説明

照明器具

【課題】開口部のフタによる光のムラを減少させるとともに、容易にフタを脱着できる照明器具を提供する。
【解決手段】反射板60には開口部61が設けられており、この開口部61にはフタ62が着脱可能に設けられている。フタ62は、その外面621が反射板60の反射面602に沿うように形成されているので、色ムラを減少して反射板60本来の機能を果たすことができる。また、フタ62は、反射板60の開口部61に回転装着されるので、装着時のフタ62の高さを反射板60の高さを同じにできる。このため、傾斜天井に取り付けたり、何らかの理由で通常の取付け状態と異なる取付け状態の場合でも、フタ62が反射板60から凹むことがなく、通常取付時と同様の配光ができる。また、フタ62には指掛かり部623が設けられているので、フタ62を容易に回転させることができ、容易に着脱できる。さらに、指掛かり部623が凹状なので、レバー等の突起を設ける必要がなく、光の輝度ムラとなる原因を回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光源からの光を反射板により下方へ反射して下方に光を照射する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、LED光源を有するLEDユニットが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図30(A),(B)に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、器具取付面101に設置される器具本体102、半導体発光素子からなる光源体103、レンズ体104、反射体105およびグローブ106を有する。
器具本体102の略中央部には、天井等の器具取付面101に設置された引っ掛けシーリング107に着脱可能に設置されるアダプタ108が設けられる。従って、器具取付面101に設けられた引っ掛けシーリング107にアダプタ108を係合することにより、電気的および機械的に支持され設置される。
【0003】
また、アダプタ108の周囲の空間部に、光源体103を点灯するための点灯装置109を有する。
光源体103は、直線状に形成されており、器具本体102の対向する辺の外縁部に設けられている。
また、反射体105は、鉄板等の金属に白色塗装を施した平板状をなし、両端部は2本の光源体103、103に対向する。反射体105は、中間部分から器具本体102の略中央部に向かって連続的に徐々に傾斜させた傾斜部110を有する。
【0004】
従って、光源体103を点灯させると、光はレンズ体104により、略平行な方向、すなわち、反射体105の傾斜部110に向かって放射され、さらに反射体105で反射してグローブ106を内面側から照射する。
これにより、部屋全体にわたり略均一な明るさで照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−300203号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述したように、アダプタ108を引っ掛けシーリング107に装着することにより照明器具100を器具取付面に取り付ける場合には、反射体105のアダプタ108に対応する部位に開口を設け、開口にフタを取り付ける。
この際、フタの脱着が面倒であるとともに、フタによって光のムラを生じる場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、開口部のフタによる光のムラを減少させるとともに、容易にフタを脱着できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明器具は、対向した位置に配置され器具本体の内側方向に照射する少なくとも一対の光源と、前記器具本体内部に収容され、前記器具本体の照射口に向かう反射板と、前記反射板に設けられた開口部と、前記反射板の前記開口部を着脱自在に操作されるフタと、を備え、前記フタは、その外面が前記反射板の反射面に沿うように形成されるとともに前記反射板の前記開口部に回転装着され、指掛かり部を有するものである。
【0009】
また、本発明の照明器具は、前記指掛かり部は前記光源に対して対向した位置にあるものである。
【0010】
また、本発明の照明器具は、前記反射板は稜線を持つ山形状であり、前記フタは、前記稜線に対応する箇所に前記反射板に係止される爪部を有するものである。
【0011】
また、本発明の照明器具は、前記反射板及び前記フタは、装着状態において、前記反射板の稜線からずれた位置に装着位置を示す表示部を有するものである。
【0012】
さらに、本発明の照明器具は、前記フタの外面が、前記反射板の反射面と同系色であるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、反射板の開口部に取り付けられるフタは、その外面が反射板の反射面に沿うように形成されているので、フタにおける反射による色ムラを減少して反射板本来の機能を果たすことができる。また、フタには指掛かり部が設けられているので、フタを容易に回転させることができ、容易に着脱できるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具を下方から見た全体斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具を下方から見た分解斜視図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の中心を通る断面図
【図4】(A)は反射板を下方から見た底面図であり、(B)は(A)中B−B位置の断面図であり、(C)は(A)中C−C位置の断面図
【図5】(A)はリモコン制御部における配置の一例を示す正面図であり、(B)は別の例を示す正面図
【図6】(A)はリモコン受信部の断面図であり、(B)は(A)中B方向から見た平面図
【図7】(A)はリモコン受信部における赤外線センサと反射壁との高さ関係を示す断面図であり、(B)は受光面が高い赤外線センサを用いた場合の断面図
【図8】(A)はリモコン受信部における第2のLEDの光の照射光を示す断面図であり、(B)は(A)中B方向から見た平面図
【図9】(A)はリモコン制御部のカバーを反射板から突出しないように設けた場合の断面図であり、(B)はカバーが反射板から突出した場合の断面図
【図10】本発明に係る第1実施形態の照明器具のパネルを外した状態を下方から見た全体斜視図
【図11】(A)は器具本体の中心を通ってロアーユニットのLEDからの照射方向に沿って切断した断面図であり、(B)は(A)中矢印B方向から見たパネルを外した状態の底面図
【図12】(A)は器具本体の中心を通ってロアーユニットのLEDからの照射方向に沿って切断した断面図であり、(B)は(A)中矢印B方向に見たパネルを外した状態の底面図
【図13】図12(A)中XIII部分の拡大図
【図14】(A)はフタの底面図であり、(B)は(A)中B方向から見た側面図であり、(C)は(A)中C方向から見た側面図
【図15】図12(B)中XV部分のフタを外した内部の拡大図
【図16】(A)はフタを開口部に嵌合させた状態を示す斜視図および断面図であり、(B)はフタを回転させて反射板に固定した状態を示す斜視図および断面図
【図17】(A)はフタを開口部に嵌合させた状態を示す底面図であり、(B)はフタを回転させて反射板に固定した状態を示す底面図
【図18】本発明に係る第1実施形態の照明器具のパネルを外した状態を下方から見た全体斜視図
【図19】器具本体の中心を通る断面図
【図20】図19中XX部分の拡大断面図
【図21】(A)は第1のパネル取付部の斜視図であり、(B)は(A)中B方向から見た側面図であり、(C)は(A)中C方向から見た平面図
【図22】(A)は第2のパネル取付部のレバーを開けた状態を示す斜視図であり、(B)はレバーを閉じた状態を示す斜視図
【図23】(A)はレバー部材の斜視図であり、(B)は(A)中B方向から見た平面図であり、(C)は(B)中C方向から見た側面図であり、(D)は(C)中D方向から見た側面図
【図24】(A)はパネルを器具本体に仮固定した状態の斜視図であり、(B)はパネルを閉じて固定前の状態の斜視図であり、(C)はパネルを固定した状態の斜視図
【図25】本発明に係る第2実施形態の照明器具のパネルを外した状態を下方から見た斜視図
【図26】(A)は図25中XXVI−XXVI位置の断面図であり、(B)は(A)中B部分の拡大図
【図27】(A)は本発明の第2実施形態に係る照明器具を下方から見た底面図であり、(B)はLEDがパネルに映る状態を示す底面図であり、(C)は常夜灯が映る状態を示す底面図
【図28】(A)ないし(C)は、リモコンカバーの形状の例を示す断面図
【図29】(A)は反射板の変形例が取り付けられた器具本体の断面図であり、(B)はリモコン制御部を反射板の中央部に設けた場合を下方から見た斜視図であり、(C)はリモコン制御部を反射板の中央部以外に設けた場合を下方から見た斜視図
【図30】(A)は従来の照明器具における中心を通る断面図であり、(B)は下面から見た底面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明においては、照明器具を被取付面に取り付けて下方を照明する場合について説明する。従って、特に示す場合を除き、上(上方、上側等)は天井面側を意味し、下(下方、下側等)は床面側を意味する。
【0016】
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、被取付面である天井面11等に取り付けられて主に下方を照明するのに適する。
図2および図3に示すように、照明器具10は、天井面11に取り付けられている引っ掛けシーリング12に取り付けるための取付金具21を中央に有する例えば正方形の板状の器具本体20を有する。
【0017】
図3に示すように、器具本体20の上側(すなわち、天井面11側)には、主光源である複数のLED301が実装されたアッパーユニット30、上枠32および上パネル31が設けられている。
また、器具本体20の照明方向である下側には、主光源である複数のLED401が実装されたロアーユニット40、反射面部である反射板60が設けられており、反射板60の下方には、受けた光を拡散する透光性のパネル50が取り付けられる。
なお、「照明方向」とは、照明器具10が照明する方向を指す。
【0018】
図3に示すように、アッパーユニット30は、四方外向きに照射するように器具本体20の上側に取り付けられる。
ここでは、矩形の器具本体20の各辺に沿って、例えば1個のアッパーユニット30がそれぞれ設けられているが、数は限定するものではない。
器具本体20におけるアッパーユニット30の照射方向前方である器具本体20の上面は、反射率の高い塗装、例えば白塗装もしくは鏡面仕上げを施すのが望ましい。
なお、「照射方向」とは、LED301,401あるいはアッパーユニット30、ロアーユニット40が光を照射する方向をいう。従って、照明器具10の「照明方向」とは、必ずしも一致しない。
【0019】
また、図4(A)〜(C)にも示すように、器具本体20の下側には、ロアーユニット40が、器具本体20の内側向きに照射するように取り付けられる。
ここでは、器具本体20の対向する2辺に沿って、例えば2個のロアーユニット40がそれぞれ設けられているが、数は限定するものではない。
なお、器具本体20には、ロアーユニット40が設けられていない一対の対向する辺に沿って、各々一対の取付用開口部25が設けられている(図2参照)。
【0020】
図2および図3に示すように、器具本体20の下方(図3において下方)には、器具本体20より一回り小さい反射板60が、取り付けられている。
反射板60は全体矩形状をしており、下方に尖った山型形状あるいは略四角錐形状を呈している。反射板60においてロアーユニット40が設けられていない一対の対向する辺に沿って、各々一対の取付用開口部601が設けられている。
反射板60は、器具本体20の外縁部に取り付けられているロアーユニット40の内側に取り付けられており、反射面である下面602は、光を反射するように、白色塗装あるいは鏡面仕上げが施されている。反射率は90%以上とする。
従って、ロアーユニット40は、反射板60の外側から反射板60の下面に向かって光を照射し、反射板60の下面602で反射した光は下方へ照射される。
【0021】
図2および図3に示したように、ロアーユニット40の下方には、パネル50が着脱可能に取り付けられる。パネル50は、照射された光を拡散するものであり、複数箇所に、光透過率が低いパネルカバー51を設けられている。
パネルカバー51は、例えば、パネル50において器具本体20の中心に対して対称な端部付近の対向する2辺に沿って設けられている。また、パネルカバー51は、ロアーユニット40が設けられている位置に対応して設けられている。
【0022】
パネル50は、山型形状の反射板60との間隔が略一定になるように、反射板60の下面602に対応して湾曲している。例えば、図19に示すように、反射板60の角度βが169度の場合には、パネル50は半径R=3600mm程度で湾曲させることができる。
このようにパネル50を湾曲させることにより、パネル50の強度を上げることができる。また、反射板60との距離を略一定とすることにより、反射板60で反射した光をパネル50に照射して、パネル50を均一に発光させることができる。
【0023】
図4(A),(B)に示すように、反射板60と器具本体20との間には、赤外線リモコン信号を受信して、ロアーユニット40およびアッパーユニット30を制御し、配光状態を調整するためのリモコン制御部70が設けられている。
リモコン制御部70は矩形箱状のリモコン制御部ケース71を有しており、リモコン制御部ケース71は器具本体20に取り付けられて下面711が反射板60の下面602から下方に露出する。
【0024】
図5(A)に示すように、リモコン制御部70では、リモコン制御部ケース71の内部には、赤外線リモコンの信号を受信するリモコン受信部用の開口部77が設けられており、開口部77の内部には受光素子である赤外線センサ72が設けられている。
図6(A),(B)に示すように、開口部77は赤外線センサ72より広い範囲であり、赤外線センサ72の少なくとも一方の指向角を遮らない大きさに設定する。
また、図7(A),(B)に示すように、赤外線センサ72の周囲には、赤外線リモコン信号RSを反射する反射壁771が、赤外線センサ72の受光面721以上の高さで設けられている。これにより、赤外線リモコン信号RSは、反射壁771に当たって反射し、赤外線センサ72に受光される場合もある。なお、図7(A),(B)に示すように、受光面721が高い赤外線センサ72Bにも対応できるようにしておくのが望ましい。
【0025】
また、リモコン制御部ケース71における赤外線センサ72の近傍には、副光源である第2のLED73が設けられている。ここでは、例えば3個の第2のLED73が設けられている。
あるいは、図5(B)に示すリモコン制御部70Bのように、赤外線センサ72の周囲に第2のLED73を配置することもできる。
また、図8(A),(B)に示すように、反射壁771が、第2のLED73の光を反射するように設定した。このため、第2のLED73から発せられた光で、側方へ照射されたものは反射壁771で反射して、照明方向へ出射される。
【0026】
赤外線センサ72および第2のLED73の照射方向前方には、カバー74が設けられている。カバー74は、リモコン制御部ケース71の下面711に、着脱可能あるいは開閉可能に設けられており、反射板60の反射面である下面602に露出する。
カバー74は、赤外線リモコン信号を透過するとともに、第2のLED73の光を透過する。
【0027】
リモコン制御部ケース71には、照明方向前方に開口する凹部712が設けられている。凹部712の内部には、ON/OFFスイッチ713、音入切スイッチ714、チャンネルつまみ715等の各種スイッチが設けられている。これらON/OFFスイッチ713、音入切スイッチ714、チャンネルつまみ715は、いずれもリモコン制御部ケース71の下面711から下方に突出しない。
なお、凹部712を覆う蓋部材を着脱可能あるいは開閉可能に設けることもできる。この場合には、蓋部材は、透光性である必要はなく、光を反射するものが望ましい。
【0028】
図9(A)に示すように、カバー74は、外装面である下面741が反射板60の下面602から少なくとも赤外線センサ72の赤外線受信方向である照明方向前方に突出しないものが望ましい。
あるいは、カバー74を、例えば、乳白色や表面(下面)をシボ加工した半透明の樹脂で形成して、カバー74の下面741がロアーユニット40からの光の少なくとも一部を反射するように構成する。この場合には、図9(B)に示すように、カバー74が反射板60の下面602から照明方向前方に突出して設けることも可能である。
【0029】
図10に示すように、凹部712は、ロアーユニット40の光の照射方向に沿って短辺を設け(幅W)、光の照射方向と直交する方向に長手を設けた(長さL)。すなわち、長手方向をロアーユニット40と平行に配置して、光が凹部712に落ち込む面積を狭くする。また、幅Wは、大人の男性の指が容易に入るように設定する。
図11(A),(B)に示すように、ロアーユニット40のLED401からの光は、反射板60の稜線603に焦点がくるようにする(焦点範囲FR)。従って、凹部712は、焦点よりも光源であるLED401側に位置する。また、凹部712を、LED401よりも高い位置(すなわち、天井面11側)に配置して、直接光が凹部712に落ち込まないようになっている。
【0030】
従って、図11(A)に示すように、例えば反射板60の傾斜角度θが5.5度で、パネル50の内面と反射板60の頂点との間の高さHが28mmの場合、凹部712の長さL×幅Wは、51mm×24mm程度とすることができる。
なお、凹部712の色は、反射板60と同系色とするのが望ましい。これにより、凹部712自身の色がパネル50に映るのを防止できる。
【0031】
以上のように構成した照明器具10では、リモコン送信装置(図示省略)から発せられた赤外線リモコン信号を、赤外線センサ72が受信する。そして、受信した信号に基づいて、リモコン制御部70がアッパーユニット30のLED301およびロアーユニット40のLED401を制御して所望の配光状態に調整する。
すなわち、アッパーユニット30から照明器具10の外側へ発せられた光は、天井面11や壁面(図示省略)を照明する。また、ロアーユニット40から内側へ発せられた光は、反射板60で下方へ反射して、パネル50に入射し、パネル50を発光させる。
あるいは、赤外線リモコン信号に基づいて、第2のLED73の点灯や消灯を制御する。
【0032】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具10によれば、赤外線リモコン信号を赤外線センサ72が受信し、主光源であるLED301、401から発せられる光を調整して、反射板60で下方へ反射して照明する。
このとき、赤外線センサ72が反射板60に配置されているので、不透過部であるパネルカバー51等に赤外線センサ72を設けるスペースが不必要となる。これにより、不透過部を小さくすることができ、外観を改善できる。
【0033】
また、赤外線センサ72の赤外線受信方向に設けられているカバー74が、反射板60から少なくとも照明方向前方へ突出しないようにするのが望ましい。
これにより、カバー74がロアーユニット40からの光を遮るのを防止でき、影が少なく、輝度ムラが少ない照明を行うことができる。
【0034】
また、赤外線センサ72の赤外線受信方向に設けられているカバー74の下面741を、ロアーユニット40からの光を反射させるようにすることが望ましい。
これにより、カバー74が反射板60から多少突出している場合でも、影が少なく、輝度ムラが少ない照明を行うことができる。
【0035】
また、副光源である第2のLED73は、赤外線を発生しないため、赤外線センサ72の誤作動を発生させることがない。このため、赤外線センサ72の近傍に設けることができる。
また、カバー74は、赤外線センサ72および第2のLED73の前方に設けられており、赤外線センサ72と第2のLED73とは同じ場所に収容されるので、赤外線センサ72および第2のLED73のための開口が大きくなる。
このため、赤外線センサ72の感度を向上させることができる。
【0036】
赤外線センサ72の開口部77を、受光素子721より広い範囲としたので、受光素子721の指向角を遮らない。
【0037】
赤外線センサ72の周囲に赤外線センサ72の受光面721以上の高さの反射壁771が配置されているので、赤外線リモコン信号RSを反射させて受信することができ、効率よく赤外線リモコン信号RSを受信できる。
【0038】
反射壁771が、赤外線リモコン信号RSおよび第2のLED73の光を反射するので、効率よく赤外線リモコン信号RSを受信できるとともに、第2のLED73の光を効率よく照射できる。
【0039】
図2および図12(A),(B)に示すように、反射板60の中央には、器具本体20に取り付けられている取付金具21を、天井面11の引っ掛けシーリング12に取り付けるための開口部61が設けられている。すなわち、開口部61は、取付金具21の外径よりも大きな内径を有する円形を呈している。
【0040】
図15および図16(A),(B)に示すように、開口部61の内側(上側)外周縁部には、後述するフタ62を係止するための係止部63が開口部61の中心に対して対称位置に2カ所設けられている。係止部63は、幅広の挿入開口631と、挿入開口631に続き幅狭の係止開口632を有し、全体として、開口部61の中心回りに円弧状となっている。
なお、挿入開口631は、稜線603から角度αだけ図15中、反時計方向にずれて設けられる。
【0041】
挿入開口631は上下方向に大きく(高さHA1、図16(A)参照)設定されており、フタ62の爪部625を収容する空間が大きくなっている。また、係止開口632は上下方向に小さく(高さHA2、図16(B)参照)設定されており、フタ62の爪部625を収容する空間が小さくなっている。すなわち、HA1>HA2となっており、取付け後にフタ62が係止開口632でガタつくのを防止している。
また、係止開口632の挿入開口631側端部には、フタ62の上面(裏面)624側に僅かに突出するリブ633を設けるのが望ましい。
【0042】
図13および図14(A)〜(C)に示すように、フタ62は、その外面である下面621が、反射板60の外面である下面602に沿うように形成されている。ここでは、反射板60は、対向する器具本体20の縁端部に設けられているロアーユニット40、40の間の中央部が最も低い(下向きにもっとも高い)稜線603を有し(図11(A)参照)、左右のロアーユニット40に向かって高く(下向きに低く)なる山型形状をしている。
従って、フタ62の下面621は、フタ62の中心に、装着時に反射板60の稜線603と略一直線を形成する稜線622を有する。さらに、下面621は、装着時には反射板60の下面602と略同様な山型形状を構成するように、稜線622から外周部に向かって厚みが減少するように傾斜面が設けられている。
なお、フタ62の外面である下面621は、反射板60の下面602と同系色であるのが望ましい。
【0043】
図14(A)に示すように、フタ62の外周部には、例えば半円形状の指掛かり部623が設けられている。指掛かり部623はロアーユニット40に対して対向した位置、すなわち装着時においてロアーユニット40側に位置し、稜線622から最も遠い位置に設けられる。なお、指掛かり部623は、片側(1個)のみでも可能である。
【0044】
図14(B)に示すように、フタ62の裏面である上面624には、下面621の稜線622に対応する箇所に、反射板60に係止される一対の爪部625、625が設けられる。爪部625は、フタ62の中心側に屈曲したL字形状とすることができる。
【0045】
また、図12(A),(B)および図14(A)に示すように、反射板60の下面602及びフタ62の下面621には、装着状態において、反射板60の稜線603からずれた位置に、装着位置を示す表示部604、626を有するものである。
ここでは、フタ62には三角形状の表示部(以後、「目印626」という。)を、稜線622から時針方向に角度αだけずらして設け、反射板60では、稜線603を表示部604として利用している。従って、反射板60には、表示部を別途設けない。
【0046】
従って、反射板60の開口部61にフタ62を装着する際には、図17(A)に示すように、フタ62の一対の目印626を反射板60の表示部604である稜線603に各々合わせて、フタ62を開口部61に嵌合させる。これにより、フタ62の爪部625は、反射板60の係止部63の挿入開口631に挿入される。
そして、フタ62の指掛かり623に指を掛けて、フタ62を時針方向(図17(A)中矢印A)へ回転させる。これにより、フタ62の爪部625は反射板60の係止部63のリブ633を乗り越えて回転するので、装着時のクリック感が得られ、確実に装着することができる。
装着完了後は、図17(B)に示すように、フタ62の一対の指掛かり623、623を結ぶ線が反射板60の稜線603と直交する。そして、フタ62の稜線622と反射板60の稜線603とが一直線となって固定される。
【0047】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、対向した位置に配置された一対のロアーユニット40、40により、器具本体20の内側方向に照射された光は、器具本体20内部に収容されている反射板60に照射される。反射板60は、照射口(照明方向)に向かって凸または凹形状または平坦となっているので、反射板60に照射された光は、照明方向に向かって反射し、前方を照明する。
反射板60には開口部61が設けられており、この開口部61にはフタ62が着脱可能に設けられている。フタ62は、その下面602が反射板60の下面602に沿うように形成されているので、色ムラを減少して反射板60本来の機能を果たすことができるとともに、不完全装着を容易に発見できるので、取付けミス等の異常が分かり易い。
また、フタ62は、反射板60の開口部61に回転装着されるので、装着時のフタ62の高さを反射板60の高さを同じにできる。このため、傾斜天井に取り付けたり、何らかの理由で通常の取付け角度と異なる取付け状態の場合でも、フタ62が反射板60から凹むことがなく、通常取付時と同様の配光ができる。また、フタ62には凹状の指掛かり623が設けられているので、フタ62を容易に回転させることができ、容易に着脱できる。さらに、指掛かり623を凹状とすることで、レバー等の突起を設ける必要がなく、光の輝度ムラとなる原因を回避することができる。
【0048】
また、フタ62の指掛かり623は、フタ62を装着した状態で、ロアーユニット40に対して対向した位置にあるので、指掛かり623にはロアーユニット40からの光が近い位置で照射される。このため、ロアーユニット40からの光が強く、凹状の指掛かり623によって遮光される輝度ムラを減少させることができる。
また、指掛かり623がフタ62の外周において遠い位置(直径の両端位置)にあるので、フタ62を容易に回転させることができる。
【0049】
また、稜線622に対応する箇所に反射板60に係止される爪部625を設けたので、指掛かり623とは異なる位置に爪部625を設けることになる。このため、爪部625の形状が制限されず、形状の自由度が増すとともに、爪部625を設けやすい。
また、フタ62を不完全に装着した際には、反射板60の稜線603がフタ62において一直線に通らないので、容易に不完全装着を発見できる。
【0050】
また、反射板60及びフタ62に、装着状態において、反射板60の稜線603からずれた位置に装着位置を示す目印626を設けたので、装着時に、反射板60とフタ62の表示部604、626を合わせることで、容易に位置合わせを行うことができる。これにより、フタ62を反射板60に容易に取り付けることができる。
また、凹部に目印626を設けることによる光のムラを回避できる。
【0051】
さらに、フタ62の下面621を、反射板60の下面602と同系色にしたので、フタ62における反射率を同レベルして、点灯時の色ムラを抑えることができる。
【0052】
図18に示すように、器具本体20の対向する縁端部201、202には、パネル50を取り付けるためのパネル取付部22がそれぞれ設けられている。縁端部201には、パネル取付部22として、パネル50における対向する縁端部のうちの一方の縁端部を仮固定する第1のパネル取付部23が設けられている。一方、縁端部202には、パネル取付部22として、他方の縁端部を着脱可能に取り付ける第2のパネル取付部24が設けられている。
【0053】
また、図20に示すように、器具本体20における縁端部202でパネル取付部22が設けられている領域には、人感センサや明るさセンサ等のセンサ76を配設することができる。あるいは、前述した反射板60に設けられたリモコン制御部70に設けたリモコン受信部である赤外線センサ72を配設することができる。
パネル取付部22およびロアーユニット40は、前述したパネル50の端部に設けられて透過性の低いパネルカバー51に覆われる。このため、パネルカバー51には、センサ用孔511が設けられ、センサ用孔511の奥に赤外線センサ72が設けられる。また、パネルカバー51内面におけるロアーユニット40の外側には、縦壁512が上方に向かって設けられており、ロアーユニット40からの光が赤外線センサ72に入って誤作動しないようにしている。
なお、ロアーユニット40は、器具本体20よりも平面寸法が小さな反射板60とパネル取付部22との間に配置されている。
【0054】
図21(A)に示すように、第1のパネル取付部23は、パネル50に取り付けられている支持バネ52を係止することにより、パネル50を器具本体20に仮固定および固定する。
支持バネ52は、2本の支持部521を有して全体V字形状をしており、各支持部521は開く方向へ付勢される。また、支持部521の先端は円形に曲げられてストッパ522が設けられている。
【0055】
第1のパネル取付部23は、器具本体20から下向きに取り付けられる全体コ字状のバネ係止部材26を有する(図21(B)参照)。バネ係止部材26の上板261は、仮固定する際に器具本体20に取り付けられる。上板261から下方へ直角に屈曲して縦板262が形成され、縦板262の下端部は器具本体20に内側に向けて水平に屈曲して係止板263が形成される。係止板263には、先端が開口(開口部264)し、内部には開口部264よりも広い係止孔265が設けられている(図21(C)参照)。
【0056】
図22(A),(B)に示すように、第2のパネル取付部24は、パネル50を器具本体20に固定するための固定側であるレバー部材27を有する。
図23(A)〜(D)に示すように、レバー部材27は、上端にレバー271を有し、レバー271の回転軸272には全体Z字形状の回転部材28が一体的に取り付けられている。回転部材28は、レバー部材27の回転軸272に取り付けられる取付板281と、取付板281から下方へ伸びる連結板282と、連結板282の下端から水平に折り曲げ形成された支持板283を有する。また、支持板283の先端は下向きに傾斜した傾斜面284が設けられている。
【0057】
一方、図22(A),(B)に示すように、パネル50の端部の縦壁53には、パネル50を器具本体20に取り付けるための取付板54が一体的に設けられている。取付板54は全体コ字状をしており、上端に設けられてパネル50の内側に屈曲している係止部54のみが露出している。係止部54は、低い位置にあるガイド部541と、高い位置にある係止部542とが連続して設けられている2段構造となっている。
【0058】
従って、パネル50を器具本体20に仮固定する際には、まず、図24(A)に示すように、第1のパネル取付部23において、パネル50の支持バネ52の一対の支持部521をつまんで細くし、バネ係止部材26の開口部264から係止孔265へ挿入する。そして、支持バネ52を放して付勢力により広げて係止孔265で係止して、パネル50を完全装着時よりも低い位置で器具本体20に仮固定する(図21(A)〜(C)参照)。
このとき、支持バネ52のストッパ522が係止孔265に引っ掛かるので、パネル50は落下しない。
【0059】
次いで、図24(B)に示すように、第1のパネル取付部23で仮固定されているパネル50を押し上げるとともに、パネル50を支持バネ52を回動軸として上方へ押し上げて閉じる。このときのレバー部材27の状態は、図22(A)に示すように、レバー271を外向きに開いた状態でパネル50を器具本体20に押し付ける。このとき、パネル50の取付板54のガイド部541がレバー部材27の支持板283に対向し、支持板283の先端の傾斜面284の先端が、ガイド部541よりも低い位置に位置する。
そして、図24(C)に示すように、レバー271を回転させると(図22(A)中矢印A参照)、レバー部材27の傾斜面284が取付板54のガイド部541の下方に潜り込む。さらにレバー271を回転させると、レバー部材27の支持板283が、取付板54の係止部542に至って、固定される。
【0060】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、ロアーユニット40を、器具本体20の対向する縁端部に設けられたパネル取付部22と、ロアーユニット40からの光を照明方向に反射する反射板60との間に配置したので、パネル取付部22はロアーユニット40の後方に位置する。このため、パネル取付部22による影の発生を防止できる。
【0061】
また、パネル50は、器具本体20の対向する縁端部に設けられた第1のパネル取付部23により一方の縁端部が仮固定され、他方の縁端部が第2のパネル取付部24により固定される。
第2のパネル取付部24は固定側として回動可能なレバー部材27を有するので、レバー部材27の回動により容易にパネル50を固定、あるいは解放できる。
【0062】
器具本体20内面におけるパネル取付部22が設けられている領域に、センサ72やリモコン受信部である赤外線センサ72を配設したので、センサ72や赤外線センサ72による影の発生を防止できる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
なお、前述した第1実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0064】
図25および図26(A),(B)に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具10Bでは、リモコン受信部である赤外線センサ72あるいは第2のLED73の照明方向前方(図26(A),(B)において下方)に設けられたカバー74Bを、反射板60から少なくとも赤外線受信方向に突出させた。
なお、カバー74Bは、少なくとも下面741Bは乳白色に形成して反射板60での光を拡散することにより、パネルへの光ムラを軽減する(図27(A)参照)。これにより、図27(B)に示すように、第2のLED73がカバー74に映ったり、図27(C)に示すように、豆球の常夜灯のように光るのを回避して、外観を向上させる。
また、カバー74Bは、乳白色やシボ加工しても赤外線の透過性に影響しない材料で形成する。
【0065】
なお、カバー74Bの形状としては、例えば、図28(A)に示すように、反射壁771の上端部から赤外線受信方向(図において上方)に突出したドーム状のカバー74B2とすることができる。また、図28(C)に示すように、反射壁771の高さ方向中間部から赤外線受信方向(図において上方)に突出したドーム状のカバー74B3とすることもできる。あるいは、図28(B)に示すように、反射壁771の上端部から赤外線受信方向(図において上方)に突出した平面状のカバー74B4とすることも可能である。
【0066】
また、赤外線センサ72の照明方向前方に設けられたカバー74を、反射面602から少なくとも赤外線受信方向に突出させた。
このため、反射面602と同じ高さとするよりも、カバー74にロアーユニット40からの光を照射させ、拡散させることができ、暗くなりやすいロアーユニット40から遠い反射面602の中央付近において、パネル50への光ムラを軽減できる。
また、カバー74が受光部を兼ねているので、受光部専用の筒等を設ける必要がなく、カバー部の開口を設けるだけでリモコンの性能を確保できる。
【0067】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、反射板60が山型形状あるいは角錐台形状に形成され、リモコン制御部70を反射板60の中央部に設けた場合を例示したが、本発明は、反射板がその他の形状の場合にも適用可能である。
図29(A)に示すように、反射板60Bが階段状に形成されている場合にも、図29(B)に示すように、リモコン制御部70Aを反射板60Bの中央段に設けることができる。
また、図29(C)に示すように、リモコン制御部70Bを、反射板60Bの中央段以外の段に設けることも可能である。
さらに、前述した実施形態においては、指掛かり623として凹状のものを例示したが、照射光が均一と見なされる範囲であれば、指掛かりを凸状とすることも可能である。
【符号の説明】
【0068】
10、10B 照明器具
20 器具本体
40 ロアーユニット(光源)
60 反射板
603 稜線
604 表示部
61 開口部
62 フタ
621 下面(外面)
623 指掛かり(指掛かり部)
625 爪部
626 目印(表示部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向した位置に配置され器具本体の内側方向に照射する少なくとも一対の光源と、
前記器具本体内部に収容され、前記器具本体の照射口に向かう反射板と、
前記反射板に設けられた開口部と、
前記反射板の前記開口部を着脱自在に操作されるフタと、を備え、
前記フタは、その外面が前記反射板の反射面に沿うように形成されるとともに前記反射板の前記開口部に回転装着され、指掛かり部を有する照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記指掛かり部は前記光源に対して対向した位置にある照明器具。
【請求項3】
請求項1に記載の照明器具において、
前記反射板は稜線を持つ山形状であり、
前記フタは、前記稜線に対応する箇所に前記反射板に係止される爪部を有する照明器具。
【請求項4】
請求項3に記載の照明器具において、
前記反射板及び前記フタは、装着状態において、前記反射板の稜線からずれた位置に装着位置を示す表示部を有する照明器具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記フタの外面が、前記反射板の反射面と同系色である照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2012−243481(P2012−243481A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110832(P2011−110832)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】