説明

照明器具

【課題】光の照射範囲を制限することができるうえに、光源およびフィルタを容易に着脱できる照明器具を提供する。
【解決手段】器具本体21内に配置した光源23の光が、器具本体21の開口部29に配置したフィルタ42を透過する。フィルタ42の前面に対向する遮光体58により、フィルタ42を透過する光の照射範囲を制限する。遮光体58をフィルタ42の前面に対向する位置から移動させることにより、器具本体21の開口部29の前面側からフィルタ42を着脱でき、フィルタ42の取り外し状態で光源23を着脱できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を照射する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラネタリウムの天空を表現するためのドーム照明に、光の照射範囲が広く光を均一に照射できる特性を有するホリゾントライトと呼ばれる照明器具が用いられている。
【0003】
この照明器具は、前面に開口部が設けられた器具本体内に光源が収容されているとともに、器具本体の開口部を覆うようにフィルタが取り付けられている。フィルタは、器具本体の前面に設けられたフィルタ取付枠の上部から器具本体の前面に平行な方向に沿って着脱可能としている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
プラネタリウムで青空薄暮を表現するためのドーム照明では、照明器具を客席からなるべく見えないようにしたいという理由からドーム壁面の周辺部に沿って複数の照明器具が設置されている。この場合の照明器具の向きは、照明器具の前面の光出射面を器具設置場所近くのドーム壁面に対向させて照明する手法であると、ドーム壁面を形成する複数の壁面部材の張り合わせ面の影が強調されてしまい、演出上好ましくないため、照明器具の背面を器具設置場所近くのドーム壁面に対向させ、照明器具の前面の光出射面を器具設置場所から離れた反対側のドーム壁面へ対向させてそのドーム壁面を照明する手法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−195314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光の照射範囲が広く光を均一に照射できる特性を有する照明器具では、器具設置場所から離れた反対側のドーム壁面とともに、器具設置場所近くのドーム壁面へも光が照射されてしまい、その器具設置場所近くのドーム壁面との距離が近いために、その器具設置場所近くのドーム壁面の照度が高くなる傾向があり、器具設置場所近くのドーム照明が明るく、ドーム照明に明るさむらが生じる問題がある。
【0007】
また、照明器具の背面をドーム壁面に対向させて設置した場合、器具本体の前面は斜め上方へ向けられ、フィルタはフィルタ取付枠の上部に対して斜め後方から着脱するため、フィルタがドーム壁面と干渉し、交換しにくい場合がある。また、光源の交換の際にも、フィルタを外す必要があるので、光源の交換もしにくくなりやすい。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、光の照射範囲を制限することができるうえに、光源および制光体を容易に着脱することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の照明器具は、前面に開口部を有し、開口部を通じて光源が着脱可能に収容される器具本体と;器具本体の開口部に前面側から着脱可能に配置され、光源の光が透過する制光体と;制光体の前面に対向する遮光位置に配置されて制光体を透過する光の照射範囲を制限するとともに、器具本体の開口部の前面側からの制光体および光源の着脱を許容するように遮光位置から移動可能に設けられた遮光体と;を具備しているものである。
【0010】
本発明および以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0011】
器具本体は、例えば、光源の光を開口部へ向けて反射させる反射体や、光源を接続するソケットを備えていてもよい。
【0012】
光源は、例えば、ハロゲンランプ、放電ランプ、蛍光ランプ、あるいはLED素子やEL素子などの半導体発光素子などのいずれでもよい。
【0013】
制光体は、例えば、色フィルタ、拡散フィルタ、レンズなどのいずれでもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0014】
遮光体は、例えば、器具本体に対して遮光位置と光源および制光体の着脱を許容する退避位置との間で回動可能に取り付けられていてもよいし、器具本体に対して着脱可能に設けられていてもよい。
【0015】
そして、照明器具は、例えば、プラネタリウムの天空を表現するためのドーム照明に利用できる。この場合、ドーム壁面の周辺部に沿って照明器具を設置するが、照明器具の背面をドーム壁面に対向させ、照明器具の前面の光出射面を照明器具が設置された位置とは反対側のドーム壁面へ対向させて設置し、その反対側のドーム壁面を照明する。このとき、照明器具が設置された位置のドーム壁面へ向かう光を遮光体で遮光することにより、照明器具が設置された位置のドーム壁面との距離が近いためにそのドーム壁面の照度が高くなるのを低減し、ドーム照明を均一にできる。
【0016】
なお、照明器具は、ドーム照明に限らず、壁面照明、スタジオや舞台の照明など、他の照明用途にも適用することができる。
【0017】
請求項2記載の照明器具は、請求項1記載の照明器具において、制光体が着脱可能に取り付けられ、器具本体の開口部を覆う装着位置に配置されるとともに、制光体の着脱を許容するように装着位置から器具本体の開口部の前面側へ移動可能とする制光体取付枠を具備しているものである。
【0018】
制光体取付枠は、例えば、器具本体に対して着脱可能としてもよいし、器具本体に対して開口部の前面側へ回動可能に設けていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の照明器具によれば、制光体の前面に対向する遮光位置に配置する遮光体により、制光体を透過する光の照射範囲を制限することができ、しかも、遮光体を遮光位置から移動させることにより、器具本体の開口部の前面側から光源および制光体を容易に着脱することができる。
【0020】
請求項2記載の照明器具によれば、請求項1記載の照明器具の効果に加えて、器具本体の開口部の前面側から着脱可能とする制光体取付枠によって制光体を着脱できるため、器具本体の背面側のスペースが少なくても、制光体を容易に交換することができるとともに、光源も容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態を示す照明器具の正面図である。
【図2】同上照明器具の平面図である。
【図3】同上照明器具の側面図である。
【図4】同上照明器具の遮光体を退避させて制光体取付枠や光源の交換を説明する側面図である。
【図5】同上制光体取付枠を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図6】同上照明器具の配光を示すプラネタリウムの平面図である。
【図7】同上照明器具の配光を示すプラネタリウムの側面図である。
【図8】同上照明器具がプラネタリウムに設置された正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図6ないし図8に、プラネタリウムの半球状のドーム11を示し、このドーム11の内面のドーム壁面に天空を表現するスクリーン12が形成されている。ドーム11の下方の床面13上には、例えば、中央に星を投影する投影機が設置され、その周囲に客席が設置される。なお、図7の符号14は、ドーム11の大きさを理解しやすくするために床面13に直立している人を示している。
【0024】
ドーム11を照明するプラネタリウム用照明器具として、青空薄暮を表現するための複数の照明器具16、および朝焼けや夕焼けを表現するための複数の照明器具17が用いられている。これら照明器具16,17は、ドーム11のスクリーン12より下側でドーム11の内側周辺部に沿って設けられる設置台18上に設置されており、朝焼け夕焼け用の照明器具17は周方向に等間隔にそれぞれ設置され、青空薄暮用の照明器具16は3台を1組として周方向に所定の間隔をあけた各領域で朝焼け夕焼け用の照明器具17の間にそれぞれ設置されている。
【0025】
朝焼け夕焼け用の照明器具17は、照明器具17の前面の光出射面を器具設置場所近くのスクリーン12の領域に対向させ、その器具設置場所近くのスクリーン12の領域に光を照射して照明するように構成されている。
【0026】
青空薄暮用の照明器具16は、照明器具16の背面をドーム11の中心側とは反対の外側に向け、前面の光出射面をドーム11の内側で器具設置場所から離れたスクリーン12の領域に対向させ、そのスクリーン12の領域に光を照射して照明するように構成されている。この場合、照明器具16からスクリーン12に光を照射する距離が長いとスクリーン12が暗くなりすぎてしまい、近いと明るくなりすぎてしまうため、所望の明るさが得られるように最適な距離となるスクリーン12の領域に対して斜めに光を照射するように構成されている。また、1組となっている3台の照明器具16のうち、ドーム11の中心側から見て左側および中央の2台の照明器具16と右側の照明器具16とで光を照射する向きが反対方向とされ、さらに、左側の照明器具16がドーム11の高い領域に光を照射し、右側の照明器具16がドーム11の低い領域に光を照射し、それらの中間となるドーム11の領域に中央の照明器具16が光を照射するように構成されている。
【0027】
次に、図1ないし図4に、青空薄暮用の照明器具16を示す。この照明器具16は、ドーム11のスクリーン12より下側において、そのスクリーン12の下側に沿って配置される黒い幕などの光吸収体19の側部で、ドーム11の内側周辺部に沿って設けられる設置台18上に設置されている。
【0028】
照明器具16は、器具本体21、この器具本体21を設置するための設置ユニット22、器具本体21内に配置される光源23と図示しないソケットと反射体24と制光体ユニット25、および器具本体21の外側に取り付けられる遮光ユニット26を備えている。
【0029】
器具本体21は、略四角形の箱形に形成され、光を吸収し、反射を抑制するように黒色に塗装されており、前面には斜め上方へ向けて開口する開口部29が形成され、この開口部29の内側に制光体ユニット25を着脱可能に取り付ける制光体取付部30が形成されている。制光体取付部30の周囲において、その両側および下側が器具本体21の側壁で囲まれ、上側が開口されている。制光体取付部30の両側には、この制光体取付部30に取り付けられる制光体ユニット25を支持する支持部31が設けられ、この支持部31の上端に被係止部32が設けられている。制光体取付部30の下側には、この制光体取付部30の前面側に突出するカバー部33が形成されている。器具本体21の下部にはソケットを通じて光源23に給電する電線34が接続される電線接続部35が設けられている。
【0030】
また、設置ユニット22は、器具本体21を支持する設置アーム38、およびこの設置アーム38を取り付けた設置板39を備え、設置板39が設置台18上に設置されている。器具本体21は、設置アーム38に対して上下方向に角度調整可能としているとともに、設置板39に対して設置アーム38とともに水平方向に角度調整可能としている。
【0031】
そして、照明器具16は、背面がドーム11の中心側とは反対の外側であって器具設置場所近くのスクリーン12および光吸収体19に向けて斜めに対向されるとともに、照明器具16の前面の光出射面16aがドーム11の内側で器具設置場所から離れたスクリーン12の領域に斜めに対向されるように、器具設置場所近くのスクリーン12および光吸収体19に対して斜めの向きで設置されている。なお、図1および図2の照明器具16は、図6において1組となっている3台の照明器具16のうち、ドーム11の中心側から見て左側および中央の2台の照明器具16の設置状態に相当し、右側の照明器具16は傾斜する方向を反対向きとして設置されることになる。
【0032】
また、光源23は、例えば、ハロゲンランプで、器具本体21内に取り付けられた図示しないソケットに対して、器具本体21の開口部29を通じて着脱可能としている。
【0033】
また、反射体24は、光源23の光を前面の開口部29へ向けて反射させるように構成されている。
【0034】
また、制光体ユニット25は、図5に示すように、光源23の光が透過する制光体としてのフィルタ42、およびこのフィルタ42を着脱可能に取り付ける制光体取付枠としてのフィルタ取付枠43を備え、フィルタ42の前面が照明器具16の光出射面16aとして構成されている。
【0035】
フィルタ42は、例えば、着色されたガラス板で形成され、複数枚として2枚、または1枚が用いられる。
【0036】
フィルタ取付枠43は、光を吸収し、反射を抑制するように黒色に塗装されており、両側枠部44、下側枠部45および上側枠部46を有する四角形枠状に形成され、中央域が前後方向に開口されている。両側枠部44の内側には、仕切部材47がそれぞれ取り付けられ、これら仕切部材47によってフィルタ42をそれぞれ収納可能とする2つの制光体収納部48が形成されている。上側枠部46の端面には各制光体収納部48に対して各フィルタ42が着脱する着脱口49が形成され、下側枠部45には制光体収納部48間に位置して通気口50が形成されている。
【0037】
上側枠部46の背面側には、着脱口49上に進出して制光体収納部48に収納されたフィルタ42の飛び出しを規制する規制位置と着脱口49上から退避してフィルタ42の着脱を許容する許容位置との間で回動可能とする制光体押さえ51が取り付けられている。上側枠部46の背面側の両側には、器具本体21の制光体取付部30に取り付けた際に両側の支持部31の被係止部32に引っ掛かって係止される略L字形の係止部52が設けられている。
【0038】
上側枠部46の前面側には把手部53が突出して設けられ、この把手部53に手の指を差し込んで握ることができる把手孔54が形成されている。把手部53は、着脱口49から離反するように前面側に斜めに突出され、その先端両側が斜めにカットされていて山形に形成されている。
【0039】
また、遮光ユニット26は、照明器具16のフィルタ42を透過する光の照射範囲を制限するものであって、器具設置場所近くのスクリーン12へ向かう光を遮光するものであり、光出射面16aの両側域を覆うように対向して配置される固定遮光体である遮光板56,57、および光出射面16aの上部側を覆うように対向して配置される可動遮光体である遮光体58を備えている。これら遮光板56,57および遮光体58は、光を吸収し、反射を抑制するように黒色に塗装されている。
【0040】
一側の遮光板56は、器具設置場所近くのスクリーン12に対向する器具本体21の一側に取り付けられ、器具設置場所近くのスクリーン12へ向かう光を遮光するように、他側の遮光板57に比べて大形に形成されていて、器具本体21の一側全域からフィルタ42の前面より前方に突出するように配置されている。
【0041】
他側の遮光板57は、ドーム11の中心側に対向する器具本体21の他側に取り付けられ、器具設置場所近くのスクリーン12へ向かう光を遮光するものであるが一側の遮光板56に比べて小形に形成されていて、器具本体21の一側上部域からフィルタ42の前面より前方に突出するように配置されている。
【0042】
これら遮光板56,57の上縁には、遮光体58を遮光位置で支持する水平状の支持部59が形成されている。
【0043】
遮光体58は、左右方向の中央が上方へ突出する山形に折り曲げて形成された上面遮光板あるいは前面遮光板である遮光板部60、この遮光板部60の背面を覆う背面部61を備え、遮光板部60の前端および両側に下方へ向けて縁部62が折曲され、両側の縁部62の後端が各遮光板56,57の支持部59の後端に水平方向の軸63によって前後方向に回動可能に取り付けられている。これにより、遮光体58は、フィルタ42の前面域に対向し、フィルタ42の上部側を覆ってフィルタ42を透過する光のうち器具設置場所近くのスクリーン12へ向かう光を遮光する遮光位置と、器具本体21の上方から背面側へ回動してフィルタ42の前面域から退避し、器具本体21の開口部29の前面側からの光源23および制光体ユニット25の着脱を許容する退避位置との間で移動可能としている。
【0044】
両側の遮光板56,57と遮光体58の両側とには、遮光体58を遮光位置に配置した状態で両側の遮光板56,57に対して係止するための止め具64がそれぞれ設けられている。この止め具64は、例えばバックル式のもので、遮光体58の両側にフック65が取り付けられ、両側の遮光板56,57に引掛リング66を有する止め具本体67が取り付けられ、止め具本体67を緩めた状態で引掛リング66をフック65に着脱可能とするとともに、フック65に引掛リング66を引っ掛けた止め具本体67を締め付けた状態で遮光体58を遮光位置に係止する。
【0045】
遮光体58は、遮光板56,57と同様に、器具設置場所近くのスクリーン12に対して器具本体21が斜めに設置されるのに対応して、器具設置場所近くのスクリーン12に対向する一側の前後方向の幅が広く、反対側となる他側の前後方向の幅が狭くなるように、遮光体58の前端が器具本体21の前端に対して斜めにカットされた形状に形成されている。
【0046】
遮光体58の山形の遮光板部60の傾斜角度は、図8に示すように、隣り合う朝焼け夕焼け用の照明器具17からスクリーン12に向けて照射される光を遮らないように、照明器具16,17の設置関係に応じて適切な傾斜角度に形成されている。
【0047】
また、図1ないし図4に示すように、照明器具16の器具設置場所には、ドーム11の客席に照明器具16からの光が漏れないようにする遮光壁71が配置されている。この遮光壁71の一部には、照明器具16からの光の照射方向に対応して光を遮らないように高さが低い部分が形成されている。
【0048】
次に、照明器具16の作用を説明する。
【0049】
図6および図7に示すように、青空薄暮用の照明器具16では、点灯する光源23の光が、フィルタ42を透過し、器具設置場所から離れたスクリーン12の領域に斜めに照射されて照明する。
【0050】
このとき、遮光ユニット26により、照明器具16のフィルタ42を透過する光の照射範囲を制限する。すなわち、照明器具16のフィルタ42の両側域を覆うように対向して配置される遮光板56,57、およびフィルタ42の前面の上部側を覆うように対向して配置されている遮光体58により、器具設置場所近くのスクリーン12へ向かう光を遮光する。さらに、遮光体58の背面部61により、遮光体58の遮光板部60とフィルタ取付枠43との間から背面方向へ向かう光を遮光する。
【0051】
そのため、照明器具16の器具設置場所近くのスクリーン12がこの照明器具16からの光で明るくなるのを軽減でき、スクリーン12に表現される青空薄暮の明るさむらを軽減することができる。
【0052】
また、色抜けなどによる劣化したフィルタ42の交換や、光源23の交換の際には、図4に示すように、まず、遮光体58の両側の止め具64の係止を外し、遮光体58を軸63を中心として器具本体21の遮光位置から上方から背面側へ回動させた退避位置に退避させる。
【0053】
続いて、フィルタ取付枠43の把手部53を持ち、一旦、器具本体21の前面の開口部29と平行に上方へ向けて移動させて、フィルタ取付枠43の係止部52を器具本体21の被係止部32から外すとともに、フィルタ取付枠43の下部側をカバー部33の背面側から外し、フィルタ取付枠43を器具本体21の開口部29の前面側から前方へ移動させて取り外す。
【0054】
取り外したフィルタ取付枠43に対してフィルタ42を交換したり、器具本体21の開口部29を通じて光源23を交換する。
【0055】
また、これらの交換後は、フィルタ取付枠43を器具本体21の開口部29の前面側から挿入して制光体取付部30の支持部31に当接させ、このフィルタ取付枠43を所定の取付位置より少し高い位置から器具本体21の前面の開口部29と平行に下方へ向けて移動させることにより、フィルタ取付枠43の係止部52を器具本体21の被係止部32に引っ掛けるとともに、フィルタ取付枠43の下部側をカバー部33の背面側に差し込み、フィルタ取付枠43を器具本体21に取り付ける。
【0056】
続いて、退避位置の遮光体58を軸63を中心として器具本体21の前面側へ回動させて遮光位置に戻し、両側の止め具64で遮光体58を遮光位置に係止する。
【0057】
このように、フィルタ42の前面に対向する遮光位置に配置する遮光体58により、フィルタ42を透過する光の照射範囲を制限することができ、しかも、遮光体58を遮光位置から退避位置に移動させることにより、器具本体21の開口部29の前面側から光源23およびフィルタ取付枠43を容易に着脱することができ、光源23やフィルタ42の交換作業を容易にできる。
【0058】
また、器具本体21の開口部29の前面側から着脱可能とするフィルタ取付枠43によってフィルタ42を着脱できるため、器具本体21の背面がスクリーン12や光吸収体19に近くても、フィルタ42を容易に交換することができるとともに、光源23も容易に交換することができる。
【0059】
また、遮光体58は、器具設置場所近くのスクリーン12に対して器具本体21が斜めに設置されるのに対応して、器具設置場所近くのスクリーン12に対向する一側の前後方向の幅が広く、反対側となる他側の前後方向の幅が狭くなるように、遮光体58の前端が器具本体21の前端に対して斜めにカットされた形状に形成されているため、所望の照射方向へ向かう光を遮ることなく、器具設置場所近くのスクリーン12に光が漏れるのを確実に防止できる。
【0060】
また、遮光体58を山形に形成しているため、隣り合う朝焼け夕焼け用の照明器具17からスクリーン12に向けて照射される光を遮ってしまうのを防止できる。
【0061】
なお、遮光ユニット26は、遮光板56,57および遮光体58を一体に構成し、器具本体21に対して遮光位置と退避位置との間で回動可能に設けてもよいし、器具本体21に対して着脱可能に設けてもよい。
【0062】
また、フィルタ取付枠43は、下部側を器具本体21に回動可能に取り付け、器具本体21の前方へ倒してフィルタ取付枠43の上端の着脱口49からフィルタ42の交換を行えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
16 照明器具
21 器具本体
23 光源
29 開口部
42 制光体としてのフィルタ
43 制光体取付枠としてのフィルタ取付枠
58 遮光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部を有し、開口部を通じて光源が着脱可能に収容される器具本体と;
器具本体の開口部に前面側から着脱可能に配置され、光源の光が透過する制光体と;
制光体の前面に対向する遮光位置に配置されて制光体を透過する光の照射範囲を制限するとともに、器具本体の開口部の前面側からの制光体および光源の着脱を許容するように遮光位置から移動可能に設けられた遮光体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
制光体が着脱可能に取り付けられ、器具本体の開口部を覆う装着位置に配置されるとともに、制光体の着脱を許容するように装着位置から器具本体の開口部の前面側へ移動可能とする制光体取付枠を具備している
ことを特徴とする請求項1記載の照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−228210(P2011−228210A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98987(P2010−98987)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】