説明

照明付き留め具

【課題】ポスター、写真、ポストカード等の掲示物を壁面に固定すると共に、掲示物に直接光を当ててライトアップすることで暗い場所でも掲示物が視認可能となる、小形で軽量な照明付き留め具を提案する。
【解決手段】照明部材を配設する円筒状体の上部内周壁に凹み状の溝を周設し、該溝に天蓋を有する円筒状のキャップの下端周囲に形設したフランジを嵌め合わせ、円筒状体の上部周壁に小孔を穿設し、円筒状体の下部周壁に方形状の開口部を成形し、該開口部に開閉蓋を取り付け、円筒状体の底部外面に円形状の窪みを穿設し、該窪みに永久磁石を埋設し、円筒状体の内部中央にプリント基板を取り付け、該プリント基板の上面にオルタネイトスイッチと高輝度LEDを実装し、該LEDの発光部の頭部を前記小孔に挿着し、円筒状体の内部の底面上に2個のボタン型電池を配置し、該ボタン型電池と接触する電極部材をプリント基板の底面に取り付けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポスター、写真、ポストカード等の掲示物を壁面に固定する手段と、掲示物をライトアップする照明機能を備えた、小形で軽量な照明付き留め具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画鋲や磁石等の留め具は、掲示物を壁面に固定する目的の小道具であり、主に利便性や装飾性において工夫がなされてきた。
【0003】
利便性においては、掲示物に穴を開けることなく繰り返し壁面に固定できる、クリップと画鋲が一体になった留め具が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
また、掲示物に穴を開けることなく繰り返し壁に磁力で固定できる、磁石式の留め具が提案されている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
【0005】
上述した装飾性においては、明るい所で光りを蓄え暗闇で光る畜光材を使った画鋲が市販されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
また、LEDとスイッチとボタン電池を内蔵した発光する画鋲が市販されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0007】
また、ポスターや美術品等の掲示物を展示するLED照明付き展示装置が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許公開2008−119856号公報(図1〜図7)
【特許文献2】特許公開2006−1262号公報(図1,図2)
【特許文献3】実用新案登録第3067449号公報(図1〜図7)
【特許文献4】実用新案登録第3113831号公報(図1,図2)
【特許文献5】特許公開2009−288738号公報(図1〜図3)
【非特許文献1】ベロス株式会社による「光るんですダルマ画鋲」、〔平成22年8月21日検索〕、インターネット<URL;http://www.a-ssist.com/kigyo/be-001/>
【非特許文献2】株式会社ドリームズによる「プッシュピンライト」、〔平成22年8月21日検索〕、インターネット<URL;http://www.dreams6.com/products/variety/pushpinlight.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の画鋲や磁石等の留め具は、掲示物を壁面に固定するのが主な目的であり、掲示物に穴を開けることなく壁面に固定できるものはあるが、掲示物をライトアップして暗い場所でも視認できるような照明機能を設けたものはない。
【0010】
例えば、特許文献1と特許文献2に開示されたクリップと画鋲が一体になった留め具では、掲示物に穴を開けることなく壁面に固定できるが、掲示物をライトアップする照明装置を備えておらず、クリップの構造上、照明装置を備えられるスペースはなく小形化も難しい。
【0011】
また、特許文献3と特許文献4に開示された磁石式の留め具では、掲示物に穴を開けることなく壁面に固定できるが、掲示物をライトアップする照明装置を備えておらず、仮に照明装置を備えたとしても、LEDの発光部が低位置で壁面寄りになってしまい照射範囲が狭まってしまう。
【0012】
また、非特許文献1の畜光材を使った画鋲では、明るい場所での畜光に時間を要し、発光時間も約4〜5時間程度と限りがあり、暗い場所でも掲示物が視認できるような明るさはない。
【0013】
また、非特許文献2のLEDとスイッチとボタン電池を内蔵した発光する画鋲では、内部のLEDで筐体頭部のスイッチボタンが発光するが、正面に拡散する発光色を楽しむ装飾目的のものであり、暗い場所でも掲示物が視認できるような明るさはない。
【0014】
また、特許文献5に開示されたLED照明付き展示装置では、掲示物を電磁誘導によって磁気吸着させる受動部と給電部があり、給電部は外部電源を必要とする大掛かりなパネル体となってしまい、また、壁面に装着するには耐荷重性を要する留め具が別途必要である。
【0015】
本発明の目的は、このような複数の課題を解決して、掲示物に穴を開けることなく壁面に固定する手段と、掲示物をライトアップして暗い場所でも視認できるような照明機能を設けた、小形で軽量な照明付き留め具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明付き留め具は、円柱形の筐体から成る外観で、該筐体の円形底面に磁石を有し、該磁石で掲示物を間に挟んで金属製の壁面に磁力吸着することで、掲示物に穴を開けることなく壁面に固定することができ、また、内部に光源である高輝度LEDと、光源のオンオフを行うスイッチと、2個のボタン電池を収納し、前記筐体の側面下部から前記ボタン電池を収納する開口部に電池蓋を設けた、小形で軽量な照明装置であり、前記LEDは発光部の頭部が前記筐体の側面上部から外向きに露出していることにより、掲示物に直接光を当ててライトアップすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明においては、必要に応じて上記手段に加え、T字状で頂部が平らな金属製の画鋲盤を壁面に刺して固定した後に、前記筐体底面の磁石で掲示物を間に挟んで前記画鋲盤と着脱可能に磁力連結することで、木質の壁面にも掲示物に穴を開けることなく固定できることを特徴とする。
【0018】
また、本発明においては、必要に応じて上記手段に加え、頂部に円形の金属板が埋め込まれた吸盤を壁面に吸着固定した後に、前記筐体底面の磁石で掲示物を間に挟んで前記吸盤と着脱可能に磁力連結することで、ガラスやタイル等の平滑な壁面にも掲示物に穴を開けることなく固定できることを特徴とする。
【0019】
また、本発明においては、必要に応じて上記手段に加え、底面に両面テープが付いた円盤状で金属製の両面テープ盤を壁面に貼着固定した後に、前記筐体底面の磁石で掲示物を間に挟んで前記両面テープ盤と着脱可能に磁力連結することで、幅広い種類の壁面に掲示物に穴を開けることなく固定できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、磁石、画鋲、吸盤、両面テープの4つの手段から壁面の条件に合った留め具を選択して、掲示物に穴を開けることなく壁面に固定することができる。
【0021】
また、掲示物に直接光を当てて暗い場所でも掲示物が視認できるようなり、部屋のインテリアとしてだけでなく、店頭商品やイベント展示品等も手軽にライトアップできる即席照明にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の構造を示す側面の断面図である。
【図3】本発明の実施例1を示す側面の断面図である。
【図4】本発明の実施例2を示す側面の断面図である。
【図5】本発明の実施例3を示す側面の断面図である。
【図6】本発明の実施例4を示す側面の断面図である。
【図7】本発明を壁面に固定して点灯した際の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る照明付き留め具を図面とともに説明する。
【実施例1】
【0024】
図1と図2において、照明付き留め具の外観上の構成について説明する。1は円柱形の筐体で、該筐体1は円形底面に丸型の磁石2を有しており、さらにボタン部3と、LED8と、電池蓋4で構成されている。
【0025】
図2において、照明付き留め具の内部の構成について説明する。8は光源となるLEDで、光源のオンオフを行うスイッチ9と、電源となる2個のボタン電池10と、PCB基盤11と、+端子12と、−端子13と、リード線14で構成されている。
【0026】
前記LED8は、高輝度で白色の発光ダイオードであり、定格電流値が5mA〜20mA程度で順方向電圧が2.8V〜3.4Vの性能を有するものが最適とし、アノードとカソードがPCB基盤11上に接地され、LED8の発光部の頭部が筐体1の側面上部から外向きに露出して設置されている。
【0027】
前記スイッチ9は、オルタネイト動作をするもので、端子がPCB基盤上11に接地され、また、筐体1の天面に接続され上下に稼動するボタン部3に覆われ、該ボタン部3の内側にスイッチ9の頂部が接触していることにより、ボタン部3の押し圧操作に連動してスイッチ9も上下動し、光源のオンオフを行う。
【0028】
前記ボタン電池10は、1個あたりの定格出力電圧が1.5Vで、例えば直径7.9ミリメートル、厚み3.6ミリメートルのLR41等や、直径11.6ミリメートル、厚み5.4ミリメートルのLR44等のような小形なものが適している。前記ボタン電池10は、2個直列に重なっており、筐体1内のPCB基盤11の下で金属板の+端子12と−端子13の間に挟持されており、筐体1側面下部の開口部を覆う電池蓋4を外して出し入れを行う。
【0029】
前記PCB基盤11は、該PCB基盤11底面に+端子12を接地し、該+端子12をPCB基盤11上のスイッチ9の端子に配線し、該スイッチ9のもう片方の端子をPCB基盤11上のLED8のアノードに配線し、該LED8のカソードをPCB基盤11底面から伸びたリード線14を介して−端子13に配線する。
【0030】
なお、必要であれば、前記PCB基盤11上のスイッチ9とLED8のアノードの間に、電流制限用の抵抗器を直列に入れて順方向電流を調整しても良い。
【0031】
図3と図7において、照明付き留め具を壁面に固定してLEDを点灯する方法について説明する。筐体1底面の磁石2で掲示物17を間に挟んで、金属製の壁面18に磁力で吸着し、LED8の発光部が下に向く位置で筐体1を固定する。ボタン部3の押し圧操作でスイッチ9をオンにしてLED8を点灯すると、照明は壁面の掲示物に向かって照射される。
【実施例2】
【0032】
図4と図7において、照明付き留め具を画鋲によって壁面に固定してLEDを点灯する方法について説明する。T字状で頂部が平らな金属製の画鋲盤5を壁面に刺して固定した後に、筐体1底面の磁石2で掲示物17を間に挟んで、前記画鋲盤5と着脱可能に磁力連結することで壁面に固定する。ボタン部3の押し圧操作でスイッチ9をオンにしてLED8を点灯すると、照明は壁面の掲示物に向かって照射される。
【実施例3】
【0033】
図5と図7において、照明付き留め具を吸盤によって壁面に固定してLEDを点灯する方法について説明する。頂部に円形の金属板15が埋め込まれた吸盤6を壁面に吸着固定した後に、筐体1底面の磁石2で掲示物17を間に挟んで、前記吸盤6と着脱可能に磁力連結することで壁面に固定する。ボタン部3の押し圧操作でスイッチ9をオンにしてLED8を点灯すると、照明は壁面の掲示物に向かって照射される。
【実施例4】
【0034】
図6と図7において、照明付き留め具を両面テープによって壁面に固定してLEDを点灯する方法について説明する。底面に両面テープが付いた円盤状で金属製の両面テープ盤7を壁面に貼着固定した後に、筐体1底面の磁石2で掲示物17を間に挟んで、前記両面テープ盤7と着脱可能に磁力連結することで壁面に固定する。ボタン部3の押し圧操作でスイッチ9をオンにしてLED8を点灯すると、照明は壁面の掲示物に向かって照射される。
【符号の説明】
【0035】
1 筐体
2 磁石
3 ボタン部
4 電池蓋
5 画鋲盤
6 吸盤
7 両面テープ盤
8 LED
9 スイッチ
10 ボタン電池
11 PCB基盤
12 +端子
13 −端子
14 リード線
15 金属板
16 両面テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱形の筐体から成る外観で、該筐体の円形底面に磁石を有し、該磁石で掲示物を間に挟んで金属製の壁面に磁力吸着することで、掲示物に穴を開けることなく壁面に固定することができ、また、内部に光源である高輝度LEDと、光源のオンオフを行うスイッチと、2個のボタン電池を収納し、前記筐体の側面下部から前記ボタン電池を収納する開口部に電池蓋を設けた、小形で軽量な照明装置であり、前記LEDは発光部の頭部が前記筐体の側面上部から外向きに露出していることにより、掲示物に直接光を当ててライトアップすることを特徴とする照明付き留め具。
【請求項2】
前記筐体は、T字状で頂部が平らな金属製の画鋲盤を壁面に刺して固定した後に、前記筐体底面の磁石で掲示物を間に挟んで前記画鋲盤と着脱可能に磁力連結することで、木質の壁面にも掲示物に穴を開けることなく固定できることを特徴とする、請求項1記載の照明付き留め具。
【請求項3】
前記筐体は、頂部に円形の金属板が埋め込まれた吸盤を壁面に吸着固定した後に、前記筐体底面の磁石で掲示物を間に挟んで前記吸盤と着脱可能に磁力連結することで、ガラスやタイル等の平滑な壁面にも掲示物に穴を開けることなく固定できることを特徴とする、請求項1記載の照明付き留め具。
【請求項4】
前記筐体は、底面に両面テープが付いた円盤状で金属製の両面テープ盤を壁面に貼着固定した後に、前記筐体底面の磁石で掲示物を間に挟んで前記両面テープ盤と着脱可能に磁力連結することで、幅広い種類の壁面に掲示物に穴を開けることなく固定できることを特徴とする、請求項1記載の照明付き留め具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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