説明

照明制御システム及び照明制御サーバ

【課題】照明エリアの照明を制御する照明制御システムにおいて、照明エリアの照明の明滅が頻繁に繰り返されると、その照明エリア近傍の人物が不快に感じてしまうことがある。逆に、照明エリアの照明の明滅があまり行われないと、節電効果が得られにくい。従って、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、照明エリアの照明の明滅頻度と節電効果とのバランスがある程度考慮されるタイミングで照明を減光することができる照明制御システムが望まれている。
【解決手段】この照明制御システムは、照明エリア内に人物を検知しない状態から人物を検知する状態へと変化する場合には、その変化が起こった時点で照明を点灯する。そして、照明エリア内に人物を検知する状態から人物を検知しない状態へと変化する場合には、しばらく照明の点灯状態を維持してから、その照明エリアに一定期間のうちに人物が戻ってくる確率が低くなるタイミングで照明を消灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明を制御する照明制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
照明エリア内に人物が存在するか否かに応じて、照明エリアにおける照明を制御する照明制御システムが知られている。
例えば、特許文献1には、人物に所有されるタグと、タグと通信するタグリーダとを用いて照明エリア内に人物が存在するか否かを検知し、検知結果に応じて照明エリアの照明を制御する照明制御システムが示されている。
【0003】
この照明制御システムは、照明エリア内に人物を検知しない状態から人物を検知する状態へと変化する場合に、その変化が起こった時点で照明を点灯させる。そして、照明エリア内に人物を検知する状態から人物を検知しない状態へと変化する場合に、その変化が起こってから所定の経過時間が経過した時点で照明を消灯させる。
これにより、照明エリアに人物がいなくなると、所定期間経過後に照明が消灯されることとなるため、不要な照明の点灯が抑制されて、節電を推進することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−4244
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、照明エリアの照明を制御する照明制御システムにおいて、照明エリア近傍(照明エリア外部であるが、照明エリアの照明の光が到達する範囲。)に他の人物(以下、「エリア外人物」と呼ぶ。)が存在しているような場合には、照明エリアの照明の点灯状態を変更することで、そのエリア外の人物に不快感を与えてしまうことがある。すなわち、照明エリアの照明が短期間に点灯状態の変更を繰り返してしまうと、その短期間の明滅の繰り返しが視界に入るエリア外人物は不快に感じ得る。
【0006】
この問題は、照明エリア内への出入りを頻繁に行う人物がいる場合に特に顕著となる。
この問題を解決するための方法として、照明エリア内に人物が検知されなくなった時点から、照明を、消灯又は減光(以下、単に「減光」と呼ぶ。)するまでの期間(以下、「猶予期間」と呼ぶ。)を長くすることとで、照明エリアの照明の明滅頻度を少なくする方法が知られている。これは、猶予期間内に、再びその照明エリアにその退席した人物が戻ってきた場合には、照明を減光しないことで、照明の明滅頻度を少なくするものである。
【0007】
しかしながら、猶予期間を長くしてしまうと、照明を減光している期間が短くなってしまい、節電効果が低下してしまうという問題が発生する。
このため、照明エリアの照明の明滅頻度と節電効果とのバランスを考慮して、適切に猶予期間を設定することが重要となる。
従来、猶予期間の設定は、照明制御システムのシステム管理者等によって、経験的に適切だと考えられる期間に設定されている。
【0008】
このような猶予期間の設定方法では、照明制御システムが運用される形態やシステム管理者の設定能力によっては、結果的に猶予期間が不適切なものとなってしまっていることがある。
そこで本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、猶予期間の設定を必要とせず、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、照明エリアの照明の明滅頻度と節電効果とのバランスがある程度とれたタイミングで照明を減光することができる照明制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するために本発明に係る照明制御システムは、照明エリアを照らす照明を制御する照明制御システムであって、前記照明エリア内に人物が存在するか否かを検出する検出手段と、過去の一定期間において、前記照明エリア内での人物の出没変化の時間履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、前記検出手段が、前記照明エリア内に人物が存在すると検出した後、存在しないと検出状態を変化した場合において、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を参照して、同履歴が同様な出没時間変化を呈した時点以降に、一定期間、人物が前記照明エリア内に存在する状態に変化する確率が低い期間が存在すると認められるとき、前記一定期間の始期に該当する始期該当時刻から前記照明が減光されるように前記照明を制御する照明制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記検出手段は、前記照明エリア内に存在することを検出された人物を特定する人物特定部を有し、前記履歴情報記憶手段の記憶する履歴情報は、前記検出手段によって前記照明エリア内に存在することが検出された人物それぞれを対象とした、前記照明エリア内での対象とする人物の出没変化の時間履歴を示す対象人物履歴情報からなり前記照明制御手段は、前記検出手段によって前記照明エリア内に存在することを検出された人物それぞれを対象として、前記履歴情報記憶手段が記憶する、対象とする人物に対応する対象人物履歴情報を参照して、前記検出手段が、前記照明エリア内に対象とする人物が存在することを検出する対象人物検出状態から、前記照明エリア内に当該対象とする人物が存在しないことを検出する対象人物不検出状態へと変化した時毎についての、当該時から前記検出手段が再び前記対象人物検出状態へと変化した時までの経過時間の分布に係る時間分布情報を算出する時間分布情報算出部と、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に人物が存在することを検出する検出状態から、前記照明エリア内に人物が存在しないことを検出する不検出状態へと変化した場合に、前記検出手段の状態が前記検出状態から前記不検出状態へと変化した時刻と、前記時間分布情報算出部によって算出された時間分布情報とを用いて、前記始期該当時刻を算出する時刻算出部とを有するとしてもよい。
【0011】
また、前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻とのうちの早い方の時刻を、前記始期該当時刻とするように行うとしてもよい。
【0012】
また、前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻との平均時刻を、前記始期該当時刻とするように行うとしてもよい。
【0013】
また、前記減光は、消灯であるとしてもよい。
また、前記照明制御手段は、さらに、前記照明が消灯状態である場合において、前記検出手段の状態が前記不検出状態から前記検出状態へと変化したときに、前記照明が点灯されるように前記照明を制御するとしてもよい。
また、前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻とのうちの早い方の時刻を第1始期該当時刻とするように、そして、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻との平均時刻を第2始期該当時刻とするように行い、前記照明制御手段は、前記照明の制御を、前記時刻算出部によって算出された前記第1始期該当時刻に前記照明が減光されるように、前記時刻算出部によって算出された前記第2始期該当時刻に前記照明がさらに減光されるように行うとしてもよい。
【0014】
また、前記検出手段の行う前記検出の結果に基づいて、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を所定周期で更新する履歴情報更新手段を備えるとしてもよい。
また、前記履歴情報更新手段は、前記更新を、過去に前記検出手段の行った前記検出の回数が所定回数に満たない場合に、更新される履歴情報が、予め定められたものとなるように行うとしてもよい。
【0015】
また、前記検出手段は、検出対象となる人物に携行される、自器の識別情報を含む識別信号を送信するタグと、前記照明エリア内に存在する人物に携行されるタグから送信される識別信号を受信するタグリーダであって、受信した識別信号に含まれる識別情報に基づいて、前記照明エリア内に人物がいることを検出するタグリーダとを含むとしてもよい。
上記問題を解決するために本発明に係るサーバは、照明エリアを照らす照明を制御する照明制御サーバであって、過去の一定期間において、前記照明エリア内での人物の出没変化の時間履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、前記照明エリア内に人物が存在するか否かを検出する検出手段が、前記照明エリア内に人物が存在すると検出した後、存在しないと検出状態を変化した場合において、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を参照して、同履歴が同様な出没時間変化を呈した時点以降に、一定期間、人物が前記照明エリア内に存在する状態に変化する確率が低い期間が存在すると認められるとき、前記一定期間の始期に該当する時刻から前記照明が減光されるように前記照明を制御する照明制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記構成を備える本発明に係る照明制御システムは、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、照明エリアの照明の明滅頻度と節電効果とのバランスがある程度とれたタイミングで照明を減光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】事務室130の概略構成図
【図2】質問器100の回路図
【図3】タグ300の回路図
【図4】コントローラ121の回路図
【図5】質問器リストとタグリストとのデータ構成図
【図6】送信時間対応表のデータ構成図
【図7】質問信号のタイミングチャート
【図8】サーバ120の回路図
【図9】照明エリア対応表900のデータ構成図
【図10】応答タグ時刻テーブル1000のデータ構成図
【図11】(a)タグ不在期間テーブルA1100のデータ構成図、(b)タグ不在期間テーブルB1150のデータ構成図
【図12】タグ不在期間1120と度数1130との対応関係を示すグラフ
【図13】(a)閾値時間テーブルA1300のデータ構成図、(b)閾値時間テーブルB1350のデータ構成図
【図14】(a)質問信号1410のデータ構成図、(b)応答信号1420のデータ構成図(c)応答情報1430のデータ構成図
【図15】応答処理のフローチャート
【図16】所在確認処理のフローチャート
【図17】応答タグ時刻テーブル更新処理のフローチャート
【図18】閾値時間テーブル更新処理のフローチャート
【図19】照明制御処理のフローチャート
【図20】変形照明制御処理のフローチャートその1
【図21】変形照明制御処理のフローチャートその2
【図22】タグ不在期間と度数との対応関係を示すグラフ
【図23】タグ不在期間と累積相対度数との対応関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態>
<概要>
以下、本発明に係る照明制御システムの一実施形態として、照明エリアに配置されている照明の点灯状態を制御する照明制御システムについて説明する。
この照明制御システムは、照明エリア内に人物を検知しない状態から人物を検知する状態へと変化する場合には、その変化が起こった時点で照明を点灯する。そして、照明エリア内に人物を検知する状態から人物を検知しない状態へと変化する場合には、しばらく照明の点灯状態を維持してから、その照明エリアに一定期間のうちに人物が戻ってくる確率が低くなるタイミングで照明を消灯する。
【0019】
以下、本実施の形態1に係る照明制御システムの構成について、図面を参照しながら説明する。
<構成>
図1は、本実施の形態1に係る照明制御システムが運用されている、オフィスの一室である事務室130の概略構成図である。
【0020】
同図に示されるように、事務室130には、12脚の机と12脚の椅子とサーバ120とコントローラ121とコントローラ122と照明制御装置123と照明191〜照明197とネットワーク124と照明制御ケーブル125とが設置されている。そして、それぞれの机の上には、それぞれ1台の質問器が配置されている。
同図において破線で示す照明エリアA131、照明エリアB132は、それぞれ、事務室130内の互いに異なる部署A、Bのエリアを示している。照明エリアA131は、6脚の机と6脚の椅子とが集まってなる島が設置され、コントローラ121が設置され、島の上部の天井に照明191〜照明193が設置されている。照明エリアB132は、6脚の机と6脚の椅子とが集まってなる島が設置され、コントローラ122が設置され、島の上部の天井に照明194〜照明197が設置されている。
【0021】
照明エリアA131と照明エリアB132とは、一方のエリアで照明が点滅すると、他方のエリアでも少なからず明るさが変化してしまうという関係になっている。
事務室130で運用されている照明制御システムは、質問器100〜質問器111とサーバ120とコントローラ121とコントローラ122と照明制御装置123とネットワーク124と照明制御ケーブル125と照明191〜照明197と複数のタグ(図1には図示せず)とから構成されている。
【0022】
ネットワーク124は、サーバ120とコントローラ121とコントローラ122と照明制御装置123と質問器100〜質問器111とに接続され、これら接続される機器間の通信に用いられる信号を有線で伝達する機能を有する。
質問器100〜質問器111のそれぞれは、ネットワーク124に接続され、以下の2つの機能を有する。
【0023】
通信機能:ネットワーク124を介して、自器の設置されている島に設置されているコントローラと通信する機能。
質問信号送信機能:自器の設置されている島に属するコントローラからネットワーク124を介して送信される同期信号を受信すると、LF(Low Frequency)帯の質問信号(後述)を送信する機能。
【0024】
ここで、通信機能と質問信号送信機能とは、後述の所在確認処理において利用される機能である。
質問器100〜質問器111は、いずれも同様の構成を備え、同様の機能を有している。よって、以後、質問器100〜質問器111に共通する事項を説明する場合には、これらの質問器を代表して質問器100のみについて説明する。
【0025】
図2は、質問器100の主要な回路構成を示す回路図である。
同図に示されるように、質問器100は、CPU(Central Processing Unit)210とLF帯アンテナ220とLF帯送信回路230とメモリ240と通信回路260とから構成される。
LF帯アンテナ220は、LF帯送信回路230に接続される、例えばコイルであって、LF帯信号の送信に利用される。
【0026】
LF帯送信回路230は、CPU210とLF帯アンテナ220とに接続され、CPU210によって制御され、以下の2つの機能を有する。
機能1:CPU210から送られてくる信号を、LF帯の信号に変調する機能。
機能2:変調したLF帯の信号を、LF帯アンテナ220を用いて外部に出力する機能。
【0027】
メモリ240は、CPU210に接続され、RAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)と着脱可能なフラッシュメモリとからなり、CPU210の動作を規定するプログラムとCPU210が利用するデータとを記憶する。
また、メモリ240は、自質問器の質問器識別子を記憶している。
通信回路260は、CPU210とネットワーク124とに接続され、CPU210によって制御され、ネットワーク124を介してネットワーク124に接続された他の機器と通信する機能を有する。
【0028】
CPU210は、LF帯送信回路230とメモリ240と通信回路260とに接続され、メモリ240が記憶するプログラムを実行することで、LF帯送信回路230とメモリ240と通信回路260とを制御して、質問器100に様々な機能(例えば、通信機能、質問信号送信機能等)を実現させる。
図1に示されていない複数のタグのそれぞれは、照明制御システムを利用するユーザに携帯されて利用され、以下の2つの機能を有する。
【0029】
質問信号受信機能:質問器100〜質問器111から送信されるLF帯の質問信号を受信する機能。
応答信号送信機能:受信した質問信号に呼応するUHF帯の応答信号(後述)を生成して外部に送信する機能。
ここで、質問信号受信機能と応答信号送信機能とは、後述の応答処理において利用される機能である。
【0030】
複数のタグのそれぞれは、互いに同様の構成を備え、同様の機能を有している。よって、以後、これらのタグに共通する事項を説明する場合には、これらのタグを代表してタグ300のみについて説明する。
図3は、タグ300の主要な回路構成を示す回路図である。
同図に示されるように、タグ300は、CPU310とLF帯アンテナ320とLF帯受信回路330とUHF(Ultra High Frequency)帯アンテナ340とUHF帯送信回路350とメモリ360と電池390とから構成されている。
【0031】
LF帯アンテナ320は、LF帯受信回路330に接続される、例えば、互いにコイル軸が直交する3つのコイルによって構成され、LF帯信号の受信に利用される。
LF帯受信回路330は、CPU310とLF帯アンテナ320とに接続され、CPU310によって制御され、以下の2つの機能を有する。
機能1:LF帯アンテナ320を用いて、CRC(Cyclic Redundancy Check)チェックをかけてLF帯の質問信号を受信する機能。
【0032】
機能2:受信したLF帯の質問信号を復調して、CPU310へ送る機能。
UHF帯アンテナ340は、UHF帯送信回路350に接続される、例えば微小ループアンテナであって、UHF帯信号の送信に利用される。
UHF帯送信回路350は、CPU310とUHF帯アンテナ340とに接続され、CPU310によって制御され、以下の2つの機能を有する。
【0033】
機能1:CPU310から送られてくる信号を、UHF帯の応答信号に変調する機能。
機能2:変調したUHF帯の応答信号を、UHF帯アンテナ340を用いて外部に出力する機能。
メモリ360は、CPU310に接続され、RAMとROMと着脱可能なフラッシュメモリとからなり、CPU310の動作を規定するプログラムとCPU310が利用するデータとを記憶する。
【0034】
また、メモリ360は、自器のタグ識別子を記憶している。
CPU310は、LF帯受信回路330とUHF帯送信回路350とメモリ360とに接続され、メモリ360が記憶するプログラムを実行することで、LF帯受信回路330とUHF帯送信回路350とメモリ360とを制御して、タグ300に様々な機能(例えば、質問信号受信機能、応答信号送信機能等)を実現させる。
【0035】
電池390は、タグ300を構成する電子部品に電力を供給する。
再び図1に戻り、プレゼンス管理システムの説明を続ける。
コントローラ121とコントローラ122とのそれぞれは、ネットワーク124に接続され、以下の5つの機能を有する。
通信機能:ネットワーク124を介して、サーバ120と、自器以外のコントローラと、自機の設置されている島に属する質問器と通信する機能。
【0036】
同期信号送信機能:所定期間T1(例えば、2000ms)を1周期(以下、「基準周期」と呼ぶ)として、周期的に自機の設置されている島に設置されている質問器に、ネットワーク124を介して同期信号を送信する機能。
応答信号受信機能:タグから送信されるUHF帯の応答信号を受信する機能。
応答情報送信機能:基準周期内に受信した応答信号に含まれる質問器識別子とタグ識別子との組と、その周期の開始時刻である質問時刻とを含む応答情報を生成し、ネットワーク124を介してサーバ120に送信する機能。
【0037】
同期機能:ネットワーク124を介して自器以外のコントローラと通信し、自器における基準周期と、自機以外のコントローラにおける基準周期とを、互いに周期の開始時刻が揃うように、同期の取れたものとする機能。
なお、通信機能と同期信号送信機能と応答信号受信機能と応答情報送信機能とは、後述の所在確認処理において利用される機能である。
【0038】
コントローラ121とコントローラ122とは、いずれも同様の構成を備え、同様の機能を有している。よって、以降コントローラ121とコントローラ122に共通する事項を説明する場合には、これらのコントローラを代表してコントローラ121のみについて説明する。
図4は、コントローラ121の主要な回路構成を示す回路図である。
【0039】
同図に示されるように、コントローラ121は、CPU410とUHF帯アンテナ420とUHF帯受信回路430とメモリ440とタイマ450と通信回路460とから構成される。
UHF帯アンテナ420は、UHF帯受信回路430に接続される、例えば微小ループアンテナであって、UHF帯信号の受信に利用される。
【0040】
UHF帯受信回路430は、CPU410とUHF帯アンテナ420とに接続され、CPU410によって制御され、以下の2つの機能を有する。
機能1:UHF帯アンテナ420を用いて、CRCチェックをかけてUHF帯の信号を受信する機能。
機能2:受信したUHF帯の信号を復調して、CPU410へ送る機能。
【0041】
メモリ440は、CPU410に接続され、RAMとROMと着脱可能なフラッシュメモリとからなり、CPU410の動作を規定するプログラムとCPU410が利用するデータとを記憶する。
また、メモリ440は、質問器リストとタグリストと送信時間対応表とを記憶している。
【0042】
図5は、メモリ440が記憶する、質問器リストとタグリストとのデータ構成図の一例である。
図5(a)は、コントローラ121のメモリ440が記憶する質問器リストA501である。同図に示されるように、質問器リストA501は、コントローラ121が設置されている島に設置されている質問器100〜質問器105それぞれの質問器識別子から構成される。
【0043】
図5(b)は、コントローラ122のメモリ440が記憶する質問器リストB502である。同図に示されるように、質問器リストB502は、コントローラ122が設置されている島に設置されている質問器106〜質問器111それぞれの質問器識別子から構成されている。
図5(c)は、コントローラ121のメモリ440とコントローラ122のメモリ440とが記憶するタグリスト503である。
【0044】
同図に示されるように、タグリスト503は、照明制御システムに含まれるタグそれぞれのタグ識別子から構成される。
図6は、メモリ440が記憶する送信時間対応表のデータ構成図の一例である。
図6(a)は、コントローラ121のメモリ440が記憶する送信時間対応表A601である。同図に示されるように、送信時間対応表A601は、質問器識別子611と送信時間612とが対応付けられて構成される。
【0045】
質問器識別子611は、コントローラ121が設置されている島に設置されている質問器100〜質問器105それぞれの質問器識別子である。
送信時間612は、対応する質問器識別子で識別される質問器に同期信号を送信するタイミングを規定する時間である。コントローラ121は、基準周期において、その周期の開始時点から、送信時間612で示される時間が経過する毎に、対応する質問器へ同期信号を送信する。
【0046】
図6(b)は、コントローラ122のメモリ440が記憶する送信時間対応表B602である。同図に示されるように、送信時間対応表B602は、質問器識別子613と送信時間614とが対応付けられて構成される。
質問器識別子613は、コントローラ122が設置されている島に設置されている質問器106〜質問器111それぞれの質問器識別子である。
【0047】
送信時間614は、対応する質問器識別子で識別される質問器に同期信号を送信するタイミングを規定する時間である。コントローラ122は、基準周期において、その周期の開始時点から、送信時間614で示される時間が経過する毎に、対応する質問器へ同期信号を送信する。
図7は、所定期間T1となる基準周期の1周期において、質問器100〜質問器111のそれぞれが送信する質問信号のタイミングチャートの一例である。ここでは、所定期間T1が2000msの場合の例となっている。
【0048】
同図に示される通り、質問器100〜質問器111のそれぞれは、質問器100から順に、コントローラ121又はコントローラ122から送信される同期信号を受信し、同期信号を受信するタイミングで質問信号を送信する。
再び図4に戻り、コントローラ121の説明を続ける。
通信回路460は、CPU410とネットワーク124とに接続され、CPU410によって制御され、ネットワーク124を介してネットワーク124に接続される他の機器と通信する機能を有する。
【0049】
タイマ450は、CPU410に接続され、CPU410によって制御され、時間を計測する機能を有する。
CPU410は、UHF帯受信回路430とメモリ440とタイマ450と通信回路460とに接続され、メモリ440が記憶するプログラムを実行することで、UHF帯受信回路430とメモリ440とタイマ450と通信回路460とを制御して、コントローラ121に様々な機能(例えば、通信機能、同期信号送信機能、応答信号受信機能、応答情報送信機能、同期機能等)を実現させる。
【0050】
再び図1に戻り、照明制御システムの説明を続ける。
サーバ120は、ネットワーク124に接続され、以下の6つの機能を実現する。
応答情報受信機能:ネットワーク124を介してコントローラ121とコントローラ122とから送信される応答情報を受信する機能。
応答タグ時刻テーブル更新機能:受信した応答情報を用いて、内蔵するハードディスク装置が記憶する応答タグ時刻テーブル(後述)を更新する機能。
【0051】
タグ不在期間テーブル更新機能:所定時刻t0(例えば、午前0時)に、内蔵するハードディスク装置が記憶する応答タグ時刻テーブルを用いて、内蔵するハードディスク装置が記憶する閾値時間テーブル(後述)を更新する機能。
閾値時間テーブル更新機能:タグ不在期間テーブルが更新されると、内蔵するハードディスク装置が記憶する閾値時間テーブル(後述)を更新する機能。
【0052】
照明制御機能:所定の条件が満たされる場合に、ネットワーク124を介して、照明制御装置123へ、照明制御装置123を制御する照明制御コマンドを送信する機能。ここで、所定の条件が満たされる場合については、後程<照明制御処理>の項目でフローチャートを用いて説明する。
照明状態確認機能:基準周期毎に、ネットワーク124を介して、照明制御装置123と通信し、照明190〜照明197の点灯状態の情報を取得する機能。
【0053】
なお、応答情報受信機能と応答タグ時刻テーブル更新機能とは、後述の応答タグ時刻テーブル更新処理において利用される機能である。また、タグ不在期間テーブル更新機能と閾値時間テーブル更新機能とは、後述の閾値時間テーブル更新処理において利用される機能である。そして、照明制御機能と照明状態確認機能とは、後述の照明制御処理において利用される機能である。
【0054】
図8は、サーバ120の主要な回路構成を示す回路図である。
同図に示されるように、サーバ120は、CPU810とハードディスク装置830とメモリ840とタイマ850と通信回路860とから構成される。
メモリ840は、CPU810に接続され、RAMとROMと着脱可能なフラッシュメモリとからなり、CPU810の動作を規定するプログラムとCPU810が利用するデータとを記憶する。
【0055】
また、メモリ840は、照明エリア対応表を記憶している。
図9は、メモリ840が記憶する、照明エリア対応表900のデータ構成図の一例である。
同図に示されるように、照明エリア対応表900は、照明エリア名910と質問器識別子920と照明識別子930とが対応付けられて構成される。
【0056】
照明エリア名910は、照明エリアを特定するための識別子である。
質問器識別子920は、対応付けられる照明エリア名910で特定される照明エリアに設置されている質問器の識別子である。
照明識別子930は、対応付けられる照明エリア名910で特定される照明エリアに設置されている照明の識別子である。
【0057】
再び図8に戻り、サーバ120の説明を続ける。
ハードディスク装置830は、CPU810に接続され、CPU810によって制御され、ハードディスクを内蔵し、内蔵するハードディスクにデータを書き込む機能と、内蔵するハードディスクからデータを読み出す機能とを有する。
また、ハードディスク装置830は、内蔵するハードディスクに書き込まれることによって、応答タグ時刻テーブルとタグ不在期間テーブルAとタグ不在期間テーブルBと閾値時間テーブルAと閾値時間テーブルBとを記憶している。
【0058】
図10は、ハードディスク装置830が記憶する応答タグ時刻テーブル1000のデータ構成図の一例である。
同図に示されるように、応答タグ時刻テーブル1000は、質問時刻1010と質問器識別子1020とタグ識別子1030とが対応付けられて構成される。
質問時刻1010は、コントローラ121及びコントローラ122から受信した応答情報に含まれる質問時刻である。なお、コントローラ121とコントローラ122とは、互いに基準周期が同期しているため、それぞれ、互いに同じ質問時刻を含む応答情報を送信することとなっている。
【0059】
質問器識別子1020は、質問器100〜質問器111それぞれの質問器識別子である。
タグ識別子1030は、コントローラ121及びコントローラ122から受信した応答情報に含まれる、質問器識別子とタグ識別子との組を構成するタグ識別子である。そして、応答情報において組となる質問器識別子と、応答情報に含まれる質問時刻とに対応付けられている。
【0060】
なお、タグ識別子1030の欄にある「−」は、そのタグ識別子がヌル値であることを示している。ここで、タグ識別子がヌル値であるとは、そのヌル値に対応付けられている質問時刻を含む応答信号に、そのヌル値に対応付けられている質問器識別子が含まれていなかったことを示している。
図11(a)は、ハードディスク装置830が記憶するタグ不在期間テーブルA1100のデータ構成図の一例であり、図11(b)は、ハードディスク装置830が記憶するタグ不在期間テーブルB1150のデータ構成図の一例である。
【0061】
図11(a)に示されるように、タグ不在期間テーブルA1100は、タグ識別子1110とタグ不在期間1120と度数1130とが2次元アレイ状に対応付けられて構成される。
タグ識別子1110は、照明制御システムを構成するタグそれぞれのタグ識別子である。
【0062】
タグ不在期間1120は、対応するタグ識別子1110で識別されるタグが、照明エリアA131内に存在しないことが検出されるようになった時点から、照明エリアA131内に再び存在することが検出されるようになった時点までの期間を示す。すなわち、そのタグを所有するタグ所有者が、照明エリアA131内から一度照明エリアA131外へ移動した後に再び照明エリアA131内に戻ってきた場合における、照明エリアA131を不在にしていた期間を示している。
【0063】
なお、タグが照明エリア内に存在するか否かの検出方法については後程説明する。
度数1130は、過去1ヵ月間において、対応するタグ識別子1110のタグ不在期間が、対応するタグ不在期間1120であった度数(回数)を示している。
タグ不在期間テーブルA1100によると、例えば、タグ識別子300で識別されるタグは、タグ不在期間が0〜1分であった度数は5であり、タグ不在期間が1〜2分であった度数は7であること等がわかる。
【0064】
図11(b)に示されるように、タグ不在期間テーブルB1150は、タグ識別子1110とタグ不在期間1170と度数1180とが2次元アレイ状に対応付けられて構成される。
タグ識別子1160は、照明制御システムを構成するタグそれぞれのタグ識別子である。
【0065】
タグ不在期間1170は、対応するタグ識別子1160で識別されるタグが、照明エリアB132内に存在しないことが検出されるようになった時点から、照明エリアB132内に再び存在することが検出されるようになった時点までの期間を示す。すなわち、そのタグを所有するタグ所有者が、照明エリアB132内から一度照明エリアB132外へ移動した後に再び照明エリアB132内に戻ってきた場合における、照明エリアB132を不在にしていた期間を示している。
【0066】
度数1180は、過去1ヵ月間において、対応するタグ識別子1160における対応するタグ不在期間の度数(回数)を示している。
図12は、タグ不在期間テーブルA1100におけるタグ識別子300について、対応付けられているタグ不在期間1120と度数1130との関係を、横軸をタグ不在期間1120、縦軸を度数1130とするグラフで示したものである。
【0067】
同図によると、タグ識別子1110が300で識別されるタグを所有するタグ所有者が照明エリアA131を不在とする期間(タグ不在期間)の度数が多い期間は、0〜5分の期間と56分〜64分の期間とに集中して分布していることがわかる。
図13(a)は、ハードディスク装置830が記憶する閾値時間テーブルA1300のデータ構成図の一例であり、図13(b)は、ハードディスク装置830が記憶する閾値時間テーブルB1350のデータ構成図の一例である。
【0068】
図13(a)に示されるように、閾値時間テーブルA1300は、タグ識別子1310と閾値時間1320とが対応付けられて構成される。
タグ識別子1310は、照明制御システムを構成するタグそれぞれのタグ識別子である。
閾値時間1320は、対応するタグ識別子1310で識別されるタグが、度数が1以下となるタグ不在期間が最初に10分間以上連続する期間の開始時刻を示す。すなわち、そのタグを所有するタグ所有者が照明エリアA131外へ移動した場合において、以後10分間以内に照明エリアA131へ戻ってくる確率が比較的低くなる期間の開始時刻を示している。
【0069】
同図によると、タグ識別子1310が300で識別されるタグは、閾値時間が5分となっていることがわかる。タグ識別子1310が300で識別されるタグの閾値時間が5分となっているのは、図12をみるとわかるように、このタグのタグ不在期間の度数が、5〜34分の間(すなわち10分間以上)1以下となっているためである。
図13(b)に示されるように、閾値時間テーブルB1350は、タグ識別子1360と閾値時間1370とが対応付けられて構成される。
【0070】
タグ識別子1360は、照明制御システムを構成するタグそれぞれのタグ識別子である。
閾値時間1370は、対応するタグ識別子1360で識別されるタグが、度数が1以下となるタグ不在期間が最初に10分間以上連続する期間の開始時刻を示す。すなわち、そのタグを所有するタグ所有者が照明エリアB132外へ移動している場合において、以後10分間以内に照明エリアB132へ戻ってくる確率が比較的低くなる期間の開始時刻を示している。
【0071】
再び図8に戻り、照明制御システムの説明を続ける。
タイマ850は、CPU810に接続され、CPU810によって制御され、時間を計測する機能を有する。
通信回路860は、CPU810とネットワーク124とに接続され、CPU810によって制御され、ネットワーク124を介してネットワーク124に接続される他の機器と通信する機能を有する。
【0072】
CPU810は、ハードディスク装置830とメモリ840とタイマ850と通信回路860とに接続され、メモリ840が記憶するプログラムを実行することで、ハードディスク装置830とメモリ840とタイマ850と通信回路860とを制御して、サーバ120に様々な機能(例えば、応答情報受信機能、応答タグ時刻テーブル更新機能、タグ不在期間テーブル更新機能、照明制御機能、照明状態確認機能等)を実現させる。
【0073】
再び図1に戻り、照明制御システムの説明を続ける。
照明制御ケーブル125は、照明制御装置123と照明190〜照明197とに接続され、照明制御装置123から照明190〜照明197への、照明の状態を制御する制御信号を伝達する機能を有する。
照明制御装置123は、ネットワーク124と、照明制御ケーブル125とに接続され、以下の2つの機能を有する。
【0074】
機能1:ネットワーク124を介してサーバ120から送信さる照明制御コマンドに従って、照明190〜照明197のそれぞれの点灯状態を、それぞれ個別に制御する機能。
機能2:照明190〜照明197のそれぞれの点灯状態の情報を、ネットワーク124を介してサーバ120に通知する機能。
照明190〜照明197のそれぞれは、照明制御ケーブル125に接続される、例えば蛍光灯であって、照明制御装置123によって状態を制御される。
【0075】
以下、上記構成のプレゼンス管理システムにおいて、質問器100とタグ300との通信、タグ300とコントローラ121又はコントローラ122との通信、及び、コントローラ121及びコントローラ122とサーバ120との通信に使用される通信信号について説明する。
<通信信号>
質問器100は、タグ300に対してLF帯の質問信号を送信する。また、タグ300は、コントローラ121又はコントローラ122に対してUHF帯の応答信号を送信する。そして、コントローラ121及びコントローラ122はサーバ120に対して、ネットワーク124を介してパケット信号である応答情報を送信する。
【0076】
図14(a)は、質問信号1410のデータ構成を示すデータ構成図の一例である。
図14(a)に示されるように、質問信号1410は、PR(PReamble)1411と質問器識別子1412とCRC1413とから構成される。
PR1411は、質問信号1410の始まりを示す同期信号であり、CRC1413は、質問信号1410に誤りが発生しているか否かを検出するための信号である。
【0077】
質問器識別子1412は、質問信号1410を送信する質問器が記憶している、自器の質問器識別子である。
LF帯送信回路230の送信強度と、LF帯受信回路330の受信感度とは、質問信号1410を用いて行う通信距離が一例として2m程度になるように予め設定されている。そして、質問器100〜質問器105のいずれかとタグ300とが通信可能となる領域は、照明エリアA131と一致し、質問器106〜質問器111のいずれかとタグ300とが通信可能となる領域は、照明エリアB132と一致している。
【0078】
ここで、通信距離とは、良好な無線通信を行うことができる距離のことをいい、通信可能となる領域は、良好な無線通信を行うことができる領域のことをいう。
図14(b)は、応答信号1420のデータ構成を示すデータ構成図の一例である。
図14(b)に示されるように、応答信号1420は、PR1421と質問器識別子1422とタグ識別子1423とCRC1424とから構成される。
【0079】
PR1421は、応答信号1420の始まりを示す同期信号であり、CRC1424は、応答信号1420に誤りが発生しているか否かを検出するための信号である。
質問器識別子1422は、応答信号1420を送信するタグが、応答信号1420の送信に先立って受信した質問信号に含まれる質問器識別子である。
タグ識別子1423は、応答信号1420を送信するタグが記憶している、自器のタグ識別子である。
【0080】
UHF帯送信回路350の送信強度と、UHF帯受信回路430の受信感度とは、応答信号1420を用いて行う通信距離が一例として20m程度となるように、予め設定されている。
図14(c)は、応答情報1430のデータ構成を示すデータ構成図の一例である。
図14(c)に示されるように、応答情報1430は、質問時刻1431とn(nは0以上の整数)個の質問器識別子(第1質問器識別子1432〜第n質問器識別子1434)とn個のタグ識別子(第1タグ識別子1435〜第nタグ識別子1437)とから構成される。
【0081】
質問時刻1431は、応答情報1430を送信するコントローラにおける、その応答情報の送信を行う基準周期における開始時刻である。
第1質問器識別子1432〜第n質問器識別子1434のそれぞれは、応答情報1430を送信するコントローラにおいて、その応答情報の送信を行う基準周期内に受信したn個の応答信号のそれぞれに含まれる質問器識別子である。
【0082】
第1タグ識別子1435〜第nタグ識別子1437のそれぞれは、応答情報1430を送信するコントローラにおいて、その応答情報の送信を行う基準周期内に受信したn個の応答信号のそれぞれに含まれるタグ識別子である。
ここで、第m質問器識別子と第mタグ識別子とは、その応答情報の送信を行う基準周期において、第m番目に受信した応答信号に含まれる質問器識別子とタグ識別子とである。
【0083】
以下、図面を参照しながら、上記構成の照明制御システムが行う動作について説明する。
<動作>
ここでは、照明制御システムが行う動作のうち、特徴的な動作である、応答処理と所在確認処理と応答タグ時刻テーブル更新処理と閾値時間テーブル更新処理と照明制御処理とについて説明する。
【0084】
<応答処理>
応答処理は、タグ300が行う処理であって、タグ300が、質問器100〜質問器111のいずれかから送信された質問信号を受信し、受信した質問信号に基づいて応答信号を生成し、生成した応答信号を外部に出力するという処理である。
図15は応答処理のフローチャートである。
【0085】
応答処理は、タグ300が起動されることで開始される。
応答処理が開始されると、タグ300は、質問器100〜質問器111のいずれかから送信される質問信号を受信するまで待機する(ステップS100:Noを繰り返す)。
タグ300は、いずれかの質問器から送信される質問信号を受信すると(ステップS100:Yes)、その質問信号に含まれる質問器識別子と自器のタグ識別子とを含むUHF帯の応答信号を生成して、外部に出力する(ステップS110)。
【0086】
ここで、タグ300は、質問信号の受信後10ms以内に、応答信号を出力する。
ステップS110の処理が終わると、タグ300は、再びステップS100の処理に戻って、ステップS100以下の処理を繰り返す。
<所在確認処理>
所在確認処理は、コントローラ121と質問器100〜質問器105とが共同で行う処理である。コントローラ122と質問器106〜質問器111とも同様の処理を行うが、ここでは代表して、コントローラ121と質問器100〜質問器105とが共同で行う所在確認処理について説明する。
【0087】
この所在確認処理は、基準周期毎に、照明制御システムで運用されているタグのそれぞれについて、照明エリアA131内に存在しているか否かを検出し、検出結果をサーバ120に送信する処理である。
図16は所在確認処理のフローチャートである。
所在確認処理は、質問器100〜質問器105が起動されている状態において、コントローラ121が起動されることで開始される。
【0088】
所在確認処理が開始されると、コントローラ121は、タイマ450を用いて、新たな所定期間T1(例えば2000ms)と新たな所定期間T2(例えば1950ms)との計測を開始して(ステップS200)、所定期間T1を1周期とする新たな基準周期を開始する。そして、メモリ440を用いて、現在時刻を質問時刻として記憶する(ステップS210)。
【0089】
質問時刻を記憶すると、コントローラ121は、メモリ440が記憶する送信時間対応表A601(図6参照)を参照して、質問器100〜質問器105のそれぞれに対して、質問器100から順に同期信号を送信する。質問器100〜質問器105のそれぞれは、同期信号を受信すると、自器の質問器識別子を含むLF帯の質問信号を送信する(ステップS220)。
【0090】
その後、コントローラ121は、所定期間T2が経過するまでの間に、タグから1つ以上の応答信号を受信したか否かを調べる(ステップS230)。
ステップS230の処理において、タグから1つ以上の応答信号を受信していた場合に(ステップS230:Yes)、それら応答信号に含まれる質問器識別子のそれぞれが、メモリ440が記憶する質問器リストA501を構成する質問器識別子と一致し、それら応答信号に含まれるタグ識別子のそれぞれが、メモリ440が記憶するタグリスト503を構成するタグ識別子と一致するか否かを調べる(ステップS240)。
【0091】
ステップS240の処理において、受信した応答信号に含まれる質問器識別子の全てとタグ識別子の全てとが、記憶する識別子と一致する場合(ステップS240:Yes)に、コントローラ121は、記憶する質問時刻と、受信した応答信号のそれぞれに含まれる質問器識別子とタグ識別子との組の全てとを含む応答情報を生成し、サーバ120に送信する(ステップS250)。
【0092】
ステップS240の処理において、受信した応答信号に含まれる質問器識別子の全てとタグ識別子の全てとのうち、少なくとも1つの識別子が、記憶する識別子と一致しない場合(ステップS240:No)に、コントローラ121は、記憶する質問時刻と、受信した応答信号のうち、一致しない識別子を含む応答信号を除いた応答信号のそれぞれに含まれる質問器識別子とタグ識別子との組の全てとを含む応答情報を生成し、サーバ120に送信する(ステップS260)。
【0093】
ステップS230の処理において、タグから応答信号を受信していなかった場合に(ステップS230:No)、コントローラ121は、記憶する質問信号を含む応答情報を生成し、サーバ120に送信する(ステップS270)。
ステップS250の処理が終了した場合、ステップS260の処理が終了した場合、及びステップS270の処理が終了した場合に、コントローラ121は、所定期間T1が経過するまで待機する(ステップS280)。
【0094】
所定期間T1が経過すると、照明制御システムは、再びステップS200の処理に戻って、ステップS200以下の処理を繰り返す。
なお、コントローラ121によって基準周期毎にサーバ120へ送信される応答情報は、基準周期において照明エリアA131内に存在することが検出されたタグのタグ識別子を含んでいる。逆に、基準周期において照明エリアA131内に存在しないことが検出されたタグは、応答情報に含まれていないタグ識別子で識別されるタグとなっている。
【0095】
<応答タグ時刻テーブル更新処理>
応答タグ時刻テーブル更新処理は、サーバ120が行う処理であって、サーバ120が、コントローラ121又はコントローラ122から送信された応答情報を受信し、受信した応答情報に基づいて、応答タグ時刻テーブル1000(図10参照)を更新する処理である。
【0096】
図17は応答タグ時刻テーブル更新処理のフローチャートである。
応答タグ時刻テーブル更新処理は、サーバ120が起動されることで開始される。
応答タグ時刻テーブル更新処理が開始されると、サーバ120は、コントローラ121又はコントローラ122とのいずれかから送信される応答情報を受信するまで待機する(ステップS300:Noを繰り返す)。
【0097】
サーバ120は、いずれかのコントローラから送信される応答情報を受信すると(ステップS300:Yes)、その応答情報に含まれる、質問時刻と、質問器識別子とタグ識別子との組とに基づいて、ハードディスク装置830に記憶する応答タグ時刻テーブルを更新する(ステップS310)。
ステップS310の処理が終わると、サーバ120は、再びステップS300の処理に戻って、ステップS100以下の処理を繰り返す。
【0098】
<閾値時間テーブル更新処理>
閾値時間テーブル更新処理は、サーバ120が行う処理であって、所定時刻t0(例えば、午前0時)に、応答タグ時刻テーブル1000を用いて、タグ不在期間テーブルA1100とタグ不在期間テーブルB1150(図11参照)と閾値時間テーブルA1300と閾値時間テーブルB1350(図13参照)とを更新する処理である。
【0099】
図18は閾値時間テーブル更新処理のフローチャートである。
閾値時間テーブル更新処理は、所定時刻t0となることによって開始される。
閾値時間テーブル更新処理が開始されると、サーバ120は、メモリ840が記憶する照明エリア対応表900(図9参照)とハードディスク装置830が記憶する応答タグ時刻テーブル1000(図10参照)とを参照して、照明エリアA131について、過去1ヵ月間における各タグについての不在期間の度数分布を算出する(ステップS400)。
【0100】
次に、サーバ120は、算出した各タグについての不在期間の度数分布を用いて、ハードディスク装置830が記憶するタグ不在期間テーブルA1100を更新する(ステップS410)。
さらに、サーバ120は、更新したタグ不在期間テーブルA1100を用いて、各タグについて、1以下の度数に対応付けられているタグ不在期間が最初に10分以上連続する期間の開始時刻を算出して、ハードディスク装置830が記憶する閾値時間テーブルA1300を更新する(ステップS420)。
【0101】
ステップS430〜ステップS450の処理は、照明エリアA131を照明エリアB132に読み替え、タグ不在期間テーブルA1100をタグ不在期間テーブルB1150に読み替え、閾値時間テーブルA1300を閾値時間テーブルB1350に読み替えた処理と同様の処理である。よって、ここではこれらの処理の説明を省略する。
ステップS450の処理を終えると、サーバ120はその閾値時間テーブル更新処理を終了する。
【0102】
<照明制御処理>
照明制御処理は、照明エリアA131についてサーバ120と照明制御装置123と照明190〜照明193とが共同で行う処理である。照明エリアB132についてサーバ120と照明制御装置123と照明194〜照明197とも同様の処理を行うが、ここでは代表して、照明エリアA131についてサーバ120と照明制御装置123と照明190〜照明193とが共同で行う照明制御処理について説明する。
【0103】
この照明制御処理は、基準周期毎に、応答タグ時刻テーブル1000に含まれている情報に基づいて照明190〜照明193の点灯状態を変更する処理である。
図19は照明制御処理のフローチャートである。
照明制御処理は、照明制御装置123が起動されている状態で、サーバ120が起動されることで開始される。
【0104】
照明制御処理が開始されると、サーバ120は、タイマ850を用いて、新たな所定期間T1(例えば2000ms)の計測を開始して(ステップS500)、所定期間T1を1周期とする新たな基準周期を開始する。
新たな基準周期を開始すると、サーバ120は、ハードディスク装置830が記憶する応答タグ時刻テーブル1000(図10参照)を参照して、最新の時刻となる質問時刻について、質問器識別子100〜105に対応付けられているタグ識別子の中に、ヌル値以外となるものが存在するか否かを調べる(ステップS505)。これはすなわち、最新の時刻となる質問時刻において、照明エリアA131内に存在することが検出されたタグが存在するか否かを調べることに相当する。
【0105】
ステップS505の処理において、ヌル値以外のものが存在する場合に(ステップS505:Yes)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123と通信して、照明190〜照明193が点灯しているか否かを調べる(ステップS510)。
ステップS510の処理において、照明190〜照明193が点灯していない場合に(ステップS510:No)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123に、照明190〜照明193を点灯させる照明制御コマンドを送信して、照明190〜照明193を点灯状態とする(ステップS515)。
【0106】
ステップS510の処理において、照明190〜照明193が点灯している場合(ステップS510:Yes)と、ステップS515の処理が終了した場合とに、サーバ120は、ハードディスク装置830が記憶する応答タグ時刻テーブル1000を参照して、質問器識別子100〜105に対応付けられているタグ識別子の中に、最新の時刻となる質問時刻において、新たにヌル値となったタグ識別子が存在しているか否かを調べる(ステップS520)。これはすなわち、最新の時刻となる質問時刻において、新たに照明エリアA131に存在しないことが検出されるようになったタグが存在するか否かを調べることに相当する。
【0107】
ステップS520の処理において、新たにヌル値となったタグ識別子が存在している場合に(ステップS520:Yes)、サーバ120は、新たにヌル値となったタグ識別子それぞれを対象として、ハードディスク装置830が記憶する閾値時間テーブルA1300(図13(a)参照)を参照して、対象とするタグ識別子に対応付けられている閾値時間を現在の時刻に加算することで再検出推定時刻を算出して記憶する(ステップS525)。
【0108】
ステップS525の処理が終了した場合と、ステップS520の処理において、新たにヌル値となったタグ識別子が存在していない場合(ステップS520:No)とに、サーバ120は、記憶する再検出推定時刻の中に、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在するか否かを調べる(ステップS530)。
ステップS530の処理において、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在する場合(ステップS530:Yes)に、サーバ120は、それら再検出推定時刻を記憶から削除する(ステップS535)。
【0109】
ステップS505の処理において、ヌル値以外のものが存在しない場合に(ステップS505:No)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123と通信して、照明190〜照明193が点灯しているか否かを調べる(ステップS540)。
ステップS540の処理において、照明190〜照明193が点灯している場合に(ステップS540:Yes)、サーバ120は、ハードディスク装置830が記憶する応答タグ時刻テーブル1000を参照して、質問器識別子100〜105に対応付けられているタグ識別子の中に、最新の時刻となる質問時刻において、新たにヌル値となったタグ識別子が存在しているか否かを調べる(ステップS550)。
【0110】
ステップS550の処理において、新たにヌル値となったタグ識別子が存在している場合に(ステップS550:Yes)、サーバ120は、新たにヌル値となったタグ識別子それぞれについて、ハードディスク装置830が記憶する閾値時間テーブルA1300を参照して、対象となるタグ識別子に対応付けられている閾値時間を現在の時刻に加算することで再検出推定時刻を算出して記憶する(ステップS555)。
【0111】
ステップS555の処理が終了した場合と、ステップS550の処理において、新たにヌル値となったタグ識別子が存在していない場合(ステップS550:No)とに、サーバ120は、記憶する再検出推定時刻の中に、現在の時刻よりも前の時刻を示すものが存在するか否かを調べる(ステップS560)。
ステップS560の処理において、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在する場合(ステップS560:Yes)に、サーバ120は、記憶する全ての再検出推定時刻を記憶から削除する(ステップS565)。
【0112】
その後サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123に照明190〜照明193を消灯させる照明制御コマンドを送信して、照明190〜照明193を消灯状態とする(ステップS570)。
ステップS530の処理において、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在しない場合(ステップS530:No)と、ステップS535の処理が終わった場合と、ステップS540の処理において、照明190〜照明193が点灯していない場合(ステップS540:No)と、ステップS560の処理において、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在しない場合(ステップS560:No)と、ステップS570の処理が終了した場合とに、サーバ120は、所定期間T1が経過まで待機する(ステップS575)。
【0113】
所定期間T1が経過すると、照明制御システムは、再びステップS500の処理に戻って、ステップS500以下の処理を繰り返す。
<考察>
本実施の形態に係る照明制御システムによると、照明エリア内に人物Aを検知する状態から人物を検知しない状態へと変化する場合に、その変化が起こった時点から人物Aについての閾値時間が経過するタイミングで照明を消灯させる。そして、この人物Aについての閾値時間は、過去の履歴を基にして算出されたものであって、人物Aが照明エリア外へ移動した場合において、以後10分間以内に人物Aが照明エリアへ戻ってくる確率が比較的低くなる期間の開始時間となっている。
【0114】
すなわち、この照明制御システムは、照明エリア内に人物を検知しなくなると、しばらく照明の点灯状態を維持してから、その照明エリアに一定期間のうち(10分以内)に人が戻ってくる確率が低くなるタイミングで照明を消灯する。
このように、本実施の形態に係る照明制御システムは、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、照明エリアの照明の明滅頻度と節電効果とのバランスがある程度とれたタイミングで照明を消灯する。
<変形例1>
以下、本発明に係る照明制御システムの一実施形態として、実施の形態に係る照明制御システムの一部を変形した第1変形照明制御システムについて説明する。
【0115】
変形例1に係る第1変形照明制御システムは、そのハードウエア構成が、実施の形態に係る照明制御システムと同様のものとなっているが、実行されるソフトウエアの一部が、実施の形態に係る照明制御システムから変形されている。
実施の形態に係る照明制御システムは、照明の状態として、点灯状態と消灯状態との2種類がある構成の例であった。これに対して、変形例1に係る第1変形照明制御システムは、照明の状態として、各照明が最大輝度で点灯している最大点灯状態と、各照明が最大輝度に対して半分の輝度で点灯している減光点灯状態と、各照明が消灯している消灯状態との3つの状態がある構成の例になっている。
【0116】
この第1変形照明制御システムは、照明エリア内に人物を複数検知する状態から人物を検知しない状態へと変化する場合に、最大点灯状態である照明を、減光点灯状態を経て消灯状態とする。
以下、本変形例1に係る第1変形照明制御システムの構成について、実施の形態に係る照明制御システムとの相違点を中心に説明する。
【0117】
<構成>
第1変形照明制御システムは、実施の形態に係る照明制御システムと同様のハードウエア構成となっている。よって、ここでは説明を省略する。また、以下では、第1変形照明制御システムのハードウエアを構成する構成要素に係る説明は、実施の形態に係る照明制御システムのハードウエアを構成する各構成要素と同じ符号を用いて行う。
【0118】
<動作>
第1変形照明制御システムは、実施の形態における照明制御システムの行う特徴的な動作のうち、照明制御処理の代わりに、その一部が変形された変形照明制御処理を行う。
以下、図面を参照しながら変形照明制御処理について説明する。
<変形照明制御処理>
実施の形態における照明制御処理は、照明190〜照明193の点灯状態を、点灯状態と消灯状態との2種類の状態のうちのいずれかの状態となるように制御する処理であった。これに対して変形照明制御処理は、照明190〜照明193の点灯状態を、最大点灯状態と減光点灯状態と消灯状態との3種類の状態のうちのいずれかの状態となるように制御する処理である。
【0119】
図20と図21とは、変形照明制御処理のフローチャートである。
変形照明制御処理は、照明制御装置123が起動されている状態で、サーバ120が起動されることで開始される。
ステップS600〜ステップS605の処理は、実施の形態における照明制御処理のステップS500〜ステップS505の処理(図19参照)と同等の処理である。よってここでは、これらの説明を省略する。
【0120】
ステップS605の処理において、ヌル値以外のものが存在する場合に(ステップS605:Yes)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123と通信して、照明190〜照明193が最大点灯状態であるか否かを調べる(ステップS610)。
ステップS610の処理において、照明190〜照明193が最大点灯状態でない場合に(ステップS610:No)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123に、照明190〜照明193を最大輝度で点灯させる照明制御コマンドを送信して、照明190〜照明193を最大点灯状態とする(ステップS615)。
【0121】
ステップS610の処理において、照明190〜照明193が最大点灯状態である場合(ステップS610:Yes)と、ステップS615の処理が終了した場合とに、第1変形照明制御システムは、ステップS620以下の処理を行う。
ステップS620〜ステップS635の処理は、実施の形態における照明制御処理のステップS520〜ステップS535の処理と同等の処理である。よってここでは、これらの説明を省略する。
【0122】
ステップS605の処理において、ヌル値以外のものが存在しない場合に(ステップS605:No)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123と通信して、照明190〜照明193が点灯しているか否かを調べる(ステップS640)。
ステップS640の処理において、照明190〜照明193が点灯している場合に(ステップS640:Yes)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123と通信して、照明190〜照明193が最大点灯状態であるか否かを調べる(ステップS645)。
【0123】
ステップS645の処理において、照明190〜照明193が最大点灯状態である場合に(ステップS645:Yes)、第1変形照明制御システムは、ステップS650以下の処理を行う。
ステップS650〜ステップS655の処理は、実施の形態における照明制御処理のステップS650〜ステップS555の処理と同等の処理である。よってここでは、これらの説明を省略する。
【0124】
ステップS655の処理が終了すると、サーバ120は、記憶する再検出推定時刻の平均時刻を算出して、平均再検出推定時刻として記憶する(ステップS660)。
ステップS660の処理が終了した場合と、ステップS650の処理において、新たにヌル値となったタグ識別子が存在していない場合(ステップS650:No)とに、サーバ120は、記憶する再検出推定時刻の中に、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在するか否かを調べる(ステップS665)。
【0125】
ステップS530の処理において、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在する場合(ステップS665:Yes)に、サーバ120は、記憶する全ての再検出推定時刻を記憶から削除する(ステップS670)。
記憶する全ての再検出推定時刻を記憶から削除すると、サーバ120は、記憶する平均再検出推定時刻が現時刻よりも前か否かを調べる(ステップS700:図21参照)。
【0126】
ステップS700の処理において、記憶する平均再検出推定時刻が現時刻よりも前である場合に(ステップS700:Yes)、サーバ120は、記憶する平均再検出推定時刻を削除する(ステップS710)。
その後、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123に、照明190〜照明193を消灯させる照明制御コマンドを送信して、照明190〜照明193を消灯状態とする(ステップS720)。
【0127】
ステップS700の処理において、記憶する平均再検出推定時刻が現時刻よりも前でない場合に(ステップS700:No)、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123に、照明190〜照明193を減光させる照明制御コマンドを送信して、照明190〜照明193を減光点灯状態とする(ステップS730)。
ステップS645の処理において、照明190〜照明193が最大点灯状態でない場合に(ステップS645:No)、サーバ120は、記憶する平均再検出推定時刻が現時刻よりも前か否かを調べる(ステップS740)。
【0128】
ステップS740の処理において、記憶する平均再検出推定時刻が現時刻よりも前である場合に(ステップS740:Yes)、サーバ120は、記憶する平均再検出推定時刻を削除する(ステップS750)。
その後、サーバ120は、ネットワーク124を介して照明制御装置123に、照明190〜照明193を消灯させる照明制御コマンドを送信して、照明190〜照明193を消灯状態とする(ステップS760)。
【0129】
ステップS630の処理において、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在しない場合(ステップS630:No)と、ステップS635の処理が終わった場合と、ステップS640の処理において、照明190〜照明193が点灯していない場合(ステップS640:No)と、ステップS665の処理において、現在の時刻よりも前の時刻を示す再検出推定時刻が存在しない場合(ステップS665:No)と、ステップS720の処理が終了した場合と、ステップS730の処理が終了した場合と、ステップS760の処理が終了した場合と、ステップS740の処理において、記憶する平均再検出推定時刻が現時刻よりも前でなかった場合(ステップS740:No)とに、サーバ120は、所定期間T1が経過まで待機する(ステップS770)。
【0130】
所定期間T1が経過すると、第1変形照明制御システムは、再びステップS600の処理に戻って、ステップS600以下の処理を繰り返す。
<変形例2>
以下、本発明に係る照明制御システムの一実施形態として、実施の形態に係る照明制御システムの一部を変形した第2変形照明制御システムについて説明する。
【0131】
変形例2に係る第2変形照明制御システムは、そのハードウエア構成が、実施の形態に係る照明制御システムと同様のものとなっているが、実行されるソフトウエアの一部が、実施の形態に係る照明制御システムから変形されている。
実施の形態に係る照明制御システムは、閾値時間が、度数が1以下となるタグ不在期間が最初に10分間以上連続する期間の開始時刻として算出された時間である構成の例であった。これに対して、変形例2に係る第2変形照明制御システムは、閾値時間を、タグ不在期間における度数の分布に対してクラスタリング処理と統計処理とを行って算出された時間である構成の例になっている。
【0132】
ここでは、第2変形照明制御システムのサーバ120の行う閾値時間の算出方法に限って説明する。
図22は、タグ不在期間における度数の分布に対して行うクラスタリング処理と統計処理とを説明するための、タグ不在期間と度数との対応関係を示すグラフである。このグラフは、図12に示されるグラフと同様に、横軸をタグ不在期間、縦軸を度数としている。
【0133】
同図では、クラスタリング処理によって、タグ不在期間における度数が、タグ不在期間が0〜5分となる第1クラスタと、タグ不在期間が56〜64分となる第2クラスタとに分類されている場合の例を示している。
サーバ120は、タグ不在期間における度数の分布に対して、一般的なクラスタ分類の手法を用いてクラスタリング処理を行って、タグ不在期間をいくつかのクラスタに分類する。
【0134】
サーバ120は、これらクラスタのうち、タグ不在期間が最も小さくなるクラスタ(ここでは第1クラスタ)に分類されている度数について正規分布近似を行い、+3σとなる値を算出する。そして、この+3σとなるタグ不在期間を、閾値時間として算出する。
<変形例3>
以下、本発明に係る照明制御システムの一実施形態として、実施の形態に係る照明制御システムの一部を変形した第3変形照明制御システムについて説明する。
【0135】
変形例3に係る第3変形照明制御システムは、そのハードウエア構成が、実施の形態に係る照明制御システムと同様のものとなっているが、実行されるソフトウエアの一部が、実施の形態に係る照明制御システムから変形されている。
実施の形態に係る照明制御システムは、閾値時間を、度数が1以下となるタグ不在期間が最初に10分間以上連続する期間の開始時刻とする構成の例であった。これに対して、変形例3に係る第3変形照明制御システムは、閾値時間を、タグ不在期間の累積度数を用いて算出する構成の例となっている。ここで、累積度数とは、0分から着目するタグ不在期間までの期間における度数の累積値である。
【0136】
ここでは、第3変形照明制御システムのサーバ120の行う閾値時間の算出方法に限って説明する。
図23は、横軸をタグ不在期間、縦軸を累積相対度数として、タグ不在期間と累積相対度数との対応関係を示すグラフである。ここで、累積相対度数とは、タグ不在期間が無限大となる場合に1となるように、累積度数を正規化したものである。
【0137】
サーバ120は、累積相対度数が70%以上となるタグ不在期間を、閾値時間として算出する。
<補足>
以下、本発明に係る照明制御システムの一実施形態として、実施の形態、変形例1、変形例2、変形例3において、4つの照明制御システムの例について説明したが、以下のように変形することも可能である。本発明は上述した実施の形態1、変形例1、変形例2、変形例3で示した通りの照明制御システムに限られないことはもちろんである。
(1)実施の形態において、照明制御システムは、照明エリア内に人物が存在するか否かの検出を、コントローラと質問器と人物に携帯されるタグとからなるタグシステムを利用して行う構成の例であった。しかしながら、照明エリア内に人物が存在するか否かを検出することができれば、必ずしもタグシステムを利用する構成である必要はない。
【0138】
一例として、照明エリア内に設置される机それぞれに人体を検知するセンサ(例えば赤外線センサ)を設置することで、照明エリア内に人物が存在するか否かを検出する構成が考えられる。この構成は、特定の人物が特定の机を利用することが予めわかっているような環境で運用される照明制御システムにおいて利用されることが考えられる。
また、別の一例として、照明エリア内に設置される机それぞれに、顔認識処理を行うことができる撮影機器(例えばカメラ付きパソコン)を設置することで、照明エリア内に人物が存在するか否かを検出し、さらに、検出した人物を特定することができる構成が考えられる。この構成は、誰がどの机を利用するかが分からない環境で運用される照明制御システムにおいて利用されることが考えられる。
(2)実施の形態において、照明制御システムは、応答タグ時刻テーブルが図10で示される構成である場合の例であった。しかしながら、照明エリア内に人物が存在しないことが検出された期間を示すものであれば、応答タグ時刻テーブルは必ずしも図10で示される通りの構成のものである必要はない。
【0139】
一例として、タグそれぞれについて、照明エリア内に存在すると検出された状態から照明エリア内に存在しないと検出された状態に変化した時刻と、照明エリア内に存在しないと検出された状態から照明エリア内に存在すると検出された状態に変化した時刻とから構成される場合が考えられる。
(3)実施の形態において、照明制御システムが利用する閾値時間は、度数が1以下となるタグ不在期間が最初に10分間以上連続する期間の開始時刻として算出された時間である構成の例であった。しかしながら、閾値時間は、過去の履歴を利用して算出されるものであって、照明エリアに再び人物が検出される状態へと変化する確率が、一定期間所定基準よりも低い状態が継続する低確率期間が始まるときを示すものであれば、必ずしも、度数が1以下となるタグ不在期間が最初に10分間以上連続する期間の開始時刻として算出された時間である必要はない。
【0140】
一例として、変形例2で説明した方法で閾値時間を算出する構成が考えられる。
また、別の一例として、変形例3で説明した方法で閾値時間を算出する構成が考えられる。
(4)実施の形態において、照明エリア内に人物を検知する状態から人物を検知しない状態へと変化する場合に行う照明の点灯状態の変更が消灯である構成の例であった。これに対して、照明エリア内に人物を検知する状態から人物を検知しない状態へと変化する場合に行う照明の点灯状態の変更が減光である構成の例も考えられる。
(5)実施の形態において、照明制御システムは、質問信号を用いて行う質問器とタグとの通信距離が、一例として2m程度となるように設定されている構成の例であった。しかしながら、質問器とタグとの通信可能となる領域が照明エリアと一致していれば、必ずしも、質問信号を用いて行う質問器とタグとの通信距離が2m程度となるように設定されている構成である必要はない。一例として1.5m程度となるように設定されている構成が考えられる。
【0141】
また、実施の形態において、照明制御システムは、応答信号を用いて行うタグとコントローラとの通信距離が、一例として20m程度となるように設定されている構成の例であった。しかしながら、タグとコントローラとが良好に通信できる距離に設定されていれば、必ずしも、応答信号を用いて行うタグとコントローラとの通信距離が20m程度となるように設定されている構成である必要はない。一例として10m程度となるように設定されている構成が考えられる。
(6)実施の形態において、照明制御システムは、質問信号がLF帯の信号であり、応答信号がUHF帯の信号である構成の例であった。しかしながら、これらの信号は、無線信号であれば、必ずしも実施の形態で示した通りの周波数帯の信号である必要はなく、他の周波数帯の信号であっても構わない。
(7)以下、さらに本発明の一実施形態に係る照明制御システムの構成及びその変形例と各効果について説明する。
【0142】
(a)本発明の一実施形態に係る照明制御システムは、照明エリアを照らす照明を制御する照明制御システムであって、前記照明エリア内に人物が存在するか否かを検出する検出手段と、過去の一定期間において、前記照明エリア内での人物の出没変化の時間履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、前記検出手段が、前記照明エリア内に人物が存在すると検出した後、存在しないと検出状態を変化した場合において、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を参照して、同履歴が同様な出没時間変化を呈した時点以降に、一定期間、人物が前記照明エリア内に存在する状態に変化する確率が低い期間が存在すると認められるとき、前記一定期間の始期に該当する始期該当時刻から前記照明が減光されるように前記照明を制御する照明制御手段とを備えることを特徴とする。
【0143】
上記構成を備える本実施の形態に係る照明制御システムは、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、その照明エリア内にしばらく人物が戻ってくる確率が低くなるタイミングで照明エリアの照明を減光することとなる。
これにより、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、照明エリアの照明の明滅頻度と節電効果とのバランスがある程度とれたタイミングで照明を減光することができる。
【0144】
(b)また、前記検出手段は、前記照明エリア内に存在することを検出された人物を特定する人物特定部を有し、前記履歴情報記憶手段の記憶する履歴情報は、前記検出手段によって前記照明エリア内に存在することが検出された人物それぞれを対象とした、前記照明エリア内での対象とする人物の出没変化の時間履歴を示す対象人物履歴情報からなり前記照明制御手段は、前記検出手段によって前記照明エリア内に存在することを検出された人物それぞれを対象として、前記履歴情報記憶手段が記憶する、対象とする人物に対応する対象人物履歴情報を参照して、前記検出手段が、前記照明エリア内に対象とする人物が存在することを検出する対象人物検出状態から、前記照明エリア内に当該対象とする人物が存在しないことを検出する対象人物不検出状態へと変化した時毎についての、当該時から前記検出手段が再び前記対象人物検出状態へと変化した時までの経過時間の分布に係る時間分布情報を算出する時間分布情報算出部と、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に人物が存在することを検出する検出状態から、前記照明エリア内に人物が存在しないことを検出する不検出状態へと変化した場合に、前記検出手段の状態が前記検出状態から前記不検出状態へと変化した時刻と、前記時間分布情報算出部によって算出された時間分布情報とを用いて、前記始期該当時刻を算出する時刻算出部とを有するとしてもよい。
【0145】
このような構成にすることによって、照明エリア内からある人物Aが退出してその照明エリアに人物が検知されなくなった場合に、その退出した人物Aの過去の履歴を反映して照明を減光するタイミングを決定することができるようになる。
(c)また、前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻とのうちの早い方の時刻を、前記始期該当時刻とするように行うとしてもよい。
【0146】
このような構成にすることによって、照明エリア内から第1人物と第2人物とが退出してその照明エリアに人物が検知されなくなった場合に、その照明エリア内にしばらく戻ってくる確率が先に低くなる方の人物に着目したタイミングで照明を減光することができるようになる。
(d)また、前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻との平均時刻を、前記始期該当時刻とするように行うとしてもよい。
【0147】
このような構成にすることによって、照明エリア内から第1人物と第2人物とが退出してその照明エリアに人物が検知されなくなった場合に、第1人物に着目したタイミングと第2人物に着目したタイミングとを平均したタイミングで照明を減光することができるようになる。
(e)また、前記減光は、消灯であるとしてもよい。
【0148】
このような構成にすることによって、さらなる節電効果を推進することができるようになる。
(f)また、前記照明制御手段は、さらに、前記照明が消灯状態である場合において、前記検出手段の状態が前記不検出状態から前記検出状態へと変化したときに、前記照明が点灯されるように前記照明を制御するとしてもよい。
【0149】
このような構成にすることによって、照明エリア内に人物が戻ってきた場合に、照明を点灯させることができるようになる。
(g)また、前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻とのうちの早い方の時刻を第1始期該当時刻とするように、そして、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻との平均時刻を第2始期該当時刻とするように行い、前記照明制御手段は、前記照明の制御を、前記時刻算出部によって算出された前記第1始期該当時刻に前記照明が減光されるように、前記時刻算出部によって算出された前記第2始期該当時刻に前記照明がさらに減光されるように行うとしてもよい。
【0150】
このような構成にすることによって、照明エリア内から第1人物と第2人物とが退出してその照明エリアに人物が検知されなくなった場合に、段階的に照明を減光することができるようになる。
(h)また、前記検出手段の行う前記検出の結果に基づいて、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を所定周期で更新する履歴情報更新手段を備えるとしてもよい。
【0151】
このような構成にすることによって、履歴情報を周期的に最新のものとすることができるようになる。
(i)また、前記履歴情報更新手段は、前記更新を、過去に前記検出手段の行った前記検出の回数が所定回数に満たない場合に、更新される履歴情報が、予め定められたものとなるように行うとしてもよい。
【0152】
このような構成にすることによって、過去の履歴が十分に蓄積していない状態であっても照明制御システムを運用することができるようになる。
(j)また、前記検出手段は、検出対象となる人物に携行される、自器の識別情報を含む識別信号を送信するタグと、前記照明エリア内に存在する人物に携行されるタグから送信される識別信号を受信するタグリーダであって、受信した識別信号に含まれる識別情報に基づいて、前記照明エリア内に人物がいることを検出するタグリーダとを含むとしてもよい。
【0153】
このような構成にすることによって、タグとタグリーダとからなるタグシステムを利用して、照明制御システムを構築することができるようになる。
(k)上記問題を解決するために本実施の形態にかかる照明制御サーバは、照明エリアを照らす照明を制御する照明制御サーバであって、過去の一定期間において、前記照明エリア内での人物の出没変化の時間履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、前記照明エリア内に人物が存在するか否かを検出する検出手段が、前記照明エリア内に人物が存在すると検出した後、存在しないと検出状態を変化した場合において、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を参照して、同履歴が同様な出没時間変化を呈した時点以降に、一定期間、人物が前記照明エリア内に存在する状態に変化する確率が低い期間が存在すると認められるとき、前記一定期間の始期に該当する時刻から前記照明が減光されるように前記照明を制御する照明制御手段とを備えることを特徴とする。
【0154】
上記構成を備える本実施の形態に係る照明制御サーバは、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、その照明エリア内にしばらく人物が戻ってくる確率が低くなるタイミングで照明エリアの照明を減光させることができる。
これにより、照明エリア内に人物を検知しなくなった場合に、照明エリアの照明の明滅頻度と節電効果とのバランスがある程度とれたタイミングで照明を減光させることができる。
【符号の説明】
【0155】
100〜111 質問器
120 サーバ
121、122 コントローラ
123 照明制御装置
124 ネットワーク
125 照明制御ケーブル
131 照明エリアA
132 照明エリアB
190〜197 照明

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明エリアを照らす照明を制御する照明制御システムであって、
前記照明エリア内に人物が存在するか否かを検出する検出手段と、
過去の一定期間において、前記照明エリア内での人物の出没変化の時間履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
前記検出手段が、前記照明エリア内に人物が存在すると検出した後、存在しないと検出状態を変化した場合において、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を参照して、同履歴が同様な出没時間変化を呈した時点以降に、一定期間、人物が前記照明エリア内に存在する状態に変化する確率が低い期間が存在すると認められるとき、前記一定期間の始期に該当する始期該当時刻から前記照明が減光されるように前記照明を制御する照明制御手段とを備える
ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記検出手段は、前記照明エリア内に存在することを検出された人物を特定する人物特定部を有し、
前記履歴情報記憶手段の記憶する履歴情報は、前記検出手段によって前記照明エリア内に存在することが検出された人物それぞれを対象とした、前記照明エリア内での対象とする人物の出没変化の時間履歴を示す対象人物履歴情報からなり
前記照明制御手段は、
前記検出手段によって前記照明エリア内に存在することを検出された人物それぞれを対象として、前記履歴情報記憶手段が記憶する、対象とする人物に対応する対象人物履歴情報を参照して、前記検出手段が、前記照明エリア内に対象とする人物が存在することを検出する対象人物検出状態から、前記照明エリア内に当該対象とする人物が存在しないことを検出する対象人物不検出状態へと変化した時毎についての、当該時から前記検出手段が再び前記対象人物検出状態へと変化した時までの経過時間の分布に係る時間分布情報を算出する時間分布情報算出部と、
前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に人物が存在することを検出する検出状態から、前記照明エリア内に人物が存在しないことを検出する不検出状態へと変化した場合に、前記検出手段の状態が前記検出状態から前記不検出状態へと変化した時刻と、前記時間分布情報算出部によって算出された時間分布情報とを用いて、前記始期該当時刻を算出する時刻算出部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻とのうちの早い方の時刻を、前記始期該当時刻とするように行う
ことを特徴とする請求項2記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻との平均時刻を、前記始期該当時刻とするように行う
ことを特徴とする請求項2記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記減光は、消灯である
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記照明制御手段は、さらに、前記照明が消灯状態である場合において、前記検出手段の状態が前記不検出状態から前記検出状態へと変化したときに、前記照明が点灯されるように前記照明を制御する
ことを特徴とする請求項5記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記時刻算出部は、前記算出を、前記検出手段の状態が、前記照明エリア内に第1人物と第2人物とが存在することを検出する状態から、前記不検出状態へと変化した場合に、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻とのうちの早い方の時刻を第1始期該当時刻とするように、そして、前記第1人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻と、前記第2人物についての前記始期該当時刻に相当する時刻との平均時刻を第2始期該当時刻とするように行い、
前記照明制御手段は、前記照明の制御を、前記時刻算出部によって算出された前記第1始期該当時刻に前記照明が減光されるように、前記時刻算出部によって算出された前記第2始期該当時刻に前記照明がさらに減光されるように行う
ことを特徴とする請求項2記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記検出手段の行う前記検出の結果に基づいて、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を所定周期で更新する履歴情報更新手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記履歴情報更新手段は、前記更新を、過去に前記検出手段の行った前記検出の回数が所定回数に満たない場合に、更新される履歴情報が、予め定められたものとなるように行う
ことを特徴とする請求項8記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記検出手段は、
検出対象となる人物に携行される、自器の識別情報を含む識別信号を送信するタグと、
前記照明エリア内に存在する人物に携行されるタグから送信される識別信号を受信するタグリーダであって、受信した識別信号に含まれる識別情報に基づいて、前記照明エリア内に人物がいることを検出するタグリーダとを含む
ことを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。
【請求項11】
照明エリアを照らす照明を制御する照明制御サーバであって、
過去の一定期間において、前記照明エリア内での人物の出没変化の時間履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
前記照明エリア内に人物が存在するか否かを検出する検出手段が、前記照明エリア内に人物が存在すると検出した後、存在しないと検出状態を変化した場合において、前記履歴情報記憶手段が記憶する履歴情報を参照して、同履歴が同様な出没時間変化を呈した時点以降に、一定期間、人物が前記照明エリア内に存在する状態に変化する確率が低い期間が存在すると認められるとき、前記一定期間の始期に該当する時刻から前記照明が減光されるように前記照明を制御する照明制御手段とを備える
ことを特徴とする照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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