説明

照明器具

【課題】光源の前面に透光板を配置した照明器具において,透光板の表面で反射された光についても照明に有効に利用する。
【解決手段】透光板20で反射された光源10からの光を,再度反射して透光板20に再度入射させるリフレクタ30を前記光源10と前記透光板20間に配置する。リフレクタ30の反射面は,発光面14の一端14aを原点Oとし,且つ,原点Oから透光板20の表面迄の距離に対し,2倍の距離に焦点Fを有する放物線Pを,発光面14の中心を通る中心線Cを中心として回転させた回転体形状に設計されており,透光板20の表面で反射した後,リフレクタ30で反射した光が,透光板20に対して垂直に近い角度で入射するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,光源の前面に光源を保護し,又は,光源より発した光の透過率,拡散,集中,色彩等を制御するために設けられた透明板,乳半板,レンズ,カラーフィルタ等の透光板(本発明において,これらを総称して単に「透光板」という。)を配置した照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力が少なく,且つ,白熱電球や蛍光灯等に比較して長寿命であることから,従来光源として使用されていた白熱電球や蛍光灯に代え,近年,LEDを光源とした照明器具が普及しつつある。
【0003】
このようなLED光源を備えた照明器具において,光源として使用するLEDとして,多数のLED素子を基板上に集合させた状態で取り付けることにより面光源として構成された「LEDチップ」や「LEDパッケージ」等の光源も使用されており,これらの光源は,従来の光源に比較して薄く形成したものでありながら必要な明るさを得ることができることから,照明器具の小型化,薄型化に貢献し得るものとなっている。
【0004】
なお,光源の種類に拘わらず,光源を保護するために,又は照明器具の内部を視界から遮ることによるデザイン性の向上,光源が直接視界に入ることによる眩しさの低減等を目的として,光の透過率や反射率,光拡散係数等が調整されたアクリル製の乳半板等を光源の前方に配置する場合があり,また,光源からの光を集光乃至は拡散制御するために光源の前面にレンズを配置し,更には,光源の光を所望の色に着色するための色フィルタを配置する等,光源の前面を各種の透光板で覆う場合がある。
【0005】
このような透光板を設けた照明器具は,蛍光灯等の従来一般的に使用されていた光源を備えた照明器具のみならず,前述したLED光源を備えた照明器具においても採用されており,一例として,特許文献1,2には,アクリル板である透光性カバー(透光板)によって光源の前面を覆うことの記載がされている(特許文献1,2参照)。
【0006】
また,特許文献3は,このような透光板に照明光の色を変換するフィルタとしての機能を持たせることも提案している(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−192337号公報
【特許文献2】特開2010−192338号公報
【特許文献3】特開2009− 88235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように構成された従来の照明器具において,光源の前面に前述した乳半板等の透光板を配置する場合,光源より照射された光の一部は透光板の表面で反射されてしまい,透光板を通過することができないので,照明に利用できない光量の損失が生じる。
【0009】
入射光中,透光板で反射される割合(反射率)は,透光板の屈折率によって変化し,屈折率が大きくなる程反射率も大きくなるが,屈折率が同じ透光板に光を照射した場合であっても,透光板に対する入射角が大きくなれば反射率は大きくなる。
【0010】
そのため,図7(A)に示すように光源の発光面と透光板とを上下に平行に配置した構成において,光源の直下部分では比較的明るさが得やすいものの,この位置から紙面左右に離れ,透光板に対する入射角が大きくなるに従い反射率が高くなり,透光板を通過できる光量が減少して暗くなる。
【0011】
このような構成の照明器具において紙面における透光板の左右両端迄明るさを得ようとすれば,例えば図7(B)に示すように光源を複数配置してこれを補うか,より大型,高輝度の光源を用いる必要があり,照明器具が大型化し,消費電力の低減や低価格化が図り難いものとなる。
【0012】
一方,所定の屈折率の透光板において,入射角がθ以下である場合に反射率をある一定の割合以下(例えばX%以下)に抑えることができるとすると,図8(A)に示すように透光板に対し距離Lの位置に光源を配置する場合に比較して,図8(B)に示すようにその2倍の2Lの位置に光源を配置すれば,光を入射角θ以下で入射させることができる透光板の範囲も2倍となることから,図8(B)に示すように透光板を光源より離して配置することも,反射率を低く抑える上では有効である。
【0013】
しかし,このような構成とした場合,光源と透過光照射板との間に広い間隔を設ける必要があり,照明器具全体の大型化につながる。
【0014】
特に天井埋め込み型のダウンライトや,陳列棚の棚板等の比較的狭い間隔内に埋め込んで使用するダウンライトのように,厚さ(高さ)が制限される照明器具にあっては,このような構成を採用することができない。
【0015】
なお,前掲の特許文献1,2として紹介した照明器具では,反射体の前面をアクリル板等の透光性のカバー(透光板)で覆い,この反射体と透光板とで囲まれた空間内に光源を配置していることから,この反射体の反射面が,透光板によって反射された光を再度反射して,透光板に再入射させる機能を有するものであれば,透光板で反射した光源からの光についても,照明光として利用される場合があるとも考えられる。
【0016】
しかし,特許文献1,2に記載の反射体は,あくまでも光源からの直接光を制御するために設けられたものであり(特許文献1[0034]欄,特許文献2[0005],[0041]欄),この反射体によっては,透光板で反射された光を照明光として有効に利用することはできない。
【0017】
すなわち,特許文献1,2の反射体は,光源からの直接光を制御して照明光として利用しようというものであるから,反射面の一点(反射点)を微視的に見て「面」として捉えた場合,この面の傾きは,図9中の拡大図に示すように光源からの光を前方(紙面下向き)に向けて反射できるようになっており,反射体の反射面は,微視的に見たこのような面が連続した形状のカーブに設計されている。
【0018】
これに対し,透光板の表面で反射した光は,本来の光源の位置に対して透光板の表面を中心とした対称の位置にある仮想の光源より発した光と同視し得るものであるから,この反射光が前記反射点で反射して生じた二次照射光は,透光板に対して大きな入射角で入射されることとなる。
【0019】
そのため,この二次照射光が透光板に入射したとしても,この二次照射光の多くが透光板の表面で反射されてしまい,透光板を通過することができない。
【0020】
しかも,透光板が凸レンズ,凹レンズ,フレネルレンズ等の「レンズ」である場合,前述した二次入射光が透光板に対して大きな入射角で入射することは,更に不利となる。
【0021】
すなわち,透光板がレンズである場合には,レンズの凹面乃至は凸面上の一点を微視的に見てこれを直線と仮定すると,光源側の表面とこれとは反対側の表面は,模式的に図10(A),(B)に示すように傾斜した配置となる。
【0022】
このように,レンズでは,光源側の表面とこれとは反対側の表面が所定の角度(図示の例では角度α)で傾斜していることから,一例として光源側の表面に対して垂直に光を入射すると,この光は光源側の表面では屈折することなく直進し,光源とは反対側の表面に入射角αで入射するため,この入射角αと屈折率とによって決まる屈折角α’で光が屈折して,レンズを透過した光の集中乃至は拡散を行うことができるようになっている。
【0023】
しかし,光源側の表面に対する入射光が入射角θ1で傾斜している場合,この入射光に対する屈折角をθ2,光源とは反対側の表面に対する入射角をθ3とすると,透光性カバーが一例としてアクリルガラス(PMMA)である場合,スネルの法則より,光源とは反対側の表面(透光性カバーと空気との境界面)における臨界角(θm)は,空気の絶対屈折率(nA)を1.000292,透光性カバー(例えばアクリルガラス:PMMA)の絶対屈折率(nB)を1.491とすると,
sinθm = nA/nB = 1.000292/1.491
θm ≒ 42.136°となる。
【0024】
また,光源側の境界面に対する入射角θ1と,光源とは反対側の境界面に対する入射角θ3との間には,
θ3=θ2+α
の関係があり,一例としてレンズの凸面乃至は凹面上の一点の傾きαを15°と仮定した場合,θ2が27.136°でθ3は臨界角となる。
【0025】
そして,入射角θ1と屈折角θ2との間には,
nB/nA =sinθ1/sinθ2 の関係があることから,θ2が27.136°の時のθ1は,
θ1≒ 42.83° となる。
【0026】
すなわち,上記の条件では,レンズの光源側の表面に対する入射角θ1が42.83°以上になると,この光は透光性カバーの光源とは反対側の面で全反射してしまい,透光性カバーを通過できなくなる。
【0027】
従って,特許文献1,2に記載の照明器具において,反射体が透光板で反射した光を再度透光板に二次入射する場合があったとしても,この反射体による二次入射光を大きな入射角で透光板(レンズ)に入射させればレンズを通過させることができないため,これを照明に利用することはできない。
【0028】
また,仮にこのような二次入射光がレンズを通過したとしても,レンズによって所望の向きの光として制御することができず,照明として不必要な光となるため,いずれにしても二次入射光を照明に利用できない。
【0029】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,光源,好ましくはLEDチップ等の面光源の前面に透光板を配置した照明器具において,この透光板の表面で反射した光についても照明光として高効率に利用し得る構造を備えた照明器具を提供することを目的とする。
【0030】
また,本発明の別の目的は,光源と透光板間の間隔を比較的狭くすることができるものでありながら,光源の周囲(例えば,光源を本体に取り付けているビスや配線等)を,可能な限り視界から遮蔽することのできるリフレクタを備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の特許請求の範囲の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0032】
上記目的を達成するために,本発明の照明器具1は,光源10と,この光源10の前方に配置された透光板20を備えた照明器具1において,
前記光源10から前記透光板20に直接入射した一次入射光のうち,前記透光板20で反射された反射光を再度反射して,前記透光板20に対して所定の角以下の入射角で入射する二次入射光を生成するリフレクタ30を,前記光源10と前記透光板20間に配置したことを特徴とする(請求項1)。
【0033】
上記構成の照明器具1において,前記光源10の発光部14の中心を通り,前記透光板に垂直な中心線Cを想定し,
この中心線Cを通る前記照明器具1の断面において前記光源10の発光部14の一端14aを通る,前記中心線Cと平行な基準線Bを更に想定し,
前記光源10の発光部14の前記一端14aから前記透光板20の前記光源側表面迄の距離Lに対し,前記発光部14の前記一端14aから2倍(2L)の距離にある前記基準線B上の位置を最遠点とし,該最遠点から前記透光板20の前記光源側表面迄のいずれかの位置における前記基準線B上に焦点Fを有する放物線Pを想定し,この放物線Pのうち,前記中心線Cに対し前記基準線Bとは反対にある部分の少なくとも一部(図4,5中の太線部分)を,前記中心線Cを中心として対称の位置に配置した断面形状に前記リフレクタ30の反射面を形成することができる(請求項2)。
【0034】
更に,前記構成の照明器具1において,前記リフレクタ30の反射面に対して前記光源10の直接光が入射しない位置に前記光源10を配置することが好ましい(請求項3)。
【0035】
前記透光板20は,これを乳半板とすることができる(請求項4)。
【0036】
また,前記リフレクタの反射面は,
前記放物線Pの焦点Fを前記最遠点に設けた時の前記放物線Pの原点Oを前記発光部14の前記一端14a上又はこれに近接して配置すると共に,
前記放物線Pの原点Oを前記発光部14の一端14a側から前記中心軸Cとは反対側に遠ざけて前記放物線Pの対称軸Sの傾きを大きくとるに従い,前記焦点Fの配置を前記透光板20の前記光源側表面に近付けて配置するよう設計することができる(請求項5)。
【0037】
なお,前記放物線Pの対称軸Sの傾きは,前記中心線Cに対して0°〜15°の範囲とすることが好ましい(請求項6)。
【0038】
更に,前記リフレクタ30の反射面は,前記中心線Cを回転中心とする回転体形状とすることができる(請求項7)。
【0039】
又は,前記リフレクタ30を所定の長さを有する溝型に形成し,長さ方向のいずれの位置における幅方向の断面においても前記中心線Cを中心とした対称形状を有するものとして形成するものとしても良い(請求項8;図6参照)。
【発明の効果】
【0040】
以上で説明した本発明の構成により,本発明の照明器具1によれば,光源10が発した光のうち,透光板20で反射された光をリフレクタ30によって再度,透光板20に向けて反射して,所定の角度以下の入射角,好ましくは透光板20に対し直角に近い角度で入射する二次照射光を生成することにより,光源10で発生した光のうち,従来照明に使用されることなく損失分となっていた,透光板20によって反射された光についても効率良く,照明に利用することができた。
【0041】
その結果,本発明の照明器具1にあっては,比較的小型の光源を使用した場合であっても,従来の照明器具と同等以上の明るさを得ることができ,照明器具の省電力化を図ることができると共に,小型化,低価格化を実現することができた。
【0042】
リフレクタ30の反射面を,中心線Cを中心として放物線Pの一部分を対称に配置した前述の断面形状に形成したことにより,透光板20の表面で反射され,リフレクタ30で再度反射された光は,中心線Cに対して平行に近い状態で透光板20に入射される結果,透光板によって反射され難く,その結果,この二次照射光を高効率で照明に利用することができた。
【0043】
なお,リフレクタ30の反射面に対し直接光が入射しない位置に光源10を設け,リフレクタ30に透光板20による反射光のみを制御させる構成とした場合には,リフレクタ30や透光板20等により制御できない光(照明に不要な光)の発生を防止できた。
【0044】
また,前記放物線Pの焦点Fの位置を前述の最遠点に設けた時,前記放物線Pの原点Oを前記発光部(本明細書において,「発光面」とも言う。)の一端14a上,又はこれに近接して配置することで,発光面の一端14aを基点として考えた場合,この部分から発し,透光板20で反射された後,リフレクタ30の反射面で再度反射されて透光板20に向かう二次照射光の前記透光板20に対する二次入射角は0°となり,反射が最も少ない状態で透光板20に入射させることができた。
【0045】
これに対し,放物線Pの原点Oが発光面の一端14aから離れるように放物線Pの対称軸Sの傾きを大きくすることで,光源10と透光板20間の間隔を狭めつつ,リフレクタ30の幅についても広くとることができる一方,この対称軸Sの傾きを大きくするに伴い,焦点Fの配置を最遠点から透光板20の光源側表面に近付けて移動することにより,透光板20の内面に対する入射角を0°に近付けることができた。
【0046】
リフレクタ30の反射面形状は,前述した中心線を中心とした回転体形状に形成して,略碗形のリフレクタ30を備えた照明器具とするものとしても良く,又は幅方向の断面において中心線Cを中心とした前記放物線Pが対称に配置された溝型のリフレクタ30’(図6参照)を備えた照明器具1として構成するものとすることもでき,いずれの場合にも,透光板20で反射された光を,高効率で照明光として利用できる照明器具1を得ることかできた。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の照明器具の説明図であり,(A)は正面断面図,(B)は光源部分の底面図。
【図2】本発明の照明器具に使用する光源の一例を示す(A)は正面図,(B)は底面図。
【図3】本発明の別の照明器具の説明図であり,(A)は正面断面図,(B)は光源部分の底面図。
【図4】図1の照明器具に設けたリフレクタの反射面形状の説明図。
【図5】図3の照明器具に設けたリフレクタの反射面形状の説明図。
【図6】リフレクタの変形例(溝型リフレクタ)の概略斜視図。
【図7】透光板を光源の前面に配置した説明図であり,(A)は単一の光源,(B)は複数の光源を設けた例。
【図8】光源と透光板間の距離と反射率の関係を説明した説明図であり,(A)に対し,(B)は光源と透光板間の間隔を二倍としたもの。
【図9】光源からの直接光の制御を目的とした従来の反射体により透光板で反射した反射光を再反射した場合に生じる二次照射光の説明図。
【図10】透光板がレンズである場合の光の屈折状態の説明図であり,(A)は光源側表面に入射角0°で光が入射した場合,(B)はθ1で光が入射した場合。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に,添付図面を参照しながら本発明の照明器具について説明する。
【0049】
〔全体構成〕
本発明の照明器具1は,光源10と,この光源10の前面に配置された透光板20を備えると共に,光源10からこの透光板20に直接入射する一次入射光のうち,前記透光板20で反射された反射光を再度反射して,前記透光板20に対して所定の角度以下の入射角の二次入射光として入射させるリフレクタ30を,前記光源10と前記透光板20間に配置した構成を備えている。
【0050】
図1に示す実施形態において,本発明の照明器具1は,例えば陳列棚の棚板60に設けた開口61内に埋設して使用する小型のダウンライトとして構成したものであり,この実施形態において,本発明の照明器具1は,厚さ(高さ)を抑えるべく,LEDチップと呼ばれる薄型の面光源を光源10として使用すると共に,この光源10を取り付けるための本体40と,この本体40の外周に螺合されたフランジリング50を更に備えている。
【0051】
光源10は,本体40に設けた凹部41の中心にビス42によって留めていると共に,この凹部41内にリフレクタ30の膨出部分を収容することができるように構成している。
【0052】
本実施形態にあっては,リフレクタ30の周縁に形成されたフランジ31と,透光板20の周縁部21とを重ね合わせた状態でリフレクタ30と透光板20を共にフランジリング50内に挿入し,この状態でフランジリング50を本体40の外周に螺合することで,本体40,リフレクタ30,透光板20,及びフランジリング50を一体的に組み立てることができるようになっているが,各部の組み付けはこの構造に限定されない。
【0053】
図1中,符号43は係止バネであり,2つの係止バネ43の自由端間の間隔が,棚板60に設けた開口61幅以下となる迄,図中に矢印で示すようにこれらを上向きに持ち上げて,この状態で棚板60の開口61内に照明器具1の本体40を下方から上向きに挿入すると共に,挿入後,前記係止バネ43を元の位置に復帰させることで,係止バネ43とフランジリング50間で棚板60を挟持することにより,開口61内に照明器具1を固定できるようになっている。
【0054】
〔光源〕
図示の照明器具1で使用している光源10は,LEDチップと呼ばれるもので,基板11上に多数のLED素子を配置して面状に発光が生じるように構成したものであり,本実施形態にあっては図2(B)に示すように,複数のLED素子を直線状に並べて形成した素子列12を3列配置すると共に,周縁部に設けた縁13の内部に蛍光材料を円形に付着させることで,縁13内の,蛍光材料の付着した円形の部分全体がLED素子の発光と共に発光する発光面14となっている。
【0055】
なお,本実施形態にあっては,棚板60に対する取り付けを可能とするために,照明器具1の全高(厚さ)を抑えることを目的として,LEDチップ等の面光源を使用するが,このような面光源に限定されず,既知の一般的な光源(電球や蛍光管)等を光源とした照明器具に対しても本発明は適用可能である。
【0056】
また,このような面光源を使用する場合においても図示の実施形態に限定されず,例えば,発光面の全面にLED素子を配置することで,蛍光材料等を付着させることなく面発光するものとしたものを使用しても良く,更には,LED以外の発光体を使用するものとしても良い。
【0057】
一例として,本実施形態において前記LEDチップは,基板サイズが13×13.5mm,蛍光材料の付着面である発光部14の直径が9.5mmであり,この発光部14の外周に厚さ0.25mmの縁13が設けられている。
【0058】
〔透光板〕
以上のように構成された光源10の前面には透光板20が設けられている。
【0059】
この透光板20は,光源の保護,視界からの光源の遮蔽,防眩性の付与,その他の目的で取り付けられるアクリルその他のプラスチック,ガラス,その他の透光性を有する材質によって形成された透明板や乳半板,透過光の拡散や集光等の制御を行うためのレンズ,カラーフィルタ等のフィルタ,及びこれらを組み合わせたもの等,各種のものが使用できる。
【0060】
一例として,本実施形態における透光板20は,アクリルガラス(PMMA:絶対屈折率は約1.491)によって製造している。
【0061】
この透光板20は,図1及び図3に示すように光源10が面光源である場合,発光部14に対し平行に配置する事が好ましく,図1に示す実施形態では発光部14と透光板20の光源側の表面間の間隔(L)を約10mmとしている。
【0062】
なお,透光板20が一方を平坦面,他方を凹面,凸面乃至は鋸歯面とした凹レンズ,凸レンズ,フレネルレンズ等である場合には,光源10側に平坦面を配置することが好ましい。
【0063】
〔リフレクタ〕
以上のように構成された光源10と透光板20間に配置されるリフレクタ30は,透光板20の光源側表面で反射した光を再度反射させて,透光板20に入射する二次入射光を生成するものである点で,光源からの直接光の制御を目的として設けられる既知の一般的な照明器具に設けられているリフレクタとは全く異なるものである。
【0064】
そのため,本発明の照明器具1にあっては,リフレクタ30を光源10と透光板20の『間』に配置するものとしており,光源からの直接光を制御するために,リフレクタの反射面側(凹面側)に光源を配置する既知のリフレクタとは,光源との位置関係においても顕著に相違するものとなっている。
【0065】
このリフレクタ30は,生成した二次入射光を透光板20に対し所定の角度以下の入射角で入射することができるよう,その反射面の形状が設計されている。
【0066】
なお,入射角が一定であっても,透光板20に使用する材質の屈折率が高くなるに従い反射率は高くなることから,この二次入射光の入射角は,透光板20の持つ屈折率に応じて設定するものとしても良い。
【0067】
一例としてアクリル,アクリルガラス,ガラス等の屈折率1.5前後の材質で透過光をコントロールする板材,すなわち透光板20を製造する場合,この二次入射角は42.2°以下,より好ましくは30°以下であり,本実施形態にあっては,20°以下である。
【0068】
屈折率1.5前後の透光板20を使用する場合,入射角が42.2°以下であれば反射率をおよそ0.1(10%)以下に抑えることができ,入射角を0°に近付けば近付ける程,二次入射光が透光板20で反射される割合を減らし,より高い効率で照明光として利用することができるものとなる。
【0069】
特に,透光板20がレンズである場合,透光板20の光源とは反対側の表面において全反射を生じさせる角度以下の角度で二次入射光を入射させる必要があると共に,レンズを透過した光の向きを正確に制御することができる点でも,レンズの光源側の表面に対する入射角は0°近いことが好ましい。
【0070】
〔リフレクタの反射面の設計例〕
このような二次入射光を発生させるリフレクタ30の反射面は,一例として図1に示す形状とすることができ,この図1に示すリフレクタ30の反射面形状の詳細を,図4を参照して説明する。
【0071】
図4において,符号Cを付した線は,光源10の発光部14の中心を通り,透光板20に対して直交する中心線であり,図1及び図4において,リフレクタ30の反射面は,この中心線Cを通る照明器具1の断面に現れた形状である。
【0072】
また,符号Bで表した線は,光源10の発光部14の一端14aを通り,且つ,前記中心線C対して平行を成す,基準線である。
【0073】
図示の例では,この基準線Bを対称軸(S)とし,発光部14の一端14aを原点Oとし,且つ,発光部14の一端14aから透光板20の光源側表面迄の距離をLとした場合,発光面14の一端14aから2Lの距離にある前記基準線B上の位置に焦点Fを有する放物線Pを想定し,この放物線Pのうち,前記中心線Cに対し,前記基準線Bとは反対側にある部分の一部(図4中,中心線に対して図中右側にある太線部分)を前記中心線Cを中心として対称に配置した形状を有している。
【0074】
リフレクタ30の反射面の内周側端部(光源側の開口32の形成位置)は,光源10の前面を塞がない範囲で,可能な限り発光部14の他端14bに近付けて配置することが好ましい。
【0075】
図1に示したリフレクタ30の反射面は,図4における中心線Cを中心として前記放物線Pのうち図4中に太線で示した部分を回転させた回転体形状に形成しているが,リフレクタの反射面形状はこのような回転体形状に限定されず,例えばリフレクタを図6に示すような溝型(逆溝型)のリフレクタ30’として形成し,このリフレクタ30’の長さ方向のいずれの位置における幅方向の断面においても反射面が図4を参照して説明した形状となるように製造しても良い。
【0076】
この場合,光源10としても,リフレクタ30’の長さ方向を長さ方向とする長尺のものを使用するか,又は,リフレクタ30’の長手方向に複数の光源10を並べて配置する。
【0077】
以上で説明した反射面を備えたリフレクタ30の作用について,再度図4を参照して説明すると,発光部14の一端14aから中心線Cと交叉して透光板20の光源側表面に入射する一次入射光を考えると,このように発光面14の一端14aを出て透光板20に対して入射した一次入射光の一部は,透光板20を透過することができずに透光板20の光源側表面で反射される。
【0078】
ここで,このようにして透光板20の光源側表面で反射される光は,反射の法則によって一次入射角と同一の反射角で反射されることとなるため,透光板20のいずれの位置で生じた一次入射光の反射光であっても,この反射光の軌跡を光の進む方向とは反対側に延長する延長線(図4中に破線で示した線)を引くと,この延長線はいずれも焦点Fを通る。
【0079】
従って,このようにしてリフレクタ30の反射面に入射する反射光は,焦点Fを通って放物面であるリフレクタ30の反射面に入射するものであることから,リフレクタ30によって反射された光は,基準線Bに対して平行な平行光となる。
【0080】
その結果,このようにしてリフレクタ30で反射し,透光板20に入射した二次入射光の入射角(二次入射角)は,0°となる。
【0081】
ここで,本発明の照明器具1で使用する光源10は,前述のように発光部14が所定の幅を有していることから,光源10より発する光は,発光面14の一端14aのみならず,この一端14aと他端14b間のいずれの位置の発光部14からも発せられる。
【0082】
そして,光の発生位置が一端14a側から他端14b側に近付くに従い,リフレクタ30で生じた二次入射光の入射角は,図4中に示すように徐々に内向きに傾きが大きくなるものとなるが,この傾きは,図9を参照して説明した従来の反射体(リフレクタ)によって生じる傾きに比較して,充分に小さい。
【0083】
特に,透光板20が,凸レンズや凹レンズ,フレネルレンズ等のレンズである場合,透光板20のレンズとしての形状は,透光板20に対して垂直乃至は垂直に近い角度で入射した光を所定の方向に制御できるように構成されている一方,所定の角度以上の入射角で入射した光は,透光板20を通過した後,光源とは反対側の表面で全反射してしまい,透光板20を透過できずに照明光として利用することが不可能となる点については図10を参照して説明した通りであるが,前述のように構成されたリフレクタ30を備えた本発明の照明器具1にあっては,透光板20に対して垂直に近い角度で二次入射光を入射させることで,このような全反射の発生を抑制することができることから,二次入射光を効率良く照明光として利用することができるものとなっている。
【0084】
なお,本実施形態で使用するように,LED素子を使用した面光源10にあっては,LED素子の取り付け部分において高輝度となることから,この光源からの直接光を例えば床や壁等の平面に照射した場合,光源10における明るさのむらが,照明光にも反映されて壁面や床面に映り込むこととなるが,本発明の照明器具1にあっては,前述したように,光源10の発光部14の一端14aと他端14b間のいずれの位置より発した光に基づくものであるかにより,透光板20に対する二次入射光の入射角に僅かずつ違いが出ることから,このような明るさのムラが解消されるものとなっている。
【0085】
〔リフレクタの反射面の設計変更例〕
図1及び図4を参照して説明したリフレクタの反射面形状では,放物線Pの対称軸Sと基準線Bとを共通のものと成すと共に,放物線Pの焦点Fを発光部14の一端14aから2Lの距離にある基準線B上の位置に配置した設計としていたが,本発明の照明器具1のリフレクタ30の反射面形状は,この形状に限定されず,例えば図5に示すように放物線Pの対称軸Sを傾けた配置と成すと共に,放物線Pの焦点Fを,前述の位置に対し透光板20の光源側表面に近付けた配置としても良い。このように設計された反射面のリフレクタ30を備えた照明器具1を図3に示す。
【0086】
ここで,図1及び図4を参照して説明したように発光面14の一端14aを原点Oとし,発光面14の一端14aから2Lの距離にある基準線B上の位置に焦点Fを配置した放物線Pでは,図1に示すように光源10を固定しているビス42の頭部等が下向きに突出していると,放物線Pはこのビス42の頭部と干渉し易くなる。
【0087】
このような干渉を避けるためには,光源側に設けたリフレクタ30の開口32を図1に示すようにビス42の頭部と干渉しない位置となる迄広げるか,又は,放物線Pの原点Oを光源の一端14aより紙面下側に離間して透光板20側に近付けることが考えられる。
【0088】
しかし,リフレクタ30の光源側の開口32を広くとる場合,透光板20の中心側で反射した光をリフレクタ30に入射させることができずにこれを照明光として利用することができなくなると共に,透光板20が透視性を有するものである場合等,図1(B)に示すように光源10を固定するビス42の頭部等が視界に入ることとなり,リフレクタ30にビス42等の部材を視界より隠す目隠しとしての機能が期待できなくなる。
【0089】
一方,放物線Pの原点Oを光源の一端14aより離して透光板20に近付ける配置とする場合,光源10と透光板20間の間隔を広く取る必要があることから,照明器具1の全高が高くなる。
【0090】
そこで,図3及び図5に示す実施形態にあっては,放物線Pの原点Oを,光源の一端14aに対し下方に離間すると共に,この原点Oを基準線B上から中心線Cとは反対側に移動させて,放物線Pの対称軸Sを傾斜させることにより,光源10と透光板20間の間隔を広げることなく,且つ,リフレクタ30の光源10側の開口32を拡大すること無しに,ビスとの干渉を回避している。
【0091】
すなわち,図5において,原点をO’とする破線で示す放物線P’を半時計回り方向に約10°傾けた放物線Pで反射面を形成することで,図中hで示す高さの低減を図っている。
【0092】
その結果,図3に示す構成にあっては図1を参照して説明した実施形態に比較して,リフレクタ30に設けた光源10側の開口32を小さくしたものでありながら,リフレクタ30とビス42との干渉を回避することができるものとなっており,リフレクタ30に二次照射光を発生させる反射板としての役割の他,ビス42等の光源10の周辺に配置した部材を視界より隠す,目隠しとしての機能をより一層増大させることができるものとなっている。
【0093】
なお,図4を参照して説明したように,放物線Pの焦点Fを原点Oから2Lの位置としたまま,対称軸Sのみを傾斜させる構成を採用した場合,リフレクタ30によって反射した光は,この対称軸Sと平行に反射されるために,二次照射光は外向きに広がる拡散光となり,透光板20に対して垂直に近い入射角で入射することができなくなる。
【0094】
そこで,図3及び図5に示す実施形態では,この放物線Pの焦点Fを透光板20の光源側表面に近付けた配置とすることで,リフレクタ30で反射させて生じた二次照射光を,透光板20に対して所定の角度以下の入射角で入射させることができるようにしている。
【0095】
図3及び図5に示す実施形態にあっては,対称軸C上における原点Oと焦点F間の距離に対し,原点Oから透光板20の光源側表面間の距離を2/3,透光板20の光源側表面と焦点F間の距離を1/3に形成しているが,焦点Fは最大,透光板20の光源側表面位置まで原点Oに近付けて配置するものとしても良い。
【0096】
また,図3及び図5に示す実施形態にあっては,中心線Cに対する放物線Pの対称軸Sの傾きを10°としているが,この対称軸Sは0°を最小とし,最大15°程度迄傾けることができる。
【0097】
以上,図5を参照して説明したようにリフレクタ30を設計した図3の照明器具1にあっても,透光板20の光源側表面において反射した光は,リフレクタ30の反射面によって再度反射されて二次入射光として透光板20に入射される。
【0098】
この入射角は,所定の角度以下の入射角,好ましくは垂直に近い入射角で入射されるものとなっていることから,透光板20に入射した二次入射光を効率良く照明光として利用することができるものとなっている。
【0099】
また,このように透光板20に対する二次入射光の入射角を垂直に近付けることから,透光板20がレンズである場合であっても,透光板20を透過した光が,透光板20の光源とは反対側の表面において全反射することを防止でき,その結果,この点でも透光板20に対し入射させた二次入射光を効率的に照明光として利用することができるものとなっている。
【実施例】
【0100】
以下に本発明の照明器具と比較例の照明器具の比較試験を行った結果を示す。
【0101】
〔実験の目的〕
本発明の照明器具と,比較例の照明器具の照度比較試験を行い,本発明の照明器具に設けたリフレクタが,透光板によって反射された光を有効に照明光として利用し得るものであることを確認する。
【0102】
〔実験方法〕
本発明の照明器具(実施例)は,図3を参照して説明した照明器具であり,透光板20として,アクリルガラス製の乳半板を取り付けたもの(実施例1),集光型のフレネルレンズを取り付けたもの(実施例2)をそれぞれ用意した。
【0103】
比較例は,上記実施例の照明器具1の構成に対し,リフレクタ30及び透光板20のいずれも備えていないもの(比較例1),リフレクタ30を設けず透光板20として乳半板を設けたもの(比較例2),リフレクタ30を設けず透光板20として集光型フレネルレンズを設けたもの(比較例3),リフレクタ30を有するが透光板20を備えていないもの(比較例4)であり,その他の構成は,図3を参照して説明した本発明の照明器具と同一である。
【0104】
照度の測定は,透光板20の光源側表面より500mm離れた位置における中心照度をデジタル照度計(ミノルタ製)で測定した。
【0105】
〔測定結果〕
前述した条件で,実施例1,2及び比較例1〜4の照明器具の中心照度を測定した。その結果を表1に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
〔考察〕
リフレクタ及び透光板のいずれも備えていない照明器具(比較例1)の照度467(lx)に対し,リフレクタのみを設けた照明器具(比較例3)の照度は471(lx)であり,リフレクタを設けることによる照度の上昇は殆ど無く,本発明の照明器具のリフレクタは,透光板を備えない状態では照度の上昇に貢献しない(光源からの直接光を制御していない)ことが判る。
【0108】
一方,リフレクタを設けることなく,乳半板のみを設けた照明器具(比較例2)では,リフレクタ及び乳半板のいずれも備えていない照明器具(比較例1)に比較して大幅に照度が低下しており,光源から乳半板に対して入射した光の多くが乳半板によって反射され,照明光として利用できていないことが判る。
【0109】
また,リフレクタを設けることなく,集光型のフレネルレンズのみを設けた照明器具(比較例3)においては,光源からの光はレンズによって集光されて中心照度が大幅に上昇することが予測されたが,測定結果は,リフレクタ及び透過光制御板のいずれも備えていない比較例1の照明器具よりも照度が低下していた。
【0110】
従って,このような集光型のレンズを使用した場合においても,反射による光の損失が大きいことが判る。
【0111】
これに対し,実施例1の照明器具にあっては,リフレクタを備えることにより,透光板として乳半板を設けた場合であっても,420(lx)の中心照度を得ることができた。
【0112】
このように,乳半板と共にリフレクタを設けることにより,乳半板のみを設けた比較例の照明器具(比較例1)における中心照度である320(lx)に対し,100(lx)という大幅な照度上昇が得られており,本発明の照明器具に設けたリフレクタが,乳半板によってカットされていた光源からの光を,照明光として有効に利用していることが判る。
【0113】
また,透光板として集光型レンズを取り付けると共に,リフレクタを設けた本発明の照明器具(実施例2)では,648(lx)という極めて高い中心照度が得られており,リフレクタによって反射された二次入射光によって200(lx)以上の照度上昇が得られることが確認された。
【0114】
このように,本発明の照明器具にあっては,従来,透光板によってカットされ,照明光としては利用されていなかった光を,照明光として有効に利用することができ,これを設けていない照明器具に比較して24〜33%程度の中心照度の向上が得られるものとなっていた。
【0115】
その結果,本発明の照明器具によれば,光源を小型化した場合であっても,従来の照明器具と同程度の明るさを得ることができ,これに伴い照明器具を安価で製造することができると共に,照明器具の小型化,省電力化を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 照明器具
10 光源
11 基板
12 素子列
13 縁
14 発光部
14a 発光部の一端
14b 発光部の他端
20 透光板
21 周縁部(透光板20の)
30 リフレクタ
31 フランジ
32 開口(光源側)
33 開口(透光板側)
40 本体
41 凹部
42 ビス
43 係止バネ
50 フランジリング
60 棚板
61 開口(棚板60の)
C 中心線
B 基準線
S 対称軸(放物線の)
F 焦点
P 放物線
O 原点(放物線の)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と,この光源の前方に配置された透光板を備えた照明器具において,
前記光源から前記透光板に直接入射した一次入射光のうち,前記透光板で反射された反射光を再度反射して,前記透光板に対して所定の角以下の入射角で入射する二次入射光を生成するリフレクタを,前記光源と前記透光板間に配置したことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記光源の発光部の中心を通り,前記透光板に垂直な中心線を想定し,
この中心線を通る前記照明器具の断面において前記光源の発光部の一端を通る,前記中心線と平行な基準線を更に想定し,
前記光源の発光部の前記一端から前記透光板の前記光源側表面迄の距離に対し,前記発光部の前記一端から2倍の距離にある前記基準線上の位置を最遠点とし,該最遠点から前記透光板の前記光源側表面迄のいずれかの位置における前記基準線上に焦点を有する放物線を想定し,この放物線のうち,前記中心線に対し前記基準線とは反対にある部分の少なくとも一部を,前記中心線を中心として対称の位置に配置した断面形状に前記リフレクタの反射面を形成したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記リフレクタの反射面に対して前記光源の直接光が入射しない位置に前記光源を配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記透光板が,乳半板であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の照明器具。
【請求項5】
前記リフレクタの反射面を,
前記放物線の焦点を前記最遠点に設けた時の前記放物線の原点を前記発光部の一端上又はこれに近接して配置すると共に,
前記放物線の原点を前記発光部の一端側から前記中心軸とは反対側に遠ざけて前記放物線の対称軸の傾きを大きくとるに従い,前記焦点の配置を前記透光板の前記光源側表面に近付けて配置するよう設計したことを特徴とする請求項2記載の照明器具。
【請求項6】
前記放物線の対称軸の傾きが,前記中心線に対して0°〜15°の範囲であることを特徴とする請求項5記載の照明器具。
【請求項7】
前記リフレクタの反射面が,前記中心線を回転中心とする回転体形状であることを特徴とする請求項2,5又は6記載の照明器具。
【請求項8】
前記リフレクタが所定の長さを有する溝型であり,長さ方向のいずれの位置における幅方向の断面においても前記中心線を中心とした対称形状を有することを特徴とする請求項2,5又は6記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−124069(P2012−124069A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274948(P2010−274948)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(592064110)株式会社ウシオスペックス (16)