説明

照明器具

【課題】安全かつ容易に、照明器具の本体にセードを取り付けることができるようにする。
【解決手段】セード200は、シリコンゴムなどの軟質弾性体により構成されている。セード200は、開口部211を有する。開口部211は、内径がφ21の円形である。器具本体100は、平板部151と吊り下げコード(吊り下げ部)を有する。平板部151は、外径がφ15の円板状である。平板部151の外径φ15は、開口部211の内径φ21より大きい。吊り下げコードは、平板部151をほぼ水平に吊り下げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、天井などから吊り下げて使用する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ランプからの直接光を遮り、拡散することで光を和らげるセードを有する照明器具がある。セードは、例えば、ガラスなどにより構成される。照明器具の本体にセードを取り付ける方法としては、取付金具を用いて、固定する方法がある。
【特許文献1】特開平9−55108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
取付金具などの別部品を用いてセードを固定すると、照明器具を構成する部品点数が多くなり、照明器具の製造コストが高くなる。
また、天井などから吊り下げて使用する照明器具では、セードを取り付ける作業が高所作業となるので、誤ってセードを落下させ、セードを破損する場合がある。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、照明器具を構成する部品点数を減らし、セードの取付作業を安全かつ容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明にかかる照明器具は、弾性体により構成され開口部を有するセードと、平板状であり外周が上記開口部の内周より広い平板部と上記平板部を吊り下げる吊り下げ部とを有する器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明にかかる照明器具によれば、セードを平板部の上の乗せ掛けるだけで、セードを器具本体に取り付けることができるので、セード取り付けのための別部品が不要であり、器具本体にセードを容易に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図3を用いて説明する。
【0007】
図1は、この実施の形態における照明器具800の外観を示す斜視図である。
図2は、この実施の形態における照明器具800の構造を示す側面視断面図である。
照明器具800は、天井など(取付面)に設けられた引掛シーリングボディから吊り下げて使用するペンダント型照明である。照明器具800は、器具本体100とセード200とを有する。
器具本体100は、引掛シーリングボディから電力の供給を受け、セード200内のランプ300を点灯する。器具本体100は、引掛シーリングキャップ110、シーリングカバー120、吊り下げコード130、飾りパイプ140、セード受150、ランプソケット160を有する。
引掛シーリングキャップ110は、引掛シーリングボディに引掛けて、照明器具800を吊り下げるとともに、引掛シーリングボディから供給される電力を入力する。
シーリングカバー120は、引掛シーリングキャップ110を覆うカバーである。
吊り下げコード130(吊り下げ部)は、引掛シーリングキャップ110とランプソケット160とを物理的電気的に接続し、セード受150・ランプソケット160を吊り下げるとともに、引掛シーリングキャップ110が入力した電力を、ランプソケット160へ供給する。
ランプソケット160は、ランプ300を物理的電気的に接続し、ランプ300を保持するとともに、引掛シーリングキャップ110が入力した電力をランプ300に供給し、ランプ300を点灯する。
セード200は、シリコンゴムなどの軟質弾性体で構成され、一体に成形されている。セード200は、白濁半透明であり、ランプソケット160に接続したランプ300の側面方向を覆い、ランプ300から出た光を拡散して和らげる。
【0008】
図3は、この実施の形態における照明器具800の各部を示す分解正視図である。
器具本体100において、セード受150は、平板部151、スペーサー152を有する。
平板部151(乗せ掛け部分)は、直径φ15の円板状であり、吊り下げコード130によりほぼ水平に吊り下げられる。
スペーサー152は、平板部151の外周近くの上側に位置する突起である。スペーサー152は、複数あり、平板部151の外周に沿って等間隔に配置されている。
【0009】
セード200は、環状部212、覆い部220、ストッパー部214を有する。
環状部212(セード乗せ掛け部分)は、セード200の上端に位置するリング状の平面であり、中央に直径φ21の円形の開口部211を形成する。
覆い部220は、環状部212の外周に接続し、外側にやや膨らんだ円錐台側面状である。
開口部211の直径φ21は平板部151の直径φ15よりも小さく、開口部211の内周に囲まれた部分の面積は、平板部151の外周に囲まれた部分の面積よりも狭い。
ストッパー部214は、覆い部220の内側の面から内側方向に突出したリング状の突起である。ストッパー部214は、環状部212よりも下に位置し、環状部212との間の間隔は、平板部151及びスペーサー152を合わせた高さよりも大きい。また、ストッパー部214の内径は、平板部151の外径φ15よりもわずかに小さい。
【0010】
次に、照明器具800を設置する手順を説明する。
【0011】
まず、器具本体100の引掛シーリングキャップ110を天井などに設置された引掛シーリングボディに引掛けて、器具本体100を天井などから吊り下げる。
次に、吊り下げられた器具本体100を、セード200の開口部211に挿入する。セード200は、軟質弾性体で構成されているので、外力を加えることにより変形することが可能である。開口部211を潰して楕円状にし、平板部151の直径φ15よりも開口部211の長径を大きくして、平板部151を開口部211に通す。外力を除くと、セード200は、弾性力により元の形状に戻り、環状部212をスペーサー152の上の乗せ掛けることができる。
最後に、ランプソケット160にランプ300を接続する。
【0012】
セード200と平板部151との間には、スペーサー152による隙間(放熱用通気口)が生じる。ランプ300の発熱により暖められた空気は、この隙間を通って平板部151の上へ抜け、開口部211からセード200の外部に放出される。これにより、ランプ300の放熱効率が高くなる。
【0013】
このように、セード200を平板部151の上に乗せ掛けることにより、セード200を器具本体100に取り付けることができるので、セード200を器具本体100に固定するための別部品(取付金具など)は不要であり、照明器具800の部品点数を少なくすることができる。また、セード200取り付け時に締付け作業がないので、締め込み力が強すぎてセード200を破損する可能性がない。セード200を弾性変形させて平板部151を通すだけで簡単に平板部151の上に乗せ掛けることができるので、取り付け作業が容易であり、誤ってセード200を落下させる可能性が少なくなる。また、万一セード200を落下させたとしても、セード200が軟質弾性体で構成されているので、セード200が破損しない。更に、セード200を取り替える場合などにおいて、器具本体100を天井などから取り外す必要がなく、天井などから器具本体100を吊り下げたまま作業できるので、着脱性(組み立て性)が良い。
【0014】
ストッパー部214の内径が平板部151の外径φ15よりも小さいので、セード200を平板部151の上に乗せ掛けたとき、セード200がずれたり抜けたりするのを防ぐことができる。
【0015】
この実施の形態における照明器具800は、弾性体により構成され開口部211を有するセード200と、平板状であり外周が上記開口部211の内周より広い平板部151と上記平板部151を吊り下げる吊り下げ部(吊り下げコード130)とを有する器具本体100とを備えるので、セード200を平板部151の上に乗せ掛けるだけで、セード200を器具本体100に取り付けることができる。
【0016】
この実施の形態におけるセード200は、上記開口部211に上記吊り下げ部(吊り下げコード130)が通り、上記平板部151の上に乗せ掛けた状態で使用するので、セード200を器具本体100に固定するための別部品などが不要であり、照明器具800の部品点数を削減できる。これにより、照明器具800の原材料を削減でき、省資源化を図り、照明器具800の製造コストを抑えることができる。
【0017】
この実施の形態における器具本体100は、上記平板部151の上に位置し上記平板部151の上に乗せ掛けたセード200と上記平板部151との間に隙間を生じさせるスペーサー152を有するので、ランプ300の発熱により暖められた空気が隙間を通って平板部151の上へ抜け、開口部211からセード200の外部へ放出することができる。これにより、照明器具800の放熱効率を高めることができる。
【0018】
この実施の形態におけるセード200は、外力を加えることにより弾性変形し、上記開口部211に上記平板部151を通すことが可能となるので、器具本体100を天井などから吊り下げたままの状態で、セード200を器具本体100に取り付けることができる。これにより、照明器具800の取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0019】
逆に、セード200を器具本体100から取り外すことも容易なので、照明器具800を廃棄する際、器具本体100とセード200とを容易に分別することができる。
【0020】
なお、セード200を構成する軟質弾性体(軟質弾性材)としては、シリコンゴムのほか、天然ゴムやその他の合成ゴムなどを使用してもよい。すなわち、セード200を構成する軟質弾性体は、柔軟性と弾力とを備えた材料であればよい。更に、セード200を構成する軟質弾性体は、紫外線や熱による硬化などの劣化をしにくい性質を有していることが好ましい。その点に鑑みるに、シリコンゴムは、セード200の材料として最も適した材料の一つである。
【0021】
実施の形態2.
実施の形態2について、図4〜図5を用いて説明する。
なお、実施の形態1で説明した照明器具800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0022】
図4は、この実施の形態におけるセード受150の形状を示す平面図である。
セード受150は、切り欠き部153を有する。
切り欠き部153(切り欠き部分)は、平板部151の外周の一部を長方形状に切り欠いた部分である。平板部151の中心から切り欠き部153までの距離r53は、セード200の開口部211の半径(φ21/2)よりも大きい。
なお、平板部151の外周のうち、切り欠き部153により切り欠かれた部分の両脇の部分の先端を、先端部154と呼ぶ。
【0023】
次に、照明器具800を設置する手順を説明する。
器具本体100を天井などに設置された引掛シーリングボディに引掛けて取り付ける工程及びランプ300をランプソケット160に接続して取り付ける工程は、実施の形態1と同様である。
【0024】
図5は、この実施の形態におけるセード200を器具本体100に取り付けるセード取り付け工程の手順を示す模式図である。
セード取り付け工程において、まず、ランプソケット160をセード200の開口部211に挿入する(a)。次に、セード200を少し傾けて、先端部154に環状部212を引掛ける(b)。そして、セード200(あるいは器具本体100)を回転させてねじり込むことにより、環状部212を平板部151の上に乗せていく(c)。環状部212が平板部151の上に完全に乗るまでねじり込み(d)、セード取り付け工程が完了する。
【0025】
このように、先端部154に環状部212を引掛けて回転することによりねじり込み、環状部212を平板部151の上に乗せることができるので、器具本体100を天井などに取り付けたまま、セード200を簡単に取り付けることができる。
【0026】
この実施の形態におけるセード200は、上記開口部211が略円形であり、上記平板部151は、外周の一部に切り欠き部分(切り欠き部153)がある略円板状であり、上記外周の半径(φ15/2)が上記開口部211の半径(φ21/2)よりも大きく、中心から上記切り欠き部分(切り欠き部153)までの距離r53が上記開口部211の半径(φ21/2)よりも小さいので、切り欠き部分(切り欠き部153)に開口部211の周囲(環状部212)を引掛けてねじり込むことにより、セード200を平板部151の上に乗せかけて、器具本体100に取り付けることができる。これにより、セード200の取り付け作業が容易になり、照明器具800の取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0027】
実施の形態3.
実施の形態3について、図6を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2で説明した照明器具800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0028】
図6は、この実施の形態における照明器具800の各部を示す分解正視図である。
器具本体100において、セード受150は、平板部151の上にスペーサー152がない点が、実施の形態1で説明したセード受150と異なる。
セード200は、環状部212の下側に突起部213を有する。
突起部213は、環状部212から下方向(セード200の内側方向)に向かって突出した突起である。平板部151の上に環状部212を乗せ掛けたとき、突起部213の存在により、セード200と平板部151との間に隙間(放熱用通気口)が生じる。これにより、スペーサー152がある場合と同様、ランプ300の発熱により暖められた空気をセード200の外部に放出し、ランプ300の放熱効率を高めることができる。
【0029】
このように、環状部212の下側に突起部213を設けることにより、セード200と平板部151との間に隙間を生じさせるので、スペーサー152がなくても、ランプ300を効率的に放熱することができる。
【0030】
この実施の形態におけるセード200は、上記開口部211の周囲に位置し、上記平板部151の上に乗せ掛けた際、上記平板部151との間に隙間を生じさせる突起部213を有するので、ランプ300の発熱により暖められた空気が隙間を通って平板部151の上へ抜け、開口部211からセード200の外部へ放出することができ、スペーサー152がなくても、照明器具800の放熱効率を高めることができる。これにより、照明器具800の部品数を減らし、照明器具800の原材料を削減し、省資源化を図ることができるとともに、照明器具800の製造コストを抑えることができる。
【0031】
実施の形態4.
実施の形態4について、図7〜図8を用いて説明する。
なお、実施の形態1で説明した照明器具800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
図7は、この実施の形態における照明器具800の各部を示す分解正視図である。
器具本体100において、セード受150は、平板部151を有する。
平板部151は、直径φ16の円板状であり、通気穴155を有する。
通気穴155は、平板部151に設けられた円形の貫通穴であり、ランプ300の発熱により暖められた空気を照明器具800の外部に逃がす。通気穴155は複数あり、平板部151の中心からほぼ等距離の位置に、ほぼ等間隔に設けられている。
【0033】
セード200は、略円筒状であり、覆い部220、上底部230、中底部240、二つのストッパー部234,244を有する。
覆い部220は、内径φ22の略円筒側面状である。上底部230(上底面、第一の取り付け部)は、覆い部220の上端に位置する円形の底面であり、内径φ23の円形の開口部231を有する。この例において、上底部230のほとんどを開口部231が占めているので、上底部230は、覆い部220の上端から内側方向に突出したリング状の突起のように見えるが、上底部230に占める開口部231の割合はもっと小さくてもよい。
中底部240(中底面、第二の取り付け部)は、覆い部220の中間に位置し、上底部230と平行な円形の平面である。中底部240は、内径φ24の円形の開口部241を有する。開口部241の内径φ24は、開口部231の内径φ23とほぼ等しい。
平板部151の外径φ16は、開口部231の内径φ23及び開口部241の内径φ24より大きい。また、覆い部220の内径φ22は、平板部151の外径φ16とほぼ等しいか、または、φ16より大きい。
二つのストッパー部234,244は、覆い部220の内側の面から内側方向に突出したリング状の突起である。ストッパー部234は、上底部230と中底部240との間に位置し、上底部230との間の間隔は、平板部151の高さよりも大きい。ストッパー部244は、中底部240よりも下に位置し、中底部240との間の間隔は、平板部151の高さよりも大きい。また、二つのストッパー部234,244の内径は、ともに、平板部151の外径φ15よりもわずかに小さい。
【0034】
図8は、この実施の形態における照明器具800の使用態様を示す側面視断面図である。
照明器具800には、形状の異なる二種類のランプ300,350を取り付けることができる。
ランプ300は、JISC7501などに定められる外形寸法の白熱電球、あるいは、それと外形寸法がほぼ等しい電球型蛍光灯である。ランプ300が電球型蛍光灯である場合、白熱電球と同じ形状のエジソンベースの口金を有し、放電灯点灯装置を内蔵し、口金から電力を入力して、放電灯を点灯する。
ランプ350は、外形寸法が白熱電球と異なる電球型蛍光灯であり、やはり、白熱電球と同じ形状のエジソンベースの口金を有し、放電灯点灯装置を内蔵している。
ランプ300とランプ350との最も大きな違いは、発光部の形状であり、ランプ350の発光部のほうが、ランプ300の発光部よりも大きい。
【0035】
照明器具800にランプ300を接続する場合、セード200は、中底部240を平板部151に乗せ掛けた位置に取り付ける。また、照明器具800にランプ350を接続する場合、セード200は、上底部230を平板部151に乗せ掛けた位置に取り付ける。このように、平板部151を乗せ掛ける部分を変えることにより、ランプの大きさに合わせて、器具本体100とセード200との位置関係を変えることができる。
【0036】
次に、照明器具800を設置する手順を説明する。
器具本体100を天井などに設置された引掛けシーリングボディに引掛けて取り付ける工程及びランプ300をランプソケット160に接続して取り付ける工程は、実施の形態1と同様である。
セード取り付け工程において、ランプソケット160を開口部231に挿入し、セード200を弾性変形させて、平板部151を開口部231に通す。照明器具800にランプ350を取り付ける場合は、上底部230を平板部151に乗せ掛けて、セード取り付け工程が完了する。
照明器具800にランプ300を取り付ける場合、更に、平板部151を開口部241に通し、中底部240を平板部151に乗せ掛ける。
【0037】
このように、簡単な作業で、ランプの大きさに合わせて、セード200と器具本体100との位置関係を変えることができる。
【0038】
ストッパー部234は、上底部230を平板部151に乗せ掛けたとき、セード200がずれたり抜けたりするのを防ぐ。ストッパー部244は、中底部240を平板部151に乗せ掛けたとき、セード200がずれたり抜けたりするのを防ぐ。
【0039】
この実施の形態におけるセード200は、上端に上底面(上底部230)を有し中間に中底面(中底部240)を有する略筒状であり、上記上底面(上底部230)及び上記中底面(中底部240)それぞれに略同じ広さの上記開口部231,241を有するので、平板部151を乗せ掛ける開口部231,241を変えることにより、器具本体100とセード200との位置関係を容易に変更することができ、ランプの大きさに合わせた位置に、セード200を取り付けることができる。これにより、一種類のセード200で、複数種類のランプに対応可能となり、ランプごとに異なるセード200を用意する必要がない。
照明器具800の生産者にとっては、一種類のセード200を製造すれば、複数種類のランプに対応できる照明器具800を生産できるので、製造コストを削減でき、在庫リスクも少なくて済む。
また、消費者にとっては、部屋の模様替えなどにより、照明器具800に取り付けるランプを変えようと思ったときであっても、セード200を買い換える必要がなく、省資源化を図ることができる。
【0040】
実施の形態5.
実施の形態5について、図9〜図11を用いて説明する。
なお、実施の形態4で説明した照明器具800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0041】
図9は、この実施の形態におけるセード200の形状を示す側面視破断図である。
セード200は、中底部240を有さず、薄肉部250を有する点が、実施の形態4と異なる。
薄肉部250は、覆い部220の下寄り外側に設けられた環状の溝(凹部)により、覆い部220の一部が肉薄になっている部分である。なお、覆い部220のうち、薄肉部250より下側の部分を、折り返し部260と呼ぶ。
薄肉部250は、セード200の他の部分と比較して弾性力が弱く、折り返し部260を内側に折り返すことができる。これにより、セード200の長さを変えることができる。
【0042】
図10は、この実施の形態における照明器具800の使用態様を示す側面視断面図である。
照明器具800は、実施の形態4と同様、形状の異なる二種類のランプ300,350を取り付けることができる。
照明器具800にランプ300を取り付ける場合、折り返し部260を折り返して、セード200を短くする。また、照明器具800にランプ350を取り付ける場合、折り返し部260を折り返さず、セード200が長い状態のまま使用する。
【0043】
このように、接続するランプの大きさに合わせて、セード200の長さを変えることができる。
【0044】
この実施の形態におけるセード200は、折り返し可能な薄肉部250を有するので、薄肉部250を折り返すか否かを変えることにより、セード200の長さを容易に変更することができ、セード200の長さを、ランプの大きさに合わせた長さにすることができる。これにより、一種類のセード200で、複数種類のランプに対応可能となり、ランプごとに異なるセード200を用意する必要がなく、省資源化を図ることができる。
【0045】
図11は、この実施の形態におけるセード200の形状の別の例を示す側面視破断図である。
この例において、覆い部220の内側に溝を設けることにより、薄肉部250を形成している。このため、最初の例と異なり、薄肉部250において、折り返し部260を外側に折り返すことができる。
このように、折り返し部260を外側に折り返す構成としてもよい。
【0046】
折り返し部260を外側に折り返すか内側に折り返すかの違いは、主に、照明器具800の意匠性に影響する。
折り返し部260を外側に折り返す場合、折り返した折り返し部260が、照明器具800のアクセントになる。
折り返し部260を内側に折り返す場合、折り返した折り返し部260は見えないが、折り返し部260の部分だけセード200の厚みが増すので、ランプ300を点灯すると、折り返し部260の部分が他と比較して暗くなり、照明器具800のアクセントになる。
【0047】
このように、折り返し部260を折り返すことにより、セード200の長さを変えるだけでなく、照明器具800にアクセントをつけ、意匠性を高めることができる。
なお、薄肉部250を複数設け、利用者の好みに合わせて、様々な折り返し方ができるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施の形態1における照明器具800の外観を示す斜視図。
【図2】実施の形態1における照明器具800の構造を示す側面視断面図。
【図3】実施の形態1における照明器具800の各部を示す分解正視図。
【図4】実施の形態2におけるセード受150の形状を示す平面図。
【図5】実施の形態2におけるセード200を器具本体100に取り付けるセード取り付け工程の手順を示す模式図。
【図6】実施の形態3における照明器具800の各部を示す分解正視図。
【図7】実施の形態4における照明器具800の各部を示す分解正視図。
【図8】実施の形態4における照明器具800の使用態様を示す側面視断面図。
【図9】実施の形態5におけるセード200の形状を示す側面視破断図。
【図10】実施の形態5における照明器具800の使用態様を示す側面視断面図。
【図11】実施の形態5におけるセード200の形状の別の例を示す側面視破断図。
【符号の説明】
【0049】
100 器具本体、110 引掛シーリングキャップ、120 シーリングカバー、130 吊り下げコード、140 飾りパイプ、150 セード受、151 平板部、152 スペーサー、153 切り欠き部、154 先端部、155 通気穴、160 ランプソケット、200 セード、211,231,241 開口部、212 環状部、213 突起部、214,234,244 ストッパー部、220 覆い部、230 上底部、240 中底部、250 薄肉部、260 折り返し部、300,350 ランプ、800 照明器具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性体により構成され、開口部を有するセードと、
平板状であり、外周が上記開口部の内周より広い平板部と、上記平板部を吊り下げる吊り下げ部とを有する器具本体と
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
上記セードは、上記開口部に上記吊り下げ部が通り、上記平板部の上に乗せ掛けた状態で使用することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
上記器具本体は、
上記平板部の上に位置し、上記平板部の上に乗せ掛けたセードと上記平板部との間に隙間を生じさせるスペーサーを有することを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
上記セードは、上記開口部の周囲に位置し、上記平板部の上に乗せ掛けた際、上記平板部との間に隙間を生じさせる突起部を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
上記セードは、上記開口部が略円形であり、
上記平板部は、外周の一部に切り欠き部分がある略円板状であり、上記外周の半径が上記開口部の半径よりも大きく、中心から上記切り欠き部分までの距離が上記開口部の半径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の照明器具。
【請求項6】
上記セードは、外力を加えることにより弾性変形し、上記開口部に上記平板部を通すことが可能となることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の照明器具。
【請求項7】
上記セードは、上端に上底面を有し中間に中底面を有する略筒状であり、上記上底面及び上記中底面それぞれに略同じ広さの上記開口部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の照明器具。
【請求項8】
上記セードは、折り返し可能な薄肉部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の照明器具。
【請求項9】
上記セードは、上記器具本体に接続するランプを覆う覆い部を有し、一体に成形されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−295368(P2009−295368A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146500(P2008−146500)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】