすることができる。その結果、導光部材2内において入射部4から出射部3に至るまでの間に、導光部材2内の上下の反射面において、臨界角に満たない入射条件で入射してしまうのを極力防ぎ、入射された光の全反射条件が崩れるのを防止することができる。つまり、導光過程で生じる光の減衰を低減することができる。
【0043】
その上、このように反射を繰り返すほど導光部材2の反射面における入射角が大きくなっていくため、仮に、導光部材2の上下の反射面において、鏡面仕上げが不十分な場合であっても、出射部3から出射される光量が大きく減らないものとすることができる。
【0044】
しかも、導光部材2内の光の進行方向を単位ベクトルで考えた場合に、出射部3に向かう方向(図4中の矢印n方向;入射面法線方向)の成分は、反射を繰り返すほどに次第に大きくなり、出射部3に向かう方向に直角な方向(図4中の矢印m方向)の成分は、反射を繰り返すほどに次第に小さくなる。つまり、導光部材2内の光の進行が略一定方向(入射面法線方向)に収束していくので、出射部3で光学操作を行なうに当たり(例えば、本実施形態にあっては照明カバー63によって光学操作したり、あるいは、第一出射面31の曲率や湾曲形状を変化させて光学操作を行なったりする)、簡単且つ正確に行なうことができるようになる。
【0045】
また、本実施形態の照明装置Aに取り付けられた照明カバー63により、上記のように導光部材2の出射部3から出射した収束した光の照射方向を設定することができるものとなっている。つまり、照明カバー63は導光部材2に対し着脱自在に設けられていることから、照明カバー63を複数種類設けるだけで、同一種類の導光部材2で数多くの形状の洗面化粧台7aに対応することができるものとなり、在庫管理が容易となる。
【0046】
なお、上記照明カバー63を、照明カバー63上面から第一透過部64にかけて光拡散加工を施し、照明カバー63の下面となる第二透過部65を光拡散加工を施さない透明な部分として構成してもよい。このようにすれば、第一透過部64からの使用者に直接照射する光により、使用者が眩しいと感じることを回避することができつつ、第二透過部65から発せられる光により、ミラーキャビネット74の前面部(ミラー73)を効果的に照らすことができる。もちろん、この場合の第二透過部65には、集光作用を付与してもよいし、単なる透明板であってもよい。
【0047】
次に、他の実施形態について図7に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一の実施形態に用いた照明装置Aを用いており、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0048】
第三の実施形態は、第一の実施形態の照明装置Aを内装用の建築部材(以下、内装建材8という)に取り付けて照明付き内装建材8とした例である。
【0049】
本実施形態の内装建材8は、上下に離間して配設された横框芯材82aの両端部に縦框芯材82bを設けることで構成された平面視略ロ字形状の枠体82と、この枠体82の前後面に貼着された略矩形状の面材83と、を備えて成るフラッシュ構造の内装建材8である。
【0050】
この内装建材8の上内部には、上部の横框芯材82aの下面に沿って照明装置Aを収容する収容部84が設けられており、前側の面材83における収容部84の開口に対応する部位には、照明装置Aを外部から挿通することのできる照明装置用開口部85が設けられる。またさらに、照明装置用開口部85の開口部には、その開口を覆う略矩形状の閉塞板86が設けられており、この閉塞板86には照明装置Aの出射部3を挿通させるための左右方向に細長いスリット状の出射部用開口部87が設けられている。
【0051】
このような内装建材8に上記第一の実施形態の照明装置Aを取り付けるに当たっては、照明装置用開口部85に前方から照明装置Aを挿通し、収容部84に照明装置Aを固定して設置する。そして、閉塞板86を設置するのであるが、このとき、閉塞板86に設けられた出射部用開口部87に出射部3のみを挿通して、出射部3のみを外部に露出させた状態で、閉塞板86を照明装置用開口部85の外周縁にビスや木ねじなどで螺設させる。
【0052】
これにより、照明装置Aの出射部3以外の部分を内装建材8の厚み内に埋設すると共に、出射部3のみを照明用開口部から突出させて取り付けることができる。
【0053】
このような内装建材8を、間柱間に設置するようにして配設したり、また、既設の壁面の前面に配設したりする。例えば、部屋の一側面に複数の照明付き内装建材8を並べて設置すれば、第一出射面31から出射する光により室内側を照らしつつ、第二出射面32から出射する光により内装建材8の前面部をぼんやりと照らすような室内空間を現出したりすることも可能となる。
【0054】
一方、第二出射面32から出射する光を上方に向けて照射するように、照明装置Aを上下反転させて内装建材8に設置すれば、第二出射面32から出射する光によって天井を照らすような照明を行なうことも可能である。
【0055】
また、上記実施形態とは異なり、下部の横框芯材82aの上面に沿って(すなわち、内装建材8の下内部に)照明装置Aを収容する収容部84を設け、第二出射面32を下方に向くようにして出射部3を露出させて照明装置Aを設置した照明付き内装建材8であれば、このような内装建材8を廊下やトイレルームに配設して、足元を照らす足元灯としての使用もできる。このようにすることで、暗闇内の足元における安全を確保することができると共に、目に直接飛び込んでくる光を大幅に抑制することができるため、例えば深夜にトイレに向かう場合であっても、照明の明るさにより眠気が覚めてしまうといったことを防止することも可能となる。
【0056】
なお、この第三の実施形態の照明装置Aに第一の照明装置Aを用いているが、この照明装置Aに代えて、第二の実施形態の照明装置Aを取り付けてもよい。
【0057】
以上、本発明の照明付き家具及び照明付き内装建材8を説明したが、照明付き家具は洗面化粧台7aに限られず、棚板や化粧台等といったように、照明を付けることのできる家具であればすべてにおいて適用することができる。
【0058】
また、導光部材2は薄板状の透明な部材で構成されているが、例えば、アクリル樹脂、ガラス、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を好適に使用することができる。
【0059】
さらに第二の実施形態において、第一出射面31(第一導光面5)が曲面で形成された例で説明したが、この第一出射面31(第一導光面5)は、直線状の傾斜面であっても同様の効果を得ることができるものである。
【0060】
ここで、第一乃至第三の実施形態においては、照明装置Aの出射部3以外の部分をミラーキャビネット74や内装建材8内に埋め込んでミラーキャビネット74や内装建材8の厚み内に収まるように内装し、出射部3以外の部分が外部からは見えないようにした例で説明したが、例えば、ミラーキャビネット74や内装建材8の上端面に照明装置Aを載設したり、あるいは、実施例の導光部材2よりも奥行き方向に長い導光部材2を設け、照明装置Aの後端部をミラーキャビネット74や内装建材8の背面から突出させたりするように、ミラーキャビネット74や内装建材8の厚み内に照明装置Aが収まらない場合であっても、少なくとも出射部3のみがミラーキャビネット74や内装建材8の前面部から突出するように構成していればよいものとする。
【0061】
なお、上記実施形態において出射部3は、面板を囲む4方の端部のうち任意の一つの端部としているが、特に限定されず、導光部材2の4方の端部のうち任意の複数の端部に設けたものであってもよい。また、出射部3を、この出射部3を除いた複数の端部としたものであってもよいものとする。
【符号の説明】
【0062】
1 光源
11 LED
2 導光部材
3 出射部
31 第一出射面
32 第二出射面
4 入射部
5 第一導光面
6 ハウジング
61 導光部材用ハウジング
62 光源用ハウジング
7 家具本体
7a 洗面化粧台
70 給水栓
71 洗面化粧台本体
72 洗面ボウル
721 排水口部
73 ミラー
74 ミラーキャビネット
75 収納凹所
76 キャビネット本体
77 扉体
78 開閉扉
79 下部キャビネット部
A 照明装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の導光部材の少なくとも一つの端部に光源を設け且つ前記光源を設けた端部とは異なる端部に前記光源からの光を出射させる出射部を設けて成る照明装置が家具本体に設けられ、
この家具本体に設けられた照明装置は、前記出射部のみが家具本体の前面部から突出しており、
この出射部は、
前方に向かって光を照射する第一出射面と、
下方または上方に向かって光を照射する第二出射面と
を備えている
ことを特徴とする照明付き家具。
【請求項2】
前記照明装置は、前記出射部以外の部分が前記家具本体内に埋め込まれている
ことを特徴とする請求項1記載の照明付き家具。
【請求項3】
前記第二出射面は下方に向かって光を照射するものであり、
前記家具本体は洗面ボウルの上部にミラーキャビネットを備えた洗面化粧台であり、
前記照明装置をミラーキャビネットの上部に配設し、前記前面部はミラーキャビネットの前面部である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の照明付き家具。
【請求項4】
板状の導光部材の少なくとも一つの端部に光源を設け且つ前記光源を設けた端部とは異なる端部に前記光源からの光を出射させる出射部を設けて成る照明装置が内装建材に設けられ、
この内装建材に設けられた照明装置は、前記出射部のみが内装建材の前面部から突出しており、
この出射部は、
前方に向かって光を照射する第一出射面と、
下方または上方に向かって光を照射する第二出射面と
を備えている
ことを特徴とする照明付き内装建材。
【請求項5】
前記照明装置は、前記出射部以外の部分が前記内装建材内に埋め込まれている
ことを特徴とする請求項4記載の照明付き内装建材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−39393(P2013−39393A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−227122(P2012−227122)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【分割の表示】特願2009−107061(P2009−107061)の分割
【原出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】