照明制御システム
【課題】各照明器具の使用時間に大きな差が生じることを抑制することのできる照明制御システムを提供する。
【解決手段】照明制御システム1は、第1照明グループに含まれる照明器具80の電灯86の寿命と、第2照明グループに含まれる照明器具80の電灯86の寿命との差に応じて点灯パターンを変更している。すなわち、第1照明グループに最短寿命器具が含まれるとき、第1照明グループを消灯状態に設定し、かつ第2照明グループを点灯状態に設定する。また、第2照明グループに最短寿命器具が含まれるとき、第2照明グループを消灯状態に設定し、かつ第1照明グループを点灯状態に設定する。
【解決手段】照明制御システム1は、第1照明グループに含まれる照明器具80の電灯86の寿命と、第2照明グループに含まれる照明器具80の電灯86の寿命との差に応じて点灯パターンを変更している。すなわち、第1照明グループに最短寿命器具が含まれるとき、第1照明グループを消灯状態に設定し、かつ第2照明グループを点灯状態に設定する。また、第2照明グループに最短寿命器具が含まれるとき、第2照明グループを消灯状態に設定し、かつ第1照明グループを点灯状態に設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記照明制御システムとして、特許文献1に記載のものが知られている。
この照明制御システムにおいては、省エネルギーのため、累積点灯時間が判定時間よりも小さい照明器具の負荷を累積点灯時間が判定時間よりも大きい照明器具の負荷よりも小さくする。なお、累積点灯時間が小さい照明器具は、負荷が小さい状態においても必要な照度が得られるため、上記のとおり累積点灯時間に応じて負荷を小さくしてもユーザーに違和感を与えるおそれが少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−180411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の照明器具において個々の照明器具同士の間で使用時間に大きな差があるときには、寿命により部品の交換が必要となる時期に大きなばらつきが生じる。この場合、ユーザーは複数の照明器具の部品の交換をまとめて行なうことができないため、照明器具の管理が煩雑になる。なお、特許文献1の照明制御システムは、このような使用時間の差を考慮した照明器具の管理を行なうものではないため、上述した問題の解決には適していない。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は各照明器具の使用時間に大きな差が生じることを抑制することのできる照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための手段を以下に示す。
・本発明の照明制御システムは、複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、前記複数の照明器具のうちの1つを「照明器具A」とし、前記複数の照明器具のうちの別の1つを「照明器具B」として、前記照明器具Aの寿命および前記照明器具Bの寿命に応じて前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうことを特徴としている。
【0007】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、前記消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0008】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aを消灯することが好ましい。
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの調光率を前記照明器具Bの調光率よりも小さくすることが好ましい。
【0009】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの寿命と前記照明器具Bの寿命との差が所定の差よりも大きいとき、前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうことが好ましい。
【0010】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」とし、前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、この消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、前記複数の照明器具の少なくとも1つが前記末期状態のとき、前記末期状態の照明器具の消耗速度を前記通常状態の照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0011】
・この照明制御システムにおいては、累積使用時間が規定の時間よりも大きい照明器具を前記末期状態の照明器具として取り扱うことが好ましい。
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具について寿命が短い順に順位付けすること、ならびに、寿命が所定の順位までの照明器具を「短寿命器具」とし、前記所定の順位よりも下位の寿命の照明器具を「長寿命器具」として、前記短寿命器具の消耗速度を前記長寿命器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0012】
・この照明制御システムにおいては、前記消耗速度の変更の対象とする照明器具を「制御対象器具」とし、前記制御対象器具を設定するための優先順位を「制御優先順位」とし、前記短寿命照明器具の総数を「短寿命器具総数」として、前記短寿命器具数が所定数よりも大きいとき、前記制御優先順位に基づいて前記複数の短寿命照明器具のなかから前記制御対象器具に設定する照明器具を選択することが好ましい。
【0013】
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「最短寿命器具」として、前記第1照明グループが前記最短寿命器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記最短寿命器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0014】
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、ならびに、前記第1照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第1短寿命器具」とし、前記第2照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第2短寿命器具」として、前記第1短寿命器具の寿命が前記第2短寿命器具の寿命よりも短いとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0015】
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が尽きたものを「使用済器具」として、前記第1照明グループが前記使用済器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記使用済器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0016】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの周囲に設けられる別の照明器具を「照明器具C」として、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくしたとき、前記照明器具Cの動作状態を前記照明器具Aの動作状態に応じて変更することが好ましい。
【0017】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態と異なるものに設定することが好ましい。
【0018】
・本発明の照明制御システムは、複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態とは異なるものに設定することを特徴としている。
【0019】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命として前記照明器具の電灯の寿命を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、各照明器具の器具本体またはバラストまたは電灯の交換が必要になる時期がばらつくことを低減することのできる照明制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態の照明制御システムについて、その全体構成を模式的に示す模式図。
【図2】同実施形態の照明制御システムについて、その構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の伝送インターフェースにより実行される「間引き点灯制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【図5】同実施形態の伝送インターフェースにより実行される「寿命調整制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【図7】同実施形態の照明制御システムについて、伝送インターフェースによる「寿命調整制御」の実行に基づく照明制御システムの各構成要素の動作を示すシーケンス図。
【図8】本発明の第2実施形態の照明制御システムについて、伝送インターフェースにより実行される「寿命調整制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図9】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【図10】本発明の第3実施形態の照明制御システムについて、伝送インターフェースにより実行される「照度保証制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図11】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態では、照明器具に関する情報を制御する照明制御システム1として本発明を具体化した一例を示している。この照明制御システム1は、オフィスビルの各部屋に設置された照明器具を一元的に監視および制御する。
【0023】
図1を参照して、照明制御システム1の構成について説明する。
照明制御システム1には、複数の設備機器として、複数の照明器具80および複数の照明スイッチ90が設けられている。またこの他に、これら設備機器を個別に制御する上位制御システム10が設けられている。
【0024】
上位制御システム10には、サーバー20、マスター30、および伝送インターフェース40が設けられている。なお、照明制御システム1の制御系統において、サーバー20が最上位の機器に該当し、その下位側に各機器が順に接続されている。また、伝送インターフェース40は、1つの上位コントローラー50、複数の制御コントローラー60、および複数の伝送アダプター70を含めて構成されている。
【0025】
サーバー20は、照明制御システム1の全体に関する情報を統括して管理する。
マスター30は、各照明器具80の動作状況、ならび各照明器具80に設けられる電灯86の寿命が近づいたことを示す情報をはじめとして、各設備機器の状況をモニタするブラウザ機能を有している。
【0026】
制御コントローラー60は、各照明スイッチ90に個別に割り当てられたアドレス、および各照明器具80に個別に割り当てられたアドレスを記憶している。各照明スイッチ90のアドレスと各照明器具80のアドレスとは、互いに対応付けられている。
【0027】
伝送アダプター70は、制御コントローラー60のアドレス、自身の伝送アダプター70としてのアドレス、および対応する各単位設備系統の照明器具80のアドレスを記憶している。
【0028】
照明制御システム1においては、複数の単位制御グループUおよび複数の伝送グループAが設けられている。上位コントローラー50には、複数の単位制御グループUが並列に接続されている。各制御コントローラー60には、複数の伝送グループAが並列に接続されている。
【0029】
単位制御グループUは、1つの制御コントローラー60、この制御コントローラー60に対応する複数の伝送グループA、およびこの制御コントローラー60に対応する複数の照明スイッチ90を含めて構成されている。伝送グループAは、1つの伝送アダプター70、およびこの伝送アダプター70に対応する複数の照明器具80を含めて構成されている。
【0030】
サーバー20、マスター30、上位コントローラー50、制御コントローラー60、伝送アダプター70、各照明器具80、および照明スイッチ90の接続環境について説明する。なお、以下に記載する各機器間の通信方式は一例であり、各機器間の通信方式を他の通信方式に変更することもできる。
【0031】
マスター30およびサーバー20と上位コントローラー50とは、伝送線L1により互いに接続されている。また、マスター30およびサーバー20と上位コントローラー50との間においては、Ethernet(登録商標)プロトコルに基づくシリアル通信により信号の送受信が行われる。
【0032】
上位コントローラー50と各制御コントローラー60とは、伝送線L2により互いに接続されている。また、上位コントローラー50と各制御コントローラー60との間においては、Ethernet(登録商標)プロトコルに基づくシリアル通信により信号の送受信が行われる。
【0033】
制御コントローラー60と各照明スイッチ90とは、伝送線L3により互いに接続されている。制御コントローラー60と各照明スイッチ90との間においては、NMAST(登録商標)プロトコルに基づく通信により信号の送受信が行われる。
【0034】
制御コントローラー60と各伝送アダプター70とは、伝送線L4によりバス接続されている。また、制御コントローラー60と伝送アダプター70との間においては、デジタル変調通信により信号の送受信が行われる。
【0035】
伝送アダプター70と各照明器具80とは、伝送線L5により互いに接続されている。また、伝送線L5により直列に接続された複数の照明器具80の系統を単位設備系統としたとき、1つの伝送アダプター70には複数の単位設備系統が並列に接続されている。また、伝送アダプター70と各照明器具80との間においては、DALI(Digital AdDRLssable Lighting Interface)規格に基づく通信により信号の送受信が行われる。
【0036】
図1を参照して、制御コントローラー60および伝送アダプター70の構成について説明する。なお、ここで説明する制御コントローラー60と伝送アダプター70との関係は、1つの制御コントローラー60に接続される全部の伝送アダプター70に共通する。
【0037】
制御コントローラー60と伝送アダプター70との間においては、制御コントローラー60から伝送アダプター70を介して各単位設備系統の照明器具80に送信される情報が1つの伝送情報DBに含められる。また、各単位設備系統の照明器具80から伝送アダプター70を介して制御コントローラー60に送信される情報が1つの伝送情報DBに含められる。
【0038】
伝送アダプター70は、所定の受信期間が経過する毎に、同受信期間において受信した各単位設備系統の情報を含めて1つの伝送情報DBを生成し、この伝送情報DBを制御コントローラー60に送信する。また、制御コントローラー60からの伝送情報DBを受信したとき、この伝送情報DBに含まれる各照明器具80宛ての情報を取り出し、この情報を対応する各照明器具80に送信する。
【0039】
図2を参照して、伝送インターフェース40および照明器具80の構成について説明する。なお、伝送インターフェース40には、1つの上位コントローラー50、複数の制御コントローラー60、および複数の伝送アダプター70が設けられているが、ここでは制御コントローラー60および伝送アダプター70をそれぞれ1つだけ記載している。
【0040】
伝送インターフェース40には、処理部41、下位通信部42、および上位通信部43が設けられている。処理部41は、上位コントローラー50、制御コントローラー60、および伝送アダプター70のそれぞれに設けられる処理部の全てを含めて構成されている。下位通信部42は、伝送アダプター70の通信部を含めて構成されている。上位通信部43は、上位コントローラー50の通信部を含めて構成されている。
【0041】
処理部41は、入力された信号に基づいて各種の制御を行う。同制御の一例として、各照明器具80のうちの一部の電灯を消灯状態に設定する間引き点灯制御、および各照明器具80間の寿命の差に応じて電灯86の動作状態を変更する寿命調整制御が挙げられる。
【0042】
下位通信部42は、照明器具80との間でDALI規格に基づく通信により信号の送受信を行う。上位通信部43は、サーバー20またはマスター30との間でEthernet(登録商標)プロトコルに基づくシリアル通信により信号の送受信を行う。
【0043】
照明器具80には、建造物に取り付けられる器具本体81と、器具本体81に取り付けられる電灯86とが設けられている。器具本体81には、処理部82、下位通信部83、および点灯回路部84が設けられている。
【0044】
処理部82は、入力された信号に基づいて各種の制御を行う。同制御の一例として、照明器具80の動作状態および動作状況を示す情報を生成し、この情報を伝送アダプター70に送信するものが挙げられる。
【0045】
電灯86は、蛍光電灯を含めて構成されている。点灯回路部84は、電灯86を点灯させるバラスト85を有する。下位通信部83は、伝送アダプター70との間でDALI規格に基づく通信により信号の送受信を行う。
【0046】
照明器具80においては、処理部82により電灯86の累積使用時間のカウントが行なわれる。また、カウントされた累積時使用時間が処理部82の記憶部に記憶される。また、電灯86が古い電灯86から新しい電灯86に交換されたとき、古い電灯86の累積使用時間が過去累積使用時間として処理部82の記憶部に記憶される。このとき、累積使用時間が初期化されることにより、新しい電灯86の累積使用時間のカウントが「0」から開始される。下位通信部83は、伝送インターフェース40から累積使用時間の送信を要求されたとき、累積使用時間を伝送インターフェース40に送信する。
【0047】
伝送インターフェース40は、下位通信部83から累積使用時間を受信したとき、累積使用時間を照明器具80の電灯86の寿命の指標として用いる。すなわち、累積使用時間が長くなるにつれて照明器具80の電灯86の寿命が短くなるものとして寿命調整制御を行なう。
【0048】
図1を参照して、照明器具80に関する制御等について説明する。
伝送インターフェース40は、照明スイッチ90の動作状態、予めプログラムされた間引き点灯制御および寿命調整制御に基づいて照明器具80の動作状態を変更する。照明器具80の動作状態には、「点灯状態」および「消灯状態」が含まれる。「点灯状態」は、電灯86が点灯しているときの照明器具80の動作状態を示す。また「消灯状態」は、電灯86が消灯しているときの照明器具80の動作状態を示す。
【0049】
照明スイッチ90は、トリガ入力としてのスイッチの動作状態の切り替えに基づいて、トリガ入力に対応した監視情報DMをNMAST(登録商標)プロトコルに基づく通信により制御コントローラー60に送信する。
【0050】
制御コントローラー60は、各照明スイッチ90からトリガ入力としての監視情報DMを受信したとき、この監視情報DMに対応した照明器具80を点灯するための個別点灯制御情報DLを生成する。また、各照明スイッチ90に対して複数の照明器具80が対応付けられているとき、各照明器具80宛ての個別点灯制御情報DLを含む1つの伝送情報DBを生成する。そして、個別点灯制御情報DLまたは伝送情報DBを伝送アダプター70に送信する。なお、監視情報DMの送信元である各照明スイッチ90と個別点灯制御情報DLの送信先となる照明器具80との対応関係は予め設定されている。
【0051】
伝送アダプター70は、制御コントローラー60から送信された伝送情報DBを受信したとき、この伝送アダプター70の下位側に接続されている照明器具80のアドレスが同伝送情報DBに含まれているか否かを判定する。そして、照明器具80のアドレスが含まれている旨判定したときには、伝送情報DBから照明器具80宛ての個別点灯制御情報DLを取り出し、この個別点灯制御情報DLを対応する照明器具80に送信する。
【0052】
照明器具80は、伝送アダプター70からこの照明器具80宛てに送信された個別点灯制御情報DLを受信したとき、個別点灯制御情報DLに基づいて点灯回路部84の出力を制御する。すなわち、処理部82により次のように照明器具80の動作状態および調光率の制御が行なわれる。
【0053】
処理部82は、個別点灯制御情報DLに基づいて、照明器具80の動作状態を変更するための指令信号、および照明器具80の調光率を変更するためのPWM調光信号の少なくとも一方を点灯回路部84に送信する。点灯回路部84は、処理部82から指令信号またはPWM調光信号を受信したとき、信号に応じた電流を電灯86に出力する。なお、調光率は、PWM調光信号のDUTY比に応じて変更される。
【0054】
照明器具80に関する一連の制御の流れを以下に示す。
照明スイッチ90がオフからオンに切り替えられたとき、または照明スイッチ90がオンからオフに切り替えられたとき、照明スイッチ90から制御コントローラー60に監視情報DMが送信される。そして、制御コントローラー60において個別点灯制御情報DLが生成された後、制御コントローラー60から伝送アダプター70に個別点灯制御情報DLを含む伝送情報DBが送信される。
【0055】
次に、伝送アダプター70において伝送情報DBから個別点灯制御情報DLが取り出された後、この個別点灯制御情報DLが伝送アダプター70から照明器具80に送信される。そして、照明器具80においてこの個別点灯制御情報DLが受信されたとき、同照明器具80が個別点灯制御情報DLに対応して動作する。すなわち、監視情報DMおよび個別点灯制御情報DLが照明スイッチ90のオフからオンへの操作に基づく情報のとき、電灯86が点灯される。また、監視情報DMおよび個別点灯制御情報DLが照明スイッチ90のオンからオフへの操作に基づく情報のとき、電灯86が消灯される。
【0056】
図3を参照して、間引き点灯制御の内容について説明する。間引き点灯制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは間引き点灯制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び間引き点灯制御が行なわれる。
【0057】
この制御においては、複数の照明器具80により構成される照明器具80のグループ(以下、「照明グループ」)を1つの伝送グループAに対して複数設定し、照明グループ単位で各照明器具80の動作状態を制御する。また、照明グループ単位で照明器具80の動作状態が互いに異なる複数の点灯パターンを予め用意し、一定時間が経過する毎に点灯パターンを現在の点灯パターンから別の点灯パターンに変更する。
【0058】
ここでは、照明グループとして、1つの伝送グループAに対して2つの照明グループ、すなわち第1照明グループGAおよび第2照明グループGBを設定している。また、点灯パターンとして以下の第1点灯パターンおよび第2点灯パターンを設定している。
【0059】
(A)第1点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの各照明器具80の動作状態が点灯状態、かつ第2照明グループGBの各照明器具80の動作状態が消灯状態に設定される。
【0060】
(B)第2点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの各照明器具80の動作状態が消灯状態、かつ第2照明グループGBの各照明器具80の動作状態が点灯状態に設定される。
【0061】
間引き点灯制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS11では、間引き点灯制御による点灯パターンの変更を行なう要求(以下、「間引き要求」)が設定されているか否かを判定する。間引き要求の初期値としては、自然光の大きい昼間の所定時間帯において点灯パターンの変更を行なうものが設定されている。この要求の内容は、マスター30の操作により変更することができる。
【0062】
間引き要求についての変更可能な内容には、以下のものが含まれている。
(A)間引き要求の設定および解除。
(B)点灯パターンの実行を行なう時間帯。
(C)使用する点灯パターン。
【0063】
ステップS12では、寿命調整制御によりパターン変更指令が設定されているか否かを判定する。パターン変更指令が設定されているとき、ステップS16の処理に移行する。パターン変更指令が設定されていないとき、ステップS13の処理に移行する。
【0064】
ステップS13では、現在の点灯パターンが選択されてからの経過時間(以下、「パターン継続時間」)が規定時間以上か否かを判定する。パターン継続時間が規定時間未満のとき、ステップS14の処理に移行する。パターン継続時間が規定時間以上のとき、ステップS15の処理に移行する。
【0065】
ステップS14では、現在の点灯パターンを引き続き選択する。
ステップS15では、現在の点灯パターンから別の点灯パターンに変更する。具体的には次のように点灯パターンの変更を行なう。
【0066】
(A)現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、点灯パターンを第1点灯パターンから第2点灯パターンに変更する。また、点灯パターンの変更にともない、新たに選択した第2点灯パターンについてパターン継続時間のカウントを開始する。
【0067】
(B)現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、点灯パターンを第2点灯パターンから第1点灯パターンに変更する。また、点灯パターンの変更にともない、新たに選択した第1点灯パターンについてパターン継続時間のカウントを開始する。
【0068】
ステップS16では、パターン変更指令により指定されている点灯パターンを選択する。パターン変更指令に基づいて点灯パターンを変更したときにも、新たに選択した点灯パターンについてパターン継続時間をカウントする。
【0069】
具体的には、次のように点灯パターンの選択を行なう。
(A)パターン変更指令により第1点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、引き続き第1点灯パターンを選択する。
(B)パターン変更指令により第1点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、点灯パターンを第1点灯パターンに変更する。
(C)パターン変更指令により第2点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、引き続き第2点灯パターンを選択する。
(D)パターン変更指令により第2点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、点灯パターンを第2点灯パターンに変更する。
【0070】
このように間引き点灯制御においては、寿命調整制御により設定されるパターン変更指令、または間引き点灯制御によりカウントしたパターン継続時間に基づいて、点灯パターンの変更を行なう。また、パターン継続時間に基づく制御よりもパターン変更指令に基づく制御を優先して行なう。
【0071】
図4を参照して、間引き点灯制御の一例について説明する。なお、図4において、白抜きの電灯86は点灯状態の電灯86を示している。また、ハッチング入りの電灯86は消灯状態の電灯86を示している。
【0072】
ここでは、1つの伝送グループA内において、縦3列および横3列に配置された合計9個の照明器具80が設けられている構成を前提とする。9個の照明器具80には、それぞれ1〜9までの番号が割り付けられている。以下では、1番〜9番の各番号が割り付けられた照明器具80をそれぞれ「第1照明器具80A」〜「第9照明器具80I」として示す。
【0073】
各照明グループには、次の照明器具80が含まれている。
(A)第1照明グループGAには、奇数番号の5つの照明器具80、すなわち第1照明器具80A、第3照明器具80C、第5照明器具80E、第7照明器具80G、および第9照明器具80Iが含まれている。
【0074】
(B)第2照明グループGBには、偶数番号の4つの照明器具80、すなわち第2照明器具80B、第4照明器具80D、第6照明器具80F、および第8照明器具80Hが含まれている。
【0075】
各照明器具80の動作状態は点灯パターンに応じて次のように変更される。
図4(a)に示されるように、第1点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの全ての照明器具80を点灯状態に設定し、第2照明グループGBの全ての照明器具80を消灯状態に設定する。そして、第1点灯パターンのパターン継続時間が規定時間以上のとき、または寿命調整制御により第2点灯パターンへの変更指令が設定されたとき、点灯パターンが第1点灯パターンから第2点灯パターンに変更される。
【0076】
図4(b)に示されるように、第2点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの全ての照明器具80を消灯状態に設定し、第2照明グループGBの全ての照明器具80を点灯状態に設定する。そして、第2点灯パターンのパターン継続時間が規定時間以上のとき、または寿命調整制御により第1点灯パターンへの変更指令が設定されたとき、点灯パターンが第2点灯パターンから第1点灯パターンに変更される。
【0077】
図5を参照して、寿命調整制御の内容について説明する。寿命調整制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは寿命調整制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び寿命調整制御が行なわれる。
【0078】
寿命調整制御では、同一の伝送グループAに属する各照明器具80の電灯86の寿命の差が大きくなることを抑制するため、各照明器具80から受信した電灯86の累積使用時間に基づいて点灯パターンの変更を行なう。すなわち、所定の制御周期毎に伝送グループAに属する各照明器具80のうちの最も寿命が短い照明器具80(最短寿命器具)を抽出し、最短寿命器具を含む照明グループの各照明器具80が消灯状態となる点灯パターンを選択する。
【0079】
寿命調整制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS21では、各照明器具80に累積使用時間要求を送信する。
ステップS22では、各照明器具80から累積使用時間を取得する。
【0080】
ステップS23では、各照明器具80のうちの累積使用時間が最も長いものを抽出し、この照明器具80を最短寿命器具に設定する。累積使用時間が最も長い照明器具80が複数あるときには、これらの照明器具80の全部を最短寿命器具に設定する。
【0081】
ステップS24では、最短寿命器具が複数あるか否かを判定する。最短寿命器具が複数あるときにはステップS25の処理を実行してステップS26に移行する。最短寿命器具が1つのときにはステップS25の処理を省略してステップS26に移行する。
【0082】
ステップS25では、各照明器具80に設定されている消灯優先順位を確認し、消灯優先順位が最も高い1つの最短寿命器具のみについて最短寿命器具の設定を維持し、他の最短寿命器具については最短寿命器具の設定を解除する。
【0083】
例えば、図4の第1照明器具80A、第2照明器具80B、および第3照明器具80Cが最短寿命器具に設定され、かつ第1照明器具80A〜第3照明器具80Cの順に消灯優先順位が設定されているとき、第1照明器具80Aが最短寿命器具に設定される。
【0084】
ステップS26では、最短寿命器具が点灯状態か否かを判定する。最短寿命器具が点灯状態のときにはステップS27の処理に移行する。最短寿命器具が消灯状態のときにはステップS27およびステップS28の処理を省略する。
【0085】
ステップS27では、伝送グループAの照明器具80の点灯パターンを現在の点灯パターンから他方の点灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。具体的には以下の態様で行なう。
【0086】
(A)現在の点灯パターンが図4(a)の第1点灯パターンのとき、すなわち第1照明グループGAが点灯状態かつ第2照明グループGBが消灯状態のとき、点灯パターンを図4(b)の第2点灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。
【0087】
(B)現在の点灯パターンが図4(b)の第2点灯パターンのとき、すなわち第1照明グループGAが消灯状態かつ第2照明グループGBが点灯状態のとき、点灯パターンを図4(a)の第1点灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。
【0088】
ステップS28では、パターン変更指令に対応する個別点灯制御情報DLを各照明器具80に送信する。具体的には次のように各照明器具80に対する個別点灯制御情報DLの送信を行なう。
【0089】
(A)パターン変更指令により第1点灯パターンが指定されているとき、第1照明グループGAの各照明器具80には点灯状態に設定する旨の情報を送信し、第2照明グループGBの各照明器具80には消灯状態に設定する旨の情報を送信する。
【0090】
(B)パターン変更指令により第2点灯パターンが指定されているとき、第1照明グループGAの各照明器具80には消灯状態に設定する旨の情報を送信し、第2照明グループGBの各照明器具80には点灯状態に設定する旨の情報を送信する。
【0091】
このように寿命調整制御においては、点灯状態を照明器具80の寿命を消耗させる消耗因子とし、点灯状態の選択にともなう累積使用時間の増加度合いを消耗因子の増加度合いとしての消耗速度として、第1照明グループGAまたは第2照明グループGBに最短寿命器具が含まれるとき、この照明グループの動作状態を消灯状態に設定する。すなわち、一方の照明グループに含まれる最短寿命器具の累積使用時間の増加度合いを他方の照明グループの照明器具80の累積使用時間の増加度合いよりも小さくする。
【0092】
図5および図6を参照して、寿命調整制御の実行態様の一例について説明する。なお、図6においては、各照明器具80をセルとして示している。また、各セル内に記載の数字は、対応する照明器具80の累積使用時間を示している。また、白抜きのセルは点灯状態の照明器具80を示している。また、ハッチング入りのセルは消灯状態の照明器具80を示している。
【0093】
図6においては、寿命調整制御の所定の制御周期として「3時間」が設定されていることを前提として、3時間毎に寿命調整制御が行なわれることにともなう各照明器具80の動作状態の変化が示されている。
【0094】
図6(a)は、任意の時間においての各照明器具80の状態を、図6(b)は、図6(a)の状態から3時間が経過した後の各照明器具80の状態を示している。また、図6(c)は図6(b)と同時間において点灯パターンが変更された状態を、図6(d)は図6(c)の状態から3時間が経過した後の各照明器具80の状態を示している。また、図6(e)は図6(d)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。
【0095】
各照明器具80が図6(a)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図5の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0096】
ステップS23では、累積使用時間が「10時間」の第2照明器具80Bが最短寿命器具に設定される。次のステップS26では、第2照明器具80Bが消灯状態にある旨判定される。このため、現在の第1点灯パターンが維持された状態で寿命調整制御が一旦終了する。
【0097】
寿命調整制御が一旦終了されてから第1点灯パターンが維持された状態で3時間が経過したとき、各照明器具80の累積使用時間は図6(a)に示される累積使用時間から図6(b)に示される累積使用時間に変化する。
【0098】
各照明器具80が図6(b)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図5の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0099】
ステップS23では、累積使用時間が「11時間」の第5照明器具80Eが最短寿命器具に設定される。次のステップS26では、第5照明器具80Eが点灯状態にある旨判定される。
【0100】
このため、次のステップS27では、点灯パターンが第1点灯パターンから第2点灯パターンに変更される。次のステップS28では、第2点灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図6(b)の第1点灯パターンから図6(c)の第2点灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了する。
【0101】
寿命調整制御が一旦終了されてから第2点灯パターンが維持された状態で3時間が経過したとき、各照明器具80の累積使用時間は図6(c)に示される累積使用時間から図6(d)に示される累積使用時間に変化する。
【0102】
各照明器具80が図6(d)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第2点灯パターンに設定されているとき、図4の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0103】
ステップS23では、累積使用時間が「13時間」の第2照明器具80Bが最短寿命器具に設定される。次のステップS26では、第2照明器具80Bが点灯状態にある旨判定される。
【0104】
このため、次のステップS27では、点灯パターンが第2点灯パターンから第1点灯パターンに変更される。次のステップS28では、第1点灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図6(d)の第2点灯パターンから図6(e)の第1点灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了する。
【0105】
図7のシーケンス図を参照して、寿命調整制御の流れについて説明する。
伝送インターフェース40は、1つの伝送グループAに所属する各照明器具80に対して電灯86の累積使用時間を要求する累積使用時間要求を照明器具80に送信する。各照明器具80は、伝送インターフェース40から累積使用時間要求を受信したとき、記憶部から累積使用時間を取得する。そして、取得した累積使用時間を伝送インターフェース40に送信する。
【0106】
伝送インターフェース40は、各照明器具80から累積使用時間を受信したとき、各照明器具80の累積使用時間を比較する。そして、比較の結果に基づいて各照明器具80に対する個別点灯制御情報DLを作成し、この個別点灯制御情報DLを各照明器具80に送信する。各照明器具80は、伝送インターフェース40から個別点灯制御情報DLを受信したとき、この個別点灯制御情報DLに基づいて電灯86を点灯または消灯する。
【0107】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば以下の効果が得られる。
(1)照明制御システム1は、第1照明グループGAに含まれる照明器具80の電灯86の寿命、および第2照明グループGBに含まれる照明器具80の電灯86の寿命に応じて、各照明器具80の点灯パターンを変更する。すなわち、第1照明グループGAに最短寿命器具が含まれるとき、第1照明グループGAを消灯状態に設定し、かつ第2照明グループGBを点灯状態に設定する。また、第2照明グループGBに最短寿命器具が含まれるとき、第2照明グループGBを消灯状態に設定し、かつ第1照明グループGAを点灯状態に設定する。
【0108】
この構成によれば、最短寿命器具としての照明器具80の電灯86の寿命と、最短寿命器具が含まれない照明グループの各照明器具80の電灯86の寿命との差が大きくなることが抑制される。このため、最短寿命器具と同器具を含まない他の照明グループとの使用時間に大きな差が生じることが抑制される。
【0109】
(2)照明制御システム1は、同一の伝送グループAに属する照明器具80において短寿命器具数が所定数よりも大きいとき、消灯優先順位に基づいて複数の短寿命照明器具のなかから制御対象器具に設定する1つの照明器具80を選択する。
【0110】
この構成によれば、累積点灯時間が同一の照明器具80が複数ある場合において、全ての照明器具80の動作状態が消灯状態に設定されることが抑制される。また、ユーザーの生活環境に適した順位を消灯優先順位として設定することにより、間引き点灯制御に起因してユーザーの利便性が低下することが抑制される。なお、ユーザーの生活環境に適した消灯優先順位の一例として、デスクの配置場所または部屋の入口に近い場所の消灯優先順位を低くするものが挙げられる。この場合には、ユーザーが頻繁に利用する可能性の高い場所の照明器具80が消灯状態に設定される頻度が少なくなるため、ユーザーの利便性の低下が抑制される。
【0111】
(3)照明制御システム1は、サーバー20と照明器具80との間で情報の送受信を仲介する伝送インターフェース40を有する。この構成によれば、通信方式が互いに異なる照明器具80とサーバー20との間において、信号の送受信を行うことができる。
【0112】
(4)照明制御システム1の伝送アダプター70は、複数の照明器具80のそれぞれから送信された情報を1つの伝送情報DBにまとめて上位側に送信する機能を有する。また、上位側から受信した複数の照明器具80のそれぞれに対する情報をまとめた伝送情報DBを複数の照明器具80に送信する機能を有する。
【0113】
この構成によれば、伝送アダプター70に直接的に接続される複数の照明器具80の情報が集約されるため、照明器具80とサーバー20または制御コントローラー60との間での情報の伝達量が増大することが抑制される。
【0114】
(5)照明制御システム1の上位制御システム10は、複数の照明器具80を一元的に管理する上位コントローラー50を有する。この構成によれば、複数の照明器具80の動作状態を一括して把握することができる。
【0115】
(6)照明制御システム1は、複数の単位制御グループUを有する。また、上位コントローラー50には、複数の単位制御グループUの制御コントローラー60が並列的に接続されている。
【0116】
この構成によれば、制御コントローラー60を1つだけ備え、かつ同コントローラー50に対して全ての照明器具80が接続される構成と比較して、1つの制御コントローラー60の記憶容量を小さくすることができる。
【0117】
(7)照明制御システム1は、通信機能を有する各照明器具80と、各照明器具80との間で情報を送受信する制御コントローラー60とを有する。
この構成によれば、照明器具80が通信機能を有しているため、照明器具80の動作状態の制御および動作状況の監視のために、照明器具80とは別に通信機能を有する装置(例えばリレー制御端末器)を設ける必要がない。また、リレー制御端末器を設ける構成においては、分電盤内に配置されるリモコンリレーと照明器具80との間の配線が必要となるため、レイアウトの変更にともない照明器具80のグループ分けが変更されるときには配線の変更も必要となる。本実施形態の上記構成によれば、リレー制御端末器が不要となるため、各照明器具80のグループ分けを容易に変更することができる。
【0118】
(第2実施形態)
本実施形態の照明制御システム1は、図1および図2の第1実施形態の照明制御システム1の間引き点灯制御および寿命調整制御の内容を次のように変更したものとして構成されている。
【0119】
(A)第1実施形態の間引き点灯制御においては、選択可能な点灯パターンとして、第1点灯パターンおよび第2点灯パターンが用意されている。これに対して本実施形態の間引き点灯制御においては、選択可能な点灯パターンとして、1つの伝送グループAの照明器具80のうち特定数の照明器具を消灯状態に設定し、かつ他の照明器具を点灯状態に設定する全ての点灯パターンが用意されている。
【0120】
(B)第1実施形態の寿命調整制御においては、消灯状態に設定する照明器具80の優先順位を定めるものとして消灯優先順位が予め設定されている。これに対して本実施形態の寿命調整制御においては、各照明器具80の累積使用時間の順位に基づいて、消灯状態に設定する照明器具80の優先順位がその都度定められる。
【0121】
なお、本実施形態の照明制御システム1において、上記変更点およびこの変更に関連する構成以外は第1実施形態の照明制御システム1と同様の構成が採用されているため、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を適宜省略する。
【0122】
図3を参照して、本実施形態の間引き点灯制御の内容について説明する。
ステップS11〜S14、およびS16において第1実施形態の間引き点灯制御と同じ処理を行なう。ステップS15では、現在の点灯パターンから別の点灯パターンに変更する。
【0123】
この間引き点灯制御においては、選択可能な点灯パターンとして、点灯状態の照明器具80が5つかつ消灯状態の照明器具80が4つに設定される点灯パターンの全てが用意されている。このなかには、第1実施形態の第1点灯パターンも含まれる。
【0124】
図8を参照して、寿命調整制御の内容について説明する。寿命調整制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは寿命調整制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び寿命調整制御が行なわれる。
【0125】
寿命調整制御では、同一の伝送グループAに属する各照明器具80の電灯86の寿命の差が大きくなることを抑制するため、各照明器具80から受信した電灯86の累積使用時間に基づいて点灯パターンの変更を行なう。
【0126】
すなわち、所定の制御周期毎に伝送グループAに属する各照明器具80の寿命を寿命が短い順に順位付けし、1位から所定の順位までの照明器具80を短寿命器具とし、所定の順位よりも下位の照明器具80を長寿命器具として取り扱う。そして、短寿命器具を消灯状態に設定し、かつ長寿命器具を点灯状態に設定する点灯パターンを「短寿命消灯パターン」として、点灯パターンを現在の点灯パターンから短寿命消灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。
【0127】
寿命調整制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS31では、各照明器具80に累積使用時間要求を送信する。
ステップS32では、各照明器具80から累積使用時間を取得する。
【0128】
ステップS33では、各照明器具80の累積使用時間が長い順に順位付けする。
ステップS34では、累積使用時間が同じ照明器具80があるか否かを判定する。累積使用時間が同じ照明器具80があるとき、ステップS35の処理を実行してステップS36に移行する。累積使用時間が同じ照明器具80がないとき、ステップS35の処理を省略してステップS36に移行する。
【0129】
ステップS35では、各照明器具80に設定されている消灯優先順位を確認し、累積使用時間が同じ複数の照明器具80に対して消灯優先順位が高い順に順位付けする。
ステップS36では、伝送グループAの照明器具80の点灯パターンを現在の点灯パターンから短寿命消灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。ここでは、短寿命消灯パターンとして、累積使用時間の長さが1位〜4位の照明器具80を消灯状態に設定し、かつ5位〜9位の照明器具80を点灯状態に設定するものが選択される。
【0130】
ステップS37では、パターン変更指令に対応する個別点灯制御情報DLを各照明器具80に送信する。具体的には、図9に示されるように各照明器具80に対する個別点灯制御情報DLの送信を行なう。
【0131】
図8および図9を参照して、寿命調整制御の実行態様の一例について説明する。なお、図9においては、各照明器具80をセルとして示している。また、各セル内に記載の数字は、対応する照明器具80の累積使用時間を示している。また、白抜きのセルは点灯状態の照明器具80を示している。また、ハッチング入りのセルは消灯状態の照明器具80を示している。
【0132】
図9においては、寿命調整制御の所定の制御周期として「3時間」が設定されていることを前提として、3時間毎に寿命調整制御が行なわれることにともなう各照明器具80の動作状態の変化が示されている。
【0133】
図9(a)は、任意の時間においての各照明器具80の状態を、図9(b)は図9(a)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。図9(c)は図9(b)の状態から3時間が経過した後の各照明器具80の状態を示している。また、図9(d)は図9(c)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。
【0134】
各照明器具80が図9(a)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図8の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0135】
ステップS33では、各照明器具80に対して累積使用時間の長い順に1位〜9位の順位が付けられる。このため、次のステップS36では、点灯パターンが第1点灯パターンから短寿命消灯パターンに変更される。これにより、累積使用時間が1位〜4位までの照明器具80、すなわち第1照明器具80A、第4照明器具80D、第5照明器具80E、および第6照明器具80Fが消灯状態に変更される。また、累積使用時間が5位〜9位の照明器具80、すなわち第2照明器具80B、第3照明器具80C、第7照明器具80G、第8照明器具80H、および第9照明器具80Iが点灯状態に変更される。
【0136】
次のステップS37では、ステップS36で設定した短寿命消灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図9(a)の第1点灯パターンから図9(b)の短寿命消灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了される。
【0137】
寿命調整制御が一旦終了されてから点灯パターンが維持された状態で3時間が経過したとき、各照明器具80の累積使用時間は、図9(b)に示される累積使用時間から図9(c)に示される累積使用時間に変化する。
【0138】
各照明器具80が図9(c)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが短寿命消灯パターンに設定されているとき、図8の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0139】
ステップS33では、各照明器具80に対して累積使用時間の長い順に順位が付けられる。このとき、第4照明器具80Dの累積使用時間と第7照明器具80Gの累積使用時間とが互いに同じ時間のため、これらの照明器具80には2位の順位が付けられる。また、第5照明器具80Eの累積使用時間と第8照明器具80Hの累積使用時間とが互いに同じ時間のため、これらの照明器具80には4位の順位が付けられる。また、第6照明器具80Fの累積使用時間と第9照明器具80Iの累積使用時間とが互いに同じ時間のため、これらの照明器具80には6位の順位が付けられる。
【0140】
次のステップS35では、累積使用時間の順位が互いに同じ照明器具80に対して、消灯優先順位に基づいて異なる順位が付けられる。このため、第1照明器具80A、第4照明器具80D、第7照明器具80G、第5照明器具80E、第8照明器具80H、第6照明器具80F、第9照明器具80I、第3照明器具80C、および第2照明器具80Bの順に1位〜9位までの順位が付けられる。
【0141】
次のステップS36では、点灯パターンが図9(c)の短寿命消灯パターンから図9(d)の短寿命消灯パターンに変更される。これにより、累積使用時間が1位〜4位までの照明器具80、すなわち第1照明器具80A、第4照明器具80D、第7照明器具80G、および第5照明器具80Eが消灯状態に変更される。また、累積使用時間が5位〜9位の照明器具80、すなわち第8照明器具80H、第6照明器具80F、第9照明器具80I、第3照明器具80C、および第2照明器具80Bが点灯状態に変更される。
【0142】
次のステップS37では、ステップS36で設定した短寿命消灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図9(c)の短寿命消灯パターンから図9(d)の短寿命消灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了する。
【0143】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば、第1実施形態の(2)〜(7)の効果、および以下の(8)の効果が得られる。
【0144】
(8)照明制御システム1は、伝送グループAを構成する各照明器具80の電灯86に寿命の順位を付ける。そして、寿命の順位が1位〜4位の照明器具80すなわち短寿命器具の動作状態を消灯状態に設定し、寿命の順位が5位〜9位の照明器具80すなわち長寿命器具の動作状態を点灯状態に設定する。
【0145】
この構成によれば、短寿命器具としての照明器具80の電灯86の寿命と、長寿命器具としての照明器具80の電灯86の寿命との差が大きくなることが抑制される。このため、各照明器具80の使用時間に大きな差が生じることを抑制することができる。
【0146】
(第3実施形態)
本実施形態の照明制御システム1は、図1および図2の第1実施形態の照明制御システム1の間引き点灯制御および寿命調整制御に加えて照度保証制御を行なうものとして構成されている。
【0147】
なお、本実施形態の照明制御システム1において、上記変更点およびこの変更に関連する構成以外は第1実施形態の照明制御システム1と同様の構成が採用されているため、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を適宜省略する。
【0148】
照明器具80の処理部82は、点灯回路部84の電圧変化に基づいて電灯86の球切れが生じているか否かを判定する。そして、球切れが生じている旨判定したとき、本照明器具80を「使用済器具」として設定する。また、電灯86が球切れした電灯86から新しい電灯86に交換されたとき、「使用済器具」の設定を解除する。
【0149】
伝送インターフェース40の処理部41は、選択中の点灯パターンにおいて点灯状態に設定されている点灯グループに使用済器具が含まれているとき、使用済器具を含まない点灯グループが点灯状態に設定される点灯パターンに変更するための「照度保証制御」を実行する。
【0150】
図10を参照して、照度保証制御の内容について説明する。照度保証制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは照度保証制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び間引き点灯制御が行なわれる。
【0151】
照度保証制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS41では、使用済器具が設定されているか否かを判定する。
ステップS42では、間引き点灯制御が実行されているか否かを判定する。
【0152】
ステップS43では、点灯状態に設定される照明グループに使用済器具が含まれているか否かを判定する。
間引き点灯制御が実行されているとき、かつ点灯状態に設定される照明グループに使用済器具が含まれているとき、ステップS44の処理に移行し、使用済器具が含まれていない点灯パターンを選択する。
【0153】
具体的には、次のように点灯パターンの選択を行なう。
(A)第2照明グループGBが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、引き続き第1点灯パターンを選択する。
(B)第1照明グループGAが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、点灯パターンを第2点灯パターンに変更する。
(C)第2照明グループGBが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、点灯パターンを第1点灯パターンに変更する。
(D)第1照明グループGAが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、引き続き第2点灯パターンを選択する。
【0154】
図10および図11を参照して、寿命調整制御の実行態様の一例について説明する。なお、図10においては、各照明器具80をセルとして示している。また、各セル内に記載の数字は、対応する照明器具80の累積使用時間を示している。また、白抜きのセルは点灯状態の照明器具80を示している。また、ハッチング入りのセルは消灯状態の照明器具80を示している。また、「×」は、球切れが発生していることを示している。
【0155】
図11(a)は任意の時間においての各照明器具80の状態を、図11(b)は図11(a)と同時間において第1照明器具80Aに球切れが発生した状態を示している。図11(c)は図11(b)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。
【0156】
各照明器具80が図11(a)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図10の照度保証制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0157】
各照明器具80の状態が図11(a)から図11(b)に移行したとき、ステップS41において、第1照明器具80Aにおいて球切れが検出される。
次のステップS42およびステップS43において、間引き点灯制御の実行中である旨および第1照明器具80Aが点灯状態に設定されている旨が判定される。そして、ステップS44において、第1照明器具80Aが消灯状態に設定される第2点灯パターンが選択される。このため、点灯パターンが図11(b)の第1点灯パターンから図11(c)の第2点灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に照度保証制御が一旦終了する。
【0158】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば、第1実施形態の(2)〜(7)の効果、および以下の(9)の効果が得られる。
【0159】
(9)照明制御システム1は、第1照明グループGAが使用済器具を含み、かつ第2照明グループGBが使用済器具を含まないとき、第1照明グループGAを消灯するとともに第2照明グループGBを点灯する第2点灯パターンに設定する。また、第2照明グループGBが使用済器具を含み、かつ第1照明グループGAが使用済器具を含まないとき、第2照明グループGBを消灯するとともに第1照明グループGAを点灯する第1点灯パターンに設定する。この構成によれば、使用済器具を含む照明グループが点灯状態に設定されることに起因して、実際の点灯状態が設定した点灯状態と異なるものになることが抑制される。
【0160】
(第4実施形態)
本実施形態の照明制御システム1は、図1および図2の第1実施形態の照明制御システム1の間引き点灯制御および寿命調整制御に加えて報知制御を行なうものとして構成されている。
【0161】
なお、本実施形態の照明制御システム1において、上記変更点およびこの変更に関連する構成以外は第1実施形態と同様の構成が採用されているため、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を適宜省略する。
【0162】
報知制御の手順について説明する。
図2の照明器具80の処理部82は、電灯86の累積使用時間が所定の判定時間を超えたか否かを判定する。そして、照明器具80の累積使用時間が規定の時間よりも短い状態を「通常状態」とし、照明器具80の寿命が規定の時間よりも長い状態を「末期状態」として、末期状態の照明器具80の動作状態を通常状態の照明器具80の動作状態と異なるものに設定する。また、電灯86が古い電灯86から新しい電灯86に交換されたとき、末期状態の設定を解除する。
【0163】
すなわち処理部82は、照明器具80の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、照明器具80の寿命が規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、末期状態の照明器具80の動作状態を通常状態の照明器具80の動作状態と異なるものに設定する。
【0164】
伝送インターフェース40の処理部41は、末期状態の設定を検出したとき、末期状態の照明器具80を点滅させる個別点灯制御情報DLを作成し、対応する照明器具80に送信する。
【0165】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば、第1実施形態の(2)〜(7)の効果、および以下の(10)の効果が得られる。
【0166】
(10)照明制御システム1は、末期状態の照明器具80を点滅させる。この構成によれば、ユーザーに対して、点滅している照明器具80が末期状態にあることを認識させることができる。
【0167】
(その他の実施形態)
本発明の実施態様は第1〜第4実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、第1〜第4実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0168】
・第1実施形態(図5)では、ステップS23において、累積使用時間が最も長い照明器具80が複数あるとき、これらの照明器具80の全部を最短寿命器具に設定しているが、最短寿命器具の設定条件を以下のように変更することもできる。
【0169】
すなわち、累積使用時間が最も長い照明器具80と累積使用時間が2番目に長い照明器具80との累積使用時間の差が所定の範囲内のとき、累積使用時間が最も長い照明器具80および累積使用時間が2番目に長い照明器具80を最短寿命器具に設定する。
【0170】
・第4実施形態(図1)では、報知制御において末期状態の照明器具80を点滅させているが、末期状態の照明器具80の照度を通常状態の照明器具80の照度よりも低下させることもできる。また、この照度を低下させる制御を第1実施形態(図5)の寿命調整制御に加えることもできる。
【0171】
・第1〜第4実施形態(図3)では、間引き点灯制御の実行中に寿命調整制御による点灯パターンの変更を実行しているが、間引き点灯制御が行なわれていないときに寿命調整制御を実行することもできる。この場合の寿命調整制御の一例としては、所定時間毎に各照明器具80の寿命を確認し、確認結果に基づいて設定した最短寿命器具を消灯状態に設定することができる。
【0172】
・第1〜第4実施形態(図5)では、寿命調整制御において伝送グループAにおいて最も寿命が短い電灯86を備える照明器具を短寿命器具として点灯パターン変更指令を設定しているが、点灯パターン変更指令の設定条件を次のように変更することもできる。
【0173】
すなわち、第1照明グループGAに含まれる複数の照明器具80のうちの寿命が最も短いものを「第1短寿命器具」とし、第2照明グループGBに含まれる複数の照明器具80のうちの寿命が最も短いものを「第2短寿命器具」として設定する。そして、第1短寿命器具の寿命が第2短寿命器具の寿命よりも短いとき、第1照明グループGAの各照明器具80を消灯状態に設定し、第2照明グループGBの各照明器具80を点灯状態に設定する。すなわち、点灯パターンとして第2点灯パターンを選択する。また、第2短寿命器具の寿命が第1短寿命器具の寿命よりも短いとき、第2照明グループGBの各照明器具80を消灯状態に設定し、第1照明グループGAの各照明器具80を点灯状態に設定する。すなわち、点灯パターンとして第1点灯パターンを選択する。
【0174】
・第1〜第4実施形態(図5)では、照明器具80同士の累積使用時間の比較に基づいて点灯パターンを選択しているが、同一の伝送グループAにおいて一の照明器具80の寿命と他の照明器具80との寿命との差が大きいことに基づいて、一の照明器具80を消灯状態に設定することもできる。
【0175】
・第1〜第4実施形態(図2)では、間引き点灯制御および寿命点灯制御において、照明器具80の動作状態を点灯状態または消灯状態に変更しているが、点灯回路部84の調光率を照明器具80の動作状態として変更することもできる。
【0176】
すなわち、調光率の大きさを照明器具80の寿命を消耗させる消耗因子とし、調光率の累積印加量の増加度合いを消耗因子の増加度合いとしての消耗速度として、第1照明グループGAまたは第2照明グループGBに最短寿命器具が含まれるとき、この照明グループの調光率を規定の調光率よりも低い調光率に変更する。すなわち、一方の照明グループに含まれる最短寿命器具の累積印加量の増加度合いを他方の照明グループの照明器具80の累積印加量の増加度合いよりも小さくする。なお、累積印加量は調光率の大きさおよび印加時間の関数として算出される。
【0177】
・第1〜第4実施形態(図2)の寿命調整制御に次の制御を加えることもできる。
寿命が長い照明器具80においては、調光率を小さくしても同照明器具80の使用環境において必要な照度を維持することができる。また、調光率を小さくすることにより同照明器具80の消耗速度が小さくなる。このため、調光率を一定の大きさに設定して照明器具80を使用する構成と比較して、照明器具80の寿命が長くなる。また、照明器具80の照度は同構成よりも小さくなるものの、使用環境において必要な照度が維持されるため、実用上の問題が生じるおそれが小さい。この場合の具体的な制御手順の一例を以下に示す。
【0178】
寿命調整制御においては、各照明器具80の累積点灯時間が判定時間よりも大きいか否かを判定する。そして、累積点灯時間が判定時間よりも小さい照明器具80については調光率を基準調光率よりも小さくする。また、累積点灯時間が判定時間以上の照明器具80については調光率を基準調光率よりも大きくする。すなわち、累積点灯時間が判定時間以上の照明器具80の消耗速度を累積点灯時間が判定時間よりも小さい照明器具80の消耗速度よりも小さくする。
【0179】
・第1〜第4実施形態(図2)の寿命調整制御に次の制御を加えることもできる。
間引き点灯制御の点灯パターンとして、3つ以上の照明器具80(例えば、図6第1照明器具80A、第2照明器具80B、および第3照明器具80C)が一列に配置された照明器具80の列において、第1照明器具80Aが消灯状態に設定され、かつ第2照明器具80Bおよび第3照明器具80Cが点灯状態に設定される点灯パターンを用意する。
【0180】
そして、間引き点灯制御においてこの点灯パターンが選択されたとき、第2照明器具80Bの照度を第3照明器具80Cよりも小さくする。すなわち、第1照明器具80Aの消耗速度を第2照明器具80Bおよび第3照明器具80Cの消耗速度よりも小さくしたとき、第2照明器具80Bの動作状態を第1照明器具80Aの動作状態に応じて変更する。
【0181】
この構成によれば、1つの伝送グループAにおいて隣り合う照明器具80の照度に大きな差が生じることが抑制される。なお、第1照明器具80Aは「照明器具A」に相当し、第2照明器具80Bは「照明器具C」に相当し、第3照明器具80Cは「照明器具B」に相当する。
【0182】
・第1〜第4実施形態(図2)では、間引き点灯制御および寿命点灯制御において照明器具80の動作状態を消灯状態または点灯状態に変更しているが、照明器具80の動作状態としての色温度を変更することもできる。
【0183】
・第1〜第4実施形態(図2)では、照明器具80の電灯86として蛍光電灯を含めて構成されたものを用いているが、発光ダイオードを含めて構成される電灯86を用いることもできる。
【0184】
・第1〜第4実施形態(図2)では、電灯86の累積使用時間を照明器具80の寿命の指標として用いているが、照明器具80の寿命の指標とするものを次のように変更することもできる。
(A)バラスト85の累積使用時間を照明器具80の寿命の指標として用いる。
(B)器具本体81の累積使用時間を照明器具80の寿命の指標として用いる。
(C)動作状態の切り替え回数を照明器具80の寿命の指標として用いる。
【0185】
なお、動作状態の切り替え回数のカウント方法としては例えば次のものが挙げられる。すなわち、動作状態が点灯状態から消灯状態に切り替えられたとき、および消灯状態から点灯状態に切り替えられたときをそれぞれ1回の切り替えが行なわれた回数としてカウントする。
【0186】
・第1〜第4実施形態(図1)では、各照明スイッチ90から送信される監視情報DMに基づいて、対応する照明器具80の制御が制御コントローラー60により個別に行なわれるが、照明器具80の制御態様を次のように変更することもできる。すなわち、各照明スイッチ90から送信される監視情報DMに基づいて、対応する照明器具80の制御を上位コントローラー50または伝送アダプター70により個別に行なうこともできる。
【0187】
・第1〜第4実施形態(図1)では、制御コントローラー60と各照明器具80との間に伝送アダプター70が設けられているが、伝送アダプター70を省略することもできる。この場合には、制御コントローラー60と各照明器具80とが情報伝達機器を介することなく互いに接続される。
【0188】
・第1〜第4実施形態(図1)では、上位コントローラー50と各伝送アダプター70との間に制御コントローラー60が設けられているが、制御コントローラー60を省略することもできる。この場合には、上位コントローラー50と各伝送アダプター70とが情報伝達機器を介することなく互いに接続される。
【0189】
・第1〜第4実施形態(図1)では、上位制御システム10に上位コントローラー50が設けられているが、上位コントローラー50を省略することもできる。この場合には、サーバー20およびマスター30と制御コントローラー60とが情報伝達機器を介することなく互いに接続される。
【0190】
・第1〜第4実施形態(図1)では、マスター30およびサーバー20と各照明器具80との間に伝送インターフェース40が設けられているが、伝送インターフェース40を省略することもできる。この場合、マスター30およびサーバー20と各照明器具80との間では同一の通信方式により通信が行なわれる。また、照明器具80の個別点灯制御をはじめとする各種制御がマスター30およびサーバー20により行なわれる。
【符号の説明】
【0191】
1…照明制御システム、80,80A〜80I…照明器具(照明器具A、照明器具B)、86…電灯。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記照明制御システムとして、特許文献1に記載のものが知られている。
この照明制御システムにおいては、省エネルギーのため、累積点灯時間が判定時間よりも小さい照明器具の負荷を累積点灯時間が判定時間よりも大きい照明器具の負荷よりも小さくする。なお、累積点灯時間が小さい照明器具は、負荷が小さい状態においても必要な照度が得られるため、上記のとおり累積点灯時間に応じて負荷を小さくしてもユーザーに違和感を与えるおそれが少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−180411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の照明器具において個々の照明器具同士の間で使用時間に大きな差があるときには、寿命により部品の交換が必要となる時期に大きなばらつきが生じる。この場合、ユーザーは複数の照明器具の部品の交換をまとめて行なうことができないため、照明器具の管理が煩雑になる。なお、特許文献1の照明制御システムは、このような使用時間の差を考慮した照明器具の管理を行なうものではないため、上述した問題の解決には適していない。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は各照明器具の使用時間に大きな差が生じることを抑制することのできる照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための手段を以下に示す。
・本発明の照明制御システムは、複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、前記複数の照明器具のうちの1つを「照明器具A」とし、前記複数の照明器具のうちの別の1つを「照明器具B」として、前記照明器具Aの寿命および前記照明器具Bの寿命に応じて前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうことを特徴としている。
【0007】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、前記消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0008】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aを消灯することが好ましい。
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの調光率を前記照明器具Bの調光率よりも小さくすることが好ましい。
【0009】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの寿命と前記照明器具Bの寿命との差が所定の差よりも大きいとき、前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうことが好ましい。
【0010】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」とし、前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、この消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、前記複数の照明器具の少なくとも1つが前記末期状態のとき、前記末期状態の照明器具の消耗速度を前記通常状態の照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0011】
・この照明制御システムにおいては、累積使用時間が規定の時間よりも大きい照明器具を前記末期状態の照明器具として取り扱うことが好ましい。
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具について寿命が短い順に順位付けすること、ならびに、寿命が所定の順位までの照明器具を「短寿命器具」とし、前記所定の順位よりも下位の寿命の照明器具を「長寿命器具」として、前記短寿命器具の消耗速度を前記長寿命器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0012】
・この照明制御システムにおいては、前記消耗速度の変更の対象とする照明器具を「制御対象器具」とし、前記制御対象器具を設定するための優先順位を「制御優先順位」とし、前記短寿命照明器具の総数を「短寿命器具総数」として、前記短寿命器具数が所定数よりも大きいとき、前記制御優先順位に基づいて前記複数の短寿命照明器具のなかから前記制御対象器具に設定する照明器具を選択することが好ましい。
【0013】
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「最短寿命器具」として、前記第1照明グループが前記最短寿命器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記最短寿命器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0014】
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、ならびに、前記第1照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第1短寿命器具」とし、前記第2照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第2短寿命器具」として、前記第1短寿命器具の寿命が前記第2短寿命器具の寿命よりも短いとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0015】
・この照明制御システムにおいては、前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が尽きたものを「使用済器具」として、前記第1照明グループが前記使用済器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記使用済器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすることが好ましい。
【0016】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具Aの周囲に設けられる別の照明器具を「照明器具C」として、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくしたとき、前記照明器具Cの動作状態を前記照明器具Aの動作状態に応じて変更することが好ましい。
【0017】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態と異なるものに設定することが好ましい。
【0018】
・本発明の照明制御システムは、複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態とは異なるものに設定することを特徴としている。
【0019】
・この照明制御システムにおいては、前記照明器具の寿命として前記照明器具の電灯の寿命を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、各照明器具の器具本体またはバラストまたは電灯の交換が必要になる時期がばらつくことを低減することのできる照明制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態の照明制御システムについて、その全体構成を模式的に示す模式図。
【図2】同実施形態の照明制御システムについて、その構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の伝送インターフェースにより実行される「間引き点灯制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【図5】同実施形態の伝送インターフェースにより実行される「寿命調整制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【図7】同実施形態の照明制御システムについて、伝送インターフェースによる「寿命調整制御」の実行に基づく照明制御システムの各構成要素の動作を示すシーケンス図。
【図8】本発明の第2実施形態の照明制御システムについて、伝送インターフェースにより実行される「寿命調整制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図9】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【図10】本発明の第3実施形態の照明制御システムについて、伝送インターフェースにより実行される「照度保証制御」について、その処理手順を示すフローチャート。
【図11】同実施形態の照明制御システムについて、1つの伝送グループにおいて設定される点灯パターンを模式的に示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態では、照明器具に関する情報を制御する照明制御システム1として本発明を具体化した一例を示している。この照明制御システム1は、オフィスビルの各部屋に設置された照明器具を一元的に監視および制御する。
【0023】
図1を参照して、照明制御システム1の構成について説明する。
照明制御システム1には、複数の設備機器として、複数の照明器具80および複数の照明スイッチ90が設けられている。またこの他に、これら設備機器を個別に制御する上位制御システム10が設けられている。
【0024】
上位制御システム10には、サーバー20、マスター30、および伝送インターフェース40が設けられている。なお、照明制御システム1の制御系統において、サーバー20が最上位の機器に該当し、その下位側に各機器が順に接続されている。また、伝送インターフェース40は、1つの上位コントローラー50、複数の制御コントローラー60、および複数の伝送アダプター70を含めて構成されている。
【0025】
サーバー20は、照明制御システム1の全体に関する情報を統括して管理する。
マスター30は、各照明器具80の動作状況、ならび各照明器具80に設けられる電灯86の寿命が近づいたことを示す情報をはじめとして、各設備機器の状況をモニタするブラウザ機能を有している。
【0026】
制御コントローラー60は、各照明スイッチ90に個別に割り当てられたアドレス、および各照明器具80に個別に割り当てられたアドレスを記憶している。各照明スイッチ90のアドレスと各照明器具80のアドレスとは、互いに対応付けられている。
【0027】
伝送アダプター70は、制御コントローラー60のアドレス、自身の伝送アダプター70としてのアドレス、および対応する各単位設備系統の照明器具80のアドレスを記憶している。
【0028】
照明制御システム1においては、複数の単位制御グループUおよび複数の伝送グループAが設けられている。上位コントローラー50には、複数の単位制御グループUが並列に接続されている。各制御コントローラー60には、複数の伝送グループAが並列に接続されている。
【0029】
単位制御グループUは、1つの制御コントローラー60、この制御コントローラー60に対応する複数の伝送グループA、およびこの制御コントローラー60に対応する複数の照明スイッチ90を含めて構成されている。伝送グループAは、1つの伝送アダプター70、およびこの伝送アダプター70に対応する複数の照明器具80を含めて構成されている。
【0030】
サーバー20、マスター30、上位コントローラー50、制御コントローラー60、伝送アダプター70、各照明器具80、および照明スイッチ90の接続環境について説明する。なお、以下に記載する各機器間の通信方式は一例であり、各機器間の通信方式を他の通信方式に変更することもできる。
【0031】
マスター30およびサーバー20と上位コントローラー50とは、伝送線L1により互いに接続されている。また、マスター30およびサーバー20と上位コントローラー50との間においては、Ethernet(登録商標)プロトコルに基づくシリアル通信により信号の送受信が行われる。
【0032】
上位コントローラー50と各制御コントローラー60とは、伝送線L2により互いに接続されている。また、上位コントローラー50と各制御コントローラー60との間においては、Ethernet(登録商標)プロトコルに基づくシリアル通信により信号の送受信が行われる。
【0033】
制御コントローラー60と各照明スイッチ90とは、伝送線L3により互いに接続されている。制御コントローラー60と各照明スイッチ90との間においては、NMAST(登録商標)プロトコルに基づく通信により信号の送受信が行われる。
【0034】
制御コントローラー60と各伝送アダプター70とは、伝送線L4によりバス接続されている。また、制御コントローラー60と伝送アダプター70との間においては、デジタル変調通信により信号の送受信が行われる。
【0035】
伝送アダプター70と各照明器具80とは、伝送線L5により互いに接続されている。また、伝送線L5により直列に接続された複数の照明器具80の系統を単位設備系統としたとき、1つの伝送アダプター70には複数の単位設備系統が並列に接続されている。また、伝送アダプター70と各照明器具80との間においては、DALI(Digital AdDRLssable Lighting Interface)規格に基づく通信により信号の送受信が行われる。
【0036】
図1を参照して、制御コントローラー60および伝送アダプター70の構成について説明する。なお、ここで説明する制御コントローラー60と伝送アダプター70との関係は、1つの制御コントローラー60に接続される全部の伝送アダプター70に共通する。
【0037】
制御コントローラー60と伝送アダプター70との間においては、制御コントローラー60から伝送アダプター70を介して各単位設備系統の照明器具80に送信される情報が1つの伝送情報DBに含められる。また、各単位設備系統の照明器具80から伝送アダプター70を介して制御コントローラー60に送信される情報が1つの伝送情報DBに含められる。
【0038】
伝送アダプター70は、所定の受信期間が経過する毎に、同受信期間において受信した各単位設備系統の情報を含めて1つの伝送情報DBを生成し、この伝送情報DBを制御コントローラー60に送信する。また、制御コントローラー60からの伝送情報DBを受信したとき、この伝送情報DBに含まれる各照明器具80宛ての情報を取り出し、この情報を対応する各照明器具80に送信する。
【0039】
図2を参照して、伝送インターフェース40および照明器具80の構成について説明する。なお、伝送インターフェース40には、1つの上位コントローラー50、複数の制御コントローラー60、および複数の伝送アダプター70が設けられているが、ここでは制御コントローラー60および伝送アダプター70をそれぞれ1つだけ記載している。
【0040】
伝送インターフェース40には、処理部41、下位通信部42、および上位通信部43が設けられている。処理部41は、上位コントローラー50、制御コントローラー60、および伝送アダプター70のそれぞれに設けられる処理部の全てを含めて構成されている。下位通信部42は、伝送アダプター70の通信部を含めて構成されている。上位通信部43は、上位コントローラー50の通信部を含めて構成されている。
【0041】
処理部41は、入力された信号に基づいて各種の制御を行う。同制御の一例として、各照明器具80のうちの一部の電灯を消灯状態に設定する間引き点灯制御、および各照明器具80間の寿命の差に応じて電灯86の動作状態を変更する寿命調整制御が挙げられる。
【0042】
下位通信部42は、照明器具80との間でDALI規格に基づく通信により信号の送受信を行う。上位通信部43は、サーバー20またはマスター30との間でEthernet(登録商標)プロトコルに基づくシリアル通信により信号の送受信を行う。
【0043】
照明器具80には、建造物に取り付けられる器具本体81と、器具本体81に取り付けられる電灯86とが設けられている。器具本体81には、処理部82、下位通信部83、および点灯回路部84が設けられている。
【0044】
処理部82は、入力された信号に基づいて各種の制御を行う。同制御の一例として、照明器具80の動作状態および動作状況を示す情報を生成し、この情報を伝送アダプター70に送信するものが挙げられる。
【0045】
電灯86は、蛍光電灯を含めて構成されている。点灯回路部84は、電灯86を点灯させるバラスト85を有する。下位通信部83は、伝送アダプター70との間でDALI規格に基づく通信により信号の送受信を行う。
【0046】
照明器具80においては、処理部82により電灯86の累積使用時間のカウントが行なわれる。また、カウントされた累積時使用時間が処理部82の記憶部に記憶される。また、電灯86が古い電灯86から新しい電灯86に交換されたとき、古い電灯86の累積使用時間が過去累積使用時間として処理部82の記憶部に記憶される。このとき、累積使用時間が初期化されることにより、新しい電灯86の累積使用時間のカウントが「0」から開始される。下位通信部83は、伝送インターフェース40から累積使用時間の送信を要求されたとき、累積使用時間を伝送インターフェース40に送信する。
【0047】
伝送インターフェース40は、下位通信部83から累積使用時間を受信したとき、累積使用時間を照明器具80の電灯86の寿命の指標として用いる。すなわち、累積使用時間が長くなるにつれて照明器具80の電灯86の寿命が短くなるものとして寿命調整制御を行なう。
【0048】
図1を参照して、照明器具80に関する制御等について説明する。
伝送インターフェース40は、照明スイッチ90の動作状態、予めプログラムされた間引き点灯制御および寿命調整制御に基づいて照明器具80の動作状態を変更する。照明器具80の動作状態には、「点灯状態」および「消灯状態」が含まれる。「点灯状態」は、電灯86が点灯しているときの照明器具80の動作状態を示す。また「消灯状態」は、電灯86が消灯しているときの照明器具80の動作状態を示す。
【0049】
照明スイッチ90は、トリガ入力としてのスイッチの動作状態の切り替えに基づいて、トリガ入力に対応した監視情報DMをNMAST(登録商標)プロトコルに基づく通信により制御コントローラー60に送信する。
【0050】
制御コントローラー60は、各照明スイッチ90からトリガ入力としての監視情報DMを受信したとき、この監視情報DMに対応した照明器具80を点灯するための個別点灯制御情報DLを生成する。また、各照明スイッチ90に対して複数の照明器具80が対応付けられているとき、各照明器具80宛ての個別点灯制御情報DLを含む1つの伝送情報DBを生成する。そして、個別点灯制御情報DLまたは伝送情報DBを伝送アダプター70に送信する。なお、監視情報DMの送信元である各照明スイッチ90と個別点灯制御情報DLの送信先となる照明器具80との対応関係は予め設定されている。
【0051】
伝送アダプター70は、制御コントローラー60から送信された伝送情報DBを受信したとき、この伝送アダプター70の下位側に接続されている照明器具80のアドレスが同伝送情報DBに含まれているか否かを判定する。そして、照明器具80のアドレスが含まれている旨判定したときには、伝送情報DBから照明器具80宛ての個別点灯制御情報DLを取り出し、この個別点灯制御情報DLを対応する照明器具80に送信する。
【0052】
照明器具80は、伝送アダプター70からこの照明器具80宛てに送信された個別点灯制御情報DLを受信したとき、個別点灯制御情報DLに基づいて点灯回路部84の出力を制御する。すなわち、処理部82により次のように照明器具80の動作状態および調光率の制御が行なわれる。
【0053】
処理部82は、個別点灯制御情報DLに基づいて、照明器具80の動作状態を変更するための指令信号、および照明器具80の調光率を変更するためのPWM調光信号の少なくとも一方を点灯回路部84に送信する。点灯回路部84は、処理部82から指令信号またはPWM調光信号を受信したとき、信号に応じた電流を電灯86に出力する。なお、調光率は、PWM調光信号のDUTY比に応じて変更される。
【0054】
照明器具80に関する一連の制御の流れを以下に示す。
照明スイッチ90がオフからオンに切り替えられたとき、または照明スイッチ90がオンからオフに切り替えられたとき、照明スイッチ90から制御コントローラー60に監視情報DMが送信される。そして、制御コントローラー60において個別点灯制御情報DLが生成された後、制御コントローラー60から伝送アダプター70に個別点灯制御情報DLを含む伝送情報DBが送信される。
【0055】
次に、伝送アダプター70において伝送情報DBから個別点灯制御情報DLが取り出された後、この個別点灯制御情報DLが伝送アダプター70から照明器具80に送信される。そして、照明器具80においてこの個別点灯制御情報DLが受信されたとき、同照明器具80が個別点灯制御情報DLに対応して動作する。すなわち、監視情報DMおよび個別点灯制御情報DLが照明スイッチ90のオフからオンへの操作に基づく情報のとき、電灯86が点灯される。また、監視情報DMおよび個別点灯制御情報DLが照明スイッチ90のオンからオフへの操作に基づく情報のとき、電灯86が消灯される。
【0056】
図3を参照して、間引き点灯制御の内容について説明する。間引き点灯制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは間引き点灯制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び間引き点灯制御が行なわれる。
【0057】
この制御においては、複数の照明器具80により構成される照明器具80のグループ(以下、「照明グループ」)を1つの伝送グループAに対して複数設定し、照明グループ単位で各照明器具80の動作状態を制御する。また、照明グループ単位で照明器具80の動作状態が互いに異なる複数の点灯パターンを予め用意し、一定時間が経過する毎に点灯パターンを現在の点灯パターンから別の点灯パターンに変更する。
【0058】
ここでは、照明グループとして、1つの伝送グループAに対して2つの照明グループ、すなわち第1照明グループGAおよび第2照明グループGBを設定している。また、点灯パターンとして以下の第1点灯パターンおよび第2点灯パターンを設定している。
【0059】
(A)第1点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの各照明器具80の動作状態が点灯状態、かつ第2照明グループGBの各照明器具80の動作状態が消灯状態に設定される。
【0060】
(B)第2点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの各照明器具80の動作状態が消灯状態、かつ第2照明グループGBの各照明器具80の動作状態が点灯状態に設定される。
【0061】
間引き点灯制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS11では、間引き点灯制御による点灯パターンの変更を行なう要求(以下、「間引き要求」)が設定されているか否かを判定する。間引き要求の初期値としては、自然光の大きい昼間の所定時間帯において点灯パターンの変更を行なうものが設定されている。この要求の内容は、マスター30の操作により変更することができる。
【0062】
間引き要求についての変更可能な内容には、以下のものが含まれている。
(A)間引き要求の設定および解除。
(B)点灯パターンの実行を行なう時間帯。
(C)使用する点灯パターン。
【0063】
ステップS12では、寿命調整制御によりパターン変更指令が設定されているか否かを判定する。パターン変更指令が設定されているとき、ステップS16の処理に移行する。パターン変更指令が設定されていないとき、ステップS13の処理に移行する。
【0064】
ステップS13では、現在の点灯パターンが選択されてからの経過時間(以下、「パターン継続時間」)が規定時間以上か否かを判定する。パターン継続時間が規定時間未満のとき、ステップS14の処理に移行する。パターン継続時間が規定時間以上のとき、ステップS15の処理に移行する。
【0065】
ステップS14では、現在の点灯パターンを引き続き選択する。
ステップS15では、現在の点灯パターンから別の点灯パターンに変更する。具体的には次のように点灯パターンの変更を行なう。
【0066】
(A)現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、点灯パターンを第1点灯パターンから第2点灯パターンに変更する。また、点灯パターンの変更にともない、新たに選択した第2点灯パターンについてパターン継続時間のカウントを開始する。
【0067】
(B)現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、点灯パターンを第2点灯パターンから第1点灯パターンに変更する。また、点灯パターンの変更にともない、新たに選択した第1点灯パターンについてパターン継続時間のカウントを開始する。
【0068】
ステップS16では、パターン変更指令により指定されている点灯パターンを選択する。パターン変更指令に基づいて点灯パターンを変更したときにも、新たに選択した点灯パターンについてパターン継続時間をカウントする。
【0069】
具体的には、次のように点灯パターンの選択を行なう。
(A)パターン変更指令により第1点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、引き続き第1点灯パターンを選択する。
(B)パターン変更指令により第1点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、点灯パターンを第1点灯パターンに変更する。
(C)パターン変更指令により第2点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、引き続き第2点灯パターンを選択する。
(D)パターン変更指令により第2点灯パターンが指定され、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、点灯パターンを第2点灯パターンに変更する。
【0070】
このように間引き点灯制御においては、寿命調整制御により設定されるパターン変更指令、または間引き点灯制御によりカウントしたパターン継続時間に基づいて、点灯パターンの変更を行なう。また、パターン継続時間に基づく制御よりもパターン変更指令に基づく制御を優先して行なう。
【0071】
図4を参照して、間引き点灯制御の一例について説明する。なお、図4において、白抜きの電灯86は点灯状態の電灯86を示している。また、ハッチング入りの電灯86は消灯状態の電灯86を示している。
【0072】
ここでは、1つの伝送グループA内において、縦3列および横3列に配置された合計9個の照明器具80が設けられている構成を前提とする。9個の照明器具80には、それぞれ1〜9までの番号が割り付けられている。以下では、1番〜9番の各番号が割り付けられた照明器具80をそれぞれ「第1照明器具80A」〜「第9照明器具80I」として示す。
【0073】
各照明グループには、次の照明器具80が含まれている。
(A)第1照明グループGAには、奇数番号の5つの照明器具80、すなわち第1照明器具80A、第3照明器具80C、第5照明器具80E、第7照明器具80G、および第9照明器具80Iが含まれている。
【0074】
(B)第2照明グループGBには、偶数番号の4つの照明器具80、すなわち第2照明器具80B、第4照明器具80D、第6照明器具80F、および第8照明器具80Hが含まれている。
【0075】
各照明器具80の動作状態は点灯パターンに応じて次のように変更される。
図4(a)に示されるように、第1点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの全ての照明器具80を点灯状態に設定し、第2照明グループGBの全ての照明器具80を消灯状態に設定する。そして、第1点灯パターンのパターン継続時間が規定時間以上のとき、または寿命調整制御により第2点灯パターンへの変更指令が設定されたとき、点灯パターンが第1点灯パターンから第2点灯パターンに変更される。
【0076】
図4(b)に示されるように、第2点灯パターンにおいては、第1照明グループGAの全ての照明器具80を消灯状態に設定し、第2照明グループGBの全ての照明器具80を点灯状態に設定する。そして、第2点灯パターンのパターン継続時間が規定時間以上のとき、または寿命調整制御により第1点灯パターンへの変更指令が設定されたとき、点灯パターンが第2点灯パターンから第1点灯パターンに変更される。
【0077】
図5を参照して、寿命調整制御の内容について説明する。寿命調整制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは寿命調整制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び寿命調整制御が行なわれる。
【0078】
寿命調整制御では、同一の伝送グループAに属する各照明器具80の電灯86の寿命の差が大きくなることを抑制するため、各照明器具80から受信した電灯86の累積使用時間に基づいて点灯パターンの変更を行なう。すなわち、所定の制御周期毎に伝送グループAに属する各照明器具80のうちの最も寿命が短い照明器具80(最短寿命器具)を抽出し、最短寿命器具を含む照明グループの各照明器具80が消灯状態となる点灯パターンを選択する。
【0079】
寿命調整制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS21では、各照明器具80に累積使用時間要求を送信する。
ステップS22では、各照明器具80から累積使用時間を取得する。
【0080】
ステップS23では、各照明器具80のうちの累積使用時間が最も長いものを抽出し、この照明器具80を最短寿命器具に設定する。累積使用時間が最も長い照明器具80が複数あるときには、これらの照明器具80の全部を最短寿命器具に設定する。
【0081】
ステップS24では、最短寿命器具が複数あるか否かを判定する。最短寿命器具が複数あるときにはステップS25の処理を実行してステップS26に移行する。最短寿命器具が1つのときにはステップS25の処理を省略してステップS26に移行する。
【0082】
ステップS25では、各照明器具80に設定されている消灯優先順位を確認し、消灯優先順位が最も高い1つの最短寿命器具のみについて最短寿命器具の設定を維持し、他の最短寿命器具については最短寿命器具の設定を解除する。
【0083】
例えば、図4の第1照明器具80A、第2照明器具80B、および第3照明器具80Cが最短寿命器具に設定され、かつ第1照明器具80A〜第3照明器具80Cの順に消灯優先順位が設定されているとき、第1照明器具80Aが最短寿命器具に設定される。
【0084】
ステップS26では、最短寿命器具が点灯状態か否かを判定する。最短寿命器具が点灯状態のときにはステップS27の処理に移行する。最短寿命器具が消灯状態のときにはステップS27およびステップS28の処理を省略する。
【0085】
ステップS27では、伝送グループAの照明器具80の点灯パターンを現在の点灯パターンから他方の点灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。具体的には以下の態様で行なう。
【0086】
(A)現在の点灯パターンが図4(a)の第1点灯パターンのとき、すなわち第1照明グループGAが点灯状態かつ第2照明グループGBが消灯状態のとき、点灯パターンを図4(b)の第2点灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。
【0087】
(B)現在の点灯パターンが図4(b)の第2点灯パターンのとき、すなわち第1照明グループGAが消灯状態かつ第2照明グループGBが点灯状態のとき、点灯パターンを図4(a)の第1点灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。
【0088】
ステップS28では、パターン変更指令に対応する個別点灯制御情報DLを各照明器具80に送信する。具体的には次のように各照明器具80に対する個別点灯制御情報DLの送信を行なう。
【0089】
(A)パターン変更指令により第1点灯パターンが指定されているとき、第1照明グループGAの各照明器具80には点灯状態に設定する旨の情報を送信し、第2照明グループGBの各照明器具80には消灯状態に設定する旨の情報を送信する。
【0090】
(B)パターン変更指令により第2点灯パターンが指定されているとき、第1照明グループGAの各照明器具80には消灯状態に設定する旨の情報を送信し、第2照明グループGBの各照明器具80には点灯状態に設定する旨の情報を送信する。
【0091】
このように寿命調整制御においては、点灯状態を照明器具80の寿命を消耗させる消耗因子とし、点灯状態の選択にともなう累積使用時間の増加度合いを消耗因子の増加度合いとしての消耗速度として、第1照明グループGAまたは第2照明グループGBに最短寿命器具が含まれるとき、この照明グループの動作状態を消灯状態に設定する。すなわち、一方の照明グループに含まれる最短寿命器具の累積使用時間の増加度合いを他方の照明グループの照明器具80の累積使用時間の増加度合いよりも小さくする。
【0092】
図5および図6を参照して、寿命調整制御の実行態様の一例について説明する。なお、図6においては、各照明器具80をセルとして示している。また、各セル内に記載の数字は、対応する照明器具80の累積使用時間を示している。また、白抜きのセルは点灯状態の照明器具80を示している。また、ハッチング入りのセルは消灯状態の照明器具80を示している。
【0093】
図6においては、寿命調整制御の所定の制御周期として「3時間」が設定されていることを前提として、3時間毎に寿命調整制御が行なわれることにともなう各照明器具80の動作状態の変化が示されている。
【0094】
図6(a)は、任意の時間においての各照明器具80の状態を、図6(b)は、図6(a)の状態から3時間が経過した後の各照明器具80の状態を示している。また、図6(c)は図6(b)と同時間において点灯パターンが変更された状態を、図6(d)は図6(c)の状態から3時間が経過した後の各照明器具80の状態を示している。また、図6(e)は図6(d)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。
【0095】
各照明器具80が図6(a)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図5の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0096】
ステップS23では、累積使用時間が「10時間」の第2照明器具80Bが最短寿命器具に設定される。次のステップS26では、第2照明器具80Bが消灯状態にある旨判定される。このため、現在の第1点灯パターンが維持された状態で寿命調整制御が一旦終了する。
【0097】
寿命調整制御が一旦終了されてから第1点灯パターンが維持された状態で3時間が経過したとき、各照明器具80の累積使用時間は図6(a)に示される累積使用時間から図6(b)に示される累積使用時間に変化する。
【0098】
各照明器具80が図6(b)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図5の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0099】
ステップS23では、累積使用時間が「11時間」の第5照明器具80Eが最短寿命器具に設定される。次のステップS26では、第5照明器具80Eが点灯状態にある旨判定される。
【0100】
このため、次のステップS27では、点灯パターンが第1点灯パターンから第2点灯パターンに変更される。次のステップS28では、第2点灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図6(b)の第1点灯パターンから図6(c)の第2点灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了する。
【0101】
寿命調整制御が一旦終了されてから第2点灯パターンが維持された状態で3時間が経過したとき、各照明器具80の累積使用時間は図6(c)に示される累積使用時間から図6(d)に示される累積使用時間に変化する。
【0102】
各照明器具80が図6(d)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第2点灯パターンに設定されているとき、図4の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0103】
ステップS23では、累積使用時間が「13時間」の第2照明器具80Bが最短寿命器具に設定される。次のステップS26では、第2照明器具80Bが点灯状態にある旨判定される。
【0104】
このため、次のステップS27では、点灯パターンが第2点灯パターンから第1点灯パターンに変更される。次のステップS28では、第1点灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図6(d)の第2点灯パターンから図6(e)の第1点灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了する。
【0105】
図7のシーケンス図を参照して、寿命調整制御の流れについて説明する。
伝送インターフェース40は、1つの伝送グループAに所属する各照明器具80に対して電灯86の累積使用時間を要求する累積使用時間要求を照明器具80に送信する。各照明器具80は、伝送インターフェース40から累積使用時間要求を受信したとき、記憶部から累積使用時間を取得する。そして、取得した累積使用時間を伝送インターフェース40に送信する。
【0106】
伝送インターフェース40は、各照明器具80から累積使用時間を受信したとき、各照明器具80の累積使用時間を比較する。そして、比較の結果に基づいて各照明器具80に対する個別点灯制御情報DLを作成し、この個別点灯制御情報DLを各照明器具80に送信する。各照明器具80は、伝送インターフェース40から個別点灯制御情報DLを受信したとき、この個別点灯制御情報DLに基づいて電灯86を点灯または消灯する。
【0107】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば以下の効果が得られる。
(1)照明制御システム1は、第1照明グループGAに含まれる照明器具80の電灯86の寿命、および第2照明グループGBに含まれる照明器具80の電灯86の寿命に応じて、各照明器具80の点灯パターンを変更する。すなわち、第1照明グループGAに最短寿命器具が含まれるとき、第1照明グループGAを消灯状態に設定し、かつ第2照明グループGBを点灯状態に設定する。また、第2照明グループGBに最短寿命器具が含まれるとき、第2照明グループGBを消灯状態に設定し、かつ第1照明グループGAを点灯状態に設定する。
【0108】
この構成によれば、最短寿命器具としての照明器具80の電灯86の寿命と、最短寿命器具が含まれない照明グループの各照明器具80の電灯86の寿命との差が大きくなることが抑制される。このため、最短寿命器具と同器具を含まない他の照明グループとの使用時間に大きな差が生じることが抑制される。
【0109】
(2)照明制御システム1は、同一の伝送グループAに属する照明器具80において短寿命器具数が所定数よりも大きいとき、消灯優先順位に基づいて複数の短寿命照明器具のなかから制御対象器具に設定する1つの照明器具80を選択する。
【0110】
この構成によれば、累積点灯時間が同一の照明器具80が複数ある場合において、全ての照明器具80の動作状態が消灯状態に設定されることが抑制される。また、ユーザーの生活環境に適した順位を消灯優先順位として設定することにより、間引き点灯制御に起因してユーザーの利便性が低下することが抑制される。なお、ユーザーの生活環境に適した消灯優先順位の一例として、デスクの配置場所または部屋の入口に近い場所の消灯優先順位を低くするものが挙げられる。この場合には、ユーザーが頻繁に利用する可能性の高い場所の照明器具80が消灯状態に設定される頻度が少なくなるため、ユーザーの利便性の低下が抑制される。
【0111】
(3)照明制御システム1は、サーバー20と照明器具80との間で情報の送受信を仲介する伝送インターフェース40を有する。この構成によれば、通信方式が互いに異なる照明器具80とサーバー20との間において、信号の送受信を行うことができる。
【0112】
(4)照明制御システム1の伝送アダプター70は、複数の照明器具80のそれぞれから送信された情報を1つの伝送情報DBにまとめて上位側に送信する機能を有する。また、上位側から受信した複数の照明器具80のそれぞれに対する情報をまとめた伝送情報DBを複数の照明器具80に送信する機能を有する。
【0113】
この構成によれば、伝送アダプター70に直接的に接続される複数の照明器具80の情報が集約されるため、照明器具80とサーバー20または制御コントローラー60との間での情報の伝達量が増大することが抑制される。
【0114】
(5)照明制御システム1の上位制御システム10は、複数の照明器具80を一元的に管理する上位コントローラー50を有する。この構成によれば、複数の照明器具80の動作状態を一括して把握することができる。
【0115】
(6)照明制御システム1は、複数の単位制御グループUを有する。また、上位コントローラー50には、複数の単位制御グループUの制御コントローラー60が並列的に接続されている。
【0116】
この構成によれば、制御コントローラー60を1つだけ備え、かつ同コントローラー50に対して全ての照明器具80が接続される構成と比較して、1つの制御コントローラー60の記憶容量を小さくすることができる。
【0117】
(7)照明制御システム1は、通信機能を有する各照明器具80と、各照明器具80との間で情報を送受信する制御コントローラー60とを有する。
この構成によれば、照明器具80が通信機能を有しているため、照明器具80の動作状態の制御および動作状況の監視のために、照明器具80とは別に通信機能を有する装置(例えばリレー制御端末器)を設ける必要がない。また、リレー制御端末器を設ける構成においては、分電盤内に配置されるリモコンリレーと照明器具80との間の配線が必要となるため、レイアウトの変更にともない照明器具80のグループ分けが変更されるときには配線の変更も必要となる。本実施形態の上記構成によれば、リレー制御端末器が不要となるため、各照明器具80のグループ分けを容易に変更することができる。
【0118】
(第2実施形態)
本実施形態の照明制御システム1は、図1および図2の第1実施形態の照明制御システム1の間引き点灯制御および寿命調整制御の内容を次のように変更したものとして構成されている。
【0119】
(A)第1実施形態の間引き点灯制御においては、選択可能な点灯パターンとして、第1点灯パターンおよび第2点灯パターンが用意されている。これに対して本実施形態の間引き点灯制御においては、選択可能な点灯パターンとして、1つの伝送グループAの照明器具80のうち特定数の照明器具を消灯状態に設定し、かつ他の照明器具を点灯状態に設定する全ての点灯パターンが用意されている。
【0120】
(B)第1実施形態の寿命調整制御においては、消灯状態に設定する照明器具80の優先順位を定めるものとして消灯優先順位が予め設定されている。これに対して本実施形態の寿命調整制御においては、各照明器具80の累積使用時間の順位に基づいて、消灯状態に設定する照明器具80の優先順位がその都度定められる。
【0121】
なお、本実施形態の照明制御システム1において、上記変更点およびこの変更に関連する構成以外は第1実施形態の照明制御システム1と同様の構成が採用されているため、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を適宜省略する。
【0122】
図3を参照して、本実施形態の間引き点灯制御の内容について説明する。
ステップS11〜S14、およびS16において第1実施形態の間引き点灯制御と同じ処理を行なう。ステップS15では、現在の点灯パターンから別の点灯パターンに変更する。
【0123】
この間引き点灯制御においては、選択可能な点灯パターンとして、点灯状態の照明器具80が5つかつ消灯状態の照明器具80が4つに設定される点灯パターンの全てが用意されている。このなかには、第1実施形態の第1点灯パターンも含まれる。
【0124】
図8を参照して、寿命調整制御の内容について説明する。寿命調整制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは寿命調整制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び寿命調整制御が行なわれる。
【0125】
寿命調整制御では、同一の伝送グループAに属する各照明器具80の電灯86の寿命の差が大きくなることを抑制するため、各照明器具80から受信した電灯86の累積使用時間に基づいて点灯パターンの変更を行なう。
【0126】
すなわち、所定の制御周期毎に伝送グループAに属する各照明器具80の寿命を寿命が短い順に順位付けし、1位から所定の順位までの照明器具80を短寿命器具とし、所定の順位よりも下位の照明器具80を長寿命器具として取り扱う。そして、短寿命器具を消灯状態に設定し、かつ長寿命器具を点灯状態に設定する点灯パターンを「短寿命消灯パターン」として、点灯パターンを現在の点灯パターンから短寿命消灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。
【0127】
寿命調整制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS31では、各照明器具80に累積使用時間要求を送信する。
ステップS32では、各照明器具80から累積使用時間を取得する。
【0128】
ステップS33では、各照明器具80の累積使用時間が長い順に順位付けする。
ステップS34では、累積使用時間が同じ照明器具80があるか否かを判定する。累積使用時間が同じ照明器具80があるとき、ステップS35の処理を実行してステップS36に移行する。累積使用時間が同じ照明器具80がないとき、ステップS35の処理を省略してステップS36に移行する。
【0129】
ステップS35では、各照明器具80に設定されている消灯優先順位を確認し、累積使用時間が同じ複数の照明器具80に対して消灯優先順位が高い順に順位付けする。
ステップS36では、伝送グループAの照明器具80の点灯パターンを現在の点灯パターンから短寿命消灯パターンに変更するためのパターン変更指令を設定する。ここでは、短寿命消灯パターンとして、累積使用時間の長さが1位〜4位の照明器具80を消灯状態に設定し、かつ5位〜9位の照明器具80を点灯状態に設定するものが選択される。
【0130】
ステップS37では、パターン変更指令に対応する個別点灯制御情報DLを各照明器具80に送信する。具体的には、図9に示されるように各照明器具80に対する個別点灯制御情報DLの送信を行なう。
【0131】
図8および図9を参照して、寿命調整制御の実行態様の一例について説明する。なお、図9においては、各照明器具80をセルとして示している。また、各セル内に記載の数字は、対応する照明器具80の累積使用時間を示している。また、白抜きのセルは点灯状態の照明器具80を示している。また、ハッチング入りのセルは消灯状態の照明器具80を示している。
【0132】
図9においては、寿命調整制御の所定の制御周期として「3時間」が設定されていることを前提として、3時間毎に寿命調整制御が行なわれることにともなう各照明器具80の動作状態の変化が示されている。
【0133】
図9(a)は、任意の時間においての各照明器具80の状態を、図9(b)は図9(a)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。図9(c)は図9(b)の状態から3時間が経過した後の各照明器具80の状態を示している。また、図9(d)は図9(c)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。
【0134】
各照明器具80が図9(a)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図8の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0135】
ステップS33では、各照明器具80に対して累積使用時間の長い順に1位〜9位の順位が付けられる。このため、次のステップS36では、点灯パターンが第1点灯パターンから短寿命消灯パターンに変更される。これにより、累積使用時間が1位〜4位までの照明器具80、すなわち第1照明器具80A、第4照明器具80D、第5照明器具80E、および第6照明器具80Fが消灯状態に変更される。また、累積使用時間が5位〜9位の照明器具80、すなわち第2照明器具80B、第3照明器具80C、第7照明器具80G、第8照明器具80H、および第9照明器具80Iが点灯状態に変更される。
【0136】
次のステップS37では、ステップS36で設定した短寿命消灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図9(a)の第1点灯パターンから図9(b)の短寿命消灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了される。
【0137】
寿命調整制御が一旦終了されてから点灯パターンが維持された状態で3時間が経過したとき、各照明器具80の累積使用時間は、図9(b)に示される累積使用時間から図9(c)に示される累積使用時間に変化する。
【0138】
各照明器具80が図9(c)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが短寿命消灯パターンに設定されているとき、図8の寿命調整制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0139】
ステップS33では、各照明器具80に対して累積使用時間の長い順に順位が付けられる。このとき、第4照明器具80Dの累積使用時間と第7照明器具80Gの累積使用時間とが互いに同じ時間のため、これらの照明器具80には2位の順位が付けられる。また、第5照明器具80Eの累積使用時間と第8照明器具80Hの累積使用時間とが互いに同じ時間のため、これらの照明器具80には4位の順位が付けられる。また、第6照明器具80Fの累積使用時間と第9照明器具80Iの累積使用時間とが互いに同じ時間のため、これらの照明器具80には6位の順位が付けられる。
【0140】
次のステップS35では、累積使用時間の順位が互いに同じ照明器具80に対して、消灯優先順位に基づいて異なる順位が付けられる。このため、第1照明器具80A、第4照明器具80D、第7照明器具80G、第5照明器具80E、第8照明器具80H、第6照明器具80F、第9照明器具80I、第3照明器具80C、および第2照明器具80Bの順に1位〜9位までの順位が付けられる。
【0141】
次のステップS36では、点灯パターンが図9(c)の短寿命消灯パターンから図9(d)の短寿命消灯パターンに変更される。これにより、累積使用時間が1位〜4位までの照明器具80、すなわち第1照明器具80A、第4照明器具80D、第7照明器具80G、および第5照明器具80Eが消灯状態に変更される。また、累積使用時間が5位〜9位の照明器具80、すなわち第8照明器具80H、第6照明器具80F、第9照明器具80I、第3照明器具80C、および第2照明器具80Bが点灯状態に変更される。
【0142】
次のステップS37では、ステップS36で設定した短寿命消灯パターンに対応する個別点灯制御情報DLが各照明器具80に送信される。このため、点灯パターンが図9(c)の短寿命消灯パターンから図9(d)の短寿命消灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に寿命調整制御が一旦終了する。
【0143】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば、第1実施形態の(2)〜(7)の効果、および以下の(8)の効果が得られる。
【0144】
(8)照明制御システム1は、伝送グループAを構成する各照明器具80の電灯86に寿命の順位を付ける。そして、寿命の順位が1位〜4位の照明器具80すなわち短寿命器具の動作状態を消灯状態に設定し、寿命の順位が5位〜9位の照明器具80すなわち長寿命器具の動作状態を点灯状態に設定する。
【0145】
この構成によれば、短寿命器具としての照明器具80の電灯86の寿命と、長寿命器具としての照明器具80の電灯86の寿命との差が大きくなることが抑制される。このため、各照明器具80の使用時間に大きな差が生じることを抑制することができる。
【0146】
(第3実施形態)
本実施形態の照明制御システム1は、図1および図2の第1実施形態の照明制御システム1の間引き点灯制御および寿命調整制御に加えて照度保証制御を行なうものとして構成されている。
【0147】
なお、本実施形態の照明制御システム1において、上記変更点およびこの変更に関連する構成以外は第1実施形態の照明制御システム1と同様の構成が採用されているため、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を適宜省略する。
【0148】
照明器具80の処理部82は、点灯回路部84の電圧変化に基づいて電灯86の球切れが生じているか否かを判定する。そして、球切れが生じている旨判定したとき、本照明器具80を「使用済器具」として設定する。また、電灯86が球切れした電灯86から新しい電灯86に交換されたとき、「使用済器具」の設定を解除する。
【0149】
伝送インターフェース40の処理部41は、選択中の点灯パターンにおいて点灯状態に設定されている点灯グループに使用済器具が含まれているとき、使用済器具を含まない点灯グループが点灯状態に設定される点灯パターンに変更するための「照度保証制御」を実行する。
【0150】
図10を参照して、照度保証制御の内容について説明する。照度保証制御は、伝送インターフェース40により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは照度保証制御の実行が保留され、所定の制御周期が経過したときに再び間引き点灯制御が行なわれる。
【0151】
照度保証制御の具体的な手順を以下に示す。
ステップS41では、使用済器具が設定されているか否かを判定する。
ステップS42では、間引き点灯制御が実行されているか否かを判定する。
【0152】
ステップS43では、点灯状態に設定される照明グループに使用済器具が含まれているか否かを判定する。
間引き点灯制御が実行されているとき、かつ点灯状態に設定される照明グループに使用済器具が含まれているとき、ステップS44の処理に移行し、使用済器具が含まれていない点灯パターンを選択する。
【0153】
具体的には、次のように点灯パターンの選択を行なう。
(A)第2照明グループGBが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、引き続き第1点灯パターンを選択する。
(B)第1照明グループGAが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第1点灯パターンのとき、点灯パターンを第2点灯パターンに変更する。
(C)第2照明グループGBが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、点灯パターンを第1点灯パターンに変更する。
(D)第1照明グループGAが使用済器具を含み、かつ現在の点灯パターンが第2点灯パターンのとき、引き続き第2点灯パターンを選択する。
【0154】
図10および図11を参照して、寿命調整制御の実行態様の一例について説明する。なお、図10においては、各照明器具80をセルとして示している。また、各セル内に記載の数字は、対応する照明器具80の累積使用時間を示している。また、白抜きのセルは点灯状態の照明器具80を示している。また、ハッチング入りのセルは消灯状態の照明器具80を示している。また、「×」は、球切れが発生していることを示している。
【0155】
図11(a)は任意の時間においての各照明器具80の状態を、図11(b)は図11(a)と同時間において第1照明器具80Aに球切れが発生した状態を示している。図11(c)は図11(b)と同時間において点灯パターンが変更された状態を示している。
【0156】
各照明器具80が図11(a)に示される状態のとき、すなわち点灯パターンが第1点灯パターンに設定されているとき、図10の照度保証制御において次のように各ステップの処理が行なわれる。
【0157】
各照明器具80の状態が図11(a)から図11(b)に移行したとき、ステップS41において、第1照明器具80Aにおいて球切れが検出される。
次のステップS42およびステップS43において、間引き点灯制御の実行中である旨および第1照明器具80Aが点灯状態に設定されている旨が判定される。そして、ステップS44において、第1照明器具80Aが消灯状態に設定される第2点灯パターンが選択される。このため、点灯パターンが図11(b)の第1点灯パターンから図11(c)の第2点灯パターンに変更される。そして、点灯パターンの変更後に照度保証制御が一旦終了する。
【0158】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば、第1実施形態の(2)〜(7)の効果、および以下の(9)の効果が得られる。
【0159】
(9)照明制御システム1は、第1照明グループGAが使用済器具を含み、かつ第2照明グループGBが使用済器具を含まないとき、第1照明グループGAを消灯するとともに第2照明グループGBを点灯する第2点灯パターンに設定する。また、第2照明グループGBが使用済器具を含み、かつ第1照明グループGAが使用済器具を含まないとき、第2照明グループGBを消灯するとともに第1照明グループGAを点灯する第1点灯パターンに設定する。この構成によれば、使用済器具を含む照明グループが点灯状態に設定されることに起因して、実際の点灯状態が設定した点灯状態と異なるものになることが抑制される。
【0160】
(第4実施形態)
本実施形態の照明制御システム1は、図1および図2の第1実施形態の照明制御システム1の間引き点灯制御および寿命調整制御に加えて報知制御を行なうものとして構成されている。
【0161】
なお、本実施形態の照明制御システム1において、上記変更点およびこの変更に関連する構成以外は第1実施形態と同様の構成が採用されているため、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を適宜省略する。
【0162】
報知制御の手順について説明する。
図2の照明器具80の処理部82は、電灯86の累積使用時間が所定の判定時間を超えたか否かを判定する。そして、照明器具80の累積使用時間が規定の時間よりも短い状態を「通常状態」とし、照明器具80の寿命が規定の時間よりも長い状態を「末期状態」として、末期状態の照明器具80の動作状態を通常状態の照明器具80の動作状態と異なるものに設定する。また、電灯86が古い電灯86から新しい電灯86に交換されたとき、末期状態の設定を解除する。
【0163】
すなわち処理部82は、照明器具80の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、照明器具80の寿命が規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、末期状態の照明器具80の動作状態を通常状態の照明器具80の動作状態と異なるものに設定する。
【0164】
伝送インターフェース40の処理部41は、末期状態の設定を検出したとき、末期状態の照明器具80を点滅させる個別点灯制御情報DLを作成し、対応する照明器具80に送信する。
【0165】
(実施形態の効果)
本実施形態の照明制御システム1によれば、第1実施形態の(2)〜(7)の効果、および以下の(10)の効果が得られる。
【0166】
(10)照明制御システム1は、末期状態の照明器具80を点滅させる。この構成によれば、ユーザーに対して、点滅している照明器具80が末期状態にあることを認識させることができる。
【0167】
(その他の実施形態)
本発明の実施態様は第1〜第4実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、第1〜第4実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0168】
・第1実施形態(図5)では、ステップS23において、累積使用時間が最も長い照明器具80が複数あるとき、これらの照明器具80の全部を最短寿命器具に設定しているが、最短寿命器具の設定条件を以下のように変更することもできる。
【0169】
すなわち、累積使用時間が最も長い照明器具80と累積使用時間が2番目に長い照明器具80との累積使用時間の差が所定の範囲内のとき、累積使用時間が最も長い照明器具80および累積使用時間が2番目に長い照明器具80を最短寿命器具に設定する。
【0170】
・第4実施形態(図1)では、報知制御において末期状態の照明器具80を点滅させているが、末期状態の照明器具80の照度を通常状態の照明器具80の照度よりも低下させることもできる。また、この照度を低下させる制御を第1実施形態(図5)の寿命調整制御に加えることもできる。
【0171】
・第1〜第4実施形態(図3)では、間引き点灯制御の実行中に寿命調整制御による点灯パターンの変更を実行しているが、間引き点灯制御が行なわれていないときに寿命調整制御を実行することもできる。この場合の寿命調整制御の一例としては、所定時間毎に各照明器具80の寿命を確認し、確認結果に基づいて設定した最短寿命器具を消灯状態に設定することができる。
【0172】
・第1〜第4実施形態(図5)では、寿命調整制御において伝送グループAにおいて最も寿命が短い電灯86を備える照明器具を短寿命器具として点灯パターン変更指令を設定しているが、点灯パターン変更指令の設定条件を次のように変更することもできる。
【0173】
すなわち、第1照明グループGAに含まれる複数の照明器具80のうちの寿命が最も短いものを「第1短寿命器具」とし、第2照明グループGBに含まれる複数の照明器具80のうちの寿命が最も短いものを「第2短寿命器具」として設定する。そして、第1短寿命器具の寿命が第2短寿命器具の寿命よりも短いとき、第1照明グループGAの各照明器具80を消灯状態に設定し、第2照明グループGBの各照明器具80を点灯状態に設定する。すなわち、点灯パターンとして第2点灯パターンを選択する。また、第2短寿命器具の寿命が第1短寿命器具の寿命よりも短いとき、第2照明グループGBの各照明器具80を消灯状態に設定し、第1照明グループGAの各照明器具80を点灯状態に設定する。すなわち、点灯パターンとして第1点灯パターンを選択する。
【0174】
・第1〜第4実施形態(図5)では、照明器具80同士の累積使用時間の比較に基づいて点灯パターンを選択しているが、同一の伝送グループAにおいて一の照明器具80の寿命と他の照明器具80との寿命との差が大きいことに基づいて、一の照明器具80を消灯状態に設定することもできる。
【0175】
・第1〜第4実施形態(図2)では、間引き点灯制御および寿命点灯制御において、照明器具80の動作状態を点灯状態または消灯状態に変更しているが、点灯回路部84の調光率を照明器具80の動作状態として変更することもできる。
【0176】
すなわち、調光率の大きさを照明器具80の寿命を消耗させる消耗因子とし、調光率の累積印加量の増加度合いを消耗因子の増加度合いとしての消耗速度として、第1照明グループGAまたは第2照明グループGBに最短寿命器具が含まれるとき、この照明グループの調光率を規定の調光率よりも低い調光率に変更する。すなわち、一方の照明グループに含まれる最短寿命器具の累積印加量の増加度合いを他方の照明グループの照明器具80の累積印加量の増加度合いよりも小さくする。なお、累積印加量は調光率の大きさおよび印加時間の関数として算出される。
【0177】
・第1〜第4実施形態(図2)の寿命調整制御に次の制御を加えることもできる。
寿命が長い照明器具80においては、調光率を小さくしても同照明器具80の使用環境において必要な照度を維持することができる。また、調光率を小さくすることにより同照明器具80の消耗速度が小さくなる。このため、調光率を一定の大きさに設定して照明器具80を使用する構成と比較して、照明器具80の寿命が長くなる。また、照明器具80の照度は同構成よりも小さくなるものの、使用環境において必要な照度が維持されるため、実用上の問題が生じるおそれが小さい。この場合の具体的な制御手順の一例を以下に示す。
【0178】
寿命調整制御においては、各照明器具80の累積点灯時間が判定時間よりも大きいか否かを判定する。そして、累積点灯時間が判定時間よりも小さい照明器具80については調光率を基準調光率よりも小さくする。また、累積点灯時間が判定時間以上の照明器具80については調光率を基準調光率よりも大きくする。すなわち、累積点灯時間が判定時間以上の照明器具80の消耗速度を累積点灯時間が判定時間よりも小さい照明器具80の消耗速度よりも小さくする。
【0179】
・第1〜第4実施形態(図2)の寿命調整制御に次の制御を加えることもできる。
間引き点灯制御の点灯パターンとして、3つ以上の照明器具80(例えば、図6第1照明器具80A、第2照明器具80B、および第3照明器具80C)が一列に配置された照明器具80の列において、第1照明器具80Aが消灯状態に設定され、かつ第2照明器具80Bおよび第3照明器具80Cが点灯状態に設定される点灯パターンを用意する。
【0180】
そして、間引き点灯制御においてこの点灯パターンが選択されたとき、第2照明器具80Bの照度を第3照明器具80Cよりも小さくする。すなわち、第1照明器具80Aの消耗速度を第2照明器具80Bおよび第3照明器具80Cの消耗速度よりも小さくしたとき、第2照明器具80Bの動作状態を第1照明器具80Aの動作状態に応じて変更する。
【0181】
この構成によれば、1つの伝送グループAにおいて隣り合う照明器具80の照度に大きな差が生じることが抑制される。なお、第1照明器具80Aは「照明器具A」に相当し、第2照明器具80Bは「照明器具C」に相当し、第3照明器具80Cは「照明器具B」に相当する。
【0182】
・第1〜第4実施形態(図2)では、間引き点灯制御および寿命点灯制御において照明器具80の動作状態を消灯状態または点灯状態に変更しているが、照明器具80の動作状態としての色温度を変更することもできる。
【0183】
・第1〜第4実施形態(図2)では、照明器具80の電灯86として蛍光電灯を含めて構成されたものを用いているが、発光ダイオードを含めて構成される電灯86を用いることもできる。
【0184】
・第1〜第4実施形態(図2)では、電灯86の累積使用時間を照明器具80の寿命の指標として用いているが、照明器具80の寿命の指標とするものを次のように変更することもできる。
(A)バラスト85の累積使用時間を照明器具80の寿命の指標として用いる。
(B)器具本体81の累積使用時間を照明器具80の寿命の指標として用いる。
(C)動作状態の切り替え回数を照明器具80の寿命の指標として用いる。
【0185】
なお、動作状態の切り替え回数のカウント方法としては例えば次のものが挙げられる。すなわち、動作状態が点灯状態から消灯状態に切り替えられたとき、および消灯状態から点灯状態に切り替えられたときをそれぞれ1回の切り替えが行なわれた回数としてカウントする。
【0186】
・第1〜第4実施形態(図1)では、各照明スイッチ90から送信される監視情報DMに基づいて、対応する照明器具80の制御が制御コントローラー60により個別に行なわれるが、照明器具80の制御態様を次のように変更することもできる。すなわち、各照明スイッチ90から送信される監視情報DMに基づいて、対応する照明器具80の制御を上位コントローラー50または伝送アダプター70により個別に行なうこともできる。
【0187】
・第1〜第4実施形態(図1)では、制御コントローラー60と各照明器具80との間に伝送アダプター70が設けられているが、伝送アダプター70を省略することもできる。この場合には、制御コントローラー60と各照明器具80とが情報伝達機器を介することなく互いに接続される。
【0188】
・第1〜第4実施形態(図1)では、上位コントローラー50と各伝送アダプター70との間に制御コントローラー60が設けられているが、制御コントローラー60を省略することもできる。この場合には、上位コントローラー50と各伝送アダプター70とが情報伝達機器を介することなく互いに接続される。
【0189】
・第1〜第4実施形態(図1)では、上位制御システム10に上位コントローラー50が設けられているが、上位コントローラー50を省略することもできる。この場合には、サーバー20およびマスター30と制御コントローラー60とが情報伝達機器を介することなく互いに接続される。
【0190】
・第1〜第4実施形態(図1)では、マスター30およびサーバー20と各照明器具80との間に伝送インターフェース40が設けられているが、伝送インターフェース40を省略することもできる。この場合、マスター30およびサーバー20と各照明器具80との間では同一の通信方式により通信が行なわれる。また、照明器具80の個別点灯制御をはじめとする各種制御がマスター30およびサーバー20により行なわれる。
【符号の説明】
【0191】
1…照明制御システム、80,80A〜80I…照明器具(照明器具A、照明器具B)、86…電灯。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のうちの1つを「照明器具A」とし、前記複数の照明器具のうちの別の1つを「照明器具B」として、前記照明器具Aの寿命および前記照明器具Bの寿命に応じて前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうこと
を特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、前記消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aを消灯すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの調光率を前記照明器具Bの調光率よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの寿命と前記照明器具Bの寿命との差が所定の差よりも大きいとき、前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうこと
を特徴とする照明制御システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」とし、前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、この消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、
前記複数の照明器具の少なくとも1つが前記末期状態のとき、前記末期状態の照明器具の消耗速度を前記通常状態の照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項7】
請求項6に記載の照明制御システムにおいて、
累積使用時間が規定の時間よりも大きい照明器具を前記末期状態の照明器具として取り扱うこと
を特徴とする照明制御システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具について寿命が短い順に順位付けすること、
ならびに、寿命が所定の順位までの照明器具を「短寿命器具」とし、前記所定の順位よりも下位の寿命の照明器具を「長寿命器具」として、前記短寿命器具の消耗速度を前記長寿命器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の照明制御システムにおいて、
前記消耗速度の変更の対象とする照明器具を「制御対象器具」とし、前記制御対象器具を設定するための優先順位を「制御優先順位」とし、前記短寿命器具の総数を「短寿命器具総数」として、
前記短寿命器具総数が所定数よりも大きいとき、前記制御優先順位に基づいて前記複数の短寿命器具のなかから前記制御対象器具に設定する照明器具を選択すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、
ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「最短寿命器具」として、前記第1照明グループが前記最短寿命器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記最短寿命器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、
ならびに、前記第1照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第1短寿命器具」とし、前記第2照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第2短寿命器具」として、前記第1短寿命器具の寿命が前記第2短寿命器具の寿命よりも短いとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、
ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が尽きたものを「使用済器具」として、前記第1照明グループが前記使用済器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記使用済器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項13】
請求項3に記載の照明制御システム、または請求項4〜12のいずれか一項のうちの請求項3を引用する請求項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの周囲に設けられる別の照明器具を「照明器具C」として、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくしたとき、前記照明器具Cの動作状態を前記照明器具Aの動作状態に応じて変更すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態と異なるものに設定すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項15】
複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態とは異なるものに設定すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命として前記照明器具の電灯の寿命を用いること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項1】
複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のうちの1つを「照明器具A」とし、前記複数の照明器具のうちの別の1つを「照明器具B」として、前記照明器具Aの寿命および前記照明器具Bの寿命に応じて前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうこと
を特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、前記消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aを消灯すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの寿命が前記照明器具Bの寿命よりも短いとき、前記照明器具Aの調光率を前記照明器具Bの調光率よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの寿命と前記照明器具Bの寿命との差が所定の差よりも大きいとき、前記照明器具Aおよび前記照明器具Bの少なくとも一方の動作状態を変更する制御を行なうこと
を特徴とする照明制御システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」とし、前記照明器具の寿命を消耗させる因子を「消耗因子」とし、この消耗因子の増加度合いを「消耗速度」として、
前記複数の照明器具の少なくとも1つが前記末期状態のとき、前記末期状態の照明器具の消耗速度を前記通常状態の照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項7】
請求項6に記載の照明制御システムにおいて、
累積使用時間が規定の時間よりも大きい照明器具を前記末期状態の照明器具として取り扱うこと
を特徴とする照明制御システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具について寿命が短い順に順位付けすること、
ならびに、寿命が所定の順位までの照明器具を「短寿命器具」とし、前記所定の順位よりも下位の寿命の照明器具を「長寿命器具」として、前記短寿命器具の消耗速度を前記長寿命器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の照明制御システムにおいて、
前記消耗速度の変更の対象とする照明器具を「制御対象器具」とし、前記制御対象器具を設定するための優先順位を「制御優先順位」とし、前記短寿命器具の総数を「短寿命器具総数」として、
前記短寿命器具総数が所定数よりも大きいとき、前記制御優先順位に基づいて前記複数の短寿命器具のなかから前記制御対象器具に設定する照明器具を選択すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、
ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「最短寿命器具」として、前記第1照明グループが前記最短寿命器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記最短寿命器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、
ならびに、前記第1照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第1短寿命器具」とし、前記第2照明グループに含まれる複数の照明器具のうちの寿命が最も短いものを「第2短寿命器具」として、前記第1短寿命器具の寿命が前記第2短寿命器具の寿命よりも短いとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記複数の照明器具のなかに照明器具のグループとして第1照明グループおよび第2照明グループを設定すること、
ならびに、前記複数の照明器具のうちの寿命が尽きたものを「使用済器具」として、前記第1照明グループが前記使用済器具を含み、かつ前記第2照明グループが前記使用済器具を含まないとき、前記第1照明グループの各照明器具の消耗速度を前記第2照明グループの各照明器具の消耗速度よりも小さくすること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項13】
請求項3に記載の照明制御システム、または請求項4〜12のいずれか一項のうちの請求項3を引用する請求項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具Aの周囲に設けられる別の照明器具を「照明器具C」として、前記照明器具Aの消耗速度を前記照明器具Bの消耗速度よりも小さくしたとき、前記照明器具Cの動作状態を前記照明器具Aの動作状態に応じて変更すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態と異なるものに設定すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項15】
複数の照明器具を個別に制御する照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命が規定の寿命よりも長い状態を「通常状態」とし、前記照明器具の寿命が前記規定の寿命よりも短い状態を「末期状態」として、前記末期状態の照明器具の動作状態を前記通常状態の照明器具の動作状態とは異なるものに設定すること
を特徴とする照明制御システム。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記照明器具の寿命として前記照明器具の電灯の寿命を用いること
を特徴とする照明制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−221627(P2012−221627A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83903(P2011−83903)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]