説明

照明付浴槽装置

【課題】浴槽のグラデーション効果を高めることができる照明付浴槽装置を提供する。
【解決手段】水を貯留可能とされ、透光性を有する浴槽と、前記浴槽の外側に設けられ、前記浴槽を光らせることが可能な光源と、前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽内側に向けて反射させる反射体と、を備え、前記光源および前記反射体は、前記浴槽の外側において周状に配設されており、前記反射体は、鉛直断面視における前記浴槽裏面の垂線方向の前記浴槽との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設されてなることを特徴とする照明付浴槽装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、照明付浴槽装置に関し、具体的には照明を使って浴槽内を光らせることができる照明付浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽のデザイン性を高めたり、演出効果を高めるために、浴槽近傍に照明器具を取り付けた浴槽がある。そのような浴槽では、例えば、照明器具を浴槽の裏面側に取り付け、浴槽の一部に切り欠きを設けることにより、照明器具からの光を浴槽内に通すなどの工夫がなされている。
【0003】
そこで、透明層と加飾層と補強層とが積層上に形成されてなる浴槽を使用し、その加飾層と補強層とにのみ切欠部を形成して、浴槽の裏面側に取り付けた照明器具の光を透明層を通して浴槽内を光らせることができる浴槽の演出照明装置がある(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載された装置において、浴槽の外側(裏面側)に光源を周状に配設し、浴槽の高さ方向の一部を周状に光らせようとした場合には、光る部分と光らない部分との境界の明暗がはっきり出るおそれがある。
【0004】
これは、透光性を有する浴槽の裏面の垂線上において、その浴槽と反射部材との距離が略一定であるため、浴槽の反射部材に覆われている部分の入光量が均一となるためである。境界の明暗がはっきり出るとグラデーション効果を高めることはできず、浴槽のデザイン性は良くない。
【特許文献1】特許第3687063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、浴槽のグラデーション効果を高めることができる照明付浴槽装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、水を貯留可能とされ、透光性を有する浴槽と、前記浴槽の外側に設けられ、前記浴槽を光らせることが可能な光源と、前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽内側に向けて反射させる反射体と、を備え、前記光源および前記反射体は、前記浴槽の外側において周状に配設されており、前記反射体は、鉛直断面視における前記浴槽裏面の垂線方向の前記浴槽との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設されてなることを特徴とする照明付浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、浴槽のグラデーション効果を高めることができる照明付浴槽装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、水を貯留可能とされ、透光性を有する浴槽と、前記浴槽の外側に設けられ、前記浴槽を光らせることが可能な光源と、前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽内側に向けて反射させる反射体と、を備え、前記光源および前記反射体は、前記浴槽の外側において周状に配設されており、前記反射体は、鉛直断面視における前記浴槽裏面の垂線方向の前記浴槽との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設されてなることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、光源から離間するつれて徐々に暗くなるようなグラデーションをつけて浴槽の内面を光らせることができる。つまり、浴槽の内面のグラデーション効果を高めることができる。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記光源は、LEDであることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、光源の寿命を延ばすことができ、光源の交換の頻度を低減できる。
【0010】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記反射体は、前記浴槽の底面部と側面部との境界部近傍において、水平方向に延在する水平部と、前記水平部に略直交した方向に延在する垂直部と、を有し、前記水平部は、鉛直断面視における前記底面部裏面の垂線方向の前記底面部との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設され、前記垂直部は、鉛直断面視における前記側面部裏面の垂線方向の前記側面部との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設されなることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、光源から放出された光をより確実に浴槽に向かって反射することができる。そのため、浴槽の底面と側面との境界部近傍、あるいは浴槽の側面の上下方向の中央部近傍をより明るく光らせることができる。
【0011】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記光源は、前記水平部と、前記垂直部と、の境界部近傍に配設されてなることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、光源から放出された光をより確実に、且つより明るく浴槽に向かって反射することができる。そのため、浴槽の底面と側面との境界部近傍をより明るく光らせることができる。
【0012】
また、第5の発明は、第1または第2の発明において、前記反射体は、鉛直断面視で湾曲部を有することを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、浴槽裏面の垂線上における裏面と反射体との距離を変化させることができる。そのため、反射体と浴槽とで囲まれた部分における浴槽への入光量を変化させることができる。これにより、グラデーションをつけて浴槽を光らせることができる。
【0013】
また、第6の発明は、第5の発明において、前記光源は、鉛直断面視における前記浴槽裏面の垂線方向の前記浴槽と前記反射体との距離が最も長い直線上において、前記反射体の近傍に配設されてなることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、浴槽裏面の垂線上における裏面と反射体の内面との距離は光源から離間するとともに小さくなる。そのため、光源から離間するつれて徐々に暗くなるようなグラデーションをつけて浴槽を光らせることができる。また、光源が反射体の近傍に配設されているため、光源から放出された光をより確実に、且つより明るく浴槽に向かって反射することができる。そのため、浴槽をより明るく光らせることができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる照明付浴槽装置を上方から眺めた上面模式図である。
また、図2は、本実施形態にかかる照明付浴槽装置を側方から眺めた側面模式図である。
【0015】
本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、浴槽水を貯留可能とされ、少なくとも一部が透光性を有する浴槽10と、光を放出する複数の光源を有する連結光源20a、20bと、その連結光源20a、20bをそれぞれ保持するガイド部材30a、30bと、連結光源20a、20bの周囲に設けられ、連結光源20a、20bから放出された光を浴槽10に向けて反射させる反射体42と、を備えている。
【0016】
なお、本願明細書において「透光性」とは、連結光源からの光をほとんど反射も吸収もせずに透過させるか、あるいは連結光源からの光を一部吸収したり反射したりしても残りの光を透過し、浴槽10の内側(浴槽水を貯留し使用者がその中に入ることのできる側)まで到達させ得る性質をいう。また、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0017】
本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、電源部62と、電源スイッチ64と、をさらに備えている。図1に表したように、その電源スイッチ64は外部電源に接続されている。そして、連結光源20a、20bは電源部62と電源スイッチ64を介して外部電源に接続されている。使用者は電源スイッチ64を切り替えることによって、その連結光源20a、20bを点灯させたり消灯させることができる。
【0018】
連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bと反射体42とは、図2に表したように、浴槽10の外側であって、その下方部に配置されている。また、図1に表したように、連結光源20aとガイド部材30aとは、浴槽10の底面部11および側面部12の前方部に配置されている。一方、連結光源20bとガイド部材30bとは、浴槽10の底面部11および側面部12の後方部および左右側方部に配置されている。そして、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは全体として、浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されている。
【0019】
そのため、連結光源20a、20bは、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍を浴槽10の外側から周状に光らせることができる。但し、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bと反射体42との設置形態は、図2に表した設置形態に限定されず、浴槽10の外側であって、その上下方向の中央部近傍であってもよい。これによれば、連結光源20a、20bは、浴槽10の側面部12のみを浴槽10の外側から周状に光らせることができる。これについては、図4に関して後に詳述する。
【0020】
浴槽10は透光性を有するため、連結光源20a、20bは、浴槽10を通して浴槽10の内側を光らせることができる。なお、連結光源とガイド部材とは、図1に表したように複数に分割されていなくともよい。例えば、連結光源とガイド部材とはそれぞれ1つの部材からなり、それらの連結光源とガイド部材とが浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されていてもよい。
【0021】
このように、浴槽10の外側から光を透過させて、浴槽10の内側の面(内面)をより明るく、あるいはより効率よく光らせるためには、連結光源20a、20bの周囲に反射体42を配置することが好ましい。これによれば、連結光源20a、20bを浴槽10から離間させて配置することができる。そのため、連結光源20a、20bの有する光源が略点状にそれぞれ見られるおそれは少なく、浴槽10の内面をより均一化して光らせることができる。
【0022】
浴槽10の下方部には、浴槽10を支持する支持体50が設けられている。また、浴槽10の周囲には、浴槽の側面部12の外面13を隠したり、支持体50を隠して、照明付浴槽装置のデザイン性を高める外周壁(エプロン)55が設けられている。そして、外周壁55には、連結光源20a、20bの取り付け/取り外し作業が可能な開口部56a、56bが設けられている。
【0023】
図3は、光源から放出され、浴槽を透過した光の強度分布を説明するための模式図である。なお、図3(a)は、比較例の反射体が取り付けられた場合の光の強度分布を説明するための模式図であり、図3(b)は、本実施形態にかかる一例の反射体が取り付けられた場合の光の強度分布を説明するための模式図である。
【0024】
まず、図3(a)に表したように、浴槽10の外面13側に光源23が設けられ、光源23の周囲に反射体42aが設けられた比較例を考える。比較例の反射体42aは、それぞれの辺部が略直線の形状を有し、外面13に略直交した辺部と外面13に略並行した辺部とを有している。外面13に略直交した辺部は、浴槽10の外面13に付設されている。そして、反射体42aと浴槽10とで囲まれた部分には、略矩形状の空間が存在している。そのため、浴槽10の外面(裏面)13と垂直に交わる直線(以下、「垂線」という。)上における外面13と反射体42aの内面との距離は、光源23近傍であっても、光源23から離間した場所であっても略同じである。
【0025】
光源23から放出された光は、外面13に直接的に入射する。あるいは、光源23から放出された光は、直接的に入射しない場合であっても、反射体42aで乱反射されることによって、外面13に間接的に入射する。光源23から放出された光が直接的あるいは間接的に外面13に入射すると、浴槽10は透光性を有するため、浴槽10の側面部12は光ることができる。
【0026】
このとき、図3(a)に表したように、反射体42aと浴槽10とで囲まれた部分の側面部12では、光の強度分布は略均一となる。そして、その側面部12における光の強度は大きく、その側面部12は明るく光る。しかしながら、反射体42aと浴槽10とで囲まれた部分と、囲まれていない部分と、の境界部近傍では、光の強度は急激に低下する。これは、外面13に付設された辺部が、その外面13に略直交しているためである。より具体的には、外面13の垂線上における外面13と反射体42aの内面との距離は、反射体42aの内側では所定距離で略同じであるが、反射体42aの外側では急激に零になるためである。
【0027】
そのため、反射体42aと浴槽10とで囲まれた部分と、囲まれていない部分と、の境界部近傍では、側面部12の明暗が鮮明になるおそれがある。このように、側面部12の明暗が鮮明になると、側面部12のグラデーション効果を高めることはできない。
【0028】
これに対して、図3(b)に表したように、浴槽10の外面13側に光源23が設けられ、光源23の周囲に反射体42bが設けられた本実施形態の一例を考える。本実施形態の一例の反射体42bは、曲線部を有している。そして、外面(裏面)13の垂線上における外面13と反射体42bの内面との距離は、光源23近傍で大きく、光源23から離間するとともに小さくなる。
【0029】
光源23から放出された光は、前述したように、直接的あるいは間接的に外面13に入射する。そして、光源23から放出された光が外面13に入射すると、浴槽10は透光性を有するため、浴槽10の側面部12は光ることができる。
【0030】
このとき、図3(b)に表したように、反射体42bと浴槽10とで囲まれた部分の側面部12では、光源23近傍の光の強度は最も大きく、その側面部12は明るく光る。そして、光源23から離間するとともに光の強度は小さくなり、その側面部12は徐々に暗くなる。つまり、側面部12の明暗の境界ははっきりせず、ぼやけている。
【0031】
これは、光源23近傍のように、外面13の垂線上における外面13と反射体42bの内面との距離が大きい場合には、反射体42bで乱反射した光が様々な角度から浴槽10に入射しやすいためである。一方、光源23から離間した位置のように、外面13の垂線上における外面13と反射体42bの内面との距離が小さい場合には、反射体42bで乱反射した光は浴槽10に入射し難いためである。
【0032】
このように、外面13の垂線上における外面13と反射体42bの内面との距離を光源23近傍で大きく、光源23から離間するとともに小さくすることで、反射体42bと浴槽10とで囲まれた部分における浴槽10への入光量を変化させることができる。これによれば、反射体42bと浴槽10とで囲まれた部分と、囲まれていない部分と、の境界部近傍の明暗は、はっきりしない。そのため、光源23から離間するつれて徐々に暗くなるようなグラデーションをつけて浴槽10の側面部12を光らせることができる。つまり、浴槽10の側面部12のグラデーション効果を高めることができる。
【0033】
次に、連結光源および反射体の設置形態の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図4は、連結光源および反射体の設置形態の具体例を説明するための断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【0034】
まず、浴槽10の底面部11および側面部12について、図面を参照しつつ説明する。浴槽水を貯留可能な浴槽10の内面上の一点において、その点での接線に垂直な直線、すなわち法線を考える。さらに、法線であって、水平方向と45度の角度をなす法線を考える。その水平方向と45度の角度をなす法線の上方側の浴槽10を、本願明細書において「側面部12」という。これに対して、その水平方向と45度の角度をなす法線の下方側の浴槽10を、本願明細書において「底面部11」という。
【0035】
本具体例の反射体42cは、図3に表した反射体42bと同様に、図4に表したような鉛直方向の断面図(鉛直断面視)において、曲線部(湾曲部)を有している。反射体42cは、側面部12の外面13に封止体44、45を介して付設されている。ガイド部材30aは、固定部材48によって反射体42cに固定されている。このガイド部材30aは、外面13の垂線上における外面13と反射体42cの内面との距離が略最大となる位置に固定されている。そして、連結光源20aは、後に詳述するように、ガイド部材30aの内部に挿入され保持されている。したがって、外面(裏面)13の垂線上における外面13と反射体42cの内面との距離は、図4に表したような鉛直断面視において、連結光源20a近傍で大きく、連結光源20aから離間するとともに小さくなる。
【0036】
連結光源20aから放出された光は、前述したように、直接的あるいは間接的に外面13に入射する。そして、連結光源20aから放出された光が外面13に入射すると、浴槽10は透光性を有するため、浴槽10の側面部12は光ることができる。
【0037】
このとき、外面13の垂線上における外面13と反射体42cの内面との距離は連結光源20aから離間するとともに小さくなるため、反射体42cと封止体44、45と浴槽10とで囲まれた部分における浴槽10(側面部12)への入光量を変化させることができる。これにより、側面部12は連結光源20aから離間するつれて徐々に暗くなる。つまり、本具体例においては、連結光源20aから離間するつれて徐々に暗くなるようなグラデーションをつけて浴槽10の側面部12を光らせることができる。
【0038】
また、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは、図1に関して前述したように、浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されているため、側面部12のみを周状に光らせることができる。したがって、本具体例にかかる照明付浴槽装置では、浴槽10の側面部12のグラデーション効果を周状に高めることができる。なお、図4に表した断面模式図においては、連結光源20aおよびガイド部材30aの周囲の構造について説明したが、連結光源20bおよびガイド部材30bの周囲の構造についても同様の構造を有している。
【0039】
図5は、連結光源および反射体の設置形態の他の具体例を説明するための断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
本具体例の反射体42dは、図5に表したように、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍において、水平方向に延在する水平部42iと、その水平部42iに略直交した方向に延在する垂直部42jと、を有している。反射体42dは、支持体50に適宜固定されている。また、反射体42dの垂直部42jは、封止体44を介して側面部12の外面13に付設されている。さらに、反射体42dの水平部42iは、封止体45を介して底面部11の外面14に付設されている。
【0040】
ガイド部材30aは、固定部材48によって反射体42dの水平部42iと垂直部42jとの境界部近傍に固定されている。そして、連結光源20aは、後に詳述するように、ガイド部材30aの内部に挿入され保持されている。したがって、外面(裏面)13、14の垂線上における外面13、14と反射体42dの内面との距離は、図5に表したような鉛直方向の断面図(鉛直断面視)において、連結光源20a近傍で大きく、連結光源20aから離間するとともに小さくなる。
【0041】
連結光源20aから放出された光は、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍の外面13、14に直接的あるいは間接的に入射する。そして、連結光源20aから放出された光が外面13、14に入射すると、浴槽10は透光性を有するため、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍は光ることができる。
【0042】
このとき、外面13、14の垂線上における外面13、14と反射体42dの内面との距離は連結光源20aから離間するとともに小さくなるため、反射体42dと封止体44、45と浴槽10とで囲まれた部分における浴槽10(側面部12および底面部11)への入光量を変化させることができる。これにより、側面部12および底面部11は連結光源20aから離間するつれて徐々に暗くなる。つまり、本具体例においては、連結光源20aから離間するつれて徐々に暗くなるようなグラデーションをつけて浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍を光らせることができる。
【0043】
また、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは、図1に関して前述したように、浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されているため、底面部11と側面部12との境界部近傍を周状に光らせることができる。したがって、本具体例にかかる照明付浴槽装置では、底面部11と側面部12との境界部近傍のグラデーション効果を周状に高めることができる。なお、図5に表した断面模式図においては、連結光源20aおよびガイド部材30aの周囲の構造について説明したが、連結光源20bおよびガイド部材30bの周囲の構造についても同様の構造を有している。
【0044】
図6は、連結光源および反射体の設置形態のさらに他の具体例を説明するための断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
本具体例の反射体42eは、図5に表した反射体42dと同様に、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍において、水平方向に延在する水平部42iと、その水平部42iに略直交した方向に延在する垂直部42jと、を有している。反射体42eは、支持体50に適宜固定され、且つ封止体45を介して底面部11の外面14に付設されている。また、反射体蓋41は、反射体42の上方部に適宜固定され、且つ封止体44を介して側面部12の外面13に付設されている。この反射体蓋41は、透光性を有している。
【0045】
ガイド部材30aは、固定部材48によって反射体42eの水平部42iと垂直部42jとの境界部近傍に固定されている。そして、連結光源20aは、後に詳述するように、ガイド部材30aの内部に挿入され保持されている。したがって、外面(裏面)13、14の垂線上における外面13、14と反射体42dの内面との距離は、図6に表したような鉛直方向の断面図(鉛直断面視)において、連結光源20a近傍で大きく、連結光源20aから離間するとともに小さくなる。その他の構造については、図5に表した具体例にかかる照明付浴槽装置の構造と同様である。
【0046】
本具体例においては、透光性を有する反射体蓋41が反射体42eの上方部に設けられているため、連結光源20aから放出された光は反射体蓋41を透過して、側面部12の上下方向の中央部近傍の外面13に入射できる。したがって、連結光源20aから放出された光は、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍だけではなく、側面部12の上下方向の中央部近傍をもグラデーションをつけて光らせることができる。
【0047】
連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは、図1に関して前述したように、浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されているため、底面部11と側面部12との境界部近傍、および側面部12の上下方向の中央部近傍を周状に光らせることができる。したがって、本具体例にかかる照明付浴槽装置では、底面部11と側面部12との境界部近傍、および側面部12の上下方向の中央部近傍のグラデーション効果を周状に高めることができる。なお、図5に表した断面模式図においては、連結光源20aおよびガイド部材30aの周囲の構造について説明したが、連結光源20bおよびガイド部材30bの周囲の構造についても同様の構造を有している。
【0048】
次に、連結光源およびガイド部材の具体例について、図5および図6に表した連結光源とガイド部材と反射体とを例に挙げつつ説明する。
図7は、連結光源およびガイド部材の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
また、図8は、本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
なお、説明の便宜上、連結光源20aおよびガイド部材30aについて以下説明するが、連結光源20bおよびガイド部材30bについても同様の構造を有する。
【0049】
連結光源20aは、連結体22aと、複数の光源23と、を有している。連結体22aは、例えば弾性体などからなり、可撓性を有している。光源23は非可撓性を有しているが、可撓性を有する連結体22aに配列されているため、光源23とそれに隣接する光源23との間の連結体22aは撓むことができる。そのため、連結光源20aは全体として可撓性を有している。なお、光源23は、LED(Light Emitting Diode)であることが好ましい。これによれば、光源23の寿命を延ばすことができる。
【0050】
ガイド部材30aは、図7に表したように、固定部材48によって反射体42d、42eの水平部42iと垂直部42jとの境界部近傍に固定されている。また、反射体42d、42eは孔43を有している。この孔43は、反射体42d、42eを貫通して設けられている。固定部材48は孔43を通って、ガイド部材30aと反射体42d、42eとを固定している。
【0051】
ガイド部材30aは中空形状を有しており、一端に挿入部31aを有している。また、ガイド部材30aは、透光性を有している。そして、ガイド部材30aは、ガイド部材本体37aと、ガイド部材本体37aの内面(当接面)32aに積層された被覆層38aと、を有する。その被覆層38aは、ガイド部材本体37aよりも摺動性の高い材料から形成されている。ガイド部材本体37aの材質としては、例えば可撓性を有する塩化ビニル樹脂などが挙げられる。一方、被覆層38aとしては、例えばポリエチレンなどのオレフィン系樹脂のコーティング被膜などが挙げられる。
【0052】
ガイド部材30aの長手方向に対して垂直方向の挿入部31aの断面積は、連結光源20aの長手方向に垂直方向の連結体22aおよび光源23の断面積よりも大きい。そのため、ガイド部材30aの挿入部31aから矢印の方向に連結光源20aを挿入することができる。このとき、ガイド部材30aは、図1に表したように、浴槽10の底面部11および側面部12の後方部および左右側方部に配置された状態で反射体42d、42eに固定されているが、連結光源20aは可撓性を有しているため、ガイド部材30aの配置形状に沿って移動できる。
【0053】
さらに、ガイド部材本体37aの内面32aには被覆層38aが設けられているため、連結光源20aは内面32aを滑らかに移動できる。その結果、連結光源20aは、内面32aを滑らかに移動しつつ挿入され、図8に表したように、ガイド部材30aの内部に収納される。つまり、連結光源20aは、反射体42d、42eの水平部42iと垂直部42jとの境界部近傍に配設される。そして、この収納状態のまま、光源23は光を照射できる。このとき、ガイド部材30aは透光性を有しているため、光源23から照射された光はガイド部材30aを通って底面部11と側面部12との境界部近傍の外面13、14に入射できる。そのため、光源23は底面部11と側面部12との境界部近傍を周状に光らせることができる。
【0054】
あるいは、図6に関して前述した具体例においては、反射体蓋41は透光性を有するため、光源23から照射された光は反射体蓋41を介して側面部12の上下方向の中央部近傍の外面13に入射できる。そのため、光源23は側面部12の上下方向の中央部近傍をも周状に光らせることができる。
【0055】
図7および図8に表したガイド部材30aは、説明の便宜上、一端の挿入部31a側を表しているが、他端にも同様に挿入部を有している。そのため、ガイド部材30aの両端の挿入部から連結光源20aを挿脱可能である。そして、図2に表したように、一端の挿入部は外周壁55の開口部56a近傍に配置されており、他端の挿入部は外周壁55の開口部56b近傍に配置されている。そして、開口部56a、56bは、例えば壁面ではない開放された空間に向かって設けられている。そのため、開口部56aあるいは開口部56bから連結光源20aを容易に取り付けたり、取り外すことができる。また、連結光源20aは被覆層38aにより滑らかに内面を移動できるため、より容易に連結光源20aを取り付けたり、取り外すことができる。
【0056】
さらに、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは、それぞれ複数に分割されているため、それぞれ1つの部材からなる場合よりも容易に連結光源20a、20bを取り付けたり、取り外すことができる。これは、連結光源とガイド部材とが、それぞれ1つの部材によって浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されている場合には、長い全長を有する連結光源を取り付けたり、取り外す必要性が生ずるためである。
【0057】
なお、連結光源20aを取り付けたり、取り外す場合であっても、ガイド部材30aは反射体42d、42eに固定されている。また、連結光源20aの全長はガイド部材30aの全長よりも長く、且つ連結光源20bの全長はガイド部材30bの全長よりも長いことが好ましい。これによれば、底面部11と側面部12との境界部近傍、あるいは側面部12の上下方向の中央部近傍をより確実に周状に光らせることができる。すなわち、底面部11と側面部12との境界部近傍、あるいは側面部12の上下方向の中央部近傍において、光る部分と光らない部分とが生ずることを防止できる。したがって、浴槽のデザイン性をより高めたり、演出効果をより高めることができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、浴槽10の外面(裏面)13、14の垂線上における外面13、14と反射体42b、42c、42d、42eの内面との距離は、連結光源20a(光源23)近傍で大きく、連結光源20a(光源23)から離間するとともに小さくなる。そのため、反射体42bと浴槽10とで囲まれた部分における浴槽10への入光量を変化させることができる。あるいは、反射体42c、42d、42eと封止体44、45と浴槽10とで囲まれた部分における浴槽10への入光量を変化させることができる。これにより、連結光源20aから離間するつれて徐々に暗くなるようなグラデーションをつけて、浴槽10の側面部12や、底面部11と側面部12との境界部近傍や、あるいは側面部12の上下方向の中央部近傍を光らせることができる。つまり、浴槽10の側面部12のグラデーション効果を高めることができる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、連結光源20a、20bやガイド部材30a、30bなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや反射体42b、42c、42d、42eの設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態にかかる照明付浴槽装置を上方から眺めた上面模式図である。
【図2】本実施形態にかかる照明付浴槽装置を側方から眺めた側面模式図である。
【図3】光源から放出され、浴槽を透過した光の強度分布を説明するための模式図である。
【図4】連結光源および反射体の設置形態の具体例を説明するための断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【図5】連結光源および反射体の設置形態の他の具体例を説明するための断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【図6】連結光源および反射体の設置形態のさらに他の具体例を説明するための断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【図7】連結光源およびガイド部材の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
【図8】本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
【符号の説明】
【0061】
10 浴槽、 11 底面部、 12 側面部、 13、14 外面、 20a、20b 連結光源、 22a、22b 連結体、 23 光源、 30a、30b ガイド部材、 31a、31b 挿入部、 32a、32b 内面、 37a、37b ガイド部材本体、 38a、38b 被覆層、 41 反射体蓋、 42、42a、42b、42c、42d、42e 反射体、 42i 水平部、 42j 垂直部、 43 孔、 44、45 封止体、 48 固定部材、 50 支持体、 55 外周壁、 56a、56b 開口部、 62 電源部、 64 電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯留可能とされ、透光性を有する浴槽と、
前記浴槽の外側に設けられ、前記浴槽を光らせることが可能な光源と、
前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽内側に向けて反射させる反射体と、
を備え、
前記光源および前記反射体は、前記浴槽の外側において周状に配設されており、
前記反射体は、鉛直断面視における前記浴槽裏面の垂線方向の前記浴槽との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設されてなることを特徴とする照明付浴槽装置。
【請求項2】
前記光源は、LEDであることを特徴とする請求項1記載の照明付浴槽装置。
【請求項3】
前記反射体は、前記浴槽の底面部と側面部との境界部近傍において、水平方向に延在する水平部と、前記水平部に略直交した方向に延在する垂直部と、を有し、
前記水平部は、鉛直断面視における前記底面部裏面の垂線方向の前記底面部との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設され、
前記垂直部は、鉛直断面視における前記側面部裏面の垂線方向の前記側面部との距離を、前記光源から離れるにしたがって小さくなるように配設されなることを特徴とする請求項1または2に記載の照明付浴槽装置。
【請求項4】
前記光源は、前記水平部と、前記垂直部と、の境界部近傍に配設されてなることを特徴とする請求項3記載の照明付浴槽装置。
【請求項5】
前記反射体は、鉛直断面視で湾曲部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の照明付浴槽装置。
【請求項6】
前記光源は、鉛直断面視における前記浴槽裏面の垂線方向の前記浴槽と前記反射体との距離が最も長い直線上において、前記反射体の近傍に配設されてなることを特徴とする請求項5記載の照明付浴槽装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−29384(P2010−29384A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193939(P2008−193939)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】