説明

照明器具

【課題】反射板の変形を規制して絶縁距離および光学性能を確保できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、LEDユニット22と、LEDユニット22の前面において器具本体11に取り付けられる反射板26と、反射板26の前面を覆うカバー27と、カバー27を器具本体11の周縁に取り付けるための取付板29と、器具本体11の中央部に形成される受部35および器具本体11の周縁において反射板26に当接する載置部36と、反射板26の前面の中央部においてカバー27に当接する突起部40と、反射板26の後面の中央部において器具本体11の受部35に当接する凸部38とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井材の埋設孔に埋め込まれて設置されるダウンライト等に適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電源部を内蔵し、光源配設部を備えた器具本体と、LEDを配置した基板と、LEDの光を制御する反射体とを備えた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、基板を光源配設部と反射体との間に配置し、器具本体の略中心部から反射体を引き寄せ締め付けて、基板を器具本体に密着させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−204692号公報(図1、請求項2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、光学性能を発揮させ、放熱性能を向上させつつ、商品性も損なわなくできる。
ところで、LEDユニットが取り付けられる器具本体と、器具本体においてLEDユニットの前面に取り付けられる反射板と、反射板の前面を覆って器具本体に取り付けられるパネルとを備える照明器具が提案されている。
【0005】
図10に示すように、このような従来の照明器具100は、反射板101において、上面の周縁が器具本体に、下面の周縁がパネルによりそれぞれ挟まれて取り付けられる。
そして、このような従来の照明器具100は、反射板101が、略半球形状に形成された複数の反射面102を有し、それら反射面102の頂部に形成された開口103の中央部にLEDが配置される。
そのため、このような従来の照明器具100は、反射面102により、LEDが出射した光が照射方向に反射される。
【0006】
しかし、このような従来の照明器具100は、反射板101が、例えば方向Aに向けて撓んだ場合、反射面102がアルミ薄膜形成面等になっていると、LEDユニットに対する絶縁距離および光学性能が減少する。
また、このような従来の照明器具100は、反射板101が、例えば方向Bに向けて撓んだ場合、光学性能に変動を生ずる。
従って、このような従来の照明器具100は、反射板101の撓みに伴い、絶縁距離および光学性能に影響を及ぼす。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、反射板の変形を規制して絶縁距離および光学性能を確保できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、前記器具本体の底面に取り付けられるLEDユニットと、前記LEDユニットの前面において前記器具本体に取り付けられる反射板と、前記反射板の前面を覆うカバーと、前記カバーを前記器具本体の周縁に取り付けるための取付板と、前記器具本体の中央部に形成される受部および前記器具本体の周縁において前記反射板に当接する載置部と、前記反射板の前面の中央部において前記カバーに当接する突起部と、前記反射板の後面の中央部において前記器具本体の前記受部に当接する凸部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明器具によれば、反射板の変形を規制して絶縁距離および光学性能を確保できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の斜め上方から視た外観斜視図
【図2】本発明に係る一実施形態の照明器具の斜め下方から視た分解斜視図
【図3】本発明に係る一実施形態の照明器具の垂直断面図
【図4】本発明に係る一実施形態の照明器具の器具本体の斜め下方から視た外観斜視図
【図5】本発明に係る一実施形態の照明器具の器具本体の一部破断垂直断面図
【図6】本発明に係る一実施形態の照明器具の反射板の斜め上方から視た外観斜視図
【図7】本発明に係る一実施形態の照明器具の反射板の垂直断面図
【図8】本発明に係る一実施形態の照明器具の反射板周りの一部破断垂直断面図
【図9】本発明に係る一実施形態の照明器具の反射板およびカバー周りの一部破断垂直断面図
【図10】従来の照明器具の反射板の垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る一実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10は、器具本体11と枠体12とを備える。
器具本体11は、例えばアルミニウムダイキャスト等の金属製であって、略円筒形状に形成された筒部(図2参照)13を有し、筒部13の上部に複数の放熱フィン14を有する。
器具本体11は、筒部13の側部に一対の枠体掛止部15を有する。
【0012】
枠体12は、上部枠部16と、下部枠部17と、上部枠部16と下部枠部17とを接続する接続部18とを有する。
上部枠部16は、円環形状に形成されており、上面に器具本体11の枠体掛止部15が掛止される。
下部枠部17は、円環形状に形成されており、外周部に反射面付の化粧板19を有する。
接続部18は、照明器具10が不図示の天井材の下方から不図示の埋設孔に挿入された後に、天井材の上面に係止される複数の取付部材20を有する。
【0013】
図2に示すように、器具本体11は、筒部13を有し、この筒部13の内周部に有する底板21の下面にLEDユニット22が取り付けられる。
LEDユニット22は、LED23が封止された複数のLED基板24がLED固定ばね25を介して器具本体11の底板21に固定される。
LED基板24は、不図示のプリント回路が同じく不図示の電源ユニットに電気的に接続される。
【0014】
器具本体11は、筒部13の下方側に反射板26と、カバー27と、パッキン28と、取付板29とが取り付けられる。
反射板26は、樹脂製であって、円形に形成されており、半球形状であって頂部に開口部30を有する複数の反射面形成部31を有する。
反射板26は、外縁部に複数のねじ挿通孔32を有する。
【0015】
カバー27は、乳白色や透明の樹脂部材により円形の板形状に形成されており、反射板26の前面を覆う。
パッキン28は、カバー27の外縁を覆ってカバー27に取り付けられる。
取付板29は、金属製の円環形状に形成されており、外縁部にねじ孔33を有する。
【0016】
図3に示すように、反射板26は、反射面形成部31の開口部30のそれぞれの中心位置にLEDユニット22のLED23が配置される。
そのため、反射面形成部31は、LED23が出射した光を照射方向に反射させる。
このとき、反射板26に方向(図10参照)Bに撓み等が生ずると、反射面形成部31の開口部30のそれぞれの中心位置にLEDユニット22のLED23が配置されなくなり、光学性能が減少したり、光学性能に変動を生じたりする。
取付板29は、反射板26のねじ挿通孔32を通じて、ねじ孔33からねじ34が器具本体11にねじ込まれる。
【0017】
次に、器具本体11の詳細構造について説明する。
図4に示すように、器具本体11は、底板21の下面の中央部に複数の受部35を備える。
受部35は、底板21の中央部の同一円周上に小突起形状に形成されて下方へ向けて突出される。
器具本体11は、底板21の周縁部において内周に向けて突出される複数の載置部36を備える。
【0018】
図5に示すように、器具本体11は、受部35が高さ寸法L1で底板21から突出される。
器具本体11は、載置部36が、受部35の高さ寸法L1よりも大きい高さ寸法L2で底板21から突出される。
【0019】
次に、反射板26の詳細構造について説明する。
図6に示すように、反射板26は、円板形状に形成された反射板本体37の上面の中央部に複数の凸部38を備える。
凸部38は、反射板本体37の中央部の同一円周上に小突起形状に形成されて上方へ向けて突出される。
このとき、反射板26の凸部38は、器具本体11の受部35に一致する位置に配置される。
反射板26は、反射板本体37の上面の凸部38の外方であって、複数の反射面形成部31の間に補助凸部39を備える。
補助凸部39は、反射面形成部31の間において軸形状に形成されて上方へ向けて突出される。
【0020】
図7に示すように、反射板26は、反射板本体37の下面の中央部に突起部40を備える。
反射板26は、突起部40が、高さ寸法L3で反射板本体37から突出される。
反射板26は、凸部38が、高さ寸法L4で反射板本体37から突出される。
反射板26は、補助凸部39が、器具本体11の載置部36の高さ寸法L2に同等の高さ寸法L5で反射板本体37から突出される。
反射板26は、反射面形成部31の内面を含む反射板本体37の下面が、アルミ薄膜形成面の非充電金属部である。
そのため、反射板26に方向(図10参照)Aに撓み等が生ずると、非充電金属部に対するLED23の絶縁距離に支障を生ずる。
【0021】
次に、器具本体11と反射板26との組付後の詳細構造について説明する。
図8に示すように、器具本体11は、底板21の下面に反射板26が組付けられ、この反射板26の前面にパッキン28を介してカバー27が組付けられ、パッキン28の前面に取付板29が組付けられる。
【0022】
そして、反射板26のねじ挿通孔32を通じて、取付板29のねじ孔33からねじ34が器具本体11にねじ込まれる。
そのため、取付板29と、器具本体11との間に、カバー27と、反射板26とが挟まれて組付けられる。
このとき、反射板26は、反射板本体37の上面の周縁部が、器具本体11の載置部36に当接する。
そして、反射板26は、反射板本体37の上面の凸部38が、器具本体11の受部35に当接する。
さらに、反射板26は、反射板本体37の上面の補助凸部39が、器具本体11の底板21に当接する。
【0023】
図9に示すように、反射板26は、反射板本体37の下面の突起部40が、高さ寸法L3で反射板本体37から突出されている。
そのため、突起部40は、カバー27に当接せずに、カバー27から隙間寸法L6だけ離れて配置される。
従って、取付板29が器具本体11にねじ34のねじ込みにより器具本体11に取り付けられた際の交差寸法を隙間寸法L6により吸収して反射板26がカバー27に直接接触しないようにできる。
【0024】
このように、照明器具10は、取付板29が器具本体11にねじ止めされることにより、反射板26の周縁部が、取付板29に押圧されて支持される。
従って、照明器具10は、反射板26の外縁部の変形が規制される。
【0025】
また、照明器具10は、取付板29が器具本体11にねじ止めされることにより、反射板26の反射板本体37の上面の凸部38が器具本体11の受部35に当接される。
そして、照明器具10は、取付板29が器具本体11にねじ止めされることにより、反射板26の反射板本体37の上面の補助凸部39が器具本体11の底板21に当接する。
そのため、照明器具10は、反射板26に対して方向Aへ変形させるような応力が作用したとしても、反射板26の方向Aへの変形が規制される。
従って、照明器具10は、絶縁距離および光学性能の減少を防止できる。
【0026】
そして、照明器具10は、反射板26に対して方向Bへ変形させるような応力が作用した際に、反射板26の反射板本体37が、突起部40とカバー27との隙間寸法L6を超えて変形する。
そのため、照明器具10は、反射板26の反射板本体37の下面の突起部40がカバー27に当接する。
これにより、照明器具10は、反射板26に対して方向Bへ変形させるような応力が作用したとしても、反射板26の方向Bへの変形が規制される。
従って、照明器具10は、光学性能の変動を防止できる。
【0027】
以上、説明した本発明に係る一実施形態の照明器具10によれば、器具本体11の中央部の受部35が反射板26の後面の中央部の凸部38に当接され、器具本体11の周縁の載置部36が反射板26の外周部に当接される。
また、照明器具10によれば、反射板26の前面の中央部の突起部40がカバー27に当接される。
従って、照明器具10によれば、反射板26の変形を規制して絶縁距離および光学性能を確保できる。
【0028】
また、本発明に係る一実施形態の照明器具10によれば、反射板26の突起部40が、カバー27に当接せずに、カバー27から隙間寸法L6だけ離れて配置される。
従って、照明器具10によれば、取付板29が器具本体11にねじ止めされた際の交差寸法を吸収して反射板26がカバー27に直接接触しないようにできる。
【0029】
なお、本発明の照明器具において枠体,LED基板,LED,LEDユニット等は、前述した一実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0030】
10 照明器具
11 器具本体
22 LEDユニット
26 反射板
27 カバー
29 取付板
35 受部
36 載置部
38 凸部
40 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体の底面に取り付けられるLEDユニットと、
前記LEDユニットの前面において前記器具本体に取り付けられる反射板と、
前記反射板の前面を覆うカバーと、
前記カバーを前記器具本体の周縁に取り付けるための取付板と、
前記器具本体の中央部に形成される受部および前記器具本体の周縁において前記反射板に当接する載置部と、
前記反射板の前面の中央部において前記カバーに当接する突起部と、
前記反射板の後面の中央部において前記器具本体の前記受部に当接する凸部とを備える照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−8506(P2013−8506A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139320(P2011−139320)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】