説明

照明器具

【課題】直管型LEDランプの誤取付を防止できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、直管型LEDランプ14と、直管型LEDランプ14に有する一方の口金ピン25に接続される第1ソケット12と、直管型LEDランプ14に有する他方の口金ピン27に接続される第2ソケット13と、第1ソケット12および第2ソケット13を保持する器具本体11とを備え、第1ソケット12および第2ソケット13のうちの少なくとも一方に、一方の口金ピン25が第1ソケット12側または他方の口金ピン27が第2ソケット13側へ装着されるように促すために周囲の色とは異なる色の表示部37を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを有する直管型LEDランプを光源として天井面に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、長手方向の両端部に配置されたランプソケットに直管型の蛍光ランプを取り付けた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の照明器具は、直管型の蛍光ランプから光が放射状に出射されることにより、被照射対象である床面側を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−213968号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明器具は、蛍光ランプの光を無用に遮ることなく輻射雑音を低減することができる。
ところで、近年のLED技術の発展に伴い、省エネ等の観点から蛍光ランプに代えて、LEDを内蔵した直管型LEDランプを装備する照明器具が提案されている。
このような直管型LEDランプは、一方の口金側に給電側口金ピンが配置され、他方の口金側に接地側口金ピンが配置されている。
直管型LEDランプを取り付ける照明器具は、器具本体に、直管型LEDランプの給電側口金ピンにのみ電気的に接続される給電側ソケットと、直管型LEDランプの接地側口金ピンにのみ電気的に接続される接地側ソケットとを装備する。
従って、このような従来の照明器具においては、直管型LEDランプが方向性を有するにも拘わらず、給電側ソケットおよび接地側ソケットに取り付ける際に、直管型LEDランプにおける給電側口金ピンおよび接地側口金ピンを間違えて誤取付されることがある。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、直管型LEDランプの誤取付を防止できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、直管型LEDランプと、前記直管型LEDランプに有する一方の口金ピンに接続される第1ソケットと、前記直管型LEDランプに有する他方の口金ピンに接続される第2ソケットと、前記第1ソケットおよび前記第2ソケットを保持する器具本体とを備え、前記第1ソケットおよび前記第2ソケットのうちの少なくとも一方に、前記一方の口金ピンが前記第1ソケット側または前記他方の口金ピンが前記第2ソケット側へ装着されるように促すために周囲の色とは異なる色の表示部を設けた。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記表示部が、前記直管型LEDランプに少なくとも一部が隠れる位置に配置される。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記表示部が、前記直管型LEDランプの前記口金ピンの挿入方向に沿った延長線上に配置される。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記表示部が、前記第1ソケットまたは前記第2ソケットと異なる色である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、直管型LEDランプの誤取付を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の斜め下方から視た外観斜視図
【図2】本発明に係る一実施形態の照明器具の斜め下方から視た分解斜視図
【図3】本発明に係る一実施形態の照明器具の給電側ソケットと給電側端子との組付関係を説明する外観斜視図
【図4】本発明に係る一実施形態の照明器具の接地側ソケットと接地側端子との組付関係を説明する外観斜視図
【図5】本発明に係る一実施形態の照明器具の直管型LEDランプの接地側ソケットへの取付状態の外観斜視図
【図6】本発明に係る一実施形態の照明器具の変形例の直管型LEDランプの接地側ソケットへの取付状態の外観斜視図
【図7】本発明に係る一実施形態の照明器具の他の変形例の接地側ソケットと接地側端子との組付関係を説明する外観斜視図
【図8】本発明に係る一実施形態の照明器具の他の変形例の接地側ソケットと接地側端子との組付関係を説明する外観斜視図
【図9】本発明に係る一実施形態の照明器具の他の変形例の接地側ソケットと接地側端子との組付関係を説明する外観斜視図
【図10】本発明に係る一実施形態の照明器具の他の変形例の接地側ソケットと接地側端子との組付関係を説明する外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10は、器具本体(図2参照)11と、器具本体11の一端部に取り付けられた給電側ソケット12と、器具本体11の他端部に取り付けられた接地側ソケット13とを備える。
また、照明器具10は、給電側ソケット12および接地側ソケット13に電気的に接続されて機械的に取り付けられる直管型LEDランプ14と、直管型LEDランプ14の上方において器具本体11に取り付けられる反射板15とを備える。
照明器具10は、天井面1に設置されるベースライトに適用される。
【0013】
図2に示すように、器具本体11は、厚みの薄い金属製板部材により成形されており、両端部に一対の給電側ソケット台16および接地側ソケット台17を有する。
給電側ソケット台16には、給電側ソケット12が下方に向けて突出して取り付けられ、接地側ソケット台17には、接地側ソケット13が下方に向けて突出して取り付けられる。
器具本体11は、両端部側に一対の取付ボルト孔18を有する。これら取付ボルト孔18には、天井面1に設置されている取付ボルト2が挿通される。
そして、器具本体11の下面側において座金3を介してナット4が取付ボルト2にねじ込まれることにより、器具本体11が天井面1に取り付けられる。
器具本体11には、電源端子台19と、電源ブロック20とが下面に取り付けられている。電源端子台19には、外部から引き込まれた電源配線21が電気的に接続される。
電源端子台19は、電源ブロック20に電気的に接続され、電源ブロック20からの器具内配線22が給電側ソケット12および接地側ソケット13にそれぞれ電気的に接続される。
【0014】
直管型LEDランプ14は、断面がほぼ円形状のガラス管23の一端部の口金24に、給電側ソケット12内に収容されている不図示の一対の給電側端子受に電気的に接続される一対の給電側口金ピン25を有する。
直管型LEDランプ14は、ガラス管23の他端部の口金26に、接地側ソケット13内に収容されている不図示の接地側端子受に電気的に接続される単一の接地側口金ピン27を有する。
直管型LEDランプ14は、ガラス管23内に、複数のLED28を器具本体11の長手方向に実装させたLED基板29を有するLEDユニット30を内蔵している。
直管型LEDランプ14は、被照射対象に向けた照射範囲が全周に対して1/2ないし2/3である。
【0015】
直管型LEDランプ14は、給電側ソケット12から給電された直流電流が給電側口金ピン25から接地側口金ピン27を通じて接地側ソケット13に流れることによりLED基板29に有する不図示のプリント回路に直流電流が供給されてLED28が発光される。
なお、直管型LEDランプ14は、一端部の口金24に一対の給電側口金ピン25を有し、他端部の口金26に単一の接地側口金ピン27を有するものに限ることはない。
例えば、一端部の口金24に3本の給電側口金ピン25を有し、他端部の口金26に2本の接地側口金ピン27を有するものや、一端部の口金24に2本の給電側口金ピン25を有し、他端部の口金26に2本の接地側口金ピン27を有するものであってもよい。
【0016】
反射板15は、外面に白色や乳白色に塗装された反射面31を有する。反射板15は、器具本体11にねじ止めされることにより器具本体11に一体的に組み付けられる。
反射板15には、給電側ソケット12と接地側ソケット13とを挿通させるための一対のソケット挿通孔32を有するために、器具本体11に組み付けられた際に、給電側ソケット12と接地側ソケット13とが下方に向けて突出して配置される。
【0017】
図3に示すように、給電側ソケット12は、一対の給電側口金ピン25が挿入される給電側口金ピン挿入部33が形成された給電側ソケットケース34を有する。給電側ソケットケース34は、器具本体11と同一の白色や乳白色の塗装が施されている。
【0018】
図4に示すように、接地側ソケット13は、単一の接地側口金ピン27が挿入される接地側口金ピン挿入部35が形成された接地側ソケットケース36を有する。接地側ソケットケース36は、器具本体11と同一の白色や乳白色の塗装が施されている。
そして、接地側ソケット13の接地側ソケットケース36の直管型LEDランプ14の取付側の側面に表示部37を有する。給電側ソケット12の給電側ソケットケース34は、表示部37を有さない。
【0019】
表示部37は、直管型LEDランプ14の脱着を行う使用者に対して、接地側ソケット13に直管型LEDランプ14の単一の接地側口金ピン27を取り付けるように促すためのものである。
従って、使用者が直管型LEDランプ14の脱着を行う際に、表示部37により、直管型LEDランプ14の単一の接地側口金ピン27を接地側ソケット13に間違いなく取り付けるように促されることにより、直管型LEDランプ14の誤取付を防止できる。
【0020】
表示部37は、接地側ソケットケース36の塗装色とは異なる、例えば赤色であって三角形に形成されている。
従って、表示部37が、接地側ソケット13の接地側ソケットケース36と異なる色であるために、使用者が直管型LEDランプ14の脱着を行う際に、目立つことにより、直管型LEDランプ14の接地側口金ピン27の挿入が正しいことを確認できる。
【0021】
表示部37は、直管型LEDランプ14の接地側口金ピン27の挿入方向に沿った延長線上に配置される。
従って、使用者が直管型LEDランプ14の脱着を行う際に、接地側ソケット13の接地側口金ピン挿入部35の近傍を見るだけで、直管型LEDランプ14の接地側口金ピン27の方向性が正しいことを確認できる。
なお、表示部37は、その色が、赤色に代えて黄色や黒色等の接地側ソケット13の色彩とは異なるものでもよく、さらに、三角形状に代えて星形状や丸形状に形成されてもよい。
【0022】
直管型LEDランプ14は、単一の接地側口金ピン27が接地側ソケットケース36の接地側口金ピン挿入部35に最初に挿入された後に、一対の給電側口金ピン25が給電側ソケットケース34の給電側口金ピン挿入部33に挿入される。
そして、直管型LEDランプ14は、あらかじめ定められた角度だけ回動されることにより、LED28が照射対象方向に向けられて、一対の給電側口金ピン25が給電側端子受に、単一の接地側口金ピン27が接地側端子受に、それぞれ電気的に接続される。
【0023】
図5に示すように、直管型LEDランプ14は、他端部の口金26が接地側ソケットケース36に有する表示部37を十分に覆って配置される。
従って、直管型LEDランプ14が取り付けられた際に、接地側ソケットケース36の表示部37が直視されないために、意匠面で良好にできる。
【0024】
図6に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10の変形例は、直管型LEDランプ14が接地側ソケット13に取り付けられた際に、直管型LEDランプ14の他端部の口金26により一部が隠れる位置に表示部37を有する。
【0025】
図7に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10の他の変形例は、接地側ソケット13の接地側ソケットケース36の下面であって、接地側口金ピン挿入部35の近傍に表示部37を有する。
【0026】
図8に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10の他の変形例は、接地側ソケット13の接地側ソケットケース36の下面であって、接地側口金ピン挿入部35の近傍および直管型LEDランプ14の他端部の口金26に表示部37をそれぞれ有する。
一対の表示部37は、合わせマークとして機能する。
【0027】
図9に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10の他の変形例は、接地側ソケット13の接地側ソケットケース36の直管型LEDランプ14の取付側の側面に、接地の意味を表すアースの活字表示の表示部37を有する。
【0028】
図10に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10の他の変形例は、接地側ソケット13の接地側ソケットケース36の直管型LEDランプ14の取付側の側面に丸印状の表示部37を有する。
表示部37は、接地側ソケット13の接地側ソケットケース36とは異なる色であって、直管型LEDランプ14の他端部の口金26の外径寸法L1よりも十分に小さい外径寸法L2を有する。
【0029】
以上、説明したように一実施形態の照明器具10によれば、使用者が直管型LEDランプ14の脱着を行う際に、表示部37により、直管型LEDランプ14の単一の接地側口金ピン27を接地側ソケット13に間違いなく取り付けるように促されることにより、直管型LEDランプ14の誤取付を防止できる。
【0030】
また、一実施形態の照明器具10によれば、直管型LEDランプ14が取り付けられた際に、接地側ソケットケース36の表示部37が直視されないために、意匠面で良好にできる。
【0031】
そして、一実施形態の照明器具10によれば、使用者が直管型LEDランプ14の脱着を行う際に、接地側ソケット13を見るだけで、直管型LEDランプ14の接地側口金ピン27の方向性が正しいことを確認できる。
【0032】
さらに、一実施形態の照明器具10によれば、表示部37が、接地側ソケットケース36と異なる色であるために、使用者が直管型LEDランプ14の脱着を行う際に、直管型LEDランプ14の接地側口金ピン27の挿入が正しいことを確認できる。
【0033】
なお、本発明の照明器具において器具本体,反射板,電源端子台,電源ブロック等は、前述した一実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0034】
10 照明器具
11 器具本体
12 給電側ソケット(第1ソケット)
13 接地側ソケット(第2ソケット)
14 直管型LEDランプ
25 給電側口金ピン(一方の口金ピン)
27 接地側口金ピン(他方の口金ピン)
37 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管型LEDランプと、
前記直管型LEDランプに有する一方の口金ピンに接続される第1ソケットと、
前記直管型LEDランプに有する他方の口金ピンに接続される第2ソケットと、
前記第1ソケットおよび前記第2ソケットを保持する器具本体とを備え、
前記第1ソケットおよび前記第2ソケットのうちの少なくとも一方に、前記一方の口金ピンが前記第1ソケット側または前記他方の口金ピンが前記第2ソケット側へ装着されるように促すために周囲の色とは異なる色の表示部を設けた照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記表示部が、前記直管型LEDランプに少なくとも一部が隠れる位置に配置される照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記表示部が、前記直管型LEDランプの前記口金ピンの挿入方向に沿った延長線上に配置される照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記表示部が、前記第1ソケットまたは前記第2ソケットと異なる色である照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−134038(P2012−134038A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285856(P2010−285856)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】